JP4728205B2 - 加工データ生成方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態の突き加工装置を含むCAMシステムを示す概略構成図である。
CAMシステム10のCADシステム11では、製品形状を表す形状モデル(形状データ)が作成され、その形状モデルはCAD装置12に送出される。CAD装置12は、演算処理装置13からアクセスされる記憶装置(図示略)を備え、形状モデルはその記憶装置に格納された形状データベースDB1に記憶される。その形状データベースDB1には、製品及び製品を製造するための金型のデータ及び素材データなどが予め記憶されている。演算処理装置13は、該形状データベースDB1に記憶された形状データと金型のデータ及び素材データを読み出し、それらのデータに基づいて突き加工計算用データ(オフセットデータ)を算出し、該算出したデータを記憶装置に格納されたパラメータファイル用データベースDB2に記憶する。演算処理装置13は、パラメータファイル用データベースDB2に格納されたデータを読み出し、突き加工パスデータを生成する。突き加工パスデータは突き加工を行なう工作機械を制御するためのデータであり、演算処理装置13は該加工パスデータ及び該加工パスデータと被切削物の形状を元に下降深さを算出し、これらを突き加工パスデータベースDB3に格納する。この突き加工パスデータベースDB3に記憶されたデータは突き加工装置15に送出される。
始めに、演算処理装置13は素材データベースDB1a及び製品データベースDB1bから素材データ及び製品データをそれぞれ読み出す。そして、演算処理装置13は該読み出したデータを用いて被切削物のうち加工する範囲を求める(ステップ21)。次いで、該加工範囲に対して、加工軸方向と直交する平面上に、製品データとしての形状データ線をオフセットし、該オフセットしたライン(加工輪郭線、以下、オフセット線又はオフセット線を構成するオフセットデータという)をオフセットデータベースDB2aに記憶する(ステップ22)。加工を必要とする部位に隘路及び折り返し角が存在している場合、演算処理装置13はオフセットデータベースDB2aに記憶したオフセットデータを読み出し、該オフセットデータより加工補助線のデータを作成し、該加工補助線を図示しない記憶装置に記憶する(補助線分生成工程としてのステップ23)。加工補助線の作成が終わると、次に演算処理装置13は再度オフセットデータベースDB2aに記憶されたオフセットデータを読み出して加工補助線上に等間隔の突き加工パス(突き加工位置及び下降深さ)を作成する。突き加工パス作成後、演算処理装置13は作成データをパスデータとして突き加工パスデータベースDB3に記憶する(ステップ24)。そして、演算処理装置13は突き加工パス上に突き加工位置を、加工補助線上を等間隔にて分割した位置を決定し、この位置データもパスデータとして突き加工パスデータベースDB3に記憶する(加工位置算出工程としてのステップ25)。
図3は加工補助線データを作成するステップ23のサブステップを示す。
始めに演算処理装置13は、オフセット線を突き加工装置15のピッチ間隔以内で分割した点を求める(ステップ31)。次に、未処理の分割点があるか否かを判断し、未処理の分割点が有る場合にはステップ33へ移行し、未処理の分割点がない場合には加工補助線の生成処理を終了する(ステップ32)。即ち、演算処理装置13は、ステップ33以降の処理を繰り返し実行し、全ての分割点に対して加工補助線を生成するか否かの判断と、加工補助線のデータ生成を行なう。
ステップ31における該分割点は、突き加工装置15が通常時突き加工を行なう位置として設定される。その一方で、オフセット線を引いた状態で所定径以下の狭い折り返し角及び隘路が形成された場合には、加工補助線のデータを利用した第1の加工位置及びオフセット線のデータを利用した第2の加工位置としての突き加工位置計算が適用される。
図3に示すフローチャートに描かれた処理より、加工補助線Lhのデータ(以下加工補助線データ
)が第1の記憶装置に記憶される。演算処理装置13は、記憶装置に記憶された円O2に基づく加工補助線データLhを読み出し、加工補助線Lh上に分割点(円全体の均等分割若しくは接点間での均等分割など図5(c)参照。)となる評価点Pcを作成する(ステップ41)。次に、オフセット線Lk上にある未処理の分割点があるか否かを判断し、未処理の分割点が有る場合にはステップ43へ移行し、未処理の分割点がない場合には加工補助線Lhの生成処理を終了する(ステップ42)。即ち、演算処理装置13は、ステップ43以降の処理を繰り返し実行し、オフセット線Lkに係る全ての分割点に対して加工補助線Lhを生成するか否かの判断と、加工補助線Lhのデータ生成を行なう。
この場合、突き加工装置15が突き加工を行なう切削手順は図中に記された番号にて示されている。ピッチ幅で分割された通常の突き加工位置(図示略)を切削し、最も径の大きい加工補助線Lh1を優先して突き加工位置にて切削する。即ち、図7に示すように、最も径の大きい加工補助線Lh1上にある突き加工位置P1〜P5と、次に径の大きい加工補助線Lh2上にある突き加工位置P6〜P9と、の順に突き加工が行なわれる。そして、最も小さい径の加工補助線Lh3上にある突き加工位置P10〜12と、角の突き加工位置P13と、通常の突き加工位置と、の順に突き加工が行なわれる。
(1)被切削物WのオフセットデータLkが隘路又は折り返しを形成する箇所に対して、突き加工装置15に搭載された切削工具Cの移動方向前後の2点を結ぶ加工補助線Lhを生成し、該加工補助線Lhを形状データベースDB1に記憶する。そして、切削工具Cが、加工補助線Lhに沿って所定間隔に配置される第1の加工位置を通過した後、2点間のオフセットデータLkに沿って所定間隔に配置される第2の加工位置と、を算出し、第1の加工位置及び第2の加工位置をパラメータファイル用データベースDB2に記憶する。更に、被切削物Wを、第1の加工位置に移動させた切削工具Cにて切削した後に、第2の加工位置に移動させた切削工具Cにて切削するように、切削工具Cを駆動するための突き加工パスデータを作成し、該データを突き加工パスデータベースDB3に記憶する。
・上記実施形態おいて、加工補助線Lhは単に円弧ではなく、例えば放物線、サイクロイド曲線、トロコイド曲線などの曲線を描く関数を用いてもよい。関数に分割点の座標値を代入することで決定される加工補助線の式に、分割点の座標値とピッチ間隔を代入することで第2の加工位置の座標値が得られる。
この場合、演算処理装置13は所定間隔分離れた分割点P1,P10の2点を通り、中心点Tcを該分割点P1,P10の2点から算出される垂線上にあるものとする第1の円T1を描き、次いで予め設定してある工具径の大きさよりも十分大きい第2の円T2を作成する。分割点P1,P10のうち、例えば切削順序となる進行方向の手前側となる分割点P1を開始点として、第2の円がトロコイド曲線LTを破線の先端に印した矢印の方向に描く。描かれた曲線を加工補助線Lhとすることで、曲線関数を用いた加工補助線Lhを得る事ができる。
Claims (4)
- 製品形状を表す形状モデルに対応する加工輪郭線に沿って回転工具を移動させるとともに、該加工輪郭線上に設定された加工位置において前記回転工具をその回転軸方向に沿って移動させて被切削物を切削する突き加工装置を駆動するためのデータをコンピュータにて生成する加工データ生成方法であって、
前記加工輪郭線が隘路又は折り返しを形成する箇所に対して、前記回転工具の移動方向前後の2点を結ぶ加工補助線を生成し、該加工補助線を記憶装置に記憶する補助線分生成工程と、
前記回転工具が、前記加工補助線に沿って所定間隔に配置される第1の加工位置を通過した後、前記2点間の加工輪郭線に沿って所定間隔に配置される第2の加工位置と、を算出し、第1の加工位置及び第2の加工位置を記憶装置に記憶する加工位置算出工程と、
前記被切削物を、前記第1の加工位置に移動させた前記回転工具にて切削した後、前記第2の加工位置に移動させた前記回転工具にて切削するように、前記回転工具を駆動するためのデータを作成し、該データを記憶装置に記憶するデータ生成工程と、
を有し、
前記補助線分生成工程において、
前記箇所を含む所定領域内において、前記箇所に対して前記回転工具の移動方向手前側の加工輪郭線を分割する分割点を設定し、
前記分割点を通る所定径の円を設定し、該円が前記箇所に対して前記回転工具の移動方向後ろ側の加工輪郭線と交差又は接するか否かを判断し、
前記円が交差する場合には該円が加工輪郭線と接するようにその径を調整し、
前記加工輪郭線と接する円との接点を前記回転工具の移動方向前後の2点とするとともに、該円において前記2点間の円弧を前記加工補助線とすることを特徴とする加工データ生成方法。 - 前記分割点を複数設定し、前記分割点毎に、前記加工補助線を設定することと、該加工補助線上に第1の加工位置を設定することとを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の加工データ生成方法。
- 前記分割点に対して所定径の円が前記加工輪郭線と交差せず且つ接しない場合には、その分割点に対する加工補助線の作成処理をスキップする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の加工データ生成方法。
- 前記補助線分生成工程では、長さが異なり両端が前記箇所の前後において前記加工輪郭線と重なる複数の加工補助線を生成し、
前記加工位置算出工程では、前記複数の加工補助線のそれぞれに第1の加工位置を設定し、
前記データ生成工程では、前記複数の加工補助線のうち、長さが長い加工補助線から順番に各加工補助線上の第1の加工位置に前記回転工具を移動させて切削を行った後、前記第2の加工位置に前記回転工具を移動させて切削を行なうように加工データを生成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の加工データ生成方法。
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