JP4727801B2 - アルケニルフェノール系星型ブロック共重合体、およびその製造方法 - Google Patents

アルケニルフェノール系星型ブロック共重合体、およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中心核と、アルケニルフェノール系単独重合体又は共重合体をポリマー鎖とするアーム部とからなる星型ブロック共重合体及びその製造方法に関し、特に、中心核に残存する二重結合を極力低減することにより、250nm近傍の波長の光透過率に優れた塗膜を形成することができるアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体及びその製造方法に関する。本発明の星型ブロック共重合体は、エキシマレーザー及び電子線用レジスト材料としての利用が期待される化合物である。
【0002】
【従来の技術】
星型ブロック共重合体は、分子内に中心核と該中心核から星状にのびるアーム部を有する高分子である。このものは、エラストマー分岐及び熱可塑性分岐を有し、良好な耐熱性を有するので、感圧接着剤や粘度改質剤等種々の用途への適用が知られている。
また、星型ブロック共重合体は、レジスト材料のベースポリマーとしての適用も期待されている。レジスト材料としては、高分子である方が解像度を上昇させ、耐熱性を有するために好ましい。従来の線状高分子(「リニアポリマー」とも称する。)においては、高分子量化するためには線状構造をさらに延ばす必要がある。そして、その為に粘度上昇を引き起こし、レジスト塗布工程において問題となる場合がある。
一方、星型ブロック共重合体の場合には、線状構造とすることなく高分子量化することが可能であるので、従来の線状高分子に比して、高分子量で、かつ低粘度のものを得ることができる。
【0003】
かかる星型ブロック共重合体としては、例えば、特開平5−222114号公報には、イソプレン及びスチレンをアニオン重合させてブロックコポリマー分子を製造し、次いで、ブロックコポリマー分子1モル当たり2.5モル以上のポリアルケニルカップリング剤とカップリングさせ、更に少なくとも95%以上のイソプレン単位(オレフィン性不飽和部分)及び15%より少量のスチレン単位(芳香族性不飽和部分)を選択的に水素化した星型ポリマーが記載されている。
【0004】
特開平6−220203号公報には、(1、1−ジ置換)アルキルの不飽和カルボン酸エステルから誘導される少なくとも1種のポリマーブロック、並びに共役ジエンから誘導される少なくとも1種のポリマーブロック及び/又はモノビニル芳香族化合物から誘導される少なくとも1種のポリマーブロックを含む改質ブロックコポリマーであって、多官能性カップリング剤の架橋した核を含む改質ブロックコポリマーが記載されている。
【0005】
特開平6−256436号公報には、水素化重合共役ジエンを含み、ピーク分子量が10,000〜200,000の少なくとも3個の第1アーム;重合メタクリレート及び/又はそのアミド又はイミド誘導体を含み、ピーク分子量が500〜10,000の少なくとも3個の第2アーム;及び第1及び第2のアームを星型配置に接続し、重合ビス不飽和モノマーを含む中心核に含むポリマーが記載されている。
特開平7−97413号公報には、下記一般式
【0006】
【化8】
Figure 0004727801
【0007】
(式中、Cは架橋ビス不飽和モノマーのブロックであり;A’は各々独立してアニオン重合モノマーのブロックであり;Mはメタクリル酸部分のエチレン不飽和を介して重合した重合メタクリル酸アルキルのブロックであり;t’は0又は1であり;s及びtは平均2以上、但しs≦tである)で表される化合物であって、分子量が20,000〜2,000,000であり、A’がスチレン又はイソプレンである星型ブロックポリマーが記載されている。
【0008】
特開平8−48987号公報には、(EP’−S−EP’’)n−X〔式中、EP’は、水素化前の数平均分子量が10,000〜100,000であるポリイソプレン(I’)の第1水素化されたブロックであり、Sは数平均分子量が6,000〜50,000のポリスチレンブロックであり、EP’’は水素化前の数平均分子量が2,500〜50,000であるポリイソプレン(I’’)の第2の水素化されたブロックであり、I’/I’’の分子量比が(Mw)が少なくとも1.4であり、Xはポリアルケニルカップリング剤からなる核であり、nは、(EP’−S−EP’’)アーム1モル当たり2モル以上のポリアルケニルカップリング剤を反応させることによって形成される星状分子1分子当たりの平均アーム数を表す。〕で表される構造を有するポリスチレンブロック及び水素化ポリイソプレンブロックからなる、粘度指数改良剤として有用な星状ポリマーが記載されている。
【0009】
特開平8−81514号公報には、非極性溶媒に可溶性で如何なる残留二重結合も含有しない(又は実質的に含有しない)、一般式(I):(PA)an-nLi+〔式中、PAは、ビニル芳香族モノマー及びジエンモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーAから生じるポリマーブロックを表し、aはPAブロックのアームの数であって、3〜30の数を表し、Nは、式:(PMc)(RLi)p(式中、Mcは、分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を含有するモノマーであり、PMcは、モノマーMc由来の初期二重結合に関して3〜30%の残留二重結合を含有する少なくとも1種の重合モノマーMcの架橋コアであり、Rは、直鎖又は分枝鎖を有するアルキル基等であり、pは、RLiにより中和されているPMc中の残留二重結合の数である。)を有する、如何なる残留二重結合も含有しないか又は実質的に含有しない架橋コアを表し、nは、架橋コア中に存在するアニオン部位の数であって、a+p(又はp)に等しい(pは上記の意味を有し、aはRLiの付加前の架橋PMcコア内に存在するアニオン部位の数である)〕により表されるアニオン重合の多官能性開始剤が記載されている。
【0010】
特表平8−504865号公報には、(a)モノビニル芳香族炭化水素、共役ジエン及びそれらの混合物からなるグループから選ばれた、少なくとも1つのアニオン重合した単量体から少なくとも3つのアーム、(b)ポリジメチルシロキサンからなる少なくとも3つのアーム、並びに(C)ポリアルケニル芳香族カップリング剤からなるコア(上記(a)及び(b)のアームがこのコアから外側に向かって放射状に伸びている)からなる星形ブロック共重合体が記載されている。
【0011】
特表平8−505179号公報には、一般式:(A”−B)n(B)mX(式中、A”は15,000未満のピーク分子量を有するポリスチレンのブロックであり、Bは15,000〜50,000の範囲のピーク分子量を有する水素化共役ジエンのポリマーブロックであり、Xはジビニルベンゼンのブロックであり、かつ、n及びmは0以上の整数であり、nとmの合計は少なくとも10である。)のブロックコポリマーが記載されている。
【0012】
また、特表平9−5410236号公報には、(a)ジビニル芳香族化合物、トリビニル芳香族化合物、ジエポキシド、ジケトン及びジアルデヒドでなる群から選ばれるコアを形成する多官能性結合剤4分子以上、及び(b)前記コアに結合する3以上のカチオン重合体分枝を含有してなり、前記重合体分枝が、ホモ重合体、共重合体、少なくとも1つのポリオレフィンセグメント、並びに少なくとも1のポリアリールセグメントを有するブロック共重合体又はグラフト共重合体からなる群から選ばれる星型コポリマーが記載されている。
【0013】
一方、ポリ−p−ヒドロキシスチレンに代表されるアルケニルフェノールのホモポリマーやコポリマー、中でも、ポリ−(p−ヒドロキシスチレン)や(p−ヒドロキシスチレン/スチレン)コポリマーは、化学増幅型エキシマレーザーレジスト材料として有用であることが知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上述した星型ブロック共重合体とポリ−(p−ヒドロキシスチレン)骨格の優れた性質を併せ持った新規な星型ブロック共重合体の創出を試み、星型ブロック共重合体のアーム部に、ポリ−(p−ヒドロキシスチレン)骨格を有する新規なアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体を開発した。
【0015】
しかしながら、このものは、重合可能な二重結合を有する多官能性化合物を用いて中心核を形成しているため、該カップリング剤に由来する二重結合が残存している場合がある。そして、この残存二重結合は250nm付近に吸収領域を有し、最終工程での酸処理(フェノール性水酸基の保護基の脱離工程)において、分子量分布が変化したり、250nm付近の波長の光透過率が低下する問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、溶液とした場合に、線状構造のポリマーに比べて高分子量でしかも低粘度であり、狭分散性で、かつ、250nm近傍の波長の光透過率が優れた新規星型ブロック共重合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、中心核に残存する二重結合を極力低減した星型ブロック共重合体を製造することにより、狭分散性に優れ、かつ、250nm近傍の波長の光透過率が向上し、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち、本発明は第1に、中心核と、該中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム部(A)を有する星型ブロック共重合体であって、
前記アーム部(A)は、一般式(I)
【0019】
【化9】
Figure 0004727801
【0020】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2の場合、R2は同一又は相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位を有するポリマー鎖(A1)を含み、前記中心核は、重合可能な二重結合を有する多官能性化合物が架橋してなるポリマーからなり、かつ、二重結合を実質的に含有しないことを特徴とする星型ブロック共重合体を提供する。
【0021】
本発明の星型ブロック共重合体においては、前記ポリマー鎖(A1)は、次の(A)〜(C)のいずれかであるのが好ましい。
(A)前記一般式(I)及び一般式(II)
【0022】
【化10】
Figure 0004727801
【0023】
(式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、R5は酸分解脱離基を表し、qは1又は2を表す。qが2の場合、R4は同一又は相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位を有する共重合体。
(B)前記一般式(I)及び一般式(III)
【0024】
【化11】
Figure 0004727801
【0025】
(式中、R6は水素原子又はメチル基を表し、R7は水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、rは1又は2を表す。rが2の場合、R7は同一又は相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位を有する共重合体。
(C)前記一般式(I)、一般式(III)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する共重合体。
【0026】
本発明の星型ブロック共重合体は、前記アーム部(A)を構成するポリマー鎖の数平均分子量が1,000〜100,000であり、且つ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.00〜1.50の範囲にあるのが好ましい。
【0027】
本発明の星型ブロック共重合体の中心核は、1分子あたり少なくとも2つの重合性2重結合を有する多官能性化合物からなるのが好ましい。
前記多官能性化合物としては、一般式(IV)
【0028】
【化12】
Figure 0004727801
【0029】
〔式中、R8は水素原子又はメチル基を表し、Yは、酸素原子、イオウ原子、r12N(r1及びr2はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜C6のアルキル基、アルコキシカルボニル基を表す。)、置換基を有していてもよいメチレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基、C(r34)O、C(r56)S、C(r78)N(r9)、OC(r1011)、SC(r1213)、N(r14)C(r1516)、OCO又はCO2CH2を表し、r3〜r16はそれぞれ独立して、C1〜C6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。wは0又は1〜2の整数を表し、wが2の場合、Yは同一又は相異なっていてもよい。また、uは2又は3を表し、この場合、Y、R8及びWは同一又は相異なっていてもよい。〕で表される化合物であるのがより好ましい。
【0030】
また、本発明の星型ブロック共重合体は、その数平均分子量が3,000〜200,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.00〜1.50の範囲にあるのがそれぞれ好ましい。
【0031】
本発明は第2に、アニオン重合開始剤を用いるアニオン重合法により、一般式(V)
【0032】
【化13】
Figure 0004727801
【0033】
(式中、R3、R4、R5及びqは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物を単独重合、又は前記一般式(V)で表される化合物と前記一般式(V)で表される化合物と共重合可能な化合物とを共重合させる工程と、
重合可能な二重結合を有する多官能性化合物をさらに共重合させる工程と、得られた反応液に、残存する二重結合に対応する量又はそれ以上の有機アルカリ金属を添加する工程と、及びフェノール性水酸基の保護基を脱離させる工程とを有する前記星型ブロック共重合体の製造方法を提供する。
【0034】
本発明の製造方法においては、多官能性化合物(S)と、前記一般式(V)で表される化合物を単独重合させたポリマー鎖も活性末端(Q1)、又は前記一般式(V)で表される化合物と共重合可能な化合物と共重合させて得られるポリマー鎖の活性末端(Q2)のモル比(S/(Q1又はQ2))は0.1〜10であるのが好ましい。
前記多官能性化合物は、一般式(IV)
【0035】
【化14】
Figure 0004727801
【0036】
(式中、R8、w、u及びYは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物であるのが好ましい。
また、前記一般式(V)で表される化合物と共重合可能な化合物としては、一般式(VI)
【0037】
【化15】
Figure 0004727801
【0038】
(式中、R6、R7及びrは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物であるのが好ましい。
本発明は第3に、中心核と、該中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム部を有する星型ブロック共重合体であって、前記星型ブロック共重合体により略1.0μmの厚さに形成された薄膜の250nm近傍の光透過率が50%以上である星型ブロック共重合体を提供する。
【0039】
また、前記星型ブロック共重合体は、20重量%未満の残留アームポリマーを含有してなるのが好ましい。該星型ブロック共重合体としては、前記第1の発明の星型ブロック共重合体であるのがより好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
1)アルケニルフェノール系星型ブロック共重合体
本発明の星型ブロック共重合体は、中心核と、該中心核に、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマー鎖(A1)を含有するアーム部を有する。
【0041】
本発明の星型ブロックコポリマーのポリマー鎖(A1)は、次の▲1▼〜▲4▼のいずれかであるのが好ましい。
▲1▼第1のタイプは、前記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるホモポリマーである。
一般式(I)で表される繰り返し単位中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は、水素原子、又はメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のC1〜C6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2の場合、R2は同一又は相異なっていてもよい。R2及び水酸基(OH基)の置換位置は特に制限されないが、水酸基の置換位置は、アルケニル基のパラ位又はメタ位が好ましい。
【0042】
▲2▼第2のタイプは、前記一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する共重合体である。
前記一般式(II)で表される繰り返し単位中、R3は水素原子又はメチル基を表す。R4は、水素原子又はメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のC1〜C6のアルキル基を表し、qは1又は2を表す。qが2の場合、R4は同一又は相異なっていてもよい。また、これらの置換基の置換位置は特に制限されない。
【0043】
5は酸分解脱離基を表す。ここで、酸分解脱離基とは、酸により脱離及び/又は分解する基を意味する。例えば、メトキシメチル基や2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
また、R5としては、下式
【0044】
【化16】
Figure 0004727801
【0045】
(式中、R9は、C1〜C20の無置換若しくはアルコキシ基が置換されたアルキル基、C5〜C10のシクロアルキル基、又はC6〜C20の無置換若しくはアルコキシ基が置換されたアリール基を表し、R10は水素原子又はC1〜C3のアルキル基を表し、R11は、水素原子、C1〜C6のアルキル基又はC1〜C6のアルコキシ基を表す。)で表される基をさらに例示することができる。
【0046】
かかる置換基の具体例としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等が挙げられる。また、OR5基の置換位置は特に制限されないが、アルケニル基に対してメタ位又はパラ位が好ましい。
【0047】
▲3▼第3のタイプは、前記一般式(I)及び一般式(III)で表される繰り返し単位を有する共重合体である。
前記一般式(III)で表される繰り返し単位中、R6は水素原子又はメチル基を表し、R7は、水素原子、又はメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のC1〜C6のアルキル基を表し、rは1又は2を表す。rが2の場合、R7は同一又は相異なっていてもよい。また、これらの置換基の置換位置は特に制限されない。
【0048】
▲4▼第4のタイプは、前記一般式(I)、一般式(III)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する共重合体である。上記▲3▼及び▲4▼の場合、一般式(I)、(II)及び(III)で表される繰り返し単位の結合順序や共重合の様式等に特に制限はない。例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交差共重合体等であってもよい。
【0049】
本願発明の星型ブロック共重合体には、必要に応じて、前記一般式(I)〜(III)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を含めることができる。かかる繰り返し単位としては、前記一般式(I)〜(III)に対応する単量体と共重合可能な2重結合を有する化合物から得られる繰り返し単位が挙げられ、スルホン酸基、カルボキシル基、フェノール水酸基等の酸性置換基を有しない繰り返し単位が好ましい。
【0050】
かかる繰り返し単位の具体例としては、ビニル基含有化合物や(メタ)アクロイル基含有化合物から得られる繰り返し単位等が挙げられる。
ビニル基含有化合物としては、ビニルピリジン等のヘテロ原子含有芳香族ビニル化合物;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のビニルケトン化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;ビニルピロリドン、ビニルラクタム等のヘテロ原子含有脂環式ビニル化合物;等を例示することができる。
また、上記(メタ)アクロイル基含有化合物としては、下記一般式
【0051】
【化17】
Figure 0004727801
【0052】
(式中、R12は水素原子又はメチル基を表し、R13はC1〜C12のアルキル基、炭素数3以上の脂環式骨格を有する炭化水素基、ヘテロ原子を含有するC2以上の脂環式骨格を有する炭化水素基又はヘテロアリール基を表す。)で表される(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリロニトリル等を例示することができる。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルの意味で用いる。
【0053】
上記一般式におけるR13の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基等、又は下記式
【0054】
【化18】
Figure 0004727801
【0055】
(式中、nは0又は1を表す。)で表される基を具体的に例示することができる。
これらビニル基含有化合物や(メタ)アクロイル基含有化合物は、1種又は2種以上の混合物として使用することができる。また、これらビニル基含有化合物や(メタ)アクロイル基含有化合物から得られる繰り返し単位は、前記一般式(I)〜(III)に示される繰り返し単位とランダム共重合あるいはブロック共重合させて、本発明の星型ブロック共重合体に含有させることができる。
【0056】
アーム部(A)を構成するポリマー鎖(A1)の数平均分子量は特に限定されないが、通常1,000〜100,000の範囲であるのが好ましく、且つ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.00〜1.50の範囲にある単分散性であるのが好ましい。
【0057】
本発明の星型ブロック共重合体の中心核は、重合可能な二重結合を有する多官能性化合物からなり、特に、多官能性化合物が重合架橋した構造を有するのが好ましい。用いることのできる多官能性化合物としては、例えば、分子内に官能基を2つ以上有する化合物が挙げられ、特に一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
【0058】
かかる多官能性化合物としては、具体的には、ジビニル芳香族化合物、トリビニル芳香族化合物等の前記一般式で表される化合物が挙げられる。
【0059】
上記ジビニル芳香族化合物としては、例えば、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベンゼン、1,2−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニルナフタレン、2,4−ジビニルビフェニル、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,8−トリブチルナフタレン、2,2′−ジビニル−4−エチル−4′−プロピルビフェニル等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
【0060】
上記ジビニル芳香族化合物として、例えば、ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼン等との混合物として通常市販されており、上記ジビニル芳香族化合物が主たる成分であるものをそのまま使用することが可能である。また、必要に応じて精製して純度を高めて用いてもよい。更に、スチレン等の他の重合可能な二重結合芳香族化合物等を混合して使用することができる。混合比率は、ジビニル芳香族化合物等と混合して架橋重合した中心核を形成することができれば特に限定されないが、通常1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。
【0061】
上記トリビニル芳香族化合物としては特に限定されず、例えば、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,3,5−トリビニルナフタレン、3,5,4′−トリビニルビフェニル、1,5,6−トリビニル−3,7−ジエチルナフタレン等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0062】
また、ビニル芳香族化合物として、ビニル基と芳香環の間にスペーサーを設けた下記に示すような化合物を更に例示することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0063】
【化19】
Figure 0004727801
【0064】
また、本発明においては、下記化学式で表される多官能性化合物を例示することができる。
【0065】
【化20】
Figure 0004727801
【0066】
前記一般式(V)で表される化合物としては、具体的には、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、p−(テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン、p−(テトラヒドロピラニルオキシ)−α−メチルスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレン、p−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン等を例示することができ、これらは1種単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0067】
2)アルケニルフェノール系星型ブロック共重合体の製造
本発明のポリマー鎖(A1)を含むアーム部(A)を有する星型ブロック共重合体は、
(1)アルカリ金属又は有機アルカリ金属をアニオン重合開始剤として、▲1▼前記一般式(V)で示される化合物、▲2▼一般式(V)で表される化合物及び一般式(VI)で表される化合物、又は▲3▼一般式(V)で表される化合物と該化合物と共重合可能な二重結合を有する化合物をアニオン重合させた後、更に、所望により多官能性化合物を反応させ、得られた反応液に残存する二重結合に対応する量、またはそれ以上の有機金属を添加し、次いで、得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を全部又は一部脱離させる方法、
【0068】
(2)アルカリ金属又は有機アルカリ金属をアニオン重合開始剤として、多官能性化合物を反応させて多官能性コアを形成した後、得られた反応液に残存する二重結合に対応する量、またはそれ以上の有機金属を添加し、次いで、▲1▼前記一般式(V)で示される化合物、▲2▼一般式(V)で表される化合物及び一般式(VI)で表される化合物、又は▲3▼一般式(V)で表される化合物と該化合物と共重合可能な二重結合を有する化合物をアニオン重合させて共重合体を得、さらに、得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を全部又は一部脱離させる方法、
【0069】
(3)アルカリ金属又は有機アルカリ金属をアニオン重合開始剤として、多官能性化合物を反応させて多官能性コアを形成した後、次いで、▲1▼前記一般式(V)で表される化合物、▲2▼一般式(V)で表される化合物及び一般式(VI)で表される化合物、又は▲3▼一般式(V)で表される化合物と該化合物と共重合可能な二重結合を有する化合物をアニオン重合させて共重合体を得、得られた反応液に残存する二重結合に対応する量又はそれ以上の有機金属を添加し、更に得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を全部又は一部を脱離させる方法、
【0070】
(4)アルカリ金属又は有機アルカリ金属をアニオン重合開始剤とし、▲1▼前記一般式(V)で示される化合物、▲2▼一般式(V)で表される化合物及び一般式(VI)で表される化合物、又は▲3▼一般式(V)で表される化合物と該化合物と共重合可能な二重結合を有する化合物をアニオン重合させた後、更に、多官能性化合物を反応させた後、得られた反応液に残存する二重結合に対応する量、またはそれ以上の有機金属を添加し、次いで、他のアニオン重合可能なモノマーを反応させ、得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を全部又は一部脱離させる方法、
【0071】
(5)アルカリ金属又は有機アルカリ金属をアニオン重合開始剤として、▲1▼前記一般式(V)で表される化合物、▲2▼一般式(V)で表される化合物及び一般式(VI)で表される化合物、又は▲3▼一般式(V)で表される化合物と該化合物と共重合可能な二重結合を有する化合物をアニオン重合させ、多官能性化合物を反応させて多官能性コアを形成した後、次いで、他のアニオン重合可能なモノマーを反応させ、得られた反応液に残存する二重結合に対応する又はそれ以上の有機金属を添加し、更に得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を全部又は一部を脱離させる方法等、いずれの方法でも製造することができる。
【0072】
これらの方法のうち、上記(1)、(4)及び(5)の方法が反応の制御が容易であり、構造が制御された星型ブロックコポリマーを製造する上で好ましい。また、本発明の星型ブロック共重合体は、アニオン重合開始剤の代わりに、リビングカチオン重合開始剤、リビングラジカル重合開始剤を用いても同様に製造することができる。
【0073】
アニオン重合開始剤としては、例えば、アルカリ金属又は有機アルカリ金属等が挙げられる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等が挙げられる。
【0074】
これらの中で、本発明においては有機アルカリ金属を用いるのが好ましい。有機アルカリ金属としては、例えば、エチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α-メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1-ジフェニルヘキシルリチウム、1,1-ジフェニル-3-メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
【0075】
上記(1)、(4)又は(5)の方法におけるアーム部を形成する重合反応としては、モノマーの混合溶液中に重合開始剤を滴下する方法や、重合開始剤を含む溶液にモノマー混合液を滴下する方法のいずれの方法でも行うことができるが、分子量及び分子量分布を制御することができることから、重合開始剤を含む溶液にモノマー混合液を滴下する方法が好ましい。この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100〜50℃、好ましくは−100℃〜40℃、更に好ましくは−70℃〜室温の範囲で行われる。
【0076】
用いることのできる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホロアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができ、これらは1種単独又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
【0077】
重合体の形態としては、前述の一般式(V)で表される化合物、及びビニル芳香族化合物の添加法を選択することにより、各成分がコポリマー鎖全体に統計的に分布しているランダム共重合体、部分ブロック共重合体、完全ブロック共重合体等が挙げられる。
【0078】
例えば、(a)前述の一般式(V)で示される化合物とビニル芳香族化合物との混合物を反応系に加えて重合することにより得られるランダム共重合体を得る方法、(b)どちらか一方の一部を予め重合しておき、その後両者の混合物を加えて重合を継続することによリ部分ブロック共重合体を得る方法、あるいは、(c)前述の一般式(V)で示される化合物とビニル芳香族化合物とを反応系に逐次添加して重合を行うことによリ完全ブロック共重合体を得る方法等が挙げられる。
【0079】
このようにして得られた共重合体をアームポリマー鎖とする星型ブロック共重合体を生成せしめるには、アーム部を得る共重合反応の終了後、反応液中ヘさらに多官能性化合物を添加し達成される。この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中において−100℃〜50℃、好ましくは−70℃〜室温の温度条件下で重合反応を行うことにより構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることが出来る。
【0080】
またこの反応は、アーム部を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともでき、又は、溶媒を添加して組成を変更して、あるいは溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。溶媒としては、アーム部を形成する際に用いられる溶媒として列記したものと同様なものを用いることができる。
【0081】
多官能性化合物(S)と、前記一般式(V)で表される化合物を単独重合させたポリマー鎖の活性末端(Q1)、又は前記一般式(V)で表される化合物と共重合させて得られるポリマー鎖の活性末端(Q2)のモル比(S/(Q1又はQ2))は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜10当量の範囲である。
【0082】
多官能性化合物との反応としては、活性末端を有するアームポリマー鎖に多官能性化合物を添加する方法、多官能性化合物に活性末端を有するアームポリマー鎖を添加する方法等のいずれの方法も採用することができる。
【0083】
星型ブロック共重合体のアーム数は、ポリビニル化合物の添加量と反応温度、反応時間により決定されるが、通常はリビングポリマー末端とビニル基との反応性差や立体障害等の影響を受けてアーム数の異なる複数の星型ブロック共重合体が同時に生成する。本発明の星型ブロック共重合体では、アーム数が3以上のものが特に好ましい。
【0084】
本発明の星型ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.00〜1.50の範囲にあることが好ましい。また、星型ブロック共重合体の数平均分子量は、3,000〜200,000であるのが好ましい。
【0085】
前記した活性末端を有する中心核に対して、アニオン重合可能なモノマーを反応させ新たなアーム鎖を形成させる(4)又は(5)の方法では、異なる種類のアーム部を有し、かつ、末端に官能基を有する星型ブロック共重合体を製造することができる。
【0086】
また、中心核が有する活性末端に対して、直接重合可能なモノマーを反応させることもできるが、ジフェニルエチレン、スチルベン等の化合物を反応させた後、さらに、塩化リチウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の鉱酸塩を添加し、モノマーを反応させる方が好ましい。このようにすることにより、アクリル酸誘導体のごとき反応性の高いモノマーを反応させる場合に、重合反応速度を制御することができ、生成する星型ブロック共重合体の全体の構造を制御する上で有利となる。この場合は、活性末端を有する中心核を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともでき、溶媒を添加して組成を変更して、あるいは溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。用いられる溶媒としては、アーム部を形成する際に用いることができる溶媒として列記したものと同様なものが挙げられる。
【0087】
新たに生成するアーム部は、2種のモノマーを混合して反応させることにより、ランダム共重合したポリマー鎖とすることもできるし、また、順次添加することでブロックポリマー鎖とすることもできる。また、反応終了後、二酸化炭素、エポキシ等を添加することにより、末端に官能基を導入することも可能である。
【0088】
本発明は、以上の様にして得られた反応液に、残存する二重結合に対応する量の有機アルカリ金属を添加する工程を有することを特徴とする。
従来は、上述した方法により得られた反応液に反応停止剤を添加して共重合体(保護基を脱離させる前の共重合体)を単離し、フェノール性水酸基の保護基を脱離させていた(酸処理)。しかしながら、得られた共重合体中、特に中心核中にビニル基に由来する二重結合が残存していると、酸処理工程において分子量分布が変化したり、250nm近傍の波長の光を吸収するために、例えば、レジスト材料として用いる場合に解像度の低下を招く等の問題があった。そこで本発明においては、かかる二重結合を極力低減させるべく、得られた共重合体の反応液に有機アルカリ金属を添加して、残存する二重結合に付加させることとしたものである。
【0089】
二重結合をなくすために添加する試剤としては、ビニル基のみと反応し、他の部位とは反応しない性質のものであれば特に制限はないが、本発明においては、有機金属を好ましく用いることができる。かかる有機金属としては、例えば、アルカリ金属、有機アルカリ金属、有機アルカリ土類金属等を例示することができる。
【0090】
有機アルカリ金属としては、先にアニオン重合開始剤として用いることのできる有機アルカリ金属として列記したものと同様なものを例示することができる。
土類金属としては、フェニルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムブロマイド等のグリニャール試薬を例示することができる。
【0091】
有機アルカリ金属の添加量は、残存する二重結合に対応するモル量であれば十分であるが、過剰量を添加するのが好ましい。具体的には、反応系に添加するビニル含有多官能性化合物1モル当量に対し、通常1倍モル〜20倍モル、好ましくは、2倍モル〜10倍モルの範囲である。有機金属を添加する場合においては、反応系の溶媒を置換することなくそのまま反応系に添加してもよいし、一旦反応を停止させた後、共重合体を単離し、得られた共重合体を再度適当な溶媒に溶解させて、添加することもできる。この反応は、一般的には、用いる溶媒の極性が高い程、有機アルカリ金属の二重結合(ビニル基)への反応性が高くなる傾向にある。
【0092】
用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素;及びこれら2種以上の組合せを挙げることができる。
【0093】
また、有機金属を二重結合(ビニル基)に付加させる反応温度は、高いほど反応性は高くなる傾向にあるが、その一方で反応温度があまりに高いと副反応が進行するおそれがあるため、通常−100℃〜50℃、好ましくは−70℃〜40℃の範囲である。反応時間は、反応のスケールや基質濃度、用いるビニル化合物の種類、反応溶媒の種類、有機アルカリ金属の種類等により異なるが、通常数分〜数十時間で反応は完結する。
【0094】
残存する二重結合(ビニル基)に有機金属がどの位結合したのかは、例えば、反応液を少量サンプリングして、示差屈折計(RI)検出器とUV検出器の2種類の検出器を用いて、それぞれゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分析を行い、得られたデーターを解析することにより二重結合の残存量を推定することができる。
【0095】
RI検出器は、移動相溶媒とカラム溶出液の屈折率の差(示差屈折率)を測定することで、カラム溶出液中の試料を定量するものである。この方法は、移動相溶媒と使用溶液の屈折率の差が試料濃度に比例することを利用するものである。また、UV検出器は、UV領域に吸収をもつ試料に対して用いられ、検出波長(248nm)における相対吸光度からカラム溶出液中の試料を検出する。そのため、250nm近傍に吸収をもつ二重結合(ビニル基)が少なくなると、試料濃度が高くても相対吸光度は増加しない。すなわち、有機アルカリ金属を添加する前の試料のRI検出器とUV検出器のそれぞれにより求められる濃度値と、有機アルカリ金属を添加し反応を熟成させた後の試料のRI検出器とUV検出器のそれぞれにより求められる濃度とを比較することにより、どの位二重結合が減少したか(どの位二重結合が残存しているか)を推測することができる。
【0096】
このように、フェノール性水酸基の保護基を脱離する前の共重合体を単離する前に、反応液に有機アルカリ金属を添加して二重結合を極力少なくすることにより、その後の酸処理工程における分子量分布の変化を防止し、得られる星型ブロック共重合体の塗膜(厚さ略1.0μm)の250nm近傍の波長の光透過率を60%以上に高めることができる。
【0097】
有機金属を添加し、反応を熟成させた後に、反応停止剤を添加して反応を停止させる。反応停止剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸、塩化アンモニウム水溶液及びこれらの混合物、二酸化炭素、エポキシ化合物等が挙げられる。反応停止後は、常法により目的とする共重合体を単離することができる。
【0098】
次いで、得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を脱離させ、アルケニルフェノール骨格を生成せしめる。この生成反応は、前記重合反応で例示した溶媒の他、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の多価アルコール誘導体類、水等の一種単独又は二種以上の混合溶媒の存在下、塩酸、硫酸、塩化水素ガス、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、一般式:XHSO4(式中、XはLi,Na,K等のアルカリ金属を表す)で示される重硫酸塩等の酸性試剤を触媒として、室温〜150℃の温度で行われる。
【0099】
また、この反応において、溶媒の種類と濃度、触媒の種類と添加量及び反応温度を適当に組み合わせることにより、フェノール性水酸基の保護基が選択的に全部又は一部脱離されて、本発明の狭分散且つ構造の制御されたアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体を製造することができる。
【0100】
また、本発明の重合体に含まれる星型ブロック共重合体は、残留アームポリマーの含有量が20重量%未満であるのが好ましく、10重量%未満であるのがより好ましい。ここで、残留アームポリマーとは、中心核と結合しない比較的低分子のアームポリマー分子をいう。
【0101】
本発明のアルケニル系星型ブロック共重合体は、分子内に酸性部分を有するので、アルカリに可溶である。また、基板上にレジスト樹脂を塗布して、パターニングするフォトリソグラフィーにおいて用いられる露光光に含まれる250nm近傍の波長の光透過率に優れる。したがって、解像度に優れたレジスト材料として好適に用いることができる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。但し、本発明の範囲は、下記の実施例により何ら制限を受けるものではない。
(実施例1)
窒素雰囲気下において、テトラヒドロフラン(THF)2000g中に、n−ブチルリチウム(NBL)30ミリモルを加え、撹拌下、−60℃に保持しながら、p−tert−ブトキシスチレン(PTBST)1モルを1時間かけて滴下した。さらに反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィー(GC)により反応完結を確認した。この段階で、反応液を少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により分析したところ、得られたポリマーは、Mn=5,700、Mw/Mn=1.10の単分散ポリマーであった。
【0103】
次いで、反応系を−60℃に保ちながら、ジビニルベンゼン(DVB)30ミリモルを添加し、さらに反応を4時間継続した後、GCにより残モノマーが無いことを確認した。さらに、反応系を−60℃に保ちながら、NBLを150モリモルを添加し、2時間反応を熟成させた。次いで、反応系にメタノールを加えて反応を停止させ、反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で15時間減圧乾燥して、白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99.1%であった。このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=36,000,Mw/Mn=1.18の単分散ポリマーのポリマーであった。
【0104】
次に、得られたポリマー10gをTHF/エタノール=4/1(重量比)の混合溶媒に溶解して25%溶液とし、濃塩酸3gを加えて50℃で30時間反応を行った。反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して、白色粉体状のポリマー6.9gを得た。
【0105】
この反応において、反応前後におけるポリマーの赤外線吸収スペクトル(IR)及びl3C−NMR(以下、単に、「NMR」と略す)を比較した。IRにおいて、890cm-1におけるポリPTBSTのt−ブトキシ基由来の吸収が反応後は消失し、新たに3300cm-1付近に水酸基由来のブロードな吸収が観察された。又、NMRにおいて、77ppm付近におけるポリPTBSTのt−ブトキシ基由来のピークが反応後は消失していた。生成したポリマーについてGPC測定した所、Mn=32,000、Mw/Mn=1.19のポリマーであった。
【0106】
以上のことから、共重合反応とその後の脱離反応は設定どおりに行われ、p-ヒドロキシスチレンセグメントを主骨格とするアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体が生成したことが確認できた。
【0107】
(実施例2)
窒素雰囲気下において、THF 1200gとヘキサン 300gの混合溶剤中に、NBL 20ミリモルを加え、撹拌下、−40℃に保持しながら、PTBST 1モルを1時間かけて滴下した。さらに反応を1時間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階で反応液を少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたポリマーは、Mn=8,900、Mw/Mn=1.07の単分散ポリマーであった。
【0108】
次いで、反応系を−40℃に保持しながら、DVB 96ミリモルとエチルビニルベンゼン 4ミリモルの混合物を添加した。さらに反応を4時間継続した後、GCにより残モノマーが無いことを確認した。さらに、反応系を−40℃に保ちながら、NBL 400ミリモルを添加し、2時間反応を熟成させた。最後に、反応系にメタノールを加えて反応を停止させ、反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で15時間減圧乾燥して、白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99.5%であった。このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=81,000、Mw/Mn=1.21のポリマーとMn=8,900のポリマーの混合物であった。
【0109】
次に、得られたポリマー10gをトルエン/エタノール=1/2(重量比)の混合溶媒に溶解して25%溶液とし、硫酸3gを加えて40℃で45時間反応を行った。反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー7.0gを得た。
【0110】
この反応において、反応前後におけるポリマーのIR及びNMRを測定したところ、実施例1におけると同様に、PTBSTセグメントのt−ブトキシ基由来のピークの消失が確認された。また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、Mn=72,000、Mw/Mn=1.22のポリマーと、Mn=8、000のポリマーの混合物であった。
【0111】
以上のことから、共重合反応とその後の脱離反応は設定どおりに行われ、p−ヒドロキシスチレンセグメントを主骨格とするアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体の生成が確認された。
【0112】
(実施例3)
窒素雰囲気下において、THF 2000g中にNBL 29ミリモルを加え、撹拌下、−50℃に保持しながら、PTBST 1モルとスチレン 0.3モルとの混合物を1時間かけて滴下し、更に1時間反応を継続し、GCによリ反応完結を確認した。この段階でのPTBST/スチレン系ポリマーは、Mn=7,200、Mw/Mw=1.05の単分散ポリマーであった。ついで、反応系を−30℃に昇温後、DVB 30ミリモルを添加し、更に反応を5時間継続してから、GCにより反応完結を確認した。
【0113】
さらに、反応系を−50℃まで冷却し、NBL 20ミリモルを添加し、2時間反応を熟成させた。最後に、反応系にメタノールを加えて反応を停止させ、反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で15時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99.3%であった。このポリマーのGPC分析を行った所、Mn=63,000、Mw/Mn=1.20の単分散ポリマーと、Mn=7,200のポリマーの混合物であった。
【0114】
次に、得られたポリマー10gをTHF/エタノール=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解して25%溶液とし、硫酸水素ナトリウム3gを加えて50℃で20時間反応を行った。反応液を濾過して硫酸水素ナトリウムを除去し、濾液を大量の水中に水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー7.1gを得た。この反応において、反応前後におけるポリマーのIR及びNMRを測定したところ、実施例1におけると同様に、PTBSTセグメントのt-ブトキシ基由来のピークの消失が確認された。また、生成したポリマーについてGPCを測定した結果、Mn=56,000、Mw/Mn=1.24のポリマーと、Mn=6,500のポリマーの混合物であった。
【0115】
以上のことから、共重合反応と脱離反応は設定どおりに行われ、p-ヒドロキシスチレンとスチレンのランダム共重合体を主骨格とするアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体が生成したことを確認できた。
【0116】
(比較例1)
窒素雰囲気下において、トルエン750gとTHF750gの混合溶剤中に、NBL 50ミリモルを加え、撹拌下、−40℃に保持しながら、PTBST 11モルを1時間かけて滴下した。さらに反応を1時間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後,GPCにより分析したところ、得られたPTBSTポリマーは、Mn=3,700、Mw/Mn=1.10の単分散ポリマーであった。
【0117】
次いで、反応系を−40℃に保ちながらDVB 150ミリモルを添加し、さらに反応を4時間継続した後、GCにより残モノマーが無いことを確認した。ついで、反応系にメタノールを加えて反応を停止させ、反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で15時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99.5%であった。また、このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=29,000、Mw/Mn=1.14の単分散ポリマーであった。
【0118】
次に、得られたポリマー10gをトルエン/エタノール=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解して25%溶液とし、硫酸1.4gを加えて40℃で45時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー7.1gを得た。
【0119】
この反応において、反応前後におけるポリマーのIR及びNMRを比較した。IRにおいて、890cm-1におけるポリPTBSTのt-ブトキシ基由来の吸収が反応後は消失し、新たに3,300cm-1付近に水酸基由来のブロードな吸収が観察された。又、NMRにおいて、77ppm及び153ppm付近におけるポリPTBSTのt-ブチル基由来のピークが反応後は消失していた。また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、Mn=26,500、Mw/Mn=1.16の単分散ポリマーであった。
【0120】
以上のことから、共重合反応とその後の脱離反応は設定どおりに行われ、p−ヒドロキシスチレンセグメントを主骨格とするアルケニルフェノール系星型ブロック共重合体の生成が確認された。
【0121】
(星型ブロック共重合体の粘度及び光透過率の測定)
上記実施例及び比較例で得られた各ポリマーを用いて、粘度及び248nmの波長の光透過率を測定した。
【0122】
(1)粘度の測定
粘度の測定は、溶媒としてN−メチルピロリドンを用い、温度24.5℃にて改良型オストワルド粘度管(製品番号:No.114、蕪木科学器械工業(株)製)を使用して行った。実験手順は以下に示す通りである。
【0123】
サンプル瓶に上記実施例及び比較例で得た各ポリマー約0.1gを正確に秤量し(wg)、N−メチルピロリドン20mlに溶解させた。この溶液を一度ろ過して、ゴミ等を完全に除去した後、ホールピペットで10ml秤取り、粘度管に入れた。次いで、粘度管を24.5℃の恒温水槽に入れ、1時間放置した後、ゴム管を使用して溶液を吸引し、溶液が毛細管を落下する時間(t)を測定した。また、同様にして溶媒のみの落下時間(t0)を測定した。この実験は、落下時間の測定後差が0.3秒以内となるまで繰り返した。測定結果から、式:[ln(t/to)]/(w/0.2)により、粘度対数(dL/g)の値を求めた。なお、粘度対数(dL/g)は、溶液の粘度を示すパラメーターであり、粘度対数が大きいほど粘度が高いことを示す値である。測定結果を第1表に示す。
【0124】
(2)248nmの波長の光透過率の測定
上記実施例及び比較例で得た各ポリマーの所定量をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させて、星型ブロック共重合体濃度16重量%(実施例1〜3)及び15重量%(比較例1)の重合体組成物を得た。次に、透明ガラス基板(10cm×10cm)を用意し、該基板上に、スピンコータを用いて、上記で得られた重合体組成物を塗布し(2750r.p.m×90sec)、溶媒を除去乾燥させて、膜厚約1.0μmの塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜の248nmの波長の光の直線透過率を、UV検出器(型番号:U−4000、(株)日立製作所)を用いて測定した。なお、塗膜を形成しない場合(ガラス基板)をブランクとして、その光透過率を100%とした。測定結果を第1表に示す。実施例1〜3の星型ブロックコポリマーは、比較例1の星型ブロックコポリマーに比して、248nmにおける光透過率が格段に優れることが示された。
【0125】
【表1】
Figure 0004727801
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の星型ブロック共重合体は、分子中に二重結合(ビニル基)の残存量が極力低減されていることを特徴とする。したがって、本発明の共重合体を含む重合体組成物は、略1.0μmの膜厚での250nm近傍の光透過率が60%以上である塗膜を形成することができる。
また、本発明の製造方法によれば、簡便且つ効率よく残存二重結合(ビニル基)を極力低減することができ、フェノール性水酸基を脱離させた後でっても、分子量分布が変化することがない。したがって、本発明の星型ブロック共重合体は、分子量分布が狭く、かつ構造の制御された星型ブロック共重合体を簡便に製造できる。
さらに、本発明の重合体組成物は星型ブロック共重合体を含有してなるので、同程度の分子量のリニアポリマーに比して低粘度となる。したがって、本発明の重合体組成物をスピンコート法等により塗布する場合、均一な塗膜を形成することができる。したがって、本発明の星型ブロック共重合体は、特にレジスト材料としての適用が期待される。

Claims (8)

  1. 中心核と、該中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム部(A)を有する星型ブロック共重合体であって、前記アーム部(A)は、一般式(I)
    Figure 0004727801
    (式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、pは1又は2を表す。pが2の場合、R2は同一又は相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位を有するポリマー鎖(A1)を含み、
    前記中心核は、一般式(IV)
    Figure 0004727801
    〔式中、R 8 は、水素原子又はメチル基を表し、Yは、酸素原子、イオウ原子、r 1 2 N(r 1 及びr 2 はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜C6のアルキル基、アルコキシカルボニル基を表す。)、置換基を有していてもよいメチレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基、C(r 3 4 )O、C(r 5 6 )S、C(r 7 8 )N(r 9 )、OC(r 10 11 )、SC(r 12 13 )、N(r 14 )C(r 15 16 )、OCO又はCO 2 CH 3 を表し、r 3 〜r 16 はそれぞれ独立して、C1〜C6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。wは0又は1〜2の整数を表し、wが2の場合、Yは同一又は相異なっていてもよい。また、uは2又は3を表し、この場合、Y、R 8 及びWは同一又は相異なっていてもよい。〕で表される多官能性化合物が重合架橋してなるポリマーからなり、かつ、二重結合を実質的に含有しないことを特徴とする星型ブロック共重合体。
  2. 前記ポリマー鎖(A1)は、前記一般式(I)及び一般式(II)
    Figure 0004727801
    (式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、R5は酸分解脱離基を表し、qは1又は2を表す。qが2の場合、R4は同一又は相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位を有する共重合体からなる請求項1記載の星型ブロック共重合体。
  3. 前記ポリマー鎖(A1)は、前記一般式(I)及び一般式(III)
    Figure 0004727801
    (式中、R6は、水素原子又はメチル基を表し、R7は、水素原子、又はC1〜C6のアルキル基を表し、rは1又は2を表す。rが2の場合、R7は同一又は相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位を有する共重合体である請求項1記載の星型ブロック共重合体。
  4. 前記ポリマー鎖(A1)は、前記一般式(I)、一般式(III)及び一般式(II)で表される繰り返し単位を有する共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の星型ブロック共重合体。
  5. 前記アーム部(A)を構成するポリマー鎖の数平均分子量が1,000〜100,000であり、且つ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.00〜1.50の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の星型ブロック共重合体。
  6. 前記多官能性化合物は、1分子あたり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の星型ブロック共重合体。
  7. 数平均分子量が3,000〜200,000である請求項1〜6のいずれかに記載の星型ブロック共重合体。
  8. 重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.00〜1.50の範囲にある請求項1〜7のいずれかに記載の星型ブロック共重合体。
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