本発明の一実施形態について図1〜図7に基づいて説明すると以下の通りである。
(光ディスク装置)
本発明に係る光ディスク装置(本ディスク装置;光再生装置)について、図2を参照して以下に説明する。図2は、本発明に係る光ディスク装置を示す説明図である。図2に示すように、光ディスク装置は、スピンドル10、光ピックアップ11、回路基板12を備えている。
スピンドル10は、再生する光ディスク(光メモリ素子)1を固定した状態で回転するものである。なお、光ディスク1の構成については、後に詳細に説明する。
光ピックアップ11は、回転中の光ディスク1に対し、その半径方向に移動しながらレーザ光(光ビーム)Lを照射するものである。本ディスク装置では、このレーザ光Lの照射により、光ディスク1の情報を再生するようになっている。回路基板12は、スピンドル10および光ピックアップ11を駆動するための複数の回路群を有する基板である。
図2に示すように、光ピックアップ11は、半導体レーザ光源21、コリメータレンズ22、ビームスプリッタ23、集光レンズ24、アクチュエータ25、ビームスプリッタ26、集光レンズ27、シリンドリカルレンズ28、制御用光検出器29、集光レンズ30、光検出器(再生用光検出手段)31を備えている。
半導体レーザ光源21は、レーザ光Lを生成する光源である。コリメータレンズ22は、半導体レーザ光源21から出射されたレーザ光Lの光束を平行とするものである。ビームスプリッタ23は、コリメータレンズ22を透過したレーザ光Lを透過する一方、光ディスク1側(集光レンズ24側)から入射するレーザ光Lを反射し、その進路を直角に曲げるものである。集光レンズ24は、ビームスプリッタ23を透過したレーザ光Lを集光し、光ディスク1の記録面上に集光照射するものである。
また、集光レンズ24は、光ディスク1によって反射された反射レーザ光Laを集光する機能も有している。アクチュエータ25は、フォーカシング調整およびトラッキング調整を行うため、集光レンズ24の位置を調整する(集光レンズ24を駆動する)ものである。
なお、光ディスク1によって反射レーザ光Laは、入射時の光路を戻り、ビームスプリッタ23により反射され、ビームスプリッタ26に導かれる。ビームスプリッタ26は、反射レーザ光Laの一部を透過し、一部を集光レンズ30側に反射するものである。
集光レンズ27、シリンドリカルレンズ28は、ビームスプリッタ26を透過した反射レーザ光Laを制御用光検出器29に集光するものである。制御用光検出器29は、反射レーザ光Laに基づいて、フォーカシングおよびトラッキング制御のための受光信号を出力するものである。
また、集光レンズ30は、ビームスプリッタ26によって反射された反射レーザ光Laを光検出器31に集光するものである。光検出器31は、反射レーザ光Laを受光して電気信号(受光信号)を生成するものである。なお、この光検出器31の構成については後述する。
また、図2に示すように、回路基板12は、スピンドル制御回路41、レーザ制御回路42、トータル光量比較回路43、部分光量比較回路44、復調回路45、エラー訂正回路46、基準トータル光量記憶部(基準反射光量記憶手段)48、フォーカシング/トラッキング回路47を備えている。
スピンドル制御回路41は、スピンドル10に固定された光ディスク1を、スピンドル10とともに回転駆動するものである。レーザ制御回路42は、半導体レーザ光源21を制御(駆動)して、レーザ光Lを照射させるものである。
フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29の生成する受光信号に基づいて、非点収差法によりフォーカシング信号を生成するとともに、プッシュプル法によりトラッキング信号を生成するものである。そして、フォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいてアクチュエータ25を駆動し、フォーカシングとトラッキングとを行うものである。
基準トータル光量記憶部48は、SRAM素子等の揮発メモリおよび制御回路からなり、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、基準情報ユニット(基準情報単位)61からの反射光(基準反射光)の総光量であるトータル基準反射光量を記憶するものである。
回路43〜46は、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、再生信号を生成する回路群である。なお、これら回路43〜46についても、後に詳細に説明する。
また、本ディスク装置には、回路基板12の回路を制御することによって、本ディスク装置の全動作を制御するための制御部(図示せず)が備えられている。
(光ディスク1)
ここで、光ディスク1の構成について説明する。図3は、光ディスク1の構成を示す平面図である。光ディスク1は、直径120mmの円盤形状を有しており、図3に示すように、その記録面(表面)に、情報を記録するための情報トラック2をスパイラル(渦巻き)状に備えたものである。
また、図4は、光ディスク1の断面図である。図4に示すように、光ディスク1は、透明基板7、金属反射膜8、保護膜9をこの順に積層した構成を有している。
透明基板7は、ポリカーボネート樹脂等の透明材料からなるものである。金属反射膜8は、透明基板7の表面を覆う金属膜であり、その材料としては、例えば、アルミニウムを用いることが可能である。保護膜9は、金属反射膜8を覆う保護膜である。
また、透明基板7における金属反射膜8との界面には、凸状の位相ピット3・4が形成されている。これら位相ピット3・4は、情報の記録単位である情報ユニット5(記録情報単位)をなすものであり、上記の情報トラック2に沿って形成されている。
また、図1は、情報トラック2を詳細に示す説明図である。図1に示すように、情報トラック2には、自身の伸びる方向に沿って、複数の基準情報ユニット61から構成される基準情報グループ64、および複数の情報ユニット5が形成されている。このような情報トラック2を有する光ディスク1を再生するとき、再生に係る情報ユニット5にビームスポット6を照射する。
図1では、基準情報グループ64に続いて、情報ユニット5を記載しているが、本発明において、これらを必ずしも連続して形成する必要はない。この基準情報グループ64と情報ユニット5の配置については後述する。
また本実施形態において、情報ユニット5の配列の7種類を基準情報ユニット61として用い、トータル基準反射光量の小さい順に並べて基準情報グループ64を構成する。しかしながら、基準情報ユニット61の有する位相ピット3・4の配列のパターンの選択、およびこれらの並べ方はこれに限定されるものではない。製造する光ディスク1や光ドライブ装置の特性に合わせて任意の組み合わせおよび並べ方を選択してもよい。
情報ユニット5は、情報の記録単位(情報単位)である。本実施形態において、この情報ユニット5は、最大で4つの位相ピット3と、最大で1つの位相ピット4とからなる情報単位であり、情報トラック2上に、規則的に(等間隔で)配列されている。
位相ピット(周囲位相ピット)3は、対角線の一方が情報トラック2と重なる正方形(正四角形)の頂角位置(正方形の中心から等距離の位置)に配置される位相ピットである。また、位相ピット(中央位相ピット)4は、この正方形の中心位置(重心位置)に配置される位相ピットである。
そして、光ディスク1では、位相ピット3・4の数・位置の組み合わせ(位相ピットの配列状態;ピット配列)により、情報ユニット5の情報(記録内容)を決定するように設計されている。
(情報ユニット5)
図5は、情報ユニット5のピット配列の種類(情報の種類)を示す説明図である。この図に示すように、光ディスク1では、情報ユニット5が、32通りのピット配列1ax〜32jxをとるように設計されている。すなわち、情報ユニット5は、ピット配列1ax〜32jxに応じた、32通りの情報を記録するように設計されている。
ここで、ピット配列1axは、位相ピットのない状態である。また、ピット配列2by、3by、4by、5by、6cxは、1個の位相ピットを有する配列状態である。さらに、ピット配列7dx、8dx、9dy、10dy、11dy、12dy、13ey、14ey、15ey、16eyは、2個の位相ピットからなる配列状態である。
また、ピット配列17fy、18fy、19fy、20fy、21gy、22gy、23gy、24gy、25gx、26gxは、3個の位相ピットによって形成される配列状態である。また、ピット配列27hx、28iy、29iy、30iy、31iyは、4個の位相ピットからなる配列状態である。最後に、ピット配列32jxは、5個の位相ピットで構成される配列状態である。
なお、ピット配列1ax〜32jxの符号は、各ピット配列の「通し番号、光量識別子、対称性識別子」を組み合わせたものである。すなわち、通し番号は、ピット配列の全32種類に1つずつ付される番号(1〜32)である。
(情報ユニット5の読取機構)
また、上記の光量識別子は、そのピット配列を有する情報ユニット5から後述する光検出器31に入射する、反射レーザ光Laの総光量(トータル反射光量)に応じたものである。
すなわち、本ディスク装置における光ディスク1の再生では、制御部が、スピンドル制御回路41を制御して、光ディスク1を回転させる。また、制御部は、レーザ制御回路42を制御して、集光レンズ24から光ディスク1にレーザ光Lを照射し、図1に示すように、光ディスク1の情報トラック2に沿ってビームスポット6を走査する。このとき図1に示すように、レーザ光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報ユニット5の中心位置(情報トラック2)に重なるように照射される。これにより、情報トラック2上の情報ユニット5によってレーザ光Lが反射され、反射レーザ光Laが生成される。
また、この反射レーザ光Laの光量は、情報ユニット5のピット配列に応じて変化する。すなわち、光量識別子は、各情報ユニット5におけるピット配列に応じた反射レーザ光Laの光量を示す値である。そして、光ディスク1では、各ピット配列のトータル反射光量を、7種類の光量識別子a〜jによって分類するようになっている。なお、同じ光量識別子a〜jを有するピット配列では、トータル反射光量はほぼ等しくなる。また、a〜jの順で、トータル反射光量は小さくなる。
ここで、位相ピット3・4の数・位置と、トータル反射光量との関係について説明する。位相ピット3・4の存在する場合、これらが存在しない場合よりも反射光量は小さくなる。また、レーザ光Lにおけるビームスポット6の強度分布は、ガウシアン分布となっており、従って、ビームスポット6では、その中心の光強度が周囲よりも強くなっている。
さらに、上記したように、レーザ光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報ユニット5の中心位置に重なるように照射される。このため、頂角位置に位相ピット3のある場合よりも、中心位置に位相ピット4のある場合の方が、反射光量が小さくなる傾向にある。
ピット配列2by〜5byは、いずれも、ビームスポット6の外周位置に対応する1つの位相ピット3が存在し、トータル反射光量が等しくなる。また、ピット配列6cxでは、ビームスポット6の中心位置に対応する位相ピット4が1つ存在するため、ピット配列2by〜5byに比べて、トータル反射光量が小さくなる。
次に、位相ピット3が2個になる7dx〜12dyでは、位相ピット数の増加により、トータル反射光量がピット配列6cxよりも小さくなる。また、ピット配列13ey〜16eyでは、位相ピット4と位相ピット3とを1つずつ有しているため、ピット配列7dx〜12dyよりもトータル反射光量が小さくなる。以降、同様にして、位相ピット数の増加に伴い、トータル反射光量が減少する。
また、ピット配列の対称性識別子は、情報トラック2の伸びる方向(周方向)および光ディスク1の径方向(情報トラック2に垂直で、ピット配列の中心を通る方向(半径方向))に対する、ピット配列の対称性を示す識別子(xあるいはy)である。
すなわち、ピット配列が、周方向に線対称である場合(半径方向に沿った軸に対して線対称である場合)であって、かつ、径方向にも線対称である場合(情報トラック2に対して線対称である場合)、対称性識別子はxとなる。一方、いずれかの方向に対して線対称となっていない場合、対称性識別子はyとなる。
(光検出器31)
次に、光検出器31の構成について説明する。図6は、光検出器31の構成を示す説明図である。この図に示すように、光検出器31は、受光面を4分割してなる、4つの部分受光面(光検出素子)D1〜D4を備えている。
部分受光面D1〜D4は、光検出器31における円形の受光面を、受光面の中心を通り、互いに直交する2本の分割線A・Bで分割して形成されるものであり、光検出器31の受光面の中心から放射状に伸びる扇形形状を有している。そして、この部分受光面D1〜D4は、自身の受光した反射光量に応じた電圧値を有する電圧信号(受光信号)R1〜R4を、それぞれ出力するものである。また、光検出器31では、部分受光面D1〜D4を分割する分割線A・Bが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線(光検出器31の受光面上での、情報トラックに対応する直線)X−X’と45°の角度を成すように配置されている。
ここで、各位相ピット3・4と部分受光面D1〜D4との関係について説明する。個々の位相ピットからの反射光は、回折光となって部分受光面D1〜D4の全面に入射する。また、複数の位相ピットの存在する場合、それぞれの位相ピットからの回折光が干渉して、部分受光面D1〜D4に入射することになる。すなわち、各位相ピットからの反射光は、部分受光面D1〜D4の1つではなく、全てに入射される。
しかしながら、1つの周囲位相ピット3からの反射光は、その周囲位相ピット3に対応する位置にある、いずれかの部分受光面D1〜D4に入射する強度が相対的に大きくなる(その位相ピット3から遠い位置にある素子に入射する光の強度が、相対的に小さくなる)。例えば、ピット配列2byでは、部分受光面D2に入射する光の強度が相対的に大きくなり、部分受光面D4に入射する光の強度が相対的に小さくなる。
また、四角形の中心に位置する位相ピット4からの反射光は、全ての部分受光面D1〜D4の中心付近に均等に入射する。従って、1つの位相ピット4のみを有するピット配列6cxでは、全ての部分受光面D1〜D4の中心付近に入射する光の強度が相対的に大きくなり、周辺領域に入射する光の強度が相対的に小さくなる。
(回路基板12の構成)
次に、図2に示した、回路基板12の回路43〜46について説明する。これらの回路43〜46は、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、再生にかかる情報ユニット5のピット配列を識別し、識別結果に応じた再生信号を生成する回路群(ピット配列特定回路)である。
光検出器31は、光ディスク1から反射される反射光を受光し、その受光量に応じた受光信号をトータル光量比較回路に出力する。トータル光量比較回路43は、光検出器31の全ての部分受光面D1〜D4から出力される受光信号R1〜R4を加算したトータル反射信号から、トータル反射光量を算出する。そして、その値から、再生にかかる情報ユニット5のピット配列における、光量識別子a〜jを導出する。すなわち、トータル光量比較回路43は、10種類のトータル反射光量を識別することになる。
ところで、トータル反射光量の種類が多い場合、識別される反射光量間の差が小さくなるため、トータル光量比較回路43によるトータル反射光量の識別エラーの発生確率が高くなる。このような識別エラーは、レーザ光Lの強度変動やトラッキングエラー等に起因するものであり、また、復調信号(および再生信号)のエラーに直結するものである。従って、上記のような識別エラーの発生を防止することが好ましいといえる。
しかしながら、レーザ光Lの強度変動やトラッキングエラーを抑制するためには、レーザ制御回路42やフォーカシング/トラッキング回路47等の制御回路における制御精度を高める必要がある。このため、光ディスク装置の製造コストの増加を招来してしまう。
そこで、本発明に係る光ディスク装置は、トータル光量比較回路43において、基準情報ユニット61のトータル基準反射光量と、情報ユニット5のトータル光量とを比較することによって、情報ユニット5のピット配列を光量識別子毎に判別する場合の判別精度を高めている。
トータル光量比較回路43は、光検出器31の部分受光面D1〜D4が、光ディスク1の情報トラック2上に形成された基準情報グループ64の基準情報ユニット61からの反射光を受光し、その受光量に応じた受光信号R1〜R4を出力したとき、この受光信号を加算する。そしてこれらを加算した受光信号であるトータル基準反射信号に基づいて、トータル基準反射光量を算出する。そして、基準情報ユニット61に記録された位相ピット3、4の個数と、トータル基準反射光量とを関連づけて基準トータル光量記憶部48に記憶する。すなわち例えば、図1に示すような、トータル基準反射光量が小さい基準情報ユニット61から大きい基準情報ユニット64の順に並べ、これを再生した時、光検出器31が受光する基準反射光のトータル基準反射光量は階段状になる。そして、トータル光量比較回路43は、それぞれのトータル基準反射信号が示す電圧値を、それぞれの基準情報ユニット61が有する位相ピット3・4の個数と関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶する。基準トータル光量記憶部48は、このトータル基準反射光量を一時的に記憶する記憶素子および駆動回路を備えており、記憶素子は処理速度の速い半導体メモリを用いることが好ましい。
基準トータル光量記憶部48にトータル基準反射光量を記憶した後、トータル光量比較回路43は、光ディスク1の情報ユニット5を再生する。そして、この情報ユニット5からの反射光のトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較する。上述したとおり、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量は、位相ピット3、4の個数と関連付けられているため、情報ユニット5からの反射光のトータル反射光量と、トータル基準反射光量とを比較することによって、情報ユニット5が有する位相ピット3・4の個数を識別することができる。これにより、情報ユニット5の有する位相ピット3・4の配列を光量識別子毎に判別する場合の判別精度を高めている。
また、基準トータル光量記憶部48には、位相ピット3・4の個数に対応したトータル基準反射光量をしきい値として記憶させることもできる。これにより、トータル光量比較回路43が行う演算処理をさらに簡易にすることが可能である。
1ax、6cx、27hxおよび32jxのように、同じ光量識別子を用いて表されるピット配列、すなわち同じトータル反射光量となるピット配列が他に存在しないユニークなものについては、この時点で情報ユニット5の識別が終了する。
一方で、同じピット数を有する、または、同じ光量識別子を表すピット配列が複数存在する情報ユニット5の場合、トータル光量比較回路43は、ピット数を特定した後、反射光量に基づいて光量識別子別のb〜iのグループに絞り込む。さらに、部分光量比較回路44が、各部分受光面D1〜D4に入射した光の大きさを部分比較し、情報ユニット5のピット配列を特定し、情報ユニット5に記録されている情報を識別する。
このように、後述する部分光量比較回路44による部分比較を行う前に、トータル光量比較回路43において情報ユニット5の有する位相ピット3・4の数および反射光量を特定することによって、ピット配列を大まかに判別している。従って、部分光量比較回路44によるピット配列の特定に必要な部分比較の種類・回数を、少なくすることが可能となっている。
また、基準トータル光量記憶部48に基準情報ユニット61のトータル基準反射光量を記憶した後に、情報ユニット5を再生するとき、一旦部分光量比較回路44において、情報ユニット5の位相ピットの配列を特定してもよい。この場合、部分光量比較回路44において情報ユニット5のピット配列を特定した後に、トータル光量比較回路43において中央位相ピットの有無等、詳細なピット配列を特定するようにしてもよい。
次に、トータル光量比較回路43の導出した光量識別子a〜jに基づいて、部分光量比較回路44は、再生にかかる情報ユニット5のピット配列を識別するものである。表1に、部分光量比較回路44による識別条件を示す。
この表に示すように、部分光量比較回路44は、光量識別子a〜jに応じて、受光信号R1〜R4の大小関係を算出する。すなわち、部分光量比較回路44は、まず、R2とR4との大小関係の算出(比較)を行う(識別条件I)。次に、部分光量比較回路44は、R1とR3との大小関係を算出し(識別条件II)、最後に、R1とR2との大小関係を算出する(識別条件III)。これにより、全ての情報ユニット5を識別することが可能となる。
このように、部分光量比較回路44は、光量識別子に基づいて受光信号R1〜R4の強度を比較することにより、32種類の全てのピット配列を識別することが可能となっている。
復調回路45は、部分光量比較回路44によるピット配列の識別結果に基づいて、復調信号(復調データ)を生成するものである。なお、表1に、各ピット配列に応じた復調信号を示している。図5に示したように、本ディスク装置では情報ユニット5のピット配列が32種類存在する。従って、1つの情報ユニット5を用いて32種類の情報を多重記録することが可能であり、このため、1つの情報ユニット5から5ビットの復調信号を得られることになる。
エラー訂正回路46は、復調回路45によって生成された復調信号に対し、エラー訂正を施し、再生信号を生成するものである。そして、本ディスク装置では、図示しない変換回路によって、再生信号を映像信号(映像情報)や音声信号(音声情報)に変換する。そして、これらの信号を、表示画面やスピーカーなどの表示装置(図示せず)によって表示するようになっている。
以上のように、本実施形態に係る光ディスク1において、情報ユニット5のピット配列は、5つの位相ピット、すなわち、情報トラック2上に配される1つの位相ピット4と、その周囲に位置する4つの位相ピット3との組み合わせからなっている。そして、光ディスク1は、この配列に応じたトータル基準反射光量を表す基準情報ユニット61を有していることが好ましい。本実施形態において、位相ピット3は、一方の対角線が情報トラック2と平行であり、中央位相ピット4が重心に配置された正方形の頂角に配される周囲位相ピットである。中央位相ピット4は、この正方形の中心位置に配される位相ピットである。
このように、光ディスク1では、4つの位相ピット3、および、その中央の1つの位相ピット4によって、情報ユニット5のピット配列が形成されるように設計されている。
従って、光ディスク1では、1つの情報ユニット5に関し、32(25)種類の情報(5ビットのデータ)を多重記録することが可能となっている。このため、4つの位相ピット3のみによってピット配列を構成する場合に比して、記録密度の格段に高い、大容量の光ディスクを構成することが可能となっている。
また、本実施形態に係る光ディスク1では、情報の再生に必要な光検出器31の受光面の分割数(部分受光面数)を、4つにできるようになっている。すなわち、情報ユニット5のピット配列が、4つの位相ピット3のみから構成される場合、情報ユニット5からの反射強度分布は、四角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、四角形となる)。
このため、情報の再生に使用される光検出器31は、4つの位相ピット3に対応するようにその受光面を4分割されることとなり、4つの部分受光面D1〜D4を有する4分割光検出器となる。そして、光検出器31では、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに入射する反射光量に応じて、情報ユニット5における4つの位相ピット3の有無(どの位相ピット3を有しているか)を判別し、判別結果に基づいてピット配列を求めることとなる。
さらに、4つの位相ピット3の中央に位相ピット4を配した光ディスク1のピット配列に関しても、上記と同様の、4つの部分受光面D1〜D4を有する光検出器31を使用できる。すなわち、位相ピット4からの反射光の強度分布は、光検出器31の中心からの距離に依存する強度分布となる(光検出器の中心から等距離位置に入射する光強度が等しくなる)。従って、光検出器31における4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれには、位相ピット4から、等しい強度の反射光が入射することになる。
従って、4分割光検出器である光検出器31を用いて光ディスク1を再生する場合、位相ピット4の有無については、受光面全体での受光量の合計(情報ユニット5(ピット配列)全体からの総反射光量;トータル光量)の強度から判別できることとなる。一方、上記したように、位相ピット3の有無については、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに入射する光強度によって判別できる。
このように、光ディスク1では、5つの位相ピット3・4を用いて情報ユニット5を構成するが、光検出器31のような4分割光検出器を用いて情報を再生することが可能である。従って、光ディスク1は、情報を高密度に記録できるとともに、情報の再生のために複雑な再生回路を必要とすることのない光ディスクとなっている。
一方で、五角形の5つの角に位相ピットを配する場合、情報ユニット5からの反射強度分布は、五角形に対応したものとなる(全位相ピットのある場合に、五角形となる)。このため、それぞれの位相ピットに応じて部分受光面を設け、各部分受光面への入射光強度に基づいて、各位相ピットの有無を判定する必要がある。従って、光検出器の部分受光面数(分割数)を、5つとする必要が生じる。このため、各部分受光面への入射光強度を処理するための回路が複雑となり、コスト高となる(特に、部分光量比較回路44が複雑化する)。
また、本実施形態に係る光ディスク1では、四角形の頂角と中心とに位相ピット3・4を配している。従って、光ディスク1内での位相ピットの密度を高められるので、記録密度をより向上させられる。
さらに、本ディスク装置では、光検出器31における部分受光面D1〜D4を分割する分割線A・Bが、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線X−X’と45°の角度を成している。ここで、分割線A・Bの一方が情報トラック2に対応する直線X−X’と重なるように(平行となるように)、光検出器31を配置してもよい。この構成でも、同様の識別プロセスにより、情報ユニット5のピット配列を識別できる。
しかしながら、この場合、光強度変化の最も大きくなる位置(各位相ピット3に対応する位置)に、分割線が存在することになる。このため、部分受光面D1〜D4による光強度分布の検出精度が低下する。
従って、検出精度を向上させるためには、分割線A・Bを、光ディスク1の情報トラック2に対応する直線X−X’と45°の角度となるように配置することが好ましいといえる。この場合には、部分受光面D1〜D4の中心を、各位相ピット3に対応する位置(各位相ピット3からの反射光が最大となる位置)に配置できる。従って、4つの部分受光面D1〜D4のそれぞれに対し、位相ピット3を1対1で対応させられる。このため、4つの部分受光面D1〜D4によって、4種類の位相ピット3の有無を明確に判定できる。
このように、分割線A・Bを直線X−X’と45°の角度に交叉させることで有効な効果を得られるが、これは、4つの位相ピット3のなす四角形の一方の対角線が、情報トラック2と重なっているからである。すなわち、上記のような効果は、分割線A・Bを、この四角形の一方の対角線に応じた受光面上の直線に対して、45°の角度で交叉させることで得られるものである。このような構成であれば、分割線A・Bが直線X−X’と45°の角度で交叉していない場合でも、同様の効果を得られる。
なお、本ディスク装置のように、四角形の一方の対角線が情報トラック2に重なっている場合、情報ユニット5のピット配列を、情報トラック2を軸とした線対称にしやすい、という効果を得られる。
また、本ディスク装置では、光検出器31の分割線A・Bが、互いに直交している。これにより、各部分受光面D1〜D4のサイズを等しくできるので、部分光量比較回路44による受光信号R1〜R4の比較処理が容易となる。
さらに、本ディスク装置では、光検出器31とは別体の、制御用光検出器29を備えている。図7は、本ディスク装置に備えられた制御用光検出器29の構成を示す説明図である。図7に示すように、制御用光検出器29は、4つの部分受光面D5〜D8を有する4分割光検出器である。制御用光検出器29に照射される反射光は、シリンドリカルレンズ28によってフォーカシングされるため、波面の乱れたものとなる。従って、制御用光検出器29と光検出器31とを1つの光検出器で兼用すると、光検出器31に波面の乱れた反射光が照射されてしまう。このため、部分受光面D1〜D4での光強度分布に乱れが生じ、情報ユニット5のピット配列を正確に特定することが困難となる。
そこで、本ディスク装置では、両光検出器を別体に設けることにより、光検出器31に波面の乱れた反射光を照射してしまうことを回避するようになっている。これにより、正確な光の制御と情報再生とを両立させられる。
また、フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29の生成する受光信号R5〜R8に基づいて、非点収差法によりフォーカシング信号を生成するとともに、プッシュプル法によりトラッキング信号を生成するものである。そして、フォーカシング/トラッキング回路47は、フォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいてアクチュエータ25を駆動し、フォーカシング制御とトラッキング制御とを行う機能を有している。
以下に、本ディスク装置におけるフォーカシング制御およびトラッキング制御の動作について説明する。本ディスク装置における光ディスク1の再生では、制御部が、スピンドル制御回路41を制御して、光ディスク1を回転させる。また、制御部は、レーザ制御回路42を制御して、集光レンズ24から光ディスク1にレーザ光Lを照射し、図1に示すように、光ディスク1の情報トラック2に沿ってビームスポット6を走査する。このとき、レーザ光Lは、そのビームスポット6の中心位置が情報トラック2に重なるように照射される。
そして、ビームスポット6が情報ユニット5上でレーザ光Lが反射され、反射レーザ光Laが生成され、制御用光検出器29に照射される。これにより、制御用光検出器29の部分受光面D5〜D8は、自身の受光した反射光量に応じた電圧値を有する受光信号R5〜R8を、フォーカシング/トラッキング回路47に対してそれぞれ出力する。
受光信号R5〜R8を入力したフォーカシング/トラッキング回路47は、制御部の指示により、フォーカシング制御とトラッキング制御とを実行する。すなわち、フォーカシング/トラッキング回路47は、まず、光ディスク1の記録面にレーザ光Lの焦点を合わせる(フォーカシング制御する)ために、シリンドリカルレンズ28を用いた非点収差法を用いてフォーカシング信号を生成する。
このとき、フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29からの受光信号R5〜R8を入力し、(R5+R7)−(R6+R8)を算出する。そして、算出した値が零(0)となるように、集光レンズ24のフォーカス方向(光ディスク1の面に垂直な方向)の位置を制御するためのフォーカシング信号を生成する。そして、集光レンズ24の位置を制御するアクチュエータ25に出力する。これにより、レーザ光Lの焦点を、光ディスク1の記録面に合わせることが可能となる。
また、フォーカシング/トラッキング回路47は、レーザ光Lの中心を情報トラック2に沿わせる(トラッキング制御する)ために、プッシュプル法を用いてトラッキング信号を生成する。
このとき、フォーカシング/トラッキング回路47は、制御用光検出器29からの受光信号R5〜R8を入力し、(R5+R6)−(R7+R8)を算出する。そして、算出した値が零(0)となるように、集光レンズ24のトラッキング方向(光ディスク1の径方向)の位置を制御するためのトラッキング信号を生成し、アクチュエータ25に出力する。
さらに、光ディスク1には、情報ユニット5として、図5に示すピット配列9dy、13eyのように、情報トラック2に対して非対称なものが存在する。このため、このような非対称の情報ユニット5から得られるプッシュプル信号が、正確なトラッキングを妨げることになる。従って、光ディスク1の半径方向(情報ユニット2の並びに垂直な方向)に対して対称な情報ユニット5、すなわち対象性識別子xを持つ情報ユニット5を組み合わせた基準情報ユニット61を各情報トラック2に配置し、これのみを用いてトラッキングを行ってもよい。
また、本実施形態では位相ピット3を正方形の頂角位置に配置したが、位相ピット3を、中央位相ピット4が重心に配置された正六角形の頂角に配置していてもよい。しかしながら、位相ピット3の配置位置はこれらに限らない。例えば、位相ピット3を、周方向および径方向に対称な他の四角形(正方形を周方向あるいは径方向に圧縮した菱形)の頂角に配置してもよい。この構成であっても、上記と同様に、本ディスク装置によって情報ユニット5のピット配列を識別することが可能である。
また、位相ピット3を、周方向および径方向に対称な他の六角形(正六角形を周方向あるいは径方向に圧縮した形)の頂角に配置してもよい。この構成であっても、上記と同様に、本ディスク装置によって情報ユニット5のピット配列を識別することが可能である。
さらに、位相ピット3を、他の多角形(五角形、八角形)の頂角位置に配するようにしてもよい。この場合でも、適切な基準情報ユニット(例えば五角形の場合は8通り、八角形の場合は12〜14通りの基準情報ユニット)を配置し、トータル光量比較回路43および部分光量比較回路44による処理(識別条件)を適切に設定することによって、ピット配列の識別が可能である。
また、光ディスク1の位相ピット3については、位相ピット4から等距離に配することが好ましい。これにより、レーザ光Lにおけるほぼ円形状のビームスポット6内に、全ての位相ピット3・4を効率よく(高密度に)配置することが可能となる。従って、光ディスク1の記録密度をさらに向上できるとともに、ビームスポット6を小さくできる。
また、本実施の形態では、コリメータレンズ22が、半導体レーザ光源21から出射されたレーザ光Lの光束を平行とするとしている。ここで、半導体レーザ光源21からのレーザ光放射が楕円形状である場合には、コリメータレンズ22(あるいは他のビーム整形部材)によって、適宜、ビーム形状の整形を行ってもよい。
また、本実施の形態では、光ディスク1は、直径120mmの円盤形状であるとしている。しかしながら、本ディスク装置では、光ピックアップ11(アクチュエータ25)の可動範囲を変えることで、異なるサイズの光ディスク1を再生することも可能である。そして、本実施の形態では、光ディスク1が、スパイラル状の情報トラック2を有するとしている。しかしながら、これに限らず、光ディスク1に、複数の情報トラック2を同心円状に設けてもよい。
また、本実施の形態では、本ディスク装置によって再生する媒体(光メモリ素子)として、光ディスク1を示している。しかしながら、これに限らず、情報トラックを直線状に配列した光カードを再生するように本ディスク装置を設計してもよい。この場合、光カードの情報トラックに沿って、図5または図11(a)および図11(b)に示すようなピット配列を有する情報ユニット5を有することが好ましい。さらに、図1または図9に示すような記録情報単位および基準情報単位を有することが好ましい。
また、本ディスク装置では、保護膜9として透明材料を用いる場合には、保護膜9側からレーザ光を照射して、金属反射膜8上にビームスポット6を形成し、再生を実行することが可能である。また、光ディスク1の透明基板7側からレーザ光Lを照射して再生を行うことも可能である。
ここで、本実施の形態では、トータル光量比較回路43の求める光量を、情報ユニット5から反射された光の総量(トータル反射光量)としている。しかしながら、実際には、トータル光量比較回路43の求める光量は、光検出器31(部分受光面D1〜D4)に対する入射光の総量(トータル入射光量)である。トータル入射光量は、ビームスプリッタ26によって制御用光検出器29側に向かう光(制御用光)をトータル反射光量から差し引いたものであり、トータル反射光量に比例するものである。
また、図6に示した構成では、光検出器31の分割線A・Bが、互いに90度ずつ、ずれて配されているとしている。しかしながら、これに限らず、分割線A・Bの交叉角度を90度からずらしてもよい。この場合には、各部分受光面D1〜D4のサイズが互いに異なるため、部分光量比較回路44による受光信号R1〜R4の比較処理を変更することが好ましい。
また、本実施の形態では、光検出器31の受光面の形状を円形であるとしている。しかしながら、これに限らず、反射レーザ光Laの全体を受け止められる形状であれば、光検出器31の受光面の形状は、どのような形状でもかまわない。また、同様に、制御用光検出器29の受光面も、円形である必要はない。
また、図6に示した構成では、光検出器31の受光面の分割数を4としている。しかしながら、光検出器31の受光面の分割数は、これに限らず、倍の8分割としてもよい(8分割光検出器)。そして、この光検出器31を使用して、8個の部分受光面からの受光信号に基づいて、情報ユニット5の識別を行うことも可能である。ただし、上記のような4分割光検出器を用いることにより、情報ユニット5の識別を行う際の計算プロセスを簡略化できる。従って、トータル光量比較回路43、部分光量比較回路44をより簡単な回路から構成できるので、本ディスク装置を低コスト化できる。
フォーカシング/トラッキング回路47によって生成されるフォーカシング信号(フォーカスサーボ信号)に、情報ユニット5を構成する位相ピット3・4からの反射光に基づく信号が混入すると、フォーカシング(フォーカスサーボ)が乱されることになる。このため、ローパスフィルターを通して、フォーカシング信号から位相ピット3・4に対応する高周波信号成分を取り除くことが好ましい。これにより、安定したフォーカシングを行うことが可能となる。
また、本実施の形態では、制御用光検出器29と光検出器31とを別体に構成している。しかしながら、これに限らず、光検出器31に、制御用光検出器29の機能をもたせるようにしてもよい。この場合、フォーカシング/トラッキング回路47は、光検出器31から出力される受光信号に基づいて、サーボ信号の生成を行うこととなる。
ここで、光ディスク1の製造および再生に関する具体例を、実施例1〜6として説明する。
〔実施例1〕
光ディスク1におけるスパイラル状に形成された情報トラック2に、図5に示したピット配列を有する情報ユニット5を350nmピッチで規則的に配列した。
そして図3に示すように、情報トラック2の開始位置から約100本の情報トラック2を、図1に示した基準情報ユニット61を有する基準情報グループ64を連続して配置した基準情報トラック62とした。
また、情報トラック2の中心に配置した位相ピット4と、位相ピット4を中心とした正方形の頂角に配置した位相ピット3とについては、ポリカーボネート製の透明基板7の記録面に対し、射出成形法により、深さ40nmの窪み状に形成した。
基準情報ユニット61については、位相ピット3・4と同様の形状、大きさおよび深さであり、直径が60nm、形成ピッチが100nm、深さ40nmの円形ピットとし、350nmピッチで等間隔に配列した。
このような基準情報ユニット61を含めた情報ユニット5(位相ピット3・4)を有する透明基板7を形成するための原盤のパターニングについては、電子ビーム露光装置を用いて行った。そして、この原盤から光ディスク用スタンパを形成し、このスタンパを用いて射出成形を行うことにより透明基板7を形成した。
次に、このような基準情報ユニット61を含む情報ユニット5の形成された透明基板7上に、スパッタリングにより、厚さ50nmのアルミニウムからなる金属反射膜8を形成した。さらに、この金属反射膜8上に、保護膜9として、0.1mm厚のポリカーボネートシートを、紫外線硬化樹脂により貼り合わせた。
このような光ディスク1を図2に示した本ドライブ装置に装着し、再生を行った。ここで、半導体レーザ光源21として、波長405nmの半導体レーザ素子を使用した。また、レーザ光Lを光ディスク1に集光する集光レンズ24として、開口数(NA)0.85のレンズを使用した。そして、レーザ光Lについては、光ディスク1の保護膜9側から入射した。
再生処理において、制御部(図示せず)、制御用光検出器29およびフォーカシング/トラッキング回路47によって、受光信号R5〜R8に従って、レーザ光Lを金属反射膜8上に集光するように、非点収差法によるフォーカシングを行った。また、プッシュプル法により、情報トラック2に沿ってビームスポット6のトラッキングを行った。
まず、基準情報ユニット61を所定の順に配置した基準情報グループ64を有する基準情報トラック62を再生したとき、トータル光量比較回路43によって、光検出器31が検出した基準情報ユニット61からの反射光の総量、すなわちトータル基準反射光量と、基準情報ユニット61の有する位相ピット3・4の数とを関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶させた。
次に様々な情報を記録した情報トラック2に移動し、情報ユニット5の再生を行った。このとき、トータル光量比較回路43は、光検出器31が検出した情報ユニット5からの反射光の総量、すなわちトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較し、情報ユニット5の有するピット3・4の数を特定した。
次にトータル光量比較回路43によって、トータル反射光量の値に応じた光量識別子に基づいてピット配列を識別した。そして、部分光量比較回路44において、光検出器31の部分受光面D1〜D4から出力される各受光信号R1〜R4を、表1に示すような識別条件に従って処理した。その結果、情報ユニット5における32種類(5ビット)のピット配列の識別を行うことができ、5ビットのデータを復調できた。
また、本実施例では図3に示すように、情報トラック2の開始位置を内周側に設置し、基準情報トラック62を内周側に形成したが、外周から内周に向かって再生を行うようなディスクの場合は、情報トラック2の最外周に開始位置として基準情報トラック62を設置してもよい。さらに、本実施例では情報トラック2の開始位置に基本情報トラック62を設置しているが、情報トラック2の終了位置または、両方に設置してもよい。
さらに、本実施例では複数の基準情報ユニット61から構成される基準情報グループ64を連続して有する基準情報トラック62を100本配列させた構成の光ディスク1を用いたが、基準情報トラック62の本数が少ない方が、記録情報の利用率が上がるため、少なくとも1本以上の基準情報トラック62を配列させた構成であればよい。これにより、基準トラック62の有する基準情報ユニット61からの反射光、すなわちトータル基準反射光量を、基準トータル光量記憶部48に記憶させることができる。
しかしながら、光ディスク1を本ドライブ装置に装着し、光ピックアップ11の有する位置情報を元に光ディスク1の半径方向を走査し、基準情報トラック62が設置された半径位置を探し、フォーカシングおよびトラッキングを行って、基準情報トラック62の再生を行う場合、基準情報トラック62の位置を正確に見つけるのが困難な場合がある。従って本発明においては、具体的な基準情報トラック62の本数を規定せず、光ピックアップ11の位置情報の精度によって、必要な本数の基準情報トラック62を設置すればよい。
〔実施例2〕
また、実施例1と同様の光ディスク1の構成において、図8に示すように、情報トラック2を光ディスク1の半径位置によって区分し、複数の情報トラック2により構成されるグループ33を形成した。そして、この光ディスク1を一定の角速度で回転させた時に、内周から外周に向かうのに伴って、それぞれの情報トラックのグループ33毎に記録周波数を高くするように光ディスク1を形成した。
さらに複数の情報トラック2により構成されるグループ33の開始位置から5〜10本の情報トラック2を、図1に示した基準情報ユニット61を有する基準情報グループ64を連続して配置した基準情報トラック63とした。そして、情報トラック2を、光ディスク1の回転方向に対して複数のセクタ部34に区分し、各セクタ部34にはヘッダ部35を設置した。ヘッダ部35には、そのセクタ部34が光ディスク1のどの場所に当たるのかを表すアドレス情報を付与した。
そして本光ディスク1を光ドライブ装置に装着した時、まず、非点収差法によりレーザ光Lを金属反射膜8上に集光し、プッシュプル法により情報トラック2に沿ってビームスポット6のトラッキングを行った。
さらに、ヘッダ部の有するアドレス情報または光ピックアップ11の有する位置情報に基づいて光ピックアップ11を再生位置に移動させる前に、再生する記録信号が記録された情報トラック2のグループ33の開始位置に光ピックアップ11を移動させた。そして、情報トラック2のグループ33の開始位置から5〜10本に形成された基準情報トラック63に沿って、基準情報ユニット61が所定の順に配置された基準情報グループ64を再生した。そしてトータル光量比較回路43によって、光検出器31により受光された基準情報ユニット61からの反射光の総量、すなわちトータル基準反射光量と、基準情報ユニット61のピット数とを関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶させた。
次に様々な情報を記録した情報トラック2に移動し、情報ユニット5の再生を行った。そして、トータル光量比較回路43によって、光検出器31が検出した情報ユニット5からの反射光の総量、すなわちトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較し、情報ユニット5のピット数を特定した。
さらにトータル光量比較回路43によって、トータル反射光量の値に応じた光量識別子に基づいてピット配列を識別した。そして、部分光量比較回路44において、光検出器31の部分受光面D1〜D4の各受光信号R1〜R4を、表1に示すような識別条件に従って処理した。その結果、情報ユニット5における32種類(5ビット)のピット配列の識別を行うことができ、5ビットのデータを復調できた。
さらに、本実施例において、情報トラック2の一つのグループ33から他のグループ33に光ピックアップ11を移動させたとき、トータル光量比較回路43によって、他のグループの開始位置で読み出したトータル基準反射光量を基準トータル光量記憶部48に一時的に記憶させ、その後本グループ33から読み出したトータル基準反射光量を基準トータル光量記憶部48に記憶させた。このとき、前回記憶させたトータル基準反射光量、すなわち既に基準トータル光量記憶部48に記憶されているトータル基準反射光量を消去した後、新たに読み出したトータル基準反射光量を記憶させた。一方で、記憶させたトータル基準反射光量がどのグループ33のものであるかを管理する手段と十分な記憶容量とを設けることによって、複数のグループ33のトータル基準反射光量を同時に基準トータル光量記憶部48に記憶させてもよい。
また、トータル基準反射光量の記憶量は基準トータル光量記憶部48の記憶容量に依存するため、本発明はその記憶量を限定するものではない。
〔実施例3〕
また、実施例2と同様の光ディスク1の構成において、図8に示すように、情報トラック2を光ディスク1の半径位置によって区分し、複数の情報トラック2により構成されるグループ33を形成した。そして、この光ディスク1を一定の角速度で回転させた時に、内周から外周に向かうのに伴って、それぞれの情報トラックのグループ33毎に記録周波数を高くするように光ディスク1を形成した。
そして、情報トラック2を、光ディスク1の回転方向に対して複数のセクタ部34に区分し、各セクタ部34にはヘッダ部35を設置した。ヘッダ部35には、そのセクタ部34が光ディスク1のどの場所に当たるのかを表すアドレス情報を付与した。さらにヘッダ部35の一部に、図1に示したような基準情報ユニット61を所定の順に配置した基準情報グループ64を設けた。このように光ディスク1を作製した。
実施例2と同様に、本実施例の光ディスク1を光ドライブ装置に装着した時、まず非点収差法によりレーザ光Lを金属反射膜8上に集光し、プッシュプル法により情報トラック2に沿ってビームスポット6のトラッキングを行った。
光ディスク1の任意の位置においてトラッッキングを行った際、ヘッダ部35を識別すると同時にヘッダ部35に記録した基準情報ユニット61を有する基準情報グループ64を再生した。そして、トータル光量比較回路43によって、光検出器31が検出した基準情報ユニット61からの反射光の総量、すなわちトータル基準反射光量と、基準情報ユニット61のピット数とを関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶させた。その後、ヘッダ部35が有するアドレス情報を再生した。
そして、このアドレス情報に基づいて様々な情報を記録した情報トラック2に移動し、情報ユニット5の再生を行った。このとき、トータル光量比較回路43は、光検出器31が検出した情報ユニット5からのトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較し、情報ユニット5のピット数を特定した。
さらにトータル光量比較回路43によって、トータル反射光量の値に応じた光量識別子に基づいてピット配列を識別した。そして、部分光量比較回路44において、光検出器31の部分受光面D1〜D4の各受光信号R1〜R4を、表1に示すような識別条件に従って処理した。その結果、情報ユニット5における32種類(5ビット)のピット配列の識別を行うことができ、5ビットのデータを復調できた。
このように、各セクタ部34のヘッダ部35に基準情報ユニット61を配置することにより、再生中の情報トラック2の位置、再生周波数などに依存せず、より正確にトータル反射光量を判別させることが可能となった。
〔実施例4〕
また、実施例1に示した光ディスク1の構成において、図9に示すピット配列からなる情報ユニット5を有する光ディスク1を形成した。
この構成において、位相ピット4を中心とする正六角形の頂角位置に位相ピット3を配置し、かつ、その六角形を2分する対角線の一つを、情報トラック2と重なるように配置した。また実施例1と同様に、位相ピット3・4の直径を60nm、形成ピッチを100nm、深さを40nmとした。
本実施例において光ディスク1は、図9に示す、128i3、122h0,118g3、100f1、77e3、48d3、23c3、7b1、1a3のピット配列を有する9種類の情報ユニット5を基準情報ユニット61として使用した。情報トラック2のうち開始位置から100本を、図9に示した基準情報ユニット61を有する基準情報グループ64を連続して配置した基準情報トラック62とした。
また本実施例においては、反射光の検出に、図10に示す6分割受光面である部分受光面D1〜D6を有する光検出器32を用いた。この光検出器32を備えた本ディスク装置に本光ディスク1を装着し、基準情報トラック62に沿って形成された基準情報ユニット61が所定の順に配置された基準情報グループ64を再生した。トータル光量比較回路43によって、そして光検出器32の部分受光面D1〜D6が検出した基準情報ユニット61からの反射光の総量、すなわちトータル基準反射光量と、基準情報ユニット61のピット数とを関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶させた。
次に様々な情報を記録した情報トラック2に移動し、情報ユニット5の再生を行った。このとき、トータル光量比較回路43によって、光検出器32が検出した情報ユニット5からの反射光の総量、すなわちトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較し、情報ユニット5のピット数を特定した。
さらにトータル光量比較回路43によって、トータル反射光量の値に応じた光量識別子に基づいてピット配列を識別した。そして、部分光量比較回路44において、光検出器32の部分受光面D1〜D6の各受光信号R1〜R6に基づいて、ピット配列の識別処理を行った。その結果、情報ユニット5における128種類(7ビット)のピット配列の識別を行うことができ、7ビットのデータを復調できた。
〔実施例5〕
実施例4と同様に、図9に示すピット配列からなる情報ユニット5を有する光ディスク1において、図8に示すように、情報トラック2を光ディスク1の半径位置によって区分し、複数の情報トラック2により構成されるグループ33を形成した。そして、この光ディスク1を一定の角速度で回転させた時に、内周から外周に向かうのに伴って、それぞれの情報トラックのグループ33毎に記録周波数を高くするように光ディスク1を形成した。
さらに情報トラック2の内、各情報トラックのグループ33の開始位置から5〜10本の情報トラック2を、図9に示した基準情報ユニット61を有する基準情報グループ64を連続して配置した基準情報トラック63とした。
また、情報トラック2を、光ディスク1の回転方向に対して複数のセクタ部34に区分し、各セクタ部34にはヘッダ部35を設置した。ヘッダ部35には、そのセクタ部34が光ディスク1のどの場所に当たるのかを表すアドレス情報を付与した。さらにヘッダ部35の一部に、基準情報ユニット61を所定の順に配置した基準情報グループ64を設けた。このように光ディスク1を作製した。
この光ディスク1を光ドライブ装置に装着した時、まず、非点収差法によりレーザ光Lを金属反射膜8上に集光し、プッシュプル法により情報トラック2に沿ってビームスポット6のトラッキングを行った。
そして、ヘッダ部の有するアドレス情報または光ピックアップ11の有する位置情報に基づいて光ピックアップ11を再生位置に移動させる前に、再生する記録信号が記録された情報トラック2のグループ33の開始位置に光ピックアップ11を移動させた。そして、情報トラック2のグループ33の開始位置から5〜10本に形成された基準情報トラック63に沿って、基準情報ユニット61が所定の順に配置された基準情報グループ64を再生した。再生した基準情報ユニット61の反射光の総量、すなわちトータル基準反射光量と、基準情報ユニット61のピット数とを関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶させた。
次に様々な情報を記録した情報トラック2に移動し、情報ユニット5の再生を行った。このとき、トータル光量比較回路43は、光検出器32が検出した情報ユニット5からの反射光の総量、すなわちトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較し、情報ユニット5のピット数を特定した。
さらにトータル光量比較回路43によって、トータル反射光量の値に応じた光量識別子に基づいてピット配列を識別した。そして、部分光量比較回路44において、光検出器32の部分受光面D1〜D6の各受光信号R1〜R6に基づいて、ピット配列の識別処理を行った。その結果、情報ユニット5における128種類(7ビット)のピット配列の識別を行うことができ、7ビットのデータを復調できた。
さらに、本実施例において、情報トラック2の一つのグループ33から他のグループ33に光ピックアップ11を移動させたとき、他のグループの開始位置でトータル基準反射光量を読み出し、読み出したトータル基準反射光量を基準トータル光量記憶部48に記憶させた。このとき、前回記憶させたトータル基準反射光量、すなわち既に基準トータル光量記憶部48に記憶されているトータル基準反射光量を消去した後、新たに読み出したトータル基準反射光量を記憶させた。一方で、記憶させたトータル基準反射光量がどのグループ33のものであるかを管理する手段と十分な記憶容量とを設けることによって、複数のグループ33のトータル基準反射光量を同時に基準トータル光量記憶部48に記憶させてもよい。
また、トータル基準反射光量の記憶量は基準トータル光量記憶部48の記憶容量に依存するため、本発明はその記憶量を限定するものではない。
〔実施例6〕
実施例5と同様に、図9に示すピット配列からなる情報ユニット5を有する光ディスク1において、図8に示すように、情報トラック2を光ディスク1の半径位置によって区分し、複数の情報トラック2により構成されるグループ33を形成した。そして、この光ディスク1を一定の角速度で回転させた時に、内周から外周に向かうのに伴って、それぞれの情報トラックのグループ33毎に記録周波数を高くするように光ディスク1を形成した。
そして、情報トラック2を、光ディスク1の回転方向に対して複数のセクタ部34に区分し、各セクタ部34にはヘッダ部35を設置した。ヘッダ部35には、そのセクタ部34が光ディスク1のどの場所に当たるのかを表すアドレス情報を付与した。さらにヘッダ部35の一部に、図9に示したような基準情報ユニット61を所定の順に配置した基準情報グループ64を設けた。このように光ディスク1を作製した。
実施例4と同様に、本実施例の光ディスク1を光ドライブ装置に装着した時、まず非点収差法によりレーザ光Lを金属反射膜8上に集光し、プッシュプル法により情報トラック2に沿ってビームスポット6のトラッキングを行った。
光ディスク1の任意の位置においてトラッッキングを行った際、ヘッダ部35を識別すると同時にヘッダ部35に記録した基準情報ユニット61を再生した。そして基準情報ユニット61を所定の順に配置した基準情報グループ64を有する基準情報トラック62を再生した。そしてトータル光量比較回路43によって、光検出器32が検出した基準情報ユニット61からの反射光の総量、すなわちトータル基準反射光量と、基準情報ユニット61のピット数とを関連付けて基準トータル光量記憶部48に記憶させた。その後、ヘッダ部35が有するアドレス情報を再生した。
そして、このアドレス情報に基づいて様々な情報を記録した情報トラック2に移動し、情報ユニット5の再生を行った。このとき、トータル光量比較回路43は、光検出器32が検出した情報ユニット5からの反射光の総量、すなわちトータル反射光量と、基準トータル光量記憶部48に記憶されたトータル基準反射光量とを比較し、情報ユニット5のピット数を特定した。
さらにトータル光量比較回路43によって、トータル反射光量の値に応じた光量識別子に基づいてピット配列を識別した。そして、部分光量比較回路44において、光検出器32の部分受光面D1〜D6の各受光信号R1〜R6に基づいて、ピット配列の識別処理を行った。その結果、情報ユニット5における128種類(7ビット)のピット配列の識別を行うことができ、7ビットのデータを復調できた。
このように、各セクタ部34のヘッダ部35に基準情報ユニット61を配置することにより、再生中の情報トラック2の位置、再生周波数などに依存せず、より正確にトータル反射光量を判別させることが可能となった。
また、図1について、以下のように述べることもできる。すなわち、この図に示す例においては、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピット3が、上記中心位置を重心とする正四角形位置に配置され、かつ、該正四角形の対角線の一つが情報トラック2と重なるように配置されている構成について示している。さらに該情報トラック2の情報ユニット5が形成された記録領域とは異なる位置に、情報トラック2に沿って所定の順に設けられた複数の基準情報ユニット61を有している。
また、本ディスク装置では、光検出器31により、情報ユニット5からの反射光を受け、各光検出素子(部分受光面)D1〜D4上でのトータル反射光量と反射光強度分布を検出し、各光検出素子からの出力信号(受光信号)R1〜R4の信号強度の和(トータル光量比較)とそれぞれの差(部分光量比較)を用いて情報ユニット5の識別が行なわれるともいえる。
また、図1に示した構成の光ディスク1は、正方形の対角線の一方が情報トラック2に平行であり、その正方形の頂角位置に配置された複数の位相ピット3と、正方形の中心位置に配置された位相ピット4とで構成された情報ユニット5を、スパイラル状に成された情報トラック2上に規則的に配列することにより、1個の情報ユニット5に32種類の情報(5ビットのデータ)を多重記録することが可能となり、大容量光ディスクを実現することが可能であるといえる。
また、本ディスク装置は、上記光ディスク1の情報ユニット5にレーザ光を照射する光照射手段と、該情報ユニット5からの反射光が、その分割線が、情報トラック2に対応する直線X−X’と45°の角度を成すように配置された4分割光検出素子からなる再生用光検出器(光検出器31)に入射するように構成された光学系と、該4分割光検出素子の光検出信号に基づき、情報ユニット5の識別を行ない、記録情報を再生する手段とを備えているといえる。
また、本発明を、以下の第1〜第5光メモリ素子、および、第1〜4光メモリ素子再生装置として表現することもできる。
すなわち、第1光メモリ素子は、特定位置に配置された複数の位相ピットで構成された情報ユニットが、情報トラック上に等間隔に配置された光メモリ素子において、該情報トラックに対して、等間隔に配列した複数の基準情報ユニットが設けられた構成である。これにより、上記情報トラックに対して、基準情報ユニットからの反射光により反射光量の比較を行うための基準値を求めることができる。従って、常に安定した反射光量の識別を得ることができ、反射光量により、情報ユニットに存在する位相ピットの数を大まかに知ることによって、情報ユニットの識別を正確に行うことができる。
第2光メモリ素子は、第1光メモリ素子において、上記基準情報ユニットが、上記情報ユニットの中から選ばれた情報ユニットの組み合わせによって形成される構成であることによって、同じ構成の情報ユニットから反射光量を基準反射光量と設定することによって、情報ユニットの反射光量を基準となる情報ユニットの反射光量と直接比較することができ、識別処理を容易にすることができるとともに、形成時に特別なパルス信号を生成した専用の書き込み方法を用いずに、記録情報の記録された情報ユニットと同じ形成方法によって作製できる。
第3光メモリ素子は、第2光メモリ素子において、該情報ユニットの中心位置に配置される位相ピットと、該中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットとによって構成される。これにより、正確な情報ユニットの識別を実現することができることに加えて、情報ユニットを構成する位相ピットが、情報ユニットの中心位置と、該中心位置から等距離位置とに配置されることにより、再生のために集光照射される概ね円形状の光ビームスポット内に、複数の位相ピットを効率良く配置することが可能となり、情報ユニットの安定した再生と大容量化とを、共に実現することができる。
第4光メモリ素子は、第3光メモリ素子の情報ユニットにおいて、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする四角形位置に配置され、かつ、該四角形の対角線の一方が情報トラックと重なるように配置されている構成である。これにより、正確な情報ユニットの識別を実現することができることに加えて、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする四角形位置に配置されることにより、再生のために照射される光ビームスポット内に、複数の位相ピットが配置されることになり、一つの情報ユニットが有する情報の多重度が最大となり、光メモリ素子の大容量化が実現する。
第5光メモリ素子は、第3光メモリ素子の情報ユニットにおいて、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする六角形位置に配置され、かつ、該六角形を2分する対角線の一つが情報トラックと重なるように配置されている構成である。これにより、正確な情報ユニットの識別を実現することができることに加えて、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする六角形位置に配置されることにより、再生のために照射される光ビームスポット内に、最密状態で複数の位相ピットが配置されることになり、一つの情報ユニットが有する情報の多重度が最大となり、光メモリ素子の大容量化が実現する。
第1光メモリ素子再生装置は、第1〜5光メモリ素子のいずれかから記録情報を再生する光ディスク再生装置であって、再生光を前記光メモリ素子の情報ユニットに照射する光照射手段と、該情報ユニットからの反射光を再生用光検出器へと導く光学系とを有する光メモリ素子再生装置において、上記再生用検出器が複数の領域に分割された光検出素子で構成され、該光検出素子の個々の光検出信号に基づき、上記情報ユニットを識別し、情報を再生する手段を備えた構成である。これにより、複数の領域に分割された光検出素子に入射する反射光の状態により、個々の情報ユニットが識別され、本発明の光メモリ素子から記録情報を安定して再生することができる本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。
第2光メモリ素子再生装置は、上記光メモリ素子から記録情報を再生する光ディスク再生装置であって、前記情報ユニットの識別を行うにあたり、反射光の状態が光検出素子からの光検出信号の大きさを比較することにより、過剰に複雑な信号処理を行う必要がなく、低コストで本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。上記本発明の光メモリ素子から記録情報をより正確に再生することができる本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。
第3光メモリ素子再生装置は、上記光メモリ素子再生装置は基準情報単位から得られたトータル反射光量に基づいて比較を行うことにより、さらに信号処理を容易にできるために、さらに低コストで本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。
第3光メモリ素子再生装置は、上記光メモリ素子再生装置は基準情報単位から得られた反射光量の強度を一時的に記憶部に記憶させることで、読み出した信号の反射光量と基準情報単位の反射光量との比較を確実かつより簡単に行う本発明の光メモリ素子再生装置を提供することが可能となる。
(他の構成)
本発明を以下のように表現することもできる。
(第1の構成)
特定位置に配置された複数の位相ピットで構成された記録情報単位が、情報トラック上に等間隔に配置された光メモリ素子において、
該情報トラック上に、反射光量を特定するための基準情報単位が設けられたことを特徴とする光メモリ素子。
(第2の構成)
上記基準情報単位が、記録情報単位の中から選ばれた複数の情報単位で構成されていることを特徴とする第1の構成に記載の光メモリ素子。
(第3の構成)
上記記録情報単位が、該情報単位の中心位置に配置される位相ピットと、該中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットとで構成されたことを特徴とする第1の構成に記載の光メモリ素子。
(第4の構成)
上記記録情報単位において、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする四角形位置に配置され、かつ、該四角形の対角線の一方が情報トラックと重なるように配置されていることを特徴とする第2の構成に記載の光メモリ素子。
(第5の構成)
上記記録情報単位において、上記中心位置から等距離位置に配置される複数の位相ピットが、上記中心位置を重心とする六角形位置に配置され、かつ、該六角形を2分する対角線の一つが情報トラックと重なるように配置されていることを特徴とする第2の構成に記載の光メモリ素子。
(第6の構成)
第1から第5の構成のいずれかに記載の光メモリ素子から記録情報を再生する光ディスク再生装置であって、
再生光を前記光メモリ素子の記録情報単位及び基準情報単位に照射する光照射手段と、
該記録情報単位及び基準情報単位からの反射光を再生用光検出器へと導く光学系とを有する光メモリ素子再生装置において、
上記再生用検出器が複数の領域に分割された光検出素子で構成され、該光検出素子の個々の光検出信号に基づき、上記記録情報単位を識別し、情報を再生する手段を備えることを特徴とする光ディスク再生装置。
(第7の構成)
上記記録情報単位を識別する手段が、上記複数の光検出素子の光検出信号を足し合わせたトータル反射信号の比較手段と、上記複数の光検出素子からの光検出信号の大きさを比較する手段とを有することを特徴とする第6の構成に記載の光メモリ素子再生装置。
(第8の構成)
上記トータル反射信号の比較が、基準情報単位から得られたトータル反射信号の強度に基づいて行なわれることを特徴とする第7の構成に記載の光メモリ素子再生装置。
(第9の構成)
上記反射光量を特定するために、基準情報単位から得られた反射光量の強度を一時的に記憶する基準反射光量記憶部を有することを特徴とした第6乃至第8の構成に記載の光メモリ素子再生装置。