JP4725119B2 - 空気調和機の制御装置 - Google Patents
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先ず、室外機1から各室内機2b、2c、2dへ送信していない場合は、室外機1の送信用フォトカプラ5aと受信端末となる各室内機の送信用フォトカプラ5b、5c、5dをオフにして受信に備えていることがシリアル通信を実現する条件となる。この状態では、室外機1自身及び各室内機2の受信用フォトカプラ6a、6b、6c、6dと室外機1の定電流源10と信号線B、電源線Cとの間に電流ループが構成され、室外機1自身及び各室内機2の受信用フォトカプラ6a、6b、6c、6dは、すべてオンとなっている。
ここで、室外機1の送信用フォトカプラ5aの受光素子を制御装置4aからの信号でオンにすると、定電流源10と配線Cとの間が室外機1の送信用フォトカプラ5aの受光素子によって短絡され、電流はすべて送信端末である室外機1の送信用フォトカプラ5aを流れるため、室外機1自身及び各室内機2の受信用フォトカプラ6a、6b、6c、6dには電流は流れずオフとなる。室外機1の送信用フォトカプラ5aを制御装置4aからの信号でオン・オフを繰り返すことで、受信用フォトカプラ6a、6b、6c、6dもオンとオフを繰り返すことでパルス状の信号を生成して室外機1と室内機2の間で通信を行う。また、室内機からの送信は、室内機の送信フォトカプラをオン・オフすることにより同様に行なう。
ここで、室外機1と室内機2…の間での通信は、受信用フォトカプラ6a、6b、6c、点のオンとオフを繰り返すことでパルス状の信号を生成して行うことは上述した通りだが、そのときのパルスの波高値は、図13に示す電圧値に比例する。つまり、接続された室内機が1台の場合には、図13の(a)点の電圧値を「Hレベル」とし、図13の(c)点の電圧値を「Lレベル」とする通信を行うが、室内機の接続台数を増やせば増やすほど、図13の(b)点の電圧値が図13の(c)点の電圧値に近づき、通信において「Hレベル」として用いる電圧値は小さくなり、その結果、ノイズマージンが低下してしまい、外来ノイズに弱いという問題があった。
図1は、1台の室外機15と複数台の室内機16a、室内機16b、…の接続関係を示しており、室内機16側は、リモコン装置17等であってもよく、要するに、これらの機器における通信回路部分が順次接続されていることを表した回路図である。この図1において、室外機15と室内機16aは、3線で接続されており、室外機15の端子aと室内機16aの端子A1とは通信ライン18で接続され、室外機15の端子bと室内機16aの端子B1とは通信・電源共用ライン19で接続され、室外機15の端子cと室内機16aの端子C1とは電源ライン20で接続されている。
また、他の室内機16b、…やリモコン装置17についても、室外機15と室内機16aとの接続関係に対して並列接続となるように、通信ライン18、通信・電源共用ライン19及び電源ライン20の3線で順次接続されている。
前記室外機15の端子dと端子eの間には商用電源21が接続されており、端子dから端子bまでのライン及び端子bから後段に接続されるラインが通信・電源共用ライン19となり、端子eから端子cまでのライン及び端子cの後段に接続されるラインが電源ライン20となる。この通信・電源共用ライン19と電源ライン20との間には降圧用トランス22が接続されており、この降圧用トランス22で降圧された電圧は、整流平滑回路23で整流平滑化された後、室外機15を制御するための制御装置24に入力される。より具体的には、図2に示すように、通信・電源共用ライン19と電源ライン20との間には、制御装置24によって制御される室外機負荷63が接続される。
室内機16aの通信・電源共用ライン19と電源ライン20との間には、室内機16aの負荷部分である室内機負荷40が接続されている。室内機16aの通信・電源共用ライン19と電源ライン20との間には、降圧用トランス41が接続されており、この降圧用トランス41で降圧された電圧は、整流平滑回路42で整流平滑化された後、室外機16aを制御するための制御装置43に入力される。より具体的には、図2に示すように、通信・電源共用ライン19と電源ライン20との間には、制御装置43によって制御される室内機負荷40が接続される。
上記のように接続された室外機15、複数の室内機16a、16b、…及びリモコン装置17の間で通信によって運転制御を行う場合、主に一対の信号線に複数のデータを時系列に並べて直列に伝送するシリアル伝送方式が採用されている。伝送方式の詳細については説明を省略するが、その場合に使用されるデータ列としてのパルス波を図2の回路によって生成する際の作用を図面に基づいて用いて説明する。
このように、何れかの送信用フォトカプラをオンさせると全ての受信用フォトカプラはオフ状態(L)となり、その送信用フォトカプラをオフさせると全ての受信用フォトカプラは再びオン状態(H)となり、これを短時間のうち繰り返すと、各受信用フォトカプラには図4に示す電流−電圧特性の(b)−(d)間の電圧値を持つパルス波が発生する。通信内容は、制御装置からの指令に基づく前記パルス波の組み合わせによる。
先ず、商用電源21が室外機15に接続されると、室外機15の整流平滑回路26に電圧が発生して通信ライン18に電流が流れようとする。これを電流検知用抵抗53で検出すると、Vbe調整用トランジスタ55のコレクタ電流が流れ、電流制限用トランジスタ54のベースに電位が発生して、電流制限用トランジスタ54もコレクタ電流が流れる。その結果、通信ライン18に電流が流れることになる。
図2に示した回路については上述した通り、各受信用フォトカプラが通信ライン18と通信・電源共用ライン19との間に並列に接続されているため、基本的には定電流素子30又は定電流素子48の替わりに電流制限抵抗を接続した状態であっても、略一定の電流値を維持する。しかし、この様な状態で商用電源21の電圧値が変動すると、通信に用いる電源出力も変動することとなり、電流制限抵抗を接続した受信用フォトカプラの順電流は変動するため、受信能力が変動してしまう。また、フォトカプラの場合、順電流が減少すると波形立下がりの遅延が大きくなるという問題も生じてしまう。さらに、外来ノイズによって信号レベルが変動してしまう虞もある。
前記電流制限回路27を設けることで電流値の上限を設定する作用については説明した。しかし、各送信用フォトカプラがオンした場合のように、電流制限回路27の電流制限用トランジスタ54を流れる電流に制限が掛かる場合には、後段の回路部分が開ループ状態となることでインピーダンスが増大してしまう。その結果、通信ラインが持つ浮遊容量によって誘起される電圧が発生し、この電圧は高速通信、長距離通信の妨げとなってしまうという問題があった。この問題を改善するために、電圧検出用トランジスタ33を設けて、電流制限回路27の両端の電圧を検出し、検出した場合にはインピーダンス低下用トランジスタ35をオンさせることによって閉ループ回路を形成するようにしている。
先ず、誤接続保護回路28及び誤接続保護回路44の基本動作を図6及び図7に基づいて説明する。図7に示すものは、図1及び図2に示した室外機15を外部端子部分のみを用いて簡単に表現したもので、この図7(a)に示すように、室外機15の端子a−端子b間に商用電源21を誤って接続してしまった場合を例に基本動作を説明する。
室外機15において、商用電源21が端子a−b間に印加されると、図6(a)に示すように、印加した瞬間はバリスタ間電圧は0Vであるが、商用電源21から電流が流れるにつれてバリスタ間電圧は上昇する。商用電源21の電圧が、選定したバリスタ電圧以上に達すると(図6(a)中のX点)、バリスタ39はバリスタ間電圧を一定に保ち(図6(a)の破線で示す)、バリスタ間に電流を流す働きをする。そのバリスタ電流によりヒューズ36を溶断し、周辺回路を保護する働きをする。このヒューズ36が溶断するまでの間、電流制限回路27等の室外機15の各回路は、ダイオード37が逆流を防止することで保護される。
室外機15において、商用電源21が端子a−b間に印加されると、図6(b)に示すように、印加した瞬間はバリスタ間電圧は0Vであるが、商用電源21から電流が流れる。前記商用電源21の位相が0°〜180°のときには、バリスタ39はバリスタ間電圧を一定に保つように働いたが、初期位相が180°〜360°のときには、バリスタ間電圧が上昇する前に、ダイオード38を通じて電流が流れてヒューズ36を溶断するので、周辺回路は保護される。
図7(b)に示す接続例は、室外機15と室内機16aとの間を、端子aと端子A1、端子bと端子C1、端子cと端子B1というように、通信ライン18は正しいが、通信・電源共用ライン19と電源ライン20を誤まって接続してしまっている場合であり、この場合の電流の流れを簡単に説明する。
商用電源21の位相が0°〜180°のときは、商用電源21→端子d→ダイオード38→ヒューズ36→端子a→端子A1→ヒューズ45→バリスタ47→端子B1→端子c→端子e→商用電源21となり、ヒューズ36又はヒューズ45が溶断することで周辺回路を保護する。
商用電源21の位相が180°〜360°のときは、商用電源21→端子e→端子c→端子B1→ダイオード46→ヒューズ45→端子A1→端子a→ヒューズ36→バリスタ39→端子d→商用電源21となり、ヒューズ36又はヒューズ45が溶断することで周辺回路を保護する。
図7(c)に示す接続例は、室外機15と室内機16aとの間を、端子aと端子C1、端子bと端子B1、端子cと端子A1というように、通信・電源共用ライン19は正しいが、通信ライン18と電源ライン20を誤まって接続してしまっている場合であり、この場合の電流の流れを簡単に説明する。
商用電源21の位相が0°〜180°のときは、商用電源21→端子d→端子b→端子B1→ダイオード46→ヒューズ45→端子A1→端子c→端子e→商用電源21となり、ヒューズ45が溶断することで周辺回路を保護する。
商用電源21の位相が180°〜360°のときは、商用電源21→端子e→端子c→端子A1→ヒューズ45→バリスタ47→端子B1→端子b→端子d→商用電源21となり、ヒューズ45が溶断することで周辺回路を保護する。
図7(d)に示す接続例は、室外機15と室内機16aとの間を、端子aと端子B1、端子bと端子A1、端子cと端子C1というように、電源ライン20は正しいが、通信ライン18と通信・電源共用ライン19を誤まって接続してしまっている場合である。この場合の通信回路部分の電流の流れは、整流平滑回路26→電流制限回路27→ダイオード37→ヒューズ36→端子a→端子B1→ダイオード46→ヒューズ45→端子A1→端子b→整流平滑回路26となり、短絡状態となるため、電流制限回路27が働いて通信信号は常にLレベルとなる。この結果、各受信用フォトカプラがLレベルしか検出しないことから通信異常であることを判別することができる。
すなわち、図2において、通信用電源が降圧トランス25、ダイオードブリッジによる整流平滑回路26、平滑コンデンサの安価な構成の場合、AC電源電圧が大きく変動したとき、出力電圧が同様に大きく変動してしまう。特に、AC電源電圧が大きく上昇した場合には、通信用電源の出力電圧が上昇し、その後段の部品耐圧を超えて回路素子に損傷を与えてしまう可能性がある。
室外機15がLレベル送信時(トランジスタ29がオンし、受信用フォトカプラ31等がオフしている時)は、電圧制限回路65の出力電圧が0Vとなり、電圧検出用トランジスタ33はオフとなり、インピーダンス低下用トランジスタ35のベース電流が流れ、このトランジスタ35はオンする。
このように、電圧制限回路65を挿入することで、AC電源電圧がダイナミック変動したり、商用電源電圧の異なる地域や仕向け地でも部品使用を満足した状態で通信可能となる。
そこで、図9(b)に示すように、抵抗68に替えて定電流回路、例えば定電流ダイオード69を使用することができ、このような構成とすることで、通信用電源部の出力電圧がツェナー電圧より低くなっても、定電流回路69により強制的にトランジスタ66のベース電流を流すことができるため、電圧制限回路を実現でき、トランジスタ66として高いワット数の高価なものを用いる必要がなくなる、という作用効果を有する。
しかし、これに限られるものではなく、電流制限特性切換えスイッチとして作用するフォトカプラ29は、図10に示すように、電流制限回路27に接続しても良い。ただし、この場合には、フォトカプラ29のオン・オフに拘わらず、前段の電圧制限回路65が作動する。
また、前記図8に示した実施例2では、前段に電圧制限回路65を設け、後段に電流制限回路27を設けたが、逆に、前段に電流制限回路27を設け、後段に電圧制限回路65を設けてもよい。
Claims (5)
- 通信ライン、通信・電源共用ライン、電源ラインの3つのラインで接続された少なくとも1台の室外機及び少なくとも1台の室内機を具備し、これらの室外機及び室内機の通信ラインと通信・電源共用ラインとの間にそれぞれ送信回路及び受信回路を有し、また、室外機又は室内機のうち少なくとも何れか1台の通信ラインと通信・電源共用ラインとの間に通信用電源を有するものであり、これらの室外機及び室内機の間で互いに通信を行って諸動作を制御する空気調和機の制御装置において、前記通信用電源を有する室外機又は室内機は、通信用電源の後段の通信ライン上に、通信ラインを流れる電流の上限を制限するための電流制限回路を設け、前記室外機又は室内機における送信回路は、電流制限回路に接続され、送信機能を有すると共に前記電流制限回路の電流制限特性を切換えるためのスイッチを兼ねた電流制限特性切換え手段であることを特徴とする空気調和機の制御装置。
- 通信ライン、通信・電源共用ライン、電源ラインの3つのラインで接続された少なくとも1台の室外機及び少なくとも1台の室内機を具備し、これらの室外機及び室内機の通信ラインと通信・電源共用ラインとの間にそれぞれ送信回路及び受信回路を有し、また、室外機又は室内機のうち少なくとも何れか1台の通信ラインと通信・電源共用ラインとの間に通信用電源を有するものであり、これらの室外機及び室内機の間で互いに通信を行って諸動作を制御する空気調和機の制御装置において、前記通信用電源を有する室外機又は室内機は、通信用電源の後段の通信ライン上に、通信ラインを流れる電流の上限を制限するための電流制限回路を設け、この電流制限回路の前段又は後段に通信用電源としての印加電圧の上限を制限するための電圧制限回路を設け、前記室外機又は室内機における送信回路は、電圧制限回路に接続され、送信機能を有すると共に前記電圧制限回路の電圧制限特性を切換えるためのスイッチを兼ねた電圧制限特性切換え手段であることを特徴とする空気調和機の制御装置。
- 前記電流制限回路の出力側における通信ラインと通信・電源共用ラインとの間に、前記電流制限回路に電流制限が掛かった場合にオンすることで通信ラインと通信・電源共用ラインとの間のインピーダンスを低下させるためのインピーダンス低下用スイッチ素子を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機の制御装置。
- 前記電圧制限回路の出力側における通信ラインと通信・電源共用ラインとの間に、前記電圧制限回路に電圧制限が掛かった場合にオンすることで通信ラインと通信・電源共用ラインとの間のインピーダンスを低下させるためのインピーダンス低下用スイッチ素子を設けたことを特徴とする請求項2記載の空気調和機の制御装置。
- 室外機及び室内機に設けたそれぞれの受信回路と通信ラインとの間に、定電流回路を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機の制御装置。
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