JP4724136B2 - 可変共振器、可変フィルタ、電気回路装置 - Google Patents

可変共振器、可変フィルタ、電気回路装置 Download PDF

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Description

本発明は、交流電気回路に関する。
高周波を用いた無線通信の分野においては、数多い信号の中から特定の周波数の信号を取り出すことで、必要な信号と不必要な信号とを分別している。この機能を果たす回路はフィルタと呼ばれ、多くの無線通信装置に搭載されている。
一般的に、フィルタは、その設計パラメータである中心周波数、帯域幅などは不変なものとなっている。このようなフィルタを用いた無線通信装置で様々な周波数用途に対応しようとしても、予め用意したフィルタが有する周波数特性以外の周波数特性で当該フィルタを動作させることは出来ない。
この問題を解決するため、特許文献1に開示される技術は、フィルタを構成する共振器に圧電体を用いて、この圧電体に外部からバイアス電圧をかけることで圧電体の周波数特性(共振周波数)を変更し、帯域幅を変更させている。
特開2004−7352号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される可変フィルタは、梯子型フィルタとして帯域幅を持たせているものの、圧電体の特性による制限から中心周波数の変化幅が1%〜2%程度と小さいため、帯域幅の変化量も同程度のものとなっており、大幅な帯域幅の変更が可能ではない。
また、フィルタを用いた無線通信装置で様々な周波数用途に対応する場合として、中心周波数と帯域幅との組み合わせが異なるフィルタを複数個用意し、スイッチなどで切り替える方法が容易に考えられる。しかし、この方法では、必要な中心周波数、帯域幅の組合せの数だけフィルタが必要であり、回路規模が大きくなるため装置が大型化してしまう。
一方で、小型化することが最良の設計というわけではない。例えば、所望の性能を得るために設計を行なうと回路規模が小型になりすぎて、実際の作製が困難になる場合もある。
このような実情に鑑みて、本発明は、帯域幅を大幅に変更可能なものでありながら、任意の大きさで作製することのできる可変共振器、可変フィルタ、電気回路装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の可変共振器は、次のような構成とされる。即ち、環状線路と、2個以上の回路開閉器と、N個〔NはN≧3を満たす整数〕のリアクタンス回路とを備えていて、各回路開閉器は、その一端が環状線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、接地導体と環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各リアクタンス回路が、環状線路の周方向に沿って、環状線路の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において等電気長間隔で、かつ、環状線路に対して並列に、電気的に接続された可変共振器とされる。なお、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められる。
あるいは、環状線路と、2つ以上の回路開閉器と、M個〔Mは、4以上の偶数である。〕のリアクタンス回路とを備えていて、各回路開閉器は、その一端が環状線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、接地導体と環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、環状線路の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、M/2−1個のリアクタンス回路がそれぞれ、環状線路上で任意に定めた或る位置K1から、環状線路の一周分の電気長の半分の位置K2まで、環状線路の周方向〔順方向〕に沿って等電気長間隔で、かつ、環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、位置K1および位置K2を除く。〕、M/2−1個のリアクタンス回路がそれぞれ、位置K1から、位置K2まで、順方向とは逆の方向で環状線路の周方向に沿って等電気長間隔で、かつ、環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、位置K1および位置K2を除く。〕、2個のリアクタンス回路が、環状線路に対して並列に、かつ、位置K2に、電気的に接続された可変共振器とされる。なお、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められる。
あるいは、環状線路と、2つ以上の回路開閉器と、M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第1リアクタンス回路と、1個の第2リアクタンス回路とを備えていて、各回路開閉器は、その一端が環状線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、接地導体と環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、環状線路の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、M/2−1個の第1リアクタンス回路がそれぞれ、環状線路上で任意に定めた或る位置K1から、環状線路の一周分の電気長の半分の位置K2まで、環状線路の周方向〔順方向〕に沿って等電気長間隔で、かつ、環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、位置K1および位置K2を除く。〕、M/2−1個の第1リアクタンス回路がそれぞれ、位置K1から、位置K2まで、順方向とは逆の方向で環状線路の周方向に沿って等電気長間隔で、かつ、環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、位置K1および位置K2を除く。〕、第2リアクタンス回路が、環状線路に対して並列に、かつ、位置K2から、L/2の距離だけ離れた位置に、電気的に接続された可変共振器とされる。なお、各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、第2リアクタンス回路は、各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の半分の値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められる。
以上に述べた各構成では、環状線路に対してリアクタンス回路を並列に接続するものであったが、リアクタンス回路を線路に直列接続した構成が考えられる。
即ち、環状に配置されたN個〔NはN≧3を満たす整数〕の線路と、2個以上の回路開閉器と、N個のリアクタンス回路とを備えていて、各線路のうち少なくとも1個は、回路開閉器が接続され、各回路開閉器は、その一端が線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、接地導体と線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められ、各線路の線路長は、各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において電気長で等しく、各線路間に、1個のリアクタンス回路が直列に電気的接続された可変共振器である。
あるいは、環状に配置されたM−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、第i線路の線路長の2倍の線路長の第0線路と、2つ以上の回路開閉器と、M個のリアクタンス回路とを備えていて、各第i線路あるいは第0線路のうち少なくとも1個は、回路開閉器が接続され、各回路開閉器は、その一端が各第i線路あるいは第0線路のうちいずれか〔接続線路〕に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、接地導体と接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められ、第0線路の一端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、1≦i<M/2−12の整数〕の他端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、直列接続された2個のリアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、M/2−1<i<≦M−2の整数〕の他端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第0線路の他端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続され、各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、第0線路上で任意に定めた或る位置Kから第0線路の上記一端までの電気長と、第i線路〔iは、1≦i≦M/2−1の整数〕の電気長は等しく、位置Kから第0線路の上記他端までの電気長と、第i線路〔iは、M/2−1<i≦M−2の整数〕の電気長は等しい可変共振器とされる。
あるいは、環状に配置されたM−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、第i線路の線路長の2倍の線路長の第0線路と、2つ以上の回路開閉器と、M−1個の第1リアクタンス回路と、1個の第2リアクタンス回路とを備えていて、各第i線路あるいは第0線路のうち少なくとも1個は、回路開閉器が接続され、各回路開閉器は、その一端が各第i線路あるいは第0線路のうちいずれか〔接続線路〕に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、接地導体と接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、第2リアクタンス回路は、各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の二倍の値をとるものとし、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められ、第0線路の一端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、1≦i<M/2−12の整数〕の他端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、第2リアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、M/2−1<i<≦M−2の整数〕の他端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第0線路の他端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続され、各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、第0線路上で任意に定めた或る位置Kから第0線路の上記一端までの電気長と、第i線路〔iは、1≦i≦M/2−1の整数〕の電気長は等しく、位置Kから第0線路の上記他端までの電気長と、第i線路〔iは、M/2−1<i≦M−2の整数〕の電気長は等しい可変共振器とされる。
上記の各構成は電気長を基準にして表されるものであったが、電気長を基準にした間隔が物理長を基準にした間隔に一致する場合では、本発明の可変共振器の構成を物理長を基準にして表すことができる。
即ち、誘電体基板上に設けられた環状線路と、2個以上の回路開閉器と、N個〔NはN≧3を満たす整数〕のリアクタンス回路とを備えていて、各回路開閉器は、その一端が環状線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、接地導体と環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各リアクタンス回路が、環状線路に対して並列に、かつ、環状線路の周方向に沿って等間隔に、電気的に接続された可変共振器とされる。なお、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められる。
あるいは、誘電体基板上に設けられた環状線路と、2つ以上の回路開閉器と、M個〔Mは、4以上の偶数である。〕のリアクタンス回路とを備えていて、各回路開閉器は、その一端が環状線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、接地導体と環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、M/2個のリアクタンス回路がそれぞれ、環状線路に対して並列に、かつ、環状線路の周方向〔順方向〕に沿って、環状線路上で任意に定めた或る位置Kから、(L/M)×m〔mは、1≦m≦M/2を満たす整数とする。Lは、環状線路の周長とする。〕の距離だけ離れた位置に電気的に接続され、M/2個のリアクタンス回路がそれぞれ、環状線路に対して並列に、かつ、順方向とは逆の方向で環状線路の周方向に沿って、位置Kから、(L/M)×mの距離だけ離れた位置に電気的に接続された可変共振器とされる。なお、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められる。
あるいは、誘電体基板上に設けられた環状線路と、2つ以上の回路開閉器と、M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第1リアクタンス回路と、1個の第2リアクタンス回路とを備えていて、各回路開閉器は、その一端が環状線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、接地導体と環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、M/2−1個の第1リアクタンス回路がそれぞれ、環状線路に対して並列に、かつ、環状線路の周方向〔順方向〕に沿って、環状線路上で任意に定めた或る位置Kから、(L/M)×m〔mは、1≦m≦M/2−1を満たす整数とする。Lは、環状線路の周長とする。〕の距離だけ離れた位置に電気的に接続され、M/2−1個の第1リアクタンス回路がそれぞれ、環状線路に対して並列に、かつ、順方向とは逆の方向で環状線路の周方向に沿って、位置Kから、(L/M)×mの距離だけ離れた位置に電気的に接続され、第2リアクタンス回路が、環状線路に対して並列に、かつ、位置Kから、L/2の距離だけ離れた位置に電気的に接続された可変共振器とされる。なお、各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、第2リアクタンス回路は、各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の半分の値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められる。
以上に述べた各構成では、環状線路に対してリアクタンス回路を並列に接続するものであったが、リアクタンス回路を線路に直列接続した構成が考えられる。
即ち、誘電体基板上に設けられた、線路長が同じN個〔NはN≧3を満たす整数〕の線路と、2個以上の回路開閉器と、N個のリアクタンス回路とを備えていて、各線路のうち少なくとも1個は、回路開閉器が接続され、各回路開閉器は、その一端が線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、接地導体と線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められ、各線路間に、1個のリアクタンス回路が直列に電気的接続された可変共振器である。
あるいは、誘電体基板上に設けられた、線路長が同じM−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、第i線路の線路長の2倍の線路長の第0線路と、2つ以上の回路開閉器と、M個のリアクタンス回路とを備えていて、各第i線路あるいは第0線路のうち少なくとも1個は、回路開閉器が接続され、各回路開閉器は、その一端が各第i線路あるいは第0線路のうちいずれか〔接続線路〕に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、接地導体と接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められ、第0線路の一端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、直列接続された2個のリアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第0線路の他端は、1個のリアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続された可変共振器とされる。
あるいは、誘電体基板上に設けられた、線路長が同じM−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、第i線路の線路長の2倍の線路長の第0線路と、2つ以上の回路開閉器と、M−1個の第1リアクタンス回路と、1個の第2リアクタンス回路とを備えていて、各第i線路あるいは第0線路のうち少なくとも1個は、回路開閉器が接続され、各回路開閉器は、その一端が各第i線路あるいは第0線路のうちいずれか〔接続線路〕に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、接地導体と接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、各回路開閉器の一端が接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、第2リアクタンス回路は、各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の二倍の値をとるものとし、環状線路の周長はリアクタンス値に応じて定められ、第0線路の一端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、第2リアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続され、第0線路の他端は、1個の第1リアクタンス回路を直列に介して、第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続された可変共振器とされる。
以上に述べた各構成では、導通状態〔ON状態〕とする回路開閉器を変更することで、共振周波数を挟む帯域幅を大きく変更することが可能であり、しかも、選択する回路開閉器を変更しても共振周波数に影響を与えない。また、リアクタンス回路のリアクタンス値によって可変共振器の大きさを左右することができるから、適切なリアクタンス値を持つリアクタンス回路とすることで、可変共振器を任意の大きさで作製することができる。この詳細は後述する。
また、接地導体と、接地導体に電気的に接続された回路開閉器の他端とを、受動素子を介して電気的に接続したものとしてもよい。
上述の可変共振器では、その共振周波数における信号の損失は、主に可変共振器を構成する線路によって支配され、回路開閉器などによる挿入損失の影響が小さい。このため、受動素子を備えた構成が可能である。
このような受動素子を備える場合では、接地導体と、接地導体に電気的に接続された回路開閉器の他端との電気的接続を、受動素子を介して行うか、受動素子を介さずに行うかのいずれかに切り替え可能な切替器を備える構成とすることもできる。
なお、上述の可変共振器では、各回路開閉器のうちいずれか1つが、接地導体と環状線路との電気的接続を行うとするのがよい。
上述の可変共振器を、例えば所望の周波数の信号を通過させることを主目的とした可変フィルタに用いる場合などでは、環状線路において、伝送線路との結合部位を起点として可変共振器の共振周波数における電気長0、電気長πもしくはその整数倍の位置には回路開閉器の一端を接続しない構成とすることができる。このような位置で回路開閉器を電気的に接続しても、信号が伝搬しないからであり、その理由は後述する。
上記課題を解決するために、本発明の可変フィルタは、次のような構成とされる。即ち、上記記載の、少なくとも1つの可変共振器と、伝送線路とを備えており、可変共振器と伝送線路とは電気的に接続されている可変フィルタとされる。
上述の可変共振器を用いることで、信号の通過帯域幅を大幅に変更可能なものであり、さらに、リアクタンス回路のリアクタンス値によって可変共振器の大きさを左右することができるから、適切なリアクタンス値を持つリアクタンス回路とすることで、可変フィルタを任意の大きさで作製することができる。
また、上述の2つ以上の可変共振器それぞれについて、各可変共振器を、一箇所の結合部位で伝送線路に対して並列接続し、各可変共振器間をそれぞれ位相可変回路で接続する構成でもよい。
リアクタンス回路のリアクタンス値に応じて中心周波数が定まるが、その中心周波数において90°位相が変化するように位相可変回路を調整することで、帯域幅を変化可能な可変フィルタが実現する。
また、上述の2つ以上の可変共振器それぞれについて、各可変共振器を、一箇所の結合部位で伝送線路に対して並列接続し、信号入力ポートと信号入力ポートから見て最初の可変共振器との間、各可変共振器間、信号出力ポートと信号出力ポートから見て最初の可変共振器との間、をそれぞれ可変インピーダンス変換回路で接続する構成でもよい。
また、上述の2つ以上の可変共振器それぞれについて、各可変共振器を、一箇所の結合部位で伝送線路に対して並列接続し、各結合部位に、伝送線路と可変共振器との電気的接続/非接続を切り替え可能な第2の回路開閉器をそれぞれ備えて、各第2の回路開閉器を選択して、各可変共振器の全部または一部と伝送線路とを電気的に接続する構成でもよい。
あるいは、上述の1つ以上の可変共振器それぞれについて、各可変共振器を、二箇所の結合部位で伝送線路に対して直列接続し、二箇所の結合部位の間には、各可変共振器の環状線路においては環状線路の周長の半分の距離を設け、あるいは、全ての線路の合計線路長の半分の距離を設け、結合部位には回路開閉器を接続しない構成でもよい。
上記課題を解決するために、本発明の電気回路装置は、次のような構成とされる。即ち、上述の1つの可変共振器と、伝送線路T1および伝送線路T2とを備え、伝送線路T1の端部と可変共振器の環状線路ないし1個の線路との結合部位にて、伝送線路T2の端部が結合し、伝送線路T1と、伝送線路T2と、環状線路ないし1個の線路とが電気的に接続されており、結合部位にて、伝送線路T1の端部と、伝送線路T2の端部とが、同一平面上にない電気回路装置される。
上述の1つの可変共振器と、屈曲部を有する伝送線路T3とを備えて、伝送線路T3の屈曲部と可変共振器の環状線路ないし1個の線路とが電気的に接続されている構成でもよいし、あるいは、伝送線路T3の屈曲部と可変共振器の環状線路ないし1個の線路とが電気的に接続された部位およびその近傍における可変共振器の環状線路ないし1個の線路は、伝送線路T3と略平行ではない構成とすることもできる。
本発明によれば、複数の回路開閉器の中から選択されたオン状態〔電気的に接続した状態〕とする回路開閉器を変更することで、その共振周波数〔フィルタでは中心周波数〕を一定に保ったまま帯域幅を自在に変化させることが可能である。また、リアクタンス回路のリアクタンス値によって可変共振器の大きさを左右することができるから、適切なリアクタンス値を持つリアクタンス回路とすることで、可変共振器を任意の大きさで作製することができる。なお、本発明の可変共振器を用いた可変フィルタ、電気回路装置も、この効果を享受しえる。
また、本発明の可変共振器では、その共振周波数における信号の損失は、主に可変共振器を構成する導体線路とリアクタンス回路の寄生抵抗によって支配され、回路開閉器などによる挿入損失の影響が小さい。このため、損失の大きい回路開閉器などを可変共振器に用いて可変フィルタを構成しても、信号の通過帯域の損失を抑えることが可能である。
また、本発明の電気回路装置では、本発明の可変共振器を用いることで、共振周波数を挟む帯域幅を大きく変更することができるものとなっていることに加え、可変共振器を結合したことによる挿入損失を抑えることができる。
図1に、マイクロストリップ線路構造として構成した場合の本発明の一実施形態である可変共振器(100a)を示す。可変共振器(100a)は、閉路である環状の線路体(101)およびN個〔NはN≧3を満たす整数〕のリアクタンス回路(102)で構成される。図1では、N=3の場合の可変共振器(100a)を例示している。環状線路体(101)として、出願済み未公開の特許出願〔特願2006−244707〕に開示される可変共振器(900)を採用することができる。そこで、まず可変共振器(900)の概要を説明し、次いでリアクタンス回路(102)について説明を行う。
[環状線路体]
可変共振器(900)の2つの具体的形態として、可変共振器(900a)を図47(A)に、可変共振器(900b)を図47(B)に例示する。以下、可変共振器(900a)および可変共振器(900b)のいずれかであればよい場合は、符号900を割り当てて可変共振器(900)と云うことにする。ここでは、マイクロストリップ線路構造として構成した場合の可変共振器(900)について説明する。
可変共振器(900)は、導体線路(902)〔以下、単に線路ともいう。〕および2つ以上の回路開閉器であるスイッチ(903)から成る。線路(902)は、誘電体基板(905)の一方の面上に金属など導電体で形成される。誘電体基板(905)は、線路(902)が設けられる面とは反対側の面〔裏面と云うことにする。〕に接地導体(904)が金属など導電体で形成される。各々のスイッチ(903)は、図47(C)に示すように、スイッチ(903)の一端(931)は線路(902)に電気的に接続され、スイッチ(903)の他端(932)は、誘電体基板(905)裏面の接地導体(904)に、導電体(933)およびビアホール(906)を介して電気的に接続されている。なお、導電体(933)の形状などには一切の限定はないから、図47(A)および図47(B)では導電体(933)の図示を省略している。各スイッチ(903)の配置は、それぞれ等間隔とすることに限定されず、所望の帯域幅を得るべく任意に設計できる。また、各スイッチ(903)に限らず本明細書においてスイッチと云えば、接点型のスイッチに限定するものではなく、例えばダイオード、トランジスタ、MOS素子などを用いた、回路網に接点を設けないで回路の開閉機能を有するいわゆるスイッチング素子〔switching element〕とすることもできる。具体例としては、スイッチングダイオードなどが挙げられる。
線路(902)は、所望の共振周波数において2π即ち360°位相変化する長さ、つまり共振周波数における1波長もしくはその整数倍である長さの環状線路である。図47に示す可変共振器(900)では、円形の環状線路として例示している。なお、ここでの環状とは、いわゆる単純閉曲線のことである。つまり、線路(902)は、始点と終点とが一致し且つ途中で自分自身と交わることのない線路である。
ここで「長さ」は、環状線路の周長のことであり、線路上の或る位置から一周して当該位置に戻るまでの長さである。
ここで「所望の共振周波数」は、一般的に共振器に要求される性能の一要素であり、任意の設計事項である。なお、可変共振器(900)は、交流回路において用いることができ、対象とする共振周波数に格別の限定は無いが、例えば共振周波数を100kHz以上の高周波数とする場合に有用である。
なお、本発明においては、線路(902)は均一な特性インピーダンスを持つ線路とするのが望ましい。ここで、「均一の特性インピーダンスを持つ」とは、環状の線路(902)を周方向に沿って任意の長さで切断したとき、いずれの切断片においても同じ特性インピーダンスであることをいう。厳密に完全に同じ特性インピーダンスにすることは必須の技術事項ではなく、実用上の観点からはほぼ同じ特性インピーダンスとなるように線路(902)を作製すれば足りる。線路(902)の周方向に直交する方向を線路(902)の幅と称せば、例えば、誘電体基板(905)の比誘電率が均一である場合には、どの部分でもほぼ同じ幅の線路(902)とすることで、線路(902)は均一な特性インピーダンスを持つ。
可変共振器(900a)と可変共振器(900b)との差異は、スイッチ(903)の他端(932)が、線路(902)の内側に設けられたか外側に設けられたかにある。可変共振器(900a)は、スイッチ(903)の他端(932)が線路(902)の外側に設けられ、可変共振器(900b)は、スイッチ(903)の他端(932)が線路(902)の内側に設けられている。
以下、環状線路体(101)を可変共振器(900)として説明を行う。また、図が煩雑になるのを避けるため、環状線路体(101)を図示するに際しては、スイッチ(903)の表示を略する場合がある。
[リアクタンス回路]
インピーダンスZをZ=R+jX〔jは虚数単位〕と表すとすると、リアクタンス回路(102)は、理想的には、リアクタンス回路そのもののインピーダンスZについてR=0とされるリアクタンス回路である。現実的にはR≠0であるが、本発明の基本的な原理には係わらない。リアクタンス回路(102)の具体例としては、キャパシタ、インダクタ、伝送線路などの回路素子、これらのうち同種のものを複数組み合わせた回路、これらのうち異種のものを複数組み合わせた回路などが挙げられる。この明細書では、「リアクタンス回路」を例えば1個のキャパシタで構成する場合の如く単一の回路素子で構成する場合であっても、線路(902)との有機的な関係から「回路」の呼称を用いている。
N個のリアクタンス回路(102)はそれぞれ、同じ若しくはほぼ同じリアクタンス値を取るものである必要がある。ここで、「ほぼ同じ」リアクタンス値を取ること、換言すれば、N個のリアクタンス回路(102)をそれぞれ完全に同じリアクタンス値とすることを設計条件として厳格には要求しないことの理由は、N個のリアクタンス回路(102)それぞれのリアクタンス値が完全に同じにならなくても、共振周波数に少しのずれが生じて一定にはならないものの〔要するに所望の共振周波数を維持できない。〕、このずれの程度であれば帯域幅に吸収されるので、実用上何ら問題が生じないことにある。以下では、この意味を含んだ技術事項として、N個のリアクタンス回路(102)はそれぞれ、同じリアクタンス値を取るものであるとする。
上述の条件は、後述の種々のリアクタンス回路(102)に共通する。この条件のため、N個のリアクタンス回路(102)を全て同種のものとすることが望ましいが、前述のとおり同じリアクタンス値を取るという条件を達成できるのであれば必ずしも同種のリアクタンス回路である必要はない。ここでは、この趣旨を包含することを前提に、リアクタンス回路に同じ符号102を割り当てて説明する。
N個のリアクタンス回路(102)はそれぞれ、線路(902)の周方向に関して、線路(902)の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において等電気長間隔で、線路(902)に並列に接続される。誘電体基板(905)の比誘電率が均一である場合など線路(902)上で電気長に影響が無い場合には、等電気長間隔は、物理長の等間隔に一致する。このような場合であって且つ線路(902)が円形の場合では、N個のリアクタンス回路(102)はそれぞれ、線路(902)の中心Oと隣り合う任意のリアクタンス回路(102)の各接続位置とがなす中心角が360°をNで除した角度となる間隔で線路(902)に並列に接続される〔図1参照〕。図1に示す例では、各リアクタンス回路(102)の線路(902)に接続される側の端部とは反対側の端部は、例えば接地導体(904)に電気的に接続されることで接地される。但し、後に説明するようにリアクタンス回路(102)を例えば伝送線路を用いて構成することができるから、リアクタンス回路(102)の線路(902)に接続される側の端部とは反対側の端部を接地することは必須ではない。
なお、スイッチ(903)は、所望の帯域幅を得ることができるように線路(902)に対する接続位置が設定される。従って、リアクタンス回路(102)が接続される位置にスイッチ(903)を接続することを妨げるものではない。
図2に、可変共振器(100a)とは異なる、マイクロストリップ線路構造として構成した場合の本発明の一実施形態である可変共振器(100b)を示す。可変共振器(100b)は、リアクタンス回路(102)の線路(902)に対する接続位置が、可変共振器(100a)と異なる。
可変共振器(100b)では、M個〔Mは、4以上の偶数である。〕のリアクタンス回路(102)が、線路(902)に対して並列に、電気的に接続される。詳しくは、線路(902)の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、M/2−1個のリアクタンス回路(102)がそれぞれ、線路(902)上で任意に定めた或る位置K1から線路(902)の一周分の電気長の半分の位置K2まで、線路(902)の周方向〔順方向〕に沿って等電気長間隔で接続される。但し、ここで等電気長間隔とは、位置K1および位置K2にはリアクタンス回路(102)を設けないとした条件での等電気長間隔を意味する。同様に、残りのリアクタンス回路(102)のうちM/2−1個のリアクタンス回路(102)がそれぞれ、位置K1から位置K2まで、順方向とは逆の方向で線路(902)の周方向に沿って等電気長間隔で接続される。但し、ここでの等電気長間隔も、既述のとおり、位置K1および位置K2にはリアクタンス回路(102)を設けないとした条件での等電気長間隔を意味する。そして、残りの2個のリアクタンス回路(102)が、位置K2に接続される。
誘電体基板(905)の比誘電率が均一である場合など線路(902)上で電気長に影響が無い場合には、等電気長間隔は、物理長の等間隔に一致する。このような場合では、線路(902)上で任意に定めた或る位置K〔位置K1に相当する。〕から線路(902)の周方向に沿って線路(902)の長さL〔以下、周長とも云う。〕の半分の位置〔位置K2に相当する。〕まで、M/2個のリアクタンス回路(102)がそれぞれ、位置Kから時計回りに線路(902)に沿って(L/M)×m〔mは、1≦m≦M/2を満たす整数〕の距離だけ離れた位置に並列に接続され、同様に、位置Kから線路(902)の周方向に沿って周長Lの半分の位置〔位置K2に相当する。〕まで、残りのM/2個のリアクタンス回路(102)がそれぞれ、位置Kから反時計回りに線路(902)に沿って(L/M)×m〔mは、1≦m≦M/2を満たす整数〕の距離だけ離れた位置に並列に接続される。つまり、位置Kにはリアクタンス回路(102)は接続されず、位置Kから時計回りあるいは反時計回りに線路(902)に沿って(L/M)×M/2の距離だけ離れた位置には2個のリアクタンス回路(102)が並列に接続される。ここで「時計回り」「反時計回り」とは、図の紙面の表から見た場合の周回方向を云うものとする〔以下同様〕。
特に線路(902)が円形の場合では、M個のリアクタンス回路(102)が、線路(902)の中心Oから見て、線路(902)上で任意に定めた或る位置Kから線路(902)の経路に沿って時計回りに360°をMで除した角度のm倍だけ離れた位置と、位置Kから線路(902)の経路に沿って反時計回りに360°をMで除した角度のm倍だけ離れた位置に並列に接続する〔図2参照〕。このとき、位置Kから線路(902)の経路に沿って時計回りに360°をMで除した角度のM/2倍だけ離れた位置と、線路(902)の経路に沿って反時計回りに360°をMで除した角度のM/2倍だけ離れた位置は一致し、この位置に2個のリアクタンス回路(102)が並列に接続される〔M=4の場合について、図2の点線囲み部αを参照〕。図2に示す例では、各リアクタンス回路(102)の線路(902)に接続される側の端部とは反対側の端部は、例えば接地導体(904)に電気的に接続されることで接地される。但し、可変共振器(100a)の場合と同様に、リアクタンス回路(102)を例えば伝送線路を用いて構成することができるから、リアクタンス回路(102)の線路(902)に接続される側の端部とは反対側の端部を接地することは必須ではない。また、リアクタンス回路(102)が接続される位置にスイッチ(903)を接続することを妨げるものではない。
これらM個のリアクタンス回路(102)は、全て同じあるいはほぼ同じのリアクタンス値を取るものである必要がある。前記「ほぼ同じ」については、既述のとおりである。ただし、2個のリアクタンス回路(102)が並列に接続される位置〔上記の位置K2に相当する。〕、例えば図2の点線囲み部αで示した部分については、当該位置に電気的に接続する2個のリアクタンス回路(102)を1個のリアクタンス回路(102a)に置換した構成に変更することが出来る〔例えば図2の点線囲み部βを参照〕。このとき、この1個のリアクタンス回路(102a)のリアクタンス値は、2個のリアクタンス回路(102)の並列接続を置換したものであるため、当該位置以外の位置に電気的に接続された各リアクタンス回路(120)のリアクタンス値の半分の値に設定されることに留意しなければならない。この場合、当然であるが、リアクタンス回路(102)の総数はM−1個になる。
下記の説明および各図面では、説明および図示の便宜から、線路(902)上で電気長に影響が無い場合、つまり等電気長間隔が物理長の等間隔に一致する場合として説明・図示する。なお、図から理解される技術的特徴は勿論のこと、下記説明から明らかになる技術的特徴は、等電気長間隔が物理長の等間隔に一致する場合にのみ妥当するものではなく、リアクタンス回路(102)が電気長を基準にした上述の接続位置の場合に妥当する。
上述の可変共振器(100a)、可変共振器(100b)について、帯域幅を変化させる機構並びにリアクタンス回路(102)のリアクタンス値と共振周波数との関係を、図3〜図6を参照して説明する。
なお、図3〜図6では、可変共振器(100a)、可変共振器(100b)のそれぞれの周波数特性を回路シミュレーション結果として示すことから、可変共振器(100a)、可変共振器(100b)に伝送線路であるPort1−Port2で示す信号入出力線路(7)を並列接続したものを図示している。入出力線路(7)と可変共振器(100a)、可変共振器(100b)とを結ぶ線は、シミュレーション対象の回路において入出力線路(7)と線路(902)とが電気的に接続されていることを表している。
まず、帯域幅を変化させる機構について説明する。
詳細については上記文献〔特願2006−244707〕に譲るが、環状線路体(101)、つまり可変共振器(900)は、導通状態〔以下、ON状態とも云う。〕にするスイッチ(903)を1つ選択することで、線路(902)の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数の周辺に生じる零点の位置を動かすことが可能である。ここで零点は、環状線路体(101)に入出力線路(7)を並列接続した回路の伝達係数(Transmission Coefficient:単位はデシベル[dB])が極小、つまり挿入損失が極大となる周波数である。この零点の位置によって帯域幅が決まるため、導通状態にするスイッチ(903)の選択に応じて、環状線路体(101)の帯域幅を大幅に変化させることが出来る。
また環状線路体(101)では、環状線路(902)の採用によって、環状線路(902)の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数の信号が、スイッチ(903)の寄生抵抗および寄生リアクタンスに影響を受けないという特徴を有する。このため、例えば寄生抵抗を有するスイッチ(903)を設けた可変共振器(900)を用いて帯域通過型フィルタを形成した場合、通過帯域となる、環状線路(902)の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において挿入損失がスイッチ(903)の抵抗の影響を受けないため、挿入損失を小さくすることが出来る。
次に、リアクタンス回路(102)のリアクタンス値と共振周波数との関係について説明する。
下記参考文献に拠れば、円環状の線路をその中心に関して対称な2箇所の位置で切断し、各切断箇所にリアクタンス回路の1つであるキャパシタ(10)を挿入した構成の共振器とすることで、キャパシタ(10)の容量値に応じて、共振器の共振周波数が異なるものとすることができる。そこで、この技術事項を、帯域幅を大幅に変更可能な可変共振器(900)に適用することで、帯域幅を大幅に変更可能でありながら共振周波数がリアクタンス値に応じて定まった可変共振器を実現できるように思える。しかしながら、環状線路を2箇所で切断し、切断した各箇所にリアクタンス回路を挿入する技術事項を、帯域幅を大幅に変更可能な可変共振器(900)に適用しても、帯域幅を大幅に変更可能でありながら共振周波数がリアクタンス値に応じて定まった可変共振器を実現できない。このことを、環状線路を2箇所で切断し各切断箇所にリアクタンス回路を挿入する技術事項を、帯域幅を大幅に変更可能な可変共振器(900)に適用した可変共振器(850)を用いて説明する〔図3参照〕。図3に示す回路は、可変共振器(850)を、伝送線路であるPort1−Port2で示す入出力線路(7)に並列接続したものである。
(参考文献) T.Scott Martin, FuchenWang and Kai Chang, "ELECTRONICALLY TUNABLE AND SWITCHABLE FILTERS USING MICROSTRIP RING RESONATOR CIRCUITS", IEEE MTT-S Digest, 1988, pp.803-806.
図4は、図3に示す可変共振器(850)について、円形の環状線路(852)の周長Lを5GHzの周波数に相当する1波長とし、環状線路(852)の2箇所の切断箇所に直列に挿入した2個のキャパシタ(10)の容量をともに1pFとした場合における、Port1からPort2へと伝達する信号の周波数特性を示したものである。線路(852)を構成する導電体、ビアホール(906)を形成する導電体、接地導体(904)の抵抗は何れも0とした。また、入出力線路(7)のポートインピーダンスを50Ωとした。なお、簡便のためスイッチ(903)はいずれも省略し、その代わりに接地するビアホール(906)の位置を変えることで導通させるスイッチ(903)の変更と看做した。
図4において10°の表示で指示された太線と30°の表示で指示された細線は、それぞれ図3に示すように、可変共振器(850)と入出力線路(7)との接続部位Gに対して、線路(852)の中心Oに関して対称の位置G′から時計回りに、中心Oから見て10°の位置S〔接続部位Gから反時計回りに線路(852)の周長の17/36の位置〕と、同様に中心Oから見て30°の位置S〔接続部位Gから反時計回りに線路(852)の周長の5/12の位置〕をビアホール(906)を介して接地した場合の周波数特性を表している。
図4から、挿入された2個のキャパシタ(10)の各容量値を或る値〔この例では1pF〕に設定し、導通状態にするスイッチ(903)を10°の位置にして中心周波数5.0GHzと帯域幅を得ている状態から、共振周波数を変えることなく帯域幅だけを変更しようとして、導通状態にするスイッチ(903)の位置を10°から30°へと変更すると、帯域幅が大幅に変化すると同時に共振周波数も高周波側の5.3GHzへ変化してしまうことがわかる。即ち、可変共振器(850)の構成では、共振周波数を維持することが不可能である。これは、キャパシタ(10)の一端を環状線路(852)に対して並列に接続し、キャパシタ(10)の他端を接地した場合でも同様である。
発明者らは、以上のことから、帯域幅を大幅に変更可能でありながら共振周波数がリアクタンス値に応じて定まった可変共振器を実現するためには、リアクタンス回路(102)を3個以上必要とするという着想を得た。そこで、リアクタンス回路(102)を3個以上必要とすることを、様々な個数のリアクタンス回路(102)を線路(902)に電気的に接続した場合の可変共振器(100a)、可変共振器(100b)の回路シミュレーションによる周波数特性を示して説明する。
図5A〜図5Fは、可変共振器(100a)の構成においてリアクタンス回路(102)としてキャパシタを36個(図5A)、10個(図5B)、4個(図5C)、3個(図5D)、2個(図5E)、1個(図5F)用いた場合の回路構成と当該回路構成の周波数特性を示している。
回路シミュレーションにおけるキャパシタの配置、容量Cは図5A〜図5Fに示すとおりである。スイッチ(903)に関しては、上記同様にいずれも省略し、その代わりに接地するビアホール(906)の位置を変えることで導通させるスイッチ(903)の変更と看做した。ビアホール(906)の位置は、図3に示す場合と同様に、可変共振器(100a)と入出力線路(7)との接続部位Gに対して、線路(902)の中心Oに関して対称の位置G′から時計回りに、中心Oから見てx°の位置とする。環状線路(902)の周長は5GHzの周波数に相当する1波長とした。可変共振器の周波数特性をシミュレーションするため、可変共振器を入出力線路(7)に並列に接続するものとし、ポートインピーダンス、入出力線路(7)の特性インピーダンス、環状線路(902)の特性インピーダンスは全て50Ωとした。
回路シミュレーションで示す周波数特性はPort1から入力した信号がPort2へと伝達する際の信号の伝達係数であり、これをdB単位で表している。共振周波数は可変共振器のインピーダンスが無限大となるときの周波数とし、図5に示す周波数特性においては挿入損失が極小となるときの周波数である。図5に示す周波数特性において挿入損失が極小となる周波数が複数現れる場合があるが、このときの共振周波数は以下のとおり定義する。
『キャパシタ(10)の容量値が0pFの時、即ちキャパシタ(10)を接続していない時、挿入損失が極小となる周波数が5.0GHzとなるように環状線路(902)の長さを設定する。キャパシタ(10)の容量値を0pFから連続的に変化させたときに、容量値の変化に応じて挿入損失が極小となる周波数が5GHzから連続的に低周波側に変化する。この連続的に変化した挿入損失が極小となる周波数を、ここで論じる共振周波数とする。』
図5A〜図5Fから、いずれの可変共振器(100a)においても、キャパシタ(10)の容量を増加した場合、共振周波数が低周波側へ変化していることがわかる。図5A〜図5Dから、リアクタンス回路であるキャパシタ(10)を3個以上備えた可変共振器においては、各キャパシタ(10)の容量値に対してビアホール(906)の位置〔接地する部位〕が移動した際に、共振周波数は変化せず、その周辺にある零点(伝達係数極小の点)が変化していることがわかる。即ち、これらの場合では共振周波数が導通状態とするスイッチ(903)の位置の影響を受けていない。一方、図5Eと図5Fから、リアクタンス回路であるキャパシタ(10)を2個または1個のみ備えた可変共振器(100a)では、ビアホール(906)の位置〔接地する部位〕が移動するに応じて共振周波数が変化していることがわかる。即ち、これらの場合では共振周波数が導通状態とするスイッチ(903)の位置によって影響を受けている。以上から、キャパシタ(10)、つまりリアクタンス回路を3個以上備えなければ、共振周波数は導通状態とするスイッチ(903)の位置によって影響を受けてしまうことが分かる。
図6A〜図6Cは、可変共振器(100b)の構成においてリアクタンス回路(102)としてキャパシタを36個(図6A)、6個(図6B)、4個(図6C)用いた場合の回路構成と当該回路構成の周波数特性を示している。
入出力ポート、入出力線路などの付随する回路については図5で示した回路と同様で、また周波数特性についても図5の場合と同様にPort1からPort2へと伝達する信号の伝達係数である。それぞれの回路構成において、点線αで囲った2個のキャパシタ(10)については、2倍の容量のキャパシタ1個に置換としてもよい。この場合、キャパシタ(10)の個数は図6A〜図6Cにおいてそれぞれ35個、5個、3個となる。
図6A〜図6Cから明らかなように、キャパシタ(10)を4個以上、もしくは3個以上で内1個が他のキャパシタ(10)の2倍の容量値の場合、共振周波数は導通状態にするスイッチ(903)の位置により影響を受けない。キャパシタ(10)の個数が2個または1個の場合は、図5Eと図5Fに示した場合と同様であり、これらの場合は先に述べたように共振周波数は導通状態にするスイッチ(903)の位置により影響を受ける。
以上から、可変共振器(100a)と可変共振器(100b)において、共振周波数が導通状態にするスイッチ(903)の位置の変更によって影響を受けないためには、最低でも3個のリアクタンス回路(102)が必要であるとの知見が得られる。なお、以上の説明では、可変共振器(100a)、可変共振器(100b)の環状線路(902)の特性インピーダンスは入出力線路、入出力ポートと同じ50Ωとしたが、特にこれに限るものではなく、要求される性能・特性などに応じて決める設計パラメータである。
以上の説明ではリアクタンス回路(102)を代表してキャパシタを用いたが、キャパシタに替えてインダクタ、伝送線路などの回路素子、これらのうち同種のものを複数組み合わせた回路、これらのうち異種のものを複数組み合わせた回路などを用いた場合でも同様の効果が得られる。
図7は、可変共振器(100a)と同類の構造であって、リアクタンス回路(102)としてインダクタ(11)を用いた場合の可変共振器(100c)を示している。図8は、可変共振器(100b)と同類の構造であって、リアクタンス回路(102)としてインダクタ(11)を用いた場合の可変共振器(100d)を示している。各図では、簡潔に示すため、スイッチ(903)等は図示していない。図8中の点線で囲まれたインダクタ(11a)は、図2で示した点線βと同様に、2つの並列接続されたインダクタ(11)を1つにまとめたもので、他のインダクタ(11)に比べ、インダクタ値が2分の1となっている。キャパシタ(10)を用いた場合に比べ、インダクタを用いると、共振周波数は高周波側にシフトする。例えば図9は図7に示した可変共振器(100c)の周波数特性を示すが、インダクタのインダクタ値を5nHに設定することによって、共振周波数が0.34GHz高周波側に移動し、インダクタ値を1nHに設定することによって1.15GHz高周波側に移動している。なお、図7に図示する位置xは、図5で説明したのと同様とする。
ここでキャパシタやインダクタなどのリアクタンス回路によって可変共振器の共振周波数が環状線路の長さによって決まる共振周波数から変化していることが、可変共振器の大きさに与える効果について説明する。
まずリアクタンス回路として容量性リアクタンス回路、例えばキャパシタを装荷した場合について説明する。可変共振器(100a)の場合として図5Dを参照すれば、図示の例では前述したように可変共振器(100a)を構成する環状線路(902)の周長Lは5GHzの周波数に相当する1波長となっている。従って、キャパシタを装荷しない場合にその共振周波数は5GHzとなるが、1.0pFのキャパシタを装荷したため、この可変共振器(100a)は3.6GHzを共振周波数とする可変共振器(100a)となっている〔図5Dの下段のグラフを参照〕。つまり、図5Dに示す可変共振器(100a)は、1.0pFのキャパシタを装荷することで、5GHzの周波数に相当する1波長の周長Lの環状線路(902)を備えながら、3.6GHzを共振周波数とする可変共振器として動作する。ところで、3.6GHzを共振周波数とする可変共振器をキャパシタの装荷無しで構成する場合、つまり可変共振器(900)とする場合のその環状線路(902)の周長Lは3.6GHzの周波数に相当する1波長となる。これを誘電体の厚さが0.5mm、比誘電率が9.6のアルミナ基板で、マイクロストリップ構造を採用して作製する場合、可変共振器(900)の環状線路(902)の周長Lは32mmとなる。これに比して、先に述べた5GHzの周波数に相当する1波長の環状線路(902)と1.0pFのキャパシタを用いた可変共振器(100a)では、同条件下で、その環状線路(902)の周長Lはおよそ23mmとなる。従って、同じ性能のものでありながら周長をおよそ1cm短いものとして実現することができると共に、環状線路(902)が真円であるとするとその面積はキャパシタを装荷していない場合のおよそ2分の1になる。このようにキャパシタを装荷した場合、同じ性能を有するものでありながら可変共振器の小型化を図ることが可能である。
次にリアクタンス回路として誘導性リアクタンス回路、例えばインダクタを装荷した場合について説明する。図7と同様の構成において、環状線路(902)の長さを10GHzの周波数に相当する1波長とする。このとき、インダクタのインダクタ値を1nHとした場合、共振周波数は約21GHzとなる。つまり、図7に示す可変共振器(100c)は、1nHのインダクタを装荷することで、10GHzの周波数に相当する1波長の周長Lの環状線路(902)を備えながら、21GHzを共振周波数とする可変共振器として動作する。ところで、21GHzを共振周波数とする可変共振器をインダクタの装荷無しで構成する場合、つまり可変共振器(900)とする場合のその環状線路(902)の周長Lは21GHzの周波数に相当する1波長となる。これを誘電体の厚さが0.5mm、比誘電率が9.6のアルミナ基板で、マイクロストリップ構造を採用して作製する場合、可変共振器(900)の環状線路(902)の周長Lは5mmとなる。この周長の環状線路(902)にスイッチ(903)を10個用いる場合、スイッチ(903)は0.5mm幅以下で設ける必要があり、製作技術によっては困難な場合がある。これに比して、先に述べた10GHzの周波数に相当する1波長の環状線路(902)と1nHのキャパシタを用いた可変共振器(100c)では、その環状線路(902)の周長Lはおよそ12mmとなるため、同じようにスイッチ(903)を10個用いるのであれば、スイッチ(903)は1.2mm幅以下で設ければよいのであり、前者の場合よりも大幅に設計条件が緩和され製作が容易になる。
図10は、可変共振器(100a)と同類の構造であって、リアクタンス回路(102)として伝送線路を用いた場合の可変共振器(100e)を示している。図では、簡潔に示すため、スイッチ(903)等は図示していない。
伝送線路(12)の一端は線路(902)に接続され、伝送線路(12)の他端は開放とされる。但し、伝送線路(12)の他端を開放とすることは必須の技術事項ではなく、例えば接地するようにしてもよい。
図11は、可変共振器(100b)と同類の構造であって、リアクタンス回路(102)として伝送線路を用いた場合の可変共振器(100f)を示している。
リアクタンス回路(102)の構成は、図10に示す可変共振器(100e)と同じである。但し、図11でリアクタンス回路(102a)は、構成自体はリアクタンス回路(102)の構成と同じであるが、伝送線路の特性インピーダンスをZ/2とする。もちろん、リアクタンス回路(102a)が線路(902)に接続する部位に、リアクタンス回路(102)を2つ並列に接続してもよい〔図12参照〕。
リアクタンス回路(102)として先端を開放とした伝送線路(12)を用いた場合の、図10に示す可変共振器(100e)の周波数特性を図13に示す。ビアホール(906)の位置x〔接地する部位〕は、x=10°の位置とした。なお、図10に図示する位置xは、図5で説明したのと同様とする。5GHzの周波数における位相が20°の長さの伝送線路(12)では、共振周波数が4.79GHzとなり、伝送線路(12)が無い場合に比べて0.21GHzだけ低周波側に変化する。5GHzにおける位相が30°の長さの伝送線路(12)では、共振周波数が4.69GHzとなり、伝送線路(12)が無い場合に比べて0.31GHzだけ低周波側に変化する。これはリアクタンス回路(102)として装荷した伝送線路(12)と環状線路(902)との接続部位において装荷した伝送線路(12)のインピーダンスが容量性であることによる。このインピーダンスは伝送線路(12)の長さ、伝送線路(12)の先端の終端形態(開放、短絡、若しくは何らかのリアクタンス素子などを接続するなど)によって定まり、これらは適宜設定されるべき設計パラメータである。リアクタンス回路(102)に伝送線路(12)を用いた場合においても、先程述べたキャパシタ、インダクタの場合と同様に、可変共振器の大きさに与える効果がある。
上述の可変共振器(100a)およびその同類構造では、入出力線路(7)と可変共振器(100a)の接続部、即ち信号の供給点が、供給点を挟む2つのリアクタンス回路(102)の中央にあったが、図14に示すように中央からずれた位置を信号の供給点としても構わない。更に言えば、環状線路(902)上の任意の位置を供給点に設定してもよい。ただし、各スイッチ(903)の位置については、設計事項として、所望の帯域幅変化量を得ることができるように設定する必要がある。また、上述の可変共振器(100b)およびその同類構造における信号の供給点に関しても同様で、図15に示すように中央からずれた位置を信号の供給点としても構わないし、環状線路(902)上の任意の位置を供給点に設定してもよい。各スイッチ(903)の位置についても同様で、設計事項として、所望の帯域幅変化量を得ることができるように設定する必要がある。
上述の可変共振器(100a)およびその同類構造では、リアクタンス回路(102)は環状線路(902)に対して並列に電気的に接続されているが、図16に示すように、リアクタンス回路(102)が環状線路(902)に並列接続されている位置で環状線路(902)を切断して複数の断片線路に分割し〔図では線路(902a)(902b)(902c)に相当する。〕、各切断部位でリアクタンス回路(102)を、各断片線路間に直列に電気的に接続する構成としてもよい。同様に、上述の可変共振器(100b)およびその同類構造では、リアクタンス回路(102)は環状線路(902)に対して並列に電気的に接続されているが、図17に示すように、リアクタンス回路(102)が環状線路(902)に並列接続されている位置で環状線路(902)を切断して複数の断片線路に分割し〔図では線路(902a)(902b)(902c)に相当する。〕、各切断部位でリアクタンス回路(102)を、各断片線路間に直列に電気的に接続する構成としてもよい。各図では、いずれの場合でも、切断前の環状線路の周長は、切断後の各断片線路の長さの合計と同じである。図16に示す例では、各線路(902a)(902b)(902c)の線路長は同じであり、その合計は環状線路(902)の周長Lに等しい。図17に示す例では、各線路(902b)(902c)の線路長は同じであり、各線路(902b)(902c)の線路長の合計は線路(902a)の線路長と同じであり、各線路(902a)(902b)(902c)の線路長の合計は環状線路(902)の周長Lに等しい。なお、図1および図1では、可変共振器(100a)ないし可変共振器(100b)の場合で例示している。
スイッチ(903)は、所望の帯域幅が得られるように線路(902)に対する接続位置が設定されるところ、切断後の各切断線路でもその接続位置は変わらない。従って、各切断線路では、スイッチ(903)が接続されない切断線路がある場合もある。
見方を変えれば、図1で示す各可変共振器は、各断片線路と各リアクタンス回路(102)とで環状の可変共振器を構成したものである。つまり、ここでは各線路(902a)(902b)(902c)を、リアクタンス回路(102)が環状線路(902)に並列接続されている位置で環状線路(902)を切断して得られる線路としたが、一般的には、N個〔NはN≧3を満たす整数〕の線路を用いるとしてよく、これらを環状に配置して、各線路間に、1個のリアクタンス回路(102)を直列に電気的接続することで、環状の可変共振器となる。なお、各線路の線路長は、各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において電気長で等しいものであればよい。誘電体基板(905)の比誘電率が均一である場合など線路(902)上で電気長に影響が無い場合には、電気長ではなく物理長を基準にして構成しても同様である。
同様に見方を変えれば、図1に示す各可変共振器は、各断片線路と各リアクタンス回路(102)とで環状の可変共振器を構成したものである。この構成を一般化して説明すれば、M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と第0線路との計M−1個の線路を用いて、第0線路の一端を、1個のリアクタンス回路(102)を直列に介して、第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続し、第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端を、1個のリアクタンス回路(102)を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続し、第i線路〔i=M/2−1〕の他端を、直列接続された2個のリアクタンス回路(102)を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続し、第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端を、1個のリアクタンス回路(102)を直列に介して、第i+1線路の一端に電気的に接続し、第0線路の他端を、1個のリアクタンス回路(102)を直列に介して、第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続することで、環状の可変共振器とする。なお、各線路の線路長は、各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、第0線路上で任意に定めた或る位置Kから第0線路の一端までの電気長と、第i線路〔iは、1≦i≦M/2−1の整数〕の電気長が等しく、位置Kから第0線路の他端までの電気長と、第i線路〔iは、M/2−1<i≦M−2の整数〕の電気長が等しいものであればよい。誘電体基板(905)の比誘電率が均一である場合など線路(902)上で電気長に影響が無い場合には、電気長ではなく物理長を基準にして構成しても同様である。
特に図17に示す直列接続の構成を採用した可変共振器(100b)およびその同類構造においては、点線囲み部αでリアクタンス回路(102)が2つ直列に接続され、これらを1つのリアクタンス回路(102)に置換する場合は、同図の点線囲み部βで示すようにリアクタンス回路(102)のリアクタンス値を2倍にしたリアクタンス回路(102a)とする必要がある。例えば、リアクタンス回路(102)を容量Cのキャパシタとした場合は、リアクタンス回路(102a)のキャパシタの容量値はC/2とする必要があり、リアクタンス回路(102)をインダクタ値Iのインダクタとした場合は、リアクタンス回路(102a)のインダクタのインダクタ値は2Iとする必要がある。
以下、可変共振器(100a)あるいはその同類構造あるいは可変共振器(100b)あるいはその同類構造のいずれかであればよい場合は、符号100を割り当てて可変共振器(100)と云うことにする。
図18に、上述の可変共振器(100)を2つ用いて〔図18では可変共振器(100a)を例示している。〕、各可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位同士の間に位相可変回路である可変位相器(700)を挿入した、可変フィルタ〔可変帯域通過型フィルタ〕(200)を示す。一般に2つ以上の共振器を用いて、隣接する共振器間を共振器の共振周波数において90°位相変化する線路〔共振周波数における4分の1波長の線路〕で結ぶと、帯域通過型フィルタが得られる。なお、可変共振器(100)間は、可変共振器(100)の共振周波数における4分の1波長の線路で接続されることが望ましいが、これに限ったものではない。ただし、4分の1波長以外あるいはその奇数倍の波長以外の長さの線路で接続した場合には、可変共振器(100)の特性が同一でないと可変共振器の共振周波数からずれた帯域に通過帯域が現れる。これは4分の1波長もしくはその奇数倍の線路で接続した場合は、回路全体の共振周波数〔中心周波数〕は各可変共振器の共振周波数となるのに対し、それ以外では、可変共振器および入出力線路からなる回路全体が直列共振する周波数において、信号が伝達するためである。この理に基づき、可変共振器(100)および可変位相器(700)を用いることで、可変帯域通過型フィルタ(200)が実現する。また、可変共振器の共振周波数からずれた帯域に通過帯域が現れることを許容できる場合、共振器間の位相を変化させることにより、通過帯域内の特性を変化させることが可能であるため、この目的で可変位相器を用いることもできる。図18に示す例では2個の可変共振器(100)を用いて可変帯域通過型フィルタ(200)を構成したが、2個以上の可変共振器(100)を用いて可変帯域通過型フィルタ(200)を構成することができる。この場合、各可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位同士の間に可変位相器(700)を挿入すればよい。
なお、可変位相器(700)を挿入することなく、各可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位同士の間を、可変共振器(100)の共振周波数における4分の1波長の線路で接続した可変フィルタとすることもできる。
可変帯域通過型フィルタ(200)に用いることのできる位相可変回路の例を図19〜図25に示す。
[1]rを2以上の整数として、2つの単極r投スイッチ(77)を備え、双方のr投側端子で長さの異なるr個の伝送線路(18)〜(18)のうち同じ1つの伝送線路を選択することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図19参照)。
[2]伝送線路(18)に沿って2個以上のバリアブルキャパシタ(19)を接続し、各バリアブルキャパシタ(19)の伝送線路(18)に接続される端部とは反対側の端部を接地する。各バリアブルキャパシタ(19)の容量値を設計事項として適宜に変更することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図20参照)。
[3]伝送線路(18)に沿って2個以上のスイッチ(20)を接続し、各スイッチ(20)の伝送線路(18)に接続される端部とは反対側の端部を伝送線路(21)に接続する。各スイッチ(20)の導通状態を設計事項として適宜に変更することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図21参照)。
[4]バリアブルキャパシタ(19)として、その容量値を設計事項として適宜に変更することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図22参照)。
[5]ポートR、R間の入出力線路(7)に並列にバリアブルキャパシタ(19)を接続し、バリアブルキャパシタの入出力線路(7)に接続される端部とは反対側の端部を接地する。バリアブルキャパシタの容量値を設計事項として適宜に変更することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図23参照)。
[6]可変インダクタとして、そのインダクタ値を設計事項として適宜に変更することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図24参照)。
[7]ポートR、R間の入出力線路(7)に並列に可変インダクタを接続し、可変インダクタの入出力線路(7)に接続される端部とは反対側の端部を接地する。可変インダクタのインダクタ値を設計事項として適宜に変更することで、ポートR、R間の信号位相を可変とする(図25参照)。
図26に、上述の可変共振器(100)を2つ用いて〔図26では可変共振器(100a)を例示している。〕、各可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位同士の間、一方の可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位と入力ポートとの間、他方の可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位と出力ポートとの間、のそれぞれに可変インピーダンス変換回路(600)を挿入した、可変フィルタ(300)を示す。一般に1つ以上の共振器を用いて、共振器と入力ポート/出力ポートとの間、共振器が複数の場合は更に共振器間を、J−インバータやK−インバータなどの可変インピーダンス変換回路を用いて接続することによってフィルタを構成することが出来る。この理に基づき、可変共振器(100)および可変インピーダンス変換回路(600)を用いることで、可変フィルタ(300)が実現する。図26に示す例では2個の可変共振器(100)を用いて可変フィルタ(300)を構成したが、2個以上の可変共振器(100)を用いて可変フィルタ(300)を構成することができる。この場合、各可変共振器(100)が入出力線路(7)に並列接続する部位同士の間に可変インピーダンス変換回路(600)を挿入すればよい。
なお、上述の各可変フィルタでは、可変共振器(100)を2つ以上用いるものとして説明したが、1つの可変共振器(100)を用いて可変フィルタを構成できる。1つの可変共振器(100)を用いて可変フィルタを構成する場合は例えば図1、図2に例示したとおりとなる。つまり、可変共振器(100)を伝送線路である入出力線路(7)に並列に電気的に接続すればよい。この構成であれば、共振周波数を挟む帯域幅で信号を伝搬することができるので、可変フィルタとして動作する。
上述の可変フィルタは、可変共振器(100)を入出力線路(7)に接続する信号供給点は1箇所で、入出力線路(7)に対して並列に可変共振器(100)を接続する構成であった。しかしながら、図27に示すように、入出力線路(7)に対して直列に可変共振器(100)を接続した可変フィルタ(400)の構成とすることも出来る。図27は、可変共振器(100)として可変共振器(100a)を用いて、入出力線路(7)に対し直列に接続した例を示しているが、可変共振器(100)として可変共振器(100b)を用いるとしてもよい〔図30参照〕。
この構成を採用した可変フィルタ(400)の周波数特性を図28および図29を用いて示す。図28に示す可変フィルタは、図27に示す、可変共振器(100a)を用いた場合の可変フィルタ(400)のリアクタンス回路(102)をキャパシタとしたものである。図29は、図28に示す可変フィルタの周波数特性を示したものである。環状線路(902)の長さは、5GHzの周波数に相当する1波長で、入出力線路(7)、環状線路(901)、入出力ポートの各インピーダンスは50Ωとした。図29から分かるように、キャパシタの容量を0pFから0.5pFに変更することで、可変フィルタの中心周波数が低周波側へ移動していることがわかる。また、それぞれの容量値で、導通状態にするスイッチ(903)の位置〔図29では10°、20°、30°の例を示している。〕を変更しても、中心周波数を変えることなく帯域幅を変更できていることがわかる。つまり、中心周波数は導通状態のスイッチ(903)の位置の変更に影響されていないことがわかる。なお、この説明で用いた可変共振器の環状線路の特性インピーダンスは入出力線路、入出力ポートと同じ50Ωであるが、特にこれに限るものではなく、要求する性能・特性に応じて決める設計パラメータである。図30に示す可変フィルタでも中心周波数は導通状態のスイッチ(903)の位置の変更に影響されない。
既述のとおり、可変共振器(100)のリアクタンス回路(102)の個数は、最低3個は必要である。小型化の観点からは、リアクタンス回路(102)の個数は、できるだけ少ない個数であることが好ましいと思える。しかし、多数のリアクタンス回路(102)を備えた構成とすることには利点も存在し、キャパシタを用いた場合を例にして説明する。
図5A、図5Bを参照すると、0.1pFの容量のキャパシタが装荷されている場合、同条件下では、共振周波数は装荷したキャパシタの数が多いほど大きく変化していることがわかる。これは共振周波数を同じ値まで変化させようとした場合、装荷するキャパシタの数が多いほど、1個あたりの容量値は小さくて良いことを意味する。このため、可変共振器を作製するに当たり、大きな容量を持つキャパシタ1個を基板上に装荷することが困難な場合、代わりに容量の小さなキャパシタを多数設けることで同等の結果が得られる可能性がある。特に集積回路製作プロセスのような、同じデバイスを1度に多数個製作することが得意な技術を用いれば、容易に実現可能であると言える。
また、キャパシタ、インダクタ、伝送線路などのリアクタンス回路(102)によって、可変共振器(100)の共振周波数が環状線路(902)の長さによって決まる共振周波数から変化することで齎される効果につき説明する。
可変共振器(100)に限らず共振器を作製する基板の誘電率は、同じ材質で同じ製作方法であっても、製作時の諸条件によって基板間や同一基板内でも一定ではないことがある。このため、同じ寸法の共振器を基板上に形成しても、各共振器の共振周波数がそれぞれ異なる現象が発生する。したがって、共振器を用いた一般のフィルタにおいては調整作業を必要とする場合がある。伝送線路を用いた共振器では、その長さを削ったりすることで調整することが一般的であるが、環状の線路を備える共振器ではそれは不可能である。また、キャパシタなどのリアクタンス素子を付加して調整することも一般的であるが、共振器の設計環境によっては、このような調整方法も万能ではない。或る中心周波数で帯域幅だけを大幅に変更可能とするような共振器であれば、安易にリアクタンス素子を付加して調整することはできない場合が多い。このような現状において、可変共振器(100)であれば有利な効果を享受できる。例えばリアクタンス回路(102)を全く接続していない場合、設計値である共振周波数で共振するように設計した可変共振器(100)が、設計時に用いた基板の誘電率に比べ実際の基板の誘電率が低く、設計共振周波数より高い周波数で共振してしまった場合、適切なリアクタンス値を持つリアクタンス回路(102)を可変共振器(100)に接続することで、容易に設計共振周波数に調整することが可能である。そして、可変共振器(100)では、導通状態にするスイッチ(903)の位置の変更が共振周波数に影響を与えることは無い。
以下、本発明の実施形態に係る変形例について説明を行う。
可変共振器(100)について、信号供給点から線路(902)に沿って、設計共振周波数における電気長πのw倍〔w=0,1,2,3,・・・〕の位置のスイッチ(903)をON状態とすることで、信号供給点における入力インピーダンスを0にすることができる。従って、可変共振器(100)を用いて可変フィルタを構成する場合、設計共振周波数における電気長πのw倍の位置のスイッチ(903)をON状態とすることで、当該設計共振周波数の信号を通過させないことができる。一方、前記位置のスイッチ(903)をOFF状態とすることで、前記設計共振周波数の信号を通過させることができる。そこで、信号遮断としてではなく、所望の周波数の信号を通過させることを主目的として可変フィルタを構成するならば、そもそも設計共振周波数における電気長πの整数倍の位置にスイッチ(903)を設けておく必要がない。一例として図31に示すように、線路(902)を円形としその長さを設計共振周波数における1波長とした場合では、信号供給点と線路(902)の中心に関して対称の位置が電気長πの整数倍となる位置であり、これら2箇所にスイッチを設けない構成が可能である。
可変共振器(100)では、信号供給点から線路(902)に沿って、設計共振周波数における電気長πのw倍の位置のスイッチ(903)をON状態にしない場合、信号供給点における入力インピーダンスを∞にすることができるため、一例として図32に示すように多少抵抗の大きいスイッチ(903)を用いても低挿入損失な特性が得られる。
そこで、抵抗を積極的に活用した構成も採用できる。例えば、低抵抗の切替器であるスイッチ(35)を用いて、接地導体(904)に直接的に接続する場合と、スイッチ(35)の抵抗よりも高い数Ω〜数十Ωの抵抗器(70)を介して接地導体(904)に接続する場合を切り替えるというように、積極的に抵抗を利用する場合が考えられる〔図33参照〕。この揚合、数Ω〜数十Ωの抵抗器(70)を介することによって、この抵抗によって影響を受ける帯域において信号の伝搬を抑制する場合と、できるだけ低抵抗にして抵抗によって影響を受ける帯域付近の信号も伝搬する場合を選択することが可能となる。
ここでは、抵抗器を用いる場合を示したが、抵抗器に限定されず、例えば可変抵抗器、インダクタ、可変インダクタ、キャパシタ、バリアブルキャパシタ、圧電素子などを例示できる受動素子を用いることができる。
可変共振器(100)と伝送線路(30)との電気的接続を電界結合あるいは磁界結合に拠ることで可変フィルタを構成することが可能である。図34が、電界結合によって可変フィルタ(401)を構成した場合を例示し、図35が、磁界結合によって可変フィルタ(402)を構成した場合を例示している。なお、図34および図35では、可変共振器(100)として可変共振器(100a)を例示している。
図36Aに示す可変フィルタ(404)は、同じ共振周波数の2つの可変共振器(100)と各可変共振器と伝送線路である入出力線路(7)との間に設けた回路開閉器であるスイッチ(33)、スイッチ(34)によって構成される。図36Bに示す可変フィルタ(405)も、可変フィルタ(404)と同様の構成である。但し、可変フィルタ(404)は同じ特性インピーダンスの2つの可変共振器が用いられ、可変フィルタ(405)は異なる特性インピーダンスの2つの可変共振器が用いられている点が異なる。ここでは便宜的に、可変共振器に附す符号をそれぞれ100X、100Yとする。
可変フィルタ(404)の場合、スイッチ(33)(34)によって一方の可変共振器(100X)のみ接続する場合と、両方の可変共振器(100X)を接続する場合の2状態が選択可能であるが、それぞれの状態において共振周波数は同じであるものの周波数特性が異なるものとなっている。両方の可変共振器(100X)を接続した場合、一方の可変共振器(100X)を接続した場合と比較して、共振周波数から離れた周波数での信号の減衰量が大きくなる。これは、等価的に可変共振器(100X)の特性インピーダンスが半分になるためである。つまり、各スイッチ(33)(34)のオン−オフ状態を変更することで、入出力線路(7)に対する可変共振器の特性インピーダンスを切り替えることとなり、可変フィルタ(404)の周波数特性を2状態に対応して変化させることが可能である。
可変フィルタ(405)の場合、スイッチ(33)(34)によって一方の可変共振器のみ接続する場合と、両方の可変共振器を接続する場合の3状態が選択可能であり、それぞれの状態において共振周波数は同じであるものの周波数特性が異なるものとなっている。つまり、可変フィルタ(404)の場合と同様に、可変フィルタ(405)では、各スイッチ(33)(34)のオン−オフ状態を変更することで、入出力線路(7)に対する可変共振器の特性インピーダンスを切り替えることとなり、可変フィルタ(405)の周波数特性を3状態に対応して変化させることが可能である。
図27に示す可変フィルタ(400)は、1つの可変共振器(100)を用いた場合を示しているが、図37に示すように複数の可変共振器(100)を直列接続する構成としてもよいし、図38に示すように複数の可変共振器(100)のうち一部を入出力線路(7)に対して並列接続し、残りの可変共振器(100)を入出力線路(7)に対して直列接続する構成としてもよい。ただし、各図では可変共振器が2つの場合で例示している。
これまで示した可変共振器(100)は全て円形であったが、特に円形に限定する趣旨ではない。本発明の要諦は、[1]可変共振器を環状に構成すること〔図1、図2、図16、図17参照〕、[2]可変共振器に電気的に接続するリアクタンス回路(102)の配置にあり、線路(902)の形状にあるのではない。従って、例えば特性インピーダンスが同じ伝送線路で線路(902)を構成するならば、図39に示すように楕円形でもよいし、図40に示すように弓形となってもよい。なお、図39〜図46の各図では、スイッチ(903)およびリアクタンス回路(102)の図示を省略している。
図41Aは、円形の環状線路(902)を有する可変共振器を伝送線路(7)に接続した場合を示している。図41Bは、楕円形の環状線路(902)を有する可変共振器を伝送線路(7)に接続した場合を示している。
一般的に、図41Aに示す構成よりも図41Bに示す構成の方が良好な挿入損失を得られる。伝送線路と環状線路との間に磁界結合が生じた結果、接続部位でのインピーダンスが低下して、入力信号が反射することで損失が生じているのであるが、環状線路の形状である楕円の長径を伝送線路(7)に対して直交するように可変共振器を伝送線路に接続したことで、伝送線路(7)と環状線路(902)との磁界結合が低減することに因る。
また、多層構造が許容されれば、例えば図42Aに示す構成としてもよい。図42の紙面を正面から見て手前を上層、その奥に向かって順次に下層とすれば、図42Bに示すように、上層にL字型の伝送線路(7a)が配され、その下層に可変共振器が配され、伝送線路(7a)と可変共振器の線路(902)が一部〔符号S〕でオーバーラップする。また、図42Cに示すように、さらに下層にL字型の伝送線路(7b)が配され、伝送線路(7b)と可変共振器の線路(902)が一部〔符号S〕でオーバーラップする。符号Sで示す部分にビアホールを設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的に接続させる。
この多層構造のいくつかの形態について、図42Aに示す視線方向の断面図を用いて説明を加える。なお、この多層構造の平面図は、図42Aに示すとおりとする。また、各断面図では、紙面の上側に向かって上層とし、紙面の下側に向かって下層とする。断面構成を簡潔に示すため、スイッチ(903)等は図示していない。
第1例は、図43Aに示すように、最下層の接地導体(904)とその上層の誘電体基板(905)とが接触して配置され、さらに、誘電体基板(905)とその上層の伝送線路(7a)とが接触して配置された構成とされる。可変共振器の環状線路(902)および伝送線路(7b)は、誘電体基板(905)に埋設固定されている。環状線路(902)は、伝送線路(7b)よりも上層に配置される。そして、符号Sで示す部分にビアホール(66)を設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的接続させている。ビアホール(67)は、例えばスイッチ(903)に対する外部からの操作用に、誘電体基板(905)に埋設固定された環状線路(902)のスイッチ(903)と誘電体基板外部との電気的接続を確保するものであり、誘電体基板(905)と接触して配置された最上層の導電体(330)と電気的に接続している。なお、図43では、図47で示すビアホール(6)や導電体(33)などを図示しておらず、ビアホール(67)はビアホール(6)と同じ目的・機能を有するものではないことに留意しなければならない。
第2例は、図43Bに示すように、最下層の接地導体(904)とその上層の誘電体基板(905)とが接触して配置され、さらに、誘電体基板(905)とその上層の環状線路(902)とが接触して配置された構成とされる。伝送線路(7b)は、誘電体基板(905)に埋設固定されている。伝送線路(7a)は、環状線路(902)よりも上層に配置されており、支持体(199)によって支持されている。図43Bでは、支持体(199)は、伝送線路(7a)と誘電体基板(905)との間に介在しているが、このような構成に限定する趣旨ではなく、伝送線路(7a)を支持する目的を達成できればその他の構成とすることもできる。支持体(199)の材質は、支持体(199)の配置構成によって適宜に設計でき、図43Bの例では金属でも誘電体でも構わない。そして、符号Sで示す部分にビアホール(66)を設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的に接続させている。
第3例は、図43Cに示すように、最下層の接地導体(904)とその上層の誘電体基板(905)とが接触して配置され、さらに、誘電体基板(905)とその上層の伝送線路(7b)および導電体(331)とが接触して配置された構成とされる。環状線路(902)は、伝送線路(7b)および導電体(331)よりも上層に、支持体(199)によって支持されている。また、伝送線路(7a)は、環状線路(902)よりも上層に、伝送線路(7b)との間に介在した支持体(198)によって支持されている。図43Cに示す構成では、支持体(198)の材質は、伝送線路(7a)と伝送線路(7b)との電気的接続を防ぐため誘電体とする。環状線路(902)と誘電体基板(905)との間には、スイッチ(903)の位置に対応して、導電体(331)および導電体柱(68)が介設されている。そして、符号Sで示す部分にビアホール(66)を設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的に接続させている。
第4例は、図43Dに示すように、最下層の接地導体(904)とその上層の誘電体基板(905)とが接触して配置され、さらに、誘電体基板(905)とその上層の伝送線路(7b)とが接触して配置された構成とされる。誘電体基板(905)には、その上層の環状線路(902)が接触して配置されており、図43Dに示すように誘電体基板(905)は段差構造を有しているため、伝送線路(7b)および環状線路(902)は共に誘電体基板(905)に接触して配置されていながら、環状線路(902)は伝送線路(7b)よりも上層に位置する構成となっている。伝送線路(7a)は、環状線路(902)よりも上層に、伝送線路(7b)との間に介在した上記の支持体(198)によって支持されている。そして、符号Sで示す部分にビアホール(66)を設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的に接続させている。
第5例は、図43Eに示すように、最下層の接地導体(904)とその上層の誘電体基板(905)とが接触して配置され、さらに、誘電体基板(905)とその上層の伝送線路(7a)および環状線路(902)とが接触して配置された構成とされる。伝送線路(7b)は、誘電体基板(905)に埋設固定されている。伝送線路(7a)および環状線路(902)は、例えば図41Aや図41Bなどに示す構成でもそうであるように、一体形成してもよいし、別々の部材として電気的に接合するとしてもよい。そして、符号Sで示す部分にビアホール(66)を設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的に接続させている。
第6例は、図43Fに示すように、最下層の接地導体(904)とその上層の誘電体基板(905)とが接触して配置され、さらに、誘電体基板(905)とその上層の伝送線路(7b)および環状線路(902)とが接触して配置された構成とされる。伝送線路(7b)および環状線路(902)は、上述のとおり、一体形成してもよいし、別々の部材として電気的に接合するとしてもよい。伝送線路(7a)は、環状線路(902)および伝送線路(7b)よりも上層に、伝送線路(7b)との間に介在した上記の支持体(198)によって支持されている。そして、符号Sで示す部分にビアホール(66)を設けて、伝送線路(7a)と、線路(902)と、伝送線路(7b)とを電気的に接続させている。
また、図44Aに示すように、伝送線路(7)の一部に屈曲部〔符号T〕を設け、この屈曲部と可変共振器の線路(902)とを接続する構成も可能である。このように、伝送線路(7)と線路(902)との距離が大きくなることで挿入損失の低減が図れる。
なお、複数の可変共振器を備えた回路構成の便宜などに鑑みて、図44Bに示すような可変共振器と伝送線路との接続構成も可能である。
図44Aおよび図44Bでは、線路(902)と伝送線路(7)とを一体形成あるいは別々の部材として同じ層で電気的に接合したものとして例示しているが、図42Aに示す如く多層構造として構成することも可能である。
また、図44に示す接続構成の変形例として、図45に示すように、伝送線路(7)の屈曲部〔符号T〕を、涙滴型とされた可変共振器の線路(902)の屈曲部〔符号U〕と接続する構成としてもよい。
図45に示す構成は、図44に示す構成に比して良好な挿入損失を得られる。
これは、伝送線路(7)と可変共振器の線路(902)との位置関係が一層離れていることに加え、伝送線路(7)と線路(902)との接続部位の近傍において、図44に示す接続構成の場合では伝送線路(7)とおよそ平行な線路部分が線路(902)に存在することに対して、図45に示す接続構成の場合では伝送線路(7)とおよそ平行な線路部分が線路(902)にほとんど存在しないため、磁界結合がより一層生じにくいためである。従って、図45では涙滴型の線路(902)としたがこのような形状に限定されず、磁界結合を生じにくくする伝送線路(7)と線路(902)との接続構成であればよい。
また、これまでの実施形態はマイクロストリップ線路構造を用いて示されてきたが、このような線路構造に限定する趣旨ではなく、コプレーナ導波路等他の線路構造を用いてもよい。
図46に、コプレーナ導波路による場合を例示する。誘電体基板の同一面上に、接地導体(1010)と接地導体(1020)とが配置され、これらの間隙に、可変共振器が接続した伝送線路(7)が配置される。また、可変共振器の線路(902)の内側に、線路(902)とは非接触に接地導体(1030)が配置される。接地導体(1020)と接地導体(1030)とは、電位を揃えるためエアブリッジ(95)が架橋されて電気的に接続されている。なお、エアブリッジ(95)は、コプレーナ導波路による場合において必須の構成要素ではなく、例えば、接地導体(1010)や伝送線路(7)などが配置された誘電体基板の面とは反対側の面上に背面接地導体〔図示しない。〕を配置し、接地導体(1030)と背面接地導体とをビアホールを介して電気的に接続し、接地導体(1020)と背面接地導体とをビアホールを介して電気的に接続することで、接地導体(1020)と接地導体(1030)との電位を揃える構成であってもよい。
リアクタンス回路(102)を並列接続とした場合の可変共振器(100a)の平面図。 リアクタンス回路(102)を並列接続とした場合の可変共振器(100b)の平面図。 リアクタンス回路(102)の個数を2とした場合の可変共振器(従来例)。 図3に示す可変共振器(従来例)の周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を36とした場合の可変共振器(100a)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を10とした場合の可変共振器(100a)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を4とした場合の可変共振器(100a)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を3とした場合の可変共振器(100a)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を2とした場合の可変共振器(100a)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を1とした場合の可変共振器(100a)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を36とした場合の可変共振器(100b)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を6とした場合の可変共振器(100b)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 キャパシタであるリアクタンス回路(102)の個数を4とした場合の可変共振器(100b)の平面図と、容量値を変化させたときのその周波数特性を示すグラフ。 リアクタンス回路(102)をインダクタ(11)とした場合の可変共振器(100c)の平面図。 リアクタンス回路(102)をインダクタ(11)とした場合の可変共振器(100d)の平面図。 図7で示した可変共振器(100c)の周波数特性を示すグラフ。 リアクタンス回路(102)を、伝送線路(12)とした構成の場合の可変共振器(100e)の平面図〔可変共振器(100a)の構成を前提とした場合〕。 リアクタンス回路(102)を、伝送線路(12)とした構成の場合の可変共振器(100f)の平面図〔可変共振器(100b)の構成を前提とした場合〕。 リアクタンス回路(102)を、伝送線路(12)とした構成の場合の可変共振器(100f)の平面図〔可変共振器(100b)の構成を前提とした場合〕。 図11に示す可変共振器(100f)の周波数特性を示すグラフ。 可変共振器(100a)の信号入力位置を変えた構成の可変共振器の平面図。 可変共振器(100b)の信号入力位置を変えた構成の可変共振器の平面図。 リアクタンス回路(102)を直列接続とした場合の可変共振器の平面図〔可変共振器(100a)の構成を前提とした場合〕。 リアクタンス回路(102)を直列接続とした場合の可変共振器の平面図〔可変共振器(100b)の構成を前提とした場合〕。 2つの可変共振器(100)間を可変位相器(700)で接続した構成の可変フィルタ(200)の平面図。 位相可変回路の構成例。 位相可変回路の構成例。 位相可変回路の構成例。 位相可変回路の構成例。 位相可変回路の構成例。 位相可変回路の構成例。 位相可変回路の構成例。 2つの可変共振器(100)間を可変インピーダンス変換回路(600)で接続した構成の可変フィルタ(300)の平面図。 可変フィルタ〔直列接続〕の一実施形態〔可変共振器(100a)の構成を前提とした場合〕。 リアクタンス回路(102)をキャパシタした場合の図27に示す可変フィルタの平面図。 図28に示す可変フィルタの周波数特性を示すグラフ。 可変フィルタ〔直列接続〕の一実施形態〔可変共振器(100b)の構成を前提とした場合〕。 信号通過を主目的とした場合の可変共振器(100)の平面図。 スイッチ(903)と接地導体との間に抵抗器を介した場合の可変共振器の平面図〔可変共振器(100a)の構成を前提とした場合〕。 抵抗器を介して接地導体と接続する場合と、抵抗器を介さずに接地導体と接続する場合の切り替えを行う切替器を用いた、可変共振器の平面図〔可変共振器(100a)の構成を前提とした場合〕。 電界結合による場合の可変フィルタ(401)の一実施形態。 磁界結合による場合の可変フィルタ(402)の一実施形態。 同じ共振周波数で同じ特性インピーダンスの可変共振器を用いた可変フィルタ(404)の一実施形態。 同じ共振周波数で異なる特性インピーダンスの可変共振器を用いた可変フィルタ(405)の一実施形態。 可変フィルタ〔直列接続のみの組み合わせ〕の一実施形態。 可変フィルタ〔直列接続および並列接続の組み合わせ〕の一実施形態。 可変共振器の一実施形態〔楕円形の環状線路〕。 可変共振器の一実施形態〔弓形の環状線路〕。 円形の環状線路を有する可変共振器と伝送線路との結合構造。 楕円形の環状線路を有する可変共振器と伝送線路との結合構造。 5層構造の場合の可変共振器と伝送線路との結合構造。 5層構造の場合の可変共振器と伝送線路との結合構造における第1層と第2層との関係を説明する図。 5層構造の場合の可変共振器と伝送線路との結合構造における第2層と第3層との関係を説明する図。 図42Aに示す結合構造の断面構成の第1例。 図42Aに示す結合構造の断面構成の第2例。 図42Aに示す結合構造の断面構成の第3例。 図42Aに示す結合構造の断面構成の第4例。 図42Aに示す結合構造の断面構成の第5例。 図42Aに示す結合構造の断面構成の第6例。 可変共振器と屈曲部を有する伝送線路との結合構造。 可変共振器と屈曲部を有する伝送線路との結合構造。 可変共振器と屈曲部を有する伝送線路との結合構造。 コプレーナ導波路による場合の可変共振器と伝送線路との結合構造。 (A)可変共振器(900a)の平面図。(B)可変共振器(900b)の平面図。(C)可変共振器(900a)のスイッチ部分の断面図。
符号の説明
100a、100b 可変共振器
200、300 可変フィルタ

Claims (24)

  1. 環状線路と、
    2個以上の回路開閉器と、
    N個〔NはN≧3を満たす整数〕のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記環状線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記各リアクタンス回路が、上記環状線路の周方向に沿って、上記環状線路の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において等電気長間隔で、かつ、上記環状線路に対して並列に、電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  2. 環状線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M個〔Mは、4以上の偶数である。〕のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記環状線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記環状線路の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、
    M/2−1個の上記リアクタンス回路がそれぞれ、上記環状線路上で任意に定めた或る位置K1から上記環状線路の一周分の電気長の半分の位置K2まで、上記環状線路の周方向〔以下、順方向という。〕に沿って等電気長間隔で、かつ、上記環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、上記位置K1および上記位置K2を除く。〕、
    M/2−1個の上記リアクタンス回路がそれぞれ、上記位置K1から上記位置K2まで、上記順方向とは逆の方向で上記環状線路の周方向に沿って等電気長間隔で、かつ、上記環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、上記位置K1および上記位置K2を除く。〕、
    2個の上記リアクタンス回路が、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記位置K2に、電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  3. 環状線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第1リアクタンス回路と、
    1個の第2リアクタンス回路と
    を備え、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記環状線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、上記第2リアクタンス回路は、上記各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の半分の値をとるものとし、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記環状線路の周長が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、
    M/2−1個の上記第1リアクタンス回路がそれぞれ、上記環状線路上で任意に定めた或る位置K1から上記環状線路の一周分の電気長の半分の位置K2まで、上記環状線路の周方向〔以下、順方向という。〕に沿って等電気長間隔で、かつ、上記環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、上記位置K1および上記位置K2を除く。〕、
    M/2−1個の上記第1リアクタンス回路がそれぞれ、上記位置K1から上記位置K2まで、上記順方向とは逆の方向で上記環状線路の周方向に沿って等電気長間隔で、かつ、上記環状線路に対して並列に、電気的に接続され〔但し、上記位置K1および上記位置K2を除く。〕、
    上記第2リアクタンス回路が、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記位置K2に、電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  4. 環状に配置されたN個〔NはN≧3を満たす整数〕の線路と、
    2個以上の回路開閉器と、
    N個のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各線路のうち少なくとも1個は、上記回路開閉器が接続され、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記線路に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記各線路の線路長は、上記各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数において電気長で等しく、
    上記各線路間に、1個の上記リアクタンス回路が直列に電気的接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  5. M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、第0線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M個のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各第i線路あるいは上記第0線路のうち少なくとも1個は、上記回路開閉器が接続され、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記各第i線路あるいは上記第0線路のうちいずれか〔以下、接続線路という。〕に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記第0線路の一端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、直列接続された2個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第0線路の他端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続され、
    上記各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、
    上記第0線路上で任意に定めた或る位置Kから上記第0線路の上記一端までの電気長と、上記第i線路〔iは、1≦i≦M/2−1の整数〕の電気長は等しく、
    上記位置Kから上記第0線路の上記他端までの電気長と、上記第i線路〔iは、M/2−1<i≦M−2の整数〕の電気長は等しい
    ことを特徴とする可変共振器。
  6. M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、第0線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M−1個の第1リアクタンス回路と、
    1個の第2リアクタンス回路と
    を備え、
    上記各第i線路あるいは上記第0線路のうち少なくとも1個は、上記回路開閉器が接続され、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記各第i線路あるいは上記第0線路のうちいずれか〔以下、接続線路という。〕に電気的に接続され、その他端が接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、上記第2リアクタンス回路は、上記各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の二倍の値をとるものとし、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記第0線路の一端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、上記第2リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第0線路の他端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続され、
    上記各線路の線路長の合計が1波長あるいはその整数倍に相当する共振周波数を基準として、
    上記第0線路上で任意に定めた或る位置Kから上記第0線路の上記一端までの電気長と、上記第i線路〔iは、1≦i≦M/2−1の整数〕の電気長は等しく、
    上記位置Kから上記第0線路の上記他端までの電気長と、上記第i線路〔iは、M/2−1<i≦M−2の整数〕の電気長は等しい
    ことを特徴とする可変共振器。
  7. 誘電体基板上に設けられた環状線路と、
    2個以上の回路開閉器と、
    N個〔NはN≧3を満たす整数〕のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記環状線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記各リアクタンス回路が、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記環状線路の周方向に沿って等間隔に、電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  8. 誘電体基板上に設けられた環状線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M個〔Mは、4以上の偶数である。〕のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記環状線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    M/2個の上記リアクタンス回路がそれぞれ、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記環状線路の周方向〔以下、順方向という。〕に沿って、上記環状線路上で任意に定めた或る位置Kから、(L/M)×m〔mは、1≦m≦M/2を満たす整数とする。Lは、上記環状線路の周長とする。〕の距離だけ離れた位置に電気的に接続され、
    M/2個の上記リアクタンス回路がそれぞれ、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記順方向とは逆の方向で上記環状線路の周方向に沿って、上記位置Kから、(L/M)×mの距離だけ離れた位置に電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  9. 誘電体基板上に設けられた環状線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第1リアクタンス回路と、
    1個の第2リアクタンス回路と
    を備え、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記環状線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記環状線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記環状線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、上記第2リアクタンス回路は、上記各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の半分の値をとるものとし、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    M/2−1個の上記第1リアクタンス回路がそれぞれ、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記環状線路の周方向〔以下、順方向という。〕に沿って、上記環状線路上で任意に定めた或る位置Kから、(L/M)×m〔mは、1≦m≦M/2−1を満たす整数とする。Lは、上記環状線路の周長とする。〕の距離だけ離れた位置に電気的に接続され、
    M/2−1個の上記第1リアクタンス回路がそれぞれ、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記順方向とは逆の方向で上記環状線路の周方向に沿って、上記位置Kから、(L/M)×mの距離だけ離れた位置に電気的に接続され、
    上記第2リアクタンス回路が、上記環状線路に対して並列に、かつ、上記位置Kから、L/2の距離だけ離れた位置に電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  10. 誘電体基板上に設けられた、線路長が同じN個〔NはN≧3を満たす整数〕の線路と、
    2個以上の回路開閉器と、
    N個のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各線路のうち少なくとも1個は、上記回路開閉器が接続され、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記線路に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記各線路間に、1個の上記リアクタンス回路が直列に電気的接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  11. 誘電体基板上に設けられた、線路長が同じM−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、上記第i線路の線路長の2倍の線路長の第0線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M個のリアクタンス回路と
    を備え、
    上記各第i線路あるいは上記第0線路のうち少なくとも1個は、上記回路開閉器が接続され、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記各第i線路あるいは上記第0線路のうちいずれか〔以下、接続線路という。〕に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記第0線路の一端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、直列接続された2個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第0線路の他端は、1個の上記リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  12. 誘電体基板上に設けられた、線路長が同じM−2個〔Mは、4以上の偶数である。〕の第i線路〔iは、1≦i≦M−2の整数〕と、上記第i線路の線路長の2倍の線路長の第0線路と、
    2つ以上の回路開閉器と、
    M−1個の第1リアクタンス回路と、
    1個の第2リアクタンス回路と
    を備え、
    上記各第i線路あるいは上記第0線路のうち少なくとも1個は、上記回路開閉器が接続され、
    上記各回路開閉器は、その一端が上記各第i線路あるいは上記第0線路のうちいずれか〔以下、接続線路という。〕に電気的に接続され、その他端が誘電体基板上に形成された接地導体に電気的に接続され、当該接地導体と上記接続線路との電気的接続/非接続を切り替え可能であり、
    上記各回路開閉器の一端が上記接続線路に接続する部位はそれぞれ異なり、
    上記各第1リアクタンス回路は、それぞれ同じリアクタンス値をとり、上記第2リアクタンス回路は、上記各第1リアクタンス回路のリアクタンス値の二倍の値をとるものとし、
    上記環状線路の周長は上記リアクタンス値に応じて定められ、
    上記第0線路の一端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=1〕の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、1≦i<M/2−1の整数〕の他端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔i=M/2−1〕の他端は、上記第2リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第i線路〔iは、M/2−1<i<M−2の整数〕の他端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i+1線路の一端に電気的に接続され、
    上記第0線路の他端は、1個の上記第1リアクタンス回路を直列に介して、上記第i線路〔i=M−2〕の他端に電気的に接続された
    ことを特徴とする可変共振器。
  13. 上記接地導体と、上記接地導体に電気的に接続された上記回路開閉器の他端とを、受動素子を介して電気的に接続した
    ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の可変共振器。
  14. 上記接地導体と、上記接地導体に電気的に接続された上記回路開閉器の他端との電気的接続を、上記受動素子を介して行うか、上記受動素子を介さずに行うかのいずれかに切り替え可能な切替器を備えた
    ことを特徴とする請求項13の記載の可変共振器。
  15. 上記環状線路において、伝送線路との結合部位を起点として可変共振器の共振周波数における電気長0、電気長πもしくはその整数倍の位置には上記回路開閉器の上記一端を接続しない
    ことを特徴とする請求項1、2、3、7、8、9、13、14のいずれかに記載の可変共振器。
  16. 上記各回路開閉器のうちいずれか1つが、上記接地導体と上記環状線路との電気的接続を行うとする
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の可変共振器。
  17. 請求項1から請求項16のいずれかに記載の、少なくとも1つの可変共振器と、
    伝送線路と
    を備え、
    上記可変共振器と上記伝送線路とは電気的に接続されている
    ことを特徴とする可変フィルタ。
  18. 2つ以上の上記可変共振器それぞれについて、
    各可変共振器を、一箇所の結合部位で上記伝送線路に対して並列接続し、
    上記各可変共振器間をそれぞれ位相可変回路で接続した
    ことを特徴とする請求項17に記載の可変フィルタ。
  19. 2つ以上の上記可変共振器それぞれについて、
    各可変共振器を、一箇所の結合部位で上記伝送線路に対して並列接続し、
    信号入力ポートと当該信号入力ポートから見て最初の可変共振器との間、上記各可変共振器間、信号出力ポートと当該信号出力ポートから見て最初の可変共振器との間、をそれぞれ可変インピーダンス変換回路で接続した
    ことを特徴とする請求項17に記載の可変フィルタ。
  20. 2つ以上の上記可変共振器それぞれについて、
    各可変共振器を、一箇所の結合部位で上記伝送線路に対して並列接続し、
    上記各結合部位に、上記伝送線路と上記可変共振器との電気的接続/非接続を切り替え可能な第2の回路開閉器をそれぞれ備え、
    上記各第2の回路開閉器を選択して、各可変共振器の全部または一部と上記伝送線路とを電気的に接続する
    ことを特徴とする請求項17に記載の可変フィルタ。
  21. 1つ以上の上記可変共振器それぞれについて、
    各可変共振器を、二箇所の結合部位で上記伝送線路に対して直列接続し、
    二箇所の上記結合部位の間には、各可変共振器の環状線路においては環状線路の周長の半分の距離を設け、あるいは、全ての線路の合計線路長の半分の距離を設け、当該結合部位には回路開閉器を接続しない
    ことを特徴とする請求項17に記載の可変フィルタ。
  22. 請求項1から請求項16のいずれかに記載の、1つの可変共振器と、
    伝送線路T1および伝送線路T2と
    を備え、
    上記伝送線路T1の端部と上記可変共振器の環状線路ないし1個の線路との結合部位にて、上記伝送線路T2の端部が結合し、上記伝送線路T1と、上記伝送線路T2と、上記環状線路ないし1個の線路とが電気的に接続されており、
    上記結合部位にて、上記伝送線路T1の端部と、上記伝送線路T2の端部とが、同一平面上にない
    ことを特徴とする電気回路装置。
  23. 請求項1から請求項16のいずれかに記載の、1つの可変共振器と、
    屈曲部を有する伝送線路T3と
    を備え、
    上記伝送線路T3の屈曲部と上記可変共振器の環状線路ないし1個の線路とが電気的に接続されている
    ことを特徴とする電気回路装置。
  24. 上記伝送線路T3の屈曲部と上記可変共振器の環状線路ないし1個の線路とが電気的に接続された部位およびその近傍における上記可変共振器の環状線路ないし1個の線路は、上記伝送線路T3と略平行ではない
    ことを特徴とする請求項23に記載の電気回路装置。
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