JP4722337B2 - ガラス母材製造装置及びガラス母材製造方法 - Google Patents

ガラス母材製造装置及びガラス母材製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス母材製造装置及びガラス母材製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来のガラス母材製造装置の構成を示す。ガラス母材製造装置は、チャック12と、バーナ22A〜22Dとを有する。チャック12は、出発母材2の両端を把持する。更に、チャック12は、出発母材2の軸を中心にして出発母材2を回転する。バーナ22A〜22Dは、出発母材2の長手方向に沿って一列に等間隔に配置される。原料ガス、燃料ガス、及び助燃ガスが、バーナ22A〜22Dに供給される。バーナ22A〜22Dは、出発母材2の長手方向に沿って往復移動しながら供給された原料ガスを加水分解して出発母材2に対してガラス微粒子を噴出する。バーナ22A〜22Dによって出発母材2の周囲にガラス微粒子が堆積されることにより堆積体10が形成される。
【0003】
出発母材2の周囲に堆積されたガラス微粒子を、熱処理して透明ガラス化することにより光ファイバの原材料として使用されるガラス母材が製造される。ガラス母材を線引きに適した形状に延伸及び縮径することにより光ファイバプリフォームが得られ、プリフォームを線引きすることにより光ファイバが製造される。
【0004】
図2は、全域トラバース法によるバーナ22A〜22Dのガラス微粒子の堆積量を示す。全域トラバース法の場合、全てのバーナ22A〜22Dが、ガラス母材製品として有効に使用できる有効部を越えて、ガラス微粒子を堆積する領域の一方の端から他方の端まで往復移動する。更に、有効部の範囲内においては、それぞれのバーナ22A〜22Dが固有の堆積量で均一の厚さに堆積する。そのため、各バーナ22A〜22Dのガラス微粒子の堆積量がそれぞれ異なっている場合においても、堆積されたガラス微粒子の全体の厚さは、バーナ22A〜22Dの移動方向に沿ってほぼ均一となる。
【0005】
図3は、部分トラバース法によるバーナ22A〜22Fのガラス微粒子の堆積量を示す。部分トラバース法の場合、バーナ22A〜22Fは、出発母材2の全体の長さに対して一部の区間を往復移動しながら出発母材2にガラス微粒子を堆積する。例えば、バーナ22A〜22Fの往復移動の開始位置を順次部分的に移動して出発母材2にガラス微粒子を堆積する(特開平3−228845号公報参照)。
【0006】
部分トラバース法は、図2に示した全域トラバース法と比較して、ガラス母材製品として使用できない不要部を増加せずにバーナの本数を増加できるので、ガラス微粒子を堆積する速度を飛躍的に増加することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、部分トラバース法では、それぞれのバーナ22A〜22Fが、有効部全体の長さに対して一部分の区間を往復移動する。そのため、図3に示すように、それぞれのバーナのガラス微粒子堆積量が異なる場合、堆積されたガラス微粒子の全体の厚さが、有効部の長手方向に沿って不均一となる。
【0008】
出発母材2の長手方向におけるガラス微粒子の堆積量が不均一であると、堆積体10を透明ガラス化して生成したガラス母材は、コアの周囲に積層されたクラッドの厚さが変動する。そのため、クラッドの厚さが不均一なガラス母材を延伸縮径してプリフォームを製造し、そのプリフォームを線引きして最終製品の光ファイバを製造すると、光ファイバのコア径が変動する。光はコア内を伝播するので、コア径が変動すると光ファイバに必要な所定の特性を得ることができない。したがって、有効部の長手方向に沿ってガラス微粒子の堆積量が不均一である場合、堆積量の厚みの大きい箇所を削って一様な厚さとする工程が必要となり、製造コストが増加する。
【0009】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるガラス母材製造装置及びガラス母材製造方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、光ファイバの原材料として使用されるガラス母材を製造する装置であって、ガラス母材の出発母材の長手方向に沿って出発母材の全体の長さに対して一部の区間を往復しながら出発母材にガラス微粒子を堆積することによってガラス母材の母材となる堆積体を形成する、出発母材の長手方向に沿って一列に所定の間隔で配列された複数のバーナと、複数のバーナのそれぞれに少なくとも1つが接続された、ガラス微粒子の原料ガスをバーナへ供給する流量を調節する流量調節器と、複数の流量調節器のそれぞれに接続された、複数の流量調節器のそれぞれを個別に制御する制御部とを備える。
【0011】
制御部は、基本の流量の原料ガスを、複数のバーナに供給するように複数の流量調節器を制御する第1の制御手段と、基本の流量に対して複数のバーナのそれぞれについて算出されたバーナに供給される原料ガスの流量の補正値に応じて複数の流量調節器のそれぞれを制御する第2の制御手段とを有することが好ましい。更に、第2の制御手段は、複数のバーナによって実際に堆積された堆積体を透明ガラス化したガラス母材の堆積比に基づいて複数の流量調節器のそれぞれについて前期補正値を算出することが好ましい。
【0012】
更に、第2の制御手段が、複数のバーナのそれぞれの位置に対応する、第1の制御手段を用いて流量調節器を制御することによって形成した堆積体を透明ガラス化した第1のガラス母材の堆積比と、第1の制御手段及び第2の制御手段を用いて流量調節器を制御することによって形成した堆積体を透明ガラス化した第2のガラス母材の堆積比との比率に応じて複数の流量調節器のそれぞれについて補正値を調整することが好ましい。
【0013】
また、制御部が、ガラス母材の外径及びコア径を測定するプリフォームアナライザに接続されてもよい。第2の制御手段は、基本の流量の50%以下となるように補正値を算出することが好ましい。バーナへ供給する原料ガスの量が時間の経過に伴って変化するように第1の制御手段が、流量調節器を制御してもよい。また、1つのバーナに対して複数の流量調節器が接続されてもよい。更に、複数の流量調節器が、異なった種類の原料ガスの流量をそれぞれ制御してもよい。ガラス母材製造装置は、出発母材の長手方向に沿って複数のバーナを第1の周期で往復させる第1の移動機構と、第1の移動機構を第1の周期より長い第2の周期で往復させる第2の移動機構とを更に備えることが好ましい。
【0014】
本発明の第2の形態による光ファイバの原材料として使用されるガラス母材を製造する方法は、ガラス母材の出発母材の長手方向に沿って複数のバーナを、出発母材の全体の長さに対して一部の区間を往復させながら複数のバーナからガラス微粒子を出発母材に噴出することで出発母材にガラス微粒子を堆積する堆積ステップと、ガラス微粒子の原料ガスを複数のバーナへ供給する流量を、複数のバーナのそれぞれについて個別に制御する流量制御ステップとを備えることが好ましい。
【0015】
ガラス母材製造方法は、堆積ステップにおいて堆積されたガラス微粒子の堆積体を透明ガラス化することによりガラス母材を生成するガラス化ステップを更に備え、流量制御ステップが、ガラス化ステップにおいて生成されたガラス母材の堆積比に基づいて原料ガスの流量を複数のバーナのそれぞれについて個別に制御することが好ましい。
【0016】
更に、堆積ステップが、基本の流量の原料ガスを、複数のバーナに供給することによりガラス微粒子を出発母材に堆積して第1バッチの堆積体を生成する第1バッチの堆積ステップを有し、ガラス化ステップが、第1バッチの堆積体を透明ガラス化して第1バッチのガラス母材を生成する第1バッチのガラス化ステップを有し、第1バッチのガラス化ステップによって生成された第1バッチのガラス母材の堆積比に基づいて基本の流量に対するバーナに供給する原料ガスの流量の補正値を、複数のバーナのそれぞれについて算出する補正値算出ステップを更に備えることが好ましい。
【0017】
更に、堆積ステップは、前記補正置算出ステップにおいて算出された前記補正値を前記基本の流量に対して補正した値に従って、原料ガスを複数のバーナにそれぞれ供給することによりガラス微粒子を出発母材に堆積して第2バッチの堆積体を生成する第2バッチの堆積ステップを更に有することが好ましい。更に、流量制御ステップは、第1バッチの堆積ステップにおいて基本の流量の原料ガスを、複数のバーナに供給するように原料ガスの流量を制御する第1バッチの制御ステップと、第2バッチの堆積ステップにおいて基本の流量に対して補正値を補正した値に従って複数のバーナのそれぞれに供給する原料ガスの流量を、それぞれ個別に制御する第2バッチの制御ステップとを有することが好ましい。また、補正値算出ステップは、第1バッチのガラス化ステップにより生成された第1のガラス母材の堆積比に基づいて複数のバーナのそれぞれについて前期補正値を算出することが好ましい。
【0018】
更に、ガラス母材製造方法において、ガラス化ステップが、第2バッチの堆積ステップにより生成された第2バッチの堆積体を透明ガラス化して第2バッチのガラス母材を生成する第2バッチのガラス化ステップを更に有し、複数のバーナのそれぞれの位置に対応する、第1バッチのガラス化ステップにおいて生成された第1バッチのガラス母材の堆積比と、第2バッチのガラス化ステップにおいて生成された第2バッチのガラス母材の堆積比との比率に基づいて複数のバーナのそれぞれについて補正値を算出する補正値算出ステップを更に備えることが好ましい。
【0019】
更に、ガラス母材製造方法において、堆積ステップが、補正値算出ステップにおいて算出された補正値を基本の流量に対して補正した値に基づいて、原料ガスを複数のバーナにそれぞれ供給することによりガラス微粒子を出発母材に堆積して第3バッチの堆積体を生成する第3バッチの堆積ステップを更に有し、流量制御ステップが、算出された補正値を基本の流量に対して補正した値に基づいて複数のバーナのそれぞれに供給する原料ガスの流量をそれぞれ個別に制御する第3バッチの制御ステップを更に有し、ガラス化ステップが、第3バッチの堆積ステップにより生成された第3バッチの堆積体を透明ガラス化して第3バッチのガラス母材を生成する第3バッチのガラス化ステップを更に有することが好ましい。
【0020】
また、補正値算出ステップは、基本の流量の50%以下となるように補正値を算出することが好ましい。第1バッチの制御ステップは、バーナへ供給する原料ガスの流量が時間の経過に伴って変化するように制御してもよい。第1バッチの堆積ステップ及び第2バッチの堆積ステップが、1つのバーナに対して複数の種類の原料ガスを供給し、第1バッチの制御ステップ及び第2バッチの制御ステップが、複数の種類の原料ガスのそれぞれの流量を個別に制御してもよい。
【0021】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図4は、本発明のガラス母材製造装置200の一実施形態を示す。ガラス母材製造装置200は、チャック12と、モータ14、20、及び118と、バーナ22A〜22Kと、ガス流量制御部52A〜52Kと、原料ガス供給源88A〜88Gと、制御部102と、第1の移動機構48と、第2の移動機構50と、反応容器210とを有する。
【0024】
チャック12は、出発母材2を把持する。モータ14は、出発母材2の軸を中心としてチャック12を回転することにより出発母材2を回転する。
【0025】
バーナ22A〜22Kは、台15上に出発母材2の長手方向に沿って一列に所定の間隔で配置される。バーナ22A〜22Kは、出発母材2の長手方向に沿って折り返し位置を移動しつつ出発母材2の全体の長さに対して一部の区間を往復移動する。すなわち、本実施形態のバーナ22A〜22Kは、部分トラバース法によって往復移動する。バーナ22A〜22Kは、出発母材2にガラス微粒子を堆積することにより堆積体10を形成する。
【0026】
第1の移動機構48は、出発母材2の長手方向に平行に配置された第1の移動軸16を有する。第1の移動軸16をモータ118によって回転することにより、第1の移動機構48は、出発母材の長手方向に平行に台15を第1の周期で往復させる。ここでいう周期とは、バーナ22A〜22Kを一往復するのに要する時間間隔をいう。第2の移動機構50は、第1の移動機構48の下部に設けられ、第1の移動機構48を往復移動する。第2の移動機構50は、第1の移動軸16の長手方向に対して平行に配置された第2の移動軸18を有する。
【0027】
第2の移動軸18を、モータ20を用いて回転することにより、第2の移動機構50は、第1の周期より長い第2の周期で第1の移動機構48を往復移動させる。したがって、第1の移動機構48は、速い速度でバーナ22A〜22Eを往復移動させ、第2の移動機構50は、第1の移動機構よりも遅い速度で第1の移動機構48を往復移動させる。
【0028】
ガス流量制御部52A〜52Kは、対応するバーナ22A〜22Kにそれぞれ接続され、原料ガスをバーナ22A〜22Kへそれぞれ供給する。原料ガスとして、ガラス微粒子の原料となるガス、燃焼ガス、及び支燃ガスがバーナに供給される。原料ガス供給源88A〜88Gは、それぞれ異なった7種類の原料ガスをガス流量制御部52A〜52Kのそれぞれに供給する。図4に示すように原料ガス供給源88A〜88Gは、全てのガス流量制御部52A〜52Kにそれぞれ接続されるので、全てのガス流量制御部52A〜52Kに対して異なった7種類の原料ガスをそれぞれ供給する。
【0029】
ガス流量制御部52A〜52Kは、それぞれ複数の流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86を有する。例えば、ガス流量制御部52Aは、流量調節器74A、76A、78A、80A、82A、84A、及び86Aを有する。流量調整器74A、76A、78A、80A、82A、84A、及び86Aは、対応する原料ガス供給源88A〜88Gにそれぞれ接続される。そのため、流量調整器74A、76A、78A、80A、82A、84A、及び86Aは、対応する原料ガス供給源88A〜88Gから供給された、異なった種類の原料ガスの流量をそれぞれ制御する。
【0030】
流量がそれぞれ流量調整器74A、76A、78A、80A、82A、84A、及び86Aによって制御された、原料ガス供給源88A〜88Gから供給された原料ガスの一部が合流してバーナ22Aへ供給される。燃料ガス及び支燃ガス等の合流しない原料ガスは、バーナ22Aが有する複数のノズルのそれぞれに供給される。図4に示す例では、流量調整器82A、84A、及び86Aから供給された原料ガスが合流してバーナ22Aのノズルに供給され、流量調整器74A、76A、78A、及び80Aから供給された各原料ガスが、合流せずにバーナ22Aの対応するノズルのそれぞれに供給される。原料ガスをバーナ22に供給する形態は、図4に示す例に限られず他の形態を用いてもよい。
【0031】
ガス流量制御部52B〜52Kは、それぞれガス流量制御部52Aと同様の構成を有するので、説明を省略する。また、図4において、ガス流量制御部52B〜52Kの内部構成は、ガス流量制御部52Aと同様であるので図示しない。
【0032】
なお、各バーナ22A〜22Kに供給する原料ガスの量を、図4に示すような流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86を用いずに、他の手段を用いて制御してもよい。例えば、原料ガスの供給配管上に分配器を配置し、更に分配器を介して各バーナ22A〜22Kに至るまでの配管上に調整可能なバルブ又はオリフィスを配置し、バルブ又はオリフィスの圧力損失を増減させることにより、原料ガスの各バーナ22A〜22Kへの供給量を調整してもよい。
【0033】
制御部102は、ガス流量制御部52A〜52Kが有する流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86のそれぞれに接続される。例えば、ガス流量制御部52A内において、制御部102は、流量調節器74A、76A、78A、80A、82A、84A、及び86Aのそれぞれに接続される。制御部102は、流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86における流量をそれぞれ個別に制御する。制御部102は、全ての流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86を制御しなくともよく、一部の流量調節器を制御してもよい。
【0034】
制御部102は、バーナ22A〜22Kに供給する原料ガスの量が時間の経過に伴って変化するように、流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86を制御してもよい。例えば、ガラス微粒子の堆積の成長に合わせて、堆積初期、堆積中期、及び堆積後期のそれぞれの段階において供給する原料ガスの流量を変化させてもよい。制御部102は、更にモータ14、20、及び118に接続され、チャック12、第1の移動軸16、及び第2の移動軸18の回転速度を制御する。
【0035】
反応容器210は、チャック12とバーナ22A〜22Kとを収容する。反応容器210は、原料ガスの反応時に発生する熱から第1の移動機構48、第2の移動装置50、ガス流量制御部52A〜52K等のガラス母材製造装置200の構成要素を隔離することによってガラス母材製造装置200の構成要素を防護する。反応容器210は、上記の全ての構成を収容する必要はなく、上記の構成のうち一部の構成を収容してもよい。
【0036】
更に、ガラス母材製造装置200は、ガラス母材の外径及びコア径を測定するプリフォームアナライザ100に接続されてもよい。ガラス母材製造装置200によって製造された堆積体10は、ガラス母材製造装置200とは、別体の焼結装置によって焼結されてガラス母材へと形成される。ガラス母材は、ガラス母材製造装置200とは別体のプリフォームアナライザ100によって外径及びコア径が測定される。プリフォームアナライザ100を制御部102に接続することによってプリフォームアナライザ100からガラス母材の外径及びコア径に関するデータを制御部102に入力することができる。プリフォームアナライザ100から入力したガラス母材の外径及びコア径に関するデータに基づいて制御部102は、流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86のそれぞれの流量を制御してもよい。
【0037】
図5は、バーナ22Aの往復移動による軌跡を示す。図4に示すガラス母材製造装置200は、11本のバーナ22A〜22Kを有する。しかし、説明を簡単にするため、1本のバーナ22Aの移動軌跡のみを示す。縦軸は、時間の経過を示し、横軸は、バーナ22Aの移動距離を示す。
【0038】
第1の移動機構48は、バーナ22Aを実線で示す第1の周期で往復させる。第1の移動周期による移動幅は、出発母材2の全体の長さに対して一部の区間である。第2の移動機構50は、第1の移動機構48を破線で示す第2の周期で往復させる。第2の移動周期による移動幅も、出発母材2の全体の長さに対して一部の区間である。第1の移動機構48の移動幅及び第2の移動機構50の移動幅の少なくとも一方は、バーナ設置間隔の整数倍であることが好ましい。第2の移動周期の移動幅は、バーナ22A〜22K同士の間隔の整数倍であることが好ましい。例えば、バーナ22A〜22K同士の間隔の1〜2倍であってもよい。図5では、第1の移動周期による移動幅が、第2の移動周期による移動幅よりも小さいが、、第1の移動周期による移動幅が、第2の移動周期による移動幅と等しくてもよい。バーナ22Aの移動の軌跡は、破線で示す第2の周期の軌跡上に、実線で示す第1の周期の軌跡を重ねた軌跡となる。したがって、本実施形態のガラス母材製造装置200は、第1の移動機構48及び第2の移動機構50を有するのでバーナ22A〜22Kの往復移動の折り返し位置を移動することができる。
【0039】
図6は、図4に示したガラス母材製造装置200を用いてガラス母材を製造する工程を示す。まず、基本の流量の原料ガスを、バーナ22A〜22Kのそれぞれに供給することによりガラス微粒子を出発母材に堆積して第1バッチの堆積体を生成する(S10)。基本の流量とは、各バーナ22A〜22Kへ供給する原料ガスの供給量を、バーナ22A〜22Kごとに異なる圧力損失を無視して同一にした流量である。したがって、バーナ22A〜22Kごとに圧力損失が異なる場合であっても、制御部102は、各ガス流量制御部52A〜52Kに対して同一の出力信号を与える。そのため、各ガス流量制御部52A〜52Kからバーナ22A〜22Kに対して同一の流量の原料ガスが、それぞれ供給される。
【0040】
次に、ガラス母材製造装置200とは別体の不図示の焼結装置を用いて第1バッチの堆積(S10)によって生成された第1バッチの堆積体を熱処理して透明ガラス化することによって第1バッチのガラス母材を生成する(S12)。
【0041】
堆積体10の厚みと透明ガラス化された後のガラス母材の厚みとの関係は、堆積体の嵩密度によって変化する。したがって、堆積体10を透明ガラス化する前の段階において、堆積体10の堆積量が出発母材2の長手方向に均一であるかどうかを判定することは困難である。
【0042】
更に、ガラス母材製造装置200とは別体のプリフォームアナライザ100を用いてガラス母材へレーザ光等を透過させ、透過させた光の位置のずれを測定することによりガラス母材内部の屈折率分布を求める。求められた屈折率分布からガラス母材の外径を求めることができる。そのため、プリフォームアナライザ100は、透明ガラス化される前の段階で白色の多孔質である堆積体10に対しては、光が透過できないので利用することができない。したがって、プリフォームアナライザ100を用いて堆積体10の堆積量が出発母材2の長手方向に均一であるかどうかを判定するためには、堆積体10を焼結して透明ガラス化する必要がある。
【0043】
次に、第1バッチのガラス母材の外径及びコア径を測定する(S14)。例えば、第1バッチのガラス母材の外径と第1バッチの出発母材2の外径又はコア径とをプリフォームアナライザ100を用いて測定する。この測定によって第1バッチのガラス母材の外径と第1バッチの出発母材2の外径又はコア径との比の分布、すなわち堆積比分布を測定する。測定された堆積比分布を各バーナ22A〜22Kの堆積範囲に対応させることによって、各バーナ22A〜22Kのガラス微粒子の堆積特性を知ることができる。
【0044】
堆積比分布は、以下の式に基づいて算出される。
【0045】
(式1) コアロッド率=(出発母材外径)/(ガラス母材外径)
(式2) 堆積比=(1/測定位置のコアロッド率)/(1/基準位置のコアロッド率)
ここで、コアロッドとは、出発母材2のことをいう。
【0046】
次に、算出された堆積比分布から得られた各バーナ22A〜22Kの堆積特性に基づいて、基本の流量に対するバーナ22A〜22Kに供給する原料ガスの流量の補正値を、バーナ22A〜22Kのそれぞれについて算出する(S16)。原料ガスの流量の補正値は、出発母材2の長手方向に沿ってガラス微粒子の堆積分布が均一となるように算出される。補正値算出ステップ(S16)では、調整範囲が基本の流量の50%以下となるように補正値を算出する。調整範囲が50%を超えると、あるバーナと隣接するバーナとの間で原料ガスの供給量が違う場合、ガラス母材を焼結する時に欠陥を生じやすい。
【0047】
次に、補正置算出ステップ(S16)において算出された補正値を基本の流量に対して補正した値に従って、原料ガスをバーナ22A〜22Kにそれぞれ供給することによりガラス微粒子を出発母材2に堆積して第2バッチの堆積体を生成する(S18)。ここで第2バッチの堆積(S18)を実施している間、基本の流量は、時間の経過に従って変化してもよい。しかし、第2バッチの堆積(S18)を実施している間、各バーナへ供給する原料ガスの流量の補正値は、時間に対して変化させない。すなわち、一旦補正値が、各流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86に設定されると、第2バッチの堆積(S18)が終了するまで補正値は変更しない。
【0048】
次に、第2バッチの堆積(S18)によって生成された第2の堆積体を、焼結装置を用いて透明ガラス化することによって第2バッチのガラス母材を生成する(S20)。次に、第2バッチのガラス母材の直径及びコア径を測定し、堆積比分布を計算する(S22)。
【0049】
次に、バーナ22A〜22Kそれぞれの位置に対応する第1バッチのガラス母材の堆積比と第2バッチのガラス母材の堆積比との比率に基づいて補正値を、バーナ22A〜22Kのそれぞれについて算出する(S24)。まず、第1バッチのガラス母材の堆積比と第2バッチのガラス母材の堆積比との比率が、バーナ22A〜22Kのそれぞれの位置において変化する率を算出する。この堆積比の比率の変化率は、第1のガラス母材におけるガラス微粒子堆積量と第2のガラス母材におけるガラス微粒子堆積量との比率が、バーナ22A〜22Kのそれぞれの位置において変化する率を示す。以下にガラス微粒子堆積量の比率の変化率を算出する式を示す。
【0050】
(式3) 堆積比の変化率=(第2のガラス母材の堆積比)/(第1のガラス母材の堆積比)
次に、算出した堆積比の変化率に基づいて、出発母材2の長手方向に沿ってガラス微粒子の堆積分布が均一となるように、バーナ22A〜22Kに供給する原料ガスの流量の補正値を調整する。
【0051】
次に、補正値算出ステップ(S24)において算出された補正値を基本の流量に対して補正した値に基づいて、原料ガスを複数のバーナにそれぞれ供給することによりガラス微粒子を出発母材に堆積して第3バッチの堆積体を生成する(S26)。ここで第3バッチの堆積(S26)を実施している間、基本の流量は、時間の経過に従って変化してもよい。しかし、第3バッチの堆積(S26)を実施している間、各バーナへの原料ガス供給量の補正値は、時間に対して変化させない。すなわち、一旦補正値が、各流量調節器74、76、78、80、82、84、及び86に設定されると、第3バッチの堆積(S26)が終了するまで補正値は変更しない。
【0052】
次に、第3バッチの堆積(S26)によって製造された第3バッチの堆積体を、焼結装置を用いて透明ガラス化することによって第3バッチのガラス母材を生成する(S28)。第3バッチの堆積(S26)、第3バッチのガラス化(S28)、及び補正値算出(S24)で説明した堆積焼結、補正値算出工程を複数バッチ繰り返すことによって、ガラス微粒子の堆積分布が均一なガラス母材を製造することができる。また、第3バッチの堆積(S26)、第3バッチのガラス化(S28)、補正値算出(S24)で説明した堆積、焼結、及び補正値算出工程でなく、第2バッチの堆積(S18)、第2バッチのガラス化(S20)、及び補正値算出(S16)工程で説明した堆積、焼結、及び補正値算出工程を繰り返してもよい。
【0053】
以上に述べたように、ガラス母材を実際に数バッチ製造するたびに、出発母材2の長手方向に沿ってガラス微粒子の堆積分布が均一となる条件を推定し、調整することで、ガラス微粒子の堆積分布が均一なガラス母材を製造することができる。
【0054】
参考例)図4に示すガラス母材製造装置200を用いて堆積体10を製造した。ただし、用いるバーナの本数を11本でなく、10本とした。バーナを、150mmの間隔に配置した。したがって、図4に示すバーナ22A〜22Kのうち、バーナ22A〜22Jを用いた。外径40mmの出発母材2にガラス微粒子を堆積することにより外径が平均180mmの堆積体10を生成した。
【0055】
各バーナ22A〜22Jへのガス供給量を、堆積体10の外径の増加に合わせて変化した。例えば、堆積初期においては、H:50Nl/min、O:30Nl/min、原料ガス(SiCl):3.5Nl/minとなるようにガス供給量を制御し、堆積終了時においては、ガス供給量が、H:100Nl/min、O:50Nl/min、原料ガス(SiCl):23Nl/minとなるように制御した。
【0056】
バーナ22A〜22Jの移動速度は、第1の移動機構48の移動速度が1、000mm/min、第2の移動機構50の移動速度が20mm/minとなるように設定した。また、第1の移動機構48及び第2の移動機構50の移動幅を共に150mmに設定した。ガラス微粒子を出発母材2に堆積している間、バーナ22A〜22Jと堆積体10との距離が一定となるように設定した。
【0057】
更に、ガス流量制御部52A〜52Jが有する全ての流量調節器74〜86に対して、同一の信号を出力することにより、全てのバーナ22A〜22Jに対して同一の流量の原料ガスを供給した。
【0058】
更に、出発母材2の回転数を堆積体10の外径の増加に合わせて制御した。例えば、堆積開始時において回転数が110rpmとなるように制御し、堆積終了時において回転数が30rpmとなるように制御した。
【0059】
上記の設定条件に基づき、堆積体10を製造し、製造した堆積体10を透明ガラス化することによりガラス母材を製造した。
【0060】
(実施例2)参考例の堆積比分布を、プリフォームアナライザ100を用いて測定した結果、図7に示すように2本の矢印で示した左から3番目のバーナ22Cと7番目のバ−ナ22Gに対応する位置の堆積比が、他の位置の堆積比より低いことが分かった。そこで、ガラス母材の長手方向に沿った堆積比分布が均一となるよう、バーナ22C及び22Gに対する原料ガスの供給条件を以下のように調整した。
【0061】
すなわち、10本のバーナ22A〜22Jのうち左から3番目のバーナ22Cと7番目のバ−ナ22Gが他のバーナのそれぞれ1.20倍及び1.10倍となるように、各流量調節器74〜86をそれぞれ設定した。ガラス微粒子を堆積している間、この流量比が一定に保たれた。バーナ22C及び22Gに対する原料ガスの供給条件以外の条件については、全て参考例と同様の条件に設定した。
【0062】
上記の設定条件に基づき、外径40mmの出発母材2にガラス微粒子を堆積することにより外径が平均180mmの堆積体10を製造した。更に、製造した堆積体10を透明ガラス化することによりガラス母材を製造した。
【0063】
(実施例3)
実施例2の堆積比分布を測定した結果、図7に示すように2本の矢印で示した左から3番目のバーナ22Cと7番目のバ−ナ22Gに対応する位置を中心とした領域の堆積比が、他の位置の堆積比より低いことが分かった。そこで、ガラス母材の長手方向に沿った堆積比分布が均一となるようバーナ22A〜22Jに対する原料ガスの供給条件を下記のように調整した。
【0064】
すなわち、バーナ22A〜22Jの供給条件を、基本の供給量を1として、バーナ22Aが1.04倍、バーナ22Bが1.04倍、バーナ22Cが1.08倍、バーナ22Dが0.97倍、バーナ22Eが0.90倍、バーナ22Fが0.97倍、バーナ22Gが1.18倍、バーナ22Hが1.00倍、バーナ22Iが0.93倍、バーナ22Jが0.90倍となるように各バーナ22A〜22Jに対応する流量調節器をそれぞれ調整した。ガラス微粒子を堆積している間、この流量比が一定に保たれた。原料ガスの供給条件以外の条件は、全て実施例2と同様の条件に設定した。
【0065】
上記の設定条件に基づき、外径40mmの出発母材2にガラス微粒子を堆積することにより外径が平均180mmの堆積体10を製造した。更に、製造した堆積体10を透明ガラス化することによりガラス母材を製造した。
【0066】
図7は、参考例及び実施例2の各堆積比の変化を示す。図7のうち四角のポイントで示された線は、実施例2で製造されたガラス母材をプリフォームアナライザ100で測定することにより得られた堆積比分布を示す。一方、三角のポイントで示された線は、参考例で製造されたガラス母材をプリフォームアナライザ100で測定することにより得られた堆積比分布を示す。図中の矢印は、それぞれ左から3番目及び7番目のバーナ22C及び22Gの位置に対応する。
【0067】
図7に示すように参考例では、矢印で示した左から3番目のバーナ22C及び7番目のバーナ22Gの位置に対応する範囲の堆積比が低いので、ガラス母材の長手方向に沿って、ガラス微粒子の堆積量が均一でない。
【0068】
そのため、実施例2では、ガス流量制御部52C及び52Gが有する流量調整器74C〜86C及び74G〜86Gを調整することにより、左から3番目のバーナ22C及び7番目のバーナ22Gに対する原料ガス供給量を増加した。そのため、矢印で示すバーナ22C及び22Gの位置において比較すると、実施例2の堆積比が、参考例の堆積比と比べて増加したことが分かる。すなわち、バーナ22C及び22Gの位置に対応する範囲では、実施例2のガラス微粒子の堆積量が、参考例のガラス微粒子の堆積量と比べて増加したことが分かる。バーナ22C及び22Gのガラス微粒子の堆積量が増加したので、実施例2の堆積比分布は、参考例の堆積比分布に比べガラス母材の長手方向に均一となった。
【0069】
図8は、参考例の堆積比と実施例2の堆積比との変化率を示す。すなわち、図8は、実施例2の部分的な堆積比の増加が参考例の堆積比に対してどの程度増えたのかを示す。堆積比の変化率を得るために、バーナ22A〜22Jのそれぞれの位置に対応させて実施例2の堆積比が、参考例の堆積比に対して変化した比率を求めた。図8に示すように3番目のバーナ22C及び7番目のバーナ22Gに対応する矢印で示した箇所の変化率が高くなった。
【0070】
図9は、実施例3及び参考例の各堆積比の変化を示す。図9のうち四角のポイントで示された線は、実施例3で製造されたガラス母材をプリフォームアナライザ100で測定することにより得られた堆積比分布を示す。一方、三角のポイントで示された線は、参考例で製造されたガラス母材をプリフォームアナライザ100で測定することにより得られた堆積比分布を示す。実施例3は、実施例2の結果に基づいて、各バーナ22A〜22Gへの原料ガス供給量が調整された。そのため、図9に示すように、実施例3の堆積比分布は、ガラス母材の長手方向に対して実質的に均一となった。
【0071】
図10は、実施例3の堆積比と参考例の堆積比との変化率を示す。すなわち、図10は、実施例3の部分的な堆積比の増加が参考例の堆積比に対してどの程度増えたのかを示す。上記堆積比の変化率を得るために、バーナ22A〜22Jのそれぞれの位置に対応させて実施例3の堆積比が、参考例の堆積比に対して変化した比率を求めた。図10に示すようにバーナ22C及びバーナ22Gを中心として実施例3の各バーナ22A〜22Jの変化率が増加したことが分かる。
【0072】
以上説明した参考例、実施例2、及び実施例3を、図6のフローチャートに対応させると、参考例は、第1バッチの堆積(S10)及び第1バッチのガラス化(S12)によって第1バッチのガラス母材を製造することに対応する。更に、実施例2は、第1バッチのガラス母材の外径及びコア径の測定(S14)、補正値算出(S16)、第2バッチの堆積(S18)、及び第2バッチのガラス化(S20)によって第2バッチのガラス母材を製造することに対応する。更に、実施例3は、第2バッチのガラス母材の外径及びコア径測定(S22)、補正値算出(S24)、第3バッチの堆積(S26)、及び第3バッチのガラス化(S28)によって第3バッチのガラス母材を製造することに対応する。
【0073】
したがって、参考例、実施例2、及び実施例3と補正値を調整するたびに図7及び図9に示すようにガラス微粒子の堆積比分布がより均一となることが分かる。したがって、図4から図6に示す本実施形態によって、堆積比分布が均一のガラス母材を製造することができる。
【0074】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば堆積比分布が均一のガラス母材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のガラス母材製造装置の構成を示す。
【図2】全域トラバース法によるバーナ22A〜22Dのガラス微粒子の堆積量を示す。
【図3】部分トラバース法によるバーナ22A〜22Fのガラス微粒子の堆積量を示す。
【図4】本発明のガラス母材製造装置200の一実施形態を示す。
【図5】バーナ22A〜22Eの往復移動による軌跡を示す。
【図6】図4に示したガラス母材製造装置200を用いたガラス母材を製造する工程を示す。
【図7】実施例1及び実施例2の各堆積比の変化を示す。
【図8】実施例1の堆積比と実施例2の堆積比との変化率を示す。
【図9】実施例3及び実施例1の各堆積比の変化を示す。
【図10】実施例3の堆積比と実施例1の堆積比との変化率を示す。
【符号の説明】
2・・・出発母材、10・・・堆積体、12・・・チャック、14、20、118・・・モータ、15・・・台、16・・・第1の移動軸、18・・・第2の移動軸、22・・・バーナ、48・・・第1の移動機構、50・・・第2の移動機構、52・・・ガス流量制御部、74、76、78、80、82、84、86・・・流量調節器、88・・・原料ガス供給源、100・・・プリフォームアナライザ
102・・・制御部、200・・・ガラス母材製造装置、210・・・反応容器

Claims (18)

  1. 光ファイバの原材料として使用されるガラス母材を製造する装置であって、
    前記ガラス母材の出発母材の長手方向に沿って前記出発母材の全体の長さに対して一部の区間を往復しながら前記出発母材にガラス微粒子を堆積することによって前記ガラス母材の母材となる堆積体を形成する、前記出発母材の長手方向に沿って一列に所定の間隔で配列された複数のバーナと、
    前記複数のバーナのそれぞれに少なくとも1つが接続された、前記ガラス微粒子の原料ガスを前記複数のバーナへ供給する流量を調節する流量調節器と、
    複数の前記流量調節器のそれぞれに接続された、前記複数の流量調節器のそれぞれを個別に制御する制御部とを備え
    前記制御部は、
    基本の流量の前記原料ガスを、前記複数のバーナに供給するように前記複数の流量調節器を制御する第1の制御手段と、
    前記基本の流量に対して前記複数のバーナのそれぞれについて算出された前記複数のバーナのそれぞれに供給される前記原料ガスの流量の補正値に応じて前記複数の流量調節器のそれぞれを制御する第2の制御手段とを有し、
    前記第2の制御手段が、前記複数のバーナによって実際に堆積された前記堆積体を透明ガラス化した前記ガラス母材の堆積比に基づいて前記複数の流量調節器のそれぞれについて前記補正値を算出する
    ことを特徴とするガラス母材製造装置。
  2. 前記第2の制御手段が、前記複数のバーナのそれぞれの位置に対応する、前記第1の制御手段を用いて前記流量調節器を制御することによって形成した前記堆積体を透明ガラス化した第1のガラス母材の堆積比と、前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段を用いて前記流量調節器を制御することによって形成した前記堆積体を透明ガラス化した第2のガラス母材の堆積比との比率に応じて前記複数の流量調節器のそれぞれについて前記補正値を調整することを特徴とする請求項1に記載のガラス母材製造装置。
  3. 前記制御部が、前記ガラス母材の外径及びコア径を測定するプリフォームアナライザに接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載のガラス母材製造装置。
  4. 前記第2の制御手段が、前記基本の流量の50%以下となるように前記補正値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス母材製造装置。
  5. 前記複数のバーナへ供給する前記原料ガスの量が時間の経過に伴って変化するように前記第1の制御手段が、前記流量調節器を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス母材製造装置。
  6. 1つのバーナに対して複数の前記流量調節器が接続されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス母材製造装置。
  7. 前記複数の流量調節器が、異なった種類の前記原料ガスの流量をそれぞれ制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス母材製造装置。
  8. 前記出発母材の長手方向に沿って前記複数のバーナを第1の周期で往復させる第1の移動機構と、
    前記第1の移動機構を前記第1の周期より長い第2の周期で往復させる第2の移動機構とを更に備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス母材製造装置。
  9. 光ファイバの原材料として使用されるガラス母材を製造する方法であって、
    前記ガラス母材の出発母材の長手方向に沿って複数のバーナを、前記出発母材の全体の長さに対して一部の区間を往復させながら前記複数のバーナからガラス微粒子を前記出発母材に噴出することで前記出発母材に前記ガラス微粒子を堆積する堆積ステップと、
    前記ガラス微粒子の原料ガスを前記複数のバーナへ供給する流量を、前記複数のバーナのそれぞれについて個別に制御する流量制御ステップとを備え
    前記堆積ステップにおいて堆積された前記ガラス微粒子の堆積体を透明ガラス化することによりガラス母材を生成するガラス化ステップを更に備え、
    前記流量制御ステップが、前記ガラス化ステップにおいて生成された前記ガラス母材の堆積比に基づいて前記原料ガスの流量を前記複数のバーナのそれぞれについて個別に制御する
    ことを特徴とするガラス母材製造方法。
  10. 前記堆積ステップが、基本の流量の前記原料ガスを、前記複数のバーナに供給することにより前記ガラス微粒子を前記出発母材に堆積して第1バッチの堆積体を生成する第1バッチの堆積ステップを有し、
    前記ガラス化ステップが、前記第1バッチの堆積体を透明ガラス化して第1バッチのガラス母材を生成する第1バッチのガラス化ステップを有し、
    前記第1バッチのガラス化ステップによって生成された前記第1バッチのガラス母材の堆積比に基づいて前記基本の流量に対する前記複数のバーナに供給する前記原料ガスの流量の補正値を、前記複数のバーナのそれぞれについて算出する補正値算出ステップを更に備えたことを特徴とする請求項に記載のガラス母材製造方法。
  11. 前記堆積ステップが、前記補正算出ステップにおいて算出された前記補正値を前記基本の流量に対して補正した値に従って、前記原料ガスを前記複数のバーナにそれぞれ供給することにより前記ガラス微粒子を前記出発母材に堆積して第2バッチの堆積体を生成する第2バッチの堆積ステップを更に有することを特徴とする請求項10に記載のガラス母材製造方法。
  12. 前記流量制御ステップが、
    前記第1バッチの堆積ステップにおいて前記基本の流量の前記原料ガスを、前記複数のバーナに供給するように前記原料ガスの流量を制御する第1バッチの制御ステップと、
    前記第2バッチの堆積ステップにおいて前記基本の流量に対して前記補正値を補正した値に従って前記複数のバーナのそれぞれに供給する前記原料ガスの流量を、それぞれ個別に制御する第2バッチの制御ステップとを有することを特徴とする請求項11に記載のガラス母材製造方法。
  13. 前記補正値算出ステップが、前記第1バッチのガラス化ステップにより生成された前記第1バッチのガラス母材の堆積比に基づいて前記複数のバーナのそれぞれについて前記補正値を算出することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載のガラス母材製造方法。
  14. 前記ガラス化ステップが、前記第2バッチの堆積ステップにより生成された前記第2バッチの堆積体を透明ガラス化して第2バッチのガラス母材を生成する第2バッチのガラス化ステップを更に有し、
    前記複数のバーナのそれぞれの位置に対応する、前記第1バッチのガラス化ステップにおいて生成された前記第1バッチのガラス母材の堆積比と、前記第2バッチのガラス化ステップにおいて生成された前記第2バッチのガラス母材の堆積比との比率に基づいて前記複数のバーナのそれぞれについて前記補正値を算出する補正値算出ステップを更に備えたことを特徴とする請求項11または12に記載のガラス母材製造方法。
  15. 前記堆積ステップが、前記補正値算出ステップにおいて算出された前記補正値を前記基本の流量に対して補正した値に基づいて、前記原料ガスを前記複数のバーナにそれぞれ供給することにより前記ガラス微粒子を前記出発母材に堆積して第3バッチの堆積体を生成する第3バッチの堆積ステップを更に有し、
    前記流量制御ステップが、前記算出された前記補正値を前記基本の流量に対して補正した値に基づいて前記複数のバーナのそれぞれに供給する前記原料ガスの流量をそれぞれ個別に制御する第3バッチの制御ステップを更に有し、
    前記ガラス化ステップが、前記第3バッチの堆積ステップにより生成された前記第3バッチの堆積体を透明ガラス化して第3バッチのガラス母材を生成する第3バッチのガラス化ステップを更に有することを特徴とする請求項11または12に記載のガラス母材製造方法。
  16. 前記補正値算出ステップが、前記基本の流量の50%以下となるように前記補正値を算出することを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載のガラス母材製造方法。
  17. 前記第1バッチの制御ステップが、前記複数のバーナへ供給する前記原料ガスの流量が時間の経過に伴って変化するように制御することを特徴とする請求項12に記載のガラス母材製造方法。
  18. 前記第1バッチの堆積ステップ及び前記第2バッチの堆積ステップが、1つのバーナに対して複数の種類の前記原料ガスを供給し、
    前記第1バッチの制御ステップ及び前記第2バッチの制御ステップが、前記複数の種類の原料ガスのそれぞれの流量を個別に制御することを特徴とする請求項12に記載のガラス母材製造方法。
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