JP4721243B2 - 電動変速機の変速制御方法および装置 - Google Patents

電動変速機の変速制御方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ギアシフトを電動モータにより電気的に行なう電動変速機の変速制御方法および装置に係り、特に、シフト動作が正規に終了しなかった際に、これを検知して再びシフト動作を自動的に実行する電動式変速機の変速制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シフトアップまたはシフトダウン操作に応答してギアシフトを電気的に行なう電動式変速装置が、特開平5−39865号公報に開示されている。さらに、シフト操作のみならず、クラッチの断続もモータで行なうようにした電動式変速装置が、本出願人による特開平11−82709号公報に開示されている。
【0003】
上記した従来の電動式変速機では、電動モータを所望のシフト方向へ駆動すると、ラチェト機構を介してシフトドラムが間歇的に回動され、シフトドラムに係合されたシフトフォークが所定位置まで平行移動される。前記シフトフォークの先端にはスリーブが係合されており、前記シフトフォークの平行移動に連動してスリーブを平行移動させ、所望の変速段に応答したギアと歯合させることにより、エンジンの駆動力が所定の減速比で駆動輪へ伝達される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した電動変速機では、シフトドラムが正規の間歇角度まで回動され、シフトフォークにより移動されたスリーブとギアとが一時的に歯合されても、両者の回転差や歯合時の位相差によっては、一旦は歯合されたスリーブがギアから弾かれ、エンジンの駆動力が駆動輪へ伝達されなくなる、疑似的なニュートラル状態(以下、「ハーフニュートラル」と表現する場合もある)となる場合がある。
【0005】
このような場合、変速時にシフト操作が要求される従来のセミオートの電動変速機であれば、ハーフニュートラル状態に気付いた運転者がシフト操作を繰り返すことにより、ハーフニュートラル状態から脱出することを必要とする。
【0006】
これに対して、変速が車速やスロットル開度をパラメータとして自動的に行われるフルオートの電動変速機では、ハーフニュートラル状態に陥っても運転者の意思で変速動作を繰り返させることができないので、ハーフニュートラル状態から素早く脱出することができない。
【0007】
本発明の目的は、上記した従来の技術課題を解決し、シフト動作が正常に終了せずにハーフニュートラル状態に陥った際、これを検知して再びシフト動作を自動的に実行するようにした電動変速機の変速制御方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、電動モータを所望のシフト方向へ駆動し、シフトドラムを間歇的に回動させてギア段を変速する電動変速機の変速制御方法および装置において、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
【0009】
(1) シフトドラムの回転位置を監視し、シフトドラムが所望のギア段に対応した位置以外に滞留すると、前記電動モータを前記シフト方向へ再駆動することを特徴とする。
【0010】
(2) シフトドラムの回転位置を検知する検知手段と、前記シフトドラムが正規の回転位置以外に滞留していると、前記電動モータを前記シフト方向へ再駆動する再シフト手段とを含むことを特徴とする。
【0011】
上記した特徴によれば、シフトドラムがハーフニュートラルの位置にあるか否かが電気的に検知され、ハーフニュートラル位置にあれば、再シフトのための動作が自動的に行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の電動式変速装置が搭載される車両の操作部の平面図である。
【0013】
当該車両は、ギアシフトが車速やスロットル開度に応じて自動的に行われる“オート”モード、および運転者のシフト操作に応答して行われる“セミオート”モードを備える。
【0014】
操作部50には、ギアのシフトモードを“オート”または“セミオート”に設定するためのモード設定スイッチ57と、“セミオート”モードにおいて操作されるシフトアップスイッチ51およびシフトダウンスイッチ52とが設けられている。“セミオート”モードでは、前記各シフトスイッチ51、52を押下してオン操作するごとに、シフトポジションがそれぞれ1段づつ上下にシフトする。操作部50には更に、前照灯の向きを切り換えるディマースイッチ53と、前照灯の点灯/非点灯を切り換えるライティングスイッチ54と、エンジンのスタートスイッチ55およびストップスイッチ56とが設けられている。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態である電動変速機の駆動系の主要部の構成を示した部分断面図である。
【0016】
電気アクチュエータとしての駆動モータ1は、減速ギア機構2を介してシフトスピンドル3を正逆転方向へ回動させる。シフトスピンドル3の回転位置(角度)は、その一端に設けられたアングルセンサ28によって検知される。シフトスピンドル3から垂直に伸びたクラッチアーム6の一端には、シフトスピンドル3の回転運動を直進運動に変換する変換機構8が設けられている。変換機構8は、駆動モータ1によってシフトスピンドル3がニュートラル位置から回動されると、その回動方向とは無関係に、変速クラッチ5の接続を回動過程で解除し、再びニュートラル位置まで逆向きに回動される過程で接続状態に戻す。クラッチアーム6および変換機構8は、シフトスピンドル3が予定角度(例えば、±6度)まで回動された時点で変速クラッチ5の接続が解除されるように構成されている。
【0017】
シフトスピンドル3に固定されたマスターアーム7の一端は、シフトドラム軸12に設けられたラチェット機構9と係合し、駆動モータ1によってシフトスピンドル3が回動されると、その回動方向に応じた方向へシフトドラム10を回動させる。マスターアーム7およびラチェット機構9は、シフトスピンドル3がニュートラル位置からいずれかの方向へ回動されたときはシフトスピンドル3と係合してシフトドラム10を回動し、ニュートラル位置へ戻る方向へ回動されたときは、係合状態を解除してシフトドラム10を当該位置にとどめる。
【0018】
図28は、前記ラチェット機構9の主要部の構成をシフトドラム軸12に垂直な面に沿って示した図であり、シフトドラム軸12の端部には、端面が波状に凹凸加工されたカムプレート902が固定されている。カムプレート902の表面には、シフトドラム軸12を囲むように、これと垂直に複数のシフトピン901が立設されている。
【0019】
前記マスターアーム7の一端905には、引き爪905aおよび押し爪905bが形成されており、マスターアーム7が前記シフトスピンドル3の正転に連動して前進すると、前記押し爪905bがシフトピン901と係合してカムプレート902を反時計回りに回動させ、これによりシフトドラム10も反時計回りに回動される。これに対して、マスターアーム7がシフトスピンドル3の逆転に連動して後退すると、引き爪905aがシフトピン901と係合してカムプレート902を時計回りに回動させ、これによりシフトドラム10も時計回りに回動される。
【0020】
前記カムプレート902の近傍では、ストッパアーム907が揺動軸904により揺動自在に軸支されており、その揺動端には、前記カムプレート902の凹部に係合してカムプレート902の回転を阻止するカムストッパ903が設けられている。前記ストッパアーム907は、スプリング908により前記揺動軸904を中心に図中時計回りに常時付勢されている。
【0021】
前記シフトドラム軸12には、その回転位置を検知するシフトドラムセンサ906が設けられている。シフトドラムセンサ906は、例えばロータリーエンコーダにより構成することができ、本実施形態では、図30に示したように、カムプレート902の所定の凹部にカムストッパ903が係合した正規の変速位置(N,1,2,3,4)において、その変速段に応答した出力電圧を発生する。そして、図29のように、カムストッパ903がカムプレート902の凸部に乗り上げているハーフニュートラル(HF)状態では、シフトドラム10の回転位置にかかわらず、一定の低レベル電圧を出力する。
【0022】
各シフトフォーク11の先端は、図4に関して後述する各スリーブ30の外周溝31に係合し、シフトドラム10の回動に応じて各シフトフォーク11が軸方向に平行移動されると、シフトドラム10の回転方向および回転角度に応じて、いずれかのスリーブがメーンシャフト4上で平行移動する。
【0023】
図4は、前記スリーブ30の斜視図であり、メーンシャフト(図示省略)に対して軸方向に摺動可能な状態で挿貫されている。スリーブ30の外周側面には、前記シフトフォークの先端が係合される溝31が円周方向に沿って形成されている。スリーブ30の軸穴の外周部には、図5に関して後述するギア40の凹側ダボ42と係合する複数の凸側ダボ32が、環状フランジ33と共に一体的に形成されている。
【0024】
図5は、前記ギア40の斜視図であり、メーンシャフト(図示省略)上の所定位置に回転自在に軸支されている。ギア40の軸穴の外周部には、前記スリーブ30の凸側ダボ32と係合する複数の凹側ダボ42が、環状フランジ43と一体的に形成されている。図3は、前記スリーブ30およびギア40が各ダボ32、42によって相互に係合した状態を示した概念図である。
【0025】
一方、図9、10は、それぞれ従来のスリーブ38およびギア48の斜視図であり、スリーブ38では、複数の凸側ダボ39が、ギアの軸穴と同軸状にそれぞれ独立して設けられている。しかしながら、各凸側ダボ39を独立的に構成しようとすると、十分な強度を確保するためには各凸側ダボ39の底面積を比較的大きくしなければならない。このため、従来技術では凸側ダボ39およびギア48のダボ穴49の回転方向に関する幅の占める割合が大きくなり、凸側ダボ39は、図示したように、4つ程度を設けていた。
【0026】
図12は、従来のスリーブ38の凸側ダボ39とギア48のダボ穴49との相対的な位置関係を模式的に表現した図であり、ダボ穴49の回転方向の幅D2は凸側ダボ39の幅D1の約2倍程度であった。このため、凸側ダボ39がダボ穴49内に係合(ダボイン)できない期間Taが、ダボインできる期間Tbに比べて長かった。
【0027】
これに対して、本実施形態では各凸側ダボ32が環状フランジ33によって一体的に形成されているので、図13に示したように、十分な強度を保ったまま凸側ダボ32の回転方向の幅D3およびギア40の凹側ダボ42の幅D4を十分に短くすることができる。このため、凸側ダボ32をダボ穴46にダボインできない期間Taを、ダボインできる期間Tbに比べて短くすることができ、ダボインできる確率を向上させることが可能になる。
【0028】
また、本実施形態では、ダボ穴46の回転方向の幅D5と凸側ダボ32の幅D3との差を狭くすることができるので、両者の係合後における遊びを小さくすることができ、変速ショックや変速ノイズの低減が可能になる。
【0029】
さらに、本実施形態では、図6に示したように、凸側ダボ32のテーパを凸状に湾曲させる一方で、図7に示したように、凹側ダボ42のテーパを直線状にしたので、図8に示したように、各ダボ32、42を軸方向に線接触させることができる。このため、応力の集中を防止することができ、ダボ強度を実質的に向上させると共に、耐久性や耐摩耗性の向上が可能になる。
【0030】
このような構成において、前記スリーブ30がシフトフォーク11によって予定位置まで平行移動され、スリーブ30の凸側ダボ32がギア40のダボ穴46にダボインすると、良く知られるように、メーンシャフト4に対して空転状態で支持されていたギアがスリーブによって当該メーンシャフト4に係合されて同期回転する。この結果、クラッチシャフトからカウンタシャフト(共に図示せず)に伝達された回転力が、当該ギアを介してメーンシャフト4に伝達される。
【0031】
なお、図示は省略するが、本発明が制御対象とする電動式変速装置の搭載される車両のエンジンは4サイクルであり、クランクシャフトからメインシャフトへの動力伝達系には、クランク軸上の遠心クラッチおよびメインシャフト上のクラッチを介してエンジンの動力が伝達される。したがって、エンジン回転数が所定値以下の場合は、遠心クラッチがメインシャフト上のクラッチへの動力伝達をカットしている。したがって、車両停止中であればギアを何速へもシフトすることが可能になる。
【0032】
図14は、本発明の一実施形態である電動変速機の制御系の主要部の構成を示したブロック図であり、図15は、図14に示したECU100の構成例を示したブロック図である。
【0033】
図14において、ECU100のMOTOR(+)端子およびMOTOR(−)端子には前記駆動モータ1が接続され、センサ信号端子S1,S2,S3,S4,S5には、それぞれ車速を検知する車速センサ26、エンジン回転数を検知するNe センサ27、前記シフトスピンドル3の回転角度を検知する前記アングルセンサ28、前記シフトドラム10の回転位置を検知するシフトドラムセンサ906およびスロットル開度を検知するスロットルセンサ909が接続されている。変速指令端子G1,G2には、前記シフトアップスイッチ51およびシフトダウンスイッチ52が接続されている。
【0034】
バッテリ21は、メインヒューズ22、メインスイッチ23およびヒューズボックス24を介してECU100のMAIN端子に接続されると共に、フェールセーフ(F/S)リレー25およびヒューズボックス24を介してVB端子にも接続されている。フェールセーフ(F/S)リレー25の励磁コイル25aはRELAY端子に接続されている。
【0035】
ECU100内では、図15に示したように、前記MAIN端子およびRELAY端子が電源回路106に接続され、電源回路106はCPU101に接続されている。前記センサ信号端子S1,S2,S3,S4,S5は、インターフェース回路102を介してCPU101の入力端子に接続されている。前記変速指令端子G1,G2は、インターフェース回路103を介してCPU101の入力端子に接続されている。
【0036】
スイッチング回路105は、それぞれ直列接続されたFET▲1▼,FET▲2▼およびFET▲3▼,FET▲4▼を相互に並列接続して構成され、並列接続の一端は前記VB端子に接続され、他端はGND端子に接続されている。FET▲1▼,FET▲2▼の接続点はMOTOR(−)端子に接続され、FET▲3▼,FET▲4▼の接続点はMOTOR(+)端子に接続されている。各FET▲1▼〜FET▲4▼は、CPU101によってプリドライバ104を介して選択的にPWM制御される。CPU101は、メモリ107に記憶された制御アルゴリズムに基づいて各FET▲1▼〜FET▲4▼を制御する。
【0037】
次いで、本発明の電動変速機による変速制御方法を、図16〜22,26のフローチャートおよび図27の動作タイミングチャートを参照して説明する。
【0038】
図16は、自動変速制御のメインフローであり、ステップS1では、変速モードが“オート”または“セミオート”のいずれであるかが判定され、“オート”モードであれば、ステップS2において、現在の車速Vとスロットル開度θthとに基づいて目標変速段Gt が判定される。ステップS3では、現在の変速段G0と目標変速段Gt とが比較され、両者が一致していれば、変速が不要なのでステップS6へ進む。変速段G0 と目標変速段Gt とが一致していなければ、自動変速を行うべくステップS4へ進む。ステップS4では、G0 >Gt であれば、シフトダウンが必要と判定され、G0 <Gt であれば、シフトアップが必要と判定される。
【0039】
一方、前記ステップS1において、“セミオート”と判定されると、ステップS7では、前記いずれかのシフトスイッチ51,52が操作されたか否かが判定され、操作されていればステップS5へ進む。ステップS5では、前記ステップS4における判定結果、あるいは前記ステップS7において、操作されたと判定されたシフトスイッチに基づいて“シフトアップ/ダウン制御”が実行される。
【0040】
次いで、図17のフローチャートを参照して、前記“シフトアップ/ダウン制御”について説明する。
【0041】
ステップS10では、再シフトフラグFretry がリセットされる。この再シフトフラグFretry は、後に詳述するように、自動変速が不完全なまま終了したときに、再びシフト動作を実行するためにセットされる。ステップS11では、今回のシフト方向が判定され、シフトアップであればステップS13へ進み、シフトダウンであれば、ステップS12において、エンジン回転数Ne を変数Ne1として記憶した後にステップS13へ進む。
【0042】
ステップS13では、シフト方向に応じて、ECU100内の前記スイッチング回路105を構成する各FETが、図27の時刻t1 から選択的にPWM制御される。すなわち、シフトアップであれば、FET▲1▼、▲3▼を遮断したまま、FET▲2▼、▲4▼が100%のデューティー比でPWM制御される。この結果、駆動モータ1はシフトアップ方向への回動を開始し、これに連動してシフトスピンドル3もシフトアップ方向への回動を開始する。
【0043】
一方、シフトダウンであれば、FET▲2▼、▲4▼を遮断したまま、FET▲1▼、▲3▼が100%のデューティー比でPWM制御される。この結果、駆動モータ1は、前記シフトアップ方向とは逆向きのシフトダウン方向へ回動を開始し、これに連動してシフトスピンドル3もシフトダウン方向への回動を開始する。
【0044】
このように、デューティー比を100%に設定すると、シフトスピードを速くすることができ、クラッチを素早く切り離すことができる。なお、本実施形態では、シフトスピンドルが5〜6度だけ回動するとクラッチが切れるように設計されている。
【0045】
ステップS14では、第1タイマ(図示せず)が計時を開始し、ステップS15では、前記シフトスピンドル3の回動角度θ0 が前記アングルセンサ28により検知される。ステップS16では、検知された回動角度θ0 が第1基準角度θREF (本実施形態では、±14度)を超えた(+14度以上または−14度以下;以後、単に±××度以上と表現する)か否かが判定される。
【0046】
ここで、回動角度θ0 が±14度以上と判定されると、シフトフォーク11によって平行移動されたスリーブが正規の挿嵌(ダボイン)位置まで達している可能性が高いのでステップS17へ進む。これに対して、±14度以上に達していないと、スリーブが正規の挿嵌位置まで達していないと判断できるので、後述する図19のステップS30へ進む。
【0047】
スリーブが正規の挿嵌位置まで平行移動されことが、図7の時刻t2 において、前記シフトスピンドルの回動角度θ0 が±14度以上であることに基づいて検知されると、ステップS17では、前記第1タイマがリセットされる。ステップS18では、回動中の駆動モータ1に制動をかけるために、今回のシフト方向に応じて、前記スイッチング回路105の各FETが選択的にPWM制御される。
【0048】
すなわち、シフトアップ中であれば、FET▲2▼、▲3▼は遮断したまま、FET▲1▼、▲4▼が100%のデューティー比でPWM制御される。一方、シフトダウン中であれば、FET▲1▼、▲3▼は遮断したまま、FET▲2▼、▲4▼が100%のデューティー比でPWM制御される。この結果、駆動モータ1が短絡されて回転負荷となるので、シフトスピンドル3のシフトアップ方向またはシフトダウン方向への駆動トルクに制動作用が働き、シフトスピンドル3がストッパに当接する際の衝撃が弱まるので、強度的にもノイズ的にも有利になる。なお、ストッパに当接する際のシフトスピンドル3の回転角度は18度である。
【0049】
図18のステップS19では、制動時間を規定するための第2タイマが計時を開始する。ステップS20では、第2タイマの計時時間が15msを超えたか否かが判定される。第2タイマの計時時間が15ms超えるまではステップS21へ進み、後に詳述する“エンジン回転数(Ne )制御”が実行される。ステップS26では、後に詳述する”再シフト判定”が実行される。その後、時刻t3 において計時時間が15msを超え、これがステップS20において検知されると、ステップS22において前記第2タイマがリセットされる。
【0050】
ステップS23では、今回のシフト方向に応じて前記スイッチング回路105の各FETが選択的にPWM制御される。すなわち、シフトアップ中であれば、FET▲1▼、▲3▼を遮断したまま、FET▲2▼、▲4▼が70%のデューティー比でPWM制御される。一方、シフトダウン中であれば、FET▲2▼、▲4▼を遮断したまま、FET▲1▼、▲3▼が70%のデューティー比でPWM制御される。この結果、スリーブがギア側へ、比較的弱いトルクで押し付けられるので、ダボインまでに各ダボに加わる負荷が軽減されるうえ、ダボイン状態を確実に保持できるようになる。
【0051】
ステップS24では第3タイマが計時を開始し、ステップS25では、第3タイマの計時時間が70msを超えたか否かが判定される。計時時間が70msを超えていなければ、ステップS46へ進んでNe 制御が実行される。ステップS47では、後に詳述する”再シフト判定”が実行される。その後、計時時間が70msを超え、これがステップS25において検知されると、ステップS27において前記第3タイマがリセットされる。ステップS28では、時刻t4 において、後述するクラッチON制御が開始される。
【0052】
なお、本実施形態における前記第3タイマのタイムアップ時間は、前記図13に関して説明した、ダボインできない期間Taに基づいて決定されている。すなわち、上記タイムアップ時間(70ms)は、少なくとも期間Taが経過する時間は押し付け制御が実行されるように設定されている。この間、凸側ダボと凹側ダボとが当接されることになるが、デューティー比が70%まで減ぜられているので、各ダボに加わる負荷は小さく、強度的に有利になる。
【0053】
また、第3タイマのタイムアップ時間は固定値に限らず、例えばギアが1〜3速の範囲であれば70msでタイムアップし、4〜5速の範囲であれば90msでタイムアップするといったように、ギア段の関数として可変的に設定されるようにしても良い。
【0054】
一方、図17の前記ステップS16において、回転角度θ0 が第1基準値未満であると判定されると、当該処理は図19のステップS30へ進む。
【0055】
ステップS30では、前記第1タイマによる計時時間が200msを超えたか否かが判定され、初めは超えていないと判定されるので、ステップS31においてNe 制御を実行し、さらに、ステップS37において再シフト判定を実行した後に、図17のステップS16へ戻る。
【0056】
その後、第1タイマの計時時間が200msを超え、今回のシフトチェンジが失敗に終ったと判断されると、ステップS32において第1タイマがリセットされる。ステップS33では、後述する再突入カウンタのカウント値が参照され、リセット状態(=0)であれば、再突入制御が未実行であると判断されてステップS34へ進み、後述する再突入制御が初めて実行される。これは、シフトチェンジに時間がかかると運転者に違和感を抱かせる場合があるからである。
【0057】
一方、再突入カウンタがセット状態(=1)であれば、再突入制御を実行したにもかかわらずシフトチェンジが成功しなかったものと判定され、シフトチェンジを行なうことなくクラッチを接続するためにステップS35へ進む。ステップS35では再突入カウンタがリセットされ、ステップS36では、後述するクラッチON制御が実行される。
【0058】
次いで、図20のフローチャートを参照して前記再突入制御の制御方法を説明する。再突入制御とは、シフトフォークによって軸方向へ平行移動されるスリーブが正規の嵌合位置まで移動できなかった場合に、移動トルクを一時的に減じた後で再び所定トルクを加えて再移動(突入)を試みる処理である。
【0059】
ステップS40では、PWM制御下にあるFET、すなわちシフトアップ中であればFET▲2▼、▲4▼、シフトダウン中であればFET▲1▼、▲3▼のデューティー比が20%に減じられる。この結果、シフトフォーク11によってスリーブに加えられる駆動トルクが弱まる。
【0060】
ステップS41では、第4タイマが計時を開始する。ステップS42では、第4タイマの計時時間が20msを超えたか否かが判定される。計時時間が20msを超えていなければ、ステップS43へ進んでNe 制御が実行される。また、計時時間が20msを超えると、ステップS44において前記第4タイマがリセットされる。ステップS45では、前記再突入カウンタがセットされる。その後、当該処理は図17の前記ステップS13へ戻り、駆動モータ1が再び100%のデューティー比でPWM制御されるので、スリーブには当初の大きなトルクが加えられることになる。
【0061】
本実施形態では、上記したようにシフトチェンジが正常に行われないと、スリーブの押しつけトルクを一時的に弱めた後、再び強いトルクで押し付けるようにしたので、スリーブの再突入が容易に行えるようになる。
【0062】
次いで、前記Ne 制御およびクラッチON制御の動作を詳細に説明する前に、各制御の趣旨および概略動作を、図23、24を参照して説明する。
【0063】
図27に示したように、本実施形態では、時刻t1 でシフトスピンドルの回動を開始すると、時刻t11でクラッチの接続が解除され、時刻t3 でシフトスピンドルの回動が完了する。その後、時刻t4 まで押しつけ制御を実行した後、クラッチの接続制御へ移行する。
【0064】
このとき、変速ショックを和らげるためにはクラッチを低速で接続する、換言すれば、シフトスピンドル3の回転速度を遅くする必要がある。一方、変速速度はシフトスピンドル3の回転速度に依存するため、素早い変速を実現するためには、シフトスピンドル3の回転速度を早くする必要がある。
【0065】
そこで、本発明では上記した2つの条件を同時に満足すべく、図27に示したように、時刻t4 からt5 までの、クラッチ接続される角度範囲の近傍まではシフトスピンドル3を高速回転させ、時刻t5 以降の、クラッチが接続状態へ至る角度範囲ではシフトスピンドル3を低速回転させることにした。このような2段リターン制御により、本実施形態では変速ショックの低減と変速時間の短縮とを両立している。
【0066】
さらに、本実施形態では変速モードがセミオートモードであるときに、各ドライバのアクセル操作に応じて、クラッチの接続タイミングを最適なタイミングに制御するようにしている。
【0067】
図23、24は、それぞれシフトアップおよびシフトダウン時に実行されるクラッチON制御およびNe 制御によってシフトスピンドル位置θ0 およびエンジン回転数Ne が変化する様子を示した図である。
【0068】
図23に示したように、シフトアップ時は、アクセルを戻してシフトアップスイッチ51をオン操作し、その後、変速動作が実行されてクラッチが再接続された後でアクセルを開けることが一般的であり、その際のエンジン回転数Ne は実線aで示した通りに変化する。このとき、シフトスピンドルは実線A,Bで示した通りに制御される。
【0069】
しかしながら、ドライバによっては、アクセルを戻すことなくシフトアップスイッチ51を操作したり、クラッチが再接続される前にアクセルを開ける場合も考えられ、このような場合、ドライバは速やかなシフトチェンジを望んでいるのでクラッチを素早く接続することが望ましい。
【0070】
そこで、本実施形態では、エンジン回転数Ne が実線bのように変化した場合には、ドライバがアクセルを戻すことなくシフトアップスイッチ51を操作したと判定し、また、エンジン回転数Ne が実線cのように変化した場合には、クラッチが接続されるタイミングよりも早くアクセルが開かれたと判定し、それぞれ、実線C,Dで示したように、クラッチを直ちに接続するクイックリターン制御を実行するようにした。
【0071】
一方、図24に示したように、シフトダウン時もアクセルを戻してシフトダウンスイッチ52をオン操作し、その後、変速動作が実行されてクラッチが再接続された後でアクセルを開けることが一般的であり、その際のエンジン回転数Ne は実線aで示した通りに変化する。このとき、シフトスピンドルは実線A,Bで示した通りに2段制御される。
【0072】
しかしながら、シフトダウン時にエンジンが空吹かしされる場合もあり、このような場合には、クラッチを素早く接続してもシフトショックが少ないので、素早くクラッチ接続することが望ましい。
【0073】
そこで、本実施形態では、エンジン回転数Ne が実線b,cのように変化した場合には、ドライバがエンジンを空吹かしさせたと判定し、それぞれ、実線C,Dで示したようなクイックリターン制御を実行するようにした。
【0074】
次いで、上記した2段リターン制御およびクイックリターン制御を実現するNe 制御およびクラッチON制御の動作を詳細に説明する。図21は、前記ステップS21、S46、S31、S43で実行されるNe 制御の制御方法を示したフローチャートである。
【0075】
ステップS49では、現在のシフトモードが参照され、オートモードであれば、当該Ne 制御が不要なので当該処理を直ちに終了し、セミオートモードであればステップS50へ進む。ステップS50では、今回のエンジン回転数Ne が計測される。
【0076】
ステップS51では、これまでに計測されたエンジン回転数Ne のピークホールド値Nepおよびボトムホールド値Nebが、前記今回のエンジン回転数Ne に基づいて更新される。ステップS52では、シフトアップ中およびシフトダウン中のいずれであるかが判定され、シフトアップ中であればステップS56へ進み、シフトダウン中であればステップS53へ進む。
【0077】
ステップS56では、前記ステップS50で検知された今回のエンジン回転数Ne と前記ステップS51で更新されるボトムホールド値Nebとの差分(Ne −Neb)が50rpm 以上であるか否かが判定される。
【0078】
当該判定は、シフトアップ時にアクセルが閉じられているか否かの判定であり、前記差分が50rpm 以上であれば、ドライバがアクセルを戻すことなくシフトアップスイッチ51を操作したか、あるいはクラッチが接続されるタイミングよりも早くアクセルが開かれたものと判定される。この場合は、クラッチを直ちに接続すべくステップS55へ進み、クイックリターンフラグFをセットした後に当該処理を終了する。また、差分が50rpm 未満であれば、通常の制御を継続すべく、クイックリターンフラグFをセットすることなく、当該エンジン回転数制御を終了する。
【0079】
一方、前記ステップS52においてシフトダウン中と判定されると、ステップS53では、前記今回のエンジン回転数Ne と前記ステップS12で記憶されたエンジン回転数Ne1との差(Ne −Ne1)が300rpm 以上であるか否かが判定され、前記差分が300rpm 以上であれば、さらにステップS54において、前記ステップS51で更新されるピークホールド値Nepと今回のエンジン回転数Ne との差(Nep−Ne )が50rpm 以上であるか否かが判定される。
【0080】
当該判定は、シフトアップ時にドライバがエンジンを空吹かししたか否かの判定であり、前記ステップS53、54の判定がいずれの肯定であると、シフトアップ時にドライバが空吹かしをしたと判定されてステップS55へ進み、前記クイックリターンクフラグFをセットした後に当該処理を終了する。
【0081】
図22は、前記ステップS28、S36で実行されるクラッチON制御の制御方法を示したフローチャートである。
【0082】
ステップS70では、車速が略0であるか否かが判定される。本実施形態では、車速が3km/h以下であれば略0と判定してステップS88へ進み、シフトスピンドル3の目標角度θT にニュートラル位置をセットした後にステップS72へ進む。これは、車両が略停止した状態でのシフトであり、このような場合にはシフトショックが生じないことから、素早くシフトチェンジする方が望ましいためである。
【0083】
また、前記ステップS70において、車速が3km/h以上と判定されると、ステップS71において、シフトスピンドル3の回動がストッパによって制限される角度(本実施形態では、±18度)から6度だけ戻った第2基準角度(すなわち、±12度)を目標角度θT にセットした後にステップS72へ進む。
【0084】
ステップS72では、後述する再シフト制御が実行される。ステップS73では、アングルセンサ28によって現在のシフトスピンドル3の回転角度θ0 が検知される。ステップS74では、前記Ne 制御が実行される。
【0085】
ステップS75では、比例積分微分(PID)制御用のPID加算値が求められる。すなわち、前記ステップS73で検知された現在の回転角度θ0 および目標角度θT の差分(θ0 −θT )として表される比例(P)項、P項の積分値である積分(I)項およびP項の微分値である微分(D)項が、それぞれ求められて加算される。ステップS76では、前記求められたPID加算値に基づいて、PWM制御のデューティー比が決定され、ステップS77において、PWM制御が実行される。
【0086】
図25は、前記PID加算値とデューティー比との関係を示した図であり、PID加算値の極性が正であれば、その値に応じて正のデューティー比が選択され、PID加算値の極性が負であれば、その値に応じて負のデューティー比が選択される。ここで、デューティー比の極性は、PWM制御されるFETの組み合わせを示し、例えば50%のデューティー比とは、FET▲2▼,FET▲4▼が50%のデューティー比でPWM制御されることを意味し、−50%とデューティー比とは、FET▲1▼,FET▲3▼が50%のデューティー比でPWM制御されることを意味する。
【0087】
ステップS78では、第6タイマの計時時間が100msを超えたか否かが判定され、最初は第6タイマが計時を開始していないのでステップS79へ進む。ステップS79では、第5タイマの計時が開始される。ステップS80では、第5タイマの計時時間が10msを超えたか否かが判定され、初めは超えていないのでステップS72へ戻り、前記ステップS72〜S80の各処理が繰り返される。
【0088】
その後、図27の時刻t5 において、第5タイマの計時時間が10msを超えると、ステップS81では第5タイマがリセットされ、ステップS82では、クイックリターンクフラグFがセット状態にあるか否かが判定される。ここで、クイックリターンクフラグFがセット状態にあると、ステップS83では、クイックリターン制御を実行すべく、現在の目標角度から2ないし4度だけ減じた角度が新たな目標角度として登録され、クイックリターンクフラグFがセット状態ではないと、ステップS84において、現在の目標角度から0.2度だけ減じた角度が新たな目標角度として登録される。
【0089】
ステップS85では、目標角度がニュートラル角度に近いか否かが判定され、目標角度がニュートラル角度に十分に近付くまで前記ステップS72〜S85の処理が繰り返される。その後、目標角度がニュートラル角度に十分に近付くと、ステップS86では、目標角度としてニュートラル角度が登録され、ステップS87では、第6タイマが計時を開始する。
【0090】
一方、前記ステップS78において、第6タイマの計時時間が100msを超えたと判定されると、ステップS90では、第6タイマがリセットされる。ステップS91では、クイックリターンクフラグFがリセットされ、ステップS92では、スイッチング回路105のPWM制御が終了される。
【0091】
次いで、図26のフローチャートを参照して、前記再シフト判定処理について説明する。本実施形態の再シフト判定とは、シフト動作が正常に終了しているか否かに基づいて、シフト動作をやり直す必要が有るか否かを判定する処理であり、本実施形態では、シフトドラムの回転角度に基づいて、シフト動作が正常に終了しているか否かを判定する。
【0092】
ステップS93では、前記図28〜図30に関して説明したシフトドラムセンサ906の出力信号に基づいて、シフトドラム10の回転位置がハーフニュートラル位置か否かが判定される。ここで、図29に示したように、ストッパ903がカムプレート902の凸部に乗り上げているハーフニュートラル状態と判定されると、ステップS95では、シフトドラム10がハーフニュートラル状態で滞留している時間を計測すべくタイマThalfがインクリメントされる。ステップS96では、タイマThalfと基準値Tref とが比較され、最初はタイマThalfが基準値Tref よりも小さいので、そのまま当該処理を終了する。
【0093】
その後、シフトドラム10がハーフニュートラル状態から脱すると、ステップS94においてタイマThalfがリセットされるが、シフトドラム10がそのままハーフニュートラル状態に滞留し、ステップS96において、タイマThalfが基準値Tref を超えると、ハーフニュートラル状態と判定されてステップS97へ進む。ステップS97では、再シフトフラグFretry がセットされる。
【0094】
図16に戻り、以上のようにして、ステップS5の“シフトアップ/ダウン制御”が終了すると、ステップS6では再シフトフラグFretry が参照され、再シフトフラグFretry が、前記ステップS97においてセットされていれば、再シフトを実行すべくステップS3へ戻り、前記ステップS3〜S6の処理を繰り返す。
【0095】
このように、本実施形態によれば、シフトドラム10の回転位置に基づいてハーフニュートラル状態であるか否かが判定され、ハーフニュートラル状態と判定されれば再シフト動作が自動的に実行されるので、ギアシフトが車速やスロットル開度に基づいて自動的に行われるフルオートの電動変速機においても、ハーフニュートラル状態からの素早い脱出が可能になる。
【0096】
なお、高速走行時または高エンジン回転時にギアがニュートラル状態からシフトされると、比較的大きなエンジンブレーキが作用してエンジンに過大な負荷が加わる。そこで、本実施形態では車速が10km/h以上またはエンジン回転数が3000rpm以上であると、シフトアップスイッチ51がオン操作されても前記図17の制御を阻止する変速禁止システムが設けられている。
【0097】
図11は、前記変速禁止システムの機能ブロック図である。ニュートラル検知部81は、ギアがニュートラル位置にあると“H”レベルの信号を出力する。車速判定部82は、車速が10km/h以上であると“H”レベルの信号を出力する。エンジン回転数判定部83は、エンジン回転数が3000rpm以上であると“H”レベルの信号を出力する。
【0098】
OR回路84は、車速判定部82またはエンジン回転数判定部83の出力が“H”レベルであると“H”レベルの信号を出力し、AND回路85は、OR回路84の出力およびニュートラル検知部81の出力が“H”レベルであると“H”レベルの信号を出力する。変速禁止部86は、AND回路85の出力が“H”レベルであると、シフトアップスイッチ51がオン操作されても前記図17の制御を阻止する。
【0099】
但し、1速からの加速中で、車速が10km/h以上あるいはエンジン回転数が3000rpm以上で誤ってニュートラルへシフトしてしまった場合は再加速に時間がかかってしまうので、上記した変速禁止システムを付加するのであれば、車速走行中(例えば、車速が3km/h以上)の場合にはニュートラルへのシフトを禁止するシステムを更に付加しても良い。
【0100】
なお、上記した実施形態では、シフトドラムセンサ906がシフトドラム10の回転位置(ギア段)に対応した電圧を不連続に発生するものとして説明したが、図31に示したように、センサ自身はシフトドラム10の回転位置に応じて連続した電圧を出力し、その後段にコンパレータ等を設けて、ギア段に応じた不連続の電圧を発生させるようにしても良い。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、シフトドラムの回転位置に基づいてハーフニュートラル状態であるか否かが判定され、ハーフニュートラル状態と判定されれば再シフト動作が自動的に実行される。したがって、ギアシフトが車速やスロットル開度に基づいて自動的に行われるフルオートの電動変速機においては、ハーフニュートラル状態からの素早い脱出が可能になり、セミオートの電動変速機においては、シフト操作の繰り返しが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電動式変速装置が搭載される車両の操作部の平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態である電動式変速装置の駆動系の主要部の構成を示した部分断面図である。
【図3】 スリーブとギアとが係合した状態の概念図である。
【図4】 本発明のスリーブの斜視図である。
【図5】 本発明のギアの斜視図である。
【図6】 スリーブの凸側ダボ32の部分拡大図である。
【図7】 ギアの凹側ダボ42の部分拡大図である。
【図8】 凸側ダボ32と凹側ダボ42との係合状態を示した図である。
【図9】 従来のスリーブの斜視図である。
【図10】 従来のギアの斜視図である。
【図11】 変速禁止システムの機能ブロック図である。
【図12】 従来のスリーブとギアとの係合タイミングを模式的に示した図である。
【図13】 本発明のスリーブとギアとの係合タイミングを模式的に示した図である。
【図14】 本発明の一実施形態である電動式変速装置の制御系の主要部の構成を示したブロック図である。
【図15】 図14に示したECU100の構成例を示したブロック図である。
【図16】 本発明の一実施形態のメインフローである。
【図17】 本発明の一実施形態のフローチャート(その1)である。
【図18】 本発明の一実施形態のフローチャート(その2)である。
【図19】 本発明の一実施形態のフローチャート(その3)である。
【図20】 本発明の一実施形態のフローチャート(その4)である。
【図21】 本発明の一実施形態のフローチャート(その5)である。
【図22】 本発明の一実施形態のフローチャート(その6)である。
【図23】 シフトスピンドルおよびエンジン回転数の動作タイミングチャート(シフトアップ時)である。
【図24】 シフトスピンドルおよびエンジン回転数の動作タイミングチャート(シフトダウン時)である。
【図25】 PID加算値とデューティー比との関係を示した図である。
【図26】 再シフトの判定方法を示したフローチャートである。
【図27】 本発明によるシフトスピンドルの動作タイミングチャートである。
【図28】 ラチェット機構の主要部の構成を示した図である。
【図29】 ハーフニュートラル状態を示した図である。
【図30】 シフトドラムの回転位置とシフトドラムセンサの出力との関係を示した図である。
【図31】 シフトドラムセンサの他の構成例を示した図である。
【符号の説明】
1…駆動モータ,2…減速ギア機構,3…シフトスピンドル,5…変速クラッチ,9…ラチェット機構,10…シフトドラム,11…シフトフォーク,12…シフトドラム軸,28…アングルセンサ,30…スリーブ,40…ギア,51…シフトアップスイッチ,52…シフトダウンスイッチ,902…カムプレート,906…シフトドラムセンサ

Claims (2)

  1. 電動モータをPWM制御により所望のシフト方向へ駆動し、シフトドラムを間歇的に回動させて変速する電動変速機の変速制御方法において、
    前記シフトドラムの回転位置を監視し、シフトドラムが所望のギア段に対応した回転位置以外に滞留すると、前記電動モータが、その駆動トルクを強弱させながらも発生させ続けて前記シフト方向へ再駆動されるように、前記PWM制御のデューティー比を増減させることを特徴とする電動変速機の変速制御方法。
  2. 電動モータをPWM制御により所望のシフト方向へ駆動し、シフトドラムを間歇的に回動させてギア段を変速する電動変速機の変速制御装置において、
    前記シフトドラムの回転位置を検知する検知手段と、
    前記シフトドラムが正規の回転位置以外に滞留していると、前記電動モータを前記シフト方向へ再駆動させる再シフト手段とを含み、
    前記再シフト手段は、前記電動モータが、その駆動トルクを強弱させながらも発生させ続けて前記シフト方向へ再駆動されるように、前記PWM制御のデューティー比を増減させることを特徴とする電動変速機の変速制御装置。
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