JP4720965B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータにより操舵補助力を発生する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置において、操舵補助力発生用の電動モータが過負荷により過熱するのを防止するため、そのモータへの指示電流の上限値を予め設定した制限条件に従って制限することが行われている。
【0003】
例えば、その制限条件として制限開始時におけるモータの連続駆動時間や通電電流の積算値等のモータ負荷に対応する変量の設定値を予め定め、その変量が設定値に至ったならば、その指示電流の上限値を低減することで、そのモータや制御装置の過熱を防止している。その制限条件の決定に際しては、モータの負荷時における雰囲気温度の上昇分を推定し、モータが過熱することのない連続駆動時間や通電電流の積算値を予め定めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、その制限条件を決定するに際しては、その雰囲気温度をモータの仕様上の最高温度であると想定していた。そうすると、実際の雰囲気温度が、制限条件を決定するために用いられた想定雰囲気温度よりも低い場合、モータへの指示電流値が過度に制限されることになる。そのため、操舵補助力が不足して操舵フィーリングが低下する。
【0005】
そこで、そのモータの雰囲気温度を検出可能な温度センサを設け、その制限条件を、その雰囲気温度が低い程に緩和することが本件発明者により提案されている。しかし、その温度センサをモータの制御装置のハウジング内のような閉じた空間に配置した場合、制御装置の発熱により温度センサの配置空間に熱が蓄積されてしまう。そうすると、その温度センサの検出温度が、車両の通常走行状態において雰囲気温度がとり得る値を超えてしまい、雰囲気温度を正確に検出することができなくなり、温度センサを設けた意味がなくなってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動パワーステアリング装置は、車両の操舵補助力発生用の電動モータへの指示電流の上限値を、予め設定した制限条件に従って制限する制御装置と、その電動モータの雰囲気温度を検出する温度センサと、その温度センサによる検出温度が予め定めた設定値を超えるか否かを判断する手段と、車両が予め定めた設定時間を超えて走行しているか否かを判断する手段とを備え、その温度センサによる検出温度が前記設定値を超え、且つ、車両が前記設定時間を超えて走行している場合、その検出温度よりも低く設定される仮想雰囲気温度が前記雰囲気温度として設定され、その温度センサによる検出温度が前記設定値を超え、且つ、車両が予め定めた設定時間を超えて走行していない場合、および、その温度センサによる検出温度が予め定めた設定値以下の場合、その検出温度が前記雰囲気温度として設定され、その制限条件は、その設定された雰囲気温度が低い程に緩和されるように設定されることを特徴とする。
本発明の構成によれば、電動モータへの指示電流の上限値を過負荷防止のために制限する際に、その制限を設定された雰囲気温度に応じて行うことができる。これにより、その指示電流が過度に制限されるのを防止し、操舵フィーリングの低下を抑制できる。
そして、車両が予め定めた設定時間を超えて走行しているにも関わらず、温度センサによる検出温度が予め定めた設定値を超えた場合は、その検出温度よりも低い仮想雰囲気温度を雰囲気温度とみなして制限条件が設定される。これにより、温度センサによる検出温度が、車両の通常走行状態においてとり得る雰囲気温度を超えた場合でも、適正に制限条件を緩和することができる。
【0007】
その仮想雰囲気温度は前記設定値とされるのが好ましい。これにより、その制限条件を確実に車両の通常走行状態においてとり得る雰囲気温度に基づき緩和できる。
【0008】
その予め定めた設定時間は零とされ、その仮想雰囲気温度は時間の経過に伴って減少するように設定されるのが好ましい。これにより、車両が僅かの時間でも走行していれば制限条件を緩和でき、また、設定される雰囲気温度を時間の経過に伴って減少させるので、その制限条件を過度に緩和することもない。
【0009】
前記温度センサは前記制御装置のハウジング内に配置されているのが好ましい。これにより、制御装置が発熱しても適正に制限条件を緩和することができる。
【0010】
その制限条件として、その制限開始時におけるモータの通電電流の積算値に対応する基準電流、その指示電流の上限値の最小値、および、その指示電流の上限値を低下させた後に最大値まで増大させる際の増大速度が予め設定され、その通電電流の積算値が基準電流の二乗値を超えた時に、その指示電流の上限値の最大値からの低減が開始され、その通電電流の積算値が指示電流の上限値の最小値の二乗値を超えた時に、その指示電流の上限値は最小値とされ、しかる後に、その増大速度で最大値まで増大され、その基準電流は設定された雰囲気温度が低い程に大きくされ、その指示電流の上限値の最小値は、その設定された雰囲気温度が低い程に大きくされ、その増大速度は、その設定された雰囲気温度が低い程に速くされるのが好ましい。
これにより、そのモータへの指示電流の上限値の過負荷防止のための制限を、確実に設定された雰囲気温度に応じた適正なものにできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示す電動パワーステアリング装置1においては、車両のステアリングホイールHに連結されるステアリングシャフト2が、ステアリングギヤ3を介して車輪4に連結されている。そのステアリングギヤ3は、本実施形態ではラックピニオン式とされ、そのステアリングシャフト2はユニバーサルジョイント5を介してピニオン6に接続され、そのピニオン6に噛み合うラック7にリンク機構を介して車輪4が連結される。これにより、ステアリングホイールHの回転がステアリングシャフト2およびピニオン6を介してラック7に伝達され、そのラック7の移動により車輪4のトー角が変化することで操舵がなされる。そのステアリングギヤ3は、ドライバーの操舵により作動する部材の動きを舵角が変化するように車輪に伝達できるものであればよく、例えばボールスクリュー式としてもよい。
【0012】
操舵補助力発生用の電動モータ10の出力が、出力伝達機構を介して車輪4に伝達される。その出力伝達機構は、そのステアリングシャフト2に設けられる従動ギヤ11と、この従動ギヤ11に噛み合う駆動ギヤ12とを有し、その駆動ギヤ12がモータ10により駆動されることで操舵補助力が発生する。その出力伝達機構はモータ10の出力を舵角が変化するように車輪4に伝達できればよく、例えば、ラックピニオン式ステアリングギヤのラックに一体化されるスクリューと、そのスクリューにねじ合わされるナットとを有し、そのナットがモータ10により駆動されるものでもよい。
【0013】
その操舵補助力を決定するための操舵補助基準値として、ステアリングシャフト2により伝達される操舵トルクを検出するトルクセンサ21と、車速を検出する車速センサ22が、車載制御装置23に接続されている。なお、その操舵補助基準値は操舵補助力を決定するための基準となるものであれば特に限定されず、例えば舵角を採用してもよい。
【0014】
その制御装置23に、モータ10の電流値を検出する電流検出センサ25と、モータ10の雰囲気温度を検出可能な温度センサ26とが接続されている。その温度センサ26は、本実施形態では、その制御装置23のハウジング23a内に配置しているが、モータ10の雰囲気温度を検出可能な位置に配置すればよい。
【0015】
その制御装置23は、上記トルクセンサ21により検出された操舵トルクと車速センサ22により検出された車速とに応じた指示電流値を演算する。すなわち制御装置23は、その操舵トルクと車速と指示電流値との間の予め設定された関係を記憶し、その記憶した関係と検出された操舵トルクと車速とから指示電流値を演算する。その記憶される関係は、例えば、操舵トルクが大きく車速が小さい程に操舵補助力が大きくなるように定められる。制御装置23は、そのモータ10へのバッテリーからの電力供給路を開閉するスイッチング素子を内蔵し、その電流検出センサ25により検出された電流値と演算した指示電流値との偏差を演算し、その偏差をなくすように指示電圧を求め、スイッチング素子をPWM制御することで求められた指示電流に応じた指示電圧をモータ10へ出力する。
【0016】
その制御装置23は、そのモータ10への指示電流の上限値を制限するための制限条件を記憶し、その制限条件に従ってモータ10への指示電流の上限値を制限する。その制限条件は、モータ10の過負荷による過熱を防止できるように予め設定される。
【0017】
本実施形態では、そのモータ10の通電電流Imの積算値が予め定めた基準電流Iaの二乗値を超えた時に、その指示電流の上限値を最大値Imaxから最小値Iminまで減少させることを開始する。また、その積算値が予め定めた指示電流の上限値の最小値Iminの二乗未満になった時に、その指示電流の上限値を最小値Iminから最大値Imaxまで増大させることを開始する。その制限条件として、その基準電流Ia、その指示電流の上限値の最小値Imin、および、その指示電流の上限値を最小値Iminから最大値Imaxまで増大させる際の増大速度が予め設定される。その指示電流の上限値の最大値Imaxは、電動パワーステアリング装置1が必要とする最大操舵補助力に応じたモータ10の仕様から予め定められる。それら制限条件と指示電流の上限値の最大値Imaxは制御装置23に記憶される。
【0018】
ここで、その通電電流Imの積算値はモータ10の発熱量に相関し、そのモータ10の発熱量は通電電流Imの二乗に相関する。よって、Mを通電電流Imの積算値、sをラプラス演算子、G(s)を伝達関数として、M=G(s)・Im2 により通電電流Imの積算値を近似的に求めることができる。本実施形態においては、G(s)=1/{(1000+s)・s}として通電電流Imの積算値M=Im2 /{(1000+s)・s}を求め、その積算値Mが上記基準電流Iaの二乗値を超えた時、すなわちIm2 /{(1000+s)・s}>Ia2 となった時に、その指示電流の上限値の制限を開始する。なお、その伝達関数G(s)は一例であり、通電電流Imの積算値を近似的に求めることができるものであればよい。
その基準電流Iaの二乗値は、予め定めた雰囲気温度において、その指示電流の上限値の最大値Imaxを通電した状態で、モータ10を許容される時間taだけ連続駆動した場合におけるモータ10の通電電流の積算値に対応するように定められる。
その指示電流の上限値の最小値Iminは、予め定めた雰囲気温度において、その最小値Iminを通電した状態でモータ10の連続駆動が許容されるように設定される。その予め定めた雰囲気温度において、その指示電流の上限値が最小値Iminとされた状態においては、モータ10の発熱量に相関する通電電流Imの二乗値が指示電流の上限値の最小値Iminの二乗値よりも小さくなれば、モータ10を連続駆動することができる。よって、本実施形態においては、そのモータ10の発熱量に相関する通電電流Imの積算値Mが、その指示電流の上限値の最小値Iminの二乗未満になった時に、指示電流の上限値の制限を解除するために、その指示電流の上限値を最小値Iminから最大値Imaxまで増大させることを開始する。
【0019】
その制限条件は、モータ10の設定された雰囲気温度が低い程に緩和されるように設定される。すなわち、そのモータ10の許容連続駆動時間taに対応する基準電流Iaと、その指示電流の上限値の最小値Iminとは、その設定された雰囲気温度が低い程に大きくされる。また、その増大速度は、その設定された雰囲気温度が低い程に速くされる。
【0020】
図2は、その記憶される制限条件の一例を示すもので、本実施形態においては、その制限条件は、設定された雰囲気温度が25℃未満、25℃〜30℃、30℃〜35℃、35℃〜40℃、40℃〜45℃、45℃〜50℃、50℃〜55℃、55℃〜60℃、60℃〜65℃、65℃〜70℃、70℃以上の各基準温度範囲毎に、予め設定されて制御装置23に記憶される。すなわち、モータ10への指示電流の上限値の最大値Imax(本実施形態では65アンペア)でのモータ10の許容連続駆動時間taに対応付けられた基準電流Ia、そのモータ10への指示電流の上限値の最小値Imin、その指示電流の上限値を最小値Iminから最大値Imaxまで増大させる時の増大速度Viとが、設定された雰囲気温度の各基準温度範囲毎に記憶される。
【0021】
図3は、そのモータ10の許容連続駆動時間taとモータ10への指示電流の上限値との関係の一例を示し、図示例では設定された雰囲気温度が25℃未満、モータ10への指示電流の上限値の最大値Imaxは65アンペアとされている。
【0022】
図4は、モータ10への指示電流の上限値と通電電流の積算値Mとの関係の一例を示し、その積算値Mが基準電流Iaの二乗値である時に上限値は最大値Imaxであり、その積算値Mが上限値の最小値Iminの二乗値である時に上限値は最小値Iminとなる。本実施形態では、その積算値Mが基準電流Iaの二乗値を超えて上限値の最小値Iminの二乗値に至るまでの間においては、その指示電流の上限値は直線補間により求められ、その指示電流の上限値が漸減するものとされている。図示例では設定された雰囲気温度が25℃未満、その最大値Imaxは65アンペアとされている。なお、図2の一例においては、雰囲気温度が65℃以上では基準電流Iaよりも指示電流の上限値の最小値Iminを小さくしている。このような場合、その積算値Mが基準電流Iaの二乗値を超えると、その指示電流の上限値は最大値Imaxから漸減するのではなく、即座に最小値Iminとなる。
【0023】
図5は、モータ10への指示電流の上限値を最小値Iminから最大値Imaxまで増大させる時の、その指示電流の上限値と時間との関係の一例を示し、図示例では設定された雰囲気温度が25℃未満、その最大値Imaxは65アンペアとされている。
【0024】
その制御装置23によるモータ10の制御手順を、図6のフローチャートを参照して説明する。
まず、上記モータ10の雰囲気温度の設定(図2の基準温度範囲の設定)を行い(ステップ1)、電流検出センサ25により検出したモータ10の通電電流Imの値を読み込む(ステップ2)。次に、その通電電流Imの積算値M=Im2 /{(1000+s)・s}を演算し(ステップ3)、その積算値Mが基準電流Iaの二乗値以下か否を判断する(ステップ4)。その積算値Mが基準電流Iaの二乗値以下であればステップ1に戻る。その積算値Mが基準電流Iaの二乗値を超える場合、例えば上記図4に示すように、設定された雰囲気温度に対応する指示電流の上限値の最小値Iminと最大値Imaxとの間における通電電流Imの積算値Mと指示電流の上限値との関係に従って、モータ10の指示電流の上限値を減少させる(ステップ5)。次に、その指示電流の上限値が最小値Iminに到達したか否かを判断し(ステップ6)、到達していなければステップ5に戻る。その指示電流の上限値が最小値Iminに到達すれば、設定された雰囲気温度に対応する上記増大速度Viで、モータ10への指示電流の上限値を最小値Iminから最大値Imaxへ増大させる(ステップ7)。次に、その指示電流の上限値が最大値Imaxに到達したか否かを判断し(ステップ8)、最大値Imaxに到達していなければステップ7に戻る。その指示電流の上限値が最大値Imaxに到達すれば、制御を終了するか否かを判断し(ステップ9)、終了しなければステップ1に戻る。なお、その制御終了は、例えば車両のイグニッションキースイッチがオフか否かにより判断する。
【0025】
上記モータ10の制御ステップ1におけるモータ10の雰囲気温度の設定手順を、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、温度センサ26の検出温度Tを読み込む(ステップ101)。
次に、その温度センサ26による検出温度Tが予め定めて制御装置23に記憶された設定値αを超えるか否かを判断する(ステップ102)。その設定値αは、車両の通常走行状態において雰囲気温度がとり得る値の上限値に設定される。例えば、車両の通常走行状態においては、車両の窓を開放して外気を取り込んだり空調装置を作動させることで、車室内の温度を乗員が耐えることができる温度以下にするため、その雰囲気温度も車室内の温度に対応するものになる。よって、その設定値αは人間が活動可能な温度の上限に基づき定められ、例えば55℃とされる。
ステップ102において検出温度Tが設定値αを超える場合、予め定めて制御装置23に記憶した設定時間t1を超えて車両が走行しているか否かを判断する(ステップ103)。その設定時間t1は、本実施形態では、停車中における制御装置23の発熱によりモータ10の雰囲気温度が設定値αを超えて上昇した場合に、その雰囲気温度が車両の通常走行状態において上記設定値αまで低下するのに要する時間に基づき定められ、例えば15分とされる。車両が走行しているか否かは、本実施形態では車速センサ22により検出される車速Vが零を超えるか否かにより判断しているが、これに限定されるものではなく、例えばエンジン回転数と、エンジンから車輪への動力伝達用クラッチが接続状態か否かを検出したり、車輪速を検出して走行しているか否かを判断してもよい。
ステップ103において車両が設定時間t1を超えて走行している場合、その検出温度Tよりも低く設定される仮想雰囲気温度が、そのモータ10の雰囲気温度として設定される。本実施形態では、その仮想雰囲気温度は上記設定値αとされる(ステップ104)。
ステップ102において検出温度Tが設定値α以下の場合、および、ステップ103において検出温度Tが設定値αを超え且つ車両が設定時間t1を超えて走行していない場合、その検出温度Tがモータ10の雰囲気温度として設定される(ステップ105)。
【0026】
上記構成によれば、モータ10への指示電流の上限値を過負荷防止のために制限する際に、その制限を設定された雰囲気温度に応じて行うことができる。これにより、その指示電流が過度に制限されるのを防止し、操舵フィーリングの低下を抑制できる。そして、車両が設定時間t1を超えて走行しているにも関わらず、温度センサ26による検出温度Tが設定値αを超えた場合は、その検出温度Tよりも低い仮想雰囲気温度をモータ10の雰囲気温度であると見做して制限条件が設定される。これにより、温度センサ26による検出温度Tが、車両の通常走行状態においてとり得る雰囲気温度を超えた場合でも、適正に制限条件を緩和することができる。さらに、その仮想雰囲気温度が設定値αとされることで、その制限条件を確実に車両の通常走行状態においてとり得る雰囲気温度に基づき緩和できる。その温度センサ26が制御装置23のハウジング23a内に配置されることで、制御装置23が発熱しても適正に制限条件を緩和することができる。
【0027】
本発明は上記実施形態に限定されない。
図8のフローチャートを参照して、上記実施形態におけるモータ10の制御ステップ1におけるモータ10の雰囲気温度の設定手順の変形例を説明する。なお、上記実施形態と同様部分は同一符号で示す。
まず、温度センサ26の検出温度Tを読み込む(ステップ201)。
次に、その温度センサ26による検出温度Tが予め定めて制御装置23に記憶された設定値αを超えるか否かを判断する(ステップ202)。その設定値αは上記実施形態と同様に設定される。
その検出温度Tが設定値αを超える場合、予め定めた設定時間を超えて車両が走行しているか否かを判断する(ステップ203)。その設定時間は、本変形例では零とされる。車両が走行しているか否かは上記実施形態と同様に判断される。ステップ203において車両が走行している場合、補正フラグがオンか否かが判断される(ステップ204)。
ステップ204において補正フラグがオンでない場合、予め設定して制御装置23に記憶した補正温度δtを検出温度Tから差し引いた値を検出温度Tに置き換える(ステップ205)。これにより、検出温度Tが最初に設定値αを超えてから1回目の補正が行われ、その補正温度δtだけ検出温度Tが低下したものと見做される。その補正温度δtは、モータ10の雰囲気温度が補正温度δtだけ低下したとしても、上記制限条件が急激に変化しないように設定され、本変形例では5℃とされる。
ステップ204において補正フラグがオンである場合、予め設定して制御装置23に記憶した所定時間γだけ経過したか否かが判断される(ステップ206)。
その所定時間γは、停車中における制御装置23の発熱によりモータ10の雰囲気温度が上昇した後に、車両が走行し、車両の通常走行状態においてモータ10の雰囲気温度が上記補正温度δtだけ低下するのに要する時間に基づき定められ、例えば5分とされる。
その所定時間γが経過したならば、上記補正温度δtを現在設定されている雰囲気温度から差し引いた値を検出温度Tに置き換える(ステップ207)。これにより、検出温度Tが最初に設定値αを超えてから2回目以降の補正が行われ、各補正により補正温度δtだけ検出温度Tが低下するものと見做される。すなわち、検出温度Tは設定値αを超えると、時間の経過に伴って低減するように補正される。
ステップ205またはステップ207において検出温度Tが補正されると、その補正後の検出温度Tが設定値α以下か否かが判断される(ステップ208)。
ステップ208において補正後の検出温度Tが設定値α以下であれば、検出温度Tよりも低く設定される仮想雰囲気温度として設定値αが、モータ10の雰囲気温度として設定され(ステップ209)、しかる後に補正フラグがオンされる(ステップ210)。
ステップ208において補正後の検出温度Tが設定値αを超えれば、検出温度Tよりも低く設定される仮想雰囲気温度として補正後の検出温度Tが、モータ10の雰囲気温度として設定され(ステップ211)、しかる後に補正フラグがオンされる(ステップ210)。これにより、仮想雰囲気温度は時間の経過に伴って減少するように設定され、本変形例では所定時間γ毎に補正温度δtずつ減少する。
ステップ202において検出温度Tが設定値α以下の場合、および、ステップ203において車両が走行していない場合、補正フラグがオフされ(ステップ212)、その検出温度Tがモータ10の雰囲気温度として設定される(ステップ213)。他は上記実施形態と同様とされる。
【0028】
上記変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができ、さらに、温度センサによる検出温度が設定値を超えている場合に車両が僅かの時間でも走行してれば制限条件を緩和でき、また、設定される雰囲気温度を時間の経過に伴って減少させるので制限条件を過度に緩和することもない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、操舵補助力発生用モータへの指示電流を過負荷防止のために制限する際に、雰囲気温度に応じて適度に制限することで良好な操舵フィーリングを維持できる電動パワーステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における制御装置に記憶される制限条件の一例を示す図
【図3】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置におけるモータへの指示電流の上限値の制限開始時におけるモータの連続駆動時間の設定値とモータへの指示電流の上限値との関係の一例を示す図
【図4】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置におけるモータの通電電流値の積算値とモータへの指示電流の上限値との関係の一例を示す図
【図5】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置におけるモータへの指示電流の上限値を増大させる時の指示電流の上限値と時間との関係の一例を示す図
【図6】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置におけるモータの制御手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における雰囲気温度の設定手順を示すフローチャート
【図8】本発明の変形例の電動パワーステアリング装置における雰囲気温度の設定手順を示すフローチャート
【符号の説明】
10 電動モータ
23 制御装置
23a ハウジング
26 温度センサ

Claims (5)

  1. 車両の操舵補助力発生用の電動モータへの指示電流の上限値を、予め設定した制限条件に従って制限する制御装置と、
    その電動モータの雰囲気温度を検出する温度センサと、
    その温度センサによる検出温度が予め定めた設定値を超えるか否かを判断する手段と、
    車両が予め定めた設定時間を超えて走行しているか否かを判断する手段とを備え、
    その温度センサによる検出温度が前記設定値を超え、且つ、車両が前記設定時間を超えて走行している場合、その検出温度よりも低く設定される仮想雰囲気温度が前記雰囲気温度として設定され、
    その温度センサによる検出温度が前記設定値を超え、且つ、車両が予め定めた設定時間を超えて走行していない場合、および、その温度センサによる検出温度が予め定めた設定値以下の場合、その検出温度が前記雰囲気温度として設定され、その制限条件は、その設定された雰囲気温度が低い程に緩和されるように設定される電動パワーステアリング装置。
  2. その仮想雰囲気温度は前記設定値とされる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. その予め定めた設定時間は零とされ、
    その仮想雰囲気温度は時間の経過に伴って減少するように設定される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記温度センサは前記制御装置のハウジング内に配置されている請求項1〜3の中の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. その制限条件として、その制限開始時におけるモータの通電電流の積算値に対応する基準電流、その指示電流の上限値の最小値、および、その指示電流の上限値を低下させた後に最大値まで増大させる際の増大速度が予め設定され、
    その通電電流の積算値が基準電流の二乗値を超えた時に、その指示電流の上限値の最大値からの低減が開始され、その通電電流の積算値が指示電流の上限値の最小値の二乗値を超えた時に、その指示電流の上限値は最小値とされ、しかる後に、その増大速度で最大値まで増大され、
    その基準電流は設定された雰囲気温度が低い程に大きくされ、
    その指示電流の上限値の最小値は、その設定された雰囲気温度が低い程に大きくされ、
    その増大速度は、その設定された雰囲気温度が低い程に速くされる請求項1〜4の中の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
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