JP4719854B2 - 動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラム - Google Patents

動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラム Download PDF

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本発明は動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムに係り、特に動画像に対して符号化を行う際に、ポアソン方程式を満たす条件を境界条件及び動画像に適したソースモデルに基づいて導出し、その結果を符号化及び復号化に適用する動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムに関する。
近年、ディジタル放送やネットワークを介した様々な動画像配信サービスが一般的となり、より高画質・高品質の動画像をより多く記録したいという要求から、更なる動画像の符号化効率向上が望まれている。
一般に伝送される映像情報は、ディジタル化された音声、画像、その他のデータが組み合わされて作成されたマルチメディア情報であることが多い。このような映像情報の情報量は、単純にデータをディジタル化して換算した場合、一般に文字情報の情報量は1〜2バイトである。音声の場合には電話品質で1秒あたり64kbitsである。動画の場合にはSDのアナログ地上波テレビ放送品質であっても1秒あたり100Mbits以上の情報量が必要になる。このような膨大なディジタル情報をそのままの状態で扱うことは、現状における伝送路や記録媒体を利用する際のコストを勘案すると現実的ではない。
そこで、このような膨大な情報量を圧縮するための符号化技術が現在盛んに研究開発されている。映像の符号化技術において代表的なものとしては、MPEG(Moving Picture Experts Group)が挙げられる。MPEGは、動画像データの符号化技術に関する国際標準規格である。現在、このMPEG標準規格では、主にビデオCDなどの1.5Mbps程度の蓄積メディア向けのMPEG−1、ディジタル放送などのような通信や放送などの多様なアプリケーションに対応することを可能にするMPEG−2、オブジェクト符号化やその制御によって、より高度なマルチメディアコンテンツを実現することができるMPEG−4、コンテンツ記述向けのMPEG−7を規定している。このような符号化技術を適用することで膨大な情報量を持つ映像データを効率良く符号化し、情報量を概ね1/20〜1/40程度にまで圧縮することが可能になる。
また、従来の符号化技術の符号化効率を大幅に向上させたMPEG−4 AVC(以後、AVCもしくはH.264)などの新たな符号化方法を導入したものも存在し、これらを導入することでより効果的な情報の符号化を行うことができる(例えば、非特許文献1,非特許文献2参照)。
MPEGは複数の技術を組み合わせることで、より効果的な圧縮ができるように構成されている。図29及び図30はMPEGによる従来の動画像の符号化装置及び復号化装置の一例のブロック図を示す。図29は上記AVCによる従来の動画像符号化装置の基本構成を示すブロック図で、入力画像である入力符号101は、減算器102に供給され、ここでスイッチ113により選択された、動き補償(MC)予測器112もしくはイントラ予測器110によって復号及び予測によって生成した予測ピクチャとの間で差分をとられることで、時間方向に含まれる冗長成分が削減された後、直交変換器103に供給される。
ここで、AVCには、面内予測(Intra)符号化、前方向予測(Predictive)符号化、双予測(Bi-Predictive)符号化の3つの予測モードが存在する。面内予測符号化では、動き補償予測器112の出力を利用せずに面内の情報及びイントラ予測器110による面内からの予測情報を利用した後、後述する直交変換器103による変換を行う。このモードで符号化したものをIピクチャと呼ぶ。Iピクチャは、復号化時に他のピクチャに依存することなく復号することができる。AVCでは通常1ピクチャ内に複数のスライスという単位を含むことができるが、話を簡単にするため以後1ピクチャは1スライスのみで構成されているものとする。
前方向予測符号化では、動き補償予測器112により過去に符号化したピクチャを補償し、現在符号化対象となっているピクチャに対する予測を行う。この予測によって生成された予測ピクチャと入力符号101との差分ピクチャに対して直交変換器103による変換が行われる。直交変換器103で行う直交変換は、MPEG−1,−2及び4ではDCT(Discrete Cosine Transform;離散コサイン変換)が使用される。直交変換は、アダマール基底や、ウェーヴレット基底といった他の変換基底を用いても行うことができる。AVCでは、整数精度DCTとアダマール変換を用いて直交変換を行う。前方向予測モードで符号化されたものをPピクチャと呼ぶ。Pピクチャは、他のピクチャに依存するため、Iピクチャのように独立して復号することはできないが、Iピクチャよりも圧縮率を高めることができる。
双予測符号化では、動き補償予測器112により過去と未来の双方向に限らず、任意の符号化された2枚のフレームを補償し、現在符号化対象となっているピクチャに対する予測を行う。この予測によって生成された参照ピクチャと入力符号101との差分ピクチャに対して直交変換器103による変換が行われる。双予測モードで符号化されたピクチャをBピクチャと呼ぶ。Bピクチャは、過去や未来の他のピクチャに依存するため、Iピクチャ、Pピクチャのように独立して復号することはできないが、Iピクチャ、Pピクチャよりも更に圧縮率を高めることができる。
各フレーム及び各スライスは、所定の矩形領域として水平方向16画素、垂直方向16画素のMB(マクロブロック)毎に予測処理が行われる。また、更に細かいブロック単位や、サブブロック単位に分割されて予測処理が行われることがある。ここでは以後、ブロック単位で処理が進められるものとして話を進める。予測方向はIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャにより異なっている。全てのMBを独立して符号化するのがIピクチャである。過去のピクチャからの予測により符号化するモードと、予測をしないでそのMBを独立して符号化するモードの2つのモードが存在するのがPピクチャである。また、未来からの予測、過去からの予測、両方からの予測、予測をしないでそのMBを独立して符号化する4つのモードが存在するのがBピクチャである。
動き推定は、動き推定(ME)器111により符号化対象となっている動画像フレーム内の各MBに対して、誤差が最小となる領域を参照画像フレームから特定するために、1/2若しくは1/4画素の精度で所定のパターンマッチングを行い、動き情報を生成する。ここで、動き情報は少なくとも、パターンマッチングによって検出した、それぞれのMBに対応する領域までの空間位置を特定するための動きベクトル情報と、参照ピクチャを特定するための参照ピクチャ情報とによって構成される。動き補償は、動き補償器112により、動き推定器111によって推定した動き情報に基づいて、参照画像フレームから予測画像フレームを生成することで行う。
前述したように、減算器102から出力される差分ピクチャに対して、直交変換器103により直交変換が行われる。この直交変換は、MPEG−1,−2及び−4ではDCTを利用するが、AVCでは整数精度DCT及びアダマール変換を利用する。DCTは、余弦関数を基底とした積分変換を有限空間への離散変換する直交変換である。MPEG−1,−2及び−4では、MBを4分割して所定の矩形領域である、水平方向8画素、垂直方向8画素のDCTブロックに対して、2次元DCTを行う。AVCでは、水平方向4画素、垂直方向4画素のブロックに対して、2次元整数精度DCT及びアダマール変換を行う。一般に、ビデオ信号は低域成分が多く高域成分が少ないため、DCTを行うことで係数を低域成分に集中させることができ、その後の量子化器104により効率のよい情報量の削減ができる。
直交変換器103によって得られたDCT係数は、量子化器104により量子化される。量子化は量子化マトリックスというMPEG−1,−2及び−4では水平方向8画素、垂直方向8画素の2次元周波数を視覚特性で重み付けした値、AVCでは水平方向4画素、垂直方向4画素の2次元周波数を視覚特性で重み付けした値と、その全体をスカラー倍する量子化スケールという値で乗算した値を量子化値として、DCT係数をその量子化値で除算する。デコーダで逆量子化するときは量子化値で乗算することにより、元のDCT係数に近い値を得ることになる。
量子化器104で量子化されたデータは、エントロピー符号化器116で符号化される。一般に、エントロピー符号化は、VLC(Variable Length Code;可変長符号)器であり、量子化されたデータに対して可変長符号化を行う。可変長符号化においては、一般にDCT係数の低域から高域にジグザグスキャンを行い、ゼロのラン長及び有効係数値を1つの事象とし、出現確率の高いものから符号長の短い符号を割り当てていくハフマン符号化が行われる。また、このエントロピー符号化器116では、ハフマン符号化の代わりに算術符号化を利用することで、より高い情報の圧縮を行うことも可能である。AVCでは、このエントロピー符号化にCAVLC(Context-Adaptive Variable Length Coding;コンテキスト適応型可変長符号化方式)及びCABAC(Context-Adaptive Binary Arithmetic Coding;コンテキスト適応型2値算術符号化方式)を用いることで効率を高めている。
エントロピー符号化されたデータは、所定の転送レートで出力符号(符号化データ)117として出力される。図29は、符号化データを蓄積し、符号量を制御するための符号量制御器を備えることもできる。出力される符号化データのマクロブロック毎の符号量は、図29では記載していない符号量制御器に通知し、通知された符号量と目標とする符号量との誤差符号量を量子化器104に通知する。量子化器104は、通知された誤差符号量の情報を基に量子化スケールを調整することで符号量を制御することが可能となる。
また、量子化器104から出力される量子化されたデータは、逆量子化器105によって逆量子化される。更に、逆直交変換器106によって直交変換器103に対応する変換基底により逆直交変換される。逆直交変換器106から出力された信号は、加算器107において、スイッチ113により選択された、動き補償器112若しくはイントラ予測器110からのフレームと加算された後、イントラ予測器110に供給される一方、デブロッキングフィルタ108によって、符号化時に発生したブロック歪みを低減するためのデブロッキング処理を施された後にフレームメモリ109に格納される。フレームメモリ109に格納されたフレームは、動き推定器111及び動き補償器112において、予測ピクチャを求めるための参照フレーム(参照ピクチャ)として使用される。
このようにして出力された出力符号117は、符号化ビットストリームとして蓄積媒体やネットワークによる伝送により配信され、端末装置によって再生されることになる。端末装置で再生する場合には、配信された符号化ビットストリームは端末装置の復号化装置によって復号された後に再生される。図30は従来の復号化装置の例としてAVCの復号化装置の構成例を示し、以下に簡単に説明する。
図30において、符号化ビットストリームは、入力符号201として復号化装置に入力されると、エントロピー符号化された動きベクトル情報やテクスチャ情報などの各情報に分離され、各情報がエントロピー復号化器202に通知される。エントロピー復号化器202は、エントロピー符号化されたテクスチャ情報を復号し、逆量子化器203に通知する。また、エントロピー復号化器202は、エントロピー符号化された動きベクトル情報を復号し、動き補償予測器206に通知する。一般に、エントロピー復号化は、逆VLC器であり、多重化分離されたデータに対して可変長復号化を行う。AVCでは、逆CAVLCもしくは逆CABACによって可変長復号化を行う。
逆量子化器203では、エントロピー復号化されたテクスチャ情報に対して量子化値で乗算することにより、元の直交変換係数に近い値を計算した後に、逆直交変換器204に供給する。逆直交変換器204は、供給された直交変換係数を逆直交変換することにより元のフレーム情報、もしくはフレーム間差分情報を得る。この逆直交変換は、MPEG−1,−2及び−4ではIDCT(逆離散コサイン変換)を利用する。AVCでは、整数精度のIDCT及びアダマール変換を利用する。
逆直交変換器204によって得られたフレーム情報又はフレーム間差分情報は、加算器205に供給され、スイッチ207により選択された、動き補償予測器206もしくはイントラ予測器208からの予測フレームと加算された後に、イントラ予測器208に供給されると共に、デブロッキングフィルタ209によりブロック歪み低減のためのデブロッキング処理が施された後フレームメモリ210に格納される。
動き補償器206は、エントロピー復号化器202から得られる動きベクトル情報と、フレームメモリ210から得られる参照フレームを利用して、動きベクトル情報に基づいて対応する領域をシフトしてから予測することで、予測フレームを作成する。この予測フレームはスイッチ207を介して加算器205に供給される。このようにして、入力符号201は、端末装置の復号化装置によって復号され、映像情報が再生される。
また、近年、自然画像の符号化方式として知られるJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式の符号化に対して、多重調和局所直交変換、特に多重調和局所余弦変換を用いて更なる符号化効率の向上を試みる手法が提案されている(例えば、非特許文献3参照)。この多重調和局所余弦変換手法では、ポアソン方程式の概念を導入してブロック内の原信号に対する推定信号を求め、原信号と求めた推定信号との差分である残差信号を生成することで、DCTを導入した際により高い周波数のDCT係数を早く収束させることが可能となり、結果として符号化効率を向上させることができる。
図31は、この多重調和局所余弦変換手法の基本概念を示すための概念図である。図31は、原画像フレーム内のある特定のブロックにおいて、その中のある特定のラインに注目し、注目したラインの原信号と、ブロック境界上にあるその原信号の境界の状態が、この手法によってどのように推移するかを示している。
図31(a)に示す原信号301に対して、ブロック境界304、305に対応する原信号の両端部分における画像信号の傾き302、303を求める。この両端部分の画像信号の傾き302、303を境界条件とする。多重調和局所余弦変換手法では、ブロック内の信号の振る舞いを規定する所定のソースモデルを適用し、ブロック内の信号をブロックの境界条件に基づいて推定信号を生成する。
ここでは、図31(b)に示すような原信号の両端部分の画像信号の傾きを境界条件として、ポアソン方程式を満たすような推定信号306を生成する。所定のソースモデルは、境界条件の下で原信号301に最も近い信号を推定することができるモデルを採用することが望ましい。一般に、図31のような1次元の信号の場合には、所定のソースモデルとして2次関数を適用することで容易に求めることが可能であるが、ここでは特にこのモデルに限定されるものではないことに注意する。このように、所定のソースモデルを導入することで膨大な演算量を費やしてポアソン方程式を数値的に解くことなく、解析的にブロック内の推定信号を生成している。
図31(b)に示すような境界条件に基づいた推定信号306を生成した後、原信号301と推定信号306との間で差分を求めることで、図31(c)に示すような残差信号307を生成する。このようにして求めた残差信号307に対して通常の直交変換であるDCTや量子化及びエントロピー符号化を行うことで、この多重調和局所余弦変換手法を用いた自然画像の符号化が完了する。
図32及び図33は、多重調和局所余弦変換手法を用いることで通常のDCTとどのような違いが生じるかを示すための図である。図32は、図31(a)に示した原信号に対して、通常のDCTを行った場合の例を示す。図32中、横軸はx方向にのみ注目した際の画像信号のx方向のx、縦軸は画像信号の1ラインの各画素の値(輝度値)を示す。また、図32では便宜上、波形を連続関数で示しているが、実際は離散値である(図33も同様)。
通常、DCTのタイプは、DCT−IIを利用することから、図32(a)が示すようなブロックで区切られた有限な原信号に対してDCTを行う場合には、原信号のブロック境界の片方、ここでは右側を軸として原信号を偶接続し、図32(b)に示すような原信号の周期波形信号とする。
このような周期波形信号とすることにより、図32(c)に示すようなDCT級数で表現することが可能となる。通常、図32(b)の点線部401〜403に示すように、原信号を偶接続した場合に信号の滑らかさが必ずしも十分でない部分が生じる。この影響から、図32(c)に示すDCT級数の各振幅であるDCT係数は、信号の偶接続によって本来原信号がもつ信号成分とは異なる信号成分が混入することから、図32(c)の点線部404が示すような高い周波数成分領域であっても、DCT係数の収束が必ずしも十分ではない状態となる。従って、このようなDCT係数に対して所定の量子化及びエントロピー符号化を行った場合には相応の符号量が発生することになる。
次に、多重調和局所余弦変換手法を用いた場合が図33である。この手法を用いて図31(b)に示すような推定信号306を生成した後、図31(a)との差分をとることで図31(c)及び図33(a)に示すような残差信号307を得る。この残差信号307を利用することで、図33(a)に示すように、図32(a)と同様にこの残差信号307を仮に信号の右側を軸として偶接続し、図33(b)に示すような残差信号の周期波形信号が得られる。
得られた残差信号の周期波形信号は、周期接続部分である図33(b)の点線部501〜503において、図32(b)に示した原信号の周期波形信号の対応する部分の波形よりも滑らかさが向上すると共に、本来原信号には含まれない不要な信号成分の混入を防ぐことが可能となる。従って、図33(b)に示した残差信号の周期波形信号を離散周期波形とみなしてDCTを行い、そのスペクトルを表現すると、図33(c)にIで示すようなDCT係数列、すなわち残差直交変換係数(ここでは、残差DCT係数情報)が得られる。図33(c)にIで示す残差DCT係数情報は、通常のDCTを行った場合の同図(c)にIIで示すDCT係数列と比較すると、図33(c)の点線部505が示すような高い周波数成分領域でDCT係数が十分抑制され、より低い周波数成分をもつDCT係数に偏った状態となる。
従って、このように多重調和局所余弦変換手法を用いたDCT係数に対して所定の量子化及びエントロピー符号化を行うことで、通常のDCTによる符号化を行った場合よりも発生する符号量を抑制することが可能となり、符号化効率の向上につながる。
以上が多重調和局所余弦変換手法を用いた場合の基本概念である。ここでは、多重調和局所余弦変換手法の基本概念を簡単に説明するために、原信号の境界条件に基づいて推定信号を生成し、原信号との差分により残差信号を生成した後にDCTを行うことで実現することを示した。
また、ブロック内の原信号と境界条件からの推定信号に対してそれぞれDCTを行うことでそれぞれのDCT係数を求めた後に差分をとることで、上記残差信号に対してDCTを行った場合と同様の結果が得られるような方法が、従来開示されている(例えば、非特許文献3参照)。
以下に、簡単ではあるが非特許文献3で示される方法について説明する。まず、入力される動画像フレームに対して、数1によって表現される図34に示される各ブロックとして画像フレーム信号をとらえる。
Figure 0004719854
図34のΩ(0,0)が現在処理対象となっているブロックであるものとする。また、各ブロック内の各画素は、数2で表現される。
Figure 0004719854
まず、各ブロックの画像信号に対して直交変換を行う。ここでは数3に示すようなDCTを行う。
Figure 0004719854
次に、境界条件である画像信号の傾きを周波数領域で議論することができるように、DCT級数で表現する。ここでは数4に示した境界条件のDCT級数展開の式を利用して画像信号の傾きをgとした場合に数4に示した式中のGのようなDCT係数で表現する。
Figure 0004719854
また、ポアソン方程式の概念を導入してブロック内の原信号に対する推定信号を求める。ここで、ポアソン方程式は、処理対象ブロックΩjにおいて、ブロック内の推定信号uのラプラシアンであるΔuがソース項Kとの間において、次式が成立する方程式である。
Δu=K
ブロック内の推定信号uはノイマンの境界条件とDCT級数表記を用いることで、数6に示す式のように表現することができる。これは、数5で示すような各境界からの推定信号のDCT級数展開成分を足し合わせることで求められる。
Figure 0004719854
Figure 0004719854
このような推定信号uに対してDCTを行うことで、次式で表される推定信号Uを得ることができる。
k1,k2=Gk1 (1)ηk1,k2+Gk1 (2)η* k1,k2+Gk2 (3)ηk2,k1+Gk2 (4)η* k2,k1 (1)
ただし、(1)式中、ηk,m、η* k,mは次式で表される。
Figure 0004719854
ここで、数7に示した式から、η及びη*はブロック内の位置情報のみに依存し、ブロック内の画像信号には依存しないことから、予め一意に計算して求めておくことができる。従って、推定信号Uを求めるためには、傾きのDCT係数情報Gを求めることが重要となる。
ここで、Gをブロック内の原信号に対してDCTを行った後のDCT係数情報を利用して求めることを可能にするため、境界条件であるブロック境界における画像信号の傾きを求める際に、数8の式で示されるようなブロック内の各方向の信号成分の平均値を代表値としてブロック間の傾きを算出し、この傾きをブロック境界での傾きとして近似することでgを求める。
Figure 0004719854
続いて、この近似されたgに対してDCTを行うことでGを求める。ここで、Gを求める際に数8に示した式を考慮して数9に示した式変形を行うことで、GをF、つまりブロック内のDCT係数情報を利用して求めることが可能となる。
Figure 0004719854
大久保榮 監修、角野眞也、菊池義浩、鈴木輝彦 共編"H.264/AVC教科書"、株式会社インプレス、2004年8月 小野定康、村上篤道、浅井光太郎 共著"動画像の高能率符号化"、株式会社オーム社、2005年4月 山谷 克、斉藤 直樹、"Improvement of DCT-based Compression Algorithms Using Poisson's Equation"
ところで、従来の動画像符号化では直交変換にDCTを利用することが多い。MPEG−4 AVCでは、整数DCTを利用している。従来の動画像符号化で用いられている直交変換は、自然画像に対する符号化に適したものである。動画像符号化では、一般にブロック単位での動き推定・動き補償により空間方向において必ずしも信号の連続性が保たれていない予測画像と、符号化対象となるピクチャとの間から生成する差分画像が主に直交変換の対象となる。この差分画像は自然画像とは異なる性質を持つと考えられるため、直交変換に通常のDCTを用いることは必ずしも効果が高いとは言い切れない。
従来の直交変換を用いてブロック領域を変換する際に、符号化対象のブロック領域に対して周波数領域では周期拡張が行われるため、画像全体としてみた場合にはブロック境界において不必要な高周波数成分が発生する。また、このような不必要な高周波数成分も符号化対象となるために、本来必要としない符号量が発生し、符号化効率が低下する。
更に、DCTでは、解析単位であるブロック領域を変換する際に、このブロック領域を周期波形とみなして直交変換を行う。つまり、図32と共に説明したように、ブロック領域に対して周期拡張を行うために、ブロック境界で滑らかな接続とはならずに不連続点が生じる。つまり、このブロック境界で画像全体としてみた場合には不必要な高周波数成分が発生し、符号化の際に障害となる。
また、従来法としてJPEGに対して更なる符号化効率の向上を試みる多重調和局所余弦変換手法を適用することで、自然画像に対する符号化の問題点を改善している。しかし、この多重調和局所余弦変換手法では、一般的な自然画像に対する適用を想定しており、ブロックノイズの発生を抑制するために、ブロック間の低周波数成分に依存した符号化が行われる。
このようなブロックノイズの発生を抑制するため、MDCT(修正DCT)やLOT(重複直交変換)などのように、符号化対象をオーバラップさせながら符号化することで低ビットレート時の符号化劣化を低減する方法が存在する。しかし、一般に利用されている動画像符号化では、ブロック単位での動き推定・動き補償により空間方向において必ずしも信号の連続性が保てず、オーバラップさせながら符号化した場合に十分な符号化効率を得られないことがある。
また、従来の多重調和局所余弦変換手法は、一般的な自然画像のように、符号化対象となる画像フレームのブロック間の連続性が保たれていることを想定している。ここで、動き推定・動き補償予測を伴う一般的な動画像符号化に対して従来の多重調和局所余弦変換手法の適用を考える。動き推定・動き補償の予測精度が十分高くない場合には、フレーム内の隣接ブロック間において必ずしも連続性が保たれていない予測画像フレームが生成される。
この予測画像フレームと符号化対象となっている原画像フレームとの差分から残差成分を含む差分画像フレームを生成するが、この差分画像フレームにおいても隣接ブロック間において必ずしも連続性が保たれるとは限らず、ブロック境界で不連続な状態となる場合がある。このような差分画像フレームに対して従来の多重調和局所余弦変換手法を適用すると、本来ブロック間の不連続な状態を保つように符号化を行う必要があるにもかかわらず、ブロック間の相関が高く、連続性が保たれていることを想定して符号化処理を行うため、自然画像の場合と比較して十分な符号化効率が得られないことがある。
また、符号化時にブロック間の不連続性を再現するために必要な符号量を量子化などの処理によって削減してしまった場合、復号化側ではブロック間の連続性を想定して復号してしまうため、ブロック間の不連続性を再現することができず、動画像復号化の動き補償予測によって、この影響が誤差として伝播するという問題が生じる。
また、入力動画像に対してイントラ符号化を行う場合には、一般に符号化対象となっているピクチャの空間方向の相関を利用して符号化を行う。しかし、符号化対象となるピクチャにおける空間方向の相関は、ピクチャ全体にわたって必ずしも連続的な信号成分によって構成されているとは限らない。例えば、符号化対象となっているピクチャは、所定の物体と背景が存在していると仮定する。このようなピクチャにおいて、この物体内の信号成分はお互い相関が高く、また、この背景部分においても信号成分はお互い相関が高いが、物体内の信号成分と背景部分の信号成分との相関は低い場合を考えると、この物体と背景との境界部分において、急激な信号変化、つまり信号成分の不連続が起こる。このような不連続で急激な変化を伴う信号成分を表現するには、一般に低い周波数の信号成分から高い周波数の信号成分まで幅広く必要とし、信号成分の偏りが小さくなることから、このような信号成分を含むピクチャに対して通常のイントラ符号化を行うと、十分な符号化効率が得られないという問題が生じる。
更に、従来のAVCによる動画像符号化および復号化で利用しているイントラ予測では、所定の方向および所定の重み付けによって生成された予測ブロックの中から、符号化対象ブロックに最も近いものを選択し、イントラ符号化における符号化効率の改善を図っている。しかし、この予測ブロックは、限られた方向および限られた重み付けによって生成されることから、符号化対象ブロックに画像の形状を特徴付ける輪郭部分を含んでいたり、複雑な変化を含んでいたりする場合には、必ずしも符号化対象ブロックの良い近似とはならず、十分な符号化効率を得られないことがある。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、符号化対象となっているブロックに含まれる画像信号における境界部分の不連続性を相殺することで、多重調和局所余弦変換手法を適用した符号化、復号化を行い得る動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、符号化効率を向上し得る動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、多重調和局所余弦変換手法を適用した場合に、ブロック間の不連続性が動画像復号化の動き補償予測によって誤差が伝播するという現象を改善し得る動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムを提供することにある。
また、更に、本発明の他の目的は、不連続で急激な変化を伴う信号成分を含むピクチャに対して通常のイントラ符号化を行った場合に十分な符号化効率を得ると共に、より高速な符号化及び復号化を行い得る動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムを提供することにある。
更にまた、本発明の他の目的は、符号化対象ブロックに画像の形状を特徴付ける輪郭部分を含んでいたり、複雑な変化を含んでいても、十分な符号化効率が得られる動画像符号化装置、動画像符号化プログラム、動画像復号化装置及び動画像復号化プログラムを提供することにある。
上記の目的を達成するため、第1の発明の動画像符号化装置は、入力された符号化対象の動画像信号の一画面領域を、所定の画素数からなる矩形領域を単位として細分割し、矩形領域を処理単位として局所復号画像信号から生成された予測画像信号と符号化対象の動画像信号との差分信号である差分画像信号を生成し、差分画像信号に対して符号化を行う符号化装置において、
差分画像信号に対して矩形領域を処理単位として直交変換を行って直交変換係数情報を出力する直交変換手段と、符号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている矩形領域内の推定信号を直交変換した近似直交変換係数情報を生成する際に、その生成する近似直交変換係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似直交変換係数情報に近づけるために、直交変換手段から取得した直交変換係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行った直交変換係数情報を推定し、この推定結果を用いて近似直交変換係数情報を生成し、直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する多重調和局所直交変換手段と、残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成するエントロピー符号化手段と、エントロピー符号化手段から出力されたエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する多重化手段と、量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化する逆量子化手段と、復号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで直交変換係数情報を復号する逆多重調和局所直交変換手段と、逆多重調和局所直交変換手段により生成された直交変換係数情報を逆直交変換することにより、局所復号画像信号を生成する逆直交変換手段とを有することを特徴とする。
この発明では、多重調和局所直交変換の手法を用い、符号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、直交変換手段から取得した直交変換係数情報を利用して生成した後、直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成し、その残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化した後、量子化後残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成し、更に多重化手段によりエントロピー符号化後情報に対して所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する。
ここで、上記の推定信号に対して直交変換した近似直交変換係数情報と、直交変換係数情報との差分である残差直交変換係数情報は、矩形領域の境界における傾きがゼロであり、この残差直交変換係数情報の周期波形信号は、周期接続部分において波形の滑らかさが向上し、元の信号には含まれない不要な信号成分の混入を防ぐことができる。これにより、残差直交変換係数情報は、高い周波数成分が抑制され、より低い周波数成分をもつ直交変換係数に偏らせることができる。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の動画像符号化装置は、第1の発明に更に、直交変換手段によって生成された直交変換係数情報に基づいて、符号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する境界条件解析手段と、第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、逆量子化手段による逆量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した第2の境界条件補正情報又は有効である第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段とを付加したものであり、多重調和局所直交変換手段は、境界条件解析手段によって得られた第1の境界条件補正情報に基づいて各矩形領域の境界条件である直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを制御すると共に、各矩形領域の境界条件に基づいてポアソン方程式を満たすような符号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して直交変換した近似直交変換係数情報を、直交変換後の直交変換係数情報を利用して生成し、直交変換によって得られた直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する手段であり、逆多重調和局所直交変換手段は、境界条件判定手段から取得した境界条件判定情報から矩形領域の境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には、残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを補正すると共に、復号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで直交変換係数情報を復号する手段であることを特徴とする。
この発明では、符号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するようにしたため、隣接する矩形領域間の信号の不連続性を正しく再現できる。ここで、上記の直交変換係数情報はDCT係数情報、また、近似直交変換係数情報は、近似DCT係数情報とし、それらの差分をとることで残差DCT係数情報を生成するようにしてもよい。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明は入力された符号化対象の動画像信号の一画面領域を、所定の画素数からなる矩形領域を単位として細分割し、矩形領域を処理単位としてイントラ符号化を行う符号化装置において、矩形領域を処理単位として直交変換を行い、符号化対象となっている動画像信号の一画面領域全体にわたって予め矩形領域毎の直交変換係数情報を出力する直交変換手段と、符号化対象となっている動画像信号の一画面領域内に存在する、動画像信号の不連続性を解析するために、符号化対象となっている矩形領域の周囲に存在する矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定するとともに、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する境界条件解析手段と、符号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、直交変換手段から取得した直交変換係数情報を利用して生成した後、直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する多重調和局所直交変換手段と、残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成するエントロピー符号化手段と、エントロピー符号化手段から出力されたエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する多重化手段と、量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化する逆量子化手段と、第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、逆量子化手段による逆量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した第2の境界条件補正情報又は有効である第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、復号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで直交変換係数情報を復号する逆多重調和局所直交変換手段と、逆多重調和局所直交変換手段により生成された直交変換係数情報を逆直交変換することにより、局所復号画像信号を生成する逆直交変換手段とを有することを特徴とする。
この発明では、通常のイントラ符号化においてイントラ予測を行う替わりに、イントラ符号化の符号化対象となっている一画面領域の動画像信号に対して所定画素数からなる矩形領域単位で直交変換を行うと共に、符号化対象の矩形領域とその隣接、および周囲の矩形領域との不連続性の解析を行うことで、境界条件の補正が必要であるか否か判定し、隣接矩形領域間の相関が高く境界条件の補正が不要な場合には、符号化対象矩形領域に対し、隣接する矩形領域の境界条件に基づいて所定の多重調和局所直交変換を行って残差直交変換係数を生成し、境界条件の解析の結果、隣接矩形領域間の相関が低く境界条件の補正が必要な場合には、多重調和局所直交変換で利用する境界条件を補正した後にこの変換処理を行う。
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の動画像符号化装置は、第3の発明において直交変換手段は、矩形領域を処理単位として直交変換を行い、生成した直交変換係数情報を矩形領域の処理単位で出力する手段であり、境界条件解析手段は、符号化対象となっている動画像信号内に存在する不連続性を解析する際に、処理対象となっている矩形領域と、隣接する直交変換済みの所定の矩形領域との間の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する手段であり、量子化手段は、残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化を行い、生成した量子化後情報を矩形領域の処理単位で出力する手段であり、逆量子化手段は、量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化を行い、生成した逆量子化後の残差直交変換係数情報を矩形領域の処理単位で出力する手段であり、境界条件判定手段は、第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、逆量子化手段により生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した第2の境界条件補正情報又は有効である第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段であり、所定の矩形領域を処理単位として符号化を行うことを特徴とする。
この発明では、符号化処理を矩形処理単位で行う場合に、符号化対象となっている矩形領域とその隣接、および周囲の矩形領域との境界条件の解析を行う際に、直交変換後の矩形領域との間のみ境界条件の解析を行い、それ以外の矩形領域との間は不連続であると解釈するものである。
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の動画像符号化装置は、第3、第4の発明において、多重調和局所直交変換手段が、ポアソン方程式を満たすような符号化対象となっている矩形領域内の推定信号を直交変換して得られた近似直交変換係数情報を、直交変換後の前記直交変換係数情報を利用して生成する際に、直交変換後の前記直交変換係数情報に対して量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後の直交変換係数情報を推定し、この推定結果に基づいて前記近似直交変換係数情報を生成する手段としたことを特徴とする。
この発明では、符号化対象矩形領域内の信号成分は、多重調和局所直交変換を行うことによって、隣接する矩形領域との境界条件に基づいた推定により信号成分の近似を行うことで残差直交変換係数を生成するようにしたため、従来のイントラ予測のように、所定の方向及び所定の重み付けによって生成された予測矩形領域の中から、符号化対象矩形領域に最も近いものを選択する場合よりも、より複雑な推定信号に基づいて残差直交変換係数を生成することができる。
また、上記の目的を達成するため、第6の発明は第1〜第5の発明のうちのいずれかの発明の各構成手段を、コンピュータにより実行させる動画像符号化プログラムを構成する。
また、上記の目的を達成するため、第7の発明の動画像復号化装置は、第1の発明の動画像符号化装置、又は第6の発明の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報、動きベクトル情報、及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成するエントロピー復号化手段と、エントロピー復号化手段から取得した量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の残差直交変換係数情報として残差DCT係数情報を生成する逆量子化手段と、直交変換基底としてDCT基底を用い、復号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた残差DCT係数情報と生成した近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、、逆多重調和局所直交変換手段から取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号差分画像信号を生成する逆直交変換手段と、エントロピー復号化手段から取得した動きベクトル情報を利用した所定の動き補償により生成した予測画像信号、又はイントラ予測によって生成した予測画像信号と、復号差分画像信号とを合成して復号動画像信号を生成する画像復号手段とを有することを特徴とする。
この発明では、動き推定・動き補償予測を伴う動画像符号化の際に、多重調和局所直交変換手法を適用して符号化された符号化ビットレートから、直交変換係数情報を復号し、更に逆直交変換をして差分画像信号を復号して予測画像信号と合成することにより、動画像信号を復号することができる。ここで、上記の直交変換係数情報はDCT係数情報としてもよい。
また、上記の目的を達成するため、第8の発明の動画像復号化装置は、第2の発明の動画像符号化装置、又は第6の発明の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報、動きベクトル情報及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、及び符号化されて組み込まれた境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、エントロピー復号化手段から取得した量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の残差直交変換係数情報を生成する逆量子化手段と、エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、逆量子化手段から取得した量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された境界条件補正情報又はエントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、境界条件判定情報及び逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、逆量子化後の残差直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、逆多重調和局所直交変換手段から取得した復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号差分画像信号を生成する逆直交変換手段と、エントロピー復号化手段から取得した動きベクトル情報を利用した所定の動き補償により生成した予測画像信号、又はイントラ予測によって生成した予測画像信号と、復号差分画像信号とを合成して復号動画像信号を生成する画像復号手段とを有することを特徴とする。
この発明では、エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、逆量子化手段から取得した量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された境界条件補正情報又はエントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とすることにより、隣接する矩形領域間の信号の不連続性を正しく再現して復号できる。ここで、上記の復号直交変換係数情報は復号DCT係数情報、また、復号近似直交変換係数情報は、復号近似DCT係数情報としてもよい。
また、上記の目的を達成するため、第9の発明の動画像復号化装置は、第3、第4、第5の発明の動画像符号化装置、又は第6の発明の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、符号化されて組み込まれた境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、エントロピー復号化手段から取得した量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の残差直交変換係数情報を生成する逆量子化手段と、エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、逆量子化手段から取得した量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された境界条件補正情報又はエントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、境界条件判定情報及び逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、逆量子化後の残差直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、逆多重調和局所直交変換手段から取得した復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号画像信号を生成する逆直交変換手段とを有することを特徴とする。
また、第10の発明の動画像復号化プログラムは、第7〜第9の発明の動画像復号化装置のいずれか一の動画像復号化装置の各構成手段を、コンピュータにより実行させる動画像復号化プログラムを構成することを特徴とする。
本発明によれば、多重調和局所直交変換の手法を用い、符号化対象となっている矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、直交変換手段から取得した直交変換係数情報を利用して生成する。上記の推定信号は符号化対象となっている矩形領域の境界部分の不連続性を相殺し、境界部分における波形の滑らかさを向上させるような近似波形であり、この推定信号の直交変換係数である近似直交変換係数を生成した後、直交変換係数情報と生成した近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成するようにしたため、従来法で問題となっていた直交変換係数の不必要な高周波数成分の発生を抑制することができる。
また、本発明によれば、不必要な高周波数成分が抑えられた残差直交変換係数情報を、従来の直交変換係数の代わりに符号化対象として所定の量子化パラメータに基づいて量子化した後、量子化後残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定の構文構造に従って符号化ビットストリームを生成するようにしたため、従来に比べて少ない符号量で動画像符号化を行うことができ、これにより符号化効率を改善することができる。
また、本発明によれば、符号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するようにしたため、隣接する矩形領域間の信号の不連続性を正しく再現できる。
すなわち、本発明では、符号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間において、原信号の連続性が保たれないような場合に対して、符号化対象となっている矩形領域の境界条件と、その周囲の矩形領域の境界条件とを比較し、例えば、矩形領域の境界条件である画像信号の傾きが小さい方を符号化対象となっている矩形領域の境界条件とする、もしくは傾きを比較して所定の閾値を越える場合に傾きをゼロとし、これを境界条件として採用して、多重調和局所余弦変換手法を適用するようにしたため、符号化効率を改善しつつ、正しく矩形領域間の不連続性を再現し、動画像復号化の動き補償予測によって、この影響が誤差として伝播するという問題を改善することができる。
更に、本発明によれば、多重調和局所直交変換の変換基底としてDCTを用いることで、従来の動画像符号化方式で一般的に用いられる直交変換との互換性を保ちながら、従来の動画像符号化における符号化効率を改善することができる。
また、本発明の動画像符号化装置及び動画像符号化プログラムによって生成した符号化ビットストリームを、所定の伝送路または記録媒体から取得し、本発明の動画像復号化装置又は本発明の動画像復号化プログラムを用いたコンピュータによって復号化することで、従来よりも少ない符号量をもつ符号化ビットストリームを効率良く伝送、受信、再生することを可能にすることができる。
また、本発明によれば、通常のイントラ符号化においてイントラ予測を行う替わりに、イントラ符号化の符号化対象となっている一画面領域の動画像信号に対して所定画素数からなる矩形領域単位で直交変換を行うと共に、符号化対象の矩形領域とその隣接、および周囲の矩形領域との不連続性の解析を行うことで、境界条件の補正が必要であるか否か判定し、隣接矩形領域間の相関が高く境界条件の補正が不要な場合には、符号化対象矩形領域に対し、隣接する矩形領域の境界条件に基づいて所定の多重調和局所直交変換を行って残差直交変換係数を生成し、境界条件の解析の結果、隣接矩形領域間の相関が低く境界条件の補正が必要な場合には、多重調和局所直交変換で利用する境界条件を補正した後にこの変換処理を行うことにより、矩形領域間の不連続性を考慮しながら処理を行うことで、生成される残差直交変換係数の信号成分の偏りを、従来のイントラ符号化で用いられるイントラ予測よりも大きくし、十分な符号化効率を得ることができる。
また、本発明によれば、符号化処理を矩形処理単位で行う場合に、符号化対象となっている矩形領域とその隣接、および周囲の矩形領域との境界条件の解析を行う際に、直交変換後の矩形領域との間のみ境界条件の解析を行い、それ以外の矩形領域との間は不連続であると解釈することで、本発明の処理を軽減し、より高速な符号化及び復号化を実現することができる。
更に、本発明によれば、符号化対象矩形領域内の信号成分は、多重調和局所直交変換を行うことによって、隣接する矩形領域との境界条件に基づいた推定により信号成分の近似を行うことで残差直交変換係数を生成するようにしたため、従来のイントラ予測のように、所定の方向および所定の重み付けによって生成された予測矩形領域の中から、符号化対象矩形領域に最も近いものを選択する場合よりも、より複雑な推定信号に基づいて残差直交変換係数を生成することができるため、より高い符号化効率を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に詳細に説明する。図1は本発明になる動画像の符号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、図29と同一構成部分には同一符号を付してある。図1に示すように、本実施の形態は図29に示した従来の符号化装置と比較すると、直交変換器103と量子化器104との間に多重調和局所直交変換器121が設けられ、逆量子化器105と逆直交変換器106との間に逆多重調和局所直交変換器122が設けられている点が異なり、また、エントロピー符号化器123の出力符号が多重化器124を通して出力伝送器125に入力される。
スイッチ113は、イントラ予測器110及び動き補償器(MC器)112がそれぞれ生成する予測画像フレームを符号化対象となるピクチャの符号化モードに応じて切り替える機能を有する。ここで、ピクチャの符号化モードがイントラ符号化である場合は、スイッチ113を端子aに切り替える。ピクチャの符号化モードがイントラ符号化ではない場合は、スイッチ113を端子bに切り替える。
直交変換器103は、入力符号101として得られる動画像フレームと、イントラ予測器もしくはMC器112から得られる予測画像フレームとの差分画像フレームを取得し、その取得した差分画像フレームに対して所定の直交変換を行う機能を有する。ここでは所定の直交変換をDCTであるものとする。直交変換器103は、直交変換後の係数情報を後述する多重調和局所直交変換器121に通知する機能を有する。ここで直交変換後の係数情報は、DCT係数情報である。
多重調和局所直交変換器121は、直交変換器103から直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)を取得する機能を有し、また、各ブロックの境界条件に基づいてポアソン方程式を解析的に解くことでブロック内の近似直交変換係数情報(ここでは、近似DCT係数情報)を求める機能を有する。更に、多重調和局所直交変換器121は、取得したDCT係数情報と、求めた近似DCT係数情報との差分から残差直交変換係数情報(ここでは、残差DCT係数情報)を生成して、その残差DCT係数情報を量子化器104に通知する機能を有する。
また、多重調和局所直交変換器121は、ポアソン方程式を満たすような符号化対象となっている所定の矩形領域内の推定信号を直交変換(ここでは、DCT)して得られる近似DCT係数情報を、直交変換後のDCT係数情報を利用して生成する際に、直交変換後のDCT係数情報に対して量子化で用いる量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて量子化後のDCT係数情報を推定し、この推定結果に基づいて近似DCT係数情報を生成するような機能を有すると更によい構成となる。
この多重調和局所余弦変換手法は、前述した非特許文献3に記載された手法であり、ポアソン方程式の概念を導入してブロック内の原信号に対する推定信号を求め、原信号と求めた推定信号との差分である残差信号を生成することで、DCTを導入した際により高い周波数のDCT係数を早く収束させることが可能となり、結果として符号化効率を向上させることができる。
すなわち、前述したように、多重調和局所余弦変換手法では、図31(a)に示した原信号301に対して、ブロック境界304、305に対応する原信号301の両端部分における画像信号の傾き302、303を求め、その傾き302、303を境界条件としてポアソン方程式の概念を導入して図31(b)に示すような推定信号306を生成した後、図31(c)に示すように、原信号301と推定信号306との残差信号307を得る。
そして、この残差信号307に対して直交変換してDCTを行う場合は、図33(a)に示した残差信号307のブロック境界の片方(ここでは、信号の右側)を軸として偶接続して同図(b)に示すような残差信号の周期波形信号とすることで、DCT級数で表現することが可能となる。この残差信号の周期波形信号は、周期接続部分である図33(b)の点線部501〜503において、原信号に対してDCTを行った場合よりも滑らかさが向上すると共に、本来原信号には含まれない不要な信号成分の混入を防ぐことが可能となる。
従って、DCT級数でスペクトルを表現した場合は、図33(c)にIで示すようになり、通常のDCTを行った場合のIIと比較して、図33(c)の点線部505が示すような高い周波数成分領域でもDCT係数が十分収束した状態となり、多重調和局所余弦変換手法を用いたDCT係数に対して所定の量子化及びエントロピー符号化を行うことで、通常のDCTによる符号化を行った場合よりも発生する符号量を抑制することが可能となり、符号化効率の向上につながる。
なお、本実施の形態では、従来の符号化装置からの拡張が比較的容易であることから、一例として上述のようなブロック内の原信号と境界条件からの推定信号に対してそれぞれDCTを行うことでそれぞれのDCT係数を求めた後に差分をとる構成を採用しているが、本発明は特にこの構成に限定されるものではなく、上述の原信号と推定信号との差分である残差信号に対してDCTを行うような構成であっても構わない。
再び図1に戻って説明するに、量子化器104は、多重調和局所直交変換器121から残差DCT係数情報を取得し、その取得した残差DCT係数情報に対して所定の量子化を行うことで量子化後の残差DCT係数情報である量子化後情報を生成する機能を有する。また、量子化器104は、生成した量子化後情報を逆量子化器105及びエントロピー符号化器123にそれぞれ供給する機能を有する。逆量子化器105は、量子化器104から取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成して逆多重調和局所直交変換器122に供給する機能を有する。
逆多重調和局所直交変換器122は、逆量子化器105から逆量子化後情報を取得し、その取得した逆量子化後情報に対して、所定の逆多重調和局所直交変換を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成する。すなわち、逆多重調和局所直交変換器122は、復号化対象となっているブロックの隣接する他のブロックとの境界における逆量子化後の残差直交変換係数情報(ここでは、残差DCT係数情報)の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっているブロック内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報(ここでは、近似DCT係数情報)を、逆量子化器105によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報(ここでは、残差DCT係数情報)を利用して生成し、逆量子化後の残差直交変換係数情報(ここでは、残差DCT係数情報)と、生成した近似直交変換係数情報(ここでは、近似DCT係数情報)との合成を行うことで復号直交変換係数情報(ここでは、DCT係数情報)を生成する。また、逆多重調和局所直交変換器122は、生成した復号DCT係数情報を逆直交変換器106に供給する。
逆直交変換器106は、逆多重調和局所直交変換器122から復号DCT係数情報を取得し、その取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで復号差分画像フレームを生成する機能を有する。また、逆直交変換器106は、生成した復号差分画像フレームを加算器107に供給する機能を有する。加算器107は、スイッチ113で選択されたイントラ予測器110又はMC器112の出力信号と加算し復号画像フレームを生成し、イントラ予測器110、デブロッキングフィルタ108に供給する機能を有する。
ME(動き推定)器111は、入力符号101として得られる現在符号化対象となっている動画像フレームと、フレームメモリ109に格納されている所定の参照画像フレームを取得し、その取得した動画像フレームと参照画像フレームとの間で所定のMEを行い、動きベクトル情報を生成する機能を有する。また、ME器111は、生成した動きベクトル情報を、MC器112、エントロピー符号化器123に通知する機能を有する。
MC(動き補償)器112は、ME器111から動きベクトル情報を取得する機能を有する。また、ME器111が動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームをフレームメモリ109から取得する機能を有する。取得した動きベクトル情報、参照画像フレームから、予測画像フレームを生成し、スイッチ113の端子b側に出力する機能を有する。フレームメモリ109は、デブロッキングフィルタ108からデブロック後の画像フレームを参照画像フレームとして取得及び蓄積する機能を有する。また、必要に応じてME器111、MC器112、イントラ予測器110に参照画像フレームを通知する機能を有する。ここで、フレームメモリ109は、少なくとも1フレーム以上の参照画像フレームを蓄積し、各部の要求に応じて必要な参照画像フレームを通知できることが望ましい。
エントロピー符号化器123は、量子化器104から量子化後情報、ME器111から動きベクトル情報を少なくとも取得し、その取得した量子化後情報及び動きベクトル情報、及びその他の所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報などに対して、所定のエントロピー符号化を行い、エントロピー符号化後情報を生成する。また、エントロピー符号化器123は、生成したエントロピー符号化情報を多重化器124に通知する機能を有する。
多重化器124は、エントロピー符号化器123からエントロピー符号化後情報を取得し、その取得したエントロピー符号化後情報に対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化を行うことで、符号化ビットストリームを生成する機能を有する。ここで、所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報としては、マクロブロックの各種状態を特定するためのマクロブロック情報、量子化及び逆量子化を行う際に用いる量子化パラメータ情報、イントラ予測の方法を特定するためのイントラ予測モード情報、参照画像フレームの参照順を特定するためのフレーム順序情報、などが含まれると更によい。多重化器124は、生成した符号化ビットストリームを出力伝送器125に通知する機能を有する。
出力伝送器125は、多重化器124から符号化ビットストリームを取得し、その取得した符号化ビットストリームを出力符号として所定の伝送路や所定の記録媒体などに出力するため、所定のパケットヘッダ及びペイロードをもつ構成とするようにパケット化処理を行い、パケット情報を生成する機能を有する。ここで、パケット情報は、パケットヘッダ及びペイロードを1単位として扱う。通常、取得した符号化ビットストリームをより細かい単位に分割し、ペイロードに格納し、所定のパケットヘッダを付加することでパケット化処理を行う。また、出力伝送器125は、生成した各パケット情報を出力符号として所定の出力先である伝送路や記録媒体の状態に応じて出力する機能を有する。
イントラ予測器110は、逆直交変換器106が生成した復号差分画像フレーム、スイッチ113によって選択されたイントラ予測器110もしくはMC器112が生成する予測画像フレームから合成した復号画像フレームを取得し、その取得した復号画像フレーム内において、まだ符号化が完了していないブロックに対し、符号化が完了した領域の復号画像を予測に利用してイントラ予測を行う機能を有する。その際、イントラ予測の方法を特定するためのイントラ予測モード情報を生成し、エントロピー符号化器123に通知するような機能を備えると更によい。
また、イントラブロックに対する予測処理や、スケーラブル符号化などのような下位階層の復号画像情報を利用してイントラ予測処理を行う場合には、フレームメモリ109から現在符号化対象となっている動画像フレームを符号化するために必要な参照画像フレームを取得する機能を有しても構わない。この参照画像フレームは、スケーラブル符号化のような場合では、符号化が完了した階層の復号画像フレームであることも考えられる。また、イントラ予測器110は、イントラ予測によって得られた予測画像フレームを、スイッチ113の端子a側に出力する機能を有する。
デブロッキングフィルタ108は、逆直交変換器106が生成した復号差分画像フレーム、スイッチ113によって選択されたイントラ予測器110もしくはMC器112が生成する予測画像フレームから合成した復号画像フレームを取得する機能をし、取得した復号画像フレームに対して所定のデブロック処理を行うことで、デブロック処理後の復号画像フレームを生成する機能を有する。ここで、所定のデブロック処理は、現在符号化対象となっているフレームやブロックの符号化モード、量子化パラメータの状態、周囲の符号化済みブロック内の画像情報の状態などに応じて、デブロック処理のオン・オフやフィルタ処理の強度を切り替えられる構成であるとよい。
また、多重調和局所直交変換器121において正しく変換処理が行われた場合には、一般にデブロック処理の必要がないと判定され、デブロック処理を行わずに単に全帯域通過フィルタとして機能するように構成されるとよい。デブロッキングフィルタ108は、生成したデブロック処理後の復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするために、フレームメモリ109に通知する機能を有する。
次に、図1の本発明の符号化装置の一実施の形態の動作を図2のフローチャートに従って説明する。まず、入力符号101として、符号化対象となる画像フレームを準備し(ステップS11)、イントラ符号化か否かを判定する(ステップS12)。イントラ符号化である場合には、イントラ予測処理を行う(ステップS13)。イントラ予測器110によって得られた予測画像フレームを、スイッチ113の端子a側に出力する。また、スイッチ113を端子a側に切り替える。その後ステップS16に進む。
一方、ステップS12でイントラ符号化ではないと判定した場合には、ME器111が現在符号化対象となっている動画像フレームと、フレームメモリ109に格納されている所定の参照画像フレームを取得し、動き推定を行う(ステップS14)。ME器111は、動き推定処理によって生成した動きベクトル情報をMC器112に通知する。また、動きベクトル情報をエントロピー符号化するために、エントロピー符号化器123に通知する。
MC器112は、ME器111が動き推定処理によって生成した動きベクトル情報を取得する。また、ME器111が動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームをフレームメモリ109から取得する。MC器112は、取得した動きベクトル情報、参照画像フレームから、予測画像フレームを生成し(ステップS15)、スイッチ113の端子b側に出力する。また、スイッチ113を端子b側に切り替える。その後ステップS16に進む。
直交変換器103は、入力符号101として得られる動画像フレームと、スイッチ113の端子aと接続されたイントラ予測器110もしくはスイッチ113の端子bと接続されたMC器112から得られる予測画像フレームとの差分画像フレームを取得する。取得した差分画像フレームに対して所定の直交変換を行う(ステップS16)。直交変換器103は、直交変換後の係数情報を多重調和局所直交変換器121に通知する。ここで直交変換後の係数情報は、DCT係数情報であるものとする。
多重調和局所直交変換器121は、直交変換器103から直交変換後の係数情報、ここではDCT係数情報を取得し、多重調和局所直交変換処理を行う(ステップS17)。生成した残差DCT係数情報を後述する量子化器104に通知する。量子化器104は、多重調和局所直交変換器121から残差DCT係数情報を取得して、その残差DCT係数情報に対して所定の量子化を行うことで量子化後の残差DCT係数情報である量子化後情報を生成する(ステップS18)。生成された量子化後情報は、逆量子化器105及びエントロピー符号化器123に供給される。
逆量子化器105は、量子化器104から量子化後情報を取得し、その量子化後情報に対して所定の逆量子化を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する(ステップS19)。生成された逆量子化後情報は、逆多重調和局所直交変換器122に供給される。
逆多重調和局所直交変換器122は、逆量子化器105から逆量子化後情報を取得し、その逆量子化後情報に対して、所定の逆多重調和局所直交変換処理を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成する(ステップS20)。生成された復号DCT係数情報は、逆直交変換器106に供給される。
逆直交変換器106は、逆多重調和局所直交変換器122から復号DCT係数情報を取得し、その復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで復号差分画像フレームを生成する(ステップS21)。生成された復号差分画像フレームは、イントラ予測器110及びデブロッキングフィルタ108にそれぞれ供給される。
デブロッキングフィルタ108は、逆直交変換器106が生成した復号差分画像フレームと、スイッチ113によって選択されたイントラ予測器110もしくはMC器112が生成する予測画像フレームとを加算器107で合成した復号画像フレームを取得し、必要に応じて取得した復号画像フレームに対して所定のデブロッキング処理を行うことで、デブロック処理後の復号画像フレームを生成する(ステップS22)。ただし、通常デブロック処理の必要がないと判定され、デブロック処理を行わずに単に全帯域通過フィルタとして機能することが多い。デブロッキングフィルタ108は、生成したデブロック処理後の復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするためにフレームメモリ109に格納する。
エントロピー符号化器123は、量子化器104から量子化後情報、ME器111から動きベクトル情報を少なくとも取得して、その量子化後情報及び動きベクトル情報に対して、所定のエントロピー符号化を行う(ステップS23)。多重化器124はエントロピー符号化器123から取得したエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化を行うことで、符号化ビットストリームを生成する(ステップS24)。生成した符号化ビットストリームは出力符号として出力伝送器125によって所定の伝送路や記録媒体などに出力される。
以上のような符号化処理を符号化対象となる動画像フレームに対して順次行うことで、本実施の形態の符号化装置は従来の符号化装置よりも符号化効率のよい符号化ビットストリームを出力符号として得ることができる。
次に、本発明になる復号化装置の一実施の形態について説明する。図3は本発明になる復号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、図30と同一構成部分には同一符号を付してある。図3において、入力受信器222は、所定の伝送路及び所定の記録媒体などから入力符号221としてパケット情報を取得し、取得したパケット情報から本発明の符号化装置によって生成した符号化ビットストリームとして再構成する機能を有する。また、入力受信器222は、再構成された符号化ビットストリームを多重化分離器223に供給する。
多重化分離器223は、入力受信器222から符号化ビットストリームを取得し、その取得した符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行い、多重化分離後の情報をエントロピー復号化器224に通知する機能を有する。エントロピー復号化器224は、多重化分離器223から多重化分離後の情報を取得し、その取得した多重化分離後の情報に対して所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報及び動きベクトル情報、及びその他の所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報などを生成する機能を有する。
ここで、所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報としては、マクロブロックの各種状態を特定するためのマクロブロック情報、量子化及び逆量子化を行う際に用いる量子化パラメータ情報、イントラ予測の方法を特定するためのイントラ予測モード情報、参照画像フレームの参照順を特定するためのフレーム順序情報、などが含まれると更によい。また、エントロピー復号化器224は、少なくとも生成した量子化後情報を逆量子化器225に通知する機能を有すると共に、少なくとも生成した動きベクトル情報をMC器206に通知する機能を有する。
逆量子化器225は、エントロピー復号化器224から量子化後情報を取得し、その取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する機能を有する。逆量子化器225は、生成した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器226に供給する。
逆多重調和局所直交変換器226は、逆量子化器225から逆量子化後情報を取得し、その取得した逆量子化後情報に対して、所定の逆多重調和局所直交変換を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成する。逆多重調和局所直交変換器226は、生成した復号DCT係数情報を逆直交変換器204に供給する。
逆直交変換器204は、逆多重調和局所直交変換器226から復号DCT係数情報を取得し、その取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで復号差分画像フレームを生成する機能を有する。逆直交変換器204は、生成した復号差分画像フレームを、イントラ予測器208及びデブロッキングフィルタ209に供給する。ここで、逆直交変換器204が生成した復号差分画像フレームに対して、スイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームを加算器205によって合成して復号画像フレームを生成した後に、イントラ予測器208及びデブロッキングフィルタ209に供給するような構成であることが望ましい。本実施の形態では、加算器205により生成された復号画像フレームがイントラ予測器208及びデブロッキングフィルタ209に供給されるものとして話を進める。
MC(動き補償)器206は、エントロピー復号化器224から動きベクトル情報を取得し、その取得した動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームと同等の参照画像フレームを構成するように復号及び格納された参照画像フレームをフレームメモリ210から取得する機能を有する。また、MC器206は、取得した動きベクトル情報、参照画像フレームから、予測画像フレームを生成し、スイッチ207の端子b側に出力する機能を有する。
スイッチ207は、イントラ予測器208及びMC器206がそれぞれ生成する予測画像フレームを符号化ビットストリームから得られるピクチャの符号化モードに応じて切り替える機能を有する。ここで、ピクチャの符号化モードがイントラ符号化である場合は、スイッチ207を端子aに切り替える。ピクチャの符号化モードがイントラ符号化ではない場合は、スイッチ207を端子bに切り替える。
イントラ予測器208は、逆直交変換器204が生成した復号差分画像フレーム、スイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームから合成した復号画像フレームを取得し、取得した復号画像フレーム内において、まだ符号化が完了していないブロックに対し、符号化が完了した領域の復号画像を予測に利用してイントラ予測を行う機能を有する。その際、イントラ予測の方法を特定するためのイントラ予測モード情報を取得するために、符号化ビットストリームからエントロピー復号化器224によって多重化分離及びエントロピー復号処理によって得られるイントラ予測モード情報を取得するような機能を備えると更によい。
また、イントラブロックに対する予測処理や、スケーラブル符号化などのような下位階層の復号画像情報を利用してイントラ予測処理を行う場合には、フレームメモリ210から現在復号化対象となっている動画像フレームを復号化するために必要な参照画像フレームを取得する機能を有しても構わない。この参照画像フレームは、スケーラブル符号化のような場合では、既に復号化が完了した階層の復号画像フレームであることも考えられる。イントラ予測によって得られた予測画像フレームを、スイッチ207の端子a側に出力する機能を有する。
デブロッキングフィルタ209は、逆直交変換器204が生成した復号差分画像フレーム、スイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームから合成した復号画像フレームを取得し、取得した復号画像フレームに対して所定のデブロック処理を行うことで、デブロック処理後の復号画像フレームを生成する機能を有する。
ここで、所定のデブロック処理は、現在復号化対象となっているフレームやブロックの符号化モード、量子化パラメータの状態、周囲の復号化済みブロック内の画像情報の状態などに応じて、デブロック処理のオン・オフやフィルタ処理の強度を切り替えられる構成であるとよい。また、多重調和局所直交変換器121において正しく変換処理が行われた場合には、一般にデブロック処理の必要がないと判定され、デブロック処理を行わずに単に全帯域通過フィルタとして機能するように構成されるとよい。デブロッキングフィルタ209は、生成したデブロック処理後の復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするために、フレームメモリ210に通知する機能を有する。
フレームメモリ210は、デブロッキングフィルタ209からデブロック後の画像フレームを参照画像フレームとして取得及び蓄積する機能を有する。また、必要に応じてMC器206、イントラ予測器208に参照画像フレームを通知する機能を有する。ここで、フレームメモリ210は、少なくとも1フレーム以上の参照画像フレームを蓄積し、各構成要素の要求に応じて必要な参照画像フレームを通知できることが望ましい。また、復号画像フレームの表示タイミングに応じて、表示に必要な画像フレームを出力符号211として外部の出力表示器に通知する機能を有することが望ましい。
次に、図3に示した本発明の復号化装置の一実施の形態の動作を図4のフローチャートに従って説明する。まず、入力受信器222は、入力符号221として所定の伝送路もしくは所定の記録媒体などから所定のパケット情報を順次取得し、符号化ビットストリームを再構成する。その後、符号化ビットストリームを多重化分離器223に通知する。多重化分離器223は、入力受信器222によって再構成された符号化ビットストリームを取得し、取得した符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行い(ステップS31)、多重化分離後の情報をエントロピー復号化器224に供給する。
エントロピー復号化器224は、多重化分離後の情報を取得し、所定のエントロピー復号化を行うことで、量子化後情報及び動きベクトル情報、及びその他の所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報などを生成する(ステップS32)。その後、エントロピー復号化器224は、少なくとも量子化後情報を逆量子化器225に供給すると共に、動きベクトル情報をMC器206に供給する。
逆量子化器225は、エントロピー復号化器224から量子化後情報を取得し、取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成し(ステップS33)、生成した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器226に供給する。
その後、イントラ復号化か否かを判定する(ステップS34)。イントラ復号化であると判定した場合には、イントラ予測処理を行う(ステップS35)。イントラ予測器208によりイントラ予測によって得られた予測画像フレームは、スイッチ207の端子a側に供給される。また、スイッチ207を端子a側に切り替える。その後ステップS37に進む。
一方、ステップS34でイントラ復号化ではないと判定した場合には、MC器206が、エントロピー復号化器224から動きベクトル情報を取得すると共に、動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームと同等の参照画像フレームを構成するように復号及び格納された参照画像フレームをフレームメモリ210から取得し、取得したこれら動きベクトル情報と参照画像フレームから、動き補償を行う(ステップS36)。これにより、MC器206により予測画像フレームが生成され、スイッチ207の端子b側に供給される。また、スイッチ207を端子b側に切り替える。その後ステップS37に進む。
次に、逆多重調和局所直交変換器226は、逆量子化器225から逆量子化後情報を取得し、その逆量子化後情報に対して、所定の逆多重調和局所直交変換を行い(ステップS37)、これにより逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成し、生成した復号DCT係数情報を逆直交変換器204に供給する。
逆直交変換器204は、逆多重調和局所直交変換器226から復号DCT係数情報を取得し、その復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行い(ステップS38)、これにより復号差分画像フレームを生成し、生成した復号差分画像フレームを、イントラ予測器208及びデブロッキングフィルタ209に供給する。
ここで、図3に示すように、逆直交変換器204が生成した復号差分画像フレームと、スイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームとを加算器205で合成して復号画像フレームを生成した後に、イントラ予測器208及びデブロッキングフィルタ209に供給するような構成であることが望ましい。
デブロッキングフィルタ209は、逆直交変換器204が生成した復号差分画像フレームと、スイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームとを合成した復号画像フレームを加算器205から取得し、その復号画像フレームに対して所定のデブロック処理を行い(ステップS39)、これによりデブロック処理後の復号画像フレームを生成する。
ここで、所定のデブロック処理は、現在復号化対象となっているフレームやブロックの符号化モード、量子化パラメータの状態、周囲の復号化済みブロック内の画像情報の状態などに応じて、デブロック処理のオン・オフやフィルタ処理の強度を切り替えられる構成であるとよい。また、多重調和局所直交変換器121において正しく変換処理が行われた場合には、一般にデブロック処理の必要がないと判定され、デブロック処理を行わずに単に全帯域通過フィルタとして機能するように構成されるとよい。デブロッキングフィルタ209は、生成したデブロック処理後の復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするために、フレームメモリ210に供給する。
フレームメモリ210は、デブロッキングフィルタ209からデブロック後の画像フレームを参照画像フレームとして取得して蓄積する。また、フレームメモリ210は、必要に応じて蓄積した参照画像フレームが読み出され、MC器206及びイントラ予測器208に供給する。ここで、フレームメモリ210は、少なくとも1フレーム以上の参照画像フレームを蓄積し、各構成要素の要求に応じて必要な参照画像フレームを供給できることが望ましい。また、フレームメモリ210は、復号画像フレームの表示タイミングに応じて復号画像フレームを出力する(ステップS40)。表示に必要な画像フレームは、出力符号211として外部の出力表示器に出力される。
その後、更に復号化対象となる符号化ビットストリームが存在するか否か判定される(ステップS41)。復号化の必要がある場合には、ステップS31に戻ることで再びステップS31以降の復号化処理を継続し、復号化対象となる符号化ビットストリームが存在しないときは復号化の必要がないものとして一連の復号化処理を終了する。
以上のような構成に基づいて動画像フレームに対する符号化・復号化処理を行うことで、本実施の形態では符号化対象となる動画像フレーム内のブロック領域に対して直交変換を行う際に境界部分の不連続性を相殺し、境界部分における波形の滑らかさを向上させるような近似波形をブロック間の境界条件から特定できる。その後、元の直交変換係数との差分から残差直交変換係数を生成できる。本実施の形態は、このような残差直交変換係数を生成することで、従来法で問題となっていた不必要な高周波数成分の発生を抑制できる。
また、生成した残差直交変換係数を、従来の直交変換係数の代わりに符号化対象として所定の量子化及び所定のエントロピー符号化を行うことで、従来の動画像符号化における符号化効率を改善できる。
次に、本発明の符号化装置を実現するための他の実施の形態として、図5及び図6を用いて以下に説明する。図5は本発明になる動画像符号化装置の他の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。ところで、一般に、動き推定・動き補償の予測精度が十分高くない場合には、フレーム内の隣接ブロック間において必ずしも連続性が保たれていない予測画像フレームが生成される。この予測画像フレームと符号化対象となっている原画像フレームとの差分から残差成分を含む差分画像フレームを生成するが、この差分画像フレームにおいても隣接ブロック間において必ずしも連続性が保たれるとは限らず、ブロック境界で不連続な状態となる場合がある。
このような差分画像フレームに対して従来の多重調和局所直交変換手法を適用すると、本来ブロック間の不連続な状態を保つように符号化を行う必要があるにもかかわらず、ブロック間の相関が高く、連続性が保たれていることを想定して符号化処理を行うため、自然画像の場合と比較して十分な符号化効率が得られないことがある。また、符号化時にブロック間の不連続性を再現するために必要な符号量を量子化などの処理によって削減してしまった場合、復号化側ではブロック間の連続性を想定して復号してしまうため、ブロック間の不連続性を再現することができず、動画像復号化の動き補償予測によって、この影響が誤差として伝播するという問題が生じる。
このような問題を解決するために、図5に示す実施の形態では図1に示した符号化装置に対して、少なくとも境界条件解析器131と境界条件判定器132を更に追加した点に特徴がある。図5において、直交変換器103は、直交変換後の係数情報を多重調和局所直交変換器121に供給する代わりに、境界条件解析器131に供給する機能を有する。ここで、直交変換後の係数情報は、DCT係数情報であるものとする。これ以外の機能は図1の構成の場合と同様であるため説明を省略する。
境界条件解析器131は、直交変換器103から直交変換後の係数情報、ここではDCT係数情報を取得する機能を有する。また、境界条件解析器131は、本発明で用いるMC処理もしくはイントラ予測処理に基づいて生成される動画像の予測画像フレームのように、ブロック間において必ずしも連続性が保たれないような場合に対して、符号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する機能を有すると共に、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成する機能を有する。境界条件解析器131が生成した境界条件補正情報は、多重調和局所直交変換器121及び境界条件判定器132にそれぞれ出力される。
更に、境界条件解析器131は、生成した境界条件補正情報を必要に応じてエントロピー符号化器123に供給する機能を備えてもよい。このように境界条件補正情報をエントロピー符号化器123に供給することで、復号結果からブロック境界の状態の推定が難しい場合であっても、ブロック境界の不連続性を復号側で一意に特定できるような情報を符号化後のビットストリームから得られるようにすることができる。
境界条件解析器131が、境界条件の補正が必要であるか否かを判定する際の判定条件に関しては、一般にブロックの境界条件であるブロック境界における画像信号の傾きに注目し、符号化対象となっているブロック間の画像信号の傾きと周囲のブロック間の画像信号の傾きとを比較して、画像信号の傾きの変化が所定の閾値を超えた場合には画像信号の傾きがゼロであるものとし、画像信号の傾きの変化が所定の閾値以内である場合には、そのまま符号化対象となっているブロック間の画像信号の傾きを利用して、後段の多重調和局所直交変換器121の処理を行うようにするとよい。
より具体的に説明するために、図7〜図11で示されるような処理対象に対して符号化対象となっている値のブロックの境界条件の解析処理及び多重調和局所直交変換処理を行うことを考える。図7〜図11では、符号化対象となっている動画像フレームを所定のブロックサイズ、ここでは例として水平方向4画素、垂直方向4画素(4x4)のブロックサイズ毎に分割し、各ブロックに対して直交変換処理、ここではDCT処理を行うことで、ブロック毎にDCT係数情報が得られているものとする。
図7は、一例としての4x4のブロックに対するDCTによって生成される各DCT係数情報の位置関係及びブロック配置を表すための概念図である。ここで、現在処理対象となっているブロックは、図7の中央のブロック(左から2番目、上から2番目に相当)600であるものとする。また各ブロックは、4x4のDCT係数情報によって構成されている。各ブロックの白丸は、ブロック全体のDC成分に相当するDCT係数情報である。
横方向の黒丸は、ブロックの縦方向のDC成分を横方向にDCTした成分に相当するDCT係数情報である。縦方向の黒丸は、ブロックの横方向のDC成分を縦方向にDCTした成分に相当するDCT係数情報である。各ブロックの斜線部分は、残りの高周波数成分に相当するDCT係数情報である。
図8は、図7における中央の処理対象ブロック600において、ブロックの斜線部である高周波数成分のDCT係数情報に対して横方向に多重調和局所直交変換処理を行う過程を示すための概念図である。ここでは、処理対象である斜線部の1行目に相当するDCT係数情報に対して多重調和局所直交変換処理を行う過程を示す。前述した数9で示した式が境界条件である画像信号の傾きのDCT係数情報は、DCT係数情報から近似的に求めることができる。よって、図8のa及びbのDCT係数情報を利用して左側の境界条件である画像信号の傾きのDCT係数情報を求める。同様に右側の境界条件をa及びcのDCT係数情報を利用して求める。
その後、(1)式を利用して斜線部の1行目に相当するDCT係数情報の推定信号である近似DCT係数情報を求める。同様に2行目以降に対しても、2行目以降のそれぞれに対応するa及びb、そしてa及びcの位置にあるDCT係数情報を利用して2行目以降の近似DCT係数情報を求める。
図9は、図8と同様の処理を縦方向に行う過程を示すための概念図である。処理自体は、横方向に行っていた処理を同様に縦方向に行うことで縦方向の近似DCT係数情報を求めることができるため、ここでは説明を省略する。
図10は、ブロックの横方向のDC成分を縦方向にDCTした成分に相当するDCT係数情報を多重調和局所直交変換の処理対象とした場合の概念図である。図10の処理対象に対する処理は、各ブロック全体のDC成分であるDCT係数情報を利用して境界条件を近似的に求めるようにするとよい。ここでは、A及びBのDCT係数情報を利用して上側の境界条件である画像信号の傾きのDCT係数情報を求める。同様に下側の境界条件をA及びCのDCT係数情報を利用して求める。その後、(1)式を利用して同様に処理対象になっている領域の近似DCT係数情報を求める。
図11は、図10と同様の処理を横方向に行う過程を示すための概念図である。図10の縦方向に行う処理を同様に横方向に行うことで近似DCT係数情報を求めることができるため、ここでは説明を省略する。
図12は、図7と同様に一例として4x4DCTによって生成される各DCT係数情報の位置関係及びブロック配置を表すための概念図である。図12において、各ブロックの白丸は、ブロック全体のDC成分に相当するDCT係数情報である。横方向の黒丸は、ブロックの縦方向のDC成分を横方向にDCTした成分に相当するDCT係数情報である。縦方向の黒丸は、ブロックの横方向のDC成分を縦方向にDCTした成分に相当するDCT係数情報である。各ブロックの斜線部分は、残りの高周波数成分に相当するDCT係数情報である。
ここで、現在処理対象となっているブロックは、図13の中央のブロック(左から3番目、上から3番目に相当)610であるものとする。図13〜図16では、符号化対象となっている動画像フレームを所定のブロックサイズ、ここでは例として4x4のブロックサイズ毎に分割し、各ブロックに対して直交変換処理、ここではDCT処理を行うことで、ブロック毎にDCT係数情報が得られているものとする。
以上のような条件の下で、図34に示したブロック間境界であるΓ(3)の境界条件の解析処理について考える。通常は図8のように隣接するブロックに注目するだけであるが、ここでは図13に示すように、符号化対象となっているブロック610を図34に示した基準ブロックΩ(0,0)であるものとして左側2ブロックについて注目している。図13の係数情報Aは符号化対象となっているブロックΩ(0,0)全体のDC成分F0,0 (0,0)である。また、係数情報Bは符号化対象ブロックから1つ左のブロックΩ(−1,0)全体のDC成分F0,0 (−1,0)、係数情報Dは符号化対象ブロックから2つ左のブロックΩ(−2,0)全体のDC成分F0,0 (−2,0)である。
前述した数9の式が示すように、DCT係数情報Fk1,k2から近似的に境界条件である傾きG (3)を求めることができることから、Ω(0,0)におけるG (3)と、Ω(−1,0)におけるG (3)とを係数情報A,係数情報B、係数情報Dから求める。その後、Ω(0,0)におけるG (3)と、Ω(−1,0)におけるG (3)とを比較し、画像信号の傾きの変化が所定の閾値を超えた場合にはΓ(3)の境界が不連続であると判定すると共に、境界条件補正情報を取得することによって境界部分の不連続性を特定し、画像信号の傾きをゼロとすべきことを特定できる情報を生成する。
画像信号の傾きの変化が所定の閾値以内である場合には、そのまま符号化対象となっているブロック間の画像信号の傾きを利用して、後段の多重調和局所直交変換器121の処理を行うようにするとよい。境界条件補正情報としては、境界毎に連続/不連続を0/1などのフラグ情報を生成するように構成することが望ましい。以上のような解析処理を右側の境界のΓ(4),上側の境界のΓ(1),下側の境界のΓ(2)に対しても同様に行うことでブロックΩ(0,0)の境界条件の解析処理を進めることができる。
ここで、解析処理を簡単にするためにGのみを利用して境界の不連続性を判定しているが、更に必要に応じて図13の係数情報a〜eのようなF0,s (t,0){s=1,2,・・・,N−1, t=−2,−1,0,1,2}から求められるG{k=1,2,・・・,N−1}を利用してブロックΩ(0,0)境界の不連続性を判定するような構成であっても構わない。これは、図14〜図16にも同様に適用することができる。
また、図5に示す境界条件解析器131は、境界条件の解析処理を行う際に、復号化時においてより正確に境界条件の特定及び境界の不連続性の判定ができるようにするために、量子化器104が量子化処理を行う際に利用する固定もしくは所定の符号量制御に応じて変動する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて量子化・逆量子化後のDCT係数情報を推定した上で、符号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する機能を有すると更によい。
図5の構成における多重調和局所直交変換器121は、直交変換器103、もしくは境界条件解析器131を経由して直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)を取得する機能と、境界条件解析器131から境界条件補正情報を取得する機能と、取得した境界条件補正情報に基づいて各ブロックの境界条件である画像信号の傾きを制御すると共に、各ブロックの境界条件に基づいてポアソン方程式を解析的に解くことでブロック内の近似直交変換係数情報(ここでは近似DCT係数情報)を求める機能と、取得したDCT係数情報と、求めた近似DCT係数情報との差分から残差DCT係数情報を生成する機能と、生成した残差DCT係数情報を量子化器104に通知する機能とを有する。
ここで、取得した境界条件補正情報に基づいた画像信号の傾き制御は、取得した境界条件補正情報から境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には画像信号の傾きを補正する。画像信号の傾きの補正は、通常は傾きをゼロとするように補正することが望ましい。また、全ての境界部分が不連続であった場合には、多重調和局所直交変換処理を行わず、取得したDCT係数情報をそのまま量子化器104に通知する機能を有すると更によい構成となる。
また、図5の構成における多重調和局所直交変換器121は、ポアソン方程式を満たすような符号化対象となっている所定の矩形領域内の推定信号を直交変換する(ここではDCTを行う)ことで得られる近似DCT係数情報を、直交変換後のDCT係数情報を利用して生成する際に、直交変換後のDCT係数情報に対して量子化で用いる量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて量子化後のDCT係数情報を推定し、この推定結果に基づいて近似DCT係数情報を生成するような機能を有すると更によい構成となる。
図5の構成における量子化器104は、量子化時に利用する量子化パラメータを境界条件解析器131、多重調和局所直交変換器121に通知する機能を有すると更によい構成となる。これ以外の機能は図1の構成の場合と同様であるため説明を省略する。また、図5の構成における逆量子化器105は、生成した逆量子化後情報を境界条件判定器132に通知する機能を有する。これ以外の機能は図1の構成の場合と同様であるため説明を省略する。
境界条件判定器132は、境界条件解析器131から境界条件補正情報を取得する機能と、逆量子化器105から逆量子化後情報を取得する機能と、境界条件補正情報が取得できる場合(有効な場合)には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器122に通知する機能と、境界条件補正情報が取得できない場合(有効でない場合)には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する機能とを有する。
また、境界条件判定器132は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器122に通知する機能を有する。ここで、境界条件判定情報は取得した逆量子化情報、つまり、逆量子化後の残差DCT係数情報におけるDC成分を利用してGに相当する情報を生成し、ブロック間の不連続性の判定を行って境界条件判定情報を生成することが望ましい。このような不連続性の判定に基づいて境界条件判定情報を生成するような機能を有すると更によい構成となる。更に、境界条件判定器132は、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器122に通知する機能を有する。
図5の構成における逆多重調和局所直交変換器122は、境界条件判定器132から境界条件判定情報及び逆量子化後情報を取得する機能を有する。ここで、取得した境界条件判定情報に基づいた画像信号の傾き制御は、取得した境界条件判定情報から境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には画像信号の傾きを補正する。画像信号の傾きの補正は、通常は傾きをゼロとするように補正することが望ましい。これ以外の機能は図1の構成の場合と同様であるため説明を省略する。
図5の構成におけるエントロピー符号化器123は、境界条件解析器131から必要に応じて通知された境界条件補正情報を取得する機能を備えてもよい。このように境界条件補正情報をエントロピー符号化器123が取得することで、復号結果からブロック境界の状態の推定が難しい場合であってもブロック境界の不連続性を復号側で一意に特定できるような情報を所定の構文構造に基づいて符号化後のビットストリームに組み入れることができる。これ以外の機能は図1の構成の場合と同様であるため説明を省略する。
次に、図5に示す本発明の符号化装置の他の実施の形態の動作を、図6のフローチャートに従って説明する。まず、図5の符号化装置の入力符号101として、符号化対象となる画像フレームを準備し(ステップS71)、続いて、イントラ符号化か否かを判定する(ステップS72)。イントラ符号化である場合には、イントラ予測器110によりイントラ予測処理を行う(ステップS73)。イントラ予測によって得られた予測画像フレームは、図5のスイッチ113の端子a側に出力される。また、スイッチ113を端子a側に切り替える。その後ステップS76に進む。
イントラ符号化ではない場合には、図5のME器111が現在符号化対象となっている動画像フレームと、フレームメモリ109に格納されている所定の参照画像フレームを取得し、動き推定を行う(ステップS74)。この動き推定処理によって生成された動きベクトル情報は、MC器112に供給されると共に、エントロピー符号化器123に供給されてエントロピー符号化される。
MC器112は、ME器111が動き推定処理によって生成した動きベクトル情報を取得すると共に、ME器111が動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームをフレームメモリ109から取得し、これら動きベクトル情報と参照画像フレームとから動き補償を行って、予測画像フレームを生成する(ステップS75)。この予測画像フレームは、スイッチ113の端子b側に出力される。また、スイッチ113は端子b側に切り替えられ、その後ステップS76に進む。
図5の直交変換器103は、入力符号101として得られる動画像フレームと、スイッチ113の端子aと接続されたイントラ予測器110もしくはスイッチ113の端子bと接続されたMC器112から得られる予測画像フレームとの差分画像フレームを減算器102から取得し、その差分画像フレームに対して所定の直交変換を行う(ステップS76)。直交変換器103は、直交変換後の係数情報を境界条件解析器131に供給する。ここで直交変換後の係数情報は、DCT係数情報であるものとする。
境界条件解析器131は、直交変換後の係数情報、ここではDCT係数情報を直交変換器103から取得し、そのDCT係数情報に基づいて境界条件の解析を行い(ステップS77)、境界条件補正情報を生成する。ここで、境界条件の解析を行う際に、量子化器104が利用する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)に対して量子化・逆量子化を行った後のDCT係数情報を推定し、この推定されたDCT係数情報に基づいて境界条件の解析を行うようにしてもよい。
生成された境界条件補正情報は、多重調和局所直交変換器121及び境界条件判定器132に供給される。また、必要に応じて境界条件補正情報はエントロピー符号化器123に供給されるようにしても構わない。また、境界条件解析器131は、取得した直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)を多重調和局所直交変換器121に通知する機能を有する。
多重調和局所直交変換器121は、境界条件解析器131から直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)と、境界条件補正情報とを取得し、その境界条件補正情報に基づいて注目するブロックの境界部分の解析を行って境界条件の不連続性を判定し、境界部分が不連続である場合には境界条件の補正を行った後に、多重調和局所直交変換処理を行う(ステップS78)。ここで、多重調和局所直交変換処理を行う際に、量子化器104が利用する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)に対して量子化・逆量子化を行った後のDCT係数情報を推定し、この推定されたDCT係数情報に基づいて処理を行うようにしてもよい。生成した残差DCT係数情報は量子化器104に供給される。
量子化器104は、多重調和局所直交変換器121から残差DCT係数情報を取得し、残差DCT係数情報に対して所定の量子化を行うことで、量子化後の残差DCT係数情報である量子化後情報を生成する(ステップS79)。生成された量子化後情報は逆量子化器105とエントロピー符号化器123に供給される。
逆量子化器105は、量子化器104から量子化後情報を取得し、その量子化後情報に対して所定の逆量子化を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する(ステップS80)。生成した逆量子化後情報は境界条件判定器132に供給される。
境界条件判定器132は、逆量子化器105から逆量子化後情報を取得すると共に、境界条件解析器131から境界条件補正情報を取得し、取得した境界条件補正情報に基づいて境界条件の判定を行う(ステップS81)。ここで、境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器122に供給し、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する。また、境界条件判定器132は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器122に供給すると共に、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器122に供給する。
逆多重調和局所直交変換器122は、境界条件判定器132から境界条件判定情報と逆量子化後情報を取得し、それら境界条件判定情報及び逆量子化後情報に基づいて、所定の逆多重調和局所直交変換処理を行う(ステップS82)。これにより、逆多重調和局所直交変換器122は、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成し、その復号DCT係数情報を逆直交変換器106に供給する。
逆直交変換器106は、逆多重調和局所直交変換器122から復号DCT係数情報を取得し、その復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行う(ステップS83)。これにより、逆直交変換器106は、復号差分画像フレームを生成し、その復号差分画像フレームを加算器107を経由してイントラ予測器110及びデブロッキングフィルタ108に供給する。デブロッキングフィルタ108は、逆直交変換器106が生成した復号差分画像フレームとスイッチ113によって選択されたイントラ予測器110もしくはMC器112が生成する予測画像フレームとを合成した復号画像フレームを加算器107から取得し、必要に応じて取得した復号画像フレームに対して所定のデブロッキング処理を行う(ステップS84)。
ただし、通常デブロック処理の必要がないと判定され、デブロック処理を行わずに単に全帯域通過フィルタとして機能することが多い。デブロッキングフィルタ108は、生成したデブロック処理後の復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするためにフレームメモリ109に格納する。
エントロピー符号化器123は、量子化器104から量子化後情報、ME器111から動きベクトル情報を少なくとも取得し、また、必要に応じて境界条件解析器131から通知される境界条件補正情報を取得するようにしてもよい。エントロピー符号化器123は、少なくとも取得した量子化後情報及び動きベクトル情報に対して、所定のエントロピー符号化を行う(ステップS85)。生成されたエントロピー符号化後情報は、多重化器124に供給される。
多重化器124は、エントロピー符号化器123からエントロピー符号化後情報を取得し、所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化を行うことで、符号化ビットストリームを生成する(ステップS86)。生成された符号化ビットストリームは、出力伝送器125へ出力される。出力伝送器125は、多重化器124から符号化ビットストリームを取得し、所定のパケット化処理に基づいてパケット情報を生成し、出力符号126として所定の伝送路や所定の記録媒体などに出力する。
以上のような符号化処理を符号化対象となる動画像フレームに対して順次行うことで本発明の符号化装置は従来の符号化装置よりも符号化効率の良い符号化ビットストリームを出力符号として得ることができる。
次に、本発明の復号化装置の他の実施の形態について、図17及び図18を用いて以下に説明する。図17は本発明になる復号化装置の他の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図3と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図17において、エントロピー復号化器224は、図5の符号化装置のエントロピー符号化器123において必要に応じて符号化されて組み込まれた境界条件補正情報を、多重化分離器223から取得する多重化分離後の情報から抽出する機能と、取得した境界条件補正情報を境界条件判定器231に通知する機能とを有するとよい。これ以外の機能は図3の構成の場合と同様であるため説明を省略する。逆量子化器225は、生成した逆量子化後情報を境界条件判定器231に通知する機能を有する。これ以外の機能は図3の構成の場合と同様であるため説明を省略する。
境界条件判定器231は、エントロピー復号化器224から境界条件補正情報を取得する機能と、逆量子化器225から逆量子化後情報を取得する機能と、境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器226に供給する機能と、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する機能とを有する。また、境界条件判定器231は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器226に供給する機能を有する。
ここで、境界条件判定情報は、取得した逆量子化情報、つまり、逆量子化後の残差DCT係数情報におけるDC成分を利用してGに相当する情報を生成し、ブロック間の不連続性の判定を行って境界条件判定情報を生成することが望ましい。境界条件判定器231は、このような不連続性の判定に基づいて境界条件判定情報を生成するような機能を有すると更によい構成となり、また取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器226に通知する機能を有する。
逆多重調和局所直交変換器226は、境界条件判定器231から境界条件判定情報を取得する機能を有する。これ以外の機能は図3の構成の場合と同様であるため説明を省略する。
次に、図17に示した本発明の復号化装置の他の実施の形態の動作を図18のフローチャートに従って説明する。まず、入力受信器222は、入力符号として所定の伝送路もしくは所定の記録媒体などから所定のパケット情報を順次取得し、符号化ビットストリームを再構成し、その後、符号化ビットストリームを多重化分離器223に供給する。多重化分離器223は、入力受信器222によって再構成された符号化ビットストリームを取得し、取得した符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行い(ステップS71)、多重化分離後の情報をエントロピー復号化器224に供給する。
エントロピー復号化器224は、多重化分離後の情報を取得し、所定のエントロピー復号化を行うことで、量子化後情報及び動きベクトル情報、及びその他の所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報などを生成する(ステップS72)。また、エントロピー復号化器224は、必要に応じて多重化分離後の情報から境界条件補正情報を生成するとよい。その後、少なくとも量子化後情報を逆量子化器225に供給すると共に、動きベクトル情報をMC器206に供給する。また、必要に応じて境界情報補正情報を境界情報判定器231に供給するとよい。
逆量子化器225は、エントロピー復号化器224から取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する(ステップS73)。生成された逆量子化後情報は境界条件判定器231に供給される。その後、イントラ復号化か否かを判定する(ステップS74)。
イントラ復号化である場合には、イントラ予測器208でイントラ予測処理を行い(ステップS75)、イントラ予測によって得られた予測画像フレームが、スイッチ207の端子a側に供給される。また、スイッチ207を端子a側に切り替える。その後ステップS77に進む。
ステップS75でイントラ符号化ではないと判定された場合には、MC器206が、エントロピー復号化器224から動きベクトル情報を取得すると共に、取得した動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームと同等の参照画像フレームを構成するように復号及び格納された参照画像フレームをフレームメモリ210から取得し、取得したこれら動きベクトル情報及び参照画像フレームから、動き補償を行う(ステップS76)。これにより、MC器206は予測画像フレームを生成し、スイッチ207の端子b側に供給する。また、スイッチ207を端子b側に切り替える。その後ステップS77に進む。
次に、境界条件判定器231は、エントロピー復号化器224から境界条件補正情報を取得すると共に、逆量子化器225から逆量子化後情報を取得し、取得したこれら境界条件補正情報及び逆量子化後情報に基づいて、境界条件の判定を行う(ステップS77)。境界条件判定器231は、境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器226に供給し、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する。また、境界条件判定器231は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器226に供給すると共に、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器226に供給する。
逆多重調和局所直交変換器226は、境界条件判定器231から取得した境界条件判定情報及び逆量子化後情報に基づいて、所定の逆多重調和局所直交変換を行うことで、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成する(ステップS78)。生成した復号DCT係数情報は逆直交変換器204に供給される。
逆直交変換器204は、逆多重調和局所直交変換器226から復号DCT係数情報を取得し、取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで復号差分画像フレームを生成する(ステップS79)。生成された復号差分画像フレームは、加算器205に供給され、ここでスイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームと合成されて、復号画像フレームとして生成される。この復号画像フレームは、イントラ予測器208とデブロッキングフィルタ209に供給される。
デブロッキングフィルタ209は、逆直交変換器204が生成した復号差分画像フレームと、スイッチ207によって選択されたイントラ予測器208もしくはMC器206が生成する予測画像フレームとを合成した復号画像フレームを取得し、その復号画像フレームに対して所定のデブロック処理を行うことで、デブロック処理後の復号画像フレームを生成する(ステップS80)。
ここで、所定のデブロック処理は、現在復号化対象となっているフレームやブロックの符号化モード、量子化パラメータの状態、周囲の復号化済みブロック内の画像情報の状態などに応じて、デブロック処理のオン・オフやフィルタ処理の強度を切り替えられる構成であるとよい。また、逆多重調和局所直交変換器226において正しく変換処理が行われた場合には、一般にデブロック処理の必要がないと判定され、デブロック処理を行わずに単に全帯域通過フィルタとして機能するように構成されるとよい。デブロッキングフィルタ209は、生成したデブロック処理後の復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするためにフレームメモリ210に供給して格納する。
フレームメモリ210では、デブロッキングフィルタ209からデブロック後の画像フレームを参照画像フレームとして取得及び蓄積し、必要に応じてMC器206及びイントラ予測器208に参照画像フレームを供給する。ここで、フレームメモリ210は、少なくとも1フレーム以上の参照画像フレームを蓄積し、各構成要素の要求に応じて必要な参照画像フレームを供給できることが望ましい。また、復号画像フレームの表示タイミングに応じて復号画像フレームを出力する(ステップS81)。フレームメモリ210からの復号画像フレームは、表示に必要な画像フレームである出力符号211として外部の出力表示器に出力される。
その後、更に復号化対象となる符号化ビットストリームが存在するかどうかを判定する(ステップS82)。復号化対象となる符号化ビットストリームが存在する場合には、ステップS71に戻り、再びステップS71〜S82の復号化処理を継続し、復号化対象となる符号化ビットストリームが存在しない場合には、一連の復号化処理を終了する。
以上のような構成に基づいて動画像フレームに対する符号化・復号化処理を行うことで、ブロック間において必ずしも連続性が保たれないような場合に対して、符号化対象となっているブロックの境界条件と、その周囲のブロックの境界条件とを比較し、ブロックの境界条件である画像信号の傾きが小さい方を符号化対象となっているブロックの境界条件として採用し、多重調和局所余弦変換手法を適用する。このような符号化対象ブロックの境界条件判定を行うことで、符号化効率を改善しつつ、正しくブロック間の不連続性を再現し、動画像復号化の動き補償予測によって、この影響が誤差として伝播するという問題を改善することができる。
なお、本発明は、上記図1、図3、図5、図17が示す符号化装置及び復号化装置の機能を図19、図20、図21、図22に示すコンピュータである中央処理制御装置1903,2003,2103,2203に実現させるためのプログラムを含むものである。このプログラムは記録媒体から取り込んでもよいし、通信ネットワークを介して配信されているものを取り込んでもよい。
図19は本発明になる符号化プログラムにより動作する情報処理装置の一例の構成図を示す。同図において、情報処理装置1900は、各種の情報を入力するための入力装置1901と、各種の情報を出力するための出力装置1902と、本発明の符号化プログラムの一実施の形態により動作する中央処理制御装置1903と、外部記憶装置1904と、中央処理制御装置1903による演算処理の際の作業領域など用いる一時記憶装置1905と、外部と通信するための通信装置1906とが、双方向のバス1907により接続された構成とされている。
中央処理制御装置1903は、本発明の符号化プログラムが記録媒体から、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置1906により取り込まれ、図1の直交変換器103に相当する直交変換手段1908、多重調和局所直交変換器121に相当する多重調和局所直交変換手段1909、量子化器104に相当する量子化手段1910、逆量子化器105に相当する逆量子化手段1911、逆多重調和局所直交変換器122に相当する逆多重調和局所直交変換手段1912、逆直交変換器106に相当する逆直交変換手段1913、イントラ予測器110に相当するイントラ予測手段1914、ME器111に相当するME手段1915、MC器112に相当するMC手段1916、デブロッキングフィルタ108に相当するデブロッキングフィルタ手段1917、エントロピー符号化器123に相当するエントロピー符号化手段1918、多重化器124に相当する多重化手段1919、出力装置1902や通信装置1906を制御して出力伝送器125に相当する機能を実現するための出力伝送手段1920の各機能を少なくとも有し、図1に示した本発明の符号化装置と同様の動作をソフトウェア処理により実行する。
図20は本発明になる復号化プログラムにより動作する情報処理装置の一例の構成図を示す。同図において、情報処理装置2000は、各種の情報を入力するための入力装置2001と、各種の情報を出力するための出力装置2002と、本発明の復号化プログラムにより動作する中央処理制御装置2003と、外部記憶装置2004と、中央処理制御装置2003による演算処理の際の作業領域など用いる一時記憶装置2005と、外部と通信するための通信装置2006とが、双方向のバス2007により接続された構成とされている。
中央処理制御装置2003は、本発明の復号化プログラムが記録媒体から、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置2006により取り込まれ、図3のエントロピー復号化器224に相当するエントロピー復号化手段2008、逆量子化器225に相当する逆量子化手段2009、逆多重調和局所直交変換器226に相当する逆多重調和局所直交変換手段2010、逆直交変換器204に相当する逆直交変換手段2011、イントラ予測器208に相当するイントラ予測手段2012、デブロッキングフィルタ209に相当するデブロッキングフィルタ手段2013、MC器206に相当するMC手段2014、入力受信器222に相当し、入力装置2001や通信装置2006を制御して入力受信器222に相当する機能を実現するための入力受信手段2015、多重化分離器223に相当する多重化分離手段2016の各機能を少なくとも有し、図3に示した本発明の復号化装置と同様の動作をソフトウェア処理により実行する。
図21は本発明になる符号化プログラムにより動作する情報処理装置の他の例の構成図を示す。同図中、図19と同一構成部分には同一符号を付してある。図21において、情報処理装置2100は、各種の情報を入力するための入力装置2101と、各種の情報を出力するための出力装置2102と、本発明の符号化プログラムにより動作する中央処理制御装置2103と、外部記憶装置2104と、中央処理制御装置2103による演算処理の際の作業領域など用いる一時記憶装置2105と、外部と通信するための通信装置2106とが、双方向のバス2107により接続された構成とされている。
中央処理制御装置2103は、本発明の符号化プログラムが記録媒体から、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置2106により取り込まれ、図5の直交変換器103に相当する直交変換手段1908、多重調和局所直交変換器121に相当する多重調和局所直交変換手段1909、量子化器104に相当する量子化手段1910、逆量子化器105に相当する逆量子化手段1911、逆多重調和局所直交変換器122に相当する逆多重調和局所直交変換手段1912、逆直交変換器106に相当する逆直交変換手段1913、イントラ予測器110に相当するイントラ予測手段1914、ME器111に相当するME手段1915、MC器112に相当するMC手段1916、デブロッキングフィルタ108に相当するデブロッキングフィルタ手段1917、エントロピー符号化器123に相当するエントロピー符号化手段1918、多重化器124に相当する多重化手段1919、出力装置2102や通信装置2106を制御して出力伝送器125に相当する機能を実現するための出力伝送手段1920、更に、境界条件解析器131に相当する境界条件解析手段2108、境界条件判定器132に相当する境界条件判定手段2109の各機能を少なくとも有し、図5に示した本発明の符号化装置と同様の動作をソフトウェア処理により実行する。
図22は本発明になる復号化プログラムにより動作する情報処理装置の他の例の構成図を示す。同図中、図20と同一構成部分には同一符号を付してある。図22において、情報処理装置2200は、各種の情報を入力するための入力装置2201と、各種の情報を出力するための出力装置2202と、本発明の復号化プログラムにより動作する中央処理制御装置2203と、外部記憶装置2204と、中央処理制御装置2203による演算処理の際の作業領域など用いる一時記憶装置2205と、外部と通信するための通信装置2206とが、双方向のバス2207により接続された構成とされている。
中央処理制御装置2203は、本発明の復号化プログラムが記録媒体から、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置2206により取り込まれ、図17のエントロピー復号化器224に相当するエントロピー復号化手段2008、逆量子化器225に相当する逆量子化手段2009、逆多重調和局所直交変換器226に相当する逆多重調和局所直交変換手段2010、逆直交変換器204に相当する逆直交変換手段2011、イントラ予測器208に相当するイントラ予測手段2012、デブロッキングフィルタ209に相当するデブロッキングフィルタ手段2013、MC器206に相当するMC手段2014、入力受信器222に相当し、入力装置2201や通信装置2206を制御して入力受信器222に相当する機能を実現するための入力受信手段2015、多重化分離器223に相当する多重化分離手段2016、更に、境界条件判定器231に相当する境界条件判定手段2208の各機能を少なくとも有し、図17に示した本発明の復号化装置と同様の動作をソフトウェア処理により実行する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図23は本発明になる動画像符号化装置の第2の実施の形態の機能ブロック図を示す。本実施の形態は、図1の実施の形態の動画像符号化装置と比較すると、イントラ予測器110及びデブロッキングフィルタ108を除いた構成となっている。図23の動画像符号化装置の各構成要素は、図1に示した実施の形態の動画像符号化装置の対応する構成要素と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施の形態は、イントラ符号化に特徴があり、不連続で急激な変化を伴う信号成分を含むピクチャに対して通常のイントラ符号化を行うと、必ずしも十分な符号化効率が得られず、また、AVCによるイントラ予測で予測ブロックの中から符号化対象ブロックに最も近いものを選択する際に、必ずしも良く近似した予測ブロックを選択できるとは限らないために十分な符号化効率が得られないという、前述した課題を解決する実施の形態である。
次に、図23の動画像符号化装置の動作を図24のフローチャートに従って説明する。まず、入力符号701として、符号化対象となる画像フレームを準備し(ステップS71)、イントラ符号化か否かを判定する(ステップS72)。イントラ符号化である場合には、スイッチ715を端子a側に切り替えた後ステップS75に進む。
一方、ステップS72でイントラ符号化ではないと判定した場合には、ME器713が現在符号化対象となっている動画像フレームと、フレームメモリ712に格納されている所定の参照画像フレームを取得し、動き推定を行う(ステップS73)。また、MC器714は、ME器713が動き推定処理によって生成した動きベクトル情報を取得し、ME器111が動きベクトル情報を生成した際に利用した参照画像フレームをフレームメモリ712から取得し、これらに基づいて動き補償を行い(ステップS74)、スイッチ715の端子b側に出力する。また、スイッチ715を端子b側に切り替える。その後ステップS75に進む。
イントラ符号化ではない場合の動作は、図1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。以下、イントラ符号化である場合の動作を説明する。直交変換器703は、入力符号701として得られる画像フレームを取得し、その取得した画像フレームに対して所定の直交変換を行う(ステップS76)。イントラ符号化である場合、スイッチ715は端子aに接続、つまり予測フレームを取得しないように切断されているため、差分フレームではなく入力符号701として得られる画像フレームが、直交変換器703の入力になることに注意する。直交変換器703は、直交変換後の係数情報を境界条件解析器704に通知する。ここで直交変換後の係数情報は、DCT係数情報であるものとする。
境界条件解析器704は、直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)を直交変換器703から取得し、取得したDCT係数情報に基づいて境界条件の解析を行い(ステップS76)、境界条件補正情報を生成する。通常は、現在符号化対象となっているブロックの上下左右に隣接するブロックとの間の境界条件についてそれぞれ解析を行い、それぞれの境界毎に必要な境界条件補正情報を生成する。ここで、境界条件の解析を行う際に、量子化器706が利用する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)に対して量子化・逆量子化を行った後のDCT係数情報を推定し、この推定されたDCT係数情報に基づいて境界条件の解析を行うようにしてもよい。
境界条件解析器704は、生成した境界条件補正情報を、多重調和局所直交変換器705と境界条件判定器708に通知する。また、必要に応じて生成した境界条件補正情報をエントロピー符号化器716に通知するようにしても構わない。また、境界条件解析器704は、取得した直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)を多重調和局所直交変換器705に通知する。
多重調和局所直交変換器705は、境界条件解析器704から直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)と、境界条件補正情報を取得し、取得した境界条件補正情報に基づいて注目するブロックの境界部分の不連続性を判定し、境界部分が不連続である場合には境界条件の補正を行った後に、多重調和局所直交変換処理を行う(ステップS77)。ここで、多重調和局所直交変換処理を行う際に、量子化器706が利用する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)に対して量子化・逆量子化を行った後のDCT係数情報を推定し、この推定されたDCT係数情報に基づいて処理を行うようにしてもよい。その後、多重調和局所直交変換器705は、多重調和局所直交変換処理により生成した残差DCT係数情報を後述する量子化器706に通知する。
量子化器706は、多重調和局所直交変換器705から残差DCT係数情報を取得し、取得した残差DCT係数情報に対して所定の量子化を行い(ステップS78)、量子化後の残差DCT係数情報である量子化後情報を生成する。量子化器706は、生成した量子化後情報を逆量子化器706とエントロピー符号化器716に通知する。
逆量子化器706は、量子化器706から量子化後情報を取得し、取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行い(ステップS79)、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する。逆量子化器706は、生成した逆量子化後情報を境界条件判定器708に通知する。
境界条件判定器708は、逆量子化器706から逆量子化後情報を取得し、境界条件解析器704から境界条件補正情報を取得し、取得した境界条件補正情報に基づいて境界条件の判定を行う(ステップS80)。ここで、境界条件判定器708は、境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器709に通知する。境界条件判定器708は、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する。
また、境界条件判定器708は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器709に通知する。通常は、現在符号化対象となっているブロックの上下左右に隣接するブロックとの間の境界条件についてそれぞれ解析を行い、それぞれの境界毎に必要な境界条件補正情報の生成を行う。境界条件判定器708は、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器709に通知する。
逆多重調和局所直交変換器709は、境界条件判定器708から境界条件判定情報と逆量子化後情報をそれぞれ取得し、取得した境界条件判定情報及び逆量子化後情報に基づいて、所定の逆多重調和局所直交変換処理を行う(ステップS81)。これにより、逆多重調和局所直交変換器709は、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成し、生成した復号DCT係数情報を逆直交変換器710に通知する。
逆直交変換器710は、逆多重調和局所直交変換器709から復号DCT係数情報を取得し、取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行い(ステップS82)、復号画像フレームを生成する。逆直交変換器710は、生成した復号画像フレームを、参照画像フレームとして利用できるようにするために加算器711を介してフレームメモリ712に供給して格納する。
エントロピー符号化器716は、イントラ符号化である場合には、量子化器706から量子化後情報を少なくとも取得し、また、必要に応じて境界条件解析器704から通知される境界条件補正情報を取得するようにしてもよい。エントロピー符号化器716は、少なくとも取得した量子化後情報に対して、所定のエントロピー符号化を行い(ステップS83)、生成したエントロピー符号化後情報を多重化器717に通知する。
多重化器717は、エントロピー符号化器716からエントロピー符号化後情報を取得し、所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化を行う(ステップS84)ことで、符号化ビットストリームを生成する。生成した符号化ビットストリームは出力伝送器718に通知される。出力伝送器718は、多重化器717から符号化ビットストリームを取得し、所定のパケット化処理に基づいてパケット情報を生成し、出力符号719として所定の伝送路や所定の記録媒体などに出力する。
以上のような符号化処理を符号化対象となる動画像フレームに対して順次行うことで本実施の形態の符号化装置は従来の符号化装置よりもイントラ符号化を行う際に、符号化効率の良い符号化ビットストリームを出力符号として得ることができる。
なお、図23の動画像符号化装置の上記の説明では、符号化処理をフレーム単位としたが、これに限定されるものではなく、マクロブロック、ブロック、サブブロックといった、フレームより小さい画像単位で行うように構成しても構わない。また、複数のマクロブロックをまとめたスライス単位で行うように構成しても構わない。例えば、AVC(H.264)では、マクロブロック(MB)は横16画素、縦16画素(以下、16×16等と表記)を扱えるようになっており、このMBには複数の種類(MBタイプ)が存在していて、このMBタイプに応じて、16×16、16×8、8×16、及び8×8の各領域に分割して取り扱うことができるようになっている。この各領域を通常はブロックと呼ぶ。更に、MBモードが8×8の場合には、ブロックは複数の種類(Sub MBタイプ)が存在することがあり、Sub MBタイプに応じて8×8、8×4、4×8、及び4×4の各領域に分割して取り扱うことができるようになっている。この各領域を通常はサブブロックと呼ぶ。このようなMBモード、Sub MBモードを駆使して様々な分割方法を利用して動き推定及び動き補償を行うことで、従来のMPEG−1、−2、−4(AVCでないもの)よりも、推定精度を向上させることができるようになっている。また、整数DCTを行う際の処理単位は、4×4を単位としている。
そこで、次に、図23の動画像符号化装置の符号化処理を、マクロブロック単位で行い、直交変換である整数DCTや、多重調和局所直交変換等を行う際の処理単位は4×4のサブブロック単位で行う場合を例として、動作を図24のフローチャートと共に説明する。まず、入力符号701として、符号化対象となる画像フレームを準備する(ステップS71)。ここで、直交変換である整数DCTの処理単位を4×4のサブブロック単位で行うため、まず符号化対象となるマクロブロックを画像フレームの左上のマクロブロックとする。符号化処理の順序を、ここではラスタ順、つまり左上から一つずつ右のマクロブロックに移動し、その行の右端に達した際は、次の行の左端のマクロブロックに移動しながら順次処理を行い、右下のマクロブロックに到達するまで移動するような順序であるものとして話を進める。また、マクロブロック内のブロックの処理順序は、左上、右上、左下、右下の順であり、ブロック内のサブブロックの処理順序は、左上、右上、左下、右下の順であるものとして話を進める。このような符号化対象となるマクロブロックを、直交変換器703に通知する。
次に、現在符号化対象となっているマクロブロックは、イントラ符号化か(ステップS72)を判定する。イントラ符号化である場合には、スイッチ715を端子a側に切り替える。その後ステップS75に進む。イントラ符号化ではない場合の動作は、図1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。以下、イントラ符号化である場合の動作を説明する。
直交変換器703は、入力符号701として得られる画像フレームの現在符号化対象となっているマクロブロックを取得する。イントラ符号化である場合、スイッチ715は端子aに接続、つまり予測ブロックを取得しないように切断されているため、差分ブロックではなく入力符号701として得られる画像フレームの現在符号化対象となっているマクロブロックが、直交変換器703の入力になることに注意する。取得したマクロブロックに対して4×4のサブブロック毎に所定の直交変換を行う(ステップS75)。直交変換器703は、直交変換後の係数情報を境界条件解析器704に通知する。ここで直交変換後の係数情報は、DCT係数情報であるものとする。
境界条件解析器704は、符号化対象となっているマクロブロック内の直交変換後の係数情報、ここではDCT係数情報を直交変換器703から取得する。また、ここでは予め直交変換済みのマクロブロック情報を保持していることが望ましい。更に、符号化対象となっているサブブロックの上側及び左側に隣接する直交変換済みのサブブロックの情報を保持し、境界条件の解析に利用できるようにすることが望ましい。また、更に詳しい不連続性の解析が必要な場合には、符号化対象となっているサブブロックの上方に近接する2つの直交変換済みのサブブロックと、左方に近接する2つの直交変換済みのサブブロックの情報を保持し、境界条件の解析に利用できるようにすることで、より良い構成となる。境界条件解析器704は、取得したDCT係数情報に基づいて境界条件の解析を行い(ステップS76)、境界条件補正情報を生成する。ここで、境界条件の解析を行う際に、量子化器706が利用する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて直交変換後の係数情報(ここではDCT係数情報)に対して量子化・逆量子化を行った後のDCT係数情報を推定し、この推定されたDCT係数情報に基づいて境界条件の解析を行うようにしてもよい。
また、本発明のイントラ符号化において、各マクロブロックの符号化順が、左上の1行目のマクロブロックから横方向に順番に符号化し、順次2行目、3行目と符号化を進めていくラスタ順によって符号化を行う場合には、符号化済みの隣接サブブロックのみに対して境界条件の解析を行い、符号化前の隣接サブブロックとの境界条件ついては、解析を行わずに境界条件の補正を行うようにするとよい。つまり、少なくとも直交変換済みの隣接する上側と左側のサブブロックとの間の境界条件の解析を行い、下側と右側に隣接する直交変換前のサブブロックとの間の境界条件の解析は行わずに、常に境界条件の補正を行うようにすることで、より良い構成となる。また、同一マクロブロック内で、符号化対象となっているサブブロックの下側と右側に隣接するサブブロックが直交変換済みである場合には、上側、左側と同様にサブブロックとの間の境界条件の解析を行うようにすることで、更に良い構成となる。
境界条件解析器704は、生成した境界条件補正情報を、多重調和局所直交変換器705及び境界条件判定器708に通知する。また、必要に応じて境界条件補正情報をエントロピー符号化器716に通知するようにしても構わない。ここで、通知する境界条件補正情報は、直交変換後のサブブロックとの境界条件から求めた情報のみを通知するようにし、直交変換前のサブブロックとの境界条件に対しては必ず補正を行うようにすると、通知する情報量を少なくすることができ、より良い構成となる。また、境界条件解析器704は、取得した直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)を多重調和局所直交変換器705に通知する。
多重調和局所直交変換器705は、境界条件解析器704から符号化対象となっているサブブロックにおける直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)と境界条件補正情報を取得し、取得した境界条件補正情報に基づいて注目するサブブロックの境界部分の不連続性を判定し、境界部分が不連続である場合には境界条件の補正を行った後に、多重調和局所直交変換処理を行う(ステップS77)。ここで、多重調和局所直交変換処理を行う際に、量子化器706が利用する量子化パラメータを取得し、この量子化パラメータに基づいて直交変換後の係数情報(ここでは、DCT係数情報)に対して量子化・逆量子化を行った後のDCT係数情報を推定し、この推定されたDCT係数情報に基づいて処理を行うようにしてもよい。
また、イントラ符号化の場合において、通知される境界条件補正情報に基づいて行われる、注目するサブブロックの境界部分の不連続性の判定を、直交変換済みのサブブロックとの境界部分においてのみ行い、直交変換前のサブブロックとの境界部分においては不連続であると判断して、必ず境界条件の補正を行うようにすると、更に良い構成となる。つまり、符号化対象となっているサブブロックの上側と左側のサブブロックは直交変換済みのサブブロックであるため、この境界部分の不連続性の判定を行う。符号化対象となっているサブブロックの下側と右側のサブブロックは直交変換前のサブブロックであることから、これらの境界部分の不連続性の判定は行わずに、常に不連続であるものとして処理を行うことが望ましい。ただし、下側と右側のサブブロックが同一マクロブロック内であり、直交変換済みのサブブロックである場合には、上側と左側と同様に境界部分の不連続性の判定を行うことが望ましい。このような処理によって処理負荷を軽減し、より高速な符号化及び復号化を実現できるからである。その後、多重調和局所直交変換器705は、生成した残差DCT係数情報を後述する量子化器706に通知する。
量子化器706は、多重調和局所直交変換器705から残差DCT係数情報を取得し、取得した残差DCT係数情報に対して所定の量子化を行い(ステップS78)、量子化後の残差DCT係数情報である量子化後情報を生成する。生成した量子化後情報は逆量子化器706、エントロピー符号化器716に通知される。
逆量子化器706は、量子化器706から量子化後情報を取得し、取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行い(ステップS79)、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する。生成した逆量子化後情報は境界条件判定器708に通知される。
境界条件判定器708は、逆量子化器706から逆量子化後情報を取得する。また境界条件解析器704から境界条件補正情報を取得する。取得した境界条件補正情報に基づいて境界条件の判定を行う(ステップS80)。ここで、境界条件判定器708は、境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器709に通知する。境界条件判定器708は、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているサブブロックと隣接する周囲のサブブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する。また、境界条件判定器708は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器709に通知する。
ここで、ラスタ順によってイントラ符号化を行っている場合には、符号化済みの隣接サブブロックのみに対して境界条件の解析を行い、符号化前の隣接サブブロックとの境界条件ついては、解析を行わずに境界条件の補正を行うようにするとよい。また、境界条件判定器708は、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器709に通知する。
逆多重調和局所直交変換器709は、境界条件判定器から境界条件判定情報、逆量子化後情報を取得し、取得した境界条件判定情報、逆量子化後情報に基づいて、所定の逆多重調和局所直交変換処理を行い(ステップS81)、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成する。生成した復号DCT係数情報は逆直交変換器710に通知される。
逆直交変換器710は、逆多重調和局所直交変換器709から復号DCT係数情報を取得し、取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行い(ステップS82)、復号画像ブロックを生成する。逆直交変換器710は、生成した復号画像ブロックを、参照画像フレームとして利用できるようにするために、加算器711を介してフレームメモリ712に供給しその対応する位置に格納する。
エントロピー符号化器716は、イントラ符号化である場合には、量子化器706から量子化後情報を少なくとも取得する。また、必要に応じて境界条件解析器704から通知される境界条件補正情報を取得するようにしてもよい。エントロピー符号化器716は、少なくとも取得した量子化後情報に対して、所定のエントロピー符号化を行い(ステップS83)、それにより生成したエントロピー符号化後情報を多重化器717に通知する。
多重化器717は、エントロピー符号化器716からエントロピー符号化後情報を取得し、所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化を行い(ステップS84)、符号化ビットストリームを生成する。生成した符号化ビットストリームは出力伝送器718に供給され、ここで所定のパケット化処理に基づいてパケット情報に変換された後、出力符号719として所定の伝送路や所定の記録媒体などに出力される。
以上のような符号化処理を符号化対象となる動画像フレームの各ブロックに対して順次行うことで本発明の符号化装置は従来の符号化装置よりもイントラ符号化を行う際に、符号化効率の良い符号化ビットストリームを出力符号として得ることができる。すなわち、本実施の形態では、通常のイントラ符号化においてイントラ予測を行う替わりに、イントラ符号化の符号化対象となっているフレームに対して所定のブロック単位で直交変換を行うと共に、符号化対象のブロックとその隣接、および周囲のブロックとの境界条件の解析を行うことで、隣接ブロック間の相関の高さを解析し、隣接ブロック間の相関が高い場合には、符号化対象ブロックに対し、隣接するブロックの境界条件に基づいて所定の多重調和局所直交変換を行い、残差直交変換係数を生成し、境界条件の解析の結果、隣接ブロック間の相関が低い場合には、多重調和局所直交変換で利用する境界条件を補正した後にこの変換処理を行うことにより、ブロック間の不連続性を考慮しながら処理を行うことで、生成される残差直交変換係数の信号成分の偏りを、従来のイントラ符号化で用いられるイントラ予測よりも大きくし、十分な符号化効率を得ることができる。
また、本実施の形態では、符号化処理を所定のブロック単位で行う場合に、符号化対象となっているブロックとその隣接、及び周囲のブロックとの境界条件の解析を行う際に、直交変換済みのブロックとの間のみ境界条件の解析を行い、それ以外のブロックとの間は不連続であると解釈することで、本実施の形態の処理を軽減し、より高速な符号化を実現することができる。
更に、本実施の形態によれば、符号化対象ブロック内の信号成分は、多重調和局所直交変換を行うことによって、隣接するブロックとの境界条件に基づいた推定により信号成分の近似を行うことで残差直交変換係数を生成するようにしたため、従来のイントラ予測のように、所定の方向および所定の重み付けによって生成された予測ブロックの中から、符号化対象ブロックに最も近いものを選択する場合よりも、より複雑な推定信号に基づいて残差直交変換係数を生成することができるため、より高い符号化効率を得ることができる。
次に、本発明の動画像復号化装置の第2の実施の形態について説明する。図25は本発明になる動画像復号化装置の第2の実施の形態の機能ブロック図を示す。この実施の形態の動画像復号化装置は、図3に示した動画像復号化装置と比較すると、イントラ予測器208及びデブロッキングフィルタ209を除いた構成となっている。図25の動画像復号化装置の各構成要素は、図3に示した実施の形態の動画像復号化装置の対応する構成要素と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、図25の動画像復号化装置の動作を図26のフローチャートに従って説明する。まず、入力受信器802は、入力符号801として所定の伝送路もしくは所定の記録媒体などから所定のパケット情報を順次取得し、符号化ビットストリームを再構成する。その後、符号化ビットストリームを多重化分離器803に通知する。
多重化分離器803は、入力受信器802によって再構成された符号化ビットストリームを取得し、取得した符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行い(ステップS91)、多重化分離後の情報をエントロピー復号化器804に通知する。
エントロピー復号化器804は、多重化分離後の情報を取得し、所定のエントロピー復号化を行う(ステップS92)ことで、量子化後情報及び動きベクトル情報、及びその他の所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報などを生成する。また、必要に応じて多重化分離後の情報から境界条件補正情報を生成するとよい。その後、少なくとも量子化後情報を逆量子化器805に通知すると共に、動きベクトル情報をMC器811に通知する。また、必要に応じて境界情報補正情報を境界情報判定器806に通知するとよい。
逆量子化器805は、エントロピー復号化器804から量子化後情報を取得し、取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行い(ステップS93)、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成する。逆量子化器805は、生成した逆量子化後情報を境界条件判定器806に通知する。
その後、イントラ復号化か否かを判定する(ステップS94)。イントラ復号化である場合には、スイッチ812を端子a側に切り替える。つまり、予測フレームを取得しないようにスイッチ812を切断する。その後ステップS96に進む。
イントラ復号化ではない場合には、MC器811が、エントロピー復号化器804から取得した動きベクトル情報とフレームメモリ810から取得した参照画像フレームから、動き補償を行う(ステップS95)。これにより、MC器811により予測画像フレームが生成され、スイッチ812の端子b側に供給される。また、スイッチ812を端子b側に切り替える。以後の動作は図3に示した実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。以下、イントラ復号化である場合の動作を説明する。
境界条件判定器806は、エントロピー復号化器804から境界条件補正情報を取得すると共に、逆量子化器805から逆量子化後情報を取得し、取得したこれら境界条件補正情報と逆量子化後情報に基づいて境界条件の判定を行う(ステップS96)。この境界条件の判定において、境界条件判定器806は境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器807に通知し、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているブロックと隣接する周囲のブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する。
また、境界条件判定器806は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器807に通知する。通常は、現在復号化対象となっているブロックの上下左右に隣接するブロックとの間の境界条件についてそれぞれ解析を行い、それぞれの境界ごとに必要な境界条件補正情報の生成を行う。また、境界条件判定器806は、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器807に通知する。
逆多重調和局所直交変換器807は、境界条件判定器806から取得した境界条件判定情報と逆量子化後情報に基づいて、所定の逆多重調和局所直交変換を行い(ステップS97)、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成する。逆多重調和局所直交変換器807は、生成した復号DCT係数情報を逆直交変換器808に通知する。
逆直交変換器808は、逆多重調和局所直交変換器807から復号DCT係数情報を取得し、取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行い(ステップS98)、復号画像フレームを生成し、その復号画像フレームを参照画像フレームとして利用できるようにするために、加算器809を通してフレームメモリ810に通知する。
フレームメモリ810では、画像フレームを参照画像フレームとして取得及び蓄積する。また、必要に応じてMC器811に参照画像フレームを通知する。ここで、フレームメモリ810は、少なくとも1フレーム以上の参照画像フレームを蓄積し、各構成要素の要求に応じて必要な参照画像フレームを通知できることが望ましい。また、フレームメモリ810は、復号画像フレームの表示タイミングに応じて復号画像フレームを出力し(ステップS99)、表示に必要な画像フレームを出力符号813として外部の出力表示器に通知する。
その後、更に復号化対象となる符号化ビットストリームが存在するかを判定する(ステップS100)。復号化対象となる符号化ビットストリームが存在する場合にはステップS91に進むことで復号化処理を継続し、復号化の必要がない場合には一連の復号化処理を終了する。
ところで、図25に示した動画像復号化装置の上記の説明では、復号化処理をフレーム単位で行うものとして説明したが、これに限定されるものではなく、マクロブロック、ブロック、サブブロックといったフレームより小さい画像単位で行うように構成しても構わない。また、複数のマクロブロックをまとめたスライス単位で行うように構成しても構わない。そこで、次に復号化処理を、マクロブロック単位で行い、逆直交変換である逆整数DCTや、逆多重調和局所直交変換等を行う際の処理単位は4×4のサブブロック単位で行った場合の図23の動画像復号化装置の動作を図26のフローチャートと共に説明する。
まず、入力受信器802は、入力符号801として所定の伝送路もしくは所定の記録媒体などから所定のパケット情報を順次取得し、符号化ビットストリームを再構成する。その後、符号化ビットストリームを多重化分離器803に通知する。多重化分離器803は、入力受信器802によって再構成された符号化ビットストリームを取得し、取得した符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行い(ステップS91)、多重化分離後の情報をエントロピー復号化器804に通知する。
エントロピー復号化器804は、多重化分離後の情報を取得し、所定のエントロピー復号化を行う(ステップS92)ことで、復号化対象ブロックを構成するための、量子化後情報及び動きベクトル情報、及びその他の所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報などを生成する。また、必要に応じて多重化分離後の情報から境界条件補正情報を生成するとよい。その後、少なくとも量子化後情報を逆量子化器805に通知するとともに、動きベクトル情報をMC器811に通知する。また、必要に応じて境界情報補正情報を境界情報判定器806に通知するとよい。
逆量子化器805は、エントロピー復号化器804から復号化対象となっているブロックの量子化後情報を取得する。取得した量子化後情報に対して所定の逆量子化を行い(ステップS93)、逆量子化後の残差DCT係数情報である逆量子化後情報を生成し、その逆量子化後情報を境界条件判定器806に通知する。
その後、イントラ復号化か否かを判定する(ステップS94)。イントラ復号化である場合には、スイッチ812を端子a側に切り替える。つまり、予測フレームを取得しないようにスイッチ812を切断する。その後ステップS96に進む。イントラ復号化ではない場合には、上記の説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。以下、イントラ復号化である場合の動作を説明する。
境界条件判定器806は、エントロピー復号化器804から取得した境界条件補正情報と、逆量子化器805から取得した復号化対象となっているサブブロックの逆量子化後情報とに基づいて、境界条件の判定を行う(ステップS96)。ここで、境界条件判定器806は、境界条件補正情報が取得できる場合には、取得した境界条件補正情報を境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器807に通知し、境界条件補正情報が取得できない場合には、取得した逆量子化後情報を利用して復号化対象となっているサブブロックと隣接する周囲のサブブロックとの間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるかを判定する。
また、境界条件判定器806は、境界条件の補正が必要であるかを特定するための境界条件補正情報を生成し、境界条件判定情報として逆多重調和局所直交変換器807に通知する。ここで、マクロブロック単位のラスタ順によってイントラ復号化を行っている場合には、逆量子化済みの隣接サブブロックのみに対して境界条件の解析を行い、復号化前の隣接サブブロックとの境界条件ついては、解析を行わずに境界条件の補正を行うようにするとよい。ただし、同一マクロブロック内で、復号化済みの隣接サブブロックに対しては、境界条件の解析を行うようにすることが望ましい。境界条件判定器806は、取得した逆量子化後情報を逆多重調和局所直交変換器807に通知する。
逆多重調和局所直交変換器807は、境界条件判定器806から取得した境界条件判定情報、逆量子化後情報に基づいて、所定の逆多重調和局所直交変換を行い(ステップS97)、逆量子化後の残差DCT係数情報から復号して得られた復号DCT係数情報を生成し、その生成した復号DCT係数情報を逆直交変換器808に通知する。
逆直交変換器808は、逆多重調和局所直交変換器807から復号DCT係数情報を取得し、取得した復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行い(ステップS98)、復号画像ブロックを生成する。逆直交変換器808は、生成した復号画像ブロックを参照画像フレームとして利用できるようにするために加算器809を通してフレームメモリ810に供給する。
フレームメモリ810では、復号画像ブロックを参照画像フレームとして利用するために取得及び蓄積する。ここで、フレームメモリ810は、少なくとも1フレーム以上の参照画像フレームを蓄積し、各構成要素の要求に応じて必要な参照画像フレームを通知できることが望ましい。また、フレームメモリ810は、復号画像フレームの表示タイミングに応じて復号画像フレームを出力し(ステップS99)、表示に必要な画像フレームを出力符号813として外部の出力表示器に通知する。
その後、更に復号化対象となる符号化ビットストリームが存在するか否かを判定する(ステップS100)。復号化対象となる符号化ビットストリームが存在する場合にはステップS91に進むことで復号化処理を継続し、復号化の必要がない場合には一連の復号化処理を終了する。
本実施の形態では、復号化処理をマクロブロック単位で行う場合に、復号化対象となっているサブブロックとその隣接、及び周囲のサブブロックとの境界条件の解析を行う際に、マクロブロック単位でのラスタ順によってイントラ復号化を行っている場合には、逆量子化済みの隣接サブブロックのみに対して境界条件の解析を行い、復号化前の隣接サブブロックとの境界条件ついては、解析を行わずに境界条件の補正を行うことで、本実施の形態の処理を軽減し、より高速な復号化を実現することができる。
なお、本発明は、上記図23、図25が示す動画像符号化装置及び動画像復号化装置の機能を図27、図28に示すコンピュータである中央処理制御装置2303、2403に実現させるためのプログラムを含むものである。このプログラムは記録媒体から取り込んでもよいし、通信ネットワークを介して配信されているものを取り込んでもよい。
図27は本発明になる符号化プログラムにより動作する情報処理装置の一例の構成図を示す。同図において、情報処理装置2300は、各種の情報を入力するための入力装置2301と、各種の情報を出力するための出力装置2302と、本発明の符号化プログラムの一実施の形態により動作する中央処理制御装置2303と、外部記憶装置2304と、中央処理制御装置2303による演算処理の際の作業領域などに用いる一時記憶装置2305と、外部と通信するための通信装置2306とが、双方向のバス2307により接続された構成とされている。
中央処理制御装置2303は、本発明の符号化プログラムが記録媒体から、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置2306により取り込まれ、図23の直交変換器703に相当する直交変換手段2308、多重調和局所直交変換器705に相当する多重調和局所直交変換手段2309、量子化器706に相当する量子化手段2310、
逆量子化器707に相当する逆量子化手段2311、逆多重調和局所直交変換器709に相当する逆多重調和局所直交変換手段2312、逆直交変換器710に相当する逆直交変換手段2313、ME器713に相当するME手段2314、MC器714に相当するMC手段2315、エントロピー符号化器716に相当するエントロピー符号化手段2316、多重化器717に相当する多重化手段2317、出力伝送器718に相当する出力伝送手段2318、境界条件解析器704に相当する境界条件解析手段2319、境界条件判定器708に相当する境界条件判定手段2320の各機能を少なくとも有し、図23に示した本発明の符号化装置と同様の動作をソフトウェア処理により実行する。
図28は本発明になる復号化プログラムにより動作する情報処理装置の一例の構成図を示す。同図において、情報処理装置2400は、各種の情報を入力するための入力装置2401と、各種の情報を出力するための出力装置2402と、本発明の復号化プログラムにより動作する中央処理制御装置2403と、外部記憶装置2404と、中央処理制御装置2403による演算処理の際の作業領域などに用いる一時記憶装置2405と、外部と通信するための通信装置2406とが、双方向バス2407により接続された構成とされている。
中央処理制御装置2403は、本発明の復号化プログラムが記録媒体から、あるいは通信ネットワークを介して配信されて通信装置2306により取り込まれ、図25のエントロピー復号化器804に相当するエントロピー復号化手段2408、逆量子化器805に相当する逆量子化手段2409、逆多重調和局所直交変換器807に相当する逆多重調和局所直交変換手段2410、逆直交変換器808に相当する逆直交変換手段2411、MC器811に相当するMC手段2412、入力受信器802に相当する入力受信手段2413、多重化分離器803に相当する多重化分離手段2414、境界条件判定器806に相当する境界条件判定手段2415の各機能を少なくとも有し、図25に示した本発明の復号化装置と同様の動作をソフトウェア処理により実行する。
本発明の符号化装置の一実施の形態の機能ブロック図である。 本発明の符号化装置の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明の復号化装置の一実施の形態の機能ブロック図である。 本発明の復号化装置の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明の符号化装置の他の実施の形態の機能ブロック図である。 本発明の符号化装置の他の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 4x4DCTによって生成される、各DCT係数情報の位置関係及びブロックの配置を表すための概念図である。(3x3ブロック) 図7の処理対象に対して横方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための一例の概念図である。 図7の処理対象に対して縦方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための一例の概念図である。 図7の処理対象に対して縦方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための他の例の概念図である。 図7の処理対象に対して横方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための他の例の概念図である。 4x4DCTによって生成される、各DCT係数情報の位置関係及びブロックの配置を表すための概念図である。(5x5ブロック) 図12の処理対象に対して横方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための一例の概念図である。 図12の処理対象に対して縦方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための一例の概念図である。 図12の処理対象に対して縦方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための他の例の概念図である。 図12の処理対象に対して横方向の多重調和局所直交変換を行う様子を示すための他の例の概念図である。 本発明の復号化装置の他の実施の形態の機能ブロック図である。 本発明の復号化装置の他の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明の符号化装置の一実施の形態が備える機能を、本発明の符号化プログラムを実行させることにより実現する情報処理装置の基本構成を表す機能ブロック図である。 本発明の復号化装置の一実施の形態が備える機能を、本発明の復号化プログラムを実行させることにより実現する情報処理装置の基本構成を表す機能ブロック図である。 本発明の符号化装置の他の実施の形態が備える機能を、本発明の符号化プログラムを実行させることにより実現する情報処理装置の基本構成を表す機能ブロック図である。 本発明の復号化装置の他の実施の形態が備える機能を、本発明の復号化プログラムを実行させることにより実現する情報処理装置の基本構成を表す機能ブロック図である。 本発明の符号化装置における、第2の実施の形態の機能ブロック図である。 本発明の符号化装置における、第2の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明の復号化装置における、第2の実施の形態の機能ブロック図である。 本発明の復号化装置における、第2の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明の符号化装置における、第2の実施の形態が備える機能を、本発明の符号化プログラムを実行させることにより実現する情報処理装置の基本構成を表す機能ブロック図である。 本発明の復号化装置における、第2の実施の形態が備える機能を、本発明の復号化プログラムを実行させることにより実現する情報処理装置の基本構成を表す機能ブロック図である。 従来の符号化装置の一例(AVC)の機能ブロック図である。 従来の復号化装置の一例(AVC)の機能ブロック図である。 多重調和局所直交変換の基本概念を表すための概念図である。 通常のDCTを行った場合の信号の取り扱いと影響を示すための概念図である。 多重調和局所直交変換を行った場合の信号の取り扱いと影響を示すための概念図である。 各ブロック及びブロック間の境界に関する定義を示すための概念図である。
符号の説明
101、221、701、801 入力符号
102 減算器
103、703 直交変換器
104、706 量子化器
105、225、707、805 逆量子化器
106、204、710、808 逆直交変換器
107、205、711、809 加算器
108、209 デブロッキングフィルタ
109、210、712、810 フレームメモリ
110、208 イントラ予測器
111、713 動き推定(ME)器
112、206、714、811 動き補償(MC)器
113、207、715、812 スイッチ
121、705 多重調和局所直交変換器
122、226、709、807 逆多重調和局所直交変換器
123、716 エントロピー符号化器
124、717 多重化器
125、719 出力伝送器
126、211、719、813 出力符号
131、704 境界条件解析器
132、231、708、806 境界条件判定器
222、802 入力受信器
223、803 多重化分離器
224、804 エントロピー復号化器
1900、2000、2100、2200、2300、2400 情報処理装置
1901、2001、2101、2201、2301、2401 入力装置
1902、2002、2102、2202、2302、2402 出力装置
1903、2003、2103、2203、2303、2403 中央処理制御装置
1904、2004、2104、2204、2304、2404 外部記憶装置
1905、2005、2105、2205、2305、2405 一時記憶装置
1906、2006、2106、2206、2306、2406 通信装置

Claims (24)

  1. 入力された符号化対象の動画像信号の一画面領域を、所定の画素数からなる矩形領域を単位として細分割し、前記矩形領域を処理単位として局所復号画像信号から生成された予測画像信号と前記符号化対象の動画像信号との差分信号である差分画像信号を生成し、前記差分画像信号に対して符号化を行う符号化装置において、
    前記差分画像信号に対して前記矩形領域を処理単位として直交変換を行って直交変換係数情報を出力する直交変換手段と、
    符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、前記符号化対象となっている矩形領域内の推定信号を直交変換した近似直交変換係数情報を生成する際に、その生成する近似直交変換係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似直交変換係数情報に近づけるために、前記直交変換手段から取得した前記直交変換係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行った直交変換係数情報を推定し、この推定結果を用いて前記近似直交変換係数情報を生成し、前記直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する多重調和局所直交変換手段と、
    前記残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成するエントロピー符号化手段と、
    前記エントロピー符号化手段から出力されたエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する多重化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化する逆量子化手段と、
    復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、前記逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記直交変換係数情報を復号する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段により生成された前記直交変換係数情報を逆直交変換することにより、前記局所復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    を有することを特徴とする動画像符号化装置。
  2. 前記直交変換手段は、直交変換基底をDCT基底とし、前記直交変換係数情報としてDCT係数情報を生成する手段であり、
    前記多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底をDCT基底とし、符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号を直交変換した近似DCT係数情報を生成する際に、その生成する近似DCT係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似DCT係数情報に近づけるために、前記直交変換手段から取得した前記DCT係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行ったDCT係数情報を推定し、この推定結果を用いて前記近似DCT係数情報を生成し、前記直交変換手段によって得られたDCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との差分をとることで前記残差DCT係数情報を生成する手段であり、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は直交変換基底をDCT基底とし、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化手段によって逆量子化して得られた逆量子化後の前記残差DCT係数情報を利用して生成し、前記逆量子化によって得られた逆量子化後の前記残差DCT係数情報と、生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで前記DCT係数情報を生成する手段である
    ことを特徴とする請求項記載の動画像符号化装置。
  3. 前記直交変換手段によって生成された前記直交変換係数情報に基づいて、符号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する境界条件解析手段と、
    前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段による逆量子化後の前記残差直交変換係数情報に基づいて復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した前記第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    を更に有し、
    前記多重調和局所直交変換手段は、前記境界条件解析手段によって得られた前記第1の境界条件補正情報に基づいて各矩形領域の境界条件である前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを制御すると共に、前記各矩形領域の境界条件に基づいて前記ポアソン方程式を満たすような符号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して直交変換した近似直交変換係数情報を、直交変換後の前記直交変換係数情報を利用して生成し、直交変換によって得られた前記直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との差分をとることで前記残差直交変換係数情報を生成する手段であり、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は、前記境界条件判定手段から取得した前記境界条件判定情報から前記矩形領域の境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には、前記残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを補正すると共に、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、前記逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記直交変換係数情報を復号する手段であることを特徴とする請求項記載の動画像符号化装置。
  4. 入力された符号化対象の動画像信号の一画面領域を、所定の画素数からなる矩形領域を単位として細分割し、前記矩形領域を処理単位としてイントラ符号化を行う符号化装置において、
    前記矩形領域を処理単位として直交変換を行い、符号化対象となっている動画像信号の一画面領域全体にわたって予め前記矩形領域毎の直交変換係数情報を出力する直交変換手段と、
    符号化対象となっている動画像信号の一画面領域内に存在する、該動画像信号の不連続性を解析するために、符号化対象となっている前記矩形領域の周囲に存在する該矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定するとともに、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する境界条件解析手段と、
    符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、前記符号化対象となっている矩形領域内の推定信号を直交変換した近似直交変換係数情報を生成する際に、その生成する近似直交変換係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似直交変換係数情報に近づけるために、前記直交変換手段から取得した前記直交変換係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行った直交変換係数情報を推定し、この推定結果を用いて前記近似直交変換係数情報を生成し、前記直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する多重調和局所直交変換手段と、
    前記残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成するエントロピー符号化手段と、
    前記エントロピー符号化手段から出力されたエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する多重化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化する逆量子化手段と、
    前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段による逆量子化後の前記残差直交変換係数情報に基づいて復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した前記第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、前記逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記直交変換係数情報を復号する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段により生成された前記直交変換係数情報を逆直交変換することにより、前記局所復号画像信号を生成する逆直交変換手段と、
    を有し、イントラ符号化を実現することを特徴とする動画像符号化装置。
  5. 前記直交変換手段は、前記矩形領域を処理単位として直交変換を行い、生成した直交変換係数情報を前記矩形領域の処理単位で出力する手段であり、前記境界条件解析手段は、符号化対象となっている動画像信号内に存在する不連続性を解析する際に、処理対象となっている前記矩形領域と、隣接する直交変換済みの所定の矩形領域との間の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する手段であり、前記量子化手段は、前記残差直交変換係数情報を前記所定の量子化パラメータに基づいて量子化を行い、生成した量子化後情報を前記矩形領域の処理単位で出力する手段であり、前記逆量子化手段は、前記量子化手段から出力された前記量子化後の残差直交変換係数情報を前記所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化を行い、生成した逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を前記矩形領域の処理単位で出力する手段であり、前記境界条件判定手段は、前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段により生成された逆量子化後の前記残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した前記第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段であり、所定の前記矩形領域を処理単位として符号化を行うことを特徴とする請求項記載の動画像符号化装置。
  6. 前記直交変換手段は直交変換基底としてDCT基底を用いて直交変換することにより、前記直交変換係数情報としてDCT係数情報を生成し、前記境界条件解析手段は、前記直交変換手段によって生成された前記DCT係数情報に基づいて、符号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定するとともに、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための前記第1の境界条件補正情報を生成し、
    前記多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底をDCT基底とし、前記第1の境界条件補正情報に基づいて各矩形領域の境界条件である前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを制御すると共に、符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とする前記ポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して、直交変換した前記近似DCT係数情報を、前記直交変換後のDCT係数情報を利用して生成した後、前記直交変換後のDCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との差分をとることで前記残差DCT係数情報を生成する手段であり、
    前記境界条件判定手段は、前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には前記残差DCT係数情報に基づいて復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を前記境界条件判定情報とする手段であり、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底をDCT基底とし、前記境界条件判定手段から取得した前記境界条件判定情報から前記矩形領域の境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には前記残差DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを補正すると共に、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記逆量子化後の残差DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成し、前記逆量子化後の残差DCT係数情報と、生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで前記DCT係数情報を復号する手段であることを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか一項記載の動画像符号化装置。
  7. 入力された符号化対象の動画像信号の一画面領域を、所定の画素数からなる矩形領域を単位として細分割し、前記矩形領域を処理単位として局所復号画像信号から生成された予測画像信号と前記符号化対象の動画像信号との差分信号である差分画像信号を生成し、前記差分画像信号に対して符号化を行うことを、コンピュータにより実行させるための動画像符号化プログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    前記差分画像信号に対して前記矩形領域を処理単位として直交変換を行って直交変換係数情報を出力する直交変換手段と、
    符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、前記符号化対象となっている矩形領域内の推定信号を直交変換した近似直交変換係数情報を生成する際に、その生成する近似直交変換係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似直交変換係数情報に近づけるために、前記直交変換手段から取得した前記直交変換係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行った直交変換係数情報を推定し、この推定結果を用いて前記近似直交変換係数情報を生成し、前記直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する多重調和局所直交変換手段と、
    前記残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成するエントロピー符号化手段と、
    前記エントロピー符号化手段から出力されたエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する多重化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化する逆量子化手段と、
    復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、前記逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記直交変換係数情報を復号する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段により生成された前記直交変換係数情報を逆直交変換することにより、前記局所復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    して機能させることを特徴とする動画像符号化プログラム。
  8. 前記コンピュータを、
    前記直交変換手段は直交変換基底をDCT基底とし、前記直交変換係数情報としてDCT係数情報を生成する手段として機能させ、
    前記多重調和局所直交変換手段は直交変換基底をDCT基底とし、符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号を直交変換した近似DCT係数情報を生成する際に、その生成する近似DCT係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似DCT係数情報に近づけるために、前記直交変換手段から取得した前記DCT係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行ったDCT係数情報を推定し、この推定結果を用いて前記近似DCT係数情報を生成し、前記直交変換手段によって得られたDCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との差分をとることで前記残差DCT係数情報を生成する手段として機能させ、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は直交変換基底をDCT基底とし、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化手段によって逆量子化して得られた逆量子化後の前記残差DCT係数情報を利用して生成し、前記逆量子化によって得られた逆量子化後の前記残差DCT係数情報と、生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで前記DCT係数情報を生成する手段として機能させることを特徴とする請求項記載の動画像符号化プログラム。
  9. 前記コンピュータを、
    前記直交変換手段によって生成された前記直交変換係数情報に基づいて、符号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する境界条件解析手段と、
    前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段による逆量子化後の前記残差直交変換係数情報に基づいて復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、その第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    して更に機能させ、
    前記多重調和局所直交変換手段は、前記境界条件解析手段によって得られた前記第1の境界条件補正情報に基づいて各矩形領域の境界条件である前記動画像信号の傾きを制御すると共に、前記各矩形領域の境界条件に基づいて前記ポアソン方程式を満たすような符号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して直交変換した近似直交変換係数情報を、直交変換後の前記直交変換係数情報を利用して生成し、直交変換によって得られた前記直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との差分をとることで前記残差直交変換係数情報を生成する手段として機能させ、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は、前記境界条件判定手段から取得した前記境界条件判定情報から前記矩形領域の境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には前記動画像信号の傾きを補正すると共に、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報及び前記境界条件判定手段によって得られた前記境界条件判定情報を利用して生成し、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記直交変換係数情報を生成する手段として機能させることを特徴とする請求項記載の動画像符号化プログラム。
  10. 入力された符号化対象の動画像信号の一画面領域を、所定の画素数からなる矩形領域を単位として細分割し、前記矩形領域を処理単位としてイントラ符号化を行うことを、コンピュータにより実行させるための動画像符号化プログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    前記矩形領域を処理単位として直交変換を行い、符号化対象となっている動画像信号の一画面領域全体にわたって予め前記矩形領域毎の直交変換係数情報を出力する直交変換手段と、
    符号化対象となっている動画像信号の一画面領域内に存在する、該動画像信号の不連続性を解析するために、符号化対象となっている前記矩形領域の周囲に存在する該矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定するとともに、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する境界条件解析手段と、
    符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、前記符号化対象となっている矩形領域内の推定信号を直交変換した近似直交変換係数情報を生成する際に、その生成する近似直交変換係数情報を、局部復号過程で行う逆多重調和局所直交変換で得られる近似直交変換係数情報に近づけるために、前記直交変換手段から取得した前記直交変換係数情報に対して、量子化で用いる量子化パラメータに基づいて量子化後に逆量子化を行った直交変換係数情報を推定し、この推定結果を用いて前記近似直交変換係数情報を生成し、前記直交変換係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との差分をとることで残差直交変換係数情報を生成する多重調和局所直交変換手段と、
    前記残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報に対して、エントロピー符号化を行うことで、所定のエントロピー符号化後情報を生成するエントロピー符号化手段と、
    前記エントロピー符号化手段から出力されたエントロピー符号化後情報に対して、所定の構文構造に従って所定の多重化を行うことで符号化ビットストリームを生成する多重化手段と、
    前記量子化手段から出力された量子化後の残差直交変換係数情報を所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化する逆量子化手段と、
    前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段による逆量子化後の前記残差直交変換係数情報に基づいて復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した前記第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記逆量子化後の残差直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似直交変換係数情報を、前記逆量子化手段によって生成された逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成し、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と、生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記直交変換係数情報を復号する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段により生成された前記直交変換係数情報を逆直交変換することにより、前記局所復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    して機能させることを特徴とする動画像符号化プログラム。
  11. 前記コンピュータを、
    前記直交変換手段は、前記矩形領域を処理単位として直交変換を行い、生成した直交変換係数情報を前記矩形領域の処理単位で出力する手段として機能させ、前記境界条件解析手段は、符号化対象となっている動画像信号内に存在する不連続性を解析する際に、処理対象となっている前記矩形領域と、隣接する直交変換済みの所定の矩形領域との間の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第1の境界条件補正情報を生成する手段として機能させ、前記量子化手段は、前記残差直交変換係数情報を前記所定の量子化パラメータに基づいて量子化を行い、生成した量子化後情報を前記矩形領域の処理単位で出力する手段として機能させ、前記逆量子化手段は、前記量子化手段から出力された前記量子化後の残差直交変換係数情報を前記所定の量子化パラメータに基づいて逆量子化を行い、生成した逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を前記矩形領域の処理単位で出力する手段として機能させ、前記境界条件判定手段は、前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段により生成された逆量子化後の前記残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の前記動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、生成した前記第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段として機能させることにより、所定の前記矩形領域を処理単位として符号化を行うことを特徴とする請求項10記載の動画像符号化プログラム。
  12. 前記コンピュータを、
    前記直交変換手段は直交変換基底としてDCT基底を用いて直交変換することにより、前記直交変換係数情報としてDCT係数情報を生成するように機能させ、前記境界条件解析手段は、前記直交変換手段によって生成された前記DCT係数情報に基づいて、符号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定するとともに、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための前記第1の境界条件補正情報を生成するように機能させ、
    前記多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底をDCT基底とし、前記第1の境界条件補正情報に基づいて各矩形領域の境界条件である前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを制御すると共に、符号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とする前記ポアソン方程式を満たすような、符号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して、直交変換した前記近似DCT係数情報を、前記直交変換後のDCT係数情報を利用して生成した後、前記直交変換後のDCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との差分をとることで前記残差DCT係数情報を生成する手段として機能させ、
    前記境界条件判定手段は、前記第1の境界条件補正情報が有効でない場合には前記残差DCT係数情報に基づいて復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための第2の境界条件補正情報を生成し、その第2の境界条件補正情報又は有効である前記第1の境界条件補正情報を前記境界条件判定情報とする手段として機能させ、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底をDCT基底とし、前記境界条件判定手段から取得した前記境界条件判定情報から前記矩形領域の境界部分の不連続性を特定し、注目する境界部分が不連続である場合には前記残差DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを補正すると共に、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における逆量子化後の前記残差DCT係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の前記推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化手段によって逆量子化して得られた前記逆量子化後の前記残差DCT係数情報及び前記境界条件判定手段によって得られた前記境界条件判定情報を利用して生成した後、逆量子化後の前記残差DCT係数情報と生成した前記近似直交変換係数情報との合成を行うことで前記DCT係数情報を生成する手段として機能させることを特徴とする請求項9乃至11のうちいずれか一項記載の動画像符号化プログラム。
  13. 請求項1又は2記載の動画像符号化装置、又は請求項7又は8記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報、動きベクトル情報、及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報として残差DCT係数情報を生成する逆量子化手段と、
    直交変換基底としてDCT基底を用い、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた前記残差DCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号差分画像信号を生成する逆直交変換手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記動きベクトル情報を利用した所定の動き補償により生成した予測画像信号、又はイントラ予測によって生成した予測画像信号と、前記復号差分画像信号とを合成して復号動画像信号を生成する画像復号手段と
    を有することを特徴とする動画像復号化装置。
  14. 請求項3又は6記載の動画像符号化装置、又は請求項9又は12記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報、動きベクトル情報及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、及び符号化されて組み込まれた前記境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を生成する逆量子化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段から取得した前記量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された前記境界条件補正情報又は前記エントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    前記境界条件判定情報及び前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した前記近似直交変換係数情報を、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と前記生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号差分画像信号を生成する逆直交変換手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記動きベクトル情報を利用した所定の動き補償により生成した予測画像信号、又はイントラ予測によって生成した予測画像信号と、前記復号差分画像信号とを合成して復号動画像信号を生成する画像復号手段と
    を有することを特徴とする動画像復号化装置。
  15. 前記逆量子化手段によって得られる逆量子化後の残差直交変換係数情報は、残差DCT係数情報であり、前記境界条件判定手段は、前記境界条件補正情報が有効でない場合には前記残差DCT係数情報に基づいて復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、得られる境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段であり、前記逆多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底としてDCT基底を用い、前記ポアソン方程式を満たすような復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた前記残差DCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する手段であることを特徴とする請求項14記載の動画像復号化装置。
  16. 請求項記載の動画像符号化装置、又は請求項10記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、符号化されて組み込まれた前記境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を生成する逆量子化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段から取得した前記量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された前記境界条件補正情報又は前記エントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    前記境界条件判定情報及び前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した前記近似直交変換係数情報を、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と前記生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    を有することを特徴とする動画像復号化装置。
  17. 請求項記載の動画像符号化装置、又は請求項11記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化装置であって、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報および所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、符号化されて組み込まれた前記境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して、所定の矩形領域を処理単位として逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を生成し、その逆量子化後の残差直交変換係数情報を前記矩形領域の処理単位で出力する逆量子化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段から取得した前記逆量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された前記境界条件補正情報又は前記エントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    前記境界条件判定情報及び前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した前記近似直交変換係数情報を、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と前記生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    を備え、前記所定の矩形領域を処理単位として復号化を行うことを特徴とする動画像復号化装置。
  18. 前記逆量子化手段によって得られる逆量子化後の残差直交変換係数情報は、残差DCT係数情報であり、前記境界条件判定手段は、前記境界条件補正情報が有効でない場合には前記残差DCT係数情報に基づいて復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、得られる境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段であり、前記逆多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底としてDCT基底を用い、前記ポアソン方程式を満たすような復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた前記残差DCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する手段であることを特徴とする請求項16又は17記載の動画像復号化装置。
  19. 請求項1又は2記載の動画像符号化装置、又は請求項7又は8記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化を、コンピュータにより実行させる動画像復号化プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報、動きベクトル情報、及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報として残差DCT係数情報を生成する逆量子化手段と、
    直交変換基底としてDCT基底を用い、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた前記残差DCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号DCT係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号差分画像信号を生成する逆直交変換手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記動きベクトル情報を利用した所定の動き補償により生成した予測画像信号、又はイントラ予測によって生成した予測画像信号と、前記復号差分画像信号とを合成して復号動画像信号を生成する画像復号手段と
    して機能させることを特徴とする動画像復号化プログラム。
  20. 請求項3又は6記載の動画像符号化装置、又は請求項9又は12記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化を、コンピュータにより実行させる動画像復号化プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報、動きベクトル情報及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、及び符号化されて組み込まれた前記境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を生成する逆量子化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段から取得した前記量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された前記境界条件補正情報又は前記エントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    前記境界条件判定情報及び前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した前記近似直交変換係数情報を、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と前記生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号差分画像信号を生成する逆直交変換手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記動きベクトル情報を利用した所定の動き補償により生成した予測画像信号、又はイントラ予測によって生成した予測画像信号と、前記復号差分画像信号とを合成して復号動画像信号を生成する画像復号手段と
    して機能させることを特徴とする動画像復号化プログラム。
  21. 前記コンピュータを、
    前記逆量子化手段によって得られる逆量子化後の残差直交変換係数情報は、残差DCT係数情報であり、前記境界条件判定手段は、前記境界条件補正情報が有効でない場合には前記残差DCT係数情報に基づいて復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、得られる境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段として機能させ、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底としてDCT基底を用い、前記ポアソン方程式を満たすような復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた前記残差DCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する手段として機能させることを特徴とする請求項20記載の動画像復号化プログラム。
  22. 請求項記載の動画像符号化装置、又は請求項10記載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化を、コンピュータにより実行させる動画像復号化プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報及び所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、符号化されて組み込まれた前記境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を生成する逆量子化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段から取得した前記量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された前記境界条件補正情報又は前記エントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    前記境界条件判定情報及び前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した前記近似直交変換係数情報を、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と前記生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    して機能させることを特徴とする動画像復号化プログラム。
  23. 請求項記載の動画像符号化装置、又は請求項11載の動画像符号化プログラムにより動作する情報処理装置によって生成された符号化ビットストリームを所定の蓄積媒体又は所定の伝送路から取得し、取得した前記符号化ビットストリームに対して復号化動作を行って、復号した動画像信号を出力する動画像復号化を、コンピュータにより実行させる動画像復号化プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記符号化ビットストリームに対して所定の構文構造に基づいて符号化情報の多重化分離を行う多重化分離手段と、
    前記多重化分離手段から取得した多重化分離後の情報に対して、所定のエントロピー復号化を行い、量子化後情報および所定の構文構造を構成するために必要なパラメータ情報を生成すると共に、符号化されて組み込まれた前記境界条件補正情報を抽出するエントロピー復号化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した前記量子化後情報に対して、所定の矩形領域を処理単位として逆量子化を行うことにより、逆量子化後の前記残差直交変換係数情報を生成し、その逆量子化後の残差直交変換係数情報を前記矩形領域の処理単位で出力する逆量子化手段と、
    前記エントロピー復号化手段から取得した境界条件補正情報が有効でない場合には、前記逆量子化手段から取得した前記逆量子化後の残差直交変換係数情報に基づいて、復号化対象となっている前記矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の動画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、生成された前記境界条件補正情報又は前記エントロピー復号化手段から取得した有効である境界条件補正情報を境界条件判定情報とする境界条件判定手段と、
    前記境界条件判定情報及び前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を取得し、復号化対象となっている前記矩形領域の隣接する他の矩形領域との境界における前記直交変換係数情報から求める動画像信号の傾きを境界条件とするポアソン方程式を満たすような、復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して、直交変換した前記近似直交変換係数情報を、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報を利用して生成した後、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報と前記生成した近似直交変換係数情報との合成を行うことで復号直交変換係数情報を生成する逆多重調和局所直交変換手段と、
    前記逆多重調和局所直交変換手段から取得した前記復号直交変換係数情報に対して逆直交変換を行うことで一画面分の復号画像信号を生成する逆直交変換手段と
    して機能させることを特徴とする動画像復号化プログラム。
  24. 前記コンピュータを、
    前記逆量子化手段は、前記逆量子化後の残差直交変換係数情報として残差DCT係数情報を生成する手段として機能させ、
    前記境界条件判定手段は、前記境界条件補正情報が有効でない場合には前記残差DCT係数情報に基づいて復号化対象となっている矩形領域と隣接する周囲の矩形領域との間の画像信号の不連続性を解析し、少なくとも1つの所定の判定条件に基づいて境界条件の補正が必要であるか否かを判定すると共に、境界条件の補正が必要であるか否かを特定するための境界条件補正情報を生成し、得られる境界条件補正情報を境界条件判定情報とする手段として機能させ、
    前記逆多重調和局所直交変換手段は、直交変換基底としてDCT基底を用い、前記ポアソン方程式を満たすような復号化対象となっている前記矩形領域内の推定信号に対して直交変換した近似DCT係数情報を、前記逆量子化後の残差DCT係数情報を利用して生成した後、逆量子化によって得られた前記残差DCT係数情報と生成した前記近似DCT係数情報との合成を行うことで復号DCT係数情報を生成する手段として機能させることを特徴とする請求項22又は23記載の動画像復号化プログラム。
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