JP4718401B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
一般的に、同期モータ、例えば埋込磁石型モータである永久磁石同期電動機などの制御装置においては、同期モータの回転子位置の検出精度が高い(細かい)ほど、高効率にモータを駆動させることができる。その為、同期モータには、回転子位置検出器を用いることが多い。そして、高精度な回転子位置検出器としてエンコーダやレゾルバが挙げられる。しかし、これらの回転子位置検出器は、高精度である反面、高価でありコストパフォーマンスが悪いとともに、構造が複雑であり、また耐環境性もあまり高くない。そこで、回転子位置検出器の精度は低い(粗い)が、安価かつ簡易で耐環境性も高い回転子位置検出器を使用して同期モータを高効率に駆動する方法が考えられている。
特許文献1に記載のサーボモータ制御方法は、サーボモータに取り付けられた検出器が出力するUVW相パルスのエッジを検出して、そのエッジ間の周期を測定し、エッジ間のクロックの数をカウントする。さらに、エッジからのサーボモータの回転角をカウント数とクロックの周期とエッジ間の周期とにより演算し、その演算結果をエッジにおけるサーボモータの電気角に加算して現在のサーボモータの電気角を算出し、サーボモータに正弦波通電制御を行う。
しかし、この方法では、同期モータが加減速中、つまりモータの回転数が変化している場合、演算した電気角と現実の電気角(回転位置)との間には誤差が生じてしまう問題があった。
そこで、特許文献2に記載のモータ制御装置は、モータの回転位置を検出するホール素子等からなる位置検出器と、位置検出器からの位置検出信号に基づく回転角度から推定角度とのずれ角度を求めて、ずれ補正量を算出した。さらに、回転角度から実際の回転速度及び回転加速度を演算するずれ角度/速度測定器と、ずれ角度分だけのずれ補正を行った推定角度を作成する角度カウンタと、作成された現在の推定角度に対応してステータ巻線への駆動指令信号を作成する駆動回路と、これらを駆動制御してずれ補正及びモータ駆動の制御を行うCPUとから構成した。
特許第2783114号公報 特許第3472533号公報
しかしながら、特許文献2の発明によれば、位置検出器により検出された現実のモータの回転角度と推定角度とのずれ角度から補正量を算出して、推定角度に対して数回に分けて補正量に基づく補正を実行する。従って、位置検出器により検出された現実のモータの回転角度ではなく、現実のモータの回転角度からずれた推定角度に基づいてモータ制御を行うことになる問題があった。又、推定角度を現実のモータの回転角度へ修正しないので、定常的な誤差が生じている場合、誤差補償ができない問題があり、さらには誤差を累積する虞もある。
本発明の目的は、安価な構成でモータの回転数が変化している場合であっても高精度に回転位置を検出するとともに回転位置の誤差補正をして高精度に同期モータの制御を行なうことができるモータ制御装置を提供することにある。
請求項1に記載のモータ制御装置は、モータが所定の回動角回動する毎に、検出信号を出力する回転検出手段と、前記回転検出手段から、間欠的に出力される前記検出信号が出力される毎の、その検出信号に基づいて前記モータの回転速度を算出する速度算出手段と、外部装置からの速度指令値に基づくモータの目標回転速度と、前記速度算出手段が算出した回転速度とに基づいて、前記モータを前記目標回転速度で回転させるための制御量を算出する制御量算出手段と、前記制御量算出手段が算出した制御量に基づいて、前記モータを駆動させる駆動手段と、を備えるモータ制御装置において、予め用意された複数の異なる基本指令値と、前記複数の基本指令値の中から選択された基本指令値を積算することによって前記速度指令値に収束していく実指令値を生成し、その実指令値を前記速度指令値に替えて前記制御量算出手段に出力する実指令値算出手段と、前記速度指令値と前記実指令値を比較し、前記モータが加減速中かどうか判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の基本指令値の中から1つの基本指令値を選択し前記実指令値算出手段に出力する選択手段と、前記回転検出手段から出力された先の検出信号から次に出力される検出信号の間までの、前記モータの回転速度を推定し、推定回転速度として前記制御量算出手段に出力する推定回転速度算出手段と、を備え、前記推定回転速度算出手段は、前記選択手段が選択した基本指令値に基づいて、前記先の検出信号から次に出力される検出信号の間のモータの回転速度の変動量を求め、その変動量を第1補正値として出力する第1補正値算出手段と、前記速度算出手段が算出したモータの回転速度を前記第1補正値算出手段にて算出した第1補正値で補正し、前記推定回転速度として出力する第1補正手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載のモータ制御装置は、モータが所定の回動角回動する毎に、検出信号を出力する回転検出手段と、前記回転検出手段から、間欠的に出力される前記検出信号が出力される毎の、その検出信号に基づいて前記モータの回転速度を算出する速度算出手段と、外部装置からの速度指令値に基づくモータの目標回転速度と、前記速度算出手段が算出した回転速度とに基づいて、前記モータを前記目標回転速度で回転させるための制御量を算出する制御量算出手段と、前記制御量算出手段が算出した制御量に基づいて、前記モータを駆動させる駆動手段と、を備えるモータ制御装置において、前記回転検出手段から出力された先の検出信号から次に出力される検出信号の間までの、前記モータの回転速度を推定し、推定回転速度として前記制御量算出手段に出力する推定回転速度算出手段と、前記推定回転速度算出手段が推定した前記推定回転速度に基づいて前記モータの推定回転位置を算出する推定回転位置算出手段と、前記推定回転位置算出手段にて算出した前記モータの推定回転位置と、前記回転検出手段から間欠的に出力される検出信号が出力される毎のその検出信号に基づくモータの回転位置との変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段が検出した前記変位量を減少させるためにゲインを用いて前記推定回転速度を補正するための第2補正値を算出する第2補正値算出手段と、前記速度算出手段が算出したモータの回転速度を前記第2補正値算出手段にて算出した第2補正値で補正し、前記推定回転速度として出力する第2補正手段と、を備えたことを要旨とする。
請求項3に記載のモータ制御装置は、請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置において、前記推定回転速度に基づいて前記モータの推定回転位置を算出する推定回転位置算出手段を備え、前記制御量算出手段は、前記目標回転速度、前記推定回転速度及び前記推定回転位置とに基づいて前記制御量を算出することを要旨とする。
請求項4に記載のモータ制御装置は、請求項1〜3のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、前記制御量算出手段は、前記目標回転速度、及び前記推定回転速度に基づいて速度を制御するための電流量を算出する電流量算出手段と、前記推定回転位置、及び前記電流量に基づいて電流を制御するための電圧量を算出する電圧量算出手段とを備え、
前記電圧量を前記駆動手段の制御量とすることを要旨とする。
請求項5に記載のモータ制御装置は、請求項2〜4のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、前記ゲインは、前記モータの回転速度に比例して変移することを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、実指令値算出手段は、予め用意された基本指令値の中から選択された基本指令値を積算して算出した実指令値を速度指令値に替えて制御量算出手段に出力する。又、選択手段は、判定手段によるモータが加減速中かどうかの判定結果に基づいて1つの基本指令値を選択する。さらに、補正手段は、速度算出手段が算出したモータの回転速度を、第1補正値算出手段が選択手段によって選択された基本指令値に基づいて算出した第1補正値によって補正して、推定回転速度として出力する。従って、制御量算出手段には、モータの実速度と見なすことができる推定回転速度と、モータの実速度に近い実指令値とが入力される。その結果、モータ制御装置は、回転検出手段から出力された先の検出信号から次に出力される検出信号の間であっても、モータの実速度と見なすことができる推定回転速度により精度の高いモータ制御が行える。
請求項2に記載の発明によれば、推定回転位置、及び回転検出手段から間欠的に出力される検出信号が出力される毎のその検出信号に基づくモータの回転位置とから変位量を算出し、第2補正値算出手段がゲインを用いて第2補正値を算出する。そして、速度算出手段が算出したモータの回転速度を第2補正値によって補正する。従って、モータの回転速度は、第2補正値による補正により、実際の実速度と見なすことができる推定回転速度を算出することができる。さらに、モータ制御中に、推定実速度や推定回転位置と、各実値との間に誤差が生じても第2補正値によって好適に推定実速度や推定回転位置を各実値に追従させることができる。その結果、モータ制御装置は、回転検出手段から出力された先の検出信号から次に出力される検出信号の間であっても、モータの実速度と見なすことができる推定回転速度により精度の高いモータ制御が行える。
請求項3に記載の発明によれば、制御量算出手段は、モータの回転速度を目標回転速度に収束させるために、推定回転速度と推定回転速度から求めた推定回転位置を制御量の算出に用いた。従って、モータが所定の回動角と次の回動角の間を回動中にも、モータの実速度と見なすことができる推定回転速度、及びモータの実角度に近いと見なすことができる推定回転位置に基づいて、制御量算出手段は制御量を算出できる。従って、モータ制御装置は、より精度の高いモータ制御が行える。
請求項4に記載の発明によれば、制御量算出手段は、速度制御量算出手段と電流制御量算出手段を備えた。従って、推定回転速度及び推定回転位置を用いて、精度の高いモータ制御が行える。
請求項5に記載の発明によれば、ゲインはモータの回転数に比例して変移する。従って、モータの回転数が変化することによりモータが1回転する時間が変化して、モータの1回転あたりの制御回数(補正回数)が変化する場合であっても、モータの回転数に比例してゲインを調整する。よって、第2補正値算出手段はモータの回転数に比例したゲインに基づいて推定回転速度の補正に好適な第2補正値を算出することができる。その結果、モータの回転数が変化してモータの1回転あたりの制御回数(補正回数)が変化しても変位量を好適に減少させ第2補正値を算出することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は車両のウィンドガラスを上下動させるために用いる同期モータMの一例としての埋込磁石型モータの平面図である。
図1に示すように、埋込磁石型モータとしての同期モータMは、ステータ1とロータ2とを備える。
ステータ1は、全体的に略円筒状に形成され、外形を形成する円筒部3の内周面から周方向等角度間隔で軸中心に向かって延びるように形成された複数のティース4を有したステータコア5と、各ティース4にインシュレータ(図示略)を介して集中巻にて巻回された巻線6(図1中、一部のみ2点鎖線で図示)とを備える。尚、本実施形態では、ティース4は、12個形成されている。
ロータ2は、回転軸7と、回転軸7に対して固定されるロータコア8と、ロータコア8に形成された収容孔(直線収容孔8a及びV字収容孔8b)内に配設される磁石9,10とを備える。尚、ロータ2における磁極数はP極であって本実施形態では8極に設定されている。
ロータコア8は、コアシートが軸方向に積層されることで略円筒状に形成され、その中心孔に回転軸7が嵌着され、ステータ1の内側に回転可能に支持される。又、ロータコア8において磁石9,10を内部に収容すべく軸方向に貫通する収容孔は、径方向に直線状に延びる直線収容孔8aと、径方向外側に凸となる略V字形状のV字収容孔8bとが、それぞれP/2個であって本実施の形態では(8/2=)4個ずつ形成されてなるとともにそれらが周方向に交互であって等角度間隔に形成されてなる。又、本実施の形態のV字収容孔8bは、その略V字を形成する2つの直線に対応した一対の直線収容部8cと、それら直線収容部8cの径方向外側同士を連通する頂部8dとからなる。尚、本実施形態のV字収容孔8bの直線収容部8c(略V字)がなす角度は、約50度に設定されている。
又、本実施形態における直線収容部8cの径方向内側端部は、軸方向から見て、直線収容孔8aの側部、詳しくは直線収容孔8aの径方向内側において径方向の直交方向を向いた辺(内壁面)と対向するように形成されている(図1中、部分拡大図参照)。尚、本実施形態における直線収容部8cの長手方向は、直線収容孔8aの長手方向に対して約70度に傾斜している。又、上記形状のロータコア8には、直線収容孔8aの径方向外側とロータコア8の外周面との間に外側ブリッジ部8eが形成され、直線収容部8c(詳しくは頂部8d)の径方向外側とロータコア8の外周面との間に外側ブリッジ部8fが形成され、直線収容部8cの径方向内側と直線収容孔8aとの間に内側ブリッジ部8gが形成されることになる。そして、前記直線収容孔8a内と前記直線収容部8c内には、それぞれ磁石9,10が配設される。
磁石9,10は、軸方向から見て短手方向に着磁された略直方体形状に形成されている。そして、直線収容孔8a内に配設される磁石9と、その周方向の一方に隣り合う直線収容部8c内に配設される磁石10とで1つの磁極(例えばS極)を構成するとともに、直線収容孔8a内に配設される磁石9と、その周方向の他方に隣り合う直線収容部8c内に配設される磁石10とで異なる1つの磁極(例えばN極)を構成している。
図2は、上記した同期モータMを駆動制御するモータ制御装置11の電気ブロック図である。モータ制御装置11は、制御部11a、駆動手段としてのインバータ11b、同期モータMに備えられた回転検出手段としての回転子位置検出器11c、指令装置11d(例えば、車載ECU)及び記憶装置11eを備える。
制御部11aは、電源が投入されるとモータ駆動制御のための演算処理を実行する。又、制御部11aは、指令装置11dからの速度指令値ωrefが入力されるとともに、回転子位置検出器11cからの位置情報θhicが入力される。ここで、速度指令値ωrefとは、同期モータMの回転速度を目標の回転速度にするための指令値である。又、位置情報θhicは、同期モータMが60°回動する毎にその回動位置を示す信号である。そして制御部11aは、速度指令値ωref、位置情報θhic等に基づいてモータの正逆回転を制御する電流を制御するための電圧量としての電圧指令値Vcを生成し、同電圧指令値Vcをインバータ11bに出力する。
インバータ11bは、電圧指令値Vcに基づいて同期モータMを正逆回転制御するための駆動電力Pを同期モータMに供給する。
回転子位置検出器11cは、同期モータMの回転子の位置を検出する。回転子位置検出器11cは、例えばモータの回転子に備えられたセンサマグネットを検出するホール素子を備えた検出器であって、回転子の位置が60°毎、つまり、0°、60°、120°、180°、240°、300°の時に回転子位置を示す信号である位置情報θhicを制御部11aに出力するようになっている。
次に、制御部11aについて図2に従って説明する。
制御部11aは、減算器13、判定手段としての変速判定部14、選択手段としての切替部15、制御周期調整部16、実指令値算出手段としての加算器17、実指令値算出手段としての指令値制限部18を備える。又、制御量算出手段及び電流量算出手段としての速度制御部19、制御量算出手段及び電圧量算出手段としての電流制御部20、速度算出手段としての速度演算部21を備える。さらに、第1補正値算出手段としての変換部22、推定回転速度算出手段及び第1補正手段としての加算器23、変換部24及び推定回転位置算出手段としての加算器27を備える。
詳述すると、減算器13は、指令装置11dから速度指令値ωrefを入力するとともに、指令値制限部18から目標回転速度としての実指令値ωrefmを入力し、速度指令値ωrefから実指令値ωrefmを減算する。減算器13は、その減算結果である偏差値(=ωref−ωrefm)を変速判定部14に出力する。
ところで、該速度指令値ωrefの変化はモータ制御装置11の応答性能等を考慮したものではなく、単に目的の値(目標の回転速度)にステップ的に変化する、例えば、毎分500回転の指令値が直ちに毎分1000回転の指令値に変化するという態様で変化する。又、速度指令値ωrefは、同期モータMを正回転させる場合には正の値であり、同期モータMを逆回転させる場合には負の値である。
変速判定部14は、減算器13から入力された偏差値(=ωref−ωrefm)を「0」と比較する。減算器13から入力された偏差値が「0」であれば定回転と判定する。又、偏差値が「0」でない場合は、変速判定部14は変速中と判定する。
詳述すると、変速判定部14は変速中と判定した場合であって、速度指令値ωrefが正の値、つまり、同期モータMを正転させる場合であって、偏差値が「0」より大きい場合には加速中と、偏差値が「0」より小さい場合には減速中と判定する。
又、変速判定部14は変速中と判定した場合であって、速度指令値ωrefが負の値、つまり、同期モータMを逆転させる場合であれば、偏差値が「0」より大きい場合は減速
中と、偏差値が「0」より小さい場合は加速中と判定する。
そして、変速判定部14は、減算器13から偏差値を判定した結果に基づいて切替部15を制御し、切替部15が選択する基本指令値としての加速度値データ「a」,「0」,「−a」を切り替え制御する。
詳しくは、変速判定部14は、「定回転中」と判定すれば、切替部15に加速度値データ「0」を選択させ、「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」と判定すれば、切替部15に正の加速度値データ「a」を選択させ、「正転の減速中」もしくは「逆転の加速中」と判定すれば、切替部15に負の加速度値データ「−a」を選択させるようになっている。
ここで、正の加速度値データ「a」、定回転加速度値データ「0」及び負の加速度値データ「−a」は記憶装置11eに記憶され、各加速度値データ「a」,「0」,「−a」のうちのいずれかひとつが変速判定部14の指示に基づき切替部15により読み出されるようになっている。そして、切替部15により読み出された加速度値データ「a」,「0」,「−a」は制御周期調整部16と変換部22とに出力されている。
尚、正の加速度値データ「a」は正転の加速用及び逆転の減速用の加速度値であり、定回転加速度値データ「0」は定回転時用の加速度であり、負の加速度値データ「−a」は正転の減速用及び逆転の加速用の加速度値である。
詳しくは、正の加速度値データ「a」と負の加速度値データ「−a」は、予め決定された定数であり、同期モータMの大きさや使用方法を考慮して試験を行い現実に測定された実測値に基づいて決定された値である。一般的に、加速時における同期モータMの加速度は、静止状態から高回転にするため電流を最大に供給する直後が最も大きい。従って、例えば、加速する際ならば、実際の回転子の推定位置θに遅れが生じないように、最も加速する状態の値を正の加速度値データ「a」や負の加速度値データ「−a」とすることが好適である。
制御周期調整部16は、切替部15から入力された加速度値データ「a」,「0」,「−a」を制御部11aの制御周期にあわせて調整を行い、その結果(「a」,「0」,「−a」)を加算器17に出力する。詳しくは、切替部15から入力される加速度値データ「a」,「0」又は「−a」は所定の時間単位、例えば秒でスケーリングされている。従って、該加速度値データ「a」,「0」又は「−a」を制御部11aの制御周期にあわせた時間単位によって再スケーリングするものである。
加算器17には、指令値制限部18からの実指令値ωrefmと制御周期調整部16からの再スケーリングされた加速度値データ「a」,「0」又は「−a」が入力される。加算器17は、実指令値ωrefmと加速度値データ「a」,「0」又は「−a」を加算して、その結果の加算値(=ωrefm+「a」(又は「0」若しくは「−a」))を指令
値制限部18に出力する。
指令値制限部18は、加算器17からの加算値に基づいて実指令値ωrefmを生成し、生成した実指令値ωrefmを前記減算器13及び速度制御部19に出力する。
指令値制限部18は、指令装置11dからの速度指令値ωrefを入力しその時の速度指令値ωrefを制限値とするリミッターであって、通常は、加算器17からの加算値はそのまま実指令値ωrefmとして出力される。そして、指令値制限部18は、例えば、同期モータMを正回転させる場合においは、加算器17からの加算値がその時の指令装置
11dから入力される正の値である速度指令値ωrefよりも大きい場合は、その時の速度指令値ωrefを実指令値ωrefmとして出力する。
又、同期モータMを逆回転させる場合において、加算器17からの加算値が負の値である速度指令値ωrefよりも小さい場合は、その時の速度指令値ωrefを実指令値ωrefmとして出力する。
前記切替部15により読み出された加速度値データ「a」,「0」,「−a」は、変換部22にも出力される。変換部22は、切替部15からの加速度値データ「a」,「0」,「−a」を逐次積分して、その積分値を第1速度補正値ωffとして加算器23に出力する。第1速度補正値ωffは加速度値データ「a」,「0」,「−a」を積分して算出されるが、切替部15が選択した加速度値データ「a」,「0」,「−a」が切り替わった場合や、後記する速度演算部21に入力される位置情報θhicが更新された場合には、今までの積分結果を破棄して値を「0」とし、新たに積分をやり直すようになっている。
そして、加算器23は、その変換部22から第1速度補正値ωffを入力するとともに、速度演算部21から検出実回転速度ωhicを入力する。
速度演算部21は、回転子位置検出器11cからの位置情報θhicを入力し、その位置情報θhicに基づいて検出実回転速度ωhicを演算し加算器23に出力する。ところで、位置情報θhicは60°毎に更新されるため、回転子が次の60°回転した位置に到達するまで、位置情報θhicの値は更新されない。従って、速度演算部21は、位置情報θhicが更新されない場合は、直前の位置情報θhicに基づいて演算された検出実回転速度ωhicを加算器23に出力し続けるようになっている。
加算器23は、検出実回転速度ωhicと第1速度補正値ωffとを加算し、その加算値を推定実速度ω(=ωhic+ωff)として速度制御部19及び変換部24に出力す
る。
つまり、速度制御部19及び変換部24は、60°毎に更新、即ち、回転子が次の60°回転する毎に更新される検出実回転速度ωhicが入力されるのではなく、第1速度補正値ωffを加算した推定実速度ω(=ωhic+ωff)が入力される。これは、回転
子が60°回転し次の60°回転するまでの間、先の検出実回転速度ωhicの値がそのまま速度制御部19及び変換部24(電流制御部20)に入力され利用されるのを避けるためである。詳述すると、回転子が60°回転し次の60°回転するまでの間、同期モータMは、加速度値データ「a」、「0」又は「−a」を使って制御されていることから、実回転速度は変化している。そこで、その間同期モータMの実回転速度に遅れることのないようにこれを補償するために、検出実回転速度ωhicに第1速度補正値ωffを加算した値(推定実速度ω)を実回転速度として速度制御部19及び変換部24(電流制御部20)に出力している。
速度制御部19は、指令値制限部18からの実指令値ωrefmと、加算器23からの推定実速度ωを入力する。速度制御部19は、推定実速度ωを実指令値ωrefmに収束させるのに必要な速度を制御するための電流量としての電流指令値Icを演算して、該電流指令値Icを電流制御部20に出力する。
電流制御部20は、速度制御部19から電流指令値Icを入力するとともに、変換部24からの推定変化量θsと位置情報θhicとを加算する加算器27から推定位置θを入力する。変換部24は、加算器23からの推定実速度ωを入力し、その推定実速度ωを積
分して位置情報を算出するが、速度演算部21に入力される位置情報θhicが更新された場合には、今までの積分結果を破棄して値を「0」とし、新たに積分をやり直すようになっている。従って、変換部24は、前回θhicが更新されてからの回転子の推定変化量θsを算出する。又、変換部24は、推定変化量θsを加算器27に出力する。
加算器27は、回転子位置検出器11cから入力される位置情報θhicと、変換部24から入力される推定変化量θsを加算して推定位置θを算出する。そして、加算器27は、算出された推定位置θを電流制御部20に出力する。
そして、電流制御部20は同期モータMの回転子の推定位置θと電流指令値Icに基づいて同期モータMの回転制御に好適な電圧指令値Vcを演算して、該電圧指令値Vcをインバータ11bに出力するようになっている。
従って、同期モータMは、インバータ11bを介して制御部11aから出力される電圧指令値Vcに基づいて回転制御される。
本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、予め設定した加速度値データ「a」,「0」,「−a」に基づいて算出した第1速度補正値ωffを用いて推定実速度ωを補正した。従って、速度指令値ωrefが変化したら、回転子位置検出器11cの位置情報θhicの変化に基づいて加速度を検出することを待たずに直ちに加速度分の変化を考慮した実際の値に近い推定実速度ω及び推定位置θを算出することができる。その結果、より好適に同期モータMの位置制御を行えることができた。
例えば同期モータMの速度指令値ωrefを一秒当たり10回転から20回転に変化させた場合に、回転子位置検出器11cの出力する位置情報θhicの更新間隔は1000ミリ秒、833ミリ秒、666ミリ秒、500ミリ秒と変化する場合を考える。本実施形態では、位置情報θhicの更新間隔が833ミリ秒になった段階では正の加速度値データ「a」が分かっているので、次の666ミリ秒の回転子位置と速度を予測して制御することができる。
しかし、従来では、正の加速度値データ「a」による補正は行われないので、回転子位置検出器11cの位置情報θhicの更新間隔から加速度値を検出していた。従って、上記の例であれば666ミリ秒の時点でようやく加速度値が分かり、次の500ミリ秒以降の制御にしか反映することができなかった。つまり、本実施形態は少なくとも従来よりも位置情報θhic更新が1回分早い段階で、正の加速度値データ「a」による正確な位置と速度の推定ができる。
(2)上記実施形態によれば、速度指令値ωrefが変化した場合、直ちに加速度分の変化を考慮した実際の値に近い推定実速度ω及び推定位置θを算出することができる。従って、安価な構成の回転子位置検出器11cを用いた同期モータMであっても、高精度に、かつ、安定した同期モータMの位置制御が行える。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、第1実施形態において説明をしたものと同様の部位には同一の番号を付して重複した説明を省略する。
図3は、前記同期モータMを駆動制御するモータ制御装置12の電気ブロック図である。モータ制御装置12は、制御部12a、インバータ11b、同期モータM、回転子位置
検出器11c、指令装置11d及び記憶装置11eを備える。
次に、制御部12aについて、図3に従って説明する。
制御部12aは、減算器13、変速判定部14、切替部15、制御周期調整部16、加算器17、指令値制限部18、速度制御部19、電流制御部20、速度演算部21、変換部22、推定回転速度算出手段、第1補正手段及び第2補正手段としての加算器23a、変換部24及び加算器27を備える。さらに加えて、変位量検出手段としての減算器25及び第2補正値算出手段としてのズレ補償部26を備える。
詳述すると、減算器25は、変換部24からの推定変化量θsと位置情報θhicとを加算する加算器27からの推定位置θを入力するとともに回転子位置検出器11cから位置情報θhicを入力し、その推定位置θから位置情報θhicを減算する。減算器25は、その減算結果である偏差値をズレ位置Δθ(=θ−θhic)としてズレ補償部26に入力する。
ズレ補償部26は、減算器25からズレ位置Δθを入力し、そのズレ位置Δθにモータの回転速度に比例したゲインを用いて、即ち、ズレ位置Δθにゲインを掛けることで第2速度補正値ωfbを演算する。つまり、本実施形態では、モータの回転数が変わるとモータが1回転する時間が変化し、モータ1回転あたりの制御回数(補正回数)が変わることから、ズレ補償部26は、常に同一のゲインを用いるのではなく、モータの回転数に比例したゲインを用いる必要があるからである。ズレ補償部26は、その演算結果である演算値を第2速度補正値ωfbとして加算器23aに出力する。
ところで、位置情報θhicは60°毎に更新されるため、回転子が次の60°回転した位置に到達するまで、位置情報θhicの値は更新されない。従って、ズレ補償部26は、位置情報θhicが更新されない場合は、直前の位置情報θhicが更新された時に減算器25が出力したズレ位置Δθに基づいて演算された第2速度補正値ωfbを加算器23aに出力し続けるようになっている。
従って、ズレ補償部26は、回転子の回転位置が60°毎に、推定実速度ωを補正するための、ズレ位置Δθにゲインを用いて新たな第2速度補正値ωfbを算出できるようになっている。又、ズレ補償部26は、推定実速度ωを好適に補正するために、例えばズレ位置Δθに対してモータの回転速度に比例したゲインによる比例積分制御(PI制御)等の手段を用いて第2速度補正値ωfbを算出する。その結果、モータの回転数に比例したゲイン、例えば比例ゲインと積分ゲインによって、モータの回転数にかかわらず変位量を好適に減少させるようにできる。従って、第2速度補正値ωfbによる補正がされた推定実速度ωは、好適に速度指令値ωrefに追従する。
そして、加算器23aは、速度演算部21から検出実回転速度ωhic、変換部22から第1速度補正値ωff、及び、ズレ補償部26から第2速度補正値ωfbをそれぞれ入力し、これら検出実回転速度ωhicと、第1速度補正値ωffと、第2速度補正値ωfbとを加算する。加算器23aは、その加算結果である加算値を推定実速度ωとして速度制御部19及び変換部24に出力する。
図4には、本実施形態におけるモータ制御装置12の効果を示す。
図4(a)は、従来のモータ制御装置を用いた場合の、基準位置とモータ制御装置が算出した推定位置θとの誤差についての関係を示す。図4(b)は、本実施形態におけるモータ制御装置12を用いた場合の、基準位置とモータ制御装置12が算出した推定位置θ
との誤差についての関係を示す。
図4(a)と(b)とを比較すると、基準位置に対して算出された推定位置θの誤差は、本実施形態の推定位置θ(b)は、従来の方法による推定位置(a)の算出結果よりも3割以上改善していることが分かる。従って、本実施形態のモータ制御装置12は同期モータMの回転子の回転数が変化している状態における推定位置θの演算誤差を減少して、高精度な推定位置θの算出できることが分かる。
本実施形態によれば前記第1実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、位置情報θhicの更新タイミングにおいて、推定位置θと位置情報θhicとの差分からズレ位置Δθを求め、該ズレ位置Δθに基づいてズレ補償部26によって比例積分制御等の手段により第2速度補正値ωfbを求めた。従って、速度指令値ωrefが変化したら、回転子位置検出器11cの位置情報θhicの変化に基づいて加速度を検出しなくても、加速度分の変化を考慮した実際の値に近い推定実速度ω及び推定位置θを算出することができる。その結果、制御部12aの構成を簡単にできるとともに、制御中に生じる演算誤差を補償することができるモータ制御装置12を構成できる。
尚、実施の形態は以下のように変更してもよい。
・第1実施形態では、制御部11aは減算器13、変速判定部14、切替部15、制御周期調整部16、加算器17、指令値制限部18、速度制御部19、電流制御部20、速度演算部21、変換部22、加算器23、変換部24及び加算器27を設けた。しかしこれに限らず、これらの少なくとも一部を、マイクロコンピュータ(CPU)を用いてソフトウェアにて実現してもよい。例えば、制御部11aをソフトウェアで構成した場合は図5、図6で示すフローチャートによって実指令値ωrefm及び推定実速度ωを算出することができる。
図5に、実指令値ωrefmを求めるフローチャートを示す。
モータ回転数制御を開始すると、指令装置11dは速度指令値ωrefをCPUに出力する(ステップS100)。CPUは、速度指令値ωrefと実指令値ωrefmを比較して、速度指令値ωrefと実指令値ωrefmとが同一か否かを判定する(ステップS102)。
CPUは、速度指令値ωrefと実指令値ωrefmとが同一であると判断した場合は定回転と判定し、変速中フラグに「0」を設定する(ステップS104)とともに、ステップS114に進む。
一方、CPUは、速度指令値ωrefと実指令値ωrefmとが同一ではないと判断した場合は変速中と判定し、変速中フラグに「1」を設定する(ステップS106)。
さらに、CPUは、変速中である場合は、「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」か否かを判断する(ステップS108)。
ステップS108にて「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」と判断した場合は、CPUは、実指令値ωrefmと、正の加速度値データ「a」を制御周期にあわせて再スケーリングした値と、を加算して、正の加速度の実指令値ωrefmとする(ステップS
110)。そして、ステップS114に進む。
一方、ステップS108にて「正転の加速中」でも「逆転の減速中」でもないと判断した場合は、CPUは、実指令値ωrefmと、負の加速度値データ「−a」を制御周期にあわせて再スケーリングした値と、を加算して、負の加速度の実指令値ωrefmとする(ステップS112)。
次に、CPUは、推定実速度ωを算出する(ステップS114)。推定実速度ωは回転子位置検出器11cからの位置情報θhicに基づいて検出された検出実回転速度ωhicに補正を施して現実の回転子速度と見なしてして制御に用いる値であり、詳しくは後記の図6のフローチャートによって求められる。
そして、CPUは、実速度が「0」か否かを判断する(ステップS116)。CPUは、実速度が「0」ではない場合は、再びステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を繰り返す。一方、CPUは、実速度が「0」である場合は、同期モータMは停止したと判断して、モータ回転数制御を終了する。
図6に、推定実速度ωを求めるフローチャートを示す。この図6は、図5の推定実速度ωの算出(ステップS114)の内容を詳細に示したものである。
CPUは、変速中フラグが「1」か否かを判断する(ステップS122)。
変速中フラグが「1」ではない場合は、CPUは、同期モータMは定回転中と判断する。CPUは、「定回転中」と判断した場合は、定速用の推定実速度ωを検出実回転速度ωhicとする(ステップS124)。そして、CPUは、推定実速度ωが算出されたので、推定実速度ωの算出処理を終了する。
一方、CPUは、変速中フラグが「1」である場合は、「変速中」と判断する。続いて、CPUは、「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」か否か判断する(ステップS126)。
「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」の場合は、CPUは、正の加速度値データ「a」を積分して、正の加速度の第1速度補正値ωffを算出する(ステップS128)。又、「正転の加速中」でも「逆転の減速中」でもない場合は、CPUは、負の加速度値データ「−a」を積分して、負の加速度の第1速度補正値ωffを算出する(ステップS130)。この時、CPUは、ステップS128及びステップS130のいずれの場合においても、位置情報θhicが更新された場合は、今までの積分結果を破棄して、積分値の算出を最初から始めて第1速度補正値ωffを演算する。
そして、CPUは、検出実回転速度ωhicと第1速度補正値ωffとを加算して、その加算結果の値を変速用の推定実速度ωとする(ステップS132)。
推定実速度ωが算出されたら、CPUは、推定実速度ωを一時的に記憶して推定実速度ωの算出処理を終了する。
・第2実施形態では、制御部12aは減算器13、変速判定部14、切替部15、制御周期調整部16、加算器17、指令値制限部18、速度制御部19、電流制御部20、速度演算部21、変換部22、加算器23a、変換部24、減算器25、ズレ補償部26及び加算器27を設けた。しかしこれに限らず、これらの少なくとも一部を、マイクロコンピュータ(CPU)を用いてソフトウェアにて実現してもよい。例えば、全部をソフトウェアで構成した場合は図5における推定実速度ωの算出(ステップS114)を、図7で示
すフローチャートのようにすればよい。
図7に、推定実速度ωを求めるフローチャートを示す。この図7は、図5の推定実速度ωの算出(ステップS114)の内容を詳細に示したものである。
CPUは、変速中フラグが「1」か否かを判断する(ステップS142)。
変速中フラグが「1」ではない場合は、CPUは、同期モータMは「定回転中」と判断する。CPUは、「定回転中」と判断した場合は、推定実速度ωを検出実回転速度ωhicをする(ステップS144)。そして、CPUは、推定実速度ωが算出されたので、推定実速度ωの算出処理を終了する。
一方、CPUは、変速中フラグが「1」である場合は、「変速中」と判断する。続いて、ステップS146及びステップS152に進む。
ステップS146では、CPUは、回転子位置検出器11cが回転子位置を検出したか否か確認、例えばホール素子のトグルがあったか否か確認する(ステップS146)。つまり、回転子位置検出器11cが出力した位置情報θhicが更新されたか否かを確認する。
回転子位置検出器11cが回転子位置を検出したとは確認されなかった場合、つまり、回転子位置検出器11cが位置情報θhicを更新していない場合は、CPUは、ズレ補償用の第2速度補正値ωfbを更新せず、ステップS158に進む。
一方、回転子位置検出器11cが回転子位置を検出したと確認された場合、つまり、回転子位置検出器11cが位置情報θhicを更新した場合は、CPUは、推定位置θと位置情報θhicの差分値(=θ−θhic)を算出しズレ位置Δθとする(ステップS148)。そして、CPUは、ズレ位置Δθに基づいてズレ補償用の第2速度補正値ωfbを算出する(ステップS150)。
一方の、ステップS152においては、CPUは、「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」か否か判断する(ステップS152)。
「正転の加速中」もしくは「逆転の減速中」の場合は、CPUは、正の加速度値データ「a」を積分して、正の加速度の第1速度補正値ωffを算出する(ステップS154)。又、「正転の加速中」でも「逆転の減速中」でもない場合、CPUは、負の加速度値データ「−a」を積分して、負の加速度の第1速度補正値ωffを算出する(ステップS156)。この時、CPUは、ステップS154及びステップS156のいずれの場合においても、位置情報θhicが更新された場合は、今までの積分結果を破棄して、積分値の算出を最初から始めて第1速度補正値ωffを演算する。
次に、CPUは、検出実回転速度ωhicと、第1速度補正値ωffと、第2速度補正値ωfbとを加算して、その加算結果の値を推定実速度ωとする(ステップS158)。
推定実速度ωが算出されたら、CPUは、推定実速度ωを一時的に記憶して推定実速度ωの算出処理を終了する。
・第1実施形態及び第2実施形態では、加速度値データは、正の加速度値データ「a」、定回転加速度値データ「0」、負の加速度値データ「−a」の3種類を設け、切替部15によって切り替えた。しかしこれに限らず、各加速度値データの種類を増やして、例え
ば、同期モータMの速度に応じた加速度値データを設けてもよいし、加速減速時や正転逆転時のそれぞれに異なる加速度値データを設けてもよい。そうすれば加減速時により誤差の少ない同期モータMの制御が行える。
・第1実施形態及び第2実施形態では、同期モータM用の加速度値データを設けた。しかしこれに限らず、他の種類や出力のモータや、モータに接続する負荷に対応する加速度値データを設けて、加速度値データを切り替えることができるようにしてもよい。そうすれば、モータ制御装置11,12を多くの種類のモータや様々な負荷に対応させることができる。
・第1実施形態及び第2実施形態では、回転子位置検出器はホール素子を用いた検出器とした。しかしこれに限らず、回転子位置検出器は、モータ制御装置11,12に対して間欠的に回転位置信号を出力するような回転子位置検出器であればよい。
第1実施形態における埋込磁石型モータのステータ及びロータの平面図。 第1実施形態におけるモータ制御装置の電気ブロック図。 第2実施形態におけるモータ制御装置の電気ブロック図。 (a)(b)第2実施形態における回転子位置誤差のグラフ図。 ソフトウェアによるモータ回転数制御をする場合のフローチャート図。 ソフトウェアによる第1実施形態の推定実速度ωを算出するフローチャート図。 ソフトウェアによる第2実施形態の推定実速度ωを算出するフローチャート図。
符号の説明
ω…推定実速度、θ…推定位置、M…同期モータ、ωhic…検出実回転速度、θhic…位置情報、11,12…モータ制御装置、11a、12a…制御部、11b…インバータ、11c…回転子位置検出器、11d…指令装置、11e…記憶装置。

Claims (5)

  1. モータが所定の回動角回動する毎に、検出信号を出力する回転検出手段と、
    前記回転検出手段から、間欠的に出力される前記検出信号が出力される毎の、その検出信号に基づいて前記モータの回転速度を算出する速度算出手段と、
    外部装置からの速度指令値に基づくモータの目標回転速度と、前記速度算出手段が算出した回転速度とに基づいて、前記モータを前記目標回転速度で回転させるための制御量を算出する制御量算出手段と、
    前記制御量算出手段が算出した制御量に基づいて、前記モータを駆動させる駆動手段と、
    を備えるモータ制御装置において、
    予め用意された複数の異なる基本指令値と、
    前記複数の基本指令値の中から選択された基本指令値を積算することによって前記速度指令値に収束していく実指令値を生成し、その実指令値を前記速度指令値に替えて前記制御量算出手段に出力する実指令値算出手段と、
    前記速度指令値と前記実指令値を比較し、前記モータが加減速中かどうか判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記複数の基本指令値の中から1つの基本指令値を選択し前記実指令値算出手段に出力する選択手段と、
    前記回転検出手段から出力された先の検出信号から次に出力される検出信号の間までの、前記モータの回転速度を推定し、推定回転速度として前記制御量算出手段に出力する推定回転速度算出手段と、
    を備え、
    前記推定回転速度算出手段は、
    前記選択手段が選択した基本指令値に基づいて、前記先の検出信号から次に出力される検出信号の間のモータの回転速度の変動量を求め、その変動量を第1補正値として出力する第1補正値算出手段と、
    前記速度算出手段が算出したモータの回転速度を前記第1補正値算出手段にて算出した第1補正値で補正し、前記推定回転速度として出力する第1補正手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. モータが所定の回動角回動する毎に、検出信号を出力する回転検出手段と、
    前記回転検出手段から、間欠的に出力される前記検出信号が出力される毎の、その検出信号に基づいて前記モータの回転速度を算出する速度算出手段と、
    外部装置からの速度指令値に基づくモータの目標回転速度と、前記速度算出手段が算出した回転速度とに基づいて、前記モータを前記目標回転速度で回転させるための制御量を算出する制御量算出手段と、
    前記制御量算出手段が算出した制御量に基づいて、前記モータを駆動させる駆動手段と、
    を備えるモータ制御装置において、
    前記回転検出手段から出力された先の検出信号から次に出力される検出信号の間までの、前記モータの回転速度を推定し、推定回転速度として前記制御量算出手段に出力する推定回転速度算出手段と、
    前記推定回転速度算出手段が推定した前記推定回転速度に基づいて前記モータの推定回転位置を算出する推定回転位置算出手段と、
    前記推定回転位置算出手段にて算出した前記モータの推定回転位置と、前記回転検出手段から間欠的に出力される検出信号が出力される毎のその検出信号に基づくモータの回転位置との変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記変位量検出手段が検出した前記変位量を減少させるためにゲインを用いて前記推定回転速度を補正するための第2補正値を算出する第2補正値算出手段と、
    前記速度算出手段が算出したモータの回転速度を前記第2補正値算出手段にて算出した第2補正値で補正し、前記推定回転速度として出力する第2補正手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記推定回転速度に基づいて前記モータの推定回転位置を算出する推定回転位置算出手段を備え、
    前記制御量算出手段は、
    前記目標回転速度、前記推定回転速度及び前記推定回転位置とに基づいて前記制御量を算出することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、
    前記制御量算出手段は、
    前記目標回転速度、及び前記推定回転速度に基づいて速度を制御するための電流量を算出する電流量算出手段と、
    前記推定回転位置、及び前記電流量に基づいて電流を制御するための電圧量を算出する電圧量算出手段とを備え、
    前記電圧量を前記駆動手段の制御量とすることを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、
    前記ゲインは、前記モータの回転速度に比例して変移することを特徴とするモータ制御装置。
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