JP4716756B2 - ランダム共重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体とをリチウム開始剤を用いて共重合するランダム共重合体の製造方法に関する。本発明の製造方法は、共重合体中の共役ジエン部のビニル結合量が高く、且つカップリング反応や末端変性反応に有効なリビング性の高い共重合体を高生産性で得ることができるものである。なお、本発明において、ビニル結合量とは、1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体の中で、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合である。
共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体からなるランダム共重合体は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)として、タイヤ用途をはじめ多くの工業部品等に使用されている。近年、シリカタイヤの普及に伴い、ジエン部のビニル結合量の高いランダムSBRが注目されている。そして、ブタジエン部のビニル結合量が40重量%以上のスチレン−ブタジエン共重合体を用いたタイヤトレッド用ゴム組成物が、例えば、特許文献1に開示されている。しかしながら、アニオン重合の場合、ジエン部のビニル結合量は重合温度に関係しており、高ビニル結合量にするためには低温で重合する必要がある。従って、高ビニル結合量のランダム共重合体は、著しく生産性の劣るものであった。
上記のようなビニル結合量の高いランダム共重合体を得る方法として、アニオン重合中にテトラヒドロフランのような極性物質を添加する方法が一般的に採用されている。しかしながら、このような方法を用いても、ジエン部のビニル結合量には限界があり、また、さらに生産性を上げる必要があった。
ビニル含有率の高いポリブタジエンゴムの製造方法として、1,3−ブタジエンをナトリウムアルコキシド及び極性物質の存在下で重合する方法が、例えば、特許文献2に開示されている。しかしながらこの方法で得られる重合体は、リビング性に劣り、重合後のポリマー末端を利用してカップリング反応や末端変性反応を行うには不適であった。
特開平11−029656号公報 米国特許第5,654,384号明細書
本発明は、リチウム開始剤を用いたアニオン重合において、共役ジエン部のビニル結合量が高く、且つカップリング反応や末端変性反応に有効なリビング性の高い共重合体を高生産性で得ることが可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体とをリチウム開始剤を用いてランダム共重合するに際し、第3級アミン化合物に対し、極少量のナトリウムアルコキシドを共存させることにより、上記課題を効果的に解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体とをリチウム開始剤を用いてランダム共重合体を製造する方法であって、重合の際に下記(1)、(2)の物質を共存させることを特徴とするランダム共重合体の製造方法を提供するものである。
(1)3級アミン化合物
(2)トリウムアルコキシド
ここで、(2)/(1)=0.01以上0.1未満(モル比)であり、(1)の使用量はリチウム開始剤に対して0.2〜2.0(モル比)である。
本発明の製造方法は、ランダム共重合体中の共役ジエン部のビニル結合量を高くすることができ、且つカップリング反応や末端変性反応に有効なリビング性の高い共重合体を高生産性で得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体からなるランダム共重合体を高生産性で得る方法である。
本発明で用いる共役ジエン系単量体は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどである。特に好ましいものとしては1,3−ブタジエンが挙げられるが、これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
また、本発明で用いるビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられる。特に好ましいものとしてはスチレンが挙げられるが、これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
本発明において、ランダム共重合体は、炭化水素溶媒中でリチウム開始剤を用いてアニオンリビング重合により得られる。炭化水素溶媒としては、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンの如き脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタンの如き脂環式炭化水素類、また、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き芳香族炭化水素類が挙げられる。
また、リチウム開始剤としては、炭素数1〜20の脂肪族および芳香族炭化水素リチウム化合物であり、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が含まれる。具体的には、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムの反応生成物、さらにジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンの反応生成物等が挙げられる。この中でも、重合活性の点でn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
リチウム開始剤の使用量は、目的とするランダム共重合体の分子量によって変化させるが、単量体100重量部に対して、一般的には0.01〜0.4重量部を用いるが、好ましくは0.01〜0.2重量部、より好ましくは0.02〜0.14重量部である。
本発明において、リチウム開始剤を重合開始剤として共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体をランダム共重合する際に、第3級アミン化合物を添加する。第3級アミン化合物としては、一般式R1 2 3 N(ただし、R1 、R2 、R3 は、炭素数1〜20の炭化水素基または第3級アミノ基を有する炭化水素基である。)で示される化合物である。該化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。この中でも、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。
第3級アミン化合物は、共役ジエン部のビニル結合量を高くするために使用し、その使用量は、目的とする共役ジエン部のビニル結合量によって調節することができる。本発明で目的とする共役ジエンブロック部分のビニル結合量は、40%以上であり,第3級アミン化合物の使用量は、リチウム開始剤に対して0.1〜4(モル/Li)、より好ましくは0.2〜3(モル/Li)である。
本発明においては、共重合の際に、ナトリウムアルコキシドを共存させる。用いるナトリウムアルコキシドは、一般式NaOR(式中、Rは炭素数2〜12のアルキル基である。)で示される化合物である。この中でも,炭素数3〜6のアルキル基を有するナトリウムアルコキシドが好ましく、ナトリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ペントキシドが特に好ましい。
本発明に用いるナトリウムアルコキシドの量は、第3級アミン化合物に対し、0.01以上0.1未満(モル比)であり、より好ましくは0.03以上0.08未満(モル比)、さらに好ましくは0.04以上0.055未満(モル比)である。ナトリウムアルコキシドの量がこの範囲にあると、共役ジエン部のビニル結合量が高く、且つカップリング反応や末端変性反応に有効なリビング性の高い共重合体を高生産性で得ることができる。
本発明において、リチウム開始剤を重合開始剤として共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体をランダム共重合する方法は、バッチ重合であっても連続重合であっても、或いはそれらの組み合わせであってもよい。分子量分布の狭い共重合体を得るにはバッチ重合方法が推奨され、分子量分布が広く加工性に優れた共重合体を得るには連続重合が推奨される。
重合温度は、一般に0℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは50℃〜100℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は24時間以内であり、特に好適には0.1〜10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲で単量体及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。更に、重合系内は開始剤及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば、水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないように留意する必要がある。
本発明においては、前記重合終了時に共重合体のリビング末端を利用してカップリング反応を行うことができる。2官能カップリング剤としては公知のものいずれでも良く、特に限定されない。例えば、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン等のジハロゲン化合物、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、フタル酸エステル類等の酸エステル類等が挙げられる。また、3官能以上の多官能カップリング剤としては公知のものいずれでも良く、特に限定されない。例えば、3価以上のポリアルコール類、エポキシ化大豆油、ジグリシジルビスフェノールA等の多価エポキシ化合物、一般式R4-n SiXn (ただし、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン、nは3から4の整数を示す。)で示されるハロゲン化珪素化合物、例えばメチルシリルトリクロリド、t−ブチルシリルトリクロリド、四塩化珪素およびこれらの臭素化物等、一般式R4-n SnXn (ただし、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン、nは3から4の整数を示す。)で示されるハロゲン化錫化合物、例えばメチル錫トリクロリド、t−ブチル錫トリクロリド、四塩化錫等の多価ハロゲン化合物が挙げられる。炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等も使用できる。
本発明では、前記重合終了後、共重合体のリビング末端に、官能基含有原子団を生成する変性剤を付加反応させることもできる。官能基含有原子団としては、例えば、水酸基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボキシル基、チオカルボキシル酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。
官能基を有する変性剤の例としては、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、4−メトキシベンゾフェノン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
本発明においては、反応温度は好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜120℃である。変性反応に要する時間は他の条件によって異なるが、好ましくは24時間以内であり、特に好適には0.1〜10時間である。
また、上記で得られたランダム共重合体を水素添加することにより、水添共重合体を得ることもできる。特に好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物及び/又は還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられる。
また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。本発明において、水添反応は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、更に好ましくは0.3〜5MPaが推奨される。また、水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
上記のようにして得られたランダム共重合体の溶液は、必要に応じて触媒残査を除去し、共重合体を溶液から分離することができる。溶媒の分離の方法としては、例えば、反応液にアセトンまたはアルコール等の共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、または直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。
本発明で製造されたランダム共重合体の構造は特に制限はなく、いかなる構造のものにも適用できる。一番単純な構造は、共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体とのランダム共重合体であるが、これにビニル芳香族重合体ブロックが共重合したものも含まれる。得られたランダム共重合体の重量平均分子量は、5万〜50万、好ましくは7万〜30万であることが推奨される。また、分子量分布は、バッチ重合法によれば、1.5以下、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.07以下の共重合体が得られる。尚、共重合体の分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。共重合体の分子量分布は、同様にGPCによる測定から求めることができ、重量平均分子量と数平均分子量の比率である。
以下に、実施例などにより本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例などにより何ら限定されるものではない。
また以下の実施例においては、分析や共重合体の解析は次のようにして行った。
I−1)各単量体の重合率の測定
ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−14B)を用いて測定した。
尚、カラム充填材はアピーゾングリスを使用し、ブタジエンの重合率は90℃一定、スチレンの重合率は90〜150℃昇温の条件にて行った。
I−2)共重合体中のビニル結合量<ジエン部>
赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−230)を用いて測定した。そして、ビニル結合量はハンプトン法により算出した。
I−3)共重合体の分子量及び分子量分布
GPC〔装置は、ウォーターズ製〕で測定した。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度40℃で行った。重量平均分子量と数平均分子量が既知の市販の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用し、重量平均分子量を求めた。また、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
I−4)共重合体のカップリング率の測定
上記3)と同様のGPCにて測定した。カップリング後のサンプルを用い、高分子量化した比率を重量%で求めた。
I−5)共重合体の変性率の測定
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液に関して、上記3)のポリスチレン系ゲルのGPCと、シリカ系カラムGPC(デュポン社製Zorbax)の両クロマトグラムを測定し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
[実施例1]
内容積が10lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。はじめに1lのシクロヘキサンを張り込み、その後n−ブチルリチウム(以下、Bu−Liとする。)を全モノマ−100重量部に対して0.08重量部とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAとする。)をn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モルとナトリウムt−ペントキシド(以下、NaOAmとする。)をTMEDAに対して0.055モル添加した。
次に、ブタジエン80重量部とスチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度14重量%)を100分間かけて投入し(重合温度は、70℃にコントロ−ルしながら),その後さらに10分間重合した。この時点でポリマー溶液をサンプリングし、ブタジエンとスチレンの重合率を測定したところ、それぞれ100%であった。
得られた共重合体は、ブタジエン部のビニル結合量64.2%、重量平均分子量15.1万、分子量分布1.08であった。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
次に、得られたポリマー溶液に、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(以下、TEDとする。)を重合に使用したBu−Liに対して当モル反応させてカップリング共重合体を得た。得られた共重合体のカップリング率を測定したところ、90%であった。
[実施例2]
実施例1と同様に共重合体を作成した。但し、NaOAmに変えてナトリウムt−ブトキシド(以下、NaOBuとする。)を使用した。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
また、実施例1と同様にTEDによるカップリング共重合体を得た。得られた共重合体のカップリング率を測定したところ、88%であった。
[実施例3]
内容積が10lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を使用してバッチ重合を行った。はじめに1lのシクロヘキサンを張り込み、その後Bu−Liを全モノマー100重量部に対して0.04重量部とTMEDAをBu−Li1モルに対して1.8モルとNaOAmをTMEDAに対して0.055モル添加した。次にブタジエン50重量部とスチレン50重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度14重量%)を100分間かけて投入し(重合温度は、70℃にコントロールしながら)、その後さらに10分間重合した。この時点でポリマ−溶液をサンプリングし、ブタジエンとスチレンの重合率を測定したところ、それぞれ100%であった。
得られた共重合体は、ブタジエン部のビニル結合量48.6%、重量平均分子量30.8万、分子量分布1.07であった。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
次に、得られたポリマー溶液に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(以下、DMIとする。)を重合に使用したBu−Liに対して当モル反応させて変性共重合体を得た。得られた共重合体の変性率を測定したところ、83%であった。
[実施例4]
実施例3と同様に共重合体を作成した。但し、TMEDAの添加量を2.0モルに、またNaOAmの添加量を0.04モルに変更した。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
また、実施例3と同様にDMIによる変性共重合体を得た。得られた共重合体の変性率を測定したところ、86%であった。
[比較例1]
実施例1と同様に共重合体を作成した。但し、NaOAmを添加しなかった。
同様にサンプリングしたポリマー溶液中には、未反応の単量体が存在した。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
[比較例2]
実施例3と同様に共重合体を作成した。但し、NaOAmを添加しなかった。
同様にサンプリングしたポリマー溶液中には、未反応の単量体が存在した。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
[比較例3]
実施例1と同様に共重合体を作成した。但し、NaOAmの添加量を0.12モルに変更した。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
また、実施例1と同様にTEDによるカップリング共重合体を得た。得られた共重合体のカップリング率を測定したところ、55%であった。
[比較例4]
実施例1と同様に共重合体を作成した。但し、NaOAmの添加量を0.50モルに変更した。得られた共重合体の解析結果を表−1に示す。
また、実施例1と同様にTEDによるカップリング共重合体を得た。得られた共重合体のカップリング率を測定したところ、46%であった。
Figure 0004716756
本発明の製造方法は、共重合体中の共役ジエン部のビニル結合量が高く、且つカップリング反応や末端変性反応に有効なリビング性の高い共重合体を高生産性で得ることを可能とする。
本発明で得られるランダム共重合体、あるいはそのリビングポリマーをカップリングや末端変性した共重合体は、タイヤ用途をはじめ、工業部品等に利用される。従って、該共重合体を容易に生産できる本発明は極めて有用である。

Claims (4)

  1. 共役ジエン系単量体とビニル芳香族系単量体とをリチウム開始剤を用いてランダム共重合体を製造する方法であって、重合の際に下記(1)、(2)の物質を共存させることを特徴とするランダム共重合体の製造方法。
    (1)第3級アミン化合物
    (2)ナトリウムアルコキシド
    ここで、(2)/(1)=0.01以上0.1未満(モル比)であり、(1)の使用量はリチウム開始剤に対して0.2〜2.0(モル比)である。
  2. 共役ジエン系単量体が1,3−ブタジエンであり、ビニル芳香族系単量体がスチレンであることを特徴とする請求項1に記載のランダム共重合体の製造方法。
  3. (2)/(1)=0.03以上0.08未満(モル比)であることを特徴とする請求項1または2に記載のランダム共重合体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のランダム共重合体の製造方法に続き、官能基含有化合物を反応することを特徴とする変性ランダム共重合体の製造方法。
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