JP4715984B2 - 蓄冷機能付き冷却システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
航空機におけるレーダやレーザ等の指向性を有する電磁波の発信部位や、超高速演算回路部位といった高出力回路部位を、大電力投入時に安定して作動させるために冷却するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば遭難者、難破船、不審船等の探索を行うために航空機に搭載されるレーダのような電磁波発信装置における電磁波発信部位は、旧来の発信管から多数の半導体素子で構成されるものに置き換わりつつあり、これにより電磁波の向き変更は、発信管の向きを変更する方式から、各素子それぞれで発する電磁波の位相を制御することで可動部なしに変更する方式に変更される。このような方式では、各半導体素子それぞれに対応して電力制御回路が具備されるため、電磁波の発信を安定的に行えるように性能を安定させるには、多数存在する電力制御回路付きの半導体素子により構成される電磁波発信部位を全体的に冷却して一定の設定温度範囲内に維持する必要がある。そこで、水などを主成分に添加剤を加えたブラインと呼ばれる不凍液等を熱移送流体として、これにより電磁波発信部位を直接冷却する方式が採用されている。その熱移送流体は、航空機におけるエンジン抽気を用いたエアサイクル方式冷却システムや、冷媒を用いたベーパサイクル方式冷却システム等の機内冷却システムにより、その温度上昇に応じて冷却されている。また、この熱移送流体は電磁波発信部位以外の高出力回路部位、例えば超高速演算回路や、各種電子機器への電力供給を制御するインバータ回路を動作時に冷却するのにも利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
航空機においては近年の高性能化の要請に伴ない、様々な高速演算処理を伴う信号処理装置等も付随される場合が多い。さらに、機能向上のために大出力の電磁波の発信にも対応することが要求されている。このため、電磁波の発信や高速演算処理を行う際には付随の回路部なども含めた高出力回路部位から大幅な発生熱量が見込まれ、発生した熱を吸収した熱移送流体を冷却するための機内冷却システムの能力を大きくしなければならなかった。
【0004】
しかし、機内冷却システムの能力を大きくするには、機内冷却システムとしエアサイクル方式を採用した場合はエンジン抽気量を増大させる必要があり、ベーパサイクル方式を採用した場合は冷媒圧縮能力を増加させるために電力消費を増大させる必要がある。いずれの場合も高出力回路部位における電力消費が増大すると、飛行中のエンジンにとっては大幅な負荷増加になり好ましくない。特に、地上や海上を対象にレーダ波等の指向性電磁波を発信する航空機では、飛行高度を下げた状態での作動となるため、汲出した熱を放出する先の機外空気の温度が高くなる場合が多く、冷却システムの能力も大きなものが必要になり、エンジン負荷の増大のみならず、冷却システムとしても大きく重いものとならざるを得なかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の蓄冷機能付き冷却システムは、航空機における高出力回路部位を、冷却手段により冷却される熱移送流体により冷却する冷却システムにおいて、その熱移送流体は循環流路において流動するものとされ、前記循環流路は、前記高出力回路部位から前記冷却手段に到る部分を、前記冷却手段から前記高出力回路部位に到る部分に接続する配管により構成される流路を有し、冷熱を蓄積可能な蓄冷物質が、その配管の両端間の熱移送流体の流路に熱移送流体と熱交換可能に配置され、その熱移送流体が蓄冷物質よりも低温である時は、その熱移送流体により蓄冷物質が冷却され、その熱移送流体が蓄冷物質よりも高温である時は、その蓄冷物質により熱移送流体が冷却されるように、前記配管における熱移送流体の流れ方向が、その熱移送流体が蓄冷物質よりも低温である時と高温である時とで逆とされることを特徴とする。なお、航空機としてはヘリコプターのような回転翼機を含む。
本発明の構成によれば、高出力回路部位が作動していないために電力に余裕がある場合、航空機が高々度や寒冷領域を飛行している場合、飛行前の地上での待機中に機体外部の動力源を使用可能な場合等においては、航空機のエンジンに過大な負荷をかけることなく、航空機におけるエンジン抽気や電力消費量の増大なしに、冷却手段を駆動して熱移送流体を冷却し、その熱移送流体により蓄冷物質を冷却して冷熱を蓄積できる。これにより、その熱移送流体が高出力回路部位の作動により蓄冷物質よりも高温になった場合は、その蓄積した冷熱により熱移送流体を冷却することで、航空機のエンジンに過大な負荷をかけることなく電磁波発信部位等の高出力回路部位を冷却することができる。また、高出力回路部位として電磁波発信部位を冷却する際に、電磁波の発信対象から電磁波への対抗措置が取られる可能性がある場合、強力な電磁波は発信対象に接近するまではほとんど発信することがなく、また、連続して電磁波を発信するのではなく間欠的に発信するのが一般的である。このような場合、本発明によれば、飛行効率を上げるために十分な高度で移動のための飛行を行っている間に蓄冷物質に冷熱を蓄積し、電磁波の発信時には蓄えられた冷熱を使って発信部位の冷却を行える。
【0006】
前記冷却手段は前記熱移送流体を前記蓄冷物質の融点未満に冷却可能であるのが好ましい。
これにより、その蓄冷物質を融点以下まで冷却して凝固させ、その蓄冷物質が融解する時に融解熱を吸収することで熱移送流体を冷却でき、蓄冷物質が液相状態である時よりも大きな凝固熱、例えば蓄冷物質が水であれば比熱の約80倍の凝固熱を冷熱として保持できることになり、少量でも熱容量の大きな蓄冷物質により電磁波発信部位等の高出力回路部位での発生熱の全てあるいは一部を吸収でき、軽量化が要求される航空機にとって好ましいものである。
【0007】
その熱移送流体により航空機の機体内循環空気を冷却する冷却手段が設けられ、その循環流路の一部として、その高出力回路部位に熱移送流体を供給する第1流路と、航空機の機体内循環空気の冷却手段に熱移送流体を供給する第2流路とが設けられ、その第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を、その熱移送流体の温度変化に相関する変量に応じて変更する手段が設けられているのが好ましい。
これにより、高出力回路部位が作動していない間に冷却される熱移送流体を、機体内循環空気の冷却に有効利用できる。
【0008】
その蓄冷物質は多数の伸縮可能な容器に封入され、それら容器が前記熱移送流体の流路に配置されているのが好ましい。
これにより、蓄冷物質と熱移送流体との接触面積を大きくして熱交換を効率良く行い、また、蓄冷物質の体積変動を容器の伸縮により吸収することができる。
【0009】
その航空機の機体外から導入されるRAM空気と熱移送流体の冷却手段の冷媒との間で熱交換可能とされているのが好ましい。
これにより航空機が高々度を飛行している際に効率良く蓄冷物質に冷熱を蓄積でき実運用に適する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2は、航空機の機体1に搭載されるフェーズドアレイレーダ2における高出力回路部位を冷却するための蓄冷機能付き冷却システムAを示す。そのレーダ2としては、フルパワーで電磁波を発信した場合に例えば10kWを超えて発熱するものが用いられる。そのレーダ2における高出力回路部位は、多数の電力制御回路付きの半導体素子からなる電磁波発信部位により構成され、その電磁波発信部を熱移送流体により冷却するための冷却ジャケット20を有する。例えば、その電磁波発信部位を構成する各素子それぞれにヒートシンクが取り付けられ、各ヒートシンクそれぞれが冷却ジャケット20により覆われる。その冷却システムAから供給される熱移送流体が、その冷却ジャケット20に供給ポート21を介して導入され、リターンポート22を介して排出されることで、その電磁波発信部位は熱移送流体により冷却される。本実施形態では、その熱移送流体として一般的な高濃度のエチレングリコール溶液などが用いられる。
【0011】
その冷却システムAは、冷却装置3と蓄冷装置4とを備え、その冷却装置3により、その蓄冷装置4における循環流路40を流動する熱移送流体が冷却される。その冷却装置3は、機体内循環空気を冷却する機体1の内部空間の空調装置を兼用し、航空機のエンジン5からの抽気で機能するエアサイクル式冷却装置31と、このエアサイクル31の冷却能力を補うベーパサイクル式冷却装置32とを有する。
【0012】
そのエアサイクル式冷却装置31は、エンジン抽気を第一熱交換器311で機体外から導入されるRAM空気との熱交換により冷却し、遠心コンプレッサ312で圧縮し、第二熱交換器313でRAM空気との熱交換により再度冷却し、さらに再生熱交換器314で冷却し、これにより凝結したエンジン抽気の含有水分を水分除去器315で取り去り、しかる後に、そのエンジン抽気を膨張タービン316で膨張させることで冷気を得る。この得られた冷気の一部は、再生熱交換器314を通ることでエンジン抽気を冷却し、しかる後に航空機のキャビン6等にダクト317を介して機体内循環空気として供給される。その得られた冷気の残部は上記蓄冷装置4の冷却器42を通ることで熱移送流体を冷却し、しかる後にキャビン6等に機内空気として供給される。なお、第一熱交換器311、第二熱交換器313は図示では単一とされるが、実際には機体1に複数設けるようにする。
【0013】
そのベーパサイクル式冷却装置32は、電動モータ321により駆動されるコンプレッサ322により圧縮されることで高温、高圧となった冷媒をRAM空気との熱交換によりコンデンサ323で放熱して冷却液化し、膨張弁324で減圧し、エバポレータ325で蒸発させ、再度コンプレッサ322に戻してサイクルを完結させる。その冷媒としてはオゾン破壊効果のないHFC134a等が適している。そのエバポレータ325において、冷媒が蒸発に際して周囲の熱を奪うことで奏する冷却能力により、上記蓄冷装置4の循環流路40を流動する熱移送流体を冷却する。その冷却能力により機体内循環空気を直接に冷却することで、機内で発生する熱を除去するようにしてもよい。なお、そのコンデンサ323は図示では単一とされるが、機体1に複数設けるようにしてもよい。
【0014】
その蓄冷装置4は、熱移送流体をメインポンプ41により圧送する。これにより、その熱移送流体は上記のようにエバポレータ325と冷却器42において冷却される。その冷却された熱移送流体は循環流路40に設けられたメイン分配バルブ43により、機体1内に配置された機内冷却器44とレーダ2の冷却ジャケット20とに配管a、bを介して導入されるように振り分けられる。その機内冷却器44に導入された熱移送流体は機体内循環空気を冷却した後にメインポンプ41の吸引側に戻される。また、その冷却ジャケット20に導入された熱移送流体はレーダ2の電磁波発信部位を冷却した後にメインポンプ41の吸引側に戻される。その機内冷却器44は複数でもよい。
【0015】
冷熱を蓄積可能な蓄冷物質が、その循環流路40において流動する熱移送流体と熱交換可能に配置されている。本実施形態では、上記メインポンプ41とエバポレータ325との間に、熱移送流体を充填した蓄冷リザーバタンク7が配管接続され、その蓄冷リザーバタンク7はリザーバポンプ451に配管接続され、そのリザーバポンプ451は切替えバルブ452を介して上記メイン分配バルブ43とサブ分配バルブ453とに配管接続され、そのサブ分配バルブ453は上記機内冷却器44と冷却ジャケット20の供給ポート21とに配管c、dを介して接続されている。これにより、熱移送流体が蓄冷物質よりも低温である時は熱移送流体により蓄冷物質が冷却され、熱移送流体が蓄冷物質よりも高温である時は蓄冷物質により熱移送流体が冷却される。
【0016】
図3に示すように、その蓄冷リザーバタンク7の本体71に、蓄冷物質として純水を封入した球形のカプセル状容器72が、カプセルポート71aから多数充填されている。その蓄冷物質としては水に限定されず、冷熱を蓄積可能なものであれば良いが、水以外にはギ酸、酢酸、p−キシレン、グリセリン、その他−5℃〜+25℃の間に融点があり、安定した分子構造を持つ物質を主成分とした物質を採用するのが好ましい。そのカプセル状容器72は水分子が透過せず、且つ、純水が氷結して体積が変化しても伸縮することで破れることのない高分子材製とされ、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製とされる。それらカプセル状容器72を保持するように、一対の網目板73が本体71内に取り付けられている。なお、容器72は図示では一部省略しているが、両網目板73の間を略満たすように充填されている。その本体71の中心に案内筒74が設けられ、その案内筒74内に、循環流路40との接続用配管75、76が導入され、その案内筒74の内部は仕切り板74aにより一端側と他端側とに仕切られ、一方の接続用配管75の導入端は仕切り板74aよりも一端側に配置され、他方の接続用配管76の導入端は仕切り板74aよりも他端側に配置される。その本体71内の熱移送流体の攪拌羽根77がモータ78により回転駆動される。その蓄冷物質の体積変動を吸収するエアバッグ79が本体71に配置され、そのエアバッグ79内はパイプ79aを介して本体71外と通じるものとされ、蓄冷物質の凝固による体積の変化や熱移送流体の温度変化による体積の変化を吸収できるようになっている。これにより、カプセル状容器72は熱移送流体の流路に配置され、図中矢印AあるいはBで示す方向に流動する熱移送流体と蓄冷物質との間で熱交換が行われる。この際、多数のカプセル状容器72に蓄冷物質が封入されることで、蓄冷物質と熱移送流体との接触面積を大きくして熱交換を効率良く行い、また、蓄冷物質の体積変動をカプセル状容器72の伸縮により吸収することができる。なお、その蓄冷物質を封入する容器として、球形のカプセル状容器72以外のもの、例えば管状や板状の容器を用いてもよい。
【0017】
図4に示すように、上記モータ321、メインポンプ41、リザーバポンプ451、切替えバルブ452、メイン分配バルブ43、およびサブ分配バルブ453は、機体1に搭載された制御装置50に接続される。また、その制御装置50に、熱移送流体の温度変化に相関する変量として機体内循環空気の温度を検出する温度センサ51が接続されている。その温度センサ51の検出温度に応じて制御装置50から出力される信号に応じてモータ321、メインポンプ41、リザーバポンプ451、切替えバルブ452、メイン分配バルブ43、およびサブ分配バルブ453は作動する。その作動により、コンプレッサ322の圧縮能力が変更可能とされ、メインポンプ41の吐出量が変更可能とされ、リザーバポンプ451の吐出方向が変更可能とされ、切替えバルブ452はリザーバポンプ451を循環流路40に接続する状態とサブ分配バルブ453に接続する状態とに択一的に切り換え可能とされ、メイン分配バルブ43、サブ分配バルブ453による熱移送流体の分配比が変更可能とされている。
【0018】
上記構成を備えた航空機が高々度や寒冷領域を飛行しているような場合、第一熱交換器311、第二熱交換器313、コンデンサ323に機体外から導入されるRAM空気の温度は低い上に、エンジンで外気を圧縮した抽気に含まれる水蒸気が少なく、冷却時に水蒸気の凝縮による発熱がないため、エアサイクル式冷却装置31における冷媒であるエンジン抽気は膨張前に温度が十分低くなり、また、ベーパサイクル式冷却装置32における冷媒も殆ど圧縮されなくても膨張前に温度が十分低くなる。これにより、冷却装置3は熱移送流体を蓄冷物質の融点未満に冷却可能であり、冷却器42を出た熱移送流体の温度は蓄冷物質である純水の融点以下になり、例えば−10℃以下にすることも可能である。この場合、その熱移送流体の温度に応じて機体内循環空気の温度も低くなる。温度センサ51により検出される機体内循環空気の温度が予め定めた設定温度以下である時、制御装置50は熱移送流体が循環流路40において切替えバルブ452、リザーバポンプ451を介して蓄冷リザーバタンク7に至るように、リザーバポンプ451と切替えバルブ452とを作動させる。この結果、蓄冷リザーバタンク7内では蓄冷物質である水が凝固し、冷熱が貯えられる。また、機体内循環空気の温度が上昇してきた場合には、制御装置50は温度センサ51による検出温度に応じてメインポンプ41の吐出量を変更したり、分配バルブ43による熱移送流体の分配比を変更することで、蓄冷リザーバタンク7を通過する熱移送流体流量と機内冷却器44を通過する熱移送流体流量との比を変更し、機体内循環空気の温度を適性値に保持する。すなわち、循環流路40の一部として、メイン分配バルブ43から冷却ジャケット20に熱移送流体を供給する配管bおよびサブ分配バルブ453から冷却ジャケット20に熱移送流体を供給する配管dから構成される第1流路と、メイン分配バルブ43から機内冷却器44に熱移送流体を供給する配管aおよびサブ分配バルブ453から機内冷却器44に熱移送流体を供給する配管cから構成される第2流路とが、並列に設けられ、制御装置50は、熱移送流体の温度変化に相関する変量である機体内循環空気の検出温度が上昇すると、その第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を減少させ、機体内循環空気の検出温度が低下すると、その比率を増大させる。
なお、その第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を、機体内循環空気の温度以外の、熱移送流体の温度変化に相関する変量に応じて変更してもよい。例えば、その熱移送流体の温度変化に相関する変量を高出力回路部位への電力投入量とし、高出力回路部位への電力投入のオン、オフに応じてメインポンプ41の吐出量を変更したり、分配バルブ43による熱移送流体の分配比を変更することで、第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を変更する。すなわち、高出力回路部位への電力投入がオンの時は、第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を減少させ、その電力投入がオフの時は、その比率を増大させる。
【0019】
上記構成を備えた航空機が低高度でレーダ2から電磁波を発信している場合、その電磁波発信部位における温度が上昇するため、エアサイクル式冷却装置31とベーパサイクル式冷却装置32とが機能しても、冷却器42を出た熱移送流体の温度は蓄冷物質である純水の融点よりも高くなる。この場合、その熱移送流体の温度に応じて機体内循環空気の温度も高くなる。その温度センサ51により検出される機体内循環空気の温度が設定温度を超える時、制御装置50は熱移送流体が循環流路40において蓄冷リザーバタンク7、リザーバポンプ451を介して切替えバルブ452に至った後にサブ分配バルブ453に至るように、リザーバポンプ451と切替えバルブ452とを作動させる。この結果、蓄冷リザーバタンク7内で蓄冷物質に蓄積された冷熱により熱移送流体が冷却される。また、制御装置50は温度センサ51による検出温度に応じて分配バルブ、43、453による熱移送流体の分配比を変更することで、蓄冷リザーバタンク7を通過する熱移送流体流量と機内冷却器44を通過する熱移送流体流量との比を変更し、機体内循環空気の温度を適性値に保持する。すなわち制御装置50は、機体内循環空気の検出温度が上昇すると、その第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を減少させ、機体内循環空気の検出温度が低下すると、その比率を増大させる。
なお、温度センサ51の検出温度が上記設定温度を超えるがレーダ2からの電磁波の発信が停止している間は、その電磁波発信部位での発熱がなくなって電力消費に余裕ができる。この場合、制御装置50はリザーバポンプ451を停止して蓄冷リザーバタンク7を通過する熱移送流体の流れを止めると共に、モータ321により駆動されるコンプレッサ322の圧縮能力を増大してベーパサイクル式冷却装置32の冷却能力を上げ、機内冷却器44での機体内循環空気の冷却能力を増大してもよい。
【0020】
上記構成によれば、航空機のエンジン5に過大な負荷をかけることなく、冷却装置3を駆動して熱移送流体を冷却し、その熱移送流体により蓄冷物質を冷却して冷熱を蓄積できる。これにより、その熱移送流体が電磁波の発信により蓄冷物質よりも高温になった場合は、その蓄積した冷熱により熱移送流体を冷却することで、航空機のエンジン5に過大な負荷をかけることなく電磁波発信部位を冷却することができる。また、その蓄冷物質を融点以下まで冷却して凝固させ、その蓄冷物質が融解する時に融解熱を吸収することで熱移送流体を冷却できるので、少量でも熱容量の大きな蓄冷物質により電磁波発信部位での発生熱の全てあるいは一部を吸収でき、軽量化が要求される航空機にとって好ましいものである。また、電磁発信部位が電磁波を発信していない間に冷却される熱移送流体を機体内循環空気の冷却に有効利用できる。さらに、機体1外から導入されるRAM空気と冷却装置3の冷媒との間で熱交換可能であるので、航空機が高々度を飛行している際に効率良く蓄冷物質に冷熱を蓄積できる。
【0021】
上記蓄冷リザーバタンク7に代えて図5の変形例に係る蓄冷リザーバタンク8を用い、蓄冷物質82を封入した本体81の中に、蓄冷物質82とは混合しない構造の熱移送流体が流れる流路を設けてもよい。すなわち、その蓄冷リザーバタンク8においては本体81に純水等の蓄冷物質82が封入され、その蓄冷物質82中に浸漬するように熱移送流体流路83が設けられている。なお、図5は本体81の上部を省略した状態を示し、熱移送流体流路83は本体81により覆われる。その熱移送流体流路83は、複数の渦巻き状配管83aを積層することで構成され、各配管83aの中心位置の一端開口83′は互いに接続されると共に循環流路40に接続され、外周位置の他端開口83″は互いに接続されると共に循環流路40に接続される。これにより、図中矢印CあるいはDで示す方向に流動する熱移送流体と蓄冷物質との間で熱交換が行われる。
【0022】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されない。
例えば、上記実施形態では熱移送流体の流路において、エアサイクル式冷却装置31による冷却部である冷却器42とベーパサイクル式冷却装置32による冷却部であるエバポレータ325とを直列に配置したが、その熱移送流体の流路の一部を分岐して一対の並列流路とし、その並列流路の一方に冷却器42を他方にエバポレータ325を配置してもよい。あるいは、エアサイクル式冷却装置31とベーパサイクル式冷却装置32の中の何れか一方のみにより熱移送流体を冷却してもよい。あるいは、上記実施形態では航空機のエンジン5を動力源とすると共に機体外から導入されるRAM空気と冷媒との間で熱交換を行う冷却装置3を用いたが、そのような冷却装置3以外の別の冷却手段により熱移送流体を冷却してもよく、例えば、航空機が地上にある時に外部電源や空気源で冷却システムを作動させることで、飛行前に熱移送流体を冷却して蓄冷物質に冷熱を蓄積してもよい。上記実施形態では機内冷却器44を設けて冷却装置31、32と共に熱移送流体によっても機体内循環空気を冷却することで、冷却装置31、32を小型化しているが、熱移送流体は電磁波の発信部位のみを冷却するようにしてもよい。また、本発明の蓄冷機能付き冷却システムによる冷却対象は、レーダ2における電磁波発信部位に限定されず、例えば妨害電波発信装置における妨害電波発信部位や、レーザ装置におけるレーザ発信部位等の他の指向性の電磁波発信部位や、レーダ信号の解析のための高速演算回路部位や、レーダ電力供給用の電源回路部位等の他の高出力回路部位を熱移送流体により冷却するようにしてもよい。
また、気体を熱移送流体とし、さらに熱移送流体を循環させることなく電磁波発信部の冷却後に機体外に排出してもよい。
上記実施形態では熱移送流体の冷却手段は機体内循環空気の冷却手段を兼用するが、専用の冷却手段により熱移送流体を冷却してもよく、この場合は冷却手段を電磁波発信中は停止させて電磁波を発信しない間に作動させてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、高出力回路部位を有する航空機において、エンジン抽気や消費電力の急激な増大なしに、その高出力回路部位を冷却することが実用的に可能になり、エンジン負荷の急激な増加を防ぎ、必要以上に大きな冷却システムが不要になり、さらに高々度の飛行中に効率良く蓄冷できるため、放熱のために消費するエネルギ量も減少させることができ、燃料消費の削減に効果がある蓄冷機能付き冷却システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の蓄冷機能付き冷却システムの構成説明図
【図2】本発明の実施形態の蓄冷機能付き冷却システムにおける要部の斜視図
【図3】本発明の実施形態の蓄冷機能付き冷却システムにおける蓄冷リザーバタンクの断面図
【図4】本発明の実施形態の蓄冷機能付き冷却システムにおける制御構成を示す図
【図5】本発明の実施形態の変形例の蓄冷機能付き冷却システムにおける蓄冷リザーバタンクの斜視図
【符号の説明】
2 レーダ
3 冷却装置
40 循環流路
40a 第1流路
40b 第2流路
41 メインポンプ
44 機内冷却器
451 リザーバポンプ
452 切替えバルブ
453 サブ分配バルブ
50 制御装置
51 温度センサ
72 容器
82 蓄冷物質

Claims (5)

  1. 航空機における高出力回路部位を、冷却手段により冷却される熱移送流体により冷却する冷却システムにおいて、
    その熱移送流体は循環流路において流動するものとされ、
    前記循環流路は、前記高出力回路部位から前記冷却手段に到る部分を、前記冷却手段から前記高出力回路部位に到る部分に接続する配管により構成される流路を有し、
    冷熱を蓄積可能な蓄冷物質が、その配管の両端間の熱移送流体の流路に熱移送流体と熱交換可能に配置され、
    その熱移送流体が蓄冷物質よりも低温である時は、その熱移送流体により蓄冷物質が冷却され、その熱移送流体が蓄冷物質よりも高温である時は、その蓄冷物質により熱移送流体が冷却されるように、前記配管における熱移送流体の流れ方向が、その熱移送流体が蓄冷物質よりも低温である時と高温である時とで逆とされることを特徴とする蓄冷機能付き冷却システム。
  2. 前記冷却手段は前記熱移送流体を前記蓄冷物質の融点未満に冷却可能である請求項1に記載の蓄冷機能付き冷却システム。
  3. その熱移送流体により航空機の機体内循環空気を冷却する冷却手段が設けられ、
    その循環流路の一部として、その高出力回路部位に熱移送流体を供給する第1流路と、航空機の機体内循環空気の冷却手段に熱移送流体を供給する第2流路とが設けられ、
    その第1流路の熱移送流体の流量の第2流路の熱移送流体の流量に対する比率を、その熱移送流体の温度変化に相関する変量に応じて変更する手段が設けられている請求項1または2に記載の蓄冷機能付き冷却システム。
  4. その蓄冷物質は多数の伸縮可能な容器に封入され、それら容器が前記熱移送流体の流路に配置されている請求項1〜3の中の何れかに記載の蓄冷機能付き冷却システム。
  5. その航空機の機体外から導入されるRAM空気と熱移送流体の冷却手段の冷媒との間で熱交換可能とされている請求項1〜4の中の何れかに記載の蓄冷機能付き冷却システム。
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