JP4715405B2 - 反応装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体燃料を改質する反応装置、特に燃料電池に供給する水素を生成する反応装置に関する。
近年、エネルギー変換効率の高いクリーンな電源として、燃料電池が自動車や携帯機器等に応用され始めている。燃料電池というのは、燃料と大気中の酸素とを電気化学的に反応させて、化学エネルギーから電気エネルギーを直接的に取り出すものである。
当該燃料電池に用いる出発燃料としては例えば水素が適用されるが、当該水素の単体は常温、常圧で気体であるが故にその取扱いに問題を有している。水素吸蔵合金によって水素を貯蔵する試みもあるが、単位体積当たりの水素の貯蔵量が少なく、特に携帯電子機器のような小型の電子機器の電源の燃料貯蔵手段としては不十分であった。これに対して、アルコール類といった水素原子を有する液体燃料を出発燃料として適用し、当該液体燃料を気化・改質して改質ガスを生成し、その改質ガス中の水素を燃料電池に送り込むシステムも開発されている。
当該システムでは、主に、改質反応に先立ち液体燃料を気化させる「気化器」や気化した液体燃料を改質反応に供する「改質器」、改質反応で生じた副産物(一酸化炭素)を除去する「一酸化炭素除去器」が必要となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−356310号公報
ところで、上記システムにおいては、改質する際において、反応効率を向上するために、改質する前に液体燃料を一旦気化している。しかし、液体燃料の気化工程、つまり液体から気体への相変化は、一般的に大きな吸熱を伴うものであるから、その吸熱量を補填し得る程度の十分な熱量を気化器に供給しなければ、液体燃料の気化工程を促進することはできない。液体燃料の気化工程を促進させることができない場合には、改質ガスへの転化率が低くなり燃料電池に送り込む水素量を増やすことができず、結果的に燃料電池の発電量や発電効率を低減させてしまう。
本発明の目的は液体燃料の気化工程を促進させることである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明の反応装置は、
液体燃料を気化させる気化器と、
燃焼源を燃焼させて発熱する燃焼器とを備え、
前記燃焼器が前記気化器を周回するように配され、
前記気化器は、前記液体燃料を吸液する吸液材を含む気化用導入路を有し、
前記燃焼器は、前記気化器により気化された液体燃料を改質するための高温反応部及び前記高温反応部の生成物から一酸化炭素を除去するための低温反応部を備える反応路のうちの前記低温反応部を加熱することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、燃焼器が気化器を周回するように配されているから、燃焼器の燃焼熱が気化器の周りから当該気化器に伝導する。そのため、液体燃料の気化工程に伴う吸熱量を補填し得る程度に効率的に気化器を加熱することができ、当該気化器における液体燃料の気化工程を促進させることができ、吸液材を設けることによって安定して液体燃料を気化器内に導入することができ、気化器の適正温度範囲が、高温反応部の適正温度範囲よりも低温反応部の適正温度範囲に近い場合、効率的に気化器及び低温反応部を加熱できる。
請求項1に記載の反応装置において、
前記燃焼源が水素ガスであってもよい。
燃焼源が水素ガスとすると、燃料電池で使用し切れなかった未反応の水素を燃焼器の燃焼源として再利用することができる。
請求項1に記載の反応装置において、
前記燃焼源がメタノールガスであってもよい。
燃焼源がメタノールガスとすると、液体燃料としてメタノールを適用した場合に、その液体燃料を改質用と燃焼用との2つの用途に併用することができる。
前記燃焼器が前記燃焼源の燃焼反応を促進する燃焼用触媒を有してもよい。
燃焼器が燃焼用触媒を有すると、燃焼源の燃焼反応を促進させることができ、燃焼器中の発熱効率を向上させることができる。
前記燃焼器が前記燃焼源を流通させる燃焼用流路を有し、
前記燃焼用触媒が前記燃焼用流路の底面と側面とに塗布されていてもよい。
燃焼用流路の底面と側面とに燃焼用触媒が塗布されていると、燃焼用流路を流通する燃焼源の燃焼反応を多大に誘発することができる。
前記燃焼器が、前記燃焼源を流通させる燃焼用流路が形成された燃焼器プレートを有し、複数の前記燃焼器プレートを積層した構造を有していてもよい。
燃焼器プレートが、特に燃焼用触媒を燃焼用流路の周囲に設けられている場合、燃焼器プレートは薄くするほど、すなわち、燃焼用流路を狭くするほど燃焼源が燃焼用触媒に拡散しやすくなり効率的に燃焼しやすくなる。このような薄い燃焼器プレートを複数積層することによって効果的に気化器を加熱することができる。
前記気化器は、液体燃料を導入するための気化用導入路及び前記反応路によって生成された水素ガスを排出するための水素ガス用排出路を備えてもよい。
この場合、水素ガス用排出路から排出される水素ガスからの廃熱が気化器を加熱するのでより効率的に燃料を気化しやすくなる。
前記気化器は、前記燃焼器に燃焼源を導入するための燃焼混合気導入路及び前記燃焼器で燃焼した際に生じる排ガスを排出するための排ガス排出路を備えてもよい。
この場合、排ガス排出路から排出される排ガスからの廃熱が気化器を加熱するのでより効率的に燃料を気化しやすくなる。
電力の供給を受けて発熱する電熱線をさらに備え、前記電熱線が前記気化器を周回するように配されてもよい。
本発明によれば、気化器の周りから当該気化器に熱を伝導させることができ、液体燃料の気化工程(吸熱工程)における気化熱を補填し得る程度に効率的に気化器を加熱することができる。そのため、気化器における液体燃料の気化工程を促進させることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、斜め上から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図であり、図2は、斜め下から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図であり、図3は、マイクロリアクタモジュール1の側面図である。
このマイクロリアクタモジュール1は、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、デジタルカメラ、携帯電話機、腕時計、レジスタ、プロジェクタ等といった電子機器に内蔵され、燃料電池に使用する水素ガスを生成する反応装置である。マイクロリアクタモジュール1は、反応物の供給や生成物の排出が行われる給排部2と、後述する低温反応部6での適正反応温度範囲に対して相対的に高温な改質反応が起こる高温反応部4と、高温反応部4での適正反応温度範囲に対して相対的に低温な選択酸化反応が起きる低温反応部6と、高温反応部4と低温反応部6との間で反応物や生成物の流入又は流出を行うための連結管8とを具備する。
図4は、マイクロリアクタモジュール1を機能ごとに分けた場合の概略側面図である。図4に示すように、給排部2には主に気化器502及び第一燃焼器504が設けられている。第一燃焼器504には、少なくとも一部が気化されている燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)と、この燃料を燃焼するための酸素を含む空気等の酸素源となる気体と、がそれぞれ別々に或いは混合気として供給され、これらの気体が第一燃焼器504内の触媒によって燃焼して熱を発する。気化器502には水と液体燃料(例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類、ガソリン等の化石燃料)がそれぞれ別々に或いは混合された状態で燃料容器から供給され、第一燃焼器504における燃焼熱が気化器502内に伝導することによって水と液体燃料が気化器502内において気化する。
高温反応部4には主に第一改質器506、第二燃焼器508及び第二改質器510が設けられている。第一改質器506及び第二改質器510は、ともに燃料を改質して水素を生成する改質器であり、互いに連通する構造になっている。第一改質器506が下側となり、第二改質器510が上側となり、第二燃焼器508が第一改質器506と第二改質器510の間に挟まれている。
第二燃焼器508には、少なくとも一部が気化されている燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)と、酸素を含む空気等の酸素源となる気体と、がそれぞれ別々に或いは混合気として供給され、これらの気体が第二燃焼器508内の触媒によって燃焼して熱を発する。なお、水素ガスが供給されて電気化学反応を発生した後に燃料電池から排出されたオフガス中に未反応の水素ガスが含まれている場合があり、第一燃焼器504及び第二燃焼器508の少なくともいずれか一方は、この未反応の水素ガスを、酸素を含んだ空気等の気体で燃焼して熱を発するようにしても良い。勿論、第一燃焼器504及び第二燃焼器508の少なくともいずれか一方は、燃料容器に貯留されている液体燃料(例えば、メタノール、エタノール、ブタン、ジメチルエーテル、ガソリン)を、別の気化器によって気化し、その気化した燃料を、酸素を含んだ空気等の気体で燃焼するようにしても良い。
第二燃焼器508が、燃料電池から排出されたオフガスを燃焼する場合、まず起動時に、第一改質器506及び第二改質器510が後述する電熱線172によって加熱されて水素を生成し、この水素が供給される燃料電池から水素を含むオフガスが定常的に排出されてきたら、第二燃焼器508はオフガス中の水素を燃焼して第一改質器506及び第二改質器510を加熱する。第二燃焼器508が主熱源になると、補助的な熱源に切り替わるように電熱線172に対する印加電圧が低くなる。加熱された第一改質器506及び第二改質器510では水と燃料から水素ガス等が触媒反応により生成され、更に微量ながら一酸化炭素ガスが生成される。燃料がメタノールの場合には、次式(1)、(2)のような化学反応が起こる。なお、水素が生成される反応は吸熱反応であり、第二燃焼器508の燃焼熱が用いられる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(2)
低温反応部6には主に一酸化炭素除去器512が設けられている。一酸化炭素除去器512は、第一燃焼器504によって加熱された状態で、第一改質器506及び第二改質器510から水素ガス、一酸化炭素ガス等を含む混合気が供給され、更に空気が供給される。一酸化炭素除去器512では混合気のうち一酸化炭素が選択的に酸化され、これにより一酸化炭素が除去される。一酸化炭素が除去された状態の混合気(水素リッチガス)が燃料電池の燃料極に供給される。
以下、給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8の具体的な構成について図3、図5〜図15を用いて説明する。ここで、図5はマイクロリアクタモジュール1の分解斜視図であり、図6は第一燃焼器504の斜視図であり、図7は第一燃焼器504の分解斜視図であり、図8は図3の切断線VIII−VIIIから後述する燃焼器プレート12の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図9は図3の切断線IX−IXから後述するベースプレート28及びベースプレート102の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図10は図3の切断線X−Xから後述する下部枠30及び下部枠104の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図11は図3の切断線XI−XIから後述する中部枠32及び中部枠106の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図12は図3の切断線XII−XIIから後述する上部枠34及び上部枠110の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図13は図3の切断線XIII−XIIIから後述する燃焼器プレート108の平面方向に沿って切断した矢視断面図であり、図14は図3の切断線XIV−XIVから連結管8の連通方向と直交する面方向に沿って切断した矢視断面図である。図15は、図9の切断線XV−XVから低温反応部6の厚さ方向に沿って切断した矢視断面図である。
図3、図5、図8に示すように、給排部2は、耐腐食性に優れたステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる外部流通管10と、外部流通管10の周りにおいて積層された三枚の燃焼器プレート12とを具備する。燃焼器プレート12は硬蝋付けによって外部流通管10と接合されている。蝋剤としては、外部流通管10や燃焼器プレート12を流れる流体の温度のうちの最高温度よりも高い融点でその融点が700度以上の蝋を適用するのがよく、具体的には、金に対し銀、銅、亜鉛、カドミウムを含有した金蝋や、金、銀、亜鉛、ニッケルを主成分とした蝋、或いは金、パラジウム、銀を主成分とした蝋が特に好ましい。
外部流通管10は、マイクロリアクタモジュール1内の各流体をそれぞれマイクロリアクタモジュール1の外部に流通する複数の流路を有する管である。外部流通管10には、気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素ガス用排出路24が互いに平行となるよう設けられている。気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素ガス用排出路24は、外部流通管10の隔壁29によって仕切られている。
なお、気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素ガス用排出路24が1つの外部流通管10に設けられているが、外部流通管10は、これらの流路14,16,18,20,22,24が別々の管材に設けられ、これら管材が束ねられたものであっても良い。外部流通管10の水素ガス用排出路24は後述する発電モジュール608の燃料極に連結されており、外部流通管10の気化用導入路14は後述する流量制御ユニット606を介して燃料容器604に連結されている。
気化用導入路14には、フェルト材、セラミック多孔質材、繊維材、カーボン多孔質材等の吸液材33が充填されている。吸液材33は液体を吸収するものであり、吸液材33としては無機繊維又は有機繊維を結合材で固めたものであったり、無機粉末を焼結したものであったり、無機粉末を結合材で固めたものであったり、グラファイトとグラッシーカーボンの混合体であったりする。
ここで、第一燃焼器504について詳細に説明する。
第一燃焼器504は、一酸化炭素除去器512及び気化器502を適宜加熱するものであって、図6に示すように、四角枠状の三枚の燃焼器プレート12を積層した構成を有しており、外部流通管10の外周を周回するように配されている。三枚の燃焼器プレート12は、外部流通管10と同様に、耐腐食性に優れたステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなり、外部流通管10が挿通された状態で当該外部流通管10と接合されている。
図7に示すように、燃焼器プレート12は、四角枠状を呈した枠部12aを有しており、その内部に四角状の貫通孔12bが形成されている。枠部12aの外側縁部には側壁12cが形成されており、側壁12cの中途部から貫通孔12bに向けて隔壁12dが形成されている。貫通孔12bは外部流通管10の外周に対応したサイズを有しており、外部流通管10を貫通孔12bに挿通することができるようになっている。
外部流通管10は貫通孔12bに挿通された状態で接合されている。この状態においては、図6に示すように、燃焼混合気導入路22と排ガス排出路20とを隔てる外部流通管10の隔壁10aと、燃焼器プレート12の隔壁12dとが対応している。第一燃焼器504では、三枚の燃焼器プレート12が互いに積層された状態で接合され、更に一番上の燃焼器プレート12が低温反応部6の下面に接合されることで、気密性の高い燃焼用流路26が形成されている。図6中矢印に示すように、各燃焼器プレート12における燃焼用流路26は共に同じ燃焼器混合気導入路22から同じ排ガス排出路20に通じている。
燃焼用流路26の底面と側面(側壁12cの内面と隔壁12dの両側面)とには、燃焼源としての気体燃料(例えば、水素ガス、メタノールガス等)を酸素によって燃焼させるための燃焼用触媒が塗布されている。当該燃焼用触媒としては白金等が挙げられる。
なお、外部流通管10内の吸液材33はその先端が燃焼器プレート12の位置に達するまで充填されている。また、第一燃焼器504による一酸化炭素除去器512の適正加熱温度範囲及び第一燃焼器504による気化器502の適正加熱温度範囲は後述するように異なっている。このような適正温度範囲の差は、第一燃焼器504における一酸化炭素除去器512との対向面積並びに気化器502との対向面積の差によって生じる。本実施形態では、第一燃焼器504を三枚の燃焼器プレート12で構成したが、このような適正温度範囲となるように設定するためであれば、一枚の燃焼器プレート12で構成してもよいし、二枚の燃焼器プレート12で構成してもよいし、四枚以上の燃焼器プレート12にしてもよく、第一燃焼器504を構成する燃焼器プレート12の枚数を適宜変更してもよい。
図3、図5に示すように、低温反応部6は、ベースプレート28、下部枠30、中部枠32、上部枠34及び蓋プレート36を下からこれらの順に積層したものであり、直方体状に呈している。ベースプレート28、下部枠30、中部枠32、上部枠34及び蓋プレート36は耐腐食性に優れたステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる。
ベースプレート28の幅方向中央部において、外部流通管10及び最上の燃焼器プレート12がベースプレート28の下面に接合されている。図9に示すように、ベースプレート28の上面に隔壁41が突出するように設けられることで、混合ガス流路38、混合流路40、一酸化炭素除去用流路42、葛折り状の一酸化炭素除去用流路44、コ字状の一酸化炭素除去用流路46、燃焼混合気流路48及び排ガス流路50に区分けされている。
混合ガス流路38の端部において貫通孔52が形成され、混合ガス流路38が貫通孔52を介して外部流通管10の気化用導入路14に通じている。一酸化炭素除去用流路46は貫通孔52を囲繞し、一酸化炭素除去用流路46の端部において貫通孔54が形成され、一酸化炭素除去用流路46が貫通孔54を介して水素ガス用排出路24に通じている。
燃焼混合気流路48の端部において貫通孔58が形成され、燃焼混合気流路48が貫通孔58を介して燃焼混合気導入路18に通じている。排ガス流路50の端部において貫通孔56が形成され、排ガス流路50が貫通孔56を介して排ガス排出路20に通じている。混合流路40の端部において貫通孔60が形成され、混合流路40が貫通孔60を介して空気用導入路16に通じている。ベースプレート28の下面には、貫通孔52、貫通孔54、貫通孔56、貫通孔58、貫通孔60を除いて底板53が設けられている。
図10に示すように、下部枠30の内側に隔壁43が設けられることで、下部枠30の内側が葛折り状の一酸化炭素除去用流路62、渦巻き状の一酸化炭素除去用流路64、吹抜け孔66、燃焼混合気流路68及び排ガス流路70に区分けされている。一酸化炭素除去用流路64、燃焼混合気流路68及び排ガス流路70においては底板72が設けられ、ベースプレート28に下部枠30が蝋付け等で接合されるとその底板72によって混合ガス流路38、混合流路40、一酸化炭素除去用流路46、燃焼混合気流路48及び排ガス流路50の上が蓋される。
一酸化炭素除去用流路64の一方の端部64aが一酸化炭素除去用流路62に通じ、一酸化炭素除去用流路64の中途部においてはベースプレート28の一酸化炭素除去用流路42に通じる吹抜け孔74が形成され、一酸化炭素除去用流路64の他方の端部64bにおいてはベースプレート28の排ガス流路50に通じる吹抜け孔76が形成されている。
一酸化炭素除去用流路62がベースプレート28の一酸化炭素除去用流路44と平面視して一致するように、隔壁43は隔壁41と重なり、一酸化炭素除去用流路62と一酸化炭素除去用流路44が吹き抜けた状態とされている。吹抜け孔66はベースプレート28の混合流路40の上に位置している。燃焼混合気流路68には吹抜け孔69が形成され、燃焼混合気流路68が吹抜け孔69を介してベースプレート28の燃焼混合気流路48に通じている。排ガス流路70には吹抜け孔71が形成され、排ガス流路70が吹抜け孔71を介してベースプレート28の排ガス流路50に通じている。
なお、平面視して、外部流通管10は一酸化炭素除去用流路64の一部に重なり、一酸化炭素除去用流路64が外部流通管10の周りを渦巻いた構造となっている。
図11に示すように、中部枠32の内側に隔壁45が設けられることで、中部枠32の内側が葛折り状の一酸化炭素除去用流路78、渦巻き状の一酸化炭素除去用流路80及び吹抜け孔82に区分けされている。一酸化炭素除去用流路80の一部においては底板83が設けられ、下部枠30に中部枠32が蝋付け等で接合されるとその底板83によって下部枠30の燃焼混合気流路68及び排ガス流路70の上方が蓋される。
一酸化炭素除去用流路78が下部枠30の一酸化炭素除去用流路62と平面視して一致するように、隔壁45は隔壁43と重なり、一酸化炭素除去用流路78と一酸化炭素除去用流路62が吹き抜けた状態とされている。一酸化炭素除去用流路80が下部枠30の一酸化炭素除去用流路64と平面視して一致するように、隔壁45は隔壁43と重なり、一酸化炭素除去用流路80と一酸化炭素除去用流路64が吹き抜けた状態とされている。吹抜け孔82が下部枠30の吹抜け孔66に重なり、吹抜け孔82と吹抜け孔66が連通した状態とされている。
図12に示すように、上部枠34の内側に隔壁47が設けられることで、上部枠34の内側に葛折り状の一酸化炭素除去用流路84が形成されている。また、上部枠34の内側全体に底板86が設けられ、中部枠32に上部枠34が蝋付け等で接合されるとその底板86によって中部枠32の一酸化炭素除去用流路78及び一酸化炭素除去用流路80の上方が蓋される。
一酸化炭素除去用流路84の一端部においては吹抜け孔88が形成され、一酸化炭素除去用流路84の他端部においては吹抜け孔90が形成されている。吹抜け孔88は中部枠32の吹抜け孔82に重なり、一酸化炭素除去用流路84が吹抜け孔88、吹抜け孔82及び吹抜け孔66を介して混合流路40に通じている。吹抜け孔90が中部枠32の一酸化炭素除去用流路78の端部の上に位置し、一酸化炭素除去用流路84が吹抜け孔90を通じて一酸化炭素除去用流路78に通じている。
図5に示すように、上部枠34の上に蓋プレート36が接合されることで、一酸化炭素除去用流路84の上方が蓋プレート36によって蓋されている。ここで、一酸化炭素除去用流路42,44,46,46,62,64,78,80,84の壁面全体には、一酸化炭素を選択的に酸化させる一酸化炭素選択酸化用触媒が担持されている。ここで壁面となる、ベースプレート28、下部枠30、中部枠32、流路上部枠34の所定箇所には、互いに接合される前に予め一酸化炭素選択酸化用触媒が担持されている。一酸化炭素選択酸化用触媒としては白金等が挙げられる。
図3、図5に示すように、高温反応部4は、ベースプレート102、下部枠104、中部枠106、燃焼器プレート108、上部枠110及び蓋プレート112を下からこれらの順に積層したものであり、直方体状に呈している。ベースプレート102、下部枠104、中部枠106、燃焼器プレート108、上部枠110及び蓋プレート112は耐腐食性に優れたステンレス鋼(SUS304)等の金属材料からなる。
図9に示すように、ベースプレート102には、底板113が設けられており、底板113の上面に隔壁103が突出するように設けられることで、供給流路114、葛折り状の改質用流路116及び排出流路115に区分けされている。供給流路114は改質用流路116に連なっているが、排出流路115は供給流路114及び改質用流路116から独立している。
図10に示すように、下部枠104の内側に隔壁105が設けられることで、下部枠104の内側が葛折り状の改質用流路118、燃焼混合気流路120、排ガス流路122及び吹抜け孔124に区分けされている。燃焼混合気流路120及び排ガス流路122においては底板126が設けられ、ベースプレート102に下部枠104が接合されることで、底板126によりベースプレート102の供給流路114及び排出流路115が蓋される。改質用流路118がベースプレート102の改質用流路116と平面視して一致するように隔壁105が隔壁103と重なり、改質用流路118と改質用流路116が吹き抜けた状態とされている。
図11に示すように、中部枠106の内側に隔壁107が設けられることで、中部枠106の内側が葛折り状の改質用流路128、吹抜け孔130、吹抜け孔132及び吹抜け孔134に区分けされている。また、中部枠106には底板136が設けられ、中部枠106が下部枠104に接合されることで、底板136によって下部枠104の燃焼混合気流路120及び排ガス流路122の上方が蓋される。
改質用流路128が下部枠104の改質用流路118と平面視して一致するように隔壁107が隔壁105と重なり、改質用流路128と改質用流路118が吹き抜けた状態とされている。吹抜け孔130は下部枠104の吹抜け孔124に重なり、吹抜け孔130と吹抜け孔124が吹き抜けた状態とされている。吹抜け孔132は燃焼混合気流路120の端部の上に位置し、吹抜け孔134が排ガス流路122の端部の上に位置している。
図3、図5に示すように、燃焼器プレート108が中部枠106の上に接合されることで、中部枠106の改質用流路128が燃焼器プレート108によって蓋される。図13に示すように、燃焼器プレート108には、底板141が設けられ、底板141の上面に隔壁109が突出するように設けられることで、燃焼室138、燃焼室140、吹抜け孔142及び吹抜け孔144に区分けされている。
燃焼室138の端部において吹抜け孔146が形成され、その吹抜け孔146が中部枠106の吹抜け孔132の上に位置し、燃焼室138が吹抜け孔146及び吹抜け孔132を介して下部枠104の燃焼混合気流路120に通じている。燃焼室138は燃焼室140に通じている。
燃焼室140の端部において吹抜け孔148が形成され、その吹抜け孔148が中部枠106の吹抜け孔134の上に位置し、燃焼室140が吹抜け孔148及び吹抜け孔134を介して排ガス流路122に通じている。
吹抜け孔142は中部枠106の改質用流路128の端部の上に位置し、吹抜け孔142が改質用流路128に通じている。吹抜け孔144は中部枠106の吹抜け孔130の上に位置し、吹抜け孔144が吹抜け孔130に通じている。燃焼室138及び燃焼室140の壁面には、燃焼混合気を燃焼させる燃焼用触媒が担持されている。ここで壁面となる、燃焼器プレート108、及び上部枠110の所定箇所には、互いに接合される前に予め燃焼用触媒が担持されている。燃焼用触媒としては、白金等が挙げられる。
図12に示すように、上部枠110の内側に隔壁111が設けられることで、上部枠110の内側に葛折り状の改質用流路150が形成されている。また、上部枠110に底板152が設けられ、上部枠110が燃焼器プレート108の上に蝋付け等で接合されることで、燃焼器プレート108の燃焼室138及び燃焼室140の上方が蓋される。
改質用流路150の一端部においては吹抜け孔154が形成され、改質用流路150の他端部においては吹抜け孔156が形成されている。吹抜け孔154は燃焼器プレート108の吹抜け孔142の上に位置し、改質用流路150が吹抜け孔154及び吹抜け孔142を介して中部枠106の改質用流路128に通じている。吹抜け孔156は燃焼器プレート108の吹抜け孔144の上に位置し、改質用流路150が吹抜け孔156、吹抜け孔144、吹抜け孔130及び吹抜け孔124を介して排出流路115に通じている。
図5に示すように、上部枠110の上に蓋プレート112が蝋付け等で接合されることで、改質用流路150の上方が蓋プレート112によって蓋されている。ここで、供給流路114、排出流路115、改質用流路116,118,128,152の壁面には、燃料を改質して水素を生成する改質用触媒が担持されている。ここで壁面となる、ベースプレート102、下部枠104、中部枠106、燃焼器プレート108、上部枠110及び蓋プレート112の所定箇所には、互いに接合される前に予め燃焼用触媒が担持されている。メタノールの改質に用いられる改質用触媒としては、Cu/ZnO系触媒、Pt/ZnO系触媒等が挙げられる。
図3、図4に示すように、連結管8の外形は角柱状とされ、連結管8の幅が高温反応部4の幅及び低温反応部6の幅よりも狭く、連結管8の高さも高温反応部4及び低温反応部6のいずれの高さよりも低い。連結管8は高温反応部4と低温反応部6との間に架設されており、連結管8は高温反応部4の幅方向中央部において高温反応部4に蝋付け等で接合しているとともに低温反応部6の幅方向中央部において低温反応部6に蝋付け等で接合している。また、連結管8の下面が高温反応部4の下面つまりベースプレート102の下面に対して面一になっているとともに、更に低温反応部6の下面つまりベースプレート28の下面に対して面一になっている。
図9、図10、図14に示すように、連結管8には、連結流路162、連結流路164、連結流路166及び連結流路168が互いに平行となるよう設けられている。連結流路162、連結流路164、連結流路166及び連結流路168は連結管8の隔壁163によって仕切られている。連結流路162の一端が混合ガス流路38に通じ、連結流路162の他端が供給流路114に通じている。連結流路164の一端が排出流路115に通じ、他端が混合流路40に通じている。連結流路166の一端が燃焼混合気流路68に通じ、他端が燃焼混合気流路120に通じている。連結流路168の一端が排ガス流路122に通じ、他端が排ガス流路70に通じている。
なお、連結流路162,164,166,168が1つの連結管8に設けられているが、これらの流路162,164,166,168が別々の管材に設けられ、これら管材が束ねられていても良い。連結管8は、気密性の観点から接合しているベースプレート28、下部枠30、ベースプレート102、下部枠104と同じ材質であることが好ましい。
上述したように、給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8では隔壁(底板、天板、側板、外板を含む。)によって流路が仕切られており、どの部分においても隔壁の厚みは0.1mm以上0.2mm以下とされ、好ましくは0.1mmとされている。
つまり、高温反応部4では、ベースプレート102の隔壁103、下部枠104の隔壁105及び中部枠106の隔壁107が面方向で互いに重なり合うことによって蛇行した側壁が形成され、この側壁に加えてベースプレート102の底板113の上面及び燃焼器プレート108の底板141の下面によって改質用流路116、供給流路114、排出流路115が仕切られている。そして、燃焼器プレート108の底板141の上面、隔壁109及び上部枠110の底板152の下面によって、燃焼室138,140が仕切られている。さらに、上部枠110の底板152の上面、隔壁111、蓋プレート112の下面によって改質用流路150が仕切られている。
低温反応部6では、ベースプレート28の隔壁41、下部枠30の隔壁43、及び中部枠32の隔壁45は、面方向で互いに重なり合うことによって蛇行した側壁が形成され、この側壁に加えてベースプレート28の底板53の上面及び上部枠34の底板86によって各流路が仕切られている。そして、さらに、上部枠34の底板86の上面、隔壁47、蓋プレート36の下面によって一酸化炭素除去用流路84が仕切られている。
給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8の内側に設けられた流路の経路は図16、図17に示すようになる。ここで図16、図17と図4の対応関係について説明すると、気化用導入路14が気化器502の流路に相当し、改質用流路116,118,128が第一改質器506の流路に相当し、改質用流路150が第二改質器510の流路に相当し、一酸化炭素除去用流路84の始端から一酸化炭素除去用流路46の終端までが一酸化炭素除去器512の流路に相当し、燃焼用流路26が第一燃焼器504の流路に相当し、燃焼室138,140が第二燃焼器508の燃焼室に相当する。
図2、図5に示すように、低温反応部6の下面つまりベースプレート28の下面、高温反応部4の下面つまりベースプレート102の下面、及び連結管8の下面には窒化シリコン、酸化シリコン等の図示しない絶縁膜が全面に形成され、低温反応部6側の絶縁膜の下面には電熱線170が、平面視して一酸化炭素除去器512の流路の少なくとも一部と重なるように蛇行した状態にパターニングされ、低温反応部6から連結管8を通って高温反応部4にかけた絶縁膜の下面には、電熱線172が平面視して第一改質器506及び第二改質器510の流路の少なくとも一部と重なるように蛇行した状態にパターニングされている。外部流通管10の側面、燃焼器プレート12の表面にも、窒化シリコン、酸化シリコン等の図示しない絶縁膜が形成されており、低温反応部6の下面から燃焼器プレート12の表面を通って外部流通管10の側面にかけて電熱線174がパターニングされている。
電熱線170,172,174は、絶縁膜側から密着層、拡散防止層、発熱層の順に積層したものである。発熱層は3層の中で最も低い抵抗率の材料(例えば、Au)であり、電熱線170,172,174に電圧が印加されると電流が集中的に流れて発熱する。拡散防止層は、電熱線170,172,174が発熱しても発熱層の材料が拡散防止層に熱拡散されにくく、且つ拡散防止層の材料が発熱層に熱拡散しにくい材料であり、比較的融点が高く且つ反応性が低い物質(例えば、W)を用いることが好ましい。密着層は、拡散防止層が絶縁膜に対して密着性が低く、剥離しやすい場合に用いられる層であり、拡散防止層に対しても絶縁膜に対しても密着性に優れた材料(例えば、Ta、Mo、Ti、Cr)からなる。
電熱線170は、起動時に低温反応部6を加熱し、電熱線172は、起動時に高温反応部4及び連結管8を加熱し、電熱線174は、給排部2の気化器502及び第一燃焼器504を加熱する。この後、燃料電池からの水素を含むオフガスで第二燃焼器508が燃焼されたら、電熱線172は第二燃焼器508の補助として高温反応部4及び連結管8を加熱する。同様に、燃料電池からの水素を含むオフガスで第一燃焼器504が燃焼される場合、電熱線170は第一燃焼器504の補助として低温反応部6を加熱する。
また、電熱線170,172,174は温度に依存して電気抵抗が変化するので、所定の印加電圧に対する抵抗値から温度の値を読み取ることができる温度センサとしても機能する。具体的には、電熱線170,172,174の温度は電気抵抗に比例する。
電熱線170,172,174の何れの端部もベースプレート28の下面に位置し、これら端部が燃焼器プレート12を囲むように配列されている。電熱線170の両端部にはそれぞれリード線176,178が接続され、電熱線172の両端部にはそれぞれリード線180,182が接続され、電熱線174の両端部にはそれぞれリード線184,186が接続されている。なお、図3においては、図面を見やすくするために、電熱線170,172,174及びリード線176,178,180,182,184,186の図示を省略する。
図18、図19に示すように、本発明に係る反応装置1000は、上記マイクロリアクタモジュール1の他に断熱パッケージ200を具備し、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が断熱パッケージ200に収容されている。断熱パッケージ200は、下面が開口した長方形状の箱体202と、箱体202の下面開口を閉塞したベースプレート204とから構成され、ベースプレート204が箱体202にガラス材又は絶縁封止材で接合されている。
箱体202及びベースプレート204のどちらもガラス、セラミック等の断熱材からなり、内側となる面にはアルミニウム、金等の金属反射膜が成膜されている。このような金属反射膜が成膜されていると、給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8からの輻射熱を反射して断熱パッケージ200の外に伝搬することを抑制する。断熱パッケージ200は内圧が1Torr以下になるように、マイクロリアクタモジュール1との間の内部空間が真空排気されている。
給排部2の外部流通管10は、一部が断熱パッケージ200から露出されており、後述する発電モジュール608の燃料極に連結され、さらに流量制御ユニット606を介して燃料容器604に連結されている。リード線176,178,180,182,184,186は、一部が断熱パッケージ200から露出されている。外部流通管10並びにリード線176,178,180,182,184,186においてそれぞれ断熱パッケージ200から露出している部分から断熱パッケージ200内に外気が侵入して内圧が上がるような隙間が生じないように、外部流通管10並びにリード線176,178,180,182,184,186は断熱パッケージ200のベースプレート204にガラス材又は絶縁封止材で接合されている。断熱パッケージ200の内部空間の内圧を低く維持できるので、マイクロリアクタモジュール1が発する熱を伝搬する媒体が希薄になり、また内部空間での熱対流も抑えられるのでマイクロリアクタモジュール1の保温効果が増える。
そして、断熱パッケージ200で封止された空間において、マイクロリアクタモジュール1の高温反応部4及び低温反応部6の間には所定の距離の連結管8が介在しているが、連絡管8の容積は高温反応部4及び低温反応部6の容積に対して極めて小さいので、連絡管8による高温反応部4から低温反応部6への熱の伝搬は抑えられ、高温反応部4と低温反応部6との間では、反応に必要な熱勾配を維持できるとともに高温反応部4内の温度を均等にしやすく、低温反応部6内の温度を均等にしやすくすることができる。
図3、図5に示すように、低温反応部6の表面には、経時的にマイクロリアクタモジュール1から漏洩し得る流体、経時的にマイクロリアクタモジュール1から発生する流体、また箱体202とベースプレート204との接合時に十分な真空排気ができずに残存する外気の一部、経時的に断熱パッケージ200内に侵入する外気といった断熱パッケージ200の内部空間の圧力を上げる要因を吸着することで断熱パッケージ200の内部空間から除去するゲッター材188が設けられ、ゲッター材188には電熱材等のヒータが設けられ、このヒータには配線190が接続されている。
配線190の両端部は燃焼器プレート12の周囲においてベースプレート28の下面に位置し、配線190の両端部にはそれぞれリード線192,194が接続されている。ゲッター材188は加熱されることで活性化して吸着作用をもつものであり、ゲッター材188の材料としてはジルコニウム、バリウム又はチタニウムを主成分とした合金が挙げられる。なお、図3においては、図面を見やすくするために、リード線192,194の図示を省略する。
リード線192,194は、一部が断熱パッケージ200から露出されており、露出している部分から断熱パッケージ200内に外気が侵入して内圧が上がるような隙間が生じないように、リード線192,194は断熱パッケージ200のベースプレート204にガラス材又は絶縁封止材で接合されている。リード線176,178,180,182,184,186,192,194を有する配線群197は、各リード線同士の間隔が均等となるよう離間していることが望ましく、外部流通管10の周囲に配置されることが望ましい。
このようにベースプレート204を複数の通し孔195、196が貫通し、外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194がそれぞれの通し孔に挿通された状態でこれら貫通孔がガラス材又は絶縁封止材で封止されている。断熱パッケージ200の内部空間は密閉されており、その内部空間が真空圧とされているので、断熱効果が高いものとされている。そのため、熱損失を抑えることができる。
外部流通管10は断熱パッケージ200の内側にも外側にも突出した状態とされている。そのため、断熱パッケージ200の内側においては外部流通管10が支柱としてベースプレート204に対して立った状態とされ、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が外部流通管10に支持されて、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が断熱パッケージ200の内面から離れている。
また、外部流通管10は、平面視して高温反応部4、低温反応部6及び連結管8全体の重心において低温反応部6の下面に連結していることが望ましい。
なお、仮に外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194が高温反応部4に設けられている場合、高温反応部4は動作時に高温に保持する必要があるため、外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194まで高温になってしまい、外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194から断熱パッケージ200に伝熱して逃げる熱量が大きくなってしまうが、外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194は低温反応部6に設けられているので、外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194から断熱パッケージ200に伝熱して逃げる熱量が小さく、外部流通管10及びリード線176,178,180,182,184,186,192,194において断熱パッケージ200の外部に露出している部分から放熱される熱量も小さくて済み、速やかに高温反応部4、低温反応部6を加熱でき、且つ加熱温度を安定して保持することが容易となる。
なお、ゲッター材188は低温反応部6の表面に設けられているが、ゲッター材188の設ける位置は断熱パッケージ200の内側であれば特に限定されない。
次に、マイクロリアクタモジュール1を含む反応装置1000の動作について説明する。
まず、リード線192,194の間に電圧が印加されると、ゲッター材188がヒータによって加熱され、ゲッター材188が活性化される。これにより、断熱パッケージ200内の圧力を上げる要因がゲッター材188に吸着され、断熱パッケージ200内の真空度が高まり、断熱効率が高まる。
また、リード線176,178の間に電圧が印加されると、電熱線170が発熱し、低温反応部6が加熱される。リード線180,182の間に電圧が印加されると、電熱線172が発熱し、高温反応部4が加熱される。リード線184,186の間に電圧が印加されると、電熱線174が発熱し、給排部2主に外部流通管10の上部が加熱される。給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8が金属材料からなるため、これらの間で熱伝導しやすい。
なお、温度に抵抗値が依存される抵抗体としての電熱線170,172,174のそれぞれの電圧降下による電位或いは電流が制御装置によって測定されることで、給排部2、高温反応部4及び低温反応部6の温度が測定され、測定温度が制御装置にフィードバックされ、測定温度が所望の温度範囲内になるように制御装置によって電熱線170,172,174の出力電圧が制御され、これにより給排部2、高温反応部4及び低温反応部6の温度制御がなされる。
電熱線170,172,174によって給排部2、高温反応部4及び低温反応部6が加熱された状態において、気化用導入路14に液体燃料と水の混合液がポンプ等によって連続的又は断続的に供給されると、混合液が吸液材33に吸収され、毛細管現象により混合液が気化用導入路14の上に向かって浸透する。吸液材33が燃焼器プレート12の高さまで充填されているから、燃焼器プレート12での発熱のために吸液材33内の混合液が気化し、燃料と水の混合気が吸液材33から蒸散する。吸液材33は、多孔質であるために内部の多数の微細な空間に仕切された室でそれぞれ混合液を気化するから、比較的大きな空間で発生するような突沸を抑えることができ、安定して気化することができる。
そして、吸液材33から蒸散した混合気は貫通孔52、混合ガス流路38、連結流路162、供給流路114を通って第一改質器506(改質用流路116,118,128)に流れ込む。その後、混合気は第二改質器510(改質用流路150)に流れ込む。混合気が改質用流路116,118,128,150を流れている際には、混合気が加熱されて触媒反応することによって、水素ガス等が生成される(燃料がメタノールの場合には、上記化学反応式(1)、(2)を参照)。
第一改質器506及び第二改質器510で生成された混合気(水素ガス、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス等を含む。)が吹抜け孔156,144,130,124、排出流路115及び連結流路164を通って混合流路40へと流れ込む。一方、空気がマイクロリアクタモジュール1の外部に設けられたポンプ等によって空気用導入路16から貫通孔60に供給され、混合流路40へ流れ込み、水素ガス等の混合気と空気が混合される。
そして、空気、水素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等を含む混合気が混合流路40から吹抜け孔66,82,88を通って一酸化炭素除去器512(一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46まで)へ流れ込む。混合気が一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46へ流れている時に、混合気中の一酸化炭素ガスが選択的に酸化され、一酸化炭素ガスが除去される。
ここで、一酸化炭素ガスは一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46までの間で均一的に反応するのではなく、一酸化炭素除去用流路84から一酸化炭素除去用流路46までの経路のうち下流(主に、一酸化炭素除去用流路80から一酸化炭素除去用流路46にかけて)において一酸化炭素ガスの反応速度が高くなる。一酸化炭素ガスの酸化反応は発熱反応であるので、主に一酸化炭素除去用流路80から一酸化炭素除去用流路46までの部分で熱が発生する。この部分の下に外部流通管10が位置するので、一酸化炭素ガスの酸化反応による熱が第一燃焼器504の熱とあいまって気化器502での水と燃料の気化熱に効率よく用いられる。
そして、一酸化炭素が除去された状態の混合気が貫通孔54及び水素ガス用排出路24を通って燃料電池の燃料極等に供給される。燃料電池では水素ガス用排出路24からの水素ガスの電気化学反応により電気が生成されるが、未反応の水素ガス等を含むオフガスが燃料電池から排出される。
以上の動作は初期段階の動作であり、発電中は混合液が気化用導入路14に供給され続ける。そして、燃料電池から排出されたオフガスに空気が混合され、その混合気(以下、燃焼混合気という。)が燃焼混合気導入路22及び燃焼混合気導入路18に供給される。燃焼混合気導入路22に供給された燃焼混合気は第一燃焼器504の燃焼用流路26に流れ込み、燃焼混合気が燃焼する。これにより低温反応部6の下側において外部流通管10を周回している第一燃焼器504が外部流通管10を加熱するとともに低温反応部6を低温に加熱する。そのため、電熱線170,174の消費電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
燃焼混合気導入路22に供給された燃焼混合気は、図6に示すように、外部流通管10の外周を周回するように三枚の燃焼器プレート12の各燃焼用流路26に分岐されて排ガス排出路20に達する。このとき、当該燃焼混合気中の燃焼成分は、燃焼器プレート12に塗布された燃焼用触媒の触媒効果を受けて燃焼混合気中の酸素により燃焼し発熱する。そして、その燃焼熱は、図20における矢印に示すように、燃焼器プレート12から、直接、一酸化炭素除去器512に伝搬したり、また直接、外部流通管10に伝導し、外部流通管10を加熱して液体燃料と水の混合気を吸液材33から蒸散させてから一酸化炭素除去器512に伝搬したりする。
このとき、第一燃焼器504(燃焼器プレート12)における一酸化炭素除去器512(ベースプレート28)との対向面積は、気化器502(外部流通管10)との対向面積よりも大きいので一酸化炭素除去器512を、気化器502よりも高温に加熱できるように温度勾配を持たせることが可能となる。第一燃焼器504が動作している間は、電熱線170,174の消費電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。
一方、燃焼混合気導入路18に供給された燃焼混合気は第二燃焼器508の燃焼室138,140へ流れ込み、燃焼混合気が燃焼する。これにより燃焼熱が発生し、第二燃焼器508の下の第一改質器506及び第二燃焼器508の上の第二改質器510を高温に加熱する。第二燃焼器508は上下に第一改質器506及び第二改質器510に挟まれているので、面方向に効率的に熱伝搬できるとともに断熱パッケージ200で封止されている空間に露出している部分が少ないので熱損失が少なく、電熱線172の消費電力を小さくすることができ、エネルギーの利用効率が高まる。また燃焼性のある水素を、マイクロリアクタモジュール1や燃料電池を備えた発電ユニットの外に、高濃度に排出しないので安全性を向上することができる。
なお、燃料容器に貯留されている液体燃料(例えば、メタノール)が気化されて、その気化された液体燃料を燃焼源として酸素(空気)と混合した燃焼混合気が燃焼混合気導入路18,22に供給されるようにしても良い。
混合液が気化用導入路14に供給された状態であって、燃焼混合気が燃焼混合気導入路18,22に供給された状態において、制御装置が電熱線170,172,174の抵抗によって温度を測定しながら、電熱線170,172,174の印加電圧を制御するとともに、ポンプ等を制御する。制御装置によってポンプが制御されると、燃焼混合気導入路18,22に供給される燃焼混合気の流量が制御され、これにより燃焼器504,508の燃焼熱量が制御される。このように制御装置が電熱線170,172,174及びポンプを制御することによって、それぞれ高温反応部4及び低温反応部6及び給排部2の温度制御がなされる。
ここで、高温反応部4が250℃〜400℃、好ましくは300℃〜380℃、低温反応部6が高温反応部4より低い温度、具体的には120℃〜200℃、さらに好ましくは140℃〜180℃となるよう、温度制御を行う。より詳細には、図15に示すように、低温反応部6の底板53近傍に位置する線L1が150℃、吸液材33の上端に位置する線L2が120℃、ベースプレート204の外表面の位置の線L3が80℃、吸液材33の下部に位置する線L4が65℃となるような温度分布となることが好ましい。
つまり、断熱パッケージ200内を高温に保持するとともに、断熱パッケージ200外に放熱する熱量を抑制するために断熱パッケージ200から露出している外部流通管10及び配線群197を高温反応部4側ではなく低温反応部6側に設けている。さらに第一燃焼器504の燃焼熱が外部流通管10に伝搬して、気化用導入路14内の吸液材33を下から上に向かうに従って徐々に温度を高くして効率的に燃料を気化できるように、第一燃焼器504が吸液材33の上部の周囲のみに配置されている。
また、気化用導入路14内の吸液材33に吸い込まれた燃料や空気用導入路16から導入される空気は、それぞれ高温反応部4や低温反応部6に到達する前に、第一燃焼器504の燃焼熱のみばかりでなく、予め排ガス排出路20及び水素ガス用排出路24から排出されるガスの熱によって加熱されている。同様に、燃焼混合気導入路18や燃焼混合気導入路22からそれぞれ導入される混合気は、第二燃焼器508や第一燃焼器504に到達する前に、予め排ガス排出路20及び水素ガス用排出路24から排出されるガスの熱によって加熱されている。
したがって、気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18及び燃焼混合気導入路22の流体を、排ガス排出路20及び水素ガス用排出路24の流体の熱で加熱しながら、排ガス排出路20及び水素ガス用排出路24の流体を、気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18及び燃焼混合気導入路22の流体で冷却するので、効率的な熱交換が行うことができる。このため、排ガス排出路20及び水素ガス用排出路24の流体を冷却する冷却手段を別途用いなくてよい或いは冷却手段を小型化することができる。
図21に示すように、以上のような反応装置1000は、発電ユニット601に組み付けて用いることができる。この発電ユニット601は、フレーム602と、フレーム602に対して着脱可能な燃料容器604と、流路、ポンプ、流量センサ及びバルブ等を有する流量制御ユニット606と、断熱パッケージ200に収容された状態のマイクロリアクタモジュール1(反応装置1000)と、燃料電池、燃料電池を加湿する加湿器及び燃料電池で生成された副生成物を回収する回収器等を有する発電モジュール608と、マイクロリアクタモジュール1及び発電モジュール608に空気(酸素)を供給するエアポンプ610と、二次電池、DC−DCコンバータ及び発電ユニット601が発電ユニット601の出力で駆動する外部の機器と電気的に接続するための外部インターフェース等を有する電源ユニット612とを具備する。流量制御ユニット606によって燃料容器604内の水と液体燃料の混合気がマイクロリアクタモジュール1に供給されることで、上述のように水素リッチガスが生成され、水素リッチガスが燃料電池である発電モジュール608の燃料極に供給され、生成された電気が電源ユニット612の二次電池に蓄電される。
図22は、発電ユニット601を電源として用いた電子機器701の斜視図である。図22に示すように、この電子機器701は、携帯型の電子機器であって、特にノート型パーソナルコンピュータである。電子機器701は、CPU、RAM、ROM、その他の電子部品から構成された演算処理回路を内蔵するとともにキーボード702を備え付けた下筐体704と、液晶ディスプレイ706を備え付けた上筐体708と、を備える。下筐体704と上筐体708はヒンジ部712で結合されており、上筐体708を下筐体704に重ねてキーボード702に液晶ディスプレイ706を相対させた状態で折り畳むことができるように構成されている。下筐体704の右側面から底面にかけて、発電ユニット601を装着するための装着部710が凹設され、装着部710に発電ユニット601を装着すると、発電ユニット601の電気によって電子機器701が動作する。
以上のように本実施の形態によれば、外部流通管10に充填された吸液材33内の混合液が蒸散する場合にその混合液の気化工程に際して気化熱を要する。第一燃焼器504が外部流通管10の外周を周回するように配され、かつ、当該第一燃焼器504が燃焼用流路26で燃焼混合気を燃焼させて発熱するから、その燃焼熱が外部流通管10を介して吸液材33の先端近傍に伝搬され、吸液材33で吸着された液体燃料や水を気化する。吸液材33における気化した部分つまり先端部分では、下方の液体燃料や水が吸い上げられ継続的に気化することが可能となる。このとき、吸い上げられた液体燃料や水は図15に示すように、徐々に加熱されて気化するようにしているので、吸液材33内での突沸が起きることがなく、定量的に気化することが可能となる。
また、燃焼器プレート12は外部流通管10の上端部において外部流通管10の周囲に設けられているので、更に気化用導入路14内の吸液材33が燃焼器プレート12の高さの位置まで充填されているから、第一燃焼器504における燃焼熱を混合液の気化に効率よく用いることができる。
更に、本実施の形態によれば、断熱パッケージ200の内部空間が断熱空間となっており、高温反応部4が低温反応部6から離れ、高温反応部4から低温反応部6までの間隔が連結管8の長さ分となっている。従って、高温反応部4から低温反応部6への伝熱の経路が連結管8に限られ、高温を要しない低温反応部6への伝熱が限定される。特に、連結管8の高さ及び幅は高温反応部4と低温反応部6の高さ及び幅よりも小さいから、連結管8を通じた熱伝導も極力抑えられている。そのため、高温反応部4の熱損失を抑えることができるとともに、低温反応部6が設定温度以上に昇温することも抑えることができる。即ち、1つの断熱パッケージ200内に高温反応部4と低温反応部6を収容した場合でも、高温反応部4と低温反応部6の間で温度差を発生することができる。
また、連結流路162,164,166,168を1本の連結管8にまとめた状態とされているので、連結管8等に発生する応力を小さくすることができる。つまり、高温反応部4と低温反応部6との間には温度差があるから、低温反応部6よりも高温反応部4のほうがより膨張するが、高温反応部4が連結管8との連結部以外は自由端となっているので、連結管8等に発生する応力を抑えることができる。特に、連結管8は高さや幅が高温反応部4や低温反応部6よりも小さく、更に連結管8は高温反応部4及び低温反応部6の幅方向中央部において高温反応部4及び低温反応部6に連結しているから、連結管8、高温反応部4及び低温反応部6の応力発生を抑えることができる。
低温反応部6と断熱パッケージ200との間においても一本の外部流通管10が連結されているから、外部流通管10等に発生する応力を小さくすることができる。
なお、仮に流路162,164,166,168を別々の連結管材に設け、これら連結管材を離した状態で高温反応部4と低温反応部6との間に架設すると、低温反応部6と高温反応部4の変位差によってこれら連結管材、低温反応部6、高温反応部4に応力が発生してしまう。また、高温反応部4の高温時と低温時との温度差が、低温反応部6の高温時と低温時との温度差よりも大きいために、高温反応部4側に外部流通管材を配置すると、管材の熱膨張、収縮が、低温反応部6側に外部流通管材を配置したときの管材の熱膨張、収縮よりも大きくなるので、断熱パッケージ200内の気密性が損なわれやすくなる。本実施形態では、そのような応力の発生を抑え、気密性を保持することができる。
外部流通管10、リード線176,178,180,182,184,186,192,194は断熱パッケージ200の外側に延出しているが、これらは全て低温反応部6に連結されている。そのため、高温反応部4から断熱パッケージ200外への直接の放熱を抑えることができ、高温反応部4の熱損失を抑えることができる。従って、1つの断熱パッケージ200内に高温反応部4と低温反応部6を収容した場合でも、高温反応部4と低温反応部6の間で温度差を発生することができる。特に、気化用導入路14、空気用導入路16、燃焼混合気導入路18、排ガス排出路20、燃焼混合気導入路22及び水素ガス用排出路24が1本の外部流通管10にまとめて設けられているから、管の露出している表面の面積が抑えられ、管の表面から断熱パッケージ200外へ放熱を抑えることができ、熱損失を抑えることができる。
連結管8の下面、高温反応部4の下面及び低温反応部6の下面が面一となって段差がないため、電熱線172を比較的簡単にパターニングすることができ、電熱線172の断線を抑えることができる。
また、外部流通管10の気化用導入路14に吸液材33を充填させて、気化用導入路14を気化器502としたので、マイクロリアクタモジュール1の小型化・簡略化を図りつつ、混合液の気化に必要な温度状態(気化用導入路14の上部が120℃となる状態)とすることができる。
また、第一改質器506と第二改質器510との間に第二燃焼器508を挟んだ構造としているため、第二燃焼器508の燃焼熱が第一改質器506と第二改質器510に均等に伝導し、第一改質器506と第二改質器510との間に温度差が生じない。
給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8のどの部分においても、流路を仕切る隔壁が薄くされているので、これらの熱容量を小さくすることができ、動作の初期段階において給排部2、高温反応部4、低温反応部6及び連結管8を室温から高温にすぐに温めることができる。更に、電熱線170,172,174の消費電力も下げることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計変更をおこなってもよい。
例えば、一の改良・設計変更事項として、上記第一燃焼器504と電熱線174とに代えて、図23に示すように、外部流通管10の外周を周回するようにその外周からやや離間させた状態で電熱線175をパターニングし、その電熱線175の両端部にそれぞれリード線184,186を接続するような構成としてもよい。この場合において、リード線184,186の間に電圧が印加されると、電熱線175が発熱して、その熱が低温反応部6のベースプレート28等の部材を介して外部流通管10の周りから外部流通管10に伝導し、外部流通管10の周りに第一燃焼器504を配したときと同様に、外部流通管10を効率的に加熱することができる。
他の改良・設計変更事項として、上記の通り電熱線175を配するのに加えて、その電熱線175を覆うように上記第一燃焼器504を配し、電熱線175と第一燃焼器504との2つの加熱源を用いて外部流通管10を加熱するような構成としてもよい。
斜め上から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図である。 斜め下から示したマイクロリアクタモジュール1の斜視図である。 マイクロリアクタモジュール1の側面図である。 マイクロリアクタモジュール1を機能ごとに分けた場合の概略側面図である。 マイクロリアクタモジュール1の分解斜視図である。 第一燃焼器504を示す斜視図である。 第一燃焼器504の分解斜視図である。 図3の切断線VIII−VIIIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線IX−IXに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線X−Xに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線XI−XIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線XII−XIIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線XIII−XIIIに沿った面の矢視断面図である。 図3の切断線XIV−XIVに沿った面の矢視断面図である。 図9の切断線XV−XVに沿った面の矢視断面図である。 液体燃料と水が供給されてから、生成物である水素リッチガスが排出されるまでの経路を示した図面である。 燃焼混合気が供給されてから、生成物である水等が排出されるまでの経路を示した図面である。 反応装置1000の分解斜視図である。 斜め下から示した反応装置1000の斜視図である。 第一燃焼器504から外部流通管10を通じて熱が伝導される様子を示す側面断面図である。 発電ユニット601の斜視図である。 電子機器701の斜視図である。 マイクロリアクタモジュール1の変形例を示す図面である。
符号の説明
1000 反応装置
4 高温反応部
6 低温反応部
502 気化器
14 気化用導入路
20 排ガス排出路
22 燃焼混合気導入路
24 水素ガス用排出路
504 第一燃焼器(燃焼器)
12 燃焼器プレート
26 燃焼用流路
175 電熱線

Claims (7)

  1. 液体燃料を気化させる気化器と、
    燃焼源を燃焼させて発熱する燃焼器とを備え、
    前記燃焼器が前記気化器を周回するように配され、
    前記気化器は、前記液体燃料を吸液する吸液材を含む気化用導入路を有し、
    前記燃焼器は、前記気化器により気化された液体燃料を改質するための高温反応部及び前記高温反応部の生成物から一酸化炭素を除去するための低温反応部を備える反応路のうちの前記低温反応部を加熱することを特徴とする反応装置。
  2. 請求項1に記載の反応装置において、
    前記燃焼器が前記燃焼源の燃焼反応を促進する燃焼用触媒を有することを特徴とする反応装置。
  3. 請求項2に記載の反応装置において、
    前記燃焼器が前記燃焼源を流通させる燃焼用流路を有し、
    前記燃焼用触媒が前記燃焼用流路の底面と側面とに塗布されていることを特徴とする反応装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応装置において、
    前記燃焼器が、前記燃焼源を流通させる燃焼用流路が形成された燃焼器プレートを有し、複数の前記燃焼器プレートを積層した構造を有していることを特徴とする反応装置。
  5. 請求項に記載の反応装置において、
    前記気化器は、液体燃料を導入するための気化用導入路及び前記反応路によって生成された水素ガスを排出するための水素ガス用排出路を備えることを特徴とする反応装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の反応装置において、
    前記気化器は、前記燃焼器に燃焼源を導入するための燃焼混合気導入路及び前記燃焼器で燃焼した際に生じる排ガスを排出するための排ガス排出路を備えることを特徴とする反応装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の反応装置において、
    電力の供給を受けて発熱する電熱線をさらに備え、
    前記電熱線が前記気化器を周回するように配されていることを特徴とする反応装置。
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