JP4714650B2 - 光重合型感光性平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
このようなレーザー光による露光に適した感光性平版印刷版として、重合性感光層を用いた感光性平版印刷版を挙げることができる。重合性感光層は光重合開始剤または重合開始系(以下、単に開始剤または開始系ともいう)を選択することで、他の従来の感光層に比べ高感度化が容易であるためである。
さらに、このような印刷版は支持体として、親水性を確保するために、電解処理やブラシ処理などにより表面に凹凸を形成した支持体を使用するため、レーザー露光時の反射光の散乱によりさらに画像品質、シャープネスが損なわれ、シャドウ部の再現性が大きく低下する。
しかしながら、上記特許文献1の技術は、高精細AMスクリーン印刷やFMスクリーン印刷に適した版材を提供することができるものの、網点が細くなるドットロスと呼ばれる現象が生じたり、自動現像機に備えられた現像ブラシの圧力によって現像の再現性が損なわれる、いわゆるブラシ圧依存性を有する等、改善の余地があることが判明した。
(2)前記金属酸化物を含む中間層が、ラジカルによって付加重合を起こし得る官能基を有する有機シリコーン化合物を含むことを特徴とする前記(1)に記載のネガ型の光重合型感光性平版印刷版原版。
(3)前記光重合性の感光性層が下記(i)〜(v)の成分を含有することを特徴とする前記(1)に記載のネガ型の光重合型感光性平版印刷版原版。
(i)350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素、
(ii)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、
(iii)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、
(iv)前記(1)に記載のバインダーポリマー、および
(v)2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよび下記式(4)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
〔感光性層〕
本発明の平版印刷版原版における感光性層は、前記式(1)から(3)で示される構造単位を有する(D)バインダーポリマーを含有することが必須であるが、その他に、(A)350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、および(E)メルカプト化合物を含有するのが望ましい。
以下、感光性層の構成成分について詳細に説明する。
本発明の感光性層には、露光光源の波長に対応した増感色素を含有することができる。
まず、350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。この様な増感色素としては、例えば、下記一般式(V)に示されるメロシアニン色素類、下記一般式(VI)で示されるベンゾピラン類、クマリン類、下記一般式(VII)で表される芳香族ケトン類、下記一般式(VIII)で表されるアントラセン類、等を挙げることができる。
ましいX3、X4はハメットの置換基定数が負の電子供与性基である。)
考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4ーフェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール、等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ジメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール等)、チアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール類(例えば、4’−メトキシチアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール等)、ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン等)、2−キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン等)、4−キノリン類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン等)、1−イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,7,−トリメチルインドレニン等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベ
ンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルベンゾジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール等を挙げることができる。
アミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
レン基を有する酸性核と、置換、もしくは非置換の、芳香族環またはヘテロ環との縮合反応によって得られるが、これらは特公昭59−28329号公報を参照して合成することができる。
例えば、増感色素を2種以上併用することで、感光性組成物層への相溶性を高めることができる。増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用する事により、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ平版印刷版原版に用いた場合、その感光性層の
膜物性の点からも有利である。該感光性層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。
本発明に使用される重合開始剤としては、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物が挙げられる。なかでも、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、オニウム塩、トリハロメチル化合物およびメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
Z-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、カルボキシレートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、カルボキシレートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム等を挙げることができる。
本発明における感光性層中の重合開始剤の使用量は感光性層全固形分の質量に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%である。さらに好ましくは1.0質量%〜10質量%である。
本発明における感光性層に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、感光性層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、重合開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体や後述の保護層等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明では、感光性層中にバインダーポリマーを含有させる。
バインダーポリマーとしては、感光性層の皮膜形成剤としてだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が使用される。 すなわち、アルカリ水に可溶性または膨潤性であるポリマーであることにより、アルカリ現像によって、必要によりブラシなどの圧力を加えることで、除去されるものである。
式(1)で表される繰り返し単位の具体例としては、以下に示す構造を挙げることができる。
下記において、Rとして好ましい置換基は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェネチル基、ベンジル基、n−ヘキシル基が挙げることができる。
また、式(2)で表されるエチレン性不飽和二重結合を有する構造単位に対する、式(1)で表される構造単位及び式(3)で表される構造単位の総量の比は、質量比で、0.1〜3.0の範囲とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0であり、最も好ましくは0.1〜1.0である。
上記の分子量、酸価、二重結合量を満足する組み合わせであれば、式(1)、(2)、(3)で表される構造単位の混合割合は、どのような組み合わせになっても良い。これらを満足する範囲であれば、式(1)〜(3)で表される構造単位以外の構造単位をさらに追加してもよい。
アルカリ水に可溶性または膨潤性であるポリマーである、他の有機高分子重合体としては、種々のものが挙げられるが、水現像を望む場合には、例えば水可溶性有機高分子重合体を用いる。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているもの、即ちメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等や、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたもの、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、並びに、硬化皮膜の強度を上げ得るアルコール可溶性ポリアミドや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等が挙げられる。
更には、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号の各公報に記載のポリウレタン樹脂も本発明の用途に使用できる。
本発明の感光性層には、メルカプト基を有するメルカプト化合物を含有させることが好ましい。(E)メルカプト化合物は感度向上に効果がある。
メルカプト化合物の添加量は、感光性層を構成する全成分に対して、一般的には0.5〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。
平版印刷版原版の製造中あるいは保存中において感光性層における不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、感光性層を構成する全固形分に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
本発明の感光性層には必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加量は、感光性層を構成する全固形分に対して約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に感光性層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。着色剤の添加量は感光性層全固形分の約0.5質量%〜約20質量%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は感光性層全固形分の10質量%以下が好ましい。
感光性層の塗設に際しては、上記各成分を溶媒に溶解し塗布液を調製する。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライト、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート−3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどの有機溶媒がある。溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。
塗布溶液中の固形分の濃度は通常1〜50質量%である。
本発明の平版印刷版原版には、水溶性樹脂を含む保護層を設ける。保護層は、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断する、酸素遮断層としても機能を有する。本発明に用いられる保護層は25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦20(mL/m2・day)であることが好ましい。酸素透過性Aが1.0(mL/m2・day)未満で極端に低い場合は、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。逆に、酸素透過性Aが20(mL/m2・day)を超えて高すぎる場合は感度の低下を招く。酸素透過性Aは、より好ましくは1.5≦A≦12 (mL/m2・day)、更に好ましくは2.0≦A≦8.0 (mL/m2・day)の範囲である。また、保護層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光性層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、あるいはアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては加水分解率が71〜100モル%、重合繰り返し単位が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられ、これらは単独または混合して使用できる。好ましい態様としてはポリビニルアルコールの保護層中の含有率が20〜95質量%、より好ましくは、30〜90質量%である。
本発明における平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定
な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
本発明における中間層は、(i)有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物を含むものであり、その他に、(ii)コロイダルシリカゾルおよび(iii)有機高分子化合物を含む形態が好ましい。中間層はさらに可塑剤を含んでいてもよい。
有機シリコーン化合物は、ラジカルによって付加重合を起こし得る官能基をR1と表わした時、下記式(1):
R1Si(OR2)3(1)
(式中、−OR2 は加水分解可能なアルコキシ基又は −OCOCH3基である。)で表わされる有機シリコーン化合物が挙げられる。
CH2=CH-Si(OCOCH3)3、CH2=CH-Si(OC2H5)3、CH2=CHSi(OCH3)3、CH2=CHCH2Si(OC2H5)3、CH2
=CHCH2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH2=CHCOO-(CH2)3-Si(OCH3)3、CH2=CHCOO-(CH2)3-Si(OC2H5)3
、CH2=C(CH3)COO-(CH2)3-Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO-(CH2)3-Si(OC2H5)3 、CH2=C(CH3)COO-(CH2)4-Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO-(CH2)5-Si(OCH3)3、CH2=CHCOO-(CH2)4-Si(OCH3)3、
そこで溶媒の一部をゾル−ゲル反応液に加え、反応が進んだ時点で残りの溶媒を加える方法が好ましい。
影響を与える。特に反応温度の影響が大きいので、反応中温度制御することが好ましい。ゾル−ゲル反応液には上述の必須成分に加えて、ゾル−ゲル反応を適度に調整するために水酸基、アミノ基や活性水素を分子内に含む化合物を添加してもよい。それらの化合物としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、それらのブロック共重合体、およびそれらのモノアルキルエーテルまたはモノアルキルアリールエーテル、フェノールやクレゾールなどの各種フェノール類、ポリビニルアルコールおよび他のビニルモノマーとの共重合体、リンゴ酸、酒石酸などの水酸基を持つ酸、脂肪族及び芳香族アミン、ホルムアルデヒドおよびジメチルホルムアルデヒドなどが挙げられる。さらに塗布液乾固物の有機溶剤に対する親和性を向上させ可溶化させるために有機高分子化合物を添加することができる。
(1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル、(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、
また珪酸の含有量は、5〜80質量%が好ましく、水素イオン濃度が特に中性域(pH6〜8)でないものの方が安定性の面で好ましい。特に酸性域のものは好ましい。
またシリカゾルは、その他の例えばアルミナゾルあるいはリチウムシリケート等の微粒子と併用して用いることも可能である。これらによりゾル−ゲル塗膜の硬膜性はさらに向上する。添加量は、具体的には、原料の金属化合物に対して30質量%以上300質量%以下であり、更に好ましくは30質量%〜200質量%であり、最も好ましくは50〜100質量%である。添加量がこれより多いと皮膜性が劣化し均一に塗布することが難しくなる。また、添加量がこれより少ないと親水性の劣化防止効果が得られない。
支持体に表面処理を施した後または中間層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げ
られる。中でも、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
次に本発明の平版印刷版原版の製版方法について詳細に説明する。上述した平版印刷版原版は画像露光した後、アルカリ水溶液で現像される。以下に、本発明の製版方法に用いられる現像液について説明する。
本発明の平版印刷版原版の製版方法に使用される現像液は、特に限定されないが、例えば、無機アルカリ塩と界面活性剤を含有し、通常pHが11.0〜12.7であるものが好適に使用される。
デシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等を挙げることができるが、特に好ましいのはポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤である。
。下回ると、通常、アルミニウム板支持体表面の感光性層成分の溶出が困難となり、印刷で汚れを伴ってしまうことがあり、逆に範囲を超えると、塩濃度が高いため、感光性層の溶出速度が極端に遅くなり、未露光部に残膜が生じることがあるからである。特に好ましい導電率は、5〜20mS/cmの範囲である。
本発明における平版印刷版原版を、例えば、カーボンアーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、FD・YAGレーザー、ヘリウムネオレーザー、半導体レーザー(350nm〜600nm)等の従来公知の活性光線で画像露光した後、現像液により現像処理することにより、アルミニウム板支持体表面に画像を形成することができる。露光光源としては350〜600nmのレーザが好ましい。
画像露光後、現像までの間に、感光性層の硬化率を高める目的で50℃〜140℃の温度で1秒〜5分の時間の加熱プロセスを設けることを行っても良い。加熱温度が前記の範囲において、硬化率アップの効果があり、未露光部での暗重合による残膜も生じない。
上記のような処理により得られた印刷版は特開2000−89478号公報に記載の方法による後露光処理やバーニングなどの加熱処理により、耐刷性を向上させることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
支持体の作製
(1)支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体
厚さ0.30mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシと800メッシュ
のパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10質量%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で、水洗後、20質量%硝酸で中和洗浄、水洗した。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1質量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であった。引き続いて55℃の30質量%の硫酸水溶液中に浸漬して2分間デスマットした後、33℃の20質量%硫酸水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度5A/dm2において50秒間陽極酸化した。陽極酸化皮膜量は2.6g/m2であった。これを支持体1とした。
上記支持体1に下記の中間層塗布液1を、バーコーターを用いて乾燥塗布量30mg/m2となるように塗布し、150℃で5秒間乾燥して支持体2を得た。
・テトラエチルシリケート 16.0質量部
・メタノール 5.0質量部
・リン酸水溶液(85%) 2.5質量部
・純水 16.0質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 100質量部
この支持体2の上にバーコーターを用いて下記組成の感光性組成物(1)を塗布した後、90℃で1分間乾燥して感光性層を形成した。乾燥後の感光性層の質量は1.35g/m2であった。
エチレン性不飽和結合含有化合物(A1) 1.0 質量部
高分子バインダー(B1) 2.0 質量部
増感色素(D32) 0.15質量部
光重合開始剤(C1) 0.12質量部
ε−フタロシアニン(F1)分散物 0.02質量部
増感助剤(G1) 0.5 質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF−780F
(大日本インキ化学工業(株)製) 0.02質量部
メチルエチルケトン 26.0 質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 26.3 質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度95モル%、重合度500) 75.0質量部
ポリビニルピロリドン(分子量5万) 18.0質量部
ポリマー(下記、SP−1) 2.0質量部
ルビスコールVA64W(50%水溶液、BASF製) 1.2質量部
ノニオン系界面活性剤パイオニンD230(竹本油脂製) 2.0質量部
ノニオン系界面活性剤エマレックス710(日本乳化剤製) 1.8質量部
実施例1の中間層塗布液1を下記の中間層塗布液2に変更した以外は、実施例1と同様にして感光性平版印刷版原版を得た。
・テトラエチルシリケート 4.0質量部
・化合物1(下記) 1.2質量部
・化合物2(下記) 11.0質量部
・メタノール 5.0質量部
・リン酸水溶液(85%) 2.5質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 100質量部
実施例2の感光性組成物(1)を下記感光性組成物(2)に変更した以外は、実施例2と同様にして感光性平版印刷版原版を得た。
エチレン性不飽和結合含有化合物(DEGUSSA製PELEX6661-O)
1.69質量部
高分子バインダー(下記化合物3、質量平均分子量=8万) 1.87質量部
増感色素(下記化合物D76) 0.13質量部
へキサアリールビイミダゾール光重合開始剤
(黒金化成(株)製BIMD) 0.46質量部
ε−フタロシアニン(下記F1)分散物
(25質量%メチルエチルケトン分散液) 1.70質量部
メルカプト化合物(下記化合物SH−1) 0.34質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF−780F
(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03質量部
クペロンAL(和光純薬工業(株)製重合禁止剤)
トリクレジルホスフェート10質量%溶液 0.12質量部
メチルエチルケトン 27.0質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 26.7質量部
実施例3の中間層乾燥塗布量を100mg/m2となるように変更した以外は、実施例3と同様にして感光性平版印刷版原版を得た。
実施例1の中間層塗布を省略した以外は、実施例1と同様にして、感光性平版印刷版原
版を得た。
実施例3の中間層塗布を省略した以外は、実施例3と同様にして、感光性平版印刷版原版を得た。
実施例3において、感光性組成物の高分子バインダー(化合物3)の代わりに下記の高分子バインダー(化合物4、質量平均分子量=8万)を用いた以外は、実施例3と同様にして感光性平版印刷版原版を得た。この感光性組成物を感光性組成物(3)とする。
上記比較例3において、中間層塗布を省略した以外は、比較例3と同様にして、感光性平版印刷版を得た。
上述の感光性平版印刷版原版を天地700mm、幅500mmのサイズにカットした後、FUJIFILM Electronic Imaging Ltd 製Violet半導体レーザーセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー405nm±10nm発光/出力30mW)に装填し、90μJ/cm2の露光量、解像度2438dpiで、富士写真フイルム(株)製FMスクリーン、TAFFETA 20で1%〜10%の網点を1%間隔で描画した。露光後の版は自動的に、接続されている自動現像機LP1250PLX(ブラシ付)に送られ、100℃で10秒間加熱後、保護層を水洗除去し、引き続いて28℃で20秒間、現像処理された。現像後の版はリンス浴で水洗後、ガム引き浴へ送られ、ガム引き後の版は、熱風乾燥後排出され、平網を描画した平版印刷版が得られた。ここで、現像液には富士写真フイルム(株)製現像液DV−2を水で5倍に希釈したものを用いた。ガム液には富士写真フイルム(株)製FP−2Wを水で2倍に希釈したものを用いた。得られた平版印刷版の網点の面積率を、CC−dotを使用して計測し、1%〜5%の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
上述の感光性平版印刷版を天地800mm、幅1030mmのサイズにカットした後、自動現像機LP1250PLX(ブラシ付)にて、100℃で10秒間加熱後、保護層を水洗除去し、引き続き28℃で20秒間、現像処理した。現像後の版はリンス浴で水洗後、ガム引き浴へ送り、ガム引き後の版は、熱風乾燥後排出され、平網を描画した平版印刷版が得られた。ここで、現像液には富士写真フイルム(株)製現像液DV−2を水で5倍に希釈したものを用いた。ガム液には富士写真フイルム(株)製FP−2Wを水で2倍に希釈したものを用いた。得られた平版印刷版の非画像部に感光性層成分が付着しているかの有無を目視評価した。その結果を表1に示す。
上述の感光性平版印刷版を天地800mm、幅1030mmのサイズにカットした後、自動現像機LP1250PLX(ブラシ付)にて、100℃で10秒間加熱後、保護層を
水洗除去し、引き続き28℃で20秒間、現像処理した。現像後の版はリンス浴で水洗後、ガム引き浴へ送り、ガム引き後の版は、熱風乾燥後排出され、平網を描画した平版印刷版が得られた。ここで、現像液には富士写真フイルム(株)製現像液DV−2を水で5倍に希釈したものを用いた。ガム液には富士写真フイルム(株)製FP−2Wを水で2倍に希釈したものを用いた。この処理を200版/日で7日間行った。処理後、1日間自現機を停止してから、現像液を抜き取り、現像槽底部に堆する沈降物の量を目視評価した。その結果を表1に示す。
上述の自動現像機現像槽への沈降物堆積評価において、50版処理した段階で、現像槽から現像液を採取し、プラズマ発光分析装置(ICPS−1000IV型 島津製作所製)を用い、AL元素の定量をした。その結果を表―1に示す。
Claims (3)
- 親水性支持体上に、有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物を含む中間層を有し、該中間層上に下記式(1)から(3)で示される構造単位を有するバインダーポリマーを含有する光重合性の感光性層と水溶性樹脂を含む保護層とを有することを特徴とするネガ型の光重合型感光性平版印刷版原版。
- 前記金属酸化物を含む中間層が、ラジカルによって付加重合を起こし得る官能基を有する有機シリコーン化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のネガ型の光重合型感光性平版印刷版原版。
- 前記光重合性の感光性層が下記(i)〜(v)の成分を含有することを特徴とする請求項1に記載のネガ型の光重合型感光性平版印刷版原版。
(i)350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素、
(ii)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、
(iii)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物、
(iv)請求項1に記載のバインダーポリマー、および
(v)2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよび下記式(4)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
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