JP4712897B1 - 送信機、dstbc符号器及びdstbc符号器の符号化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DSTBC符号器が、入力ビット系列に対応した番号及び該当する時刻より1所定時刻前の状態番号を入力値とするとともに該当する時刻の状態番号を出力値とする状態遷移テーブル(13)と、状態遷移テーブルから出力される状態番号を入力値とするとともにシンボルインデックスを出力値とする状態−シンボルインデックステーブル(15)と、状態−シンボルインデックステーブルから出力されるシンボルインデックスを入力値とするとともにシンボル値を出力値とするシンボルインデックス−シンボル値テーブル(16−1〜16−4)と、を含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、DSTBC方式により効率的に通信を行うことができる送信機を提供することを目的とする。
すなわち、DSTBC符号器が、入力値と出力値との対応関係を記憶して入力値に対応した出力値を出力するテーブルを1つ以上含む。
従って、テーブル化した部分について演算の負荷を低減させることなどができ、DSTBC方式により効率的に通信を行うことができる。
すなわち、前記DSTBC符号器が、状態遷移テーブルと、状態−シンボルインデックステーブルと、シンボルインデックス−シンボル値テーブルと、を含む。
前記状態遷移テーブルは、入力ビット系列に対応した番号及び該当する時刻より1所定時刻前の状態番号を入力値とするとともに該当する時刻の状態番号を出力値として、入力値と出力値との対応関係を記憶して入力値に対応した出力値を出力する。
前記状態−シンボルインデックステーブルは、前記状態遷移テーブルから出力される状態番号を入力値とするとともにシンボルインデックスを出力値として、入力値と出力値との対応関係を記憶して入力値に対応した出力値を出力する。
シンボルインデックス−シンボル値テーブルは、前記状態−シンボルインデックステーブルから出力されるシンボルインデックスを入力値とするとともにシンボル値を出力値として、入力値と出力値との対応関係を記憶して入力値に対応した出力値を出力する。
ここで、時刻としては、任意の単位の時刻が用いられてもよい。
また、1所定時刻としては、例えば、適宜設定される。
デジタル無線通信において、周波数利用効率を高める技術として、複数の送受信アンテナを用いて空間多重伝送を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術がある。MIMO技術の一つであるSTBCは、送信アンテナ毎に2シンボル間での適切な信号配置を行うことによって、送信ダイバーシチ効果を高めて通信品質の向上(ビット誤り率の低減)を図る技術である。
STBCの応用技術であるDSTBCは、このような問題の対策技術であり、チャネル応答行列の推定を必要としないことが利点である。
以下で、デジタル無線伝送においてDSTBC方式を適用したシステムについて説明する。
図6には、DSTBCを適用した無線通信システムの送信機の構成例及び受信機の構成例を示してある。一例として、送信機は基地局装置に設けられ、受信機は移動局装置に設けられ、送信機から受信機へ信号を無線により通信する。
本例では、基本となる変調方式を4値PSKであるQPSK(Quadrature Phase Shit Keying)として、変復調動作を説明する。
本例の受信機は、受信アンテナ201、受信RF部202、STBC復号部203、2つの判定部(判定器)204−1、204−2、P/S(パラレル/シリアル)変換器からなるP/S変換部205、ビット出力端子211を備えている。
送信ビット入力端子101から入力されるビット系列biはS/P変換部111によって、時刻nにおいて4ビットb4n、b4n+1、b4n+2、b4n+3のパラレル出力となる。この内の前半の2ビットであるb4n、b4n+1は第1のQPSKマッピング部112−1に入力され、第1のQPSKマッピング部112−1はQPSKの複素シンボルx2nを空間変換部113へ出力する。一方、後半の2ビットであるb4n+2、b4n+3は第2のQPSKマッピング部112−2に入力され、第2のQPSKマッピング部112−2はQPSKの複素シンボルx2n+1を空間変換部113へ出力する。
空間変換部113への入力は、2つのQPSKマッピング部112−1、112−2からの出力x2n、x2n+1と、時刻n−1での空間変換部113からの出力を保持している2つのメモリ114−1、114−2からの出力s2n−2、s2n−1となる。空間変換部113は、これらを入力として、(式1)の演算を行って、その結果s2n、s2n+1を出力する。
なお、*は複素共役を示す。
ここで、(式5)において、p行q列の要素はp番目(本例では、p=1、2)のアンテナからq番目(本例では、q=1、2)に出力される信号を表す。
具体的には、信号s2n、−s2n+1 *が第1の送信RF部116−1を経て、第1の送信アンテナ117−1から無線により送信出力され、また、信号s2n+1、s2n *が第2の送信RF部116−2を経て、第2の送信アンテナ117−2から無線により送信出力される。
本例では、説明を簡易化するために、受信アンテナが1本であるとして説明する。
また、第1の送信アンテナ117−1、第2の送信アンテナ117−2のそれぞれと受信アンテナ201との間のチャネル応答を各々h1、h2とする。
STBC復号部203では、入力信号について、DSTBCに対する復号を行い、送信信号x2n、x2n+1に対する復号信号y2n、y2n+1を得て、復号信号y2nを第1の判定部204−1へ出力し、復号信号y2n+1を第2の判定部204−2へ出力する。
具体的には、STBC復号部203では、受信信号r2n−2、r2n−1、r2n、r2n+1を用いて、(式6)の計算を行う。ここで、(式6)にチャネル応答h1、h2が含まれていないことがDSTBCの特徴である。
図6に示されるような送信機では、送信機内のDSTBC符号器に関して、(式1)の各要素は複素数であり、実現にあたっては16回の乗算が必要となる。また、この構成は逐次帰還型であり、特に固定小数点演算により実現する場合には、演算の繰り返しによりnが増えるにつれて量子化誤差が蓄積する可能性がある。更に、送信ビット系列が明らかであっても、実際の送信信号を推定するためには実際に(式1)による演算を繰り返す他は手段が無いため、送信信号に対する見通しを立てることが困難であるという問題があった。
そこで、本実施例では、このような課題に鑑みて、例えば、送信機における符号化に係る演算を削減するとともに量子化誤差の影響を低減し、且つ送信信号に対する見通しを容易にする符号化の実装構成を提供することを目的とする。
本例の送信機は、送信ビット入力端子1、S/P変換部11、2進−10進変換器12、状態遷移テーブルを有する状態遷移テーブル部13、メモリ14、状態−シンボルインデックステーブルを有する状態−シンボルインデックステーブル部15、シンボルインデックス−シンボル値テーブルを有する4つのシンボルインデックス−シンボル値テーブル部16−1〜16−4、2つの切替器17−1、17−2、2つの送信RF部18−1、18−2、2つの送信アンテナ19−1、19−2を備えている。
送信ビット入力端子1から入力されるビット系列biはS/P変換部11によって、時刻2nにおいて4ビットb4n、b4n+1、b4n+2、b4n+3のパラレル出力となる。
2進−10進変換器12では、(式7)の計算により、S/P変換部11からの4ビット毎の入力系列に対する番号付けを行い、得られた番号B2nを状態遷移テーブル部13へ出力する。本例では、番号B2nは、0から15の整数となる。
状態遷移テーブル部13は、2進−10進変換器12からの番号B2nと、時刻2(n−1)の状態番号Q2(n−1)を保持しているメモリ(状態メモリ)14からの出力を入力とし、状態遷移テーブルの内容に基づいて、これらの入力から定められる時刻2nの状態番号Q2nを出力する。この状態番号Q2nは、メモリ14に記憶(記録)されるとともに、状態−シンボルインデックステーブル部15へ送られる。
具体的には、第1の切替器17−1は、時刻2nにおいて入力を端子(a)へ切り替えることで、シンボル値s2nを第1の送信RF部18−1へ出力し、時刻2n+1において入力を端子(b)へ切り替えることで、シンボル値−s2n+1 *を第1の送信RF部18−1へ出力する。また、第2の切替器17−2は、時刻2nにおいて入力を端子(a)へ切り替えることで、シンボル値s2n+1を第2の送信RF部18−2へ出力し、時刻2n+1において入力を端子(b)へ切り替えることで、シンボル値s2n *を第2の送信RF部18−2へ出力する。
第2の送信RF部18−2は、第2の切替器17−2から入力されたシンボル値について所定の処理を行って、その結果の信号を第2の送信アンテナ19−2へ出力する。
第1の送信アンテナ19−1は、第1の送信RF部18−1からの信号を無線により送信出力する。
第2の送信アンテナ19−2は、第2の送信RF部18−2からの信号を無線により送信出力する。
各テーブルの内容或いは状態の総数などは、特に、図6に示されるメモリ114−1、114−2の初期値s−2、s−1に依存する。一例として、メモリ114−1、114−2の初期値s−2、s−1を(式8)とする。ここで、(式8)において、j2=−1であり、係数である「/ルート6」は(式3)を満足させるための係数である。
図2には、シンボル点の配置の一例を示してある。横軸は実数部分(Re)を表し、縦軸は虚数部分(Im)を表す。
図3の表には、図2に示される各点の番号(シンボルインデックス)と複素平面上の値(出力値zであるシンボル値)との関係の一例を示してあり、この関係の内容はシンボルインデックス−シンボル値テーブル部16−1〜16−4のシンボルインデックス−シンボル値テーブルの内容に相当する。
図4の表には、状態番号Q2nと4つのシンボルインデックスI11(Q2n)、I12(Q2n)、I21(Q2n)、I22(Q2n)との関係の一例を示してあり、この関係の内容は状態−シンボルインデックステーブル部15の状態−シンボルインデックステーブルの内容に相当する。
例えば、(式8)の初期値はシンボルインデックス(1、13)に対応し、図4において状態番号1に定義されている。
図5の表には、時刻2nに対して1所定時刻前の状態番号Q2(n−1)と、入力ビット系列番号B2nと、これらの交わるところにある時刻2nにおける状態番号Q2nの関係の一例を示してあり、この関係の内容は状態遷移テーブル部13の状態遷移テーブルの内容に相当する。
図5に示される状態遷移テーブルの内容では、1所定時刻前の状態番号Q2(n−1)がpである場合に入力されるビット系列番号B2nがqであるときに遷移する先の状態番号Q2nをp行q列に記したものとなっている。
すなわち、1所定時刻前の状態番号とパラレル変換されたビットが示す値から、状態遷移テーブルによって該当する時刻の状態番号を求め、この状態番号に対応するシンボルインデックスを状態−シンボルインデックステーブルから求め、更に、このシンボルインデックスに対応するシンボル値をシンボルインデックス−シンボル値テーブルから求める。
ここで、本発明を適用することが可能な無線通信システムの一例として、同報型無線システムである列車無線システムについて概略的に説明する。
列車無線システムでは、例えば、線路に沿って複数の基地局装置が設置されており、1つの中央装置が送信対象となるデータ列Sを各基地局装置へ同時に配信(送信)し、各基地局装置は当該データ列Sから生成したデータ列の信号をアンテナから無線により送信する。そして、線路を走行する列車の移動局装置が基地局装置からの無線信号(電波)を受信する。なお、各基地局装置は、例えば、互いに異なる無線通信領域を有する(重複部分があってもよい)指向性アンテナからなる2本のアンテナを備えている。
そこで、一構成例として、各基地局装置において、DSTBCを用いて送信信号を符号化し、隣接する基地局装置について重複するエリアに対しては各基地局装置から互いに直交する異なる符号化列(例えば、データ列SからDSTBCにより生成される互いに直交するデータ列A、B)が送信されるように、各基地局装置の各アンテナ毎に送信データ系列を選択や設定することで、同一波干渉を防ぐことが考えられる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (5)
- DSTBC方式により信号を送信する送信機において、
DSTBC符号器は、
状態遷移テーブルと、
前記状態遷移テーブルの出力値を記憶して前記状態遷移テーブルへ出力するメモリと、
前記状態遷移テーブルの出力値に基づいて2つのシンボル値を出力するシンボル値出力部と、
を備え、
前記状態遷移テーブルは、前記DSTBC符号器に入力されるビット系列に基づく値と自己からの1所定時刻前の出力値とに対応させて前記シンボル値出力部から出力される2つのシンボル値の組み合わせの状態を示す値を記憶し、前記ビット系列に基づく値と前記メモリから出力された1所定時刻前の自己の出力値とを入力してこれら2つの入力値に対応した前記2つのシンボル値の組み合わせの状態を示す値を出力する、
ことを特徴とする送信機。 - 請求項1に記載の送信機において、
前記シンボル値出力部は、
前記状態遷移テーブルの出力値を入力値とするとともに複数のシンボル点の各点に割り当てられた番号であるシンボルインデックスを出力値として、入力値と出力値との対応関係を記憶して入力値に対応した出力値を出力する状態−シンボルインデックステーブルと、
前記状態−シンボルインデックステーブルから出力される前記シンボルインデックスを入力値とするとともにシンボル値を出力値として、入力値と出力値との対応関係を記憶して入力値に対応した出力値を出力するシンボルインデックス−シンボル値テーブルとからなる、
ことを特徴とする送信機。 - 請求項1又は請求項2に記載の送信機において、
前記DSTBC符号器から出力される2つのシンボル値の組み合わせの初期値を所定の組み合わせとしたときに生成される組み合わせを前記状態とし、
前記状態遷移テーブルは、当該状態を示す値を、前記ビット系列に基づく値と前記1所定時刻前の出力値とに対応させて記憶する、
ことを特徴とする送信機。 - DSTBC方式により信号を符号化するDSTBC符号器において、
状態遷移テーブルと、
前記状態遷移テーブルの出力値を記憶して前記状態遷移テーブルへ出力するメモリと、
前記状態遷移テーブルの出力値に基づいて2つのシンボル値を出力するシンボル値出力部と、
を備え、
前記状態遷移テーブルは、前記DSTBC符号器に入力されるビット系列に基づく値と自己からの1所定時刻前の出力値とに対応させて前記シンボル値出力部から出力される2つのシンボル値の組み合わせの状態を示す値を記憶し、前記ビット系列に基づく値と前記メモリから出力された1所定時刻前の自己の出力値とを入力してこれら2つの入力値に対応した前記2つのシンボル値の組み合わせの状態を示す値を出力する、
ことを特徴とするDSTBC符号器。 - DSTBC方式により信号を符号化するDSTBC符号器の符号化方法において、
前記DSTBC符号器は、
状態遷移テーブルと、
前記状態遷移テーブルの出力値を記憶して前記状態遷移テーブルへ出力するメモリと、
前記状態遷移テーブルの出力値に基づいて2つのシンボル値を出力するシンボル値出力部と、
を備え、
前記状態遷移テーブルは、前記DSTBC符号器に入力されるビット系列に基づく値と自己からの1所定時刻前の出力値とに対応させて前記シンボル値出力部から出力される2つのシンボル値の組み合わせの状態を示す値を記憶し、前記ビット系列に基づく値と前記メモリから出力された1所定時刻前の自己の出力値とを入力してこれら2つの入力値に対応した前記2つのシンボル値の組み合わせの状態を示す値を出力する、
ことを特徴とするDSTBC符号器の符号化方法。
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