JP4712306B2 - 化粧板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築材料等に使用する窯業系化粧基板の表面に、石、煉瓦、木目、幾何学的模様などの各種図柄を溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキを使用したグラビアオフセット印刷により印刷した化粧板およびその製造方法に関するものである。
グラビアオフセット印刷は、紙やフィルム上への印刷方法として広く用いられており、また、木材のような化粧板への塗装方法としても用いられている(例えば、下記特許文献1参照)。
これとは別に、窯業系化粧板にもグラビアオフセット印刷が試みられている。なお、一般的に窯業系化粧板は、窯業系化粧基板、印刷下地層、印刷層がこの順で積層され、印刷下地層は、基板から浸出するアルカリ成分のバリア層として機能している。しかしながら、印刷層の形成に溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプのグラビアオフセット用印刷インキを用いた場合、印刷下地層と印刷層との密着性が乏しいという問題点があった。すなわち、印刷層の形成は、印刷インキ中の溶剤や油が蒸発し乾燥し、印刷下地層上に色料(顔料、染料)と樹脂分を中心としたビヒクルが残り固着することによってなされるが、そのビヒクルと印刷下地層との付着力が、その他の印刷インキ(例えば光重合乾燥タイプ等の印刷インキ)と比べて小さく、過酷な使用条件のもとでは印刷層が脱落(剥離)する等の問題点があった。
また、表面に任意のエンボスパターン(凹凸)が付与されている窯業系化粧基板上に印刷下地層を施し、その上にグラビアオフセット印刷によって印刷層を設ける場合においては、エンボスパターン(凹凸)の山部(凸部)では印圧が大きく(オフセットロールの押し付けが強くなる)なるため、図柄がにじみやすく、また谷部(凹部)では印刷インキが溜まりやすくなり、印刷ムラが生じるという問題点もある。
さらに、大面積、例えば1m×2mのような窯業系化粧板を製造する場合、印刷層をグラビアオフセット用印刷インキで形成しようとすると、オフセットロールが印刷下地層上で滑り、印刷不良を生じるという問題点もある。その理由としては、窯業系化粧板は、紙等の基材と異なり、とくにそのサイズが大きいと厚みにバラツキがあるため、このような問題が生じると考えられる。
特開昭56−142091号公報
したがって本発明の目的は、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプのグラビアオフセット用印刷インキを用いて形成した印刷層と、印刷下地層との密着性が良好な窯業系化粧板およびその製造方法を提供することにある。
また本発明の別の目的は、表面に任意のエンボスパターン(凹凸)が付与されている窯業系化粧基板を使用した場合であっても、印刷ムラを生じない窯業系化粧板およびその製造方法を提供することにある。
また本発明の別の目的は、グラビアオフセット用印刷インキで印刷層を設ける大面積の窯業系化粧板を製造する場合であっても、オフセットロールが印刷下地層上で滑ることなく、印刷不良も生じない窯業系化粧板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、上記の従来の課題を解決することができた。
すなわち本発明は、窯業系化粧基板と、前記窯業系化粧基板上の印刷下地層と、前記印刷下地層上の印刷層と、を有する窯業系化粧板において、前記印刷下地層塗料の固形分中の顔料容積比が2.5〜4.0にあるアクリルウレタン系塗料を使用して形成され、5μm〜15μmの面粗さを有するとともに、前記印刷層が、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキによりグラビアオフセット印刷された層であることを特徴とする化粧板を提供するものである。
また本発明は、前記窯業系化粧基板と前記印刷下地層の間に下地調整層を設けたことを特徴とする前記の化粧板を提供するものである。
また本発明は、前記印刷下地層と前記印刷層との付着仕事が75mJ/m〜90mJ/mの範囲にあることを特徴とする前記の化粧板を提供するものである。
また本発明は、前記印刷層上に、さらにトップコート層を設けたことを特徴とする前記の化粧板を提供するものである。
また本発明は、窯業系化粧基板上に、印刷下地層および印刷層をこの順で設ける窯業系化粧板の製造方法において、塗料の固形分中の顔料容積比が2.5〜4.0にあるアクリルウレタン系塗料を使用して、5μm〜15μmの面粗さを有する前記印刷層を形成し、その上に、前記印刷層を、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキによるグラビアオフセット印刷により設けることを特徴とする化粧板の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプのグラビアオフセット用印刷インキを用いて形成した印刷層と、印刷下地層との密着性が良好な窯業系化粧板およびその製造方法が提供される。
また本発明によれば、表面に任意のエンボスパターン(凹凸)が付与されている窯業系化粧基板を使用した場合であっても、印刷ムラを生じない窯業系化粧板およびその製造方法が提供される。
また本発明によれば、グラビアオフセット用印刷インキで印刷層を設ける大面積の窯業系化粧板を製造する場合であっても、オフセットロールが印刷下地層上で滑ることなく、印刷不良も生じない窯業系化粧板およびその製造方法が提供される。
(窯業系化粧基板)
本発明における窯業系化粧基板としては特に制限されないが、セメント板、けい酸カルシウム板、石膏ボード、スラグ石膏板、水酸化マグネシウム板、軽量コンクリート板、およびそれらの繊維強化板、並びに木片セメント板等が挙げられる。
本発明における窯業系化粧基板の厚さはとくに制限されないが、例えば2mm以上の厚みを有するものが好ましい。なお、本発明の窯業系化粧基板において、その表面の形状は特に制限されるものではない。表面の形状は平滑(フラット)であっても、或いは意匠を目的としてエンボスパターン(凹凸)が付与されていてもよい。本発明において、窯業系化粧基板の表面形状が平滑(フラット)とは機械的な研磨によって平滑面を得たものであっても、或いは窯業系化粧基板を製造する際にプレス等により平滑面を得たものであってもよい。また、窯業系化粧基板の表面に付与するエンボスパターンは幾何学的図柄であっても、石、木目等天然の図柄であってもよく、エンボスパターンを設ける方法は、公知のプレス加工、エンボスロール加工等の方法が挙げられる。なお、前記窯業系化粧基板の板厚が2mm以下の場合は、基板の製造効率、或いは歩留まりが悪くなる恐れがある。
(下地調整層)
本発明においては、窯業系化粧基板と印刷下地層との間に、下地調整層を設けてもよい。下地調整層は、次のような機能を有する。
(1)基板表面部分を補強し、化粧板の強度および硬度をさらに向上する;
(2)基板が印刷層に及ぼす影響をさらに低減する。例えば、窯業系化粧基板に起因するアルカリ成分の印刷層への侵入をさらに防止または低減する;
(3)基板自体の色を化粧板として仕上げた際に影響が無くなるまで隠蔽する;および
(4)化粧板としての反りを抑制する。
このような機能を発揮するために、下地調整層は、例えば、シーラー処理、サーフェーサー処理、裏面処理、下塗り等により設けることができる。なお、下地調整層は、前記のような各種機能を発揮するために設けるものであって、設けなくても、あるいはこれらの処理を幾つか組み合わせてもよい。
ここでシーラー処理は、窯業系化粧基板表面部分に下地調整層の塗料を含浸・浸透させて、該表面部分の強度向上、硬度向上を行うほかに、窯業系化粧基板と印刷下地層との密着性向上、あるいは印刷下地層を施す際に窯業系化粧基板に含まれる水分等の影響による不具合の発生を抑制することを目的として行う。
サーフェーサー処理とは、窯業系化粧基板表面の穴を埋め、前記(2)の窯業系化粧基板が印刷層に及ぼす影響をさらに低減するために行う。
裏面処理とは、窯業系化粧基板の裏面(印刷層を設けない面)に対して、化粧板としての反りの抑制、化粧板製造時における反りの抑制、及び得られた化粧板を施工する際に使用する接着材(接着剤、接着テープ等)との接着力の向上、および維持を図ることを目的として行う。裏面処理を行う方法は特に限定されるものではなく、塗装、接着等の公知の手段を用いることが出来る。
下塗り処理とは、窯業系化粧基板の色が印刷下地層、印刷層に影響を与えることのないように隠蔽する役割を担っている。
なお、前記のシーラー処理、サーフェーサー処理、裏面処理、下塗り処理は、当業界で知られた材料および手法を用いて形成することができる。ただし、使用する材料としては、下地調整層が印刷下地層との密着性を損なわず、印刷下地層を形成する際に不具合を及ぼさない樹脂系塗料であるのがよい。例えば、一般的に用いられているウレタン系樹脂塗料、アクリルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、繊維素誘導体系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のイソシアネート化合物等を適用できる。
下地調整層を形成する前記樹脂系塗料の乾燥・硬化方式も特に限定されるものではなく、湿気硬化型塗料、熱硬化型塗料(焼き付け乾燥塗料)、常温硬化型塗料(自然乾燥塗料)、紫外線硬化型塗料、電子線硬化型塗料、触媒硬化型塗料等から製造工程に見合ったものを選定できる。また、下地調整層の塗布方法についても特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコーター法、フローコーター法等、通常の塗装において使用される公知の方法から、使用する材料に適した方法を選定できる。
(印刷下地層)
本発明における印刷下地層は、次のような機能を有する。
(1)窯業系化粧基板自体の色を化粧板として仕上げた際に影響が無くなるまで隠蔽する;
(2)窯業系化粧基板とグラビアオフセット印刷によって形成される印刷層との密着性の向上および維持を図る;および
(3)グラビアオフセット印刷によって印刷する際、所定の図柄を得る目的で転写された印刷インキを短時間で吸い込み、印刷時におけるオフセットロールと前記印刷下地層を施した窯業系化粧基板とのすべり、印刷ムラ等の不具合の防止または低減を図る。
一般的に、グラビアオフセット印刷においては、印刷によって被印刷物上に付着した印刷インキの厚みは、後述する版ロールに図柄を彫刻したセルの深さによって一様ではないものの、総じてスクリーン印刷等によって得られる厚みより薄い。そのため印刷下地層の色が印刷下地層の上に設けた印刷層に透けた状態で化粧板として仕上がるため、印刷下地層は公知の着色顔料により任意に調色できる。
印刷下地層に使用される材料は、窯業系化粧基板、或いは必要に応じて設けられる下地調整層との密着性を損なわず、グラビアオフセット印刷時に不具合を及ぼさない組成を有するものであり、アクリルウレタン系塗料が適用できる。印刷下地層を形成する前記アクリルウレタン系塗料の乾燥・硬化方式特に限定されるものではなく、湿気硬化型塗料、熱硬化型塗料(焼き付け乾燥塗料)、常温硬化型塗料(自然乾燥塗料)、紫外線硬化型塗料、電子線硬化型塗料、触媒硬化型塗料等から製造工程に見合ったものを選定できる。印刷下地層の塗布方法についても特に限定されるものではなく、スプレー法、ロールコーター法、フローコーター法等、通常の塗装において使用される公知の方法から、使用する材料に適した方法を選定できる。
なお、印刷下地層を形成するアクリルウレタン系塗料のP/V比(固形分中の顔料容積比)は2.5〜4が好ましく、更に好ましくは3.0〜3.5の範囲である。P/V比が2.5未満である塗料で形成された印刷下地層は樹脂分が多いため、1m×2mの様に大きい基板へのグラビアオフセット印刷時においては、印刷直後に印刷インキの低粘度成分である油や溶剤が印刷下地層に浸透しにくいため、印刷下地層表面にとどまった印刷インキを介してオフセットロールがすべり、印刷不良をきたしたり、表面にエンボスパターンを付与した窯業系化粧基板への印刷ではエンボスの山部(凸部)と谷部(凹部)とで印刷に違いを生じて印刷ムラとなる恐れがある。また、得られた化粧板の印刷層と印刷下地層との密着性も悪く、印刷品質がばらつく原因となるために好ましくなく、4.0を超えると相対的に印刷下地層中の顔料分が多く、印刷時における印刷インキの浸透性、印刷性等は改善されるものの、樹脂分が少ないために印刷下地層の凝集力が小さくなり、得られた化粧板の密着性試験において、印刷下地層での凝集破壊などの原因となり好ましくない。
印刷下地層の厚さは20μm〜200μmの範囲が好適である。印刷下地層の厚みが20μm未満の場合、窯業系化粧基板の隠蔽性が完全でないために仕上がった化粧板の色調が製造ロットによって異なる恐れがあるため好適でなく、また、200μmを超えると経済的にも非効率であり望ましくない。
本発明の印刷下地層は、印刷下地層表面における任意の領域(エリア)について測定した面粗さが、5μm〜15μmの範囲であることが必要である。面粗さが5μm未満である場合、印刷下地層とその上の印刷層との密着性が悪くなり、また印刷時にオフセットロールの滑りを生じるなど印刷不良を生じるため適切でなく、15μmを超える場合、印刷下地層表面の表面積は大きくなり、印刷インキのアンカー効果は向上するが、印刷下地層の凝集力が低下するため密着性試験での印刷下地層が凝集破壊を生じる恐れ、また、印刷時にインキのにじみ、印刷ムラ等の不良を生じるため適切でない。印刷下地層表面における任意の領域(エリア)について測定した面粗さを、5μm〜15μmの範囲に設定することにより、下記で説明する溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキで印刷する場合、印刷下地層が印刷インキのビヒクルを良好に固着させる作用が出現する。また、低粘度成分を印刷直後に基板に浸透し、印刷不良を生じさせない作用も出現する。
なお、前記面粗さは印刷下地層を形成する塗料のP/V比、粘度、顔料の種類、粒度、粒度分布、形状、分散性、樹脂の種類、塗装条件などにより変動するため、5μm〜15μmの範囲に設定するには、上記各条件を調整する等の手段により達成することができる。
本発明でいう面粗さとは、任意の領域(エリア)について測定した際の十点平均粗さ(Rz)を意味する。すなわちJIS B 0601−1994「表面粗さ−定義と表示」に規定される任意の一線上について測定するいわゆる線粗さとは異なる。十点平均粗さ(Rz)とは抜き取り部分(領域)の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂、および最も低い谷底から5番目までの谷底のそれぞれの標高の絶対値の平均を示したものである。なお本発明によれば、印刷下地層に固着する印刷インキのビヒクルのアンカー効果、印刷下地層と印刷層との密着性は印刷下地層の表面により影響を受けるため、印刷下地層を倍率1000倍に拡大し、270μm×202μmの領域をスポット径が0.59μmのレーザー光で1024本×768本の走査数で測定することで十点平均粗さを算出した。面粗さとしての十点平均粗さを測定する部位は特に規定されるものではなく、印刷下地層を設けた任意の領域を選定すれば良い。また、測定倍率は400倍(領域:675μm×506μm)〜3000倍(領域:90μm×67μm)が好ましく、更に好ましくは1000倍(領域:270μm×202μm)〜2000倍(領域:135μm×101μm)に拡大するのが良い。本発明における面粗さは、後述する印刷層におけるインキのビヒクルのアンカー効果を左右する印刷下地層の表面における形状を測定したものであるため、測定倍率が400倍以下であると、エンボスを付与した窯業系化粧基板上に設けた印刷下地層の面粗さを測定した場合、窯業系化粧基板のエンボス形状の影響を受けるため好ましくない。また、3000倍以上であると測定領域が小さくなるため測定精度に問題を生じる恐れがあるため好ましくない。
印刷下地層塗布前の予備加熱温度は60〜90℃、好ましくは70〜85℃がよい。予備加熱が60℃未満であると必要に応じて設けられる下地調整層が硬化しにくく、また印刷下地層も硬化不十分となり、次の印刷層が塗布されたときに印刷下地層と印刷層との界面で互いが混じり合い、好ましくない。また、特に塗布量が多いフローコーターを使用した場合は下地調整層が硬化せずレベリングして基材の凹部を埋めてしまい、これも好ましくない。予備加熱が90℃を超えると発泡、ふくれ等の塗膜異常を生じる恐れがあるため好ましくない。
(印刷層)
本発明における印刷層とは、化粧板に任意の図柄を得ることを目的としてグラビアオフセット印刷により形成させた層である。グラビアオフセット印刷とは、印刷の版となるシリンダー状の筒(版ロール)の表面に、図柄となる部分にセル(凹部) を設け、その中に印刷インキをいれて余分なインキをかきとった後、オフセットロール(ゴムロール)にインキを移して、その後被印刷板に移すという印刷技法である。グラビアオフセット印刷における印刷回数は、得ようとする印刷柄によって1版刷りであっても、2版印刷以上の多重印刷であってもよいが、印刷図柄の表現性、意匠性を勘案すると、多重印刷が好ましい。
グラビアオフセット印刷に用いられる印刷インキの組成としては、色料としての顔料と顔料を分散し印刷機のインキタンクから被印刷物まで運搬し、被印刷物表面に固着させるビヒクル、および印刷適性等を調整する目的で添加される補助剤からなっている。顔料は水に溶解しない色素で、無機系顔料、有機系顔料に大別出来る。インキ顔料の種類によって耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐薬品性、耐水性等の耐性や色の鮮やかさ、着色力、印刷下地層の隠蔽性、吸油量(顔料100gが一定流動度のペーストになるまでに必要な油のグラム数)等が異なるが、カーボンブラック、チタンホワイト、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルー、レーキレッド等々の公知の顔料から化粧板を使用する環境条件、意匠性等を勘案して適宜選定できる。ビヒクルは印刷インキを構成する成分のうち液体の部分で、質量で全組成の60〜90%を占めるものであり、顔料を分散して印刷インキに流動性を与え、グラビアオフセット印刷機上でインキタンクからインキパン、版ロール、オフセットロールを経て、窯業系化粧基板上に施した印刷下地層へと円滑に印刷インキを転移させること、印刷後は固体に変化して、顔料を印刷下地層上に固着させる役割を担っている。従って、ビヒクルは、印刷機上における挙動、乾燥性、乾燥した印刷インキ被膜の物理的、化学的性質と密接な関係があり、印刷インキの作業性、印刷物の用途に対する適性を含めた総合的な適性を勘案して決定すべき重要な因子である。ビヒクルの組成としては樹脂分、油、溶剤、可塑剤等が挙げられる。印刷インキ用補助剤としては、例えば印刷適性をコントロールする石油留分等、印刷インキ被膜に関係するワックス類等の被膜強化剤、印刷インキの乾燥性をコントロールする乾燥促進剤や乾燥抑制剤、顔料の安定性向上を目的とする分散剤、色分かれ防止剤等、消泡剤などが挙げられる。これらは、化粧板としての用途や印刷機等に勘案して印刷インキに添加する剤であり、使用しなくても、或いは印刷インキの性状が不安定とならない範囲内において複数を組み合わせて使用してもよい。
また、グラビアオフセット印刷に用いられる印刷インキの種類としては、印刷インキの乾燥方式により、1)溶剤乾燥タイプ、2)浸透乾燥タイプ、3)光重合乾燥等に大別できる。1)溶剤乾燥タイプとは、印刷後に熱源によってビヒクル中の溶剤を強制的に蒸発させて乾燥する方式であり、2)浸透乾燥タイプとは印刷後、直ちに印刷インキ中の低粘度成分である油や溶剤が被印刷物の表面に浸透して乾燥する方式であり、3)光重合乾燥タイプとは、例えば紫外線硬化型インキの様に印刷後、紫外線の照射によってビヒクル中の感光性物質が瞬間的に硬化する乾燥方式であるが、本発明における印刷インキは、前記1)、2)の溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプである。前記の通り、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキは乾燥により印刷下地層上に固着した状態にあるため、一般的には印刷下地層との密着性が悪く、密着性が要求される用途には不適当である。本発明においては、乾燥により印刷インキ中の溶剤、油などの揮発浸透成分が蒸発、あるいは印刷下地層中に浸透後に固着した印刷インキのビヒクルと印刷下地層との付着仕事(付着強さ)が75mJ/m〜90mJ/mの範囲であることが好ましく、80mJ/m〜90mJ/mであることが更に好ましい。付着仕事(W)とは、北崎・畑らが提唱した表面自由エネルギーがγ(分散力成分)、γ(極性成分)、γ(水素結合成分)の和とした拡張Fowkesの理論に基づき次式(A)で示されるものである。
Figure 0004712306
つまり表面自由エネルギーは表面張力のことであり、分子間に作用する力である。2つの物質(固体、液体、気体、分子、原子など)が接近すると相互に引っ張り合う(くっつき合う)力が生じ、その力(結合力)の中で、化学結合(物質そのものを形成している結合)でなく物理結合(分子間力、Van der Waals)が表面自由エネルギーの本質となる。固体の表面自由エネルギーを求める代表的な一つとして、Fowkesは、界面の相互作用力の表面自由エネルギーがγとγの物体1、物体2の界面に、Van der Waals力の分散力(d)のみが働いている場合について、Fowkes式を提案した。ここで、物体1を固体(S)、物体2を液体(L)とした場合の固液の界面自由エネルギー(γSL)はFowkes式(1)となり、Youngの式とDupreの式とによるYoung−Dupreの式(2)を組み合わせた式が(3)で示される。
Figure 0004712306
式(3)に示されるようにFowkesは相互作用力として分散力だけしか考慮しなかったが、永久極性効果や誘起極性効果などの極性成分に基づく分子間力による界面相互作用力(γ)、及び水素結合性相互作用力(γ)を考慮した拡張Fowkes理論が前記した式(A)である。
この式(A)でγ 、γ 、γ が既知の3種類以上の液体を用いて印刷下地層、および印刷層それぞれの硬化体について接触角を測定すれば、式(A)は連立方程式となり印刷下地層、および印刷層それぞれの固体での表面自由エネルギーを求めることができる。その結果を式(A)に代入して算出されたものが、付着仕事である。付着仕事が75mJ/m未満である場合は印刷下地層と印刷後に蒸発乾燥あるいは浸透乾燥により固着して得られる印刷層との付着力が弱く、化粧板として仕上がった際の塗膜性能における密着性が劣る。或いは、多重印刷の場合においては、先に印刷によって形成された印刷層が、次版の印刷で剥がれる等の不具合を招く恐れもある。また、付着仕事が90mJ/mを超える場合、上記印刷下地層と印刷層との密着性(付着性)は良好であり、問題ないが、グラビアオフセット印刷時に印刷下地層に付着した印刷インキがにじむ等の印刷不良を来す恐れがあるため好適ではない。
ここで、付着仕事は拡張Fowkes理論に基づいて算出しているため、表面自由エネルギーを測定する際には表面に凹凸が付いた基板上に印刷下地層、印刷層を作製してはならない。必ず平滑基板上での測定が求められる。
印刷インキの樹脂としては、印刷下地層、トップコート層との密着性を損なわず、グラビアオフセット印刷で不具合を及ぼさない組成を有するものであれば、特に限定されるものではなく、一般的に用いられているアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、水溶性樹脂等を適用できる。
グラビアオフセット印刷機としては一般的に公知の機構を有するものであれば、使用可能であるが、好ましくは本発明者らが先に出願した特願2003−14946号記載の印刷装置を用いることで、印刷時におけるオフセットロールのすべり、印刷ムラ、柄抜け等々の印刷不良を生じにくいため特に好適である。
以下、特願2003−14946号記載の印刷装置について説明する。
図1は、1版印刷装置1および2版印刷装置2からなるオフセット印刷装置の概略説明図であり、図2は1版印刷装置1の拡大概略説明図である。
図1において、1版印刷装置1および2版印刷装置2は、主に、それぞれ表面に柄を有する版ロール3、3’、この版ロール3、3’にそれぞれ接するオフセットロール4、4’、このオフセットロール4、4’にそれぞれ所定の間隔を置いて配置された送りロール5、5’からなる1版および2版印刷装置1、2と、送りロール5とオフセットロール4の間および送りロール5’とオフセットロール4’の間に印刷用板材6,6’を送り込むための送り込み装置7、7’とからなっている。なお、1版印刷装置1と2版印刷装置2とは同一構造であり、以下、図2について、1版印刷装置1のみについて説明する。
金属製版ロール3の下部にはインキパン8が配設され、版ロール3の表面に刻設された柄に塗布するための印刷用インキ9が充填されている。なお、余分に塗布されたインキを掻き取り、塗布量を均一にするための掻き取り刃10が、版ロール3の表面に接する位置とそこから離れる位置とに進退可能に設けられている。特に、大切なのは版ロール3の駆動軸11に設けられたパルスエンコーダ 12であり、このパルスエンコーダ12からの信号は図示しない装置の制御装置に送られる。
オフセットロール4は、表面をゴム4aで覆われた弾性ロールで、その側面には、洗浄液14を入れた洗浄パン13が配設され、塗布ロール13aを介してオフセットロール4の表面に洗浄液14を塗布し、その表面を清浄にする。なお、塗布された洗浄液をその表面から掻き落とすために、掻き取り刃15がオフセットロール4の表面に接する位置に配置されている。また、オフセットロール4の駆動軸16にもパルスエンコーダ17が設けられ、そこからの信号はオフセットロール4の回転状態を示すものとして、上述の図示しない装置の制御装置に送られる。
送りロール5は、オフセットロール4の下方で装置のフレームに固定的に取り付けられている。これに対し、版ロール3とインキパン8およびオフセットロール4と洗浄パン13は全体が一体としてフレームに支持され、また、それぞれ独立して相互の位置関係を調整することができる。したがって、板材の厚さが変るときなどの送りロール5とオフセットロール4の間の間隙の調整は、版ロール3とオフセットロール4の取り付け位置を一緒に変更することによって行われるものである。送りロール5は傷がつき難い金属、例えば鋼鉄で作られている。なお、送りロール5の駆動軸18にも、パルスエンコーダ19が設けられ、そこからの信号は送りロール5の作動状態を示すものとして、上述の図示しない装置の制御装置に送られる。
送り込み手段7は、1版印刷装置1の排出コンベアを兼ねる供給コンベア20、送りコンベア21、フック手段22およびレーザーセンサである第1および第2板材検出手段23、24からなっている。フック手段22はねじを切った軸26の回転によって駆動され、その軸26を支持するめねじが形成されているケーシング25および軸26の先端に取り付けられ、板材6の後端に係合するフック27からなっている。このフック手段は図示しないサーボモータで駆動され、このサーボモータの回転数をモニタすることによりフック27の位置は制御装置により割り出される。なお、フック手段22は、流体回路により駆動されることもできる。今、第1板材検出手段23が供給される板材6の後端を検出すると、送りコンベア21は回動を停止するとともにフック27がその後端に係合し、制御装置によって制御されるサーボモータの回転によって軸26が前進、フックが押出されるので、制御された所定の送り込み速度で板材6をオフセットロール4と送りロール5の間隙に進めることができる。
一方、排出コンベア20’は2版印刷装置2に対する送り込み手段7’の一部を構成し、その上方にはねじを切った軸を備えている。なお、排出コンベア20’の上方には印刷された柄ピッチを測定するための特定の模様またはマークを検出する検出手段28すなわちマーク読取装置が設けられている。なお、マーク読取りは通常の光学装置(カメラ)によるが、印刷された画像を処理する方法を有するものや、また、インキの有無による反射率、光吸収率、色差等を検知する検出手段であってもよく、複数の検出手段を設けてもよい。さらに、この検出手段からの信号により板材の排出を確認し、2版印刷装置2への送り込みの準備をすることができる。
実施に当たっては、印刷を開始する前の初期設定が重要であり、以下に説明する。先ず、版ロール3とオフセットロール4とを線接触させる。この接触幅は版ロール3からオフセットロール4に柄を転写するために重要であると共に、版ロール3の周速度を変更してオフセットロール4の周速度に対する版ロール3の周速度の割合を調整する上でも重要である。すなわち、線接触となる版ロール3のオフセットロール4への食い込み量(ニップ幅)は約0.1〜0.3mmであり、この程度の接触であれば、版ロール3表面の凹版彫刻内部に保持された適量のインキにより両ロール間が適当に潤滑されるため、版ロール3の回転数を制御するために要するトルクも少なくて済み、正確な転写と正確な周速度の調整が可能である。この版ロール3とオフセットロール4の食い込み量の調整は、オフセットロール4の表面に版ロール3からインキが転写され、板材5に印刷される前のオフセットロール4の表面に向けてカメラ等のセンサを設け、装置の各部分の初期設定の終了後の試印刷の際に、オフセットロール4上に転写された柄やマークを読み取り、そのタイミングとオフセットロールの回転角(周速度)から、オフセットロール4上に転写された柄の柄ピッチを算出し、最初の版ロール3の周速度が基準周速度となるように調整する。
次に、オフセットロール4と送りロール5間の間隙の調整である。この間隙の適正さは印刷される板材の厚さに依存し、通常、板材の厚さから0.5〜2.5mm程度の押し付け量を差し引いた大きさが好ましい。なお、この押し付け量は、インキの質、板材の材質や表面状態および印刷中における板材の変形程度、オフセットロールの材質、硬度や肉厚および直径、このオフセットロールから柄が板材に印刷される際にその板材を保持している送りロールの剛性あるいは板材の温度によっても相違する。例えば、表面に凹凸のある梨地柄を厚さ5mmの板材に印刷する場合には、オフセットロール4と送りロール5との間隙を3.5mmとし、1.5mmの押し付け量が適している。結局、この間隙は、装置の各部分の初期設定の終了後の試印刷によって最終的に調整される。
なお、版ロール3に塗布された余分なインキを掻き取る掻き取り刃10と版ロール3との間隔は、インキパン8の版ロール3に対する位置と共に、既に知られているように、使用するインキを考慮して初期設定として設定される。同様に、オフセットロール4の表面に残ったインキを洗浄するための洗浄液をオフセットロール4の表面から掻き取る掻き取り刃15とオフセットロール4の間隔は、使用する洗浄液を考慮して初期設定の段階で設定される。しかしながら、いずれの場合にも、印刷開始後に調整するこができるものである。
送り込み手段7による送り込み速度は、専らフック手段22の速さによって決定される。すなわち、所定の速度(印刷速度)で送られてきた板材6の先端が第1板材検出手段であるレーザーセンサ23により検出されると、その信号が装置の制御装置に送られ、その制御装置からの指令によりフック手段22が作動される。また、板材6の後端がそのレーザーセンサ23で検出されると、送りコンベア21は停止される。以後、板材6の速度はフック手段のフック27の速度に従うものである。なお、版ロール3の周速度からオフセットロール4に転写された柄の先頭が印刷位置Pに達するタイミングを計算し、この柄の先頭が印刷位置Pに達すると同時に、板材6の先端がその印刷位置Pに来るように、フック手段22を駆動するサーボモータの回転数が設定される。
停止した送りコンベア21は板材6に対し、多少のブレーキ作用を果たすことがあるが、板材6の送り込み速度に影響を与えることはない。なお、実際の印刷中に、版ロール3の周速度は変化し、その変化は駆動軸11に設けられたパルスエンコーダ12から装置の制御装置にフィードバックされ、フック手段の速度もこの版ロール3の速度を基準に算出される。なお、オフセットロール4の周速度に対する版ロール3の周速度の割合は変化するが、オフセットロール4の周速度は一定である。したがって、印刷地点Pに達した板材6は、以後、送りローラ5とオフセットロール4の周速度によりコントロールされて一定の速度で印刷される。なお、オフセットロール4から柄を印刷されている状態での板材の送り速度は、主にオフセットロール4の周速度と同期している。
この装置を利用した実際の印刷においては、柄又はマーク検出手段28からの信号により、制御装置において、予定された柄ピッチに対する印刷された柄ピッチの伸縮量を割り出し、印刷された柄ピッチが伸長している場合には、その伸長量に応じてオフセットロール4の周速度に対する版ロール3の周速度の割合を大きくして、板材6に印刷される柄ピッチを予定された柄ピッチに短縮することができる。また、印刷された柄ピッチが短縮されている場合には、その短縮量に応じてオフセットロール4の周速度に対する版ロール4の周速度の割合を小さくして、板材6に印刷される柄ピッチを予定された柄ピッチに伸長することができる。
なお、上記例では印刷装置が水平に配列されているが、垂直型としてもよい。
また、印刷下地層を施した窯業系化粧基板の板温をプレヒートによって30℃〜100℃に加熱した状態で印刷することが好ましく、更に好ましくは40℃〜70℃である。前記板温が30℃未満の場合、一年を通じて安定した板温での印刷がしにくい。また多重印刷の場合においては、印刷下地層上に印刷された印刷インキの乾燥性が遅くなるため、印刷機間の距離を長くする必要があり、或いは先に印刷した印刷層が次版の印刷時に取られる恐れがあるため好適でなく、100℃を超える場合は窯業系化粧基板と接するオフセットロールのゴム材質が熱により変形・変質を来したり、印刷層にワキなどの不具合を生じる恐れがあるため不適である。
印刷時における下地処理層を施した窯業系化粧基板の板厚に対して、オフセットロールを何ミリ押し当てるかで定義される印圧は窯業系化粧基板の表面形状、印刷性状に勘案して適宜選定できる。また、線接触となる版ロールのオフセットロールへの食い込み量として定義するニップ幅は、版ロールからオフセットロールへの図柄の転移状況を見ながら適時決定できる。
また、オフセットロールのゴム材質は、一般的に使用されるブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、フッ素ゴム、SBRゴム、ポリエステルウレタンゴム等々から印刷インキとの相性、印刷インキ、及びオフセットロールの洗浄用溶剤によるロールの膨潤安定性などを考慮した上で選定することが好ましい。また、オフセットロールのゴム硬度も特に限定されるものではなく、使用する窯業系化粧基板の表面形状への追従性、印刷の仕上り外観等を勘案して選定できる。
また、本発明においては、前記印刷層を施した上層に化粧板としての意匠性を更に高めることを目的として、加飾層を設けてもよい。加飾層とは各種技法により図柄を付与した層であり、加飾層の形成に使用される材料は印刷層、トップコート層との密着性を損なわず、且つ、既に形成してある印刷層、或いは次工程で形成するトップコート層に不具合を及ぼさない組成を有するものであれば、特に限定されるものではなく、また、加飾技法としても公知のインクジェット印刷、スクリーン印刷、スパッタリング、転写等の方法が挙げられる。
本発明において必要に応じて設けられるトップコート層とは、前記印刷層、或いは加飾層の上に施した層であり、印刷層、あるいは加飾層の保護層としての役割を担うとともに、化粧板に更なる意匠性(深み感、立体感、陰影感等)を付与するものである。また、化粧板に各種機能性(例えば、抗菌性、抗カビ性、防汚性、帯電防止性、自己洗浄性等)を付与するための層でもある。例えば、ヘイズメーター等を用いて公知の方法で測定できる全光線透過率が30%以上の透明または半透明硬化樹脂層、前記透明または半透明硬化樹脂中に更なる意匠性付与を目的とした着色された顔料、光輝性顔料等の顔料を含有している層、JIS K 5400に基づく60度鏡面反射率が50%以下になるようなつやけし材を含有する樹脂層、機能を付与する目的として樹脂中に抗菌剤、変性シリコーン添加剤、紫外線吸収剤等の添加材を含有する或いは予め樹脂に上記機能が付加された層などである。
トップコート層の形成に使用される材料としては、印刷層或いは加飾層との密着性を損なわない組成を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が使用でき、熱硬化型(焼き付け乾燥)、常温硬化型(自然乾燥)、紫外線硬化型、電子線硬化型のいずれであってもよい。また、トップコート層を形成する方法も、特に限定されるものではなく、公知の塗装(ロールコーター、フローコーター、スプレー)、各種印刷法、転写法等の方法が挙げられる。
また、トップコート層には、流動調整剤、レベリング剤、分散剤等が添加されていてもよい。
本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は、これらの例により限定されるものではない。
(実施例1)
抄造法によって製造した未硬化の繊維強化セメント板の表面に、凹凸を有するFRP製の凹凸型版を当接させて加圧することで繊維強化セメント板の表面に凹凸の意匠を付与した後、常温下で2時間一次養生させて表面を硬化させた後、前記FRP型版を抜き取りオートクレーブに入れ120℃で8時間保持して反応硬化させた後に乾燥して、表面に凹凸の意匠を設けた厚み5mmの窯業系化粧基板(幅:1000mm×長さ:2000mm)を作製した。
次に、前記基板の表面温度を予め70℃に調整し、その上に印刷下地層として、加熱残分69%、P/V比(固形分中の顔料容積比)3.5の熱硬化性のアクリルウレタン系塗料(着色顔料は酸化チタンと少量のカーボンブラック、酸化鉄)をロールコーターで40g/m、フローコーターで160g/m(80g/m×2回塗り)、計200g/m塗装し、その後3乾燥ゾーンからなるジェット乾燥機を通過させて硬化させた。前記乾燥機における各乾燥ゾーンの温度は上流から順に90℃−100℃−110℃に設定し、乾燥機内の滞留時間は90秒、前記乾燥機の出口時板温は85℃であった。印刷下地層の塗装時、および乾燥硬化後に特筆すべき塗装不良は発生しなかった。この条件で得た印刷下地層を(株)キーエンス製超深度形状測定顕微鏡VK−8550を使用して1000倍に拡大して0.59μmのスポット径のレーザー光で270μm×202μmの視野領域を1024×768本で走査し、上記印刷下地層表面の十点平均粗さをn=10で算出した。その結果十点平均粗さは7.8μmであった。
また、上記形成条件と同一条件にて表面が平滑な板(電気亜鉛メッキ鋼板)に塗装した印刷下地層上に表面張力(γ 、γ 、γ )が既知である水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンの3種類の溶媒を用いて、20℃下でそれぞれの接触角を測定し、表面自由エネルギーを上記拡張Fowkesの理論を適応して算出した。その結果、上記塗装条件で形成した印刷下地層の表面自由エネルギーは48mJ/mとなり、各成分はγ =42.0mJ/m、γ =0.2mJ/m、γ =5.8mJ/mとなった。
続いて、表面温度を55℃に調整した印刷下地層上に、特願2003−14946号(板材に対する印刷方法およびその装置)に記載した機構を有するグラビアオフセット印刷機にて、蒸発乾燥タイプのアクリル系溶剤インキを使用して2版からなる図柄を印刷して印刷層を得た。グラビアオフセット印刷時の印圧は1.5mm、ニップ幅は0.1mmに設定し、印刷速度は30m/minとした。また、印刷下地層に印刷インキを転移させた後もオフセットロールに残る印刷インキを洗浄するための洗浄用溶剤としては高沸点溶剤であるブチルセロソルブ(化学名:2−n−ブトキシエタノール)を使用した。また、印刷インキは前記ブチルセロソルブを使用して岩田#2カップで液温20℃時に30秒±5秒の範囲になるように予め調整したもので印刷を行った。上記方法にて印刷を実施した際に印刷インキのにじみ、オフセットロールの滑り痕跡、印刷ムラ、柄抜け等は発生しなかった。
また、上記層形成条件と同一条件にて表面が平滑な板(電気亜鉛メッキ鋼板)に印刷し、乾燥させて得た印刷層上に、表面張力(γ 、γ 、γ )が既知である水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンの3種類の溶媒を用いて、20℃下でそれぞれの接触角を測定し、表面自由エネルギーを上記拡張Fowkesの理論を適応して算出した。その結果、上記塗装条件で形成した印刷下地層の表面自由エネルギーは43.9mJ/mとなり、各成分はγ =28.9mJ/m、γ =12.0mJ/m、γ =3.0mJ/mとなった。
上記印刷下地層の表面自由エネルギーと印刷層の表面自由エネルギーから式(A)を用いて、印刷下地層と印刷層の固体−固体間の付着仕事(Wa)を求めた。本実施例での付着仕事は81.1mJ/mであった。
続いて、トップコート層として、全光線透過量が89%の紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂塗料を50℃に調整した印刷層上にフローコーターで90g/m塗装し、50℃雰囲気中で3分間セッティングした後、6m/minで移動させながら80W/cmの高圧水銀ランプ2灯の条件で紫外線を照射し硬化させて、化粧板を得た。
上記実施例に記載の方法で得た化粧板について、塗膜密着性(4mm角碁盤目セロテープ密着)を評価した結果、初期状態で16/16、耐温水性(60℃温水中に240時間浸漬)後における二次密着性も16/16であり、良好な密着性を有していた。
(実施例2)
窯業系化粧基板として、抄造法によって製造した未硬化のけい酸カルシウム板を用い、その表面に、凹凸を有するFRP製の凹凸型版を当接させて加圧することでけい酸カルシウム板の表面に凹凸の意匠を付与した。続いて、常温下で6時間一次養生させた後、前記FRP型版を抜き取りオートクレーブで入れ180℃で14時間保持して反応硬化させ乾燥した。得られた基板は、表面に凹凸の意匠を設けた厚み6mm(幅:1000mm×長さ:2000mm)のものである。また、印刷下地層を塗装する前工程で、基板の硬度向上、塗装性向上等を図る目的でイソシアネート化合物(ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI))を主成分とした含浸シーラーをロールコーターで40g/m塗装して下地調整層を設けた。それ以外は実施例1を繰り返した。
得られた印刷下地層の十点平均粗さは11.9μmであった。本実施例での付着仕事は81.1mJ/mであった。
上記実施例に記載の方法で得た化粧板について、塗膜密着性(4mm角碁盤目セロテープ密着)を評価した結果、初期状態で16/16、耐温水性(60℃温水中に240時間浸漬)後における二次密着性も16/16であり、良好な密着性を有していた。
(比較例1)
実施例1において、印刷下地層を加熱残分58%、P/V比(固形分中の顔料容積比)1.2のアクリルウレタン系塗料Bで塗装した以外は実施例1を繰り返した。
印刷下地層を塗装した際の塗装不良は発生しなかった。また、得られた印刷下地層の面粗さ(十点平均粗さ)は1.1μmであった。この時上記層形成条件と同一条件にて表面が平滑な板(電気亜鉛メッキ鋼板)に印刷し、乾燥させて得た印刷層上に、表面張力(γ 、γ 、γ )が既知である水、ジヨードメタン、1−ブロモナフタレンの3種類の溶媒を用いて、20℃下でそれぞれの接触角を測定し、表面自由エネルギーを上記拡張Fowkesの理論を適応して算出した。その結果、上記塗装条件で形成した印刷下地層の表面自由エネルギーは42.8mJ/mとなり、各成分はγ =40.7mJ/m、γ =0mJ/m、γ =2.1mJ/mであった。上記印刷下地層の表面自由エネルギーと印刷層の表面自由エネルギーから式(A)を用いて、印刷下地層と印刷層の固体−固体間の付着仕事(Wa)を求めた。本比較例での付着仕事は73.6mJ/mであった。
1m×2mサイズにグラビアオフセット印刷した際、オフセットロールが滑り、印刷不良となった。
得られた化粧板の密着性は初期密着性が0/16〜5/16とバラツキ、また耐温水性試験後における二次密着性は0/16で、全箇所で剥離した。
(比較例2)
実施例1において、印刷下地層を加熱残分68%、P/V比(固形分中の顔料容積比)5.3のアクリルウレタン系塗料Cで塗装した以外は実施例1を繰り返した。
印刷下地層を塗装した際の塗装不良は発生しなかった。また、得られた印刷下地層の面粗さ(十点平均粗さ)は16.3μmであった。本比較例での付着仕事は93.1mJ/mであった。
1m×2mサイズにグラビアオフセット印刷した際、オフセットロールのすべり等は認められなかったが、印刷柄における線の部分でにじみを生じ、印刷版の図柄通りの印刷が出来なかった。得られた化粧板の初期密着性は16/16と良好であったが、耐温水性試験後における二次密着性は、印刷下地層が凝集破壊したため8/16〜11/16となった。
本発明によれば、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプのグラビアオフセット用印刷インキを用いて形成した印刷層と、印刷下地層との密着性が良好な窯業系化粧板およびその製造方法が提供される。
また本発明によれば、表面に任意のエンボスパターン(凹凸)が付与されている窯業系化粧基板を使用した場合であっても、印刷ムラの生じない窯業系化粧板およびその製造方法が提供される。
また本発明によれば、グラビアオフセット用印刷インキで印刷層を設ける大面積の窯業系化粧板を製造する場合であっても、オフセットロールが印刷下地層上で滑ることなく、印刷不良も生じない窯業系化粧板およびその製造方法が提供される。
本発明の化粧板の印刷に好適な、連設された2台の印刷装置の側面図である。 該印刷装置の拡大側面図である。
符号の説明
1,2 印刷装置
3,3’ 版ロール
4,4’ オフセットロール
5,5’ 送りロール
6,6’ 板材
7,7’ 送り込み装置
8 インキパン
10、15 掻き取り刃
12、17、19 パルスエンコーダ
14 洗浄パン
22 フック手段
23,24 板材検出手段
26 軸

Claims (5)

  1. 窯業系化粧基板と、前記窯業系化粧基板上の印刷下地層と、前記印刷下地層上の印刷層と、を有する窯業系化粧板において、前記印刷下地層塗料の固形分中の顔料容積比が2.5〜4.0にあるアクリルウレタン系塗料を使用して形成され、5μm〜15μmの面粗さを有するとともに、前記印刷層が溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキによりグラビアオフセット印刷された層であることを特徴とする化粧板。
  2. 前記窯業系化粧基板と前記印刷下地層の間に下地調整層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記印刷下地層と前記印刷層との付着仕事が75mJ/m〜90mJ/mの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
  4. 前記印刷層上に、さらにトップコート層を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化粧板。
  5. 窯業系化粧基板上に、印刷下地層および印刷層をこの順で設ける窯業系化粧板の製造方法において、塗料の固形分中の顔料容積比が2.5〜4.0にあるアクリルウレタン系塗料を使用して、5μm〜15μmの面粗さを有する前記印刷層を形成し、その上に、前記印刷層を、溶剤乾燥タイプ、或いは浸透乾燥タイプの印刷インキによるグラビアオフセット印刷により設けることを特徴とする化粧板の製造方法。
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