JP4711069B2 - カチオン変性アルギン酸誘導体及び該物質を含む化粧料組成物 - Google Patents

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Description

【技術分野】
本発明は化粧料組成物に配合した場合、泡立ち及び泡質等の泡の感触改善と、毛髪や皮膚に対する吸着性が良く良好なコンディショニング効果をもたらすと共に、造膜性を有することで、乾燥後にはごわつき感の無い良好な仕上げ感をもたらすカチオン変性アルギン酸誘導体と、これを配合した化粧料組成物、特に毛髪処理用組成物に関する。
【背景技術】
洗浄を目的とした毛髪処理用組成物には、洗髪、すすぎ時の毛髪の絡まり合いによる損傷や、洗髪後の感触改善の為にコンディショニング剤が配合されている。この為、コンディショニング剤は毛髪に吸着する事が必須であり、コンディショニング効果を与える物質としては、主としてイオン性に基づく吸着作用を有するカチオン性ポリマーが用いられている。カチオン性ポリマーとしては、セルロース誘導体やグアーガム、デンプン等のポリサッカライドに第4級窒素含有基を導入して得られる水溶性高分子や、ジアルキルジアリルアンモニウム塩重合体等が使用されている。例えば、特許文献1にはシャンプーや毛髪化粧料に、第4級窒素含有基を導入したカチオン変性セルロース誘導体を使用することが示されている。さらには、特許文献2には第4級窒素含有基を導入したカチオン変性デンプンを、特許文献3、特許文献4には第4級窒素含有基を導入したカチオン変性グアーガムを、シャンプー、リンス等のヘアケア製品に使用することが示されている。また特許文献5には、毛髪への付着性が良好であり、セット成分としても機能するカチオン変性セルロース誘導体を使用し、更に滑らかさや艶やかさを付与できる高分子量ジメチルシロキサンと、しっとり感を付与できる特定の糖アルコールなどを含有する毛髪化粧料が示されている。
一方、セット効果を示す毛髪処理用組成物では、特許文献6にシャンプー、リンス、コンディショナーに配合した場合、コンディショニング効果を発揮する一方でムース等の整髪料に配合した場合、セット効果を示すポリグリセリン変性シリコーン化合物を含有することを特徴とする頭髪化粧料が、特許文献7には、セット効果を有する熱ゲル化性高分子物質を利用したヘアスタイリング剤が示されている。しかし前記の使用例には、本発明のようなカチオン変性アルギン酸誘導体が毛髪処理用組成物に使用され、泡立ち泡質等の泡の感触改善と、優れたコンディショニング効果及び乾燥後にセット効果を与える旨の記載はない。
また一方で、皮膚化粧料組成物の場合には、石鹸及びアニオン界面活性剤等が汎用されるが、洗浄の際、皮膚の油脂成分を必要以上に除去してしまい、皮膚に対してつっぱり感が生じるという問題もある。このような不都合を解消し、しっとり感を付与する効果から、ボディ用洗浄剤等の皮膚化粧料組成物にもカチオン性ポリマー等のコンディショニング剤や、グリセリン等の保湿剤が配合されており、特許文献8にはグアーガム及び類似構造のローカストビーンガムをカチオン変性したカチオン、ポリガラクトマンナンが、シャンプー、リンス等のヘアケア製品及びボディ用洗浄剤(ボディソープ)に使用することが示されている。
さらに、特許文献9には、ジアルキルジアリルアンモニウム塩の共重合体と第4級窒素含有基を導入したセルロース誘導体とを配合したシャンプー組成物が、洗髪時につるつるした指通りと滑らかな泡感触を与え、かつすすぎ時の毛髪にさらっとした滑らかな指通りを与えると共に、仕上がり時に毛髪に良好な艶を与えることが示されている。また、これらのカチオン性ポリマーを配合する事でクリーミィな泡質が得られたり、皮膚に対してつっぱり感を解消し、しっとり感を付与する効果からボディ用洗浄剤等の皮膚化粧料組成物へも配合されている。
また一方、特許文献10には、高級脂肪酸を洗浄主成分として、アルギン酸塩と特定の構造を有するアルキルグルコシド脂肪酸エステルとを配合することにより使用感の優れた洗浄剤組成物が、特許文献11には、アルギン酸、ペクチン酸等のポリウロン酸とカチオン化デキストラン誘導体との高分子電解質錯体を有効成分として含有することを特徴とする脂質低下剤が、特許文献12には、多糖類とL−アルギニンを含有する保湿性、柔軟性に優れる皮膚外用剤が示され、多糖類として酸性ヘテロ多糖類、キサンタンガム、カチオン化セルロース等と共にアルギン酸が含まれている。しかし前記の使用例には、本発明のアルギン酸誘導体に第4級窒素含有基を導入した、カチオン変性アルギン酸誘導体がコンディショニング剤として優れた効果を与える旨の記載はない。
さらに、特許文献13には、身体手入れ製品及びシャンプー用途に、ハイドロフオーブ(疎水)置換した水溶性カチオン多糖類が示され、多糖類として、セルロース、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、キトサン、天然ガム又は生物学的に誘導された多糖と共にアルギネート(アルギン酸)が含まれているが、本発明のアルギン酸誘導体に第4級窒素含有基を導入した、カチオン変性アルギン酸誘導体がコンディショニング剤として優れた効果と、造膜性を有することで泡立ち及び泡質等の泡の感触改善とセット効果を与え、皮膚化粧料組成物へ配合した場合、感触改善を与える旨の記載はない。
またさらに、特許文献14には多糖類の一つとしてグアーガム、ローカストビーンガム、寒天、カードラン等と共にアルギン酸をカチオン化した、カチオン化誘導体が、分散剤としてスプレー式容器入り液体洗浄剤組成物に使用されることが、特許文献15には該カチオン化誘導体が増粘剤として清掃用洗浄剤含侵シートに使用されることが示されている。また、特許文献16にはそれらの分散剤としての固体粒子分散系洗浄剤組成物への使用が示されている。しかし、同様に前記の使用例にも、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体が毛髪処理用組成物や皮膚化粧料組成物に使用され、優れたコンディショニング効果と、造膜性を有することで泡立ち及び泡質等の泡の感触改善と乾燥後のセット効果を与える旨の記載はない。
一方、海藻中のコンブやワカメなどの褐藻類の細胞壁にカルシウム塩等として含まれる天然多糖類で、L−グルロン酸とD−マンヌロン酸のウロン酸ユニットが1,4グリコシド結合で結合した重合体であるアルギン酸誘導体に関しては、非特許文献1にグルロン酸とマンヌロン酸のポリマーが、食品或いは飼料工業で増粘剤、ゲル化剤として、また生化学分野において固定化剤或いは熱や火などからの保護材として使用されることが、また、非特許文献2にはカチオン存在下でゲルを形成する性質から食品、化粧品及び医療材料分野で利用され、さらに、褐藻類に属する海藻、ラミナリアディギタータ(Laminaria digitata)より得られるL−グルロン酸とD−マンヌロン酸からなる多糖類を酵素で解重合して得たアルギン酸主体のオリゴ糖及びそのキレート化合物が皮膚保護効果、鎮静作用、抗炎症効果、免疫保護効果を有し、化粧品原料として有用であることが、非特許文献3にはアルギン酸ナトリウムが、陰イオン又は非イオンと良く適合することからシャンプーに配合することで毛髪に薄い皮膜を作り、仕上げを盛りたたせるほか、保水効果及び泡の安定を良くすることからシェイビングクリームにも使用され、さらに高粘性、乳化安定能、コロイド分散性などの性質を有し、粘性付与剤、分散剤、乳化安定剤、フィルム形成剤などの用途に利用されることが示されている。非特許文献4には、アルギン酸カルシウムの球状ポリマーが吸水性を有することで、デオラントパウダーや夏用ファンデーション等の汗が発生する季節の商品に配合することで商品の高機能化を実現していることが示されている。しかし、前記のいずれの文献にも本発明のアルギン酸誘導体に第4級窒素含有基を導入した、カチオン変性アルギン酸誘導体がコンディショニング剤として優れた効果と、造膜性を有することで泡立ち及び泡質等の泡の感触改善とセット効果を与え、さらに皮膚化粧料組成物へ配合した場合、感触の改善を与える旨の記載はない。
【特許文献1】
特公昭47−20635号公報(第5
【特許文献2】
特公昭60−42761号公報(第1−9頁)
【特許文献3】
特開昭55−164300号公報(第1−2
【特許文献4】
特開平4−364111号公報(第1−6
【特許文献5】
特開平5−112437号公報(第1−3
【特許文献6】
特開平10−316540号公報(第2−3
【特許文献7】
特開2001−342117号公報(第2−4
【特許文献8】
特開平7−238186号公報(第2−3、5−6
【特許文献9】
特開平1−128914号公報(第1−3
【特許文献10】
特開平10−310798号公報(第1−6
【特許文献11】
特開昭61−64701号公報(第2−42
【特許文献12】
特開平7−33635号公報(第1−2
【特許文献13】
特開昭61−181801号公報(第1−34
【特許文献14】
特開平10−121099号公報(第2−4
【特許文献15】
特開平10−287900号公報(第3、第6
【特許文献16】
特開平10−88196号公報(第2、第5
【非特許文献1】
FRAGRANCE JOURNAL、1994年4月号(第71−73
【非特許文献2】
FRAGRANCE JOURNAL、2002年5月号(第74−83
【非特許文献3】
FRAGRANCE JOURNAL、1999年4月号(第82−83
【非特許文献4】
FRAGRANCE JOURNAL、1999年4月号(第65−67
カチオン変性セルロース誘導体は、毛髪処理用組成物配合時にはアニオン界面活性剤と複合塩を形成して毛髪に吸着し、すすぎ時に優れたコンディショニング効果を示す反面、乾燥後にごわつき感を示し、感触が悪くなるという課題がある。また、カチオン変性グアーガムは、乾燥後のごわつき感は少ないものの、吸着量が少なく、すすぎ時のコンディショニング効果は弱いという課題がある。さらに、コンディショニング効果が十分でもセット効果を示さなかったり、また特許文献6のように、用途によりコンディショニング効果及びセット効果を示すものであっても、非イオン性であるが為に、アニオン性である毛髪表面には、従来の第4級窒素含有基を導入したセルロース誘導体等のカチオン性ポリマーと比較すると、多くの吸着は期待出来ず、その効果も十分満足出来ない場合がある。また、皮膚化粧料組成物にカチオン性ポリマー等のコンディショニング剤や、グリセリン等の保湿剤を配合した場合、処方中の配合量によってはべたつき、ぬるつきを生じる場合もあり、使用時の感触を十分に満足することが出来ないという課題がある。さらに、これらのカチオン性ポリマーは滑らかな泡質を得ることは出来るが、処方によっては十分な泡立ちを得ることが出来ずに、使用時の感触を十分に満足することが出来ないという課題がある。
【発明の開示】
かかる実情において、本発明者らは従来のカチオン性ポリマーのもつ、毛髪処理用組成物に配合した時のすすぎ時のコンディショニング効果と、乾燥後の仕上がり感を改善し、毛髪にセット効果を付与でき、さらに皮膚化粧料組成物に配合した時の皮膚に対するつっぱり感、かさつき感を解消し、べたつき感、ぬるつき感を改善し、泡立ち及び泡質等の泡の感触改善をする化合物について鋭意検討した。その結果、海藻中のコンブやワカメなどの褐藻類(学名Phaeophyceae)の細胞壁にカルシウム塩等として含まれる天然多糖類でL−グルロン酸とD−マンヌロン酸のウロン酸ユニットが1,4グリコシド結合で結合した重合体であるアルギン酸誘導体に特定量の第4級窒素含有基を導入し、かつカチオン電荷量を特定範囲に調節したカチオン変性アルギン酸誘導体が、化粧料組成物におけるコンディショニング剤として優れた特性をもち、特に毛髪処理用組成物においては、造膜性が良好なことから乾燥時に毛髪にセット効果を付与でき、さらに均一な膜形成により泡の感触が改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って本発明の第一の態様は、シャンプー、リンス、セット剤、整髪料、ヘアカラーなどの各種毛髪処理用組成物、皮膚化粧料組成物、その他メイクアップ剤等の化粧料組成物を対象とするものであって、ウロン酸ユニットが1,4グリコシド結合で結合した重合体であるアルギン酸誘導体に含まれる水酸基の一部が、下記化学式(1)で表される第4級窒素含有基で置換されたカチオン変性多糖類であって、かつ、該第4級窒素含有基由来のカチオン電荷量が0.1〜3.0meq/gであるカチオン変性アルギン酸誘導体を含有する化粧料組成物関する。
【化2】
Figure 0004711069
(式中R1、R2は各々炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜24のアルキル基を示し、X-は陰イオンを示す。nは、n=0又はn=1〜30を示し、n=1〜30のとき、(R4O)nは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの重合体残基であって、単一のアルキレンオキサイドからなるポリアルキレングリコール鎖及び/又は2種類以上のアルキレンオキサイドからなるポリアルキレングリコール鎖を示す。)
本発明の第の態様は、前記ウロン酸ユニットが1,4グリコシド結合で結合した重合体であるアルギン酸誘導体が、海藻中の褐藻類(学名Phaeophyceae)に含まれるL−グルロン酸とD−マンヌロン酸の2種類のウロン酸から構成される天然多糖類の誘導体である第の態様記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、前記カチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン変性が、グリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を用いてなされたものである第又は第の態様記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、前記カチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン変性が、アルギン酸誘導体に含まれる水酸基の一部に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加し、続いてカチオン化剤としてグリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を用いてなされたものである第又は第の態様記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、前記カチオン変性アルギン酸誘導体がナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルギン酸塩である第ないし第の態様のうちいずれか一の態様に記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、前記カチオン変性アルギン酸誘導体の含有量が組成物全体を100質量%として、0.05〜5質量%である第ないし第の態様のうちいずれか一の態様に記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、さらに、他のカチオン性水溶性高分子及び/又は両性水溶性高分子を、組成物全体を100質量%として、5質量%以下含有することを特徴とする第ないし第の態様のうちいずれか一の態様に記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、さらに、アミドアミン化合物と有機酸及び/又は無機酸等の中和剤とさらに、高級脂肪酸及び/又は高級アルコールを含むことを特徴とする第ないし第の態様のうちいずれか一の態様に記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、さらに、シリコーン及び/又はシリコーン誘導体を含むことを特徴とする第ないし第の態様のうちいずれか一の態様に記載の化粧料組成物に関する。
本発明の第の態様は、前記化粧料組成物が毛髪処理用組成物であることを特徴とする第ないし第の態様のうちいずれか一の態様に記載の化粧料組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明で用いられるアルギン酸誘導体は、コンブやワカメなどの褐藻類(学名Phaeophyceae)の細胞壁にカルシウム塩等として含まれ、L−グルロン酸とD−マンヌロン酸の2種類のウロン酸から構成される直鎖状多糖で、L−グルロン酸同士の結合からなるブロックと、D−マンヌロン酸同士の結合からなるブロックと、L−グルロン酸とD−マンヌロン酸の結合からなるブロックの3種類のブロックが共存するポリウロン酸である。また、ウロン酸ユニットが有するカルボキシル基はイオン交換性をもち、そのため海藻中では海水中に含まれる様々な金属イオンと塩を形成し、水に不溶性のゼリー状態になっているが、抽出・精製する工程で、純アルギン酸及び、目的に応じた各種の塩或いはエステルへと変換される。さらに目的に応じ、酵素などの生物学的処理及び、酸、アルカリによる加水分解等の化学的処理により解重合し、低分子化されることもある。よって、本明細書で用いられる「アルギン酸誘導体」とは、純アルギン酸及び純アルギン酸から得られる各種のアルギン酸塩、アルギン酸エステル、さらに低分子化されたこれらの誘導体の意味である。これらのアルギン酸誘導体は、商品名「ダックアルギンNSPH」、「ダックアルギンNSPL」「ダックアルギンNSPLL」「ダックアッシド」((株)紀文フードケミファ社製)として、また「キミロイド」(君津化学工業(株)社製)として、さらに、褐藻類コンブ目に属する海藻でラミナリアディギタータより得られる「PHYCO ANTI−POLLU」、「PHYCO ANTI−INFLA」(コディフ社製)として容易に入手可能である。
本発明で用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体は、アルギン酸誘導体をカチオン変性することによる吸着性向上によって、コンディショニング効果が得られる。また、造膜性を有することにより塗布型の化粧料組成物へ配合したした場合、強力なセット効果が得られ、シャンプー、リンス等の洗い流しの化粧料組成物へ配合した場合、毛髪に弾力性が付与され、毛髪にコシやハリを付与する。さらにシャンプー、ボディ用洗浄剤等へ配合した場合、造膜性を有することで均一な膜が形成され、使用時の泡立ち、泡質等の泡の感触改善をする。
本発明によるカチオン変性は、L−グルロン酸とD−マンヌロン酸の2種類のウロン酸から構成されるアルギン酸誘導体に、第4級窒素含有基を有するグリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を反応させることによって製造することができる。この場合、反応は適当な溶媒、好適には含水アルコール中において、アルカリの存在下で実施される。このような第4級窒素含有基の導入は、従来公知の方法に従って行うことができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、アルギン酸誘導体に含まれる水酸基の一部に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した後、上記グリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩の第4級窒素含有基と反応させることによって本発明に用いられるカチオン変性アルギン誘導体を製造することができる。さらに、アルギン酸誘導体として低分子化した、アルギン酸及びアルギン酸塩を用いる他に、アルギン酸誘導体を酸又はアルカリにより加水分解し低分子化した後に、第4級窒素含有基と反応させることでも本発明品は製造することができる。またさらに、アルギン酸誘導体に第4級窒素含有基の導入した後、酸又はアルカリにより加水分解することでも製造することができる。また、反応時に溶媒中でのアルギン酸誘導体の凝集を防ぐため、無機塩、好適には塩化ナトリウムを添加することもできる。さらに、アルギン酸誘導体の凝集を防ぎ、分散性を良くし反応率を上げるため、反応溶媒中にアルカリ及び無機塩を添加後溶解又は分散させ、その後該アルギン酸誘導体を添加し、溶解又は分散させた後、上記の第4級窒素含有基を導入することでも製造することができる。
本発明でアルギン酸誘導体中に導入する前記化学式(1)で示された第4級窒素含有基において、R1及びR2の具体例としては、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられ、炭素数1〜24のアルキル基としてのR3の具体例としては上記R1及びR2と同じものの他、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ドコシル基等が挙げられる。R4Oの具体例としては、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基が挙げられる。また、陰イオンX-の具体例としては、塩素イオン、臭素イオン及び沃素イオンなどのハロゲンイオンの他、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、酢酸イオン等を挙げることができる。
本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体は、造膜性と毛髪及び皮膚への吸着能を有することから化粧料組成物の配合成分として優れたものであり、例えば、化粧料組成物に配合した場合、造膜性により泡立ち、泡質等の泡感触を改善し、さらに毛髪処理用組成物に配合した場合、コンディショニング効果、弾力性の付与及びセット効果を与え、また皮膚化粧料組成物、例えばボディ洗浄剤に配合した場合には、皮膚の油脂成分を必要以上に除去せず、さらに感触の改善をもたらす。すなわち本発明、前記本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体を配合したこれらの化粧料組成物関する。
本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の、第4級窒素含有基由来のカチオン電荷量は0.1〜3.0meq/gであるが、より好ましくは0.5〜2.5meq/gである。カチオン電荷量が0.1meq/g未満では毛髪や皮膚に対する吸着量が不十分となり、実際シャンプー、リンス、ボディ用洗浄剤等の毛髪処理用組成物や皮膚化粧料組成物に配合しても効果は認められない。また、電荷量が3.0meq/gを越えると、そのようなカチオン変性アルギン酸誘導体を配合した毛髪処理用組成物及び皮膚化粧料組成物を使用しても、使用時に泡立ちの悪化及び、べたつき感、ぬるつき感が生じ使用感を悪化させ、使用後の仕上がり感も、ごわつき感、べたつき感を生じるなど好ましくなく、さらには弾力性の付与及びセット効果も得られない。
なお、カチオン変性アルギン酸誘導体の第4級窒素含有基由来のカチオン電荷量とは、カチオン変性アルギン酸誘導体1g当たりに含まれる化学式(1)で示された第4級窒素含有基の当量数である。通常は第4級窒素含有基由来の窒素分をケルダール法(旧化粧品原料基準、一般試験方法、窒素定量法、第2法)により求め、測定値から算出できるが、本発明で用いられるL−グルロン酸とD−マンヌロン酸の2種類のウロン酸から構成されるアルギン酸誘導体中には、窒素分が含まれるため、ケルダール法により求めた本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の窒素分から、本発明で用いるL−グルロン酸とD−マンヌロン酸の2種類のウロン酸から構成されるアルギン酸誘導体由来の窒素分を引いた値が、第4級窒素含有基由来の窒素分となる。具体的に説明すると、化学式(1)で示された第4級窒素含有基のR1、R2、R3はメチル基、X-は塩素イオン、nは、n=0の第4級窒素含有基でアルギン酸ナトリウムをカチオン変性することで得られた本発明品の窒素分は、ケルダール法により測定した結果、1.00%であった場合、この物質のカチオン電荷量は以下の式にて求められる。本発明で用いられるアルギン酸ナトリウム中には、通常窒素分を0.02%前後含有している。
カチオン電荷量(meq/g)=第4級窒素含有基由来の窒素分(%)×1000
窒素の原子量(14.0)×100
=(1.00−0.02)/1.40
=0.70
本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の毛髪処理用組成物や皮膚化粧料組成物に対する配合量は、組成物全体を100質量%として、0.05〜5質量%が好ましく、0.05質量%未満ではコンディショニング効果、弾力性の付与及びセット効果が十分に発揮されない傾向にあり、5質量%を越えると使用時にぬるつき感、べたつき感が生じると共に、柔軟性が悪化し、ごわつき感が見られ使用感等が悪くなる傾向がある。
また、本発明の毛髪処理用組成物にはコンディショニング効果の向上の為、さらに種々のカチオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子を併用することができるが、その配合量はカチオン変性アルギン酸誘導体の造膜性及びセット効果を損なわない範囲であり、組成物全体を100質量%として、5質量%以下が好ましく、これを超えると使用時にごわつき感が生じ使用感が悪くなると共に、カチオン変性アルギン酸誘導体の示す造膜性及びセット効果が十分に発揮されなくなる。さらに、皮膚化粧料組成物に於いては、ぬるつき感が生じ、使用感が悪くなる。
配合されるカチオン性水溶性高分子、両性水溶性高分子としては、下記のようなものが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
カチオン性水溶性高分子の例としては、第4級窒素変性ポリサッカライド(カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン、カチオン変性タラガム、カチオン変性タマリンドガム等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等)等が挙げられる。
両性水溶性高分子の例としては、両性化デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体等)等が挙げられる。
上述のように、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体を公知の処方により処方系内に所要量配合することで本発明の化粧料が得られるが、化粧料中の他の成分は特に限定されず、化粧料に一般に用いられる成分を任意成分として配合することが可能である。配合可能な他の成分を下記に例示する。
アニオン界面活性剤としては、アルキル(炭素数8〜24)硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)エーテル硫酸塩、アルキル(炭素数8〜24)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)リン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)エーテルリン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)スルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜24)エーテルスルホコハク酸塩、アシル(炭素数8〜24)化アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)化N−メチル−β−アラニン塩、アシル(炭素数8〜24)化グルタミン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化イセチオン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化サルコシン酸塩、アシル(炭素数8〜24)化タウリン塩、アシル(炭素数8〜24)化メチルタウリン塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、エーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、長鎖(炭素数8〜24)カルボン酸塩等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、アルカノールアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、テトラポリオキシアルキレンエチレンジアミン縮合物類、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油誘導体、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油誘導体、アルキルポリグリコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキル(炭素数8〜24)アミドプロピルベタイン、アルキル(炭素数8〜24)カルボキシベタイン、アルキル(炭素数8〜24)スルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)ヒドロキシスルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)ヒドロキシホスホベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミノカルボン酸塩、アルキル(炭素数8〜24)イミダゾリニウムベタイン、アルキル(炭素数8〜24)アミンオキシド、3級窒素及び4級窒素を含むアルキル(炭素数8〜24)リン酸エステル等が挙げられる。
油分としては、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン、脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。また、パール化剤としては、脂肪酸エチレングリコール等、懸濁剤としてはポリスチレン乳化物等が挙げられる。
また本発明の毛髪処理用組成物や皮膚化粧料組成物に配合されるカチオン性、両性水溶性高分子以外にも、粘度調整及びスタイリング時の使用性をある程度改善するなどの目的によりアニオン性、ノニオン性高分子を、本発明の効果を損なわない範囲でさらに配合することができ、例えば下記のようなものが挙げられる。
アニオン性高分子の例としては、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・アクリルアミド・アクリル酸エチル共重合体及びその塩等)、メタクリル酸誘導体(ポリメタクリル酸及びその塩、メタクリル酸・アクリルアミド・ジアセトンアクリルアミド・アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル共重合体及びその塩等)、クロトン酸誘導体(酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等)、マレイン酸誘導体(無水マレイン酸・ジイソブチレン共重合体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等)、ポリグルタミン酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
ノニオン性高分子の例としては、アクリル酸誘導体(アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、ポリアクリル酸アミド等)、ビニルピロリドン誘導体(ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体等)、ポリオキシアルキレングリコール誘導体(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリサッカライド及びその誘導体(グアーガム、ローカストビーンガム、デキストラン等)等が挙げられる。
さらに別の態様において、本発明の毛髪処理用組成物及び皮膚化粧料組成物に、アミドアミン化合物と有機酸及び/または無機酸等の中和剤とさらに、高級脂肪酸及び/または高級アルコールを添加することで、コンディショニング効果を向上することができる。その配合量はアミドアミン化合物として組成物全体を100質量%として、5質量%以下が好ましく、これを越えると、使用後の感触が重くなったり、ぬるつきを生じ、使用感が悪くなる。
本発明の毛髪処理用組成物及び皮膚化粧料組成物に配合されるその他の成分としては、カチオン界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等)、可溶化剤(エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等)、ワックス類(カルナバロウ、キャンデリラロウ等)、炭化水素油(流動パラフィン、スクワラン等)、保湿剤(グリセリン、トレハロース、ソルビトール、マルチトール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヒアルロン酸Na等)、エステル類(ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、トリミリスチン酸グリセリン、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、セトステアリルアルコール、オクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、オレイン酸デシル、オレイン酸オイル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸エチル、酢酸ブチル酢酸アミル、酢酸ラノリン、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキシルパルミテート、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、セチル−2−エチルヘキサノエート、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、アセトグリセライド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、エチルラウレート、ミンク油脂肪酸エチル等)、酸化防止剤(トコフェロール、BHT等)、シリコーン(メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、高重合度メチルポリシロキサン、環状ポリシロキサン等)及びシリコーン誘導体(ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、(メタ)アクリル−シリコーン系グラフト共重合物等)、高級アルコール、高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム脂肪酸、パーム核脂肪酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等)、アミノ酸類(アルギニン、グルタミン酸等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体等)、紫外線散乱剤(酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機化合物)、増粘剤、金属封鎖剤(エデト酸塩等)、pH調整剤、殺菌剤、防腐剤、育毛剤、ビタミン類、抗炎症剤、色素、顔料(二酸化チタン等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、酸化鉄処理雲母チタン、カーボンブラック処理雲母チタン等)、香料、起泡増進剤等が挙げられる。
上述の本発明にかかる化粧料組成物の剤型は限定されず任意の剤型を取ることができ、さらに上記(必須)成分の他に本発明の効果を損なわない範囲で、その剤型によって通常当該化粧料組成物に配合される各種成分を加え常法により製造することができるが、中でも毛髪処理用組成物として好ましく使用できる。剤型としては、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアワックス、ヘアローション、ヘアミスト等が挙げられ、いずれも、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の造膜性による泡立ち、泡質等の泡の感触改善とセット効果、弾力性の付与及び、コンディショニング効果を利用したものである。また、使用感触向上効果から、ボディ用洗浄剤、洗顔料、ローションへの利用も可能であり、酸性染毛料、酸化染毛料、パーマ剤等へ配合することも可能である。
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に指定のない限り、配合量は質量%で示す。
[カチオン変性アルギン酸誘導体の製造]
【実施例1】
48質量%の水酸化ナトリウム水溶液5.9g及び塩化ナトリウム1.0gを、50容量%のイソプロパノール水溶液600mlに添加した後、アルギン酸ナトリウム99.5gを徐々に添加し分散させた。次に80質量%グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(以下GTAとも記す)水溶液60.8gを加え、加温し50℃で3時間反応させた。反応終了後35%塩酸7.0gを70容量%のイソプロパノール水溶液800mlで希釈し、中和に使用した。室温で1時間中和後、メタノール500mlに反応液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン電荷量は0.66meq/gであった。この結果を表1に示した(表1中、試料番号1)。
同様に添加するGTAの量を変えることでカチオン電荷量の異なるカチオン変性アルギン酸誘導体を合成した。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号2、3)。
【実施例2】
アルギン酸(ダックアッシド;(株)紀文フードケミファ社製)176gを、60容量%のイソプロパノール水溶液1100mlに分散させ、塩化ナトリウム6.0g及び48質量%の水酸化ナトリウム水溶液136.8gを添加した。添加後加温し、70℃で3時間加水分解を行った。加水分解後50℃迄冷却する。冷却後、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルジメチルモノラウリルアンモニウムクロライド514.5gを加え、50℃で3時間反応させた。反応終了後35%塩酸14.0gを70容量%のイソプロパノール水溶液1700mlで希釈し、中和に使用した。室温で1時間中和後、メタノール1200mlに反応液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン電荷量は0.71meq/gであった。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号4)。
【実施例3】
加圧密閉容器内でアルギン酸ナトリウム(ダックアルギンNSPH;(株)紀文フードケミファ社製)199gを、70容量%のイソプロパノール水溶液900mlに分散させ、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液11.8gを添加した。次にエチレンオキサイド66g、プロピレンオキサイド234gを加え、加温し70℃で3時間、加圧密閉下で反応させた。反応終了後解圧し、50℃まで冷却する。冷却後、80質量%GTA水溶液242.4gを加え、50℃で3時間反応させる。反応終了後35%塩酸14.0gを70容量%のイソプロパノール水溶液1500mlで希釈し、中和に使用した。室温で1時間中和後、メタノール1000mlに反応液を注ぎ、反応生成物を沈殿させ、濾別した。得られた沈殿物をメタノール水溶液にて洗浄した後、反応生成物を減圧下で乾燥した。このようにして得られたカチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン電荷量は0.60meq/gであった。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号5)。
例1
実施例1の方法に準じ、添加するGTAの量を変えることで電荷量の異なるカチオン変性アルギン酸誘導体を合成した。この結果を表1中に示した(表1中、試料番号6、7)。
【表1】
Figure 0004711069
[カチオン変性アルギン酸誘導体の評価]
実施例4 造膜性
カチオン変性したアルギン酸誘導体(表1の試料番号1、2、4及び5)の造膜性を以下の方法で確認した。20mlの試験液(0.2%水溶液)を角形のステンレス製の容器(縦×横×深さ=135mm×170mm×30mm)に流し、真空乾燥機にて発泡に注意しながら乾燥(75℃)を行う。乾燥後、恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置した後、ステンレス容器から乾燥物を取り出し、乾燥物の状態を目視にて観察した。比較のため、他のカチオン性ポリマーとしてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)及び窒素含有率1.9質量%のカチオン変性グアーガム(カチナールCG−100;東邦化学工業(株)社製)、さらには未変性のアルギン酸誘導体(アルギン酸ナトリウム、商品名:ダックアルギンNSPH、(株)紀文フードケミファ社製)、各々について同様の造膜性試験を実施した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004711069
表2の結果から、アルギン酸誘導体をカチオン変性した本発明品のカチオン変性アルギン酸誘導体は、従来のコンディショニング剤に使用されているカチオン性ポリマーと比較し、造膜性に優れていることが確認された。
[カチオン変性アルギン酸誘導体を配合した各化粧料の製造とその評価]
実施例5 毛髪に対する弾力性付与(その1)
カチオン変性したアルギン酸誘導体の毛髪に対する弾力性付与効果を洗い流し製品(ヘアシャンプー)で確認した。
(ヘアシャンプーの調製)
5−a
実施例1、2及び3で得た表1中の試料番号1、3、4及び5のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて表3の(A)に示した組成のシャンプーを調製した。表3中の(A)の成分(12)を60℃に加熱し、成分(1)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合した。こうして表3の(A)に示した組成のシャンプーを各々調製し、表1中の試料番号1、3、4及び5に対応するカチオン変性アルギン酸誘導体から調製したシャンプーを順に、本発明品の処方S1〜S4とした。
5−b
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらにカチオン性水溶性高分子としてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表3の(B)に示した組成のシャンプーを調製した。表3中の(B)の成分(12)を60℃に加熱し、成分(1)及び(3)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方S5とした。
5−c
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらに両性水溶性高分子としてN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(Yukaformer SM;三菱化学株式会社製)を含む、表3の(C)に示した組成のシャンプーを調製した。表3中の(C)の成分(12)を60℃に加熱し、成分(1)及び(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方S6とした。
5−d
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらにカチオン性水溶性高分子と両性水溶性高子の両方を含む、表3の(D)に示した組成のシャンプーを調製した。表3中の(D)の成分(12)を60℃に加熱し成分(1)及び(3)、(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方S7とした。
【表3】
Figure 0004711069
5−e(比較品の調製)
本発明で用いるカチオン変性アルギン酸誘導体のシャンプーにおける効果を比較するため、例1で得た表1中の試料番号6、7のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて表3の比較品(E)に示した組成のシャンプーを調製した。表3中の比較品(E)の成分(12)を60℃に加熱し成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させた。溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(7)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合し、得られたシャンプーをそれぞれ比較品C1及びC2とした。
5−f(比較品の調製)
本発明で用いるカチオン変性アルギン酸誘導体のシャンプーにおける効果を比較するため、上記5−eで使用した試料番号6の代わりに、同じ配合割合の未変性アルギン酸誘導体(アルギン酸ナトリウム、商品名:ダックアルギンNSPH、(株)紀文フードケミファ社製)を用い、表3の比較品(E)に示した組成のシャンプーを5−eと同様に調製し、これを比較品C3とした。
(評価)
先述の5−a〜5−fで調製した各々の本発明品の処方S1〜S7のシャンプーと比較品C1、C2及びC3のシャンプー、さらにブランクとして表3のブランク(F)に示す組成からなるシャンプーを、それぞれ1.0g用いて15gの毛髪ストランド(全長180mm)を洗髪した。その後流水中ですすぎ、恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置し、自然乾燥を行った。その後毛髪のコシの強さを純曲げ試験機(カトーテック株式会社製、KES−FB2−S)にて測定した。その結果を表4に示した。尚、ブランクは表3のブランク(F)中の成分(12)を60℃に加熱した後、成分(5)〜(7)を加え攪拌して均一とした後、冷却し30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合して調製した。
先述の5−a〜5−fで調製した、各々の本発明品の処方S1〜S7のシャンプーと比較品C1、C2及びC3のシャンプー、さらにブランクとして表3のブランク(F)に示す組成からなるシャンプーについて、10名のテスターにより洗髪した後、ドライヤーにて乾燥した後の毛髪の弾力性(毛髪のコシ)を確認した。仕上がりの髪にコシがあると感じたテスターの人数により次の基準で評価し、その結果を表4中に示した。
・髪にコシが有ると感じたテスターが8名以上・・・◎
・髪にコシが有ると感じたテスターが6〜7名・・・○
・髪にコシが有ると感じたテスターが4〜5名・・・△
・髪にコシが有ると感じたテスターが4名未満・・・×
【表4】
Figure 0004711069
表4の結果から、アルギン酸誘導体をカチオン変性した試料番号1、3、4及び5のカチオン変性アルギン酸誘導体を含む本発明品のシャンプーS1〜S4はブランクと比較すると曲げ剛性(B値)及びヒステリシス幅(2HB)が共に向上している。同様の結果はカチオン電荷量値が本発明の範囲よりも高い試料番号7のカチオン変性アルギン酸誘導体を含む比較品C2にもみられるが、曲げ剛性が大きくなりすぎ、ごわつき感を示唆する結果となった。一方、カチオン電荷量値が本発明の範囲よりも低い、試料番号6のカチオン変性アルギン酸誘導体を含む比較品C1及び、未変性のアルギン酸誘導体を含む比較品C3は、ブランクと同じ結果となった。これは未変性のアルギン酸誘導体及びカチオン電荷量値が本発明の範囲よりも低いカチオン変性アルギン酸誘導体を洗い流し製品に用いた場合、毛髪に対しイオン性に基づく吸着能が得られず、該アルギン酸誘導体の毛髪への吸着が少ないので、その効果が得られなかったことを示したものと考えられる。これに対し、アルギン酸誘導体を特定の範囲でカチオン変性した本発明品は、毛髪へのイオン性に基づく吸着能を有するので、シャンプー、リンスのような洗い流し製品に於いて弾力性が付与され、毛髪のコシの強さが改善された。よって、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体はシャンプー、リンス等の洗い流し製品に配合した場合においても、その効果を十分発揮すると共に、ヘアスプレー、ヘアジェル等の塗布型の毛髪処理用組成物に配合した場合においても造膜性を有することによる弾力性の付与から、セット効果が期待できることが判った。
また、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体とエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(Yukaformer SM;三菱化学株式会社製)等のコンディショニング効果を持つ水溶性高分子と併用した系に於いてもその効果は失われないことが確認された。
実施例6 毛髪に対する弾力性付与(その2)
(評価)
実施例5で調製した各々の本発明品の処方S1〜S7のシャンプーと、比較品C1、C2及びC3のシャンプーを用い、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の損傷した毛髪に対する弾力性付与効果を洗い流し製品で確認した。実施例5で使用したものと同様の毛髪ストランドを、6%H22と3%アンモニア水の2対1混合液(w/w)のブリーチ剤に、浴比1対100(毛髪ストランド重量対ブリーチ剤溶液重量)、40℃の条件下で60分間浸漬した。温水で洗浄後、ドライヤーで乾燥した。このブリーチ処理により得られた損傷の著しい毛髪ストランドを、先述の5−a〜5−dで調製した本発明品の処方S1〜S7、5−e及び5−fで調製した比較品C1〜C3、さらにブランクとして表3のブランク(F)に示す組成からなるシャンプーを、それぞれ1.0g用いて15gの毛髪ストランド(全長180mm)を洗髪した。その後流水中ですすぎ、恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置し、自然乾燥を行った。その後毛髪のコシの強さを純曲げ試験機(カトーテック株式会社製、KES−FB2−S)にて測定した。その結果を表5に示した。尚、ブランクは実施例5同様に、表3のブランク(F)中の成分(12)を60℃に加熱した後、成分(5)〜(7)を加え攪拌して均一とした後、冷却し30〜40℃で成分(8)〜(11)を加え均一に混合して調製した。
【表5】
Figure 0004711069
表5の結果から損傷毛髪で評価した場合、本発明品を含むシャンプーS1〜S4をブランクと比較すると、曲げ剛性(B値)とヒステリシス幅(2HB)がともに向上している。同様の結果は、カチオン電荷量値が本発明の範囲よりも高い試料番号7のカチオン変性アルギン酸誘導体を含む比較品C2にもみられるが、曲げ剛性が大きくなりすぎ、ごわつき感を示唆する結果となった。一方、カチオン電荷量値が本発明の範囲よりも低い試料番号6のカチオン変性アルギン酸誘導体を含む比較品C1では、曲げ剛性とヒステリシス幅が僅かに向上しているが、優位差を確認できる程度の向上は得られず、未変性のアルギン酸誘導体を含む比較品C3では、ブランクと同じ結果となった。更に、実施例5のブリーチ未処理の健常毛髪で評価した場合よりも、曲げ剛性、ヒステリシス幅ともにブランクとの差が大きくなっていることから、本発明品の損傷毛髪での有用性が確認された。
実施例7 泡立ち試験
本発明に用いられるカチオン変性したアルギン酸誘導体(表1の試料番号1、2、4及び5)を表6の(A)に示す組成で配合した化粧料組成物の泡立ちについて測定した。比較のため、他のカチオン性ポリマーとしてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)及び、未変性アルギン酸誘導体としてアルギン酸ナトリウム(ダックアルギンNSPH;(株)紀文フードケミファ社製)を含む化粧料組成物をそれぞれ表6の(B)に示す組成で配合し、同様に泡立ちを測定した。
測定方法は、表6の処方の各化粧料組成物を、それぞれ実施例5に示した手順に準じた方法にて調製し、この調製した化粧料組成物の5%水溶液150mlを市販のジューサーミキサーに入れ撹拌し泡立てる。撹拌時間と泡の量を測定し、その結果を表7に示した。
【表6】
Figure 0004711069
【表7】
Figure 0004711069
表7の結果から、本発明に用いられるカチオン変性したアルギン酸誘導体は、他のカチオン性ポリマー(カチナールHC−100:カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース)と比較した場合、毛髪への弾力性の付与で見られた結果と同様、造膜性が優れる為、泡の膜が強固で、直後の泡立ち、速泡性に優れていることが確認された。よって、本発明品はシャンプー、ボディ用洗浄剤、洗顔料等の泡立ちを有する化粧料組成物に配合した場合、泡立ち、泡質などの泡の感触改善が期待できる。
以下、カチオン変性したアルギン酸誘導体により得られる造膜性、セット効果、弾力性の付与、コンディショニング効果及び泡立ち、泡質等の泡の感触改善を剤型の異なる化粧料組成物それぞれにおいて、官能評価及び機器測定によりさらに確認した。
ヘアシャンプー
(調製)
【実施例8】
8−a
実施例1、2及び3で得た本発明の試料番号1〜5のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて表8の(A)に示した組成のシャンプーを調製した。表8中の(A)の成分(14)を65℃に加熱し成分(1)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、さらに30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合した。こうして表1中の試料番号1〜5に対応するカチオン変性アルギン酸誘導体を配合した表8の(A)に示した組成のシャンプーを各々調製し、表1中の試料番号1〜5を含むシャンプーを順に本発明品の処方1〜5とした。
8−b
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらにカチオン性水溶性高分子Aとしてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表8の(B)に示した組成のシャンプーを調製した。表8中の(B)の成分(14)を65℃に加熱し、成分(1)及び(3)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、さらに30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方6とした。
8−c
上記カチオン性水溶性高分子Aの代わりにカチオン性水溶性高分子Bとして塩化ジアリルジメチルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(Merquat 550;NALCO社製)を含む表8の(C)に示した組成のシャンプーを同様に調製し、これを本発明品の処方7とした。
8−d
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらに両性水溶性高分子としてN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(Yukaformer SM;三菱化学株式会社製)を含む、表8の(D)に示した組成のシャンプーを調製した。表8中の(D)の成分(14)を65℃に加熱し成分(1)及び(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、さらに30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方8とした。
8−e
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いてカチオン性水溶性高分子、両性水溶性高子を含む、表8の(E)に示した組成のシャンプーを調製した。表8中の(E)の成分(14)を65℃に加熱し成分(1)及び(3)、(4)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーを本発明品の処方9とした。
8−f(比較品の調製)
本発明によるカチオン変性アルギン酸誘導体のシャンプーにおけるその効果を比較するため、例1で得たカチオン変性アルギン酸誘導体、すなわち表1中の試料番号6及び7を用いて表8の比較品(G)に示した組成のシャンプーを調製した。表8中の比較品(G)の成分(14)を65℃に加熱し成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させた。溶解を確認した後、加熱を止め成分(5)〜(10)を加えて攪拌して均一とし、30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合し、得られたシャンプーをそれぞれ比較品1及び2とした。
【表8】
Figure 0004711069
8−g(比較品の調製)
さらに他のカチオン性ポリマーと効果を比較する為、上記8−fにおける例1で得たカチオン変性アルギン酸誘導体の代わりに、エチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を用い、表8の比較品(G)に示した組成のシャンプーを8−fと同様に調製し、これを比較品3とした。
(評価)
【実施例9】
先述の8−a〜8−eで調製した各々のシャンプー、すなわち本発明品の処方1〜9について10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマー等を含まない表8の標準品(F)に示される組成のシャンプーと、それぞれ評価するべき対象のシャンプーとを使用し、洗髪時の使用感、ドライヤーによる乾燥後の使用感を、標準品(F)を基準にして、
・洗髪時の泡立ち
・使用時コンディショニング効果の有無(指通り及び髪の手触り)、
・使用後(乾いた髪)のコンディショニング効果の有無(櫛通り感、髪の手触り)及び毛髪のコシの強さ、
について比較し、下記表9及び10に示す方法にて数値化し、それぞれの項目について10名のテスターの評価の値を合計した。この評価結果を表11に示した。尚、上記標準品(F)は表8の標準品(F)中の成分(14)を65℃に加熱した後、成分(5)〜(10)を加え攪拌して均一とした後、冷却し30〜40℃で成分(11)〜(13)を加え均一に混合して調製した。
【表9】
Figure 0004711069
【表10】
Figure 0004711069
比較例1
先述の8−f及び8−gで調製した各々のシャンプー、比較品1〜3について、実施例9と同様に性能評価を実施し、その結果を表11中に示した。
【表11】
Figure 0004711069
表11の結果から、カチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン電荷量が0.1〜3.0meq/gにある本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体は、シャンプーに用いた場合、洗髪時の泡立と、使用時の指通り、手触りなどのコンディショニング効果に優れ、使用後ではしっとり感、櫛通りなどのコンディショニング効果と、造膜性による弾力性の付与から、毛髪のコシの強さが得られることが確認された。
また、本発明品を含むシャンプーの性能は、従来よりコンディショニング剤として用いられるカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100)のみを含む比較品3と比較すると、泡立ちに優れ、使用時のコンディショニング効果は同等以上であり、使用後においては、従来のコンディショニング剤には無い、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体のもつ造膜性による弾力性の付与から、毛髪のコシの強さが得られた。また、配合成分に、カチオン性水溶性高分子(カチナールHC−100、Merquat 550)及び/又は両性水溶性高分子(Yukaformer SM)を併用することにより、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体のもつ性能を損なうこと無く、コンディショニング効果が向上することが確認された。
(配合例1〜3)
以下に、シャンプーへの本発明の好適な配合例を示す。
【表12】
Figure 0004711069
精製水を70℃に加熱し、他成分を加え均一に溶解した後、冷却した。
【表13】
Figure 0004711069
精製水を70℃に加熱し、他成分を加え均一に溶解した後、冷却した。
【表14】
Figure 0004711069
精製水を70℃に加熱し、他成分を加え均一に溶解した後、冷却した。
ヘアリンス
(調製)
【実施例10】
10−a
実施例1及び2で得られた試料番号1〜4のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて下記表15の(A)に示した、アミドアミン化合物と中和剤としてクエン酸を用い中和した、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド・クエン酸塩とさらには、高級アルコール(セタノール)を含む組成のリンスを調製した。表15中の(A)の成分(5)〜(10)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(12)に成分(1)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を80℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(11)を加えて均一に混合した。こうして表15の(A)に示した組成のリンスを各々調製し、表1中の試料番号1〜4のカチオン変性アルギン酸誘導体を含むリンスを順に、本発明品の処方10〜13とした。
10−b
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらにカチオン性水溶性高分子としてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表15の(B)に示した組成のリンスを調製した。表15中の(B)の成分(5)〜(10)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(12)に成分(1)、(3)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を80℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(11)を加えて均一に混合し、得られたリンスを本発明品の処方14とした。
10−c
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらに両性水溶性
高分子としてN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(Yukaformer SM;三菱化学株式会社製)を含む、表15の(C)に示した組成のリンスを調製した。表15中の(C)の成分(5)〜(10)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(12)に成分(1)、(4)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を80℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(11)を加えて均一に混合し、得られたリンスを本発明品の処方15とした。
【表15】
Figure 0004711069
10−d(比較品の調製)
本発明によるカチオン変性アルギン酸誘導体のリンスにおけるその効果を比較するため、例1で得たカチオン変性アルギン酸誘導体、すなわち表1中の試料番号6及び7を用いて表15の比較品(D)に示した組成のリンスを調製した。表15中の比較品(D)の成分(5)〜(10)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、予め成分(12)に成分(2)を攪拌しながら加え溶解させた溶液を80℃に加熱したものを攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(11)を加えて均一に混合し、表1中の試料番号6及び7を含むリンスをそれぞれ比較品4及び5とした。
10−e(比較品の調製)
さらに他のカチオン性水溶性高分子と効果を比較する為、上記10−dにおける例1で得たカチオン変性アルギン酸誘導体の代わりに、エチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を用い、表15の比較品(D)に示した組成のリンスを10−dと同様に調製し、これを比較品6とした。
(評価)
【実施例11】
先述の10−a〜10−cで調製した各々のリンス、すなわち本発明品の処方10〜15について、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。
性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマーを含まない表15の標準品(E)に示される組成のリンスと、それぞれ評価するべき対象のリンスとを使用し、ドライヤーによる乾燥後の使用感を、標準品(E)を基準にして、
・乾いた髪のコンディション効果の有無(櫛通り、きしみ感など)、
・毛髪のコシの強さ、
について比較し、それを下記表16の方法にて数値化し、評価を実施した10名のテスターの値を合計した。この評価結果を表17に示した。尚、上記標準品(E)は表15の標準品(E)中の成分(5)〜(10)を80℃に加熱し、攪拌して均一にした溶液に、80℃に加熱した成分(12)を攪拌しながら加えた後、冷却しながら成分(11)を加えて均一に混合し調製した。
比較例2
先述の10−d及び10−eで調製した各々のリンス、すなわち比較品4、5及び6について、実施例11と同様に性能評価を実施し、その結果を表17中に示した。
【表16】
Figure 0004711069
【表17】
Figure 0004711069
表17の結果から、カチオン電荷量が0.1〜3.0meq/gにある本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体を含み、さらにアミドアミン化合物、中和剤及び高級アルコール(セタノール)を含むリンスでは、組成物の毛髪へのコンディショニング効果が優れるとともに、弾力性の付与による毛髪のコシの強さが得られることが確認された。
またアミドアミン化合物、中和剤及び高級アルコールを含むリンスにおける本発明品の性能を、他のカチオン性ポリマーと比較すると、コンディショニング効果は使用時及び使用後で同等以上であり、かつ使用後には弾力性の付与によるによる毛髪のコシの強さが得られた。またさらに、カチオン性水溶性高分子及び/又は両性水溶性高分子を併用することにより、カチオン変性アルギン酸誘導体のもつ性能を損なうこと無く、コンディショニング効果が向上することが確認された。
(配合例4〜6)
以下に、リンス、コンディショナー等のコンディショニング効果を必要とする毛髪処理用組成物への、本発明の好適な配合例を示す。
【表18】
Figure 0004711069
表18の精製水に、本発明品、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、1,3−ブチレングリコール、アルキル(C12、14)オキシヒドロキシプロピルアルギニン塩酸塩、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、色素を加え75℃に保つ(水相)。残りの他の成分を混合、加熱溶解し、75℃に保つ(油相)。水相と油相を加えた後、イソプロパノールを加えホモミキサーで乳化後、撹拌しながら冷却した。
【表19】
Figure 0004711069
表19の精製水に、本発明品、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、加水分解コムギ、L−グルタミン酸、グリセリン、フェノキシエタノール、色素を加え80℃に保つ(水相)。残りの他の成分を混合、加熱溶解し、80℃に保つ(油相)。水相と油相を加えホモミキサーで乳化後、撹拌しながら冷却した。
【表20】
Figure 0004711069
表20の精製水に、本発明品、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、50%乳酸、グリセリン、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、加水分解シルクを加え70℃に保つ(水相)。残りの他の成分を混合、加熱溶解し、70℃に保つ(油相)。水相と油相を加えホモミキサーで乳化後、撹拌しながら冷却した。
ヘアジェル
(調製)
【実施例12】
12−a
塗布型の毛髪化粧料に於ける本発明品の効果を以下の方法で確認した。実施例1で得た試料番号1、2及び3のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて表21の(A)に示した組成のヘアジェルを調製した。表21中の(A)の成分(1)及び成分(5)〜(9)を攪拌している成分(11)に加え、均一溶解した後、成分(10)を加えて透明になるまで混合した。こうして表21の(A)に示した組成のヘアジェルを各々調製し、表1中の試料番号1、2及び3のカチオン変性アルギン酸誘導体を含むヘアジェルをそれぞれ本発明品の処方16、17及び18とした。
12−b
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらにカチオン性水溶性高分子としてエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表21の(B)に示した組成のヘアジェルを調製した。表21中の(B)に示した成分(1)、(3)及び(5)〜(9)を攪拌している成分(11)に加え、均一溶解した後、成分(10)を加えて透明になるまで混合した。こうして表21の(B)に示した組成のヘアジェルを調製し本発明品の処方19とした。
12−c
実施例1で得た試料番号1のカチオン変性アルギン酸誘導体を用い、さらに両性水溶性高分子としてN−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(Yukaformer SM;三菱化学株式会社製)を含む、表21の(C)に示した組成のヘアジェルを調製した。表21中の(C)に示した成分(1)、(4)及び(5)〜(9)を攪拌している成分(11)に加え、均一溶解した後(10)を加えて透明になるまで混合した。こうして表21の(C)に示した組成のヘアジェルを調製し本発明品の処方20とした
12−d(比較品の調製)
本発明によるカチオン変性アルギン酸誘導体のヘアジェルにおけるその効果を比較するため、例1で得たカチオン変性アルギン酸誘導体、すなわち表1中の試料番号6及び7を用いて表21の比較品(E)に示した組成のヘアジェルを調製した。表21中の成分(2)及び(5)〜(9)を攪拌している成分(11)に加え、均一溶解した後、成分(10)を加えて透明になるまで混合した。こうして表21の(E)に示した組成のヘアジェルを各々調製し、表1中の試料番号6及び7を含むヘアジェルをそれぞれ比較品7及び8とした。
12−e(比較品の調製)
さらに他のカチオン性ポリマーと効果を比較するため、上記12−dで使用した例1で得たカチオン変性アルギン酸誘導体の代わりにエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を含む、表21の比較品(E)に示した組成のヘアジェルを12−dと同様に調製し、これを比較品9とした。
【表21】
Figure 0004711069
(評価)
【実施例13】
先述の12−a〜12−cで調製した各々のヘアジェル、すなわち本発明品の処方16、17、18、19及び20について、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。
性能評価方法は、成分にカチオン性水溶性高分子や、両性水溶性高分子等を含まない表21の標準品(D)に示される組成のヘアジェルと、それぞれ評価するべき対象のヘアジェルとを使用し使用感を、標準品(D)を基準にして、
・塗布のしやすさ、
・使用後の感触
について比較し、下記表22に示す方法にて数値化し、評価を実施した10名のテスターの値を合計した。この結果を表24に示した。尚、標準品は表21の(D)の成分(5)〜(9)を攪拌している成分(11)に加え、均一溶解した後、成分(10)を加えて透明になるまで混合し調製した。
比較例3
先述の12−d及び12−eで調製した各々のヘアジェル、比較品7、8及び9について、実施例13と同様に性能評価を実施し、その結果を表24中に示した。
【表22】
Figure 0004711069
【実施例14】
セット保持力については次の方法にて評価を実施した。長さ18cm、重さ15gの毛束を水で濡らし、先述の12−a〜12−cで調製したヘアジェル、すなわち本発明品の処方16、17、18、19及び20を塗布し、ロッド(外径2cm)に巻き、その状態でドライヤー(80℃)により乾燥させカールをつけた。乾燥した後、カールのついた毛束をロッドから外した。この毛束を恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に30分間つるしカールの伸びを観察し、カールの伸びの程度を基準に、セット保持力を下記表23の評価基準に従って評価し、その結果を表24中に示した。
尚、評価の尺度は以下の通りである。ヘアジェルを塗布しない以外は、前述と同様にロッドに巻き、ドライヤー(80℃)で乾燥させた毛束の、ロッドを外した直後の長さを保持力100%とした。また、ロッドを外し恒温恒湿(20℃、40%RH)雰囲気中に24時間放置し、その状態での毛束の長さを保持力0%とした。
【表23】
Figure 0004711069
比較例4
先述の12−d及び12−eで調製したヘアジェル、すなわち比較品7、8及び9について実施例14と同様に性能評価を実施し、その結果を表24中に示した。
【表24】
Figure 0004711069
表24の結果から、塗布型の毛髪処理用組成物においても本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体は造膜性を有することから、乾燥時に毛髪に対してセット効果を付与できるとともに、カチオン変性することで得られるコンディショニング効果により感触も良好であることが確認された。一方、カチオン電荷量が本発明に規定する0.1〜3.0meq/gの範囲外にある、試料番号6及び7では、塗布のしやすさや、使用後の感触において本発明のような評価は得られなかった。
また、従来のコンディショニング剤としてのカチオン性ポリマー(カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチナールHC−100)と比較すると、セット保持力に差が認められ、本発明品の有する造膜性によりセット効果が得られることが確認された。さらに、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体と、他のカチオン性水溶性高分子及び/又は両性水溶性高分子を併用することにより、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体のもつ性能を損なうこと無く、コンディショニング効果が向上することが確認された。
(配合例7〜10)
以下に、ヘアジェル及びヘアジェル以外のセット効果及びコンディショニング効果を必要とするヘアミスト、ヘアムース等の塗布型の毛髪処理組成物への本発明の好適な配合例を示す。
【表25】
Figure 0004711069
本発明品とポリビニルピロリドン、グリセリン、ポリエチレングリコール、パラオキシ安息香酸メチルに一部の精製水を加え70℃で加熱溶解した。他の成分を残部の精製水に溶解し、撹拌しながら添加した。
【表26】
Figure 0004711069
【表27】
Figure 0004711069
【表28】
Figure 0004711069
ヘアカラー
(調製)
【実施例15】
15−a
実施例1及び2で得られた試料番号1及び4のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて下記表29の(A)に示した、二剤式酸化染毛剤を調製し、表1中の試料番号1及び4のカチオン変性アルギン酸誘導体を含む二剤式酸化染毛剤を本発明品の処方21及び22とした。使用時には、この二剤式酸化染毛剤の第一剤と第二剤とを重量比1対1で混合し、毛髪に塗布した。
15−b(比較品の調製)
本発明によるカチオン変性アルギン酸誘導体のヘアカラーにおけるその効果を他のカチオン性ポリマーと効果を比較するため、上記15−aで使用した本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の代わりにエチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100;東邦化学工業(株)社製)を用いて上記表29の比較品(C)に示した、二剤式酸化染毛剤を調製した。こうしてカチオン変性ヒドロキシエチルセルロースを含む二剤式酸化染毛剤を比較品10とした。使用時には、この二剤式酸化染毛剤の第一剤と第二剤とを重量比1対1で混合し、毛髪に塗布した。
【表29】
Figure 0004711069
(評価)
【実施例16】
先述の15−aで調製した各々の二剤式酸化染毛剤、すなわち本発明品の処方21及び22について、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマーを含まない表29の標準品(B)に示される組成の二剤式酸化染毛剤と、それぞれ評価するべき対象の酸化染毛剤とを使用し、第一剤と第二剤の等量混合液を毛髪に塗布し、室温下で30分間放置した後、40℃の流水で3分間すすぎ、ドライヤーで乾燥した。この時のすすぎ時のすべり性と、ドライヤーで乾燥後の感触を、標準品(B)を基準にして、
・すすぎ時のすべり性
・乾燥後の感触(しっとり感、弾力性(毛髪のコシ))
について比較し、それを下記表30の方法にて数値化し、評価を実施した10名のテスターの値を合計した。この評価結果を表31に示した。尚、上記標準品(B)は15−aに準じて調製し、第一剤と第二剤とを重量比1対1で混合して毛髪に塗布した。
比較例5
先述の15−bで調製した比較品10のニ剤式酸化染毛剤について、実施例16と同様に性能評価を実施し、その結果を表31中に示した。
【表30】
Figure 0004711069
【表31】
Figure 0004711069
表31の結果より、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体を染毛剤に配合した場合、損傷毛髪に対するコンディショニング効果により、すすぎ時におけるすべり性が向上し、良好な指通り感が得られ、乾燥後の仕上がり感もしっとり感が得られ改善された。さらに本発明品の有する損傷毛髪に対する弾力性の付与から毛髪のコシの改善が認められた。よって、染毛剤等の組成物として優れていることが確認された。
さらに、他のカチオン性ポリマーを含む比較品10と比べて、本発明品の処方21及び22はともに、乾燥後の感触が向上してわり、損傷毛髪においても、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体が優れていることが確認された。
(配合例11、12)
以下に本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の損傷毛髪に対するコンディショニング効果及び弾力性付与効果を利用した、好適な配合例を示す。
【表32】
Figure 0004711069
【表33】
Figure 0004711069
ボディ用洗浄剤
(調製)
【実施例17】
17−a
実施例1及び2で得られた試料番号1、2及び4のカチオン変性アルギン酸誘導体を用いて表34の(A)に示した組成のボディ用洗浄剤(ボディソープ)を調製した。表34中の(A)の成分(11)を60℃に加熱し、成分(1)を攪拌しながら加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で成分(3)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(8)〜(10)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合した。こうして表34の(A)に示した組成のボディ用洗浄剤を各々調製し、表1中の試料番号1、2及び4のカチオン変性アルギン酸誘導体を含むボディ用洗浄剤を順に、本発明品の処方23、24及び25とした。
【表34】
Figure 0004711069
17−b(比較品の調製)
本発明で用いるカチオン変性アルギン酸誘導体の、ボディ用洗浄剤におけるその効果を比較するため、未変性のアルギン酸誘導体であるアルギン酸ナトリウム(ダックアルギンNSPH;(株)紀文フードケミファ社製)について表34の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製した。表34中の(C)の成分(11)を60℃に加熱し、成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で成分(3)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(8)〜(10)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合した。こうして表34の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製し、これを比較品11とした。
17−c(比較品の調製)
同様に、本発明で用いるカチオン変性アルギン酸誘導体の、ボディ洗浄剤における効果を比較するため、エチレンオキサイド平均付加モル数1.8、窒素含有率1.8質量%のカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(カチナールHC−100:東邦化学工業(株)社製)について表34の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製した。表34中の(C)の成分(11)を60℃に加熱し、成分(2)を攪拌しながらゆっくり加え溶解させ、溶解を確認した後、50〜60℃で成分(3)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、更に30〜40℃で成分(8)〜(10)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合した。こうして表34の(C)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製し、これを比較品12とした。
(評価)
【実施例18】
先述の17−aで得た本発明品の処方23、24及び25各々のボディ用洗浄剤について、10名のテスターにより次に示した項目の性能評価を実施した。
性能評価方法は、成分にカチオン性ポリマー等の高分子化合物を含まない表34の標準品(B)に示される組成のボディ用洗浄剤と、それぞれ評価するべき対象のボディ用洗浄剤とを使用し、
・使用時の泡の量及び泡質、
・使用時の使用感(すすぎ易さ、すすぎ後のつっぱり感及びぬめり感)、
・使用後(乾いた後)の使用感(つっぱり感、滑らかさ感、しっとり感)、
について、標準品(B)の使い心地と比較し、それを下記表35及び36の方法にて数値化し、評価を実施した10名のテスターの値を合計した。この評価結果を表37に示した。なお、標準品は表34の標準品(B)の成分(11)を60℃に加熱した後、50〜60℃で成分(3)〜(7)を撹拌しながら加えて均一とし、さらに30〜40℃で成分(
8)〜(10)を同様に撹拌しながら加え、均一に混合し、表34の(B)に示した組成のボディ用洗浄剤を調製し、本評価の標準品とした。
比較例6
先述の17−b及び17−cで得た比較品11及び12のボディ用洗浄剤について、実施例18と同様の性能評価を行った。これらの結果を表37中に示した。
【表35】
Figure 0004711069
【表36】
Figure 0004711069
表37の結果から、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体は、ボディ用洗浄剤に用いた場合、ボディ用洗浄剤の泡立ち、泡質及び使用感が改善されるとともに、使用後には、つっぱり感を解消し、しっとり感を与えることが確認された。
また、未変性のアルギン酸誘導体(アルギン酸ナトリウム)を含む比較品11と比較すると、カチオン変性したことにより、皮膚への吸着が増し、使用時及び使用後の感触が改善されることが確認された。さらに、従来のコンディション剤としてのカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(比較品12)と比較すると、造膜性の差から泡立ち、泡質が改善されると共にべたつき感、かさつき感、つっぱり感を解消し、しっとり感を得ることが確認された。
【表37】
Figure 0004711069
(配合例13〜17)
以下に、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の造膜性を有することによる泡質の感触改善及び、コンディショニング効果による感触改善を利用した、ボディ用洗浄剤、洗顔料等の皮膚化粧料組成物の配合例を示す。
【表38】
Figure 0004711069
常法に基づき、液体状ボディ用洗浄剤(ボディソープ)を製造する。
【表39】
Figure 0004711069
常法に基づき、液体状ボディ用洗浄剤(ボディソープ)を製造する。
【表40】
Figure 0004711069
常法に基づき、洗顔料を製造する。
【表41】
Figure 0004711069
表41の精製水に、本発明品、グリセリン、ソルビトール、アルギニン、香料を加え溶解し70℃に保つ(水相)。真空乳化釜にヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム25%液、ヤシ油脂肪酸タウリンナトリウム30%液、モノオレイン酸グリセリル、セテアレス−60ミリスチルグリコール、エデト酸2ナトリウム、フェノキシエタノールを順次添加混合し、70℃まで加熱し溶解する。溶解確認後、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン30%液、70℃に保持した水相、ジステアリン酸エチレングリコールを順次添加し、均一に溶解する。溶解後、35℃まで冷却し、精製水、10%クエン酸水溶液で水分、pHを調整する。
【表42】
Figure 0004711069
常法に基づき、洗顔料を製造する。
(配合例18〜21)
以下に、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体の皮膚化粧料組成物に対する感触改善を利用する他の適用例としてアフターシェーブローション等の配合例を示す。
【表43】
Figure 0004711069
【表44】
Figure 0004711069
表44の精製水に本発明品を溶解した後、グリセリン、スクワラン及び1,3−ブタンジオールを添加して水相部とした。次に、エチルアルコールにポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(8)セチルエーテル、オクチルドデカノール、ビタミンアセテート、メチルパラベン及び香料を添加して調整したアルコール相部を水相部に添加し混合した。この混合物に、タルク、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄を添加して分散処理し、メーキャップローションを製造する。
【表45】
Figure 0004711069
常法に基づき、ファンデーションを製造する。
【表46】
Figure 0004711069
常法に基づき、入浴剤を製造する。
本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体は、毛髪処理用組成物や皮膚化粧料組成物等の化粧料組成物に配合した場合、造膜性が良好なことから均一な膜が形成され、泡立ち、泡質などの泡の感触改善が得られる。また、シャンプー・リンスなど洗い流しの毛髪処理用組成物に配合した場合、使用時、使用後には毛髪に対し、従来のコンディショニング剤として用いられるカチオン性ポリマーと同等以上のコンディショニング効果を与えつつ、乾燥後には造膜性を有することで得られる弾力性の付与により、毛髪のコシの強さが得られ、ヘアジェル等の塗布型の毛髪処理用組成物に配合した場合には、従来のコンディショニング剤として用いられるカチオン性ポリマーと同等以上のコンディショニング効果と、造膜性を有することで得られるセット効果を与える。さらに、本発明に用いられるカチオン変性アルギン酸誘導体をボディ用洗浄剤等の皮膚化粧料組成物に配合した場合、べたつき感、つっぱり感を解消し、しっとり感を与える。従って、従来品よりもより使い心地の優れた化粧料組成物を提供することが出来る。

Claims (10)

  1. ウロン酸ユニットが1,4グリコシド結合で結合した重合体であるアルギン酸誘導体に含まれる水酸基の一部が、下記化学式(1)で表される第4級窒素含有基で置換されたカチオン変性多糖類であって、かつ、該第4級窒素含有基由来のカチオン電荷量が0.1〜3.0meq/gであるカチオン変性アルギン酸誘導体を含有する化粧料組成物。
    Figure 0004711069
    (式中R1、R2は各々炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜24のアルキル基を示し、X-は陰イオンを示す。nは、n=0又はn=1〜30を示し、n=1〜30のとき、(R4O)nは炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの重合体残基であって、単一のアルキレンオキサイドからなるポリアルキレングリコール鎖及び/又は2種類以上のアルキレンオキサイドからなるポリアルキレングリコール鎖を示す。)
  2. 前記ウロン酸ユニットが1,4グリコシド結合で結合した重合体であるアルギン酸誘導体が、海藻中の褐藻類(学名Phaeophyceae)に含まれるL−グルロン酸とD−マンヌロン酸の2種類のウロン酸から構成される天然多糖類の誘導体である請求項記載の化粧料組成物。
  3. 前記カチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン変性が、グリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を用いてなされたものである請求項又は記載の化粧料組成物。
  4. 前記カチオン変性アルギン酸誘導体のカチオン変性が、アルギン酸誘導体に含まれる水酸基の一部に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加し、続いてカチオン化剤として
    グリシジルトリアルキルアンモニウム塩または、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩を用いてなされたものである請求項又は記載の化粧料組成物。
  5. 前記カチオン変性アルギン酸誘導体がナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルギン酸塩である請求項ないしのうちいずれか1項記載の化粧料組成物。
  6. 前記カチオン変性アルギン酸誘導体の含有量が組成物全体を100質量%として、0.05〜5質量%である請求項ないしのうちいずれか1項記載の化粧料組成物。
  7. さらに、他のカチオン性水溶性高分子及び/又は両性水溶性高分子を、組成物全体を100質量%として、5質量%以下含有することを特徴とする請求項ないしのうちいずれか1項記載の化粧料組成物。
  8. さらに、アミドアミン化合物と有機酸及び/又は無機酸等の中和剤とさらに、高級脂肪酸及び/又は高級アルコールを含むことを特徴とする請求項ないしのうちいずれか1項記載の化粧料組成物。
  9. さらに、シリコーン及び/又はシリコーン誘導体を含むことを特徴とする請求項ないしのうちいずれか1項記載の化粧料組成物。
  10. 前記化粧料組成物が毛髪処理用組成物であることを特徴とする請求項ないしのうちいずれか1項記載の化粧料組成物。
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