JP4710815B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
従来より、車載用ディーゼルエンジン等の内燃機関に適用される排気浄化装置として、排気系に煤を主成分とする粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するフィルタを設けたものが知られている。こうした排気浄化装置では、フィルタにPMの堆積による目詰まりが生じ、それに起因してフィルタにおけるPMの捕集能力が低下したり機関出力が低下したりするおそれがあるため、フィルタに堆積したPMを燃焼させて同フィルタの目詰まりを解消するフィルタ再生が行われる。
具体的には、以下のようにフィルタ再生が実施される。
フィルタでのPM堆積量が許容上限値まで上昇すると、燃料噴射弁から燃焼室への機関運転のための燃料噴射である主燃料噴射が行われた後、排気系の触媒への燃料成分の供給を行うための同燃料噴射弁からの燃料噴射であるポスト噴射が実行される。このポスト噴射を通じて排気系の触媒に燃料成分が供給されると、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の成分が排気中や触媒上で酸化反応され、その酸化反応に伴う発熱でフィルタが高温環境下におかれる。これにより、フィルタに堆積するPMが燃焼して除去され、同フィルタのPMによる目詰まりが解消される。
ところで、内燃機関の搭載された車両が高地など大気圧の低い場所、言い換えれば空気の密度が低い場所にあるとき、フィルタ再生を行うべくポスト噴射が実施されると、フィルタ温度の過上昇が生じるおそれがある。これは、大気圧の低い場所では標準大気圧の場所に比べて空気の密度が低くなることが関係している。すなわち、空気の密度が低くなると、内燃機関において単位時間あたりに吸入される空気の質量(吸入空気量)が小となり、例えば図4に実線L1で示される状態から実線L2で示される状態へ変化する。その結果、燃焼室内への燃料噴射後における同燃焼室内のガスの空燃比がリッチになり、燃焼室内での燃料燃焼後に排気系に送り出される排気の温度が高くなる。このことが大気圧の低い状態でのポスト噴射時にフィルタ温度の過上昇が生じる原因となる。
以上のことを考慮して、特許文献1に示されるように、圧力センサや空気密度センサによって求められる大気の酸素濃度に基づきフィルタ温度を予測し、そのフィルタ温度が所定温度よりも高いときにポスト噴射量を減量することが考えられる。この場合、大気圧が低くなることによるフィルタ温度の上昇を検出することができるとともに、そのフィルタ温度の過上昇を上記ポスト噴射量の減量を通じて抑制することができるようになる。
特開2004−218440公報(段落[0080]、[0085])
特許文献1に示されるように、大気の酸素濃度に基づきフィルタ温度を予測し、そのフィルタ温度が所定温度以上になったときにポスト噴射量を減量することで、大気圧の低い状態でのフィルタ再生中におけるフィルタ温度の過上昇を抑制することができるようにはなる。ただし、大気圧の低い状態でフィルタ再生のためのポスト噴射が行われるときには、排気系における触媒よりも上流側の部分の温度も上昇し、例えば図5に実線L3で示す状態から実線L4で示す状態へと変化する。
ここで、排気系における触媒よりも上流側の部分の温度に関しては、大気圧の低い状態でのフィルタ再生中におけるポスト噴射を通じて、フィルタ温度にも増して上昇することが確認されている。こうした現象が生じる理由としては、以下の[1]及び[2]に示される理由があると推測される。
[1]ポスト噴射による燃焼室への燃料の噴射が実行されたとき、その燃料の一部が高温環境下にある燃焼室内にて燃焼することは避けられない。そして、大気圧が低くなって内燃機関の吸入空気量が少なくなると、ポスト噴射直後に燃焼室内に存在するガスの空燃比がリッチになり、ポスト噴射によって燃焼室に噴射された燃料が同燃焼室にて燃焼しやすくなる。その結果、ポスト噴射によって燃焼室に噴射された燃料のうち、燃焼室内にて燃焼する燃料の量が増え、燃焼室から排出された直後の排気の温度が上昇し、同排気によって排気系における触媒よりも上流側の部分が加熱される。
[2]上記[1]において排気系における触媒よりも上流側の部分が排気によって加熱されると、フィルタには上記部分によって熱の奪われた温度の低い排気が到達することになる。また、上記[1]に示されるように、ポスト噴射によって燃焼室に噴射された燃料のうち、燃焼室内にて燃焼する燃料の量が増えると、それに対応して触媒に到達する燃料の量が減り、同触媒上での燃料成分の酸化反応に伴う発熱が少なくなることから、その熱のフィルタへの伝達も少なくなる。以上によってフィルタ温度の上昇が鈍くなる。
このように大気圧の低い状態でのフィルタ再生中におけるポスト噴射を通じて、排気系における触媒よりも上流側の部分の温度がフィルタ温度にも増して上昇すると、フィルタ温度が所定温度となってポスト噴射量が減量される前に、排気系における触媒よりも上流側の部分の温度が許容上限値に達する可能性が高くなる。この場合、排気系における触媒よりも上流側の部分の温度が許容上限値以上になっても、フィルタ温度が所定温度に達していないためにポスト噴射量が減量されないことから、上記部分の温度が下がらず同部分が熱によって破損するおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、大気圧の低い状態でフィルタ再生のためのポスト噴射が行われたとき、排気系における触媒よりも上流側の部分で熱による破損が生じることを抑制できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の排気系に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、機関運転のための燃料噴射弁から燃焼室への燃料噴射の後に行われる同燃料噴射弁からの燃料噴射であるポスト噴射を通じて前記排気系の触媒に燃料成分を供給し、その燃料成分の当該触媒での酸化熱によりフィルタ温度を上昇させることにより、前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去するフィルタ再生を行う内燃機関の排気浄化装置において、前記ポスト噴射の際に前記燃料噴射弁から噴射される燃料量であるポスト噴射量をガード値を用いて上限ガードするガード手段と、前記ガード値を大気圧が低いときには同大気圧が高いときよりも小となるよう可変設定する設定手段と、を備え、前記設定手段は、前記大気圧が低いとき、前記ポスト噴射による前記排気系における前記触媒よりも上流側の部分の温度の過上昇を抑制し得る値まで前記ガード値を小さくするものであることを要旨とした。
上記構成によれば、フィルタ再生中にポスト噴射量のガード値による上限ガードが行われ、大気圧が低い状態にあっては上記ガード値がポスト噴射による排気系における触媒よりも上流側の部分の温度の過上昇を抑制し得る値まで小さくされる。従って、大気圧が低いとき、ポスト噴射により排気系における触媒よりも上流側の部分の温度が過上昇することは抑制され、その部分の熱による破損が抑制されるようになる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記ポスト噴射量は、前記フィルタ温度が前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼可能な値である目標温度に達するよう、それらフィルタ温度及び目標温度に基づき増減されるフィードバック補正値によって補正されるものであり、前記ガード手段は、前記フィードバック補正値による補正後のポスト噴射量を前記ガード値を用いて上限ガードするものとした。
上記構成によれば、大気圧が低い状態でのフィルタ再生中であって、フィルタ温度が目標温度よりも低いときには、そのフィルタ温度が目標温度に到達するまでフィードバック補正値が大きくされてゆき、同フィードバック補正値によるポスト噴射量の増量補正が増大してゆくこととなる。このような状況のもとでは、排気系における触媒よりも上流側の部分の温度が上昇しやすくなり、その部分の熱による破損が生じやすくなる。しかし、フィードバック補正値による補正後のポスト噴射量は、大気圧の低い状態のときに上述したように小さくされるガード値を用いて上限ガードされるため、上記排気系における触媒よりも上流側の部分の熱による破損を的確に抑制できるようになる。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記ポスト噴射量は、機関負荷及び機関回転速度に基づき定められるものであって、前記設定手段は、機関負荷、機関回転速度、及び大気圧に基づき、前記ガード値を可変設定するものとした。
上記構成によれば、機関負荷及び機関回転速度に基づき定められるポスト噴射量に対応して、ガード値を機関負荷及び機関回転速度に基づきフィルタ温度の過上昇を抑制するうえで最適な値となるよう可変としつつ、大気圧の低い状態にあってはガード値を排気系における触媒よりも上流側の部分の温度が過上昇しないようポスト噴射量を制限可能な値とすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1は、本実施形態の排気浄化装置が適用される内燃機関1の構成を示している。この内燃機関1は、コモンレール方式の燃料噴射装置及びターボチャージャを備えるディーゼル機関となっている。
内燃機関1の各燃焼室2には吸気通路3及び排気通路4が接続されている。
そして、吸気通路3には、その上流部から下流側に向けて順に、エアフローメータ5、ターボチャージャ6のコンプレッサ6a、インタークーラ7、及び吸気絞り弁8が配設されている。また、吸気通路3は、吸気絞り弁8の下流側に設けられた吸気マニホールド9にて各気筒に対応して分岐している。
一方、排気通路4は、各気筒の燃焼室2と繋がる排気マニホールド10によって各気筒毎に分岐した状態から一つに集合するようにされ、その排気マニホールド10の下流側でターボチャージャ6の排気タービン6bに接続されている。また、排気通路4の排気タービン6b下流には、上流側から順に、第1酸化触媒11、第2酸化触媒12、フィルタ13、排気絞り弁14が配設されている。上記第1酸化触媒11及び第2酸化触媒12は、排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化して浄化するものである。また、上記フィルタ13は、多孔質材料によって形成されており、排気中の煤を主成分とする粒子状物質(PM)を捕集する。
なお、排気通路4における第2酸化触媒12の上流側及び下流側には、第2酸化触媒12に流入する排気の温度を検出する第1排気温度センサ15、及びフィルタ13に流入する排気の温度を検出する第2排気温度センサ16がそれぞれ配設されている。また、排気通路4における第2酸化触媒12とフィルタ13との間には、フィルタ13の上流側の圧力を検出する圧力センサ17が配設されている。
更に、この内燃機関1には、排気の一部を吸気通路3内の空気に再循環させる排気再循環(以下、EGRと記載する)装置が設けられている。EGR装置は、排気通路4と吸気通路3とを連通するEGR通路18を備えて構成されている。EGR通路18の最上流部は、排気通路4の上記排気タービン6bの排気上流側に接続されている。EGR通路18には、その上流側から、再循環される排気を冷却するEGRクーラ19、その排気の流量を調整するEGR弁20が順に配設されている。そしてEGR通路18の最下流部は、吸気通路3の上記吸気絞り弁8の下流側に接続されている。
一方、内燃機関1各気筒の燃焼室2には、同燃焼室2内での燃焼に供される燃料を噴射する燃料噴射弁21がそれぞれ配設されている。各気筒の燃料噴射弁21はコモンレール22に接続されており、コモンレール22には高圧ポンプ23を通じて高圧燃料が供給される。そして、コモンレール22内の高圧燃料の圧力は、同コモンレール22に取り付けられたレール圧センサ24によって検出されるようになっている。
こうした内燃機関1の各種制御は、制御装置25により実施されている。制御装置25は、機関制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
制御装置25の入力ポートには、上述した各センサに加え、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ26、機関回転速度を検出する機関回転速度センサ27、大気圧を検出する大気圧センサ28、及び吸気絞り弁8の開度を検出する絞り弁センサ29等が接続されている。また、制御装置25の出力ポートには、上記吸気絞り弁8、排気絞り弁14、EGR弁20、燃料噴射弁21、及び高圧ポンプ23等の駆動回路が接続されている。
制御装置25は、上記各センサから入力される検出信号より把握される機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各機器類の駆動回路に指令信号を出力する。こうして上記吸気絞り弁8の開度制御、上記排気絞り弁14の開度制御、上記EGR弁20の開度制御に基づくEGR制御、上記燃料噴射弁21の燃料噴射制御、及び高圧ポンプ23の吐出圧力制御等の各種制御が制御装置25により実施されている。
以上の如く構成された本実施形態では、上記フィルタ13でのPMによる目詰まりを防止すべく、同フィルタ13に堆積したPMを燃焼させて浄化するフィルタ再生が実施される。こうしたフィルタ再生を行うには、上記フィルタを十分に高温化する必要がある。このため、フィルタ再生の実行時には、第1酸化触媒11及び第2酸化触媒12に燃料成分を供給し、フィルタ13の温度を上記PMの燃焼に必要な値(例えば600〜700℃)まで上昇させることが行われる。
フィルタ再生に関しては、圧力センサ17の検出信号に基づき推定される非フィルタ再生時におけるフィルタ13でのPM堆積量が許容上限値以上になったときに開始される。なお、上記PM堆積量を圧力センサ17の検出信号に基づき推定できるのは、そのPM堆積量と圧力センサ17によって検出される圧力との間に、PM堆積量の増大に伴い当該圧力が高くなるという関係があるためである。フィルタ再生が開始されると、第1酸化触媒11及び第2酸化触媒12に燃料成分を供給し、それら触媒11,12での燃料の酸化に伴う酸化熱により、フィルタ13の温度が上記PMの燃焼に必要な値まで上昇される。
具体的には、燃料噴射弁21から燃焼室2への機関運転のための燃料噴射である主燃料噴射が行われた後、第1酸化触媒11及び第2酸化触媒12に燃料成分を供給するための同燃料噴射弁21からの燃料噴射であるポスト噴射が実行される。こうしたポスト噴射に関しては、機関運転状態に基づき算出されたポスト噴射量Qpが上記主燃料噴射後に燃料噴射弁21から噴射されるよう、当該燃料噴射弁21を駆動制御することによって実現される。
そして、ポスト噴射によって燃料噴射弁21から噴射された燃料は、排気通路4に送り出されて第1酸化触媒11に達する。第1酸化触媒11に燃料成分が達すると、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の成分が排気中や触媒上で酸化反応され、その酸化反応に伴う発熱で排気温度が上昇する。更に、この排気温度の上昇作用によって第2酸化触媒12の昇温が図られ、これにより第2酸化触媒12の活性化が促進される。また、第1酸化触媒11で酸化されることなく通過した燃料成分が第2酸化触媒12に達すると、その第2酸化触媒12においても燃料成分の酸化反応が行われ、それに伴う発熱で排気温度が上昇する。そして、以上のように昇温された排気がフィルタ13に流入することにより、フィルタ13の温度が上記PMを燃焼させ得る値へと上昇される。
こうしたフィルタ再生が行われることにより、フィルタ13に堆積したPMが燃焼され、同フィルタ13でのPM堆積量が減少する。なお、フィルタ再生開始後のフィルタ13でのPM堆積量、言い換えればフィルタ再生中の同PM堆積量は、式「(フィルタ再生中のPM堆積量PMsm)=(フィルタ再生開始時のPM堆積量PMsm)+PM排出量PMe−PM酸化量PMc …(1)」に基づいて推定される。
式(1)のPM排出量PMeは、内燃機関1から排気通路4に排出されるPMの量であって、実験等を通じて予め設定されたマップを参照して機関回転速度NE及び機関負荷に基づき求められる。なお、ここで用いられる機関負荷としては、燃料噴射弁21からの主燃料噴射の際の燃料噴射量Qfin が用いられる。また、式(1)のPM酸化量PMcは、フィルタ13に堆積したPMの燃焼量であって、実験等を通じて予め設定されたマップを参照してフィルタ温度Tf及び吸入空気量GAに基づき求められる。なお、ここで用いられるフィルタ温度Tfは第2排気温度センサ16の検出信号に基づき求められるものであり、吸入空気量GAはエアフローメータ5の検出信号に基づき求められるものである。
そして、式(1)に基づき推定されるPM堆積量がフィルタ再生の実行によって十分に少なくなり、例えばほぼ「0」と判断できるほど少なくなると、フィルタ再生が完了した旨判断されてポスト噴射が停止される。このポスト噴射の停止を通じてフィルタ再生が終了されることとなる。
ここで、フィルタ再生のためのポスト噴射を実行する際に用いられるポスト噴射量Qpの算出手順について、ポスト噴射量算出ルーチンを示す図2のフローチャートを参照して説明する。このポスト噴射量算出ルーチンは、制御装置25を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、基本噴射量Qpbの算出(S101)、フィードバック補正値Hの算出(S102)が順に行われ、それら基本噴射量Qpb及びフィードバック補正値Hを用いて次の式(2)に基づきポスト噴射量Qpの算出が行われる(S103)。
Qp=Qpb+H …(2)
Qp:ポスト噴射量
Qpb:基本噴射量
H :フィードバック補正値
上記基本噴射量Qpbは、ポスト噴射量Qpのベース値であり、ステップS101で燃料噴射量Qfin 及び機関回転速度NEに基づき算出される。こうして算出された基本噴射量Qpbに関しては、機関回転速度NE一定の条件下では、燃料噴射量Qfin が大となるほど小さい値とされる。これは、燃料噴射量Qfin が大となるほど内燃機関1の排気温度が高くなり、少ない量のポスト噴射でフィルタ温度Tfを上昇させることが可能なためである。また、上記算出された基本噴射量Qpbは、機関回転速度NEの上昇に伴い大になるという、大まかな傾向を有する。これは、機関回転速度NEが大となるほど、排気がフィルタ13を通過する時間、言い換えれば排気からフィルタ13への熱の伝達が行われる時間が短くなり、フィルタ温度Tfを上昇させにくくなるためである。
また、フィードバック補正値Hは、フィルタ温度Tfを目標温度Ttとすべくポスト噴射量を増減補正するためのものであって、ステップS102において目標温度Ttに対するフィルタ温度Tfの増加側または減少側への乖離量に応じて算出される。より詳しくは、フィードバック補正値Hに関しては、フィルタ温度Tfが目標温度Ttよりも高いときには同フィルタ温度Tfの目標温度Ttに対する乖離量が大きいほど小さな値となり、フィルタ温度Tfが目標温度Ttよりも低いときには同フィルタ温度Tfの目標温度Ttに対する乖離量が大きいほど大きな値となる。なお、上記目標温度Ttとしては、フィルタ13に堆積したPMを燃焼させて同フィルタ13でのPM堆積量を減少可能な値が採用される。
ところで、大気圧の低い状態でフィルタ再生のためのポスト噴射が行われるときには、標準大気圧のときに比べて、フィルタ温度Tfの温度が上昇しやすくなる。更に、そのフィルタ温度Tfにも増して、排気マニホールド10など内燃機関1の排気系における第1酸化触媒11及び第2酸化触媒12よりも上流側に位置する部分の温度が上昇しやすくなることは、[発明の解決しようとする課題]の欄に記載したとおりである。より詳しくは、排気マニホールド10における排気通路4の集合部分Sの温度T4が、フィルタ温度Tfにも増して上昇しやすくなる。従って、大気圧の低い状態でのポスト噴射の実行時には、排気マニホールド10における集合部分Sの温度T4の過上昇が生じ、その集合部分Sが熱によって破損することにもなりかねない。
そこで本実施形態では、フィルタ温度Tfの温度の過上昇、及び排気マニホールド10の集合部分Sの温度T4の過上昇を抑制すべく、式(2)に基づき算出されたポスト噴射量Qpをガード値Gを用いて上限ガードする。具体的には、ガード値Gを燃料噴射量Qfin 、機関回転速度NE、及び大気圧Paに基づきマップを参照して可変設定し(S104)、式(2)に基づき算出されたポスト噴射量Qpが上記ガード値Gよりも大きい値とならないよう同ポスト噴射量Qpをガードする(S105)。
上記ガード値Gは、燃料噴射量Qfin 及び機関回転速度NEに基づき定められるポスト噴射量Qp(基本噴射量Qpb)に対応して、それら燃料噴射量Qfin 及び機関回転速度NEに基づきフィルタ温度Tfの過上昇を抑制するうえで、最適な値となるよう可変とされる。また、ガード値Gに関しては、大気圧Paが標準大気圧よりも低い状態にあるとき、同大気圧Pa標準大気圧であるときに比べて小となるよう可変設定される。具体的には、内燃機関1の排気温度が高くなる運転領域、すなわち図3に斜線で示されるような高負荷領域であって、大気圧Paが標準大気圧よりも低い状態にあるとき、上記集合部分Sの温度T4を許容上限値未満に抑制して同温度T4の過上昇を抑制し得る値までガード値Gが小さくなるよう、同ガード値Gの大気圧Paに基づく可変設定が行われる。
このように可変設定されるガード値Gを用いてポスト噴射量Qpの上限ガードを行うことにより、ポスト噴射量Qp分のポスト噴射に起因してフィルタ温度Tfが過上昇すること、及び、大気圧が低い状態になったときに上記ポスト噴射に起因して排気マニホールド10における集合部分Sの温度T4が過上昇することを抑制できるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)大気圧Paに応じて可変設定されるガード値Gを用いてポスト噴射量Qpを上限ガードすることにより、大気圧の低い状態でのポスト噴射時に排気マニホールド10の集合部分Sの温度T4が許容上限値以上に上昇(過上昇)することを抑制でき、その集合部分Sが熱により破損することを抑制できる。
(2)大気圧が低い状態でのポスト噴射時であって、フィルタ温度Tfが目標温度Ttよりも低いときには、そのフィルタ温度Tfが目標温度Ttに到達するまでフィードバック補正値Hが大きくされてゆき、同フィードバック補正値Hによるポスト噴射量Qpの増量補正が増大してゆくこととなる。このような状況のもとでは、排気マニホールド10における集合部分Sの温度T4が上昇しやすくなり、その集合部分Sの熱による破損が生じやすくなる。しかし、フィードバック補正値Hによる補正後のポスト噴射量Qpが上記ガード値Gを用いて上限ガードされるため、上述した集合部分Sの熱による破損を的確に抑制できるようになる。
(3)上記ガード値Gは、燃料噴射量Qfin 、機関回転速度NE、及び大気圧Paに基づき、上述したように可変設定される。従って、燃料噴射量Qfin 及び機関回転速度NEに基づき定められるポスト噴射量Qpに対応して、ガード値Gを燃料噴射量Qfin 及び機関回転速度NEに基づきフィルタ温度Tfの過上昇を抑制するうえで最適な値となるよう可変としつつ、大気圧の低い状態にあっては同ガード値Gを上記温度T4の過上昇を抑制可能な値とすることができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・ガード値Gの可変設定をマップを参照して行ったが、これにかえて同ガード値Gを予め定められた計算式によって算出し設定してもよい。
・ポスト噴射量Qpを算出する際、フィードバック補正値Hによる同ポスト噴射量Qpの補正を行ったが、こうした補正に関しては必ずしも行う必要はない。
・主燃料噴射の後に行われるポスト噴射を二回や三回などの複数回に分割して行うようにしてもよい。この場合、分割したポスト噴射の際のポスト噴射量の合計値がポスト噴射量Qpとなるよう燃料噴射弁21が駆動制御されることとなり、そのポスト噴射量Qp(合計値)に対してガード値G以上とならないよう上限ガードがかけられる。
・フィルタ13に酸化触媒が担持されて同フィルタ13上で燃料成分を酸化反応させることによりフィルタ温度Tfを上昇させる排気浄化装置に本発明を適用してもよい。この場合、第1酸化触媒11や第2酸化触媒12を省略してもよい。
本実施形態の排気浄化装置が適用される内燃機関及びその周辺構造を示す略図。 ポスト噴射量の算出手順を示すフローチャート。 大気圧の低い状態にあるときにガード値が小さくされる機関運転領域を示す説明図。 機関回転速度の変化に対する吸入空気量の変化についての大気圧による違いを示すグラフ。 機関回転速度の変化に対する排気系における触媒よりも上流側の部分の温度の変化についての大気圧による違いを示すグラフ。
符号の説明
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、4…排気通路、5…エアフローメータ、6…ターボチャージャ、6a…コンプレッサ、6b…排気タービン、7…インタークーラ、8…吸気絞り弁、9…吸気マニホールド、10…排気マニホールド、11…第1酸化触媒、12…第2酸化触媒、13…フィルタ、14…排気絞り弁、15…第1排気温度センサ、16…第2排気温度センサ、17…圧力センサ、18…EGR通路、19…EGRクーラ、20…EGR弁、21…燃料噴射弁、22…コモンレール、23…高圧ポンプ、24…レール圧センサ、25…制御装置(ガード手段、設定手段)、26…アクセルセンサ、27…機関回転速度センサ、28…大気圧センサ、29…絞り弁センサ。

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気系に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、機関運転のための燃料噴射弁から燃焼室への燃料噴射の後に行われる同燃料噴射弁からの燃料噴射であるポスト噴射を通じて前記排気系の触媒に燃料成分を供給し、その燃料成分の当該触媒での酸化熱によりフィルタ温度を上昇させることにより、前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させて除去するフィルタ再生を行う内燃機関の排気浄化装置において、
    前記ポスト噴射の際に前記燃料噴射弁から噴射される燃料量であるポスト噴射量をガード値を用いて上限ガードするガード手段と、
    前記ガード値を大気圧が低いときには同大気圧が高いときよりも小となるよう可変設定する設定手段と、
    を備え、
    前記設定手段は、前記大気圧が低いとき、前記ポスト噴射による前記排気系における前記触媒よりも上流側の部分の温度の過上昇を抑制し得る値まで前記ガード値を小さくするものである
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記ポスト噴射量は、前記フィルタ温度が前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼可能な値である目標温度に達するよう、それらフィルタ温度及び目標温度に基づき増減されるフィードバック補正値によって補正されるものであり、
    前記ガード手段は、前記フィードバック補正値による補正後のポスト噴射量を前記ガード値を用いて上限ガードするものである
    請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記ポスト噴射量は、機関負荷及び機関回転速度に基づき定められるものであって、
    前記設定手段は、機関負荷、機関回転速度、及び大気圧に基づき、前記ガード値を可変設定する
    請求項1又は2記載の内燃機関の排気浄化装置。
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