JP4710276B2 - 二次電池用外装部材及び二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池の発電要素を収容して封止するための二次電池用外装部材及びそれを用いた二次電池に関する。
二次電池の発電要素を収容して封止するための二次電池用外装部材として、内側樹脂層、金属層、及び、外側樹脂層から成る3層構造のものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような二次電池用外装部材を用いた二次電池では、外装部材の中間に位置する金属層に電位が発生したり、当該金属層を介して電池が内部短絡するのを防止するために、外装部材の内側樹脂層に、使用環境にて印加される負荷(振動・温度・湿度等)にも充分に耐え得る電気絶縁性を確保する必要がある。特に、例えば電気自動車等の分野において2以上の単位電池を直列接続して組電池として使用する場合には当該組電池が高電圧となるため、この問題は顕著となる。
特開2001−307690号公報
本発明は、幅広い温度環境下において、金属層の電位発生や金属層を介した電池の内部短絡を防止することが可能な二次電池用外装部材及びそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、二次電池の発電要素を収容して封止するための二次電池用外装部材であって、前記二次電池用外装部材は、前記二次電池の内側から外側に向かって、第1の内側樹脂層、第2の内側樹脂層、金属層の順にそれぞれ直接積層された樹脂−金属薄膜ラミネート材を有し、前記第1の内側樹脂層は、前記第2の内側樹脂層より高い融点を持つポリプロピレン材料から構成され、前記第2の内側樹脂層は、前記第1の内側樹脂層より低いガラス転移温度を持つポリエチレン材料から構成されている二次電池用外装部材が提供される。
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、電極板を有する発電要素が外装部材に収容されて封止され、前記電極板に接続された電極端子が前記外装部材の外周縁から導出した二次電池であって、前記外装部材は、前記二次電池の内側から外側に向かって、第1の内側樹脂層、第2の内側樹脂層、金属層の順にそれぞれ直接積層された樹脂−金属薄膜ラミネート材を有し、前記第1の内側樹脂層は、前記第2の内側樹脂層より高い融点を持つポリプロピレン材料から構成され、前記第2の内側樹脂層は、前記第1の内側樹脂層より低いガラス転移温度を持つポリエチレン材料から構成されている二次電池が提供される。
本発明では、二次電池に用いられる外装部材に、第2の内側樹脂層より高い融点を持つ第1の内側樹脂層と、当該第1の内側樹脂層より低いガラス転移温度を持つ第2の内側樹脂層とを具備させ、金属層より内側にこれら第1及び第2の内側樹脂層を積層する。
低温環境下において、内側樹脂層の結晶化が進行し強度低下を引き起こし、二次電池に振動や応力が印加されて当該内側樹脂層にクラックが発生する場合がある。これに対し、本発明では、第1の内側樹脂層にクラックが発生しても、第2の内側樹脂層を第1の内側樹脂層より低ガラス転移温度とすることにより、第2の内側樹脂層の結晶化度が低くなるため、第2の内側樹脂層のクラック発生を抑制出来る。このため、二次電池内部の電解液や電極板等に対して外装部材の金属層がクラックを介して露出して接触することが防止され、金属層の電位発生や金属層を介した電池の内部短絡を防止することが可能となる。
また、高温環境下において、内側樹脂層のクリープ等により電気絶縁に必要な距離(厚さ)を局所的に確保出来なくなる場合がある。これに対し、本発明では、第2の内側樹脂層にクリープ現象が発生しても、第1の内側樹脂層を第2の内側樹脂層より高融点とすることにより、二次電池内部の電解液や電極板等と外装部材の金属層との絶縁に必要な距離が第1の内側樹脂層により確保され、金属層の電位発生や金属層を介した電池の内部短絡を防止することが可能となる。
さらに、異常過熱等により第2の内側樹脂層の融点付近まで電池温度が上昇した場合であっても、本発明では、第2の内側樹脂層より高融点の第1の内側樹脂層が溶融しないため、外装部材の金属層が二次電池内部の電解液や電極板等に対して露出することが防止され、金属層の電位発生や金属層を介した電池の内部短絡を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る二次電池の全体を示す上部平面図、図2は図1のII-II線に沿った断面図、図3は本発明の実施形態に係る二次電池の外装部材の断面図である。
図1及び図2は一つの二次電池10(単位電池)を示し、この二次電池10を複数の組み合わせることにより所望の電圧、容量の組電池が構成される。
本実施形態に係る二次電池10は、リチウム系の平板状の積層タイプの薄型二次電池であり、図1及び図2に示すように、3枚の正極板101と、5枚のセパレータ102と、3枚の負極板103と、正極端子104と、負極端子105と、上部外装部材106と、下部外装部材107と、特に図示しない電解質とから構成されている。このうちの正極板101、セパレータ102、負極板103及び電解質を特に発電要素108と称する。
発電要素108を構成する正極板101は、正極端子104まで延びている正極側集電体101aと、当該集電体101aの一部の両主面にそれぞれ形成された正極層101b、101cと、を有している。
この正極板101の正極側集電体101aは、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、又は、ニッケル箔等の電気化学的に安定した金属箔である。
また、この正極板101の正極層101b、101cは、例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、又は、コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物等の正極活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)の水性ディスパージョン等の結着剤とを混合したものを、正極側集電体101aの一部の両主面に塗布し、乾燥及び圧延することにより形成されている。
発電要素108を構成する負極板103は、負極端子105まで延びている負極側集電体103aと、当該集電体103aの一部の両主面にそれぞれ形成された負極層103b、103cと、を有している。
この負極板103の負極側集電体103aは、例えば、ニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、又は、鉄箔等の電気化学的に安定した金属箔である。
また、この負極板103の負極層103b、103cは、例えば、非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、又は、黒鉛等のような上記の正極活物質のリチウムイオンを吸蔵及び放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを混合し、乾燥させた後に粉砕することで、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とし、これにアクリル樹脂エマルジョン等の結着剤をさらに混合し、この混合物を負極側集電体103aの一部の両主面に塗布し、乾燥及び圧延することにより形成されている。
発電要素108のセパレータ102は、上述した正極板101と負極板103との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えても良い。このセパレータ102は、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって層の空孔が閉塞され電流を遮断する機能をも有する。
なお、本発明のセパレータ102は、ポリオレフィン等の単層膜のみに限られず、ポリプロピレン膜をポリエチレン膜でサンドイッチした三層構造や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布等を積層したものも用いることが出来る。このようにセパレータ102を複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能及びセパレータの形状維持(剛性向上)機能等の諸機能を付与することが出来る。
以上の発電要素108は、セパレータ102を介して正極板101と負極板103とが交互に積層されている。そして、3枚の正極板101は、正極側集電体101aを介して、金属箔製の正極端子104にそれぞれ接続される一方で、3枚の負極板103は、負極側集電体103aを介して、同様に金属箔製の負極端子105にそれぞれ接続されている。
なお、発電要素108の正極板101、セパレータ102、及び、負極板103は、本発明では上記の枚数に何ら限定されず、例えば、1枚の正極板101、3枚のセパレータ102、及び、1枚の負極板103でも発電要素108を構成することが出来、必要に応じて正極板、セパレータ及び負極板の枚数を選択して構成することが出来る。
正極端子104も負極端子105も電気化学的に安定した金属材料であれば特に限定されないが、正極端子104としては、上述の正極側集電体101aと同様に、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、又は、ニッケル箔等を挙げることが出来る。また、負極端子105としては、上述の負極側集電体103aと同様に、例えば、ニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、又は、鉄箔等を挙げることが出来る。また、本実施形態では、電極板101、103の集電体101a、103aを構成する金属箔自体を電極端子104、105まで延長することにより、電極板101、103を電極端子104、105に直接接続しているが、電極板101、103の集電体101a、103aと、電極端子104、105とを、集電体101a、103aを構成する金属箔とは別の材料や部品により接続しても良い。
発電要素108は、上部外装部材106及び下部外装部材107(外装部材)に収容されて封止されている。本実施形態における上部外装部材106は、図3に示すように、二次電池10の内側から外側に向かって、第1の内側樹脂層106a、第2の内側樹脂層106b、金属層106c、及び、外側樹脂層106dの4層構造の樹脂−金属薄膜ラミネート材(ラミネートフィルム)で構成されている。下部外装部材107も同様に、同図に示すように、二次電池10の内側から外側に向かって、第1の内側樹脂層107a、第2の内側樹脂層107b、金属層107c、及び、外側樹脂層107dの4層構造の樹脂−金属薄膜ラミネート材(ラミネートフィルム)で構成されている。
外装部材106、107の第1の内側樹脂層106a、107aは、第2の内側樹脂層106b、107bより高い融点(Tm)を持つ例えばポリプロピレン(PP)等の熱可塑性樹脂材料から構成された樹脂フィルムである。
このように、第2の内側樹脂層より高融点を有する第1の内側樹脂層106a、107aを、第2の内側樹脂層106b、107bの内側に積層することにより、高温環境下にて第2の内側樹脂層106b、107bがクリープ等により電気絶縁に必要な距離を局所的に確保し得ない場合であっても、第1の内側樹脂層106a、107aにより二次電池10内部の発電要素108と外装部材106、107の金属層106c、107cとの絶縁に必要な距離が確保される。
また、異常過熱等により第2の内側樹脂層106b、107bの融点付近まで電池温度が上昇した場合であっても、高融点の第1の内側樹脂層106a、107aが溶融しないため、金属層106c、107cが二次電池10の発電要素108に対して露出することが防止される。
さらに、第2の内側樹脂層106b、107bの融点において吸熱が起こるため二次電池10の自己発熱を抑制することが出来、二次電池10の異常時における信頼性を大幅に向上することが可能となる。
外装部材106、107の第2の内側樹脂層106b、107bは、第1の内側樹脂層106a、107aより低いガラス転移温度(Tg)を持つ例えばポリエチレン(PE)等の熱可塑性樹脂材料から構成された樹脂フィルムである。
このように、第1の内側樹脂層106a、107aより低いガラス転移温度を有する第2の内側樹脂層106b、107bを、第1の内側樹脂層106a、107aの外側に積層することにより、低温環境下にて第1の内側樹脂層106a、107aの結晶化が進行してクラックが発生した場合であっても、第2の内側樹脂層106b、107bの結晶化度が低くなっているため、第2の内側樹脂層106b、107bではクラックの発生が抑制される。このため、二次電池10内部の電解液や電極板等に対して外装部材106、107の金属層106c、107cがクラックを介して露出して接触することが防止される。
因みに、第2の内側樹脂層106b、107bを第1の内側樹脂層106a、107aの内側に積層した場合には、二次電池10内部から生じた発熱により、融点の高くない第2の内側樹脂層106b、107bが溶融するので、外装部材106、107の熱融着部分が剥がれて封止性が確保されない場合がある。これに対し、本実施形態では、第1の内側樹脂層106a、107aを第2の内側樹脂層106b、107bより内側に積層することにより、外装部材106、107の封止性を確保することが可能となっており、特に、例えば電気自動車等の高電圧・大容量が要求される分野ではこの効果は顕著である。
第1の内側樹脂層106a、107aは、20μm以上の厚さを有し、第2の内側樹脂層106b、107bは、15μm以上の厚さを有している。
第1の内側樹脂層106a、107a及び第2の内側樹脂層106b、107bがそれぞれ上記のような厚さを有することにより、第1の内側樹脂層106a、107a又は第2の内側樹脂層106b、107bの一方の層に絶縁破壊が生じた場合であっても、他方の層により、500V程度の高電圧印加時に内側樹脂層の電気絶縁性を確保することが可能となる。
外装部材106、107の金属層106c、107cは、例えばアルミニウム等の金属箔から構成されている。樹脂層に加えて金属層106c、107cを具備させることにより、外装部材106、107自体の強度向上を図ることが出来る。
外装部材106、107の外側樹脂層106d、107dは、例えばポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた合成樹脂材料から構成された樹脂フィルムである。なお、上部外装部材106も下部外装部材107も、外側樹脂層106d、107dのさらに外側に、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等から構成された樹脂層が積層されても良い。
この外装部材106、107の一方の端部から正極端子104が導出するが、本実施形態では、二次電池10内の封止性を維持するために、正極端子105と外装部材106、107とが接触する部分にシートフィルム109が介在している。同様に、外装部材106、107の他方の端部から負極端子105が導出するが、負極端子105と外装部材106、107とが接触する部分にシートフィルム109が介在している。このシートフィルム109は、50〜100μm程度の厚さを有している。このシートフィルム109を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、又は、アイオノマー等の耐電解液性及び熱融着性に優れた合成樹脂材料を挙げることが出来、熱融着性の観点から外装部材106、107の第1の内側樹脂層106a、107aと同系統の材料で構成することが好ましい
これらの外装部材106、107によって、上述した発電要素108、正極端子104の一部及び負極端子105の一部を包み込み、当該外装部材106、107により形成される空間に、有機液体溶媒に過塩素酸リチウム(LiClO)やホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩を溶質とした液体電解質を注入しながら、外装部材106、107により形成される空間を吸引して真空状態とした後に、外装部材106、107の外周縁を熱プレスにより熱融着して封止する。
有機液体溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等のエステル系溶媒を挙げることが出来るが、本発明の有機液体溶媒はこれに限定されることなく、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他の混合、調合した有機液体溶媒を用いることも出来る。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述の実施形態では、図1に示すように、二次電池10の外装部材106、107の対向する短辺から正極端子104及び負極端子105がそれぞれ導出しているが、本発明では特にこれに限定されず、例えば、外装部材106、107の同一の短辺から正極端子104及び負極端子105が同一方向に向かって導出するように構成しても良い。
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例及び比較例は、上述した実施形態で用いた二次電池の効果を確認するためのものである。
実施例1
スピネル型リチウムマンガン酸化物(正極活物質)に黒鉛(導電剤)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合した粉末をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散してスラリーとし、当該スラリーをアルミニウム箔(正極側集電体)の一部の両主面に実質的に均一に塗布した後、ロールプレスにより所定密度となるように圧延することにより正極板を作製した。
難黒鉛化炭素(負極活物質)に黒鉛(導電剤)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合した粉末をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散してスラリーとし、当該スラリーを銅箔(負極側集電体)の一部の両主面に実質的に均一に塗布した後、ロールプレスにより所定密度となるように圧延することにより負極板を作製した。
このように作製した正極板と負極板を、その間にセパレータを挟み且つ最上層及び最下層に負極板が位置するように、交互に積層して電極積層体とした。各電極板の積層枚数は、所定の電池容量が確保出来るように設定した。
この電極積層体から延びている各正極側集電体をアルミニウム製の正極端子にそれぞれ溶接すると共に、当該積層体から延びている各負極側集電体をニッケル製の負極端子にそれぞれ溶接した。
次いで、電極端子に接続された電極積層体を、2枚の外装部材の間に収容し、電極端子の一部を外周縁から導出させながら当該外装部材の短辺側二辺と長辺側一辺の合計三辺を熱融着し、当該開口から所定量の電解液を注入した後に、外装部材により形成された空間内を減圧した状態で、残る一辺を熱融着して実施例1の電池サンプルを作製した。
外装部材は、第1の内側樹脂層として厚さ25μmのポリプロピレン層、第2の内側樹脂層として厚さ20μmのポリエチレン層、金属層としてアルミニウム合金層、及び、外側樹脂層としてナイロン層から構成される4層構造の樹脂−金属薄膜ラミネート材で構成した。
また、電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)及びジエチルカーボネート(DMC)の混合溶媒に、支持電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を溶解したものを使用した。
この実施例1における二次電池について、低温環境下における金属層の電位発生の有無、高温環境下における金属層の電位発生の有無、及び、異常過熱時における自己発熱の有無の評価を行った。
低温環境下における金属層の電位発生の有無の評価は、電池サンプル20個を温度−40℃の環境下に1000時間保存した後に、外装部材の金属層と正極端子・負極端子との間の電位差を測定し、何れの電池サンプルについても金属層に電位が発生していない場合には「良」と評価し、一つのサンプルでも金属層に電位が発生している場合には「不可」と評価した。
実施例1における低温環境下でのこの試験では、20個の電池サンプル中ひとつのサンプルも金属層に電位が発生していなかった。その試験結果を表1に示す。なお、表1における「低温環境電位試験」の欄の各数値は、低温環境下での試験において、20個のサンプルの中、金属層に電位が発生したサンプルの個数を示す。
高温環境下における金属層の電位発生の有無の評価は、電池サンプル20個を温度80℃の環境下に48時間保存した後に、外装部材の金属層と正極端子・負極端子との間の電位差を測定し、何れの電池サンプルについても金属層に電位が発生していない場合には「良」と評価し、一つのサンプルでも金属層に電位が発生している場合には「不可」と評価した。
実施例1における高温環境下でのこの試験では、20個の電池サンプル中ひとつのサンプルも金属層に電位が発生していなかった。その試験結果を表1に示す。なお、表1における「高温環境電位試験」の欄の各数値は、高温環境下での試験において、20個のサンプルの中、金属層に電位が発生したサンプルの個数を示す。
異常過熱時における自己発熱の評価は、電池サンプル20個を温度45℃の環境下にて電池容量が初期の90%に減少するまで充放電サイクルを繰り返した後、当該電池サンプルを恒温槽中に置き、5℃/minの昇温速度にて160℃まで温度を上昇させ、160℃で60分間保持した後に、二次電池の温度を測定し、何れの電池サンプルについても自己発熱が生じていない場合には「良」と評価し、一つのサンプルでも自己発熱が生じている場合には「不可」と評価した。
実施例1における異常過熱時のこの試験では、20個の電池サンプル中ひとつのサンプルも自己発熱を生じていなかった。その試験結果を表1に示す。なお、表1における「異常過熱試験」の欄の各数値は、異常過熱時の試験において、20個のサンプル中、自己発熱を生じたサンプルの個数を示す。
Figure 0004710276
比較例1
比較例1の二次電池は、外装部材を、内側樹脂層として厚さ45μmのポリエチレン層、金属層としてアルミニウム合金層、及び、外側樹脂層としてナイロン層から構成される3層構造の樹脂−金属薄膜ラミネート材で構成したこと以外は、実施例1と同様の構造で作製した。
この比較例1の電池サンプルについて、実施例1と同様の条件で、低温環境下での金属層の電位発生の有無の評価、高温環境下での金属層の電位発生の有無、及び、異常過熱時における自己発熱の有無の評価を行った。
その結果、表1に示すように、低温環境下での試験では、20個の電池サンプル中ひとつのサンプルにも金属層に電位が発生していなかった。これに対し、高温環境下での試験では、20個の電池サンプル中18個のサンプルの金属層に電位が発生しており「不可」と評価された。また、異常過熱時の試験でも、20個の電池サンプル中5個のサンプルが自己発熱が生じており「不可」と評価された。
比較例2
比較例2の二次電池は、外装部材を、内側樹脂層として厚さ45μmのポリプロピレン層、金属層としてアルミニウム合金層、及び、外側樹脂層としてナイロン層から構成される3層構造の樹脂−金属薄膜ラミネート材で構成したこと以外は、実施例1と同様の構造で作製した。
この比較例2の電池サンプルについて、実施例1と同様の条件で、低温環境下での金属層の電位発生の有無の評価、高温環境下での金属層の電位発生の有無の評価、及び、異常過熱時における自己発熱の有無の評価を行った。
その結果、表1に示すように、低温環境下での試験では、20個の電池サンプル中全てのサンプルの金属層に電位が発生しており「不可」と評価された。これに対し、高温環境下での試験では、20個の電池サンプル中ひとつのサンプルにも金属層に電位が発生していなかった。また、異常過熱時の試験でも、20個の電池サンプル中ひとつのサンプルも自己発熱を生じていなかった。
考察
低温環境下での試験結果より、外装部材の内側樹脂層にガラス転移温度の低いポリエチレン(PE)を用いることにより、低温環境下における金属層の電位発生が防止されることが分かる。
また、高温環境下での試験結果より、外装部材の内側樹脂層に融点の高いポリプロピレン(PP)を用いることにより、高温環境下における金属層の電位発生が防止されることが分かる。
さらに、異常過熱時の試験結果より、外装部材の内側樹脂層に融点の高いポリプロピレン(PP)を用いることにより、二次電池の自己発熱が抑制されることが分かる。
図1は、本発明の実施形態に係る二次電池の全体を示す上部平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る二次電池の外装部材の断面図である。
符号の説明
10…二次電池
101…正極板
101a…正極側集電体
101b、101c…正極層
102…セパレータ
103…負極板
103a…負極側集電体
103b、103c…負極層
104…正極端子
105…負極端子
106…上部外装部材
106a…第1の内側樹脂層
106b…第2の内側樹脂層
106c…金属層
106d…外側樹脂層
107…下部外装部材
107a…第1の内側樹脂層
107b…第2の内側樹脂層
107c…金属層
107d…外側樹脂層
108…発電要素
109…シートフィルム

Claims (3)

  1. 二次電池の発電要素を収容して封止するための二次電池用外装部材であって、
    前記二次電池用外装部材は、前記二次電池の内側から外側に向かって、第1の内側樹脂層、第2の内側樹脂層、金属層の順にそれぞれ直接積層された樹脂−金属薄膜ラミネート材を有し、
    前記第1の内側樹脂層は、前記第2の内側樹脂層より高い融点を持つポリプロピレン材料から構成され
    前記第2の内側樹脂層は、前記第1の内側樹脂層より低いガラス転移温度を持つポリエチレン材料から構成されている二次電池用外装部材。
  2. 前記第1の内側樹脂層は、20μm以上の厚さを持ち、
    前記第2の内側樹脂層は、15μm以上の厚さを持つ請求項1記載の二次電池用外装部材。
  3. 請求項1又は2に記載の外装部材に、電極板を有する発電要素が収容されて封止され、前記電極板に接続された電極端子が前記外装部材の外周縁から導出した二次電池。
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