JP4709430B2 - 濃度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水、排水、し尿処理などの施設から発生する汚水の汚泥濃度や、処理水中の固形物濃度等の、被測定液中の濁質成分の濃度や濁度を測定する装置に関し、とくにレーザー光を使用して拡散反射方式で濁質成分の濃度を精度良く測定できるようにした濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の被測定液中の濁質成分の濃度を測定する方法として、超音波方式、赤外線方式、マイクロ波方式、乾燥重量方式等が知られている。しかし、これら各測定法においては、測定対象となる濁質成分の性状が変化したり、その濃度変動等がある場合、乾燥重量方式を除いて出力値が不安定になるという問題がある。不安定な濃度情報を周辺設備あるいは機器類に伝達、入力すると、監視システムや処理システムの誤動作を招くおそれがある。また、乾燥重量方式には、測定時間が長い、乾燥条件の設定が必要である、測定後に廃棄物が発生する、等の問題がある。
【0003】
一方、別の方式として、レーザー光を被測定液中に照射し、被測定液中を透過するレーザー光の光量を検知する透過光方式が知られている。しかしこの測定法では、とくに濁質成分の濃度が1%以上の高濃度、特に3%程度以上の濃度の場合、光学的に高感度で濃度を測定することが困難であり、高精度の測定が困難である。これは、濁質成分によって光が遮断されたり吸収されたりするので、濁質成分が高濃度になると、透過光検知側での光の減衰が激しくなるため、高感度の測定が困難になるからである。
【0004】
このような高濃度測定の場合の透過光方式における問題を解消するためには、被測定液中に照射されたレーザー光の反射光を検知する方法が有効であると考えられる。この方法は、被測定液中に照射されたレーザー光の大半は、被測定液中の濁質成分に当たって拡散し、拡散された後に反射されてくるので、拡散反射方式とも呼ばれている。このように反射光を検知するようにすれば、濁質成分の濃度にかかわらず、検知すべき反射光が大きく減衰することは回避されるため、比較的濁質成分濃度の高い被測定液に対しても高感度の測定が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者らによる試験、検討の結果、上記のような反射光方式による濃度測定においても、被測定液中の濁質成分の色、とくにその明るさが変化すると、濃度検出値がばらつき、安定した高精度の測定が難しくなることがあることが判明した。たとえば、乾燥重量法で確認した濃度が同じ場合であっても、被測定液中の濁質成分の色、とくに明度が異なると、実際の濃度検出値が大きくばらついてしまうことがある。
【0006】
そこで本発明の課題は、前述のようなレーザー光の反射方式による濃度測定の利点に着目しつつ、被測定液中の濁質成分の色が変動した場合にも精度良く濃度を測定可能な濃度測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る濃度測定装置は、被測定液中の濁質成分の濃度を、被測定液中に向けて発光されたレーザー光の反射光を検知することにより測定する装置において、レーザー光発光用光ファイバーと受光用光ファイバーとをそれぞれランダムに配置し複数本束ねて、それらの先端によって濃度センサー面を構成するとともに、該濃度センサー面の近傍に、別の複数本の受光用光ファイバーを配置して被測定液中からの、前記レーザー光が被測定液中の濁質成分に照射されて散乱された散乱光を受光する散乱光センサー面を構成し、かつ、濃度センサー面による反射光受光量信号を散乱光センサー面による散乱光受光量信号を用いてリアルタイムで補償する信号処理手段を設け、前記信号処理手段により、反射光受光量信号を増幅した信号の大きさに補正係数を乗じた大きさの信号として出力された測定信号パルスと、散乱光受光量信号を増幅して出力された補償信号パルスとを同期して、前記測定信号パルスから前記補償信号パルスを差し引く演算を行って、前記被測定液の濃度測定値として出力することを特徴とするものからなる。
【0008】
この濃度測定装置においては、上記濃度センサー面を構成するに際し、発光用光ファイバーと受光用光ファイバーがランダムに配置されている。受光されたレーザー光の出力値、つまり受光光量としては、このランダム配置形態の場合最も大きくなるので、この形態が最も好ましい
【0009】
散乱光センサー面は、濃度センサー面とは別に、受光用光ファイバーを配置して被測定液中からの散乱光を受光できるように、濃度センサー面の近傍に形成されればよいが、好ましくは、濃度センサー面の周囲に環状に形成されていることが好ましく、これによって濃度センサー面の周囲に散乱する散乱反射光を効率よく受光することが可能になる。とくに、実質的に散乱光のみを効率よく受光するためには、散乱光センサー面と濃度センサー面との間に間隔をあけ、濃度センサー面に受光されるべき反射光はより確実に濃度センサー面に受光され、散乱光センサー面に受光されるべき散乱光はより確実に散乱光センサー面に受光されるようにすることが好ましい。
【0010】
また、信号処理手段は、濃度センサー面による反射光受光信号を散乱光センサー面による散乱光受光信号を用いてリアルタイムで補償するものである。リアルタイムでの補償により、補償されるべき濃度センサー面による反射光受光信号と、補償を行うための散乱光センサー面による散乱光受光信号との間に時間的ずれがなくなり、高精度の補償が可能になる。とくに、被測定液中の泡等によりノイズが発生した場合、通常そのノイズは濃度センサー面による反射光受光信号と散乱光センサー面による散乱光受光信号とに等しく影響するので、リアルタイムでの補償により、このようなノイズを効率よく相殺させて消去することが可能になる。
【0011】
このように構成された本発明に係る濃度測定装置では、単に被測定液中からの反射光を受光しその信号値に基づいて濃度測定を行ったのでは、被測定液、とくにその濁質成分の色、中でもその明るさが変化した場合に、測定値が大きく変動することがあるという問題に着目し、その明るさの変化による濃度測定値への影響を消去するように補償し、該補償によって実際の濁質成分の濃度をより高精度に測定できるようにするものである。すなわち、実際の濃度に相対的に比例するのは、被測定液中からの反射光、ないしは前述の如く拡散反射光であると考えられ、一方、この濃度測定値を大きくばらつかせる色や明るさの要因は、散乱光に大きく支配されると考えられることから、この散乱光の成分を効率よく拾って、それに基づいてばらつき要因を消去するように補償することによって、実際の濃度をばらつきを抑えつつより高精度に測定するという基本技術思想に基づいたものである。そして、この散乱光を、濃度センサー面とは別に構成した散乱光センサー面により、極力その散乱光成分のみとして効率よく受光できるようにし、補償の精度、実効を上げるようにしている。この補償により、色、とくにその明るさによる濃度測定への変動成分が除去され、ばらつきのない高精度の濃度測定が可能になる。
【0012】
また、被測定液中の泡等、濃度測定に対する他のノイズ成分が発生した場合にあっても、そのノイズ成分が濃度センサー面による受光信号と散乱光センサー面による受光信号とに実質的に等しく影響することを利用し、リアルタイムの補償を行うことにより、このようなノイズ成分の消去まで可能となり、一層高精度の濃度測定が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る濃度測定装置の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は本発明の一実施態様に係る濃度測定装置の基本構成を、図3、図4は信号の受発信および信号処理のための回路構成の例を、図5は本発明による補償の様子の一例を、それぞれ示している。
【0014】
図1において、1は濃度測定装置全体を示しており、濃度測定装置1は、たとえば全体としてセンサーの形態に構成され、その先端部がたとえば配管2内を臨むように取り付けられる。濃度測定装置1は、配管2内を流れる被測定液3中の濁質成分4(たとえば、汚泥粒子)に向けて発光されたレーザー光5の拡散反射光6を検知することにより、被測定液3中の濁質成分4の濃度を測定する、いわゆる拡散反射光方式の濃度測定装置に構成されている。
【0015】
本実施態様では、レーザー光源として、レーザー光発光に好適な特定の波長域での強度の高いレーザー光を発光するレーザー発光ダイオード7(レーザーダイオードと略称されることもある。)が使用され、発振器を備えたレーザーダイオード駆動回路8によるパルス駆動により、所定のパルスの形態でレーザー光が発光されるようになっている。レーザー発光ダイオード7で発光されたレーザー光は、レーザー光拡散板9を介して、光ファイバー固定金具10で束ねられて保持された多数の発光用光ファイバー11の入射端に入射される。レーザー光拡散板9により、レーザー光は、均一に拡散された状態で発光用光ファイバー11の入射端に照射される。
【0016】
多数の発光用光ファイバー11と、実質的に同数の多数の受光用光ファイバー12とが束ねられて、一つのセンサー部13に構成されている。束ねられた発光用光ファイバー11および受光用光ファイバー12は、たとえば固定金具14内に相対位置が固定された状態で保持され、各光ファイバーの先端面の位置が揃えられて濃度センサー面15に形成されている。濃度センサー面15からは、発光用光ファイバー11中を導光され、発光用光ファイバー11の出射端から発光されたレーザー光が被測定液3中に向けて照射され、被測定液3中の濁質成分4に当たって拡散、反射してきたレーザー光6は、受光用光ファイバー12の入射端に受光される。本実施態様では、この濃度センサー面15におけるレーザー光の受発光は、濃度センサー面15上に設けたガラス板16を通して行われるようになっている。ガラス板16の材質としては、特に限定しないが、硬くて傷が付きにくく、化学的に安定で、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性に優れ熱的にも安定なサファイアガラスが好ましい。また、このガラス板16の被測定液3側の面を鏡面仕上げしておくと、汚泥による汚れが付着しにくくなり、また、スラッジ等による傷も付きにくくなるので、好ましい。なお、図1には平板状のガラス板16として図示したが、このようなガラス板16に代えて、適当な焦点距離を有するレンズを採用することも可能である。レンズとしては、濃度センサー面側が平面で、他面側(接液側の面)を凸面に形成してレンズ機能をもたせた平凸レンズ等が好ましい。
【0017】
受光用光ファイバー12の入射端から受光されたレーザー光の反射光6は、受光用光ファイバー12中を導光されて、反対側の端部である出射端から出射される。受光用光ファイバー12の出射端側の端部においても、多数の受光用光ファイバー12が光ファイバー固定金具17により束ねられた状態で保持されている。
【0018】
受光用光ファイバー12の出射端から出射された反射光は、本実施態様では可視光カットフィルター18を通して、反射光受光素子としてのフォトダイオード19に受光され、その光量が検知される。この可視光カットフィルター18を配置しておくことで、外乱光(たとえば、蛍光灯等からの外乱光)による濃度測定への影響を小さく抑えることができる。フォトダイオード19の受光量信号は、本実施態様では、濃度計測増幅回路20で増幅されることにより、濃度測定に適切な大きさの信号として出力され、出力信号が信号処理手段としての演算補償回路21に送られる。
【0019】
上記濃度センサー面15においては、たとえば図2に示すように、それぞれ複数束ねられた発光用光ファイバー11と受光用光ファイバー12が、ランダムに配置されており、一つの濃度センサー面15が構成されている。この濃度センサー面15の近傍に、本実施態様では濃度センサー面15の周囲に、濃度センサー面15とは別に、かつ、濃度センサー面15との間に適当な間隔22を持たせて、環状の散乱光センサー面23が構成されている。この散乱光センサー面23は、上記受光用光ファイバー12とは別の複数の受光用光ファイバー24が濃度センサー面15の周囲に環状に配置されることによって形成されており、被測定液3中からの散乱光25を受光する。この散乱光25の変化は、一般に、被測定液3、とくにその中の濁質成分4の色や明るさの変化分に対応して現れる。散乱光25用の受光用光ファイバー24は、前述の固定金具14を利用して固定されてもよいし、別の環状の金具26を設けて固定してもよい。
【0020】
散乱光25用の受光用光ファイバー24の入射端から受光されたレーザー光の散乱光25は、受光用光ファイバー24中を導光されて、反対側の端部である出射端から出射される。受光用光ファイバー24の出射端側の端部においても、多数の受光用光ファイバー24が光ファイバー固定金具27により束ねられた状態で保持されている。
【0021】
受光用光ファイバー24の出射端から出射された散乱光は、本実施態様では、前述の受光用光ファイバー12における場合と同様に、可視光カットフィルター28を通して、散乱光受光素子としてのフォトダイオード29に受光され、その光量が検知される。この可視光カットフィルター28を配置しておくことで、外乱光(たとえば、蛍光灯等からの外乱光)による散乱光検知への影響を小さく抑えることができる。フォトダイオード29の受光量信号は、本実施態様では、補償信号計測増幅回路30で増幅されることにより、適切な大きさの補償用信号として出力され、その出力信号が前述の信号処理手段としての演算補償回路21に送られる。
【0022】
レーザー光の発光、受光およびそれらの信号処理回路は、たとえば図3に示すように構成される。図3において、DC安定化電源31から駆動および制御電力が供給され、レーザーダイオード駆動回路8からの駆動パルスでレーザー発光ダイオード7から照射光5が出射される。このとき、同期パルス32により、レーザーダイオード駆動パルスと制御パルス、演算処理の同期がとられる。反射光6の受光信号がフォトダイオード19で検出され、その受光量信号が濃度計測増幅回路20で増幅されるとともに、散乱光25の受光信号がフォトダイオード29で検出され、その受光量信号が補償信号計測増幅回路30で増幅される。これら増幅回路20、30では、それぞれ、信号のゼロ点調整と、ある大きさの信号あるいはフルスケールの信号の計測上のスパン調整を行うことができるようになっている(ゼロ,スパン調整手段33、34)。濃度計測増幅回路20からの信号と補償信号計測増幅回路30からの信号が演算補償回路21に入力され、ここで散乱光検出信号に基づく補償が行われる。演算補償の際には、上述のゼロ点、スパンを調整(33、34)した信号が用いられ、演算補償後にもスパン調整を行うことができるようになっている(スパン調整手段35)。補償後の信号が、散乱光に基づく補償を行った最終的な濃度計測値36として出力される。
【0023】
上記演算補償回路21は、たとえば図4に示すような基本構成を有し、濃度計測増幅回路20からの信号に補正係数を乗じ、それから補償信号計測増幅回路30からの補償信号値を差し引くことにより、最終的な濃度計測値36として出力される。補正係数は、Ri/FX(Ri:抵抗37、FX:感度調整器38)で調整され、比較器または増幅器39で、
最終濃度出力値=(濃度計測値×補正係数)−補償信号値
とされて出力される。
【0024】
すなわち、上記の演算補償回路21では、図5に示すような補償を行っている。濃度センサー面15で受光した反射光受光量信号の測定信号パルス40は、図5に示すように、濁質成分の色や明度に影響される変動分41を含んでおり、さらに場合によっては、泡等によるノイズ成分42を含んでいる。一方、散乱光センサー面23で受光した散乱光受光量信号は、上記の濁質成分の色や明度に影響される変動分41を取り出したものであり、泡等によるノイズ成分42は濃度センサー面15での受光信号と散乱光センサー面23での受光信号とに実質的に等しく現れるから、図5に示すような補償信号パルス43となる。演算補償回路21では、上記測定信号パルス40に対し補償信号パルス43で補償する(測定信号パルス40から補償信号パルス43を差し引く)ことになるから、結局、濁質成分濃度のみの信号パルス44が得られ、この信号パルス44が前述の最終的な出力信号36として、つまり、被測定液3の濃度測定値として出力される。
【0025】
このような補償を行えば、被測定液3中の濁質成分の色、特に明度が変動しても、その変動成分を消去することが可能になり、被測定液3の濃度成分のみの信号として高精度かつ高感度で測定することが可能になる。とくに、図5に示したように各パルスを同期処理しリアルタイムで補償することにより、測定精度を著しく高めることが可能になる。また、泡等によるノイズ成分42が発生したとしても、それらノイズ成分42が補償信号パルスにも同期した状態で等しく現れることを利用して補償を行うことにより、これらノイズ成分まで極めて効率よく消去される。したがって、測定対象となる被測定液3の濃度が、色の変動の影響を受けることなく、かつ、ノイズ成分まで除去した状態で、極めて高精度にかつ高感度で測定される。
【0026】
上記のような補償による効果を確認するために、まず以下のような基本確認試験を行った。現実のプラントAにおける脱水機供給汚泥に白色のポスターカラーを添加し、汚泥の色(明度)を強制的に変化させ、その汚泥の濃度測定値を、上記のような補償を行った場合と行わない場合とについて測定した。脱水機供給生汚泥の汚泥濃度は、乾燥重量法で確認したところ、3.0%であった(生汚泥:サンプルNo.1)。この生汚泥1Lに、白色ポスターカラー0.5gを添加したもの(サンプルNo.2)と1.0gを添加したもの(サンプルNo.3)とを作製した。これらサンプルNo.2、No.3においては、汚泥に対する白色ポスターカラーの添加量が1/1000以下なので、実質的に生汚泥(サンプルNo.1)と同じ濃度(3.0%)を有する。これらサンプルNo.1〜No.3について、マンセル標準色紙を用いて、明度を観測したところ、観測者3人の平均値にて、サンプルNo.1がマンセルN2、サンプルNo.2がマンセルN3.5、サンプルNo.3がマンセルN5.33であった。
【0027】
図1、図3に示した構成を有する濃度測定装置を用い、まず、清水(水道水)を500cc程度の黒色で反射の少ないビンに入れて濃度を測定し、最終的な出力としての補償した濃度計測値が0.00%になるように信号処理系、出力系を調整した(ゼロ点調整)。次に上記サンプルNo.1(生汚泥)について、補償した濃度計測値が3.00%(乾燥重量法での確認値)になるように信号処理系、出力系を調整した(スパン調整)。この調整状態にて、明度を強制的に変化させたサンプルNo.2とサンプルNo.3について、補償を行わない場合と行った場合との濃度測定値を測定したところ、補償を行わない場合には、明度の変化が大きすぎてスケールオーバーし計測不能に陥ったが、補償を行った場合には、十分に計測可能な信号が得られた。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004709430
【0029】
表1に示したように、本発明による補償を行うことにより、十分に実用に供することのできる、色による変動の補償を行った濃度測定が可能になることを確認できた。しかし、表1に示した基本確認試験段階では、本来、サンプルNo.2とサンプルNo.3の補償後の濃度測定値が3.00%になるのが望ましいのであるが(その場合には、色による変動分が完全に補償されたことになる)、実際にはそこまで回路を調整しきれなかった。しかしこの調整は、現実には、試行錯誤等による調整の繰り返しで、ほぼ完全に、あるいは、相当高精度の測定値を出せるまでに、調整可能である。
【0030】
そこで、このようなより適切な調整を、実際のプラントからの汚泥に対して多数の実験を行い、本発明の補償による効果を、より具体的に確認する試験を行った。図6〜図11に結果を示す。図6は、現実のプラントAにおける脱水機供給汚泥を、本発明に係る図1、図3に示した構成を有する濃度測定装置(センサー)の調整を行った状態で、採取日時を代えて多数のサンプルを採取して測定を行った結果を示しており、主として、色や明度が変動する多数のサンプルに関して、乾燥重量法で確認した汚泥濃度(%)と測定装置の電圧出力として読み取ることができる本発明に係る補償機能を有する濃度測定装置による測定値(電圧:V)との間に、どの程度のリニアリティを保つことができるかを確認したものである。図7は、同じ多数のサンプルについて、補償なしで測定した結果を示している。図7に示すように、補償なしで測定した場合には、色や明度が変動し、その補償を行わないと、乾燥重量法で確認した汚泥濃度(%)に対し、濃度測定装置による測定値は明瞭なリニアリティを保つことができず、したがって、色や明度が大きく変動する比較的高濃度(1%以上)の汚泥濃度測定には、反射方式の濃度測定装置の使用が難しいことがわかる。しかし図6に示すように、本発明により色や明度の変動を散乱光の受光信号に基づいて補償することにより、明確なリニアリティを確保することができるようになり、乾燥重量法で確認した汚泥濃度(%)にほぼ完全に1:1に対応する濃度測定値が得られることがわかった。すなわち、本発明における、色や明度の変動を散乱光の受光信号に基づいて補償し、それによって反射方式の濃度測定装置の測定精度、感度を大幅に高めるという基本技術思想の正しさが証明された。
【0031】
図8、図9は、プラントAにおける重力濃縮汚泥について同様に多数のサンプルに対して試験した結果を示しており、図8は本発明に係る補償を行った場合、図9は補償を行わなかった場合の結果を、それぞれ示している。図8、図9からも、図6、図7における場合と全く同様のことが言え、本発明による効果を確認することができた。さらに、図10、図11は、別のプラントBにおける消化洗浄汚泥について同様に多数のサンプルに対して試験した結果を示しており、図10は本発明に係る補償を行った場合、図11は補償を行わなかった場合の結果を、それぞれ示している。図10、図11からも、図6、図7や図8、図9における場合と全く同様のことが言え、本発明による効果を確認することができた。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の濃度測定装置によれば、レーザー光の反射方式による濃度測定の利点を活かしつつ、被測定液中の濁質成分の色が変動した場合にも、散乱光の受光信号に基づく補償を行うことにより、精度良くかつ高感度で濃度を測定できるようになる。とくに補償をリアルタイムに行うことで、色や明度の補償に加え、泡等によるノイズ成分の消去まで可能になり、一層高精度かつ高感度の測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る濃度測定装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置の部分概略構成図である。
【図3】図1の装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図3の回路における補償の基本概念を示す概略回路図である。
【図5】本発明に係る補償の基本概念を示す各パルスの説明図である。
【図6】本発明に係る濃度測定装置を現実のプラントAにおける汚泥に対して試験した結果を示す、汚泥濃度と出力電圧との関係図である。
【図7】図6に示したのと同じ試験を本発明に係る補償を行わずに行った場合の結果を示す、汚泥濃度と出力電圧との関係図である。
【図8】本発明に係る濃度測定装置を現実のプラントAにおける別種の汚泥に対して試験した結果を示す、汚泥濃度と出力電圧との関係図である。
【図9】図8に示したのと同じ試験を本発明に係る補償を行わずに行った場合の結果を示す、汚泥濃度と出力電圧との関係図である。
【図10】本発明に係る濃度測定装置を現実のプラントBにおける汚泥に対して試験した結果を示す、汚泥濃度と出力電圧との関係図である。
【図11】図10に示したのと同じ試験を本発明に係る補償を行わずに行った場合の結果を示す、汚泥濃度と出力電圧との関係図である。
【符号の説明】
1 濃度測定装置
2 配管
3 被測定液
4 濁質成分
5 発光されたレーザー光
6 レーザー光の拡散反射光
7 レーザー発光ダイオード
8 レーザーダイオード駆動回路
9 レーザー光拡散板
10 光ファイバー固定金具
11 発光用光ファイバー
12、24 受光用光ファイバー
13 センサー部
14 固定金具
15 濃度センサー面
16 ガラス板
17、27 光ファイバー固定金具
18、28 可視光カットフィルター
19、29 フォトダイオード
20 濃度計測増幅回路
21 演算補償回路
22 間隔
23 散乱光センサー面
25 散乱光
26 環状の金具
30 補償信号計測増幅回路
31 DC安定化電源
32 同期パルス
33、34 ゼロ,スパン調整手段
35 スパン調整手段
36 濃度計測値(出力信号)
37 抵抗
38 感度調整器
39 比較器または増幅器
40 測定信号パルス
41 色や明度に影響される変動分
42 泡等によるノイズ成分
43 補償信号パルス
44 濁質成分濃度のみの信号パルス

Claims (3)

  1. 被測定液中の濁質成分の濃度を、被測定液中に向けて発光されたレーザー光の反射光を検知することにより測定する装置において、レーザー光発光用光ファイバーと受光用光ファイバーとをそれぞれランダムに配置し複数本束ねて、それらの先端によって濃度センサー面を構成するとともに、該濃度センサー面の近傍に、別の複数本の受光用光ファイバーを配置して被測定液中からの、前記レーザー光が被測定液中の濁質成分に照射されて散乱された散乱光を受光する散乱光センサー面を構成し、かつ、濃度センサー面による反射光受光量信号を散乱光センサー面による散乱光受光量信号を用いてリアルタイムで補償する信号処理手段を設け、前記信号処理手段により、反射光受光量信号を増幅した信号の大きさに補正係数を乗じた大きさの信号として出力された測定信号パルスと、散乱光受光量信号を増幅して出力された補償信号パルスとを同期して、前記測定信号パルスから前記補償信号パルスを差し引く演算を行って、前記被測定液の濃度測定値として出力することを特徴とする濃度測定装置。
  2. 散乱光センサー面が、濃度センサー面の周囲に形成されている、請求項1に記載の濃度測定装置。
  3. 散乱光センサー面と濃度センサー面との間に間隔があけられている、請求項1または2に記載の濃度測定装置。
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