JP4709368B2 - 外套管挿入器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は体腔内を観察処置するための内視鏡等の器具を体内へ挿入する外套管を穿刺、留置する器具に関する。
【0002】
特に、経膣的に腹腔内にアプローチする外套管を穿刺、留置する器具に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、体腔内に内視鏡等を挿入して、診断、手術を行うことが多く行われている。
【0004】
それらの中には、体腔内に還流媒体(空気や水など)を入れて体内を観察する手技があり、空気を入れるものとして腹腔鏡、水を入れるものとして子宮鏡や関節鏡などが有る。
【0005】
産婦人科領域でも腹腔内を観察する必要が有る場合が多く、腹腔鏡も良く行われる。その他、クルドスコピーという名称で呼ばれる経膣的に腹腔内にアプローチする手技がある。これは、後膣円蓋から、ダグラス窩にアプローチし、腹腔内に到達し、腹腔内臓器の診断、処置を行うものである。WO99/05958号公報にも、経膣的にアプローチする方法と器具が開示されている。経膣的なアプローチの利点としては、腹腔鏡よりも侵襲が少ないことがあげられる。外来での実施も行われている。また、特に経膣的なアプローチであり、卵巣や卵管采の位置が近く、これらの診断、処置に有効と思われる。特にこれらに起因する不妊症の診断に有効性が高い。
【0006】
WO99/05958号公報記載の経膣的にアプローチするための器具は、気腹針あるいは穿刺針と一般に呼ばれる穿刺用の部材と内視鏡などを挿入するための外套管を組み合わせて体壁に穿刺し、外套管のみを残しそこに内視鏡を挿入して観察するものが開示されている。このような構成で、内視鏡の観察、処置を行うための外套管を体内に導入する器具として、特開平7−222750号公報にも同様の構成のものが開示されている。穿刺針(気腹針)を用いるのは、針内のばね付勢された先端鈍な部材が、針が体壁を穿通した瞬間に針先より飛び出し、不意に臓器に鋭利な針先端が接触するのを防ぐ効果があるためである。
【0007】
また、特開昭55−168307号公報およびUSP第4633865号明細書には、腹腔鏡でトラカールを入れる際に、開口縁が皮膚に密着する開口部を有した保持具を設け、この保持具を真空吸引装置と接続して、保持具内を真空吸引することにより、皮膚を保持具内へ吸引するようにした装置が記載されている。
【0008】
さらに、特開平2−271818号公報には、吸引を応用した医療具導入管として、医療具が挿通する挿通路を内壁に形成した内筒と、この内筒の周囲に該内筒を囲むようにして設けられ、内筒の外周面との間の隙間に吸引路を形成する外筒と、挿通路の出口部の周りに形成した隙間を軸方向に向け開口させてなる吸引口とを有することにより、臓器の壁部を吸引して、体液が臓器の壁部と外筒との密着部から腹腔内に流出を防ぐことが記載されている。
【0009】
さらに、特開平5−317325号公報には、腹腔内等の検査、手術に先立って腹壁へ穿刺し、内視鏡等の体内挿入具の挿入をガイドする体内挿入具のガイド管において、ガイド管の本体に体壁内に刺し入れて体壁にガイド管を固定する抜け止め手段を設けたことが記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
さて、経膣的な穿刺および外套管を留置する場合、膜を突き刺し体腔内に挿入する必要がある。
【0011】
この際、膜の後ろに直腸を始めとする他の臓器がある。穿刺針(気腹針)つきの外套管を用いたとしても、その穿刺には非常に慎重を要する。
【0012】
ダグラス窩穿刺という手技があるが、これは、ダグラス窩に溜まった腹水などを針を刺して採取するものであるが、同様に後膣円蓋よりダグラス窩に針の穿刺を行う。これらの手技を行う際には、より穿刺の安全性を高めるために、子宮頚部をつまみこれを引き上げて、後膣円蓋の膜をピンとはった状態とし、後ろの臓器との隙間をできるだけ開けるようにして、方向を定めて穿刺することが行われる。
【0013】
しかしながら、この際、子宮頚部をつまんで持ち上げることは、痛みを伴なう。経膣的アプローチの外来での施行を考えれば、痛みを生じる行為や、痛みを防止する麻酔も、極力避けたい。また、狭い膣内に鉗子を挿入し、さらに穿刺部材を挿入するのは、後膣円蓋の位置が、狭い膣腔の、しかも非常に深い位置にあることもあり、視野を妨げることになる。
【0014】
また、腹腔鏡でトラカールを入れる際等にも腹腔内臓器の損傷を防止する目的で体壁を持ち上げたりするが、腹壁をつまみ上げない方法としては、吸引を用いる方法があり、実開昭55−168307号公報やUSP第4633865号明細書に開示されているが、これらは、腹壁に適応する方法で、経膣的なアプローチに使用可能な方法ではない。
【0015】
また、吸引を応用した器具としては、特開平2−271818号公報に開示されるような体内管腔臓器内のリークを防止するものが開示されているが、体壁、特に膣壁への外套管の穿刺、留置を意図した体組織の固定・引き上げを目的としたものではなく、そのような開示もない。
【0016】
また、実際に外套管が経膣的に腹腔内に導入され、内視鏡を入れ検査を始めると、この外套管が抜けないようつねに意識する必要がある。腹腔鏡などは、体壁が厚く、外套管は体組織により比較的しっかり保持されるが、膣部のように膜が薄い部位では容易に外套管が抜けてしまう恐れがある。この外套管が抜けると、膣が深い位置にあることもあり、再度同じ孔に挿入するのは難しく、また、新たに孔を開けることは侵襲が大きくなるため避けたい。水や空気などの観察のための媒体ももれてしまう。侵襲性の低い検査法であり、外来で施行されることを考えれば、なおさらである。
【0017】
このため、前述のWO99/05958号公報でも、外套管の先端に抜け防止を備えたものが開示されているが、外套管の体内に挿入される部分に抜け防止構造を設けることは、構造的に太くなったりするため、孔径が大きくなり侵襲性を高めてしまう可能性がある。
【0018】
また、特開平5−317325号公報には、腹腔鏡用のトラカール外筒管を構造的に太くしない抜け止めが開示されているが、これは針を腹壁に穿刺するものであり、また、経膣的アプローチを考えた場合、壁の薄い膣部に対しては、操作性が煩雑であった。
【0019】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、外套管を留置して検査を行っている最中に、外套管を抜けないようにし、そのために外套管の体内挿入部を太くする等あらたに侵襲性を追加する必要のない器具を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、体組織を吸引固定する吸引固定手段を先端に備えた管状本体を有する外套管挿入補助具と、前記管状本体内に挿脱可能に挿入される外套管と、前記管状本体の基端部にピンを中心に回動自在に設けられたL字状のレバーを有し前記外套管の挿入時、前記レバーの切り欠きが、前記外套管の基端部に設けられたピンに係合されて前記外套管と前記管状本体とを係脱可能に固定するロック部材とを備え、前記外套管挿入補助具の先端を前記体組織に吸引固定した状態で、前記体組織内に挿入された前記外套管と前記外套管挿入補助具とを前記ロック部材により固定し、相対的に前記体組織に対して前記外套管が位置決めされ、前記外套管の抜け止めを行なうことを特徴とする外套管挿入器具である。
【0021】
請求項2の発明は、前記外套管は、穿刺部材または内視鏡の少なくともいずれか一方が挿脱可能に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の外套管挿入器具である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図8を参照して説明する。
【0023】
図1は、この実施の形態における外套管補助具システムの構成を展開して示したものである。同図1中において、1は外套管挿入補助具であって、この外套管挿入補助具1の内部に外套管2が挿入され、この外套管2の内部には、穿刺部材としての穿刺針(気腹針)3または内視鏡4の挿入部5が挿入される。そして、上記外套管2、穿刺針(気腹針)3および内視鏡4を、上記のように挿入した際、それぞれの器具間で水密がとれるよう後述するシール手段が配設されている。
【0024】
図2(A)は、外套管挿入補助具1の内部に外套管2を挿入し、さらに。この外套管2の内部に穿刺針3を挿入した状態を示している。
【0025】
外套管挿入補助具1は、中央に吸引チャンネル6を有する管状本体7と、管状本体7の先端に設けられた吸引固定部8と後端に設けられたシール部材9を有する。上記吸引固定部8は、管状本体7の先端に向けて、若干末広がりに開口している。さらに、後端側には、後述する吸引管路と連通する吸引口金10とピボット固定により回動自在のロック部材11が設けられている。上記ロック部材11は、図3に示すように、一端にU字状の切り欠き12が設けられたL字状のレバー13と、このレバー13を回動自在に軸支するためのピン14aを備えており、上記外套管2の挿入時、レバー13の切り欠き12が、外套管2の基端部15に設けられたピン14bに係合して、外套管2と外套管挿入補助具1を固定状態とする。
【0026】
上記外套管挿入補助具1の管状本体7の内径は、外套管2の外径よりも大きく形成されているので、外套管2が管状本体7の管路内に挿入された時、管路内の隙間が、吸引管路を形成する。上記管状本体7の後端部に設けられたシール部材9は、外套管2が管状本体7に挿入された時、外套管2の外周をシールする。
【0027】
上記外套管2は、その基端にほぼ筒状の基端部15が設けられており、この基端部15の先端に、外套管16の挿入部が嵌め込まれている。さらに、上記基端部15には、図示しない気腹装置より導かれるチューブのコネクタが接続されるルアーロック式の口金17が設けられている。上記外套管16は、外套管挿入補助具1の全長より長く、外套管挿入補助具1内に最も挿入した時に、先端が飛び出る長さに構成され、かつ、内視鏡4の挿入部5の長さよりも短く構成されている。
【0028】
図2(B)に示すように、上記穿刺針3は、管状の外針18と該外針18に挿入される送気管19と把持部20を有する。、上記筒状の外針18は、送気管19を挿通できる等径の直管部材からなり、その最先端の部分を斜めにカットして針21を形成している。この針21は、筒状の外針18の基端側の部分より細く形成されており、針21の部分と筒状の外針18の基端側の部分の接続部分は、テーパ状22に形成されている。
上記送気管19は、腹腔内へガスを送る管路を形成するものであり、送気管19の基端には、図示しない気腹装置から導かれるチューブのコネクタが接続されるルアーロック式の口金23が連結されている。
また、上記送気管19の先端には、球状部材24が封入、固着されている。この球状部材24は、管状の外針18内部に配置され、該外針18の先端方向にばね25によって付勢され、通常針21より突出状態にある。さらに、上記送気管19の基端には、上記口金23の後端部に送気管路26の管路を閉じるコック27が設けられている。
【0029】
さらに、送気管19の先端部分の側方周壁部分に、送気口28が開口されており、穿刺針3の穿刺状態において、気腹装置(図示しない)より供給されるガスは、口金23より送気管19の内部を通じて送気口28より体腔内へ送り出される。固定用ピン29は、外針18を固定するためのものであり、外套管2の基端部15の溝(図示せず)と噛み合って接続固定するためのものである。
【0030】
さらに、上記外針18の基端に、把持部20が接続されており、この把持部20には、上記口金23が収納されている。
【0031】
内視鏡4は、挿入部5と操作部30を有しており、その操作部30には、接眼部31と、図示しない外部ライトガイドケーブルの接続部32が設けられている。
【0032】
なお、内視鏡4は図1に開示するもの以外にも様々なタイプのものが使用可能である。
【0033】
上記第1の実施の形態の作用を、図4〜図8を参照して説明する。
【0034】
経膣的に腹腔内にアプローチする場合に沿って説明する。
【0035】
外套管2と穿刺針3を組み合わせた状態で、外套管挿入補助具1の内腔に挿入する。外套管2と外套管挿入補助具1間はシール部材9により気密が保たれる。穿刺針3の先端が外套管補助具1の先端より突出しないような位置にしておく。そして、外套管挿入補助具1の吸引口金10に、図6に示す吸引装置33の吸引管34を接続する。この時、穿刺針3の後端のコック27は閉じておく。
【0036】
この状態で、膣内に挿入し、図4に示す後膣円蓋の穿刺したい位置に外套管補助具1の先端を図5(A)に示すように押しつける。そこで、吸引口金10より吸引を開始すると、穿刺針3と吸引チャンネル6の間を通して先端の吸引固定部8内に陰圧がかかり、目的部位の膣壁を吸引固定する。部位が悪ければやり直す。そこで、手前側に外套管補助具1を引くようにして、図5(A)に示すように、膣壁を引き上げ、膜の後ろに他臓器との距離を作るように操作する。そこで、穿刺針3の把持部20をもって、図5(B)に示すように、体組織を固定した外套管挿入補助具1に対して前進させ、吸引により固定された膣壁を穿刺する。先端の球状部材24が膣壁に押されて、針21が突出し、膣壁を貫通し、腹腔内に針21先がでると、バネ25により付勢された先端の球状部材24が突出し、他臓器への針21先の接触を防止する。
【0037】
確実に腹腔内に針21先が導入されたかどうかは、穿刺針3の先端を左右に動かした時の感触や、穿刺針3の後端の口金23に生理食塩水を入れたシリンジ等(図示しない)を接続し、口金23のコック27を開いて注水すると、水は口金25より、送気管26内を流れ、先端の球状部24後方の側面開口より腹腔内に流れるので、その時の注水の手応えにより、確認することができる。ここで腹腔内に注水をしておくと、針21先が臓器に触れる可能性が減少する。
【0038】
腹腔内に針21先が導入されたことが確認できたら、ここで、外套管挿入補助具1に突き当たるまで穿刺針3と外套管2を注意深く進め、図6に示すように、ロック部材11のレバー13を回動して、外套管2の後端のピン14bと係合させた後、外套管補助具1と外套管2を固定する。そして、穿刺針3を外套管2より引き抜く。この時、外套管3の後端の内視鏡挿入口は体内から水が洩れたりしないよう指にて塞いでおく。そして、内視鏡4を外套管2の後端より挿入する。
【0039】
つぎに、外套管2の後端の口金17のコック(図示しない)を開き、送水装置35から送水管36を介して送水を行うことにより、外套管2と内視鏡4の間の隙間を通して外套管2の先端開口より観察媒体を腹腔内に注入する。水を媒体とする時は、シリンジ(図示しない)による手動注水や、ポンプ(図示しない)による注水、あるいは生理食塩水パック(図示しない)を吊り上げ落差にて注水を行う等送水方法は何でも良い。空気の場合も同様に、シリンジ(図示しない)やポンプ(図示しない)等によって送気する。手元側では外套管2の後端のシールにより内視鏡4と外套管2の間は水密が保たれるため、媒体が洩れてくることはない。
【0040】
ここで、内視鏡下に卵巣、子宮後面、卵管采などの腹腔内臓器の観察を行う。また、観察中、送水液が外套管2と組織の間からもれてきたような場合でも、吸引チャンネル6を通して水は、吸引装置33によって排出されるので、手元側に垂れてくることはない。
【0041】
内視鏡4は先端斜視鏡を使用すれば広範囲な観察が可能となる。また、内視鏡4に処置具挿入用チャンネルを有するものを使用すれば、内視鏡観察下に手術や生検などが可能となる。
【0042】
さらに、図7に示すように、先端湾曲部37を有する先端湾曲機能付きの内視鏡4を用いれば、子宮前面などさらに広範囲な部位を観察可能となる。また、先端湾曲が可能なため、体外で内視鏡の手元側が足などと干渉することがなく操作性が良い。38は、内視鏡4に接続された送水装置である。
【0043】
さらに、先端送水機能を有する内視鏡4を使用する場合、内視鏡4の観察視野への直接的な送水が可能となり、さらに視野が良くなることが期待できる。例えば、卵管の閉塞状態を診断するために子宮側より卵管に色素を通水し卵管采からの色素の排出を確認することによる卵管色素通水テストや、血液まじりの腹水が溜まっている場合や、出血時などに有効である。
【0044】
この場合、図8に示すように、外套管3と内視鏡4の間の隙間は、外套管3の後端の口金17は廃液チャンネルとして使用することができる。即ち口金17を開放するか、あるいは廃液チューブ39を取り付け、吸引装置40につなぎ、これにより、内視鏡4の先端で送水し、その後方である外套管2の先端で吸引する持続還流が可能となり、良視野の確保と体内への不必要な媒体注入を避けることができる。
【0045】
先端送水機能の構造は、内視鏡4の外側に送水管をかぶせ内視鏡4と管の間から送水するタイプのものでもよいし、送水チャンネルを内蔵したものでも良い。
【0046】
上記第1の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0047】
外套管補助具により吸引固定が可能となり、手前側に腹膜を引くことが可能となり、後ろの臓器に針先があたる可能性を減少させることができる。また、穿刺部位の膜を張った状態とすることができるので、穿通性がよくなる。
【0048】
さらに、吸引固定により穿刺壁を持ち上げるため、鉗子などで子宮頚部などをつまみ上げる必要がなく、患者が痛くない。さらに、鉗子を膣内に挿入する必要が無く、穿刺具と組織把持具を一体に構成したため、膣内に挿入する道具が一つ少なくなり、操作性を増すことができる。
【0049】
さらに、外套管挿入補助具は末広がりの吸引固定部を有することにより、吸引範囲が大きくなり、固定性が向上する。
【0050】
さらに、体組織に固定された外套管補助具と外套管が固定可能であるため、その結果、外套管と組織の位置が固定状態となるので、外套管の抜け防止として機能するため、一旦体内に外套管を留置すれば、抜けることはないため、操作性が良い。さらに、外套管に抜け止め構造を設ける必要がなく、外套管を単純な管状構造とすることができ壁厚を薄くすることができるため、組織への侵襲が少なくなる。
【0051】
さらに、観察中、送水液が外套管と組織の間から洩れてきたような場合でも、吸引管路を通して水は排出されるため、手元側に水が垂れることがなく、術者、患者を濡らすことがなく不快感を生じない。
【0052】
本発明の第2の実施の形態について、図9〜図11を参照して説明する。
【0053】
なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0054】
図9において、外套管挿入補助具1は、内管41と外管42の二重管で構成されており、該内管41と外管42の先端に設けられた吸引固定部8は、末広がりな内側部材41aと外側部材42aからなる二重構造で構成されている。したがって、内管41と外管42の間と内側部材41aと外側部材42aの間は連通し、吸引チャンネル43を形成する。また、上記吸引固定部8の先端は、リング状吸引口44を形成する。
【0055】
外套管挿入補助具1の後端には、内管41の内腔に通じる口金A45と、内管41と外管42の間で構成された吸引チャンネル43に連通した口金B46を有する。
【0056】
上記第2の実施の形態の作用について説明する。
【0057】
図10および図11に示すように、穿刺針を外套管2に挿入し、さらに外套管挿入補助具1に挿入して、これらを膣内に挿入する。後膣円蓋の穿刺目的部位に外套管挿入補助具1の先端を配置し、吸引チャンネル43に連通する口金B46に吸引装置(図示しない)により吸引をかける。すると、上記吸引チャンネル43を通して、吸引固定部8の先端のリング状吸引口金44に陰圧がかかり、組織が固定される。
【0058】
しかしながら、上記吸引固定部8のの内側部材41aと外側部材42aの間のリング状吸引口金44に吸引がかかるため、内側部材41aの内腔には特に陰圧がかかる状態にはならない。
【0059】
次いで、組織の固定ができたら、穿刺針3の穿刺を第1の実施の形態と同様に行う。穿刺が完了した後、外套管2を外套管挿入補助具1に固定し、穿刺針3を外套管2より外して、第1の実施の形態1と同様、組織と外套管2が外套管挿入補助具1を介して固定状態となる。
【0060】
ここで、内視鏡4を外套管2に挿入し、外套管挿入補助具1の口金A45より送水するか、あるいは送水機能付き内視鏡により先端送水するかして、観察を行う。
【0061】
そして、送水液が外套管2と組織の間から洩れてきたような場合でも、水は内管41内腔を通して排出が可能である。必要であれば、内管41の内腔に連通した口金A56に吸引器を接続して、積極的に廃液することも可能である。
【0062】
上記第2の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0063】
第1の実施の形態による効果に加えて、内管と外管とからなる吸引管路内に吸引圧を下げる要因と成り得る移動物(穿刺針など)がないので、組織への吸引固定が強固に行われる。
【0064】
また、廃液管路と吸引管路が別々に設けられているので、外套管と組織の間に隙間ができたとしても、吸引管路内の陰圧を下げることはなく、組織の固定力が低下して外套管が外れたりするリスクを軽減することが可能である。さらに、隙間より液の漏れがあったとしても内腔へ連通する口金Aより排出が可能であり、患者、術者を濡らすことなく不快感をもたらすことがない。
【0065】
本発明の第3の実施の形態について、図12〜図14を参照して説明する。
【0066】
第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0067】
外套管挿入補助具1の管状本体7の先端に設けられた吸引固定部8が、後膣円蓋に適合し易い形状に形成されている。即ち、吸引固定部8の形状が、図12(A)、(B)に示すように半円状47あるいは図13(A)、(B)に示すように三日月状48の形となっている。図14(A)は子宮頚部、後藤円蓋を膣口から見た図であり、図14(B)は、外套管挿入補助具1の吸引固定部8を穿刺部位に位置付けた状態を示している。
【0068】
上記第3の実施の形態によれば、外套管挿入補助具の吸引固定部の先端形状が穿刺部位の形に対応しているので、先端の視認性がよく、また、操作性が良いという効果を奏する。
【0069】
本発明の第4の実施形態について、図15を参照して説明する。
【0070】
第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。図15において、外套管挿入補助具1の先端の吸引固定部8を軟性の樹脂材(例えば、シリコンゴム等)により構成したものである。この構成によれば、穿刺対象部位の形状にあわせて、外套管挿入補助具の先端の吸引固定部の変形が可能であり、吸引の固定力が増すことができるという効果を奏する。
【0071】
本発明の第5の実施の形態について、図16〜図20を参照して説明する。
【0072】
本実施の形態では、穿刺部材について開示する。
【0073】
従来、経膣的なアプローチにて腹腔内に外套を挿入する器具としては、特開平7−222750号公報に開示されるような穿刺針と外套管の組み合わせがある。これは、穿刺時、組織に先端を押し付けて、ばね付勢されている球状部を一旦針内に押し込み針先を組織に当接することが必要であり、このため、ある程度の押し込み力量と勢いが必要であり、術者の熟練と慎重な操作が膜の反対側にある臓器の損傷を防止するためには必要である。そこで、本実施の形態では、術者がより容易に穿刺が可能となるように、この穿刺器具を以下のように構成するものである。
【0074】
すなわち、穿刺する部位の体壁の厚さに近い長さを持つ穿刺部と穿刺部より径が大きく体壁に挿入されないストッパー部を有する複数の拡張部材を、各拡張部材の穿刺部が一体になるように構成した穿刺部を先端に備えた穿刺部材と、それぞれの拡張部材を互いに離す方向に移動させる拡張手段と、拡張部材が拡張状態にある時に、各拡張部材間 を進退自在な外套管とよりなる外套管穿刺器具としたことにより、穿刺部をストッパー部が突き当たるまで体組織に穿刺する。
【0075】
すなわち、おおよそ体壁厚だけ針を貫通させ、その孔を拡張部材を拡張状態にすることで広げ、広げた状態で進退自在な外套管を進めて、拡張した孔に挿入するようにする。また、外套管に内視鏡を備え、穿刺孔の拡張状態を確認しながら、外套管を挿入可能にしたものである。。
【0076】
以下に、図16〜図20を参照して、より詳細に説明する。
【0077】
第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0078】
図16は、穿刺部材49、支持管50、内視鏡用外套管2および内視鏡4を組み合せた構成を示したものである。
【0079】
図16および図17に示すように、上記穿刺部材49は、後端にベース部51を有する管状部52と、管状部52にバネ状部材53にて連結され、先端に設けられた2つの拡張部材54a、54bとからなる。上記拡張部材54a、54bの先端には穿刺部56a、56bが設けられており、穿刺部56a、56bは鋭利な突起状に構成され、その長さは短く、対象組織膜厚に一致するか僅かに大きい程度としてある。例えば、ここでは膣部の膜厚を想定し、穿刺部56a、56bの長さは、2〜5mm程度が良い。
【0080】
2つの拡張部材56a、56bは、対称な形をしており、先端の穿刺部56a、56bは2部材あわせて、一つの穿刺部を形成するようになっている。また、拡張部材54a、54bの穿刺部56a、56bの後端には、段差のついたストッパー部57a、57bが設けられている。拡張部材54a、54bは先端の穿刺部56a、56bが一致した状態で、断面形状は円形であり、後述する支持管の内腔にほぼ一致する径となっている。拡張部材54a、54bの内腔側は先端に向けて、円錐状に窪んでいるテーパ面58a、58bをそれぞれ有する。
【0081】
上記支持管50は穿刺部材49の外周に配置される円筒状部材であり、穿刺部材49の外周を前後に移動可能に配置されている。支持管50の全長は穿刺部材49よりも短く構成されている。
【0082】
内視鏡用外套管2は、穿刺部材49の内部に配置される管状の部材であり、内視鏡4が内部に挿入される。その挿入部長は穿刺部材49よりも長く構成され、また、内視鏡4装着時の内視鏡先端より若干飛び出す程度の長さである。後端には内腔に連通する口金17が設けられており、内視鏡4を腹腔内に挿入した際に、送水用外套管として機能する。
【0083】
上記第5の実施の形態の作用について説明する。
【0084】
図18に示すように、支持管50を、穿刺部材49の穿刺部56a、56bのみを先端から突出するように拡張部材54a、54bの先端に位置させる。この状態で、目的部位に先端の穿刺部56a、56bを穿刺する。穿刺部56a、56bは体組織(膜)よりわずかに長い程度であり、また、穿刺部56a、56bより径の大きなストッパー部58a,58bがあるため、膜組織より体内側には必要以上には穿刺されない。図19に示すように、支持管50を手前(矢印A方向)に引いて、内視鏡4を装着した外套管2を前進(矢印B方向)させる。そして、図20に示すように、外套管2先端が拡張部材54内の円錐状テーパ部57にあたり、2つの拡張部材54a、54bが開大していく。それにともない先端の穿刺部56にて穿刺された体組織(膜)も開いていく。十分に外套管2を前進させ、膜孔を開いたら、さらに穿刺部56a56bを穿刺させ、そこに外套管2を挿入する。
【0085】
上記の作業は、外套管2の内腔に配置した内視鏡下で観察しながら行うことができる。
【0086】
特に外套管2が体内に入る時、内視鏡4で確認しながら、これを進めることができるため、穿刺部56a、56bが膜を穿孔しているか、腹腔内に連通しているか、他の臓器がないかがわかるため、安全な挿入が可能である。また、仮に穿刺部56a、56bが十分に貫通していなくても内視鏡下にこれが確認可能であり、この場合は作業のやり直しを行うことになる。
【0087】
外套管2が腹腔内に挿入されたら、内視鏡下で腹腔内を観察する。この場合、外套管2の後端の口金17より送水を行ってもよい。
【0088】
本実施の形態の穿刺器具は、上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態に係る外套管挿入補助具1と組合わせて使用することも可能であるが、本実施の形態の穿刺器具を、単独にて使用することも可能である。
【0089】
上記第5の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0090】
体組織の小さな穿刺孔を拡張して外套管を挿入するのでより低侵襲である。
【0091】
また、穿刺部は対象組織(膜)の厚さよりわずかに長い程度であり、さらに、穿刺部より径の大きなストッパー部があるため、穿刺時に体内側に穿刺部が必要以上には穿刺されず、穿刺時の臓器損傷のリスクを軽減することができる。
【0092】
さらに、穿刺部の挿入時、内視鏡により、穿刺孔の拡大、穿刺孔内の様子が観察できるために、より安全、確実な挿入が可能になる。
【0093】
本発明の第6の実施の形態について、図21〜図23を参照して説明する。
【0094】
なお、第5の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0095】
図21に示すように、穿刺部材49は、拡張部材54c、54d、54eおよび54fの4つの部分を備えており、4つの拡張部材54c、54d、54eおよび54fが一体となって断面円形状の構成を形成する。4つの拡張部材54c、54d、54eおよび5fDの先端は、いずれも鋭利に構成され、4つの先端が一体となって針状の穿刺部56を形成する。穿刺部56の後端にはそれぞれ段差をもったストッパー部58c、58d、58eおよび58fが設けられる。針状の穿刺部56の長さは、第5の実施の形態のものよりも短く設けられる。すなわち対象組織膜厚と同じか若しくは若干短めとなっている。
【0096】
図22(A)は、穿刺部材49の穿刺部56を正面から見た図であり、A−A切断面とB−B切断面が表示されている。図22(B)は、図22(A)のA−A断面図であり、拡張部材54dと54fの断面を表している。同図において、57dは、拡張部材54dのテーパ部であり、57fは、拡張部材54fのテーパ部であり、対称な形状を有する。図22(C)は、図22(a)のB−B断面図であり、拡張部材54cと54eの断面を表している。同図において、57cは、拡張部材54cのテーパ部であり、57eは、拡張部材57eのテーパ部であり、対称の形状を有する。
【0097】
上記拡張部材54dおよび54fのテーパ部57d、57fと拡張部材54cおよび54eのテーパ部57c、57eの位置は異なっており、前者の方が手元側に位置している。
【0098】
上記第6の実施の形態の作用について説明する。
【0099】
上記拡張部材54c、54d、54eおよび54fを一体とした状態で、目的部位に穿刺部56を穿刺する。次いで、外套管2を先端に進めると、図23(A)に示すように、拡張部材54d、54fのテーパ部57d、57fに外套管2先端があたり、拡張部材54d、54fを広げる。ここで、先端の穿刺部56が膜を貫通していることが内視鏡的に確認できれば、そのまま外套管2をさらに押しすすめる。仮に膜を貫通していないか、不明である場合には、図24(A)に示すように、まだ、開いていない拡張部材54c、54eの穿刺部56c、56eを、さらに組織に突き刺し、ついで外套管2を進める。外套管2の先端が拡張部材54c、54eのテーパ部57c、57eにあたり、さらに進めることで先端が拡張する。図25に示すように、膜が開口したら、さらに外套管2を進め、開大した孔の中に外套管2を進め、体腔内に外套管2を留置する。その後、外套管2の中に内視鏡4を挿入して体内を観察する。
【0100】
なお、図23(B)は、図23(A)のC−C断面図であり、図24(B)は、図24(A)のD−D断面図である。
【0101】
上記第6の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0102】
2段階の穿刺孔拡張を行うため、一回目の穿刺で、膜を貫通仕切れなかった場合など、簡単に孔の拡張、針の導入ができる。また、腹部が複数枚の膜などからなる場合、たとえば経膣的穿刺では内腔側に腹膜があり、一回の穿刺では腹膜がなかなか穿通できない場合があるが、そういった場合に有効である。
【0103】
さらに第5の実施の形態の針先よりも針先を短くすることができるので、さらに臓器損傷のリスクを低減することができる。
【0104】
本発明の第7の実施の形態について、図26〜図28を参照して説明する。
【0105】
本実施の形態では、穿刺部材(穿刺針)と外套管の組み合わせについて開示する。なお、上記の第1〜第6の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0106】
図26は、穿刺針3を拡張管59に挿入し、この組合わせたものを外套管2に挿入可能であり、また、外套管2に内視鏡4が挿入可能であることを示している。図27は、拡張管59に穿刺針3を挿入し、これらを外套管3の中に挿通させた状態を示しており、図28は、外套管3の中に内視鏡4を挿通した状態を示している。
図27に示すように、穿刺針3の挿入部3aの外径は一定であり、拡張管59の内腔(例えば、、直径1mm)とほぼ一致する。挿入部3aの長さは、拡張管59に最も深く挿入された際に、先端が拡張管59より飛び出る長さになっている。図26に示すように、穿刺針3の挿入部基端部には、拡張管59の把持部60に設けられた受け部61に挿入され、これらを固定状態にする固定手段としてOリング状のゴム性弾性部材62が設けられている。
【0107】
また、拡張管59は先端にテーパ63が設けられており、拡張管59の長さは、外套管2に装着時、外套管2の先端より先端テーパ部63が飛び出るようになっている。拡張管59の外径は外套管2の内径にほぼ一致するものである(例えば、直径3.6mm)。さらに、図26に示すように、拡張管59の把持部60には、外套管2の後端部と接続固定するためのピン64が設けられている。
【0108】
図28に示すように、外套管2の先端は、斜めにカット65されており、その先端は十分に滑らかに形成されている。また、外套管2の外径は、本実施の形態では4mmに形成されている。
【0109】
さらに、外套管2の後端部の内腔側にはゴム状部材からなる気密用のシール部材66が設けられ、、後端部の側面には、外套管3の内腔に連通する口金68が設けられている。さらに、外套管3の後端部には、内視鏡4の接眼部31の前方に設けられたピン67および拡張管29の把持部60に設けられたピン64に対応する位置に、受け孔69が設けられ、内部に固定手段(図示しない)が設けられている。
【0110】
内視鏡4の挿入部29の長さは、外套管2と組み合わせたときに、ほぼ先端が一致するような長さになっている。内視鏡4の先端視野角は、斜視鏡を示している。また、内視鏡4の挿入部5の外径は、外套管2の内腔より十分に小径である(本実施の形態では、直径3mm)。これは外套管2のシール部材66ではシールされない径となっている。内視鏡4の挿入部29の最も手前側に外套管2の内腔とほぼ一致し、シール部材66によりシールされる径の気密保持部70(例えば、外径3.6mm)が設けられている。
【0111】
上記第7の実施の形態の作用について説明する。
【0112】
穿刺針3を拡張管59に挿入し、この組合わせてものを外套管2の中に、それぞれ突き当たり固定されるまで挿入する。
【0113】
この状態で、後膣円蓋などの対象部位に穿刺を行う。穿刺針3の先端部分が体壁を通過したら、穿刺針3を体壁から抜かないように、拡張部材59と外套管2をまとめて、穿刺針3からはずし、穿刺針3に沿って前方へ進める。穿刺針3により穿刺した孔を拡張管59の先端テーパ部63により拡張し、そのまま進めて外套管2の先端が体内に挿入されるまで進める。この時、穿刺針3、拡張管59、外套管2、は相互の外径と内径がほぼ一致しており段差がほとんどないため、スムーズに穿刺孔を拡張して痛みを少なく挿入できる。体内へ外套管2の留置が完了したら、外套管2のみを体内に残し、穿刺針3、拡張管59を外す。
【0114】
ここで、外套管2内に内視鏡4を突き当たるまで挿入し、固定する。内視鏡4の挿入部5は外套管2のシール部材66ではシールされない径となっているため、スムーズに挿入され、最後に径の大きな気密保持部69をシール部材66内に押し込んで、外套管2と内視鏡4の間のシールが行われる。ここで、外套管口金68より、送水を行い、内視鏡4と外套管2内腔の隙間を通じて、内視鏡4先端から体腔内に水を送水する。内視鏡挿入部5の外径は外套管2の内径より十分小さいため、観察する十分な送水量を確保可能である。
【0115】
適宜送水をしながら、内視鏡4下に観察を行う。内視鏡4は外套管2とともに、体壁に対して前後動して視野の変更を行う。
【0116】
上記第7の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0117】
外套管と内視鏡の送水管を共用のものとしたため、内視鏡、内視鏡用送水管、外套管を組み合わせて使用する場合と比べて、構成が一つ少なく、同じ最外径なら、極力太目の内視鏡(高画質、高光量のもの)が使用可能であるし、同じ内視鏡ならば、最外径を小さくしてより低侵襲な検査とすることができる。また、外套管を内視鏡に装着可能なものとし、先端で送水するものとしたため、内視鏡先端への送水が可能となり、良視野が得られる。
【0118】
さらに、外套管内に内視鏡を入れた際には、外套管内径より十分小さな内視鏡挿入部径であり、さらに、外套管後端部内腔にシール部材を設け、内視鏡挿入部起端部にシール部材によりシールされる径の気密部を設けた気密構造としたため、外套管と内視鏡挿入部の間に十分な隙間を確保して、十分な水の流量を確保するため、良い視野が得られる。
【0119】
さらに、穿刺針、拡張管、外套管のそれぞれの外径、内径をほぼ同じ、もしくは若干小さなもので構成できるため、先端でのそれぞれの段差がほとんどない状態とできたため、穿刺、拡張に際して、ひっかかったりする痛みなどを生じることなく、スムーズな穿刺が可能となる。
【0120】
さらに、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0121】
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
【0122】

(付記項1) 経膣的に腹腔内に接近可能な外套管挿入器具であって、
先端部に設けられ体内組織を吸引することによって固定される吸引固定手段と、該吸引固定手段の基端側に設けられた管状本体と、この管状本体に平行に設けられ吸引固定手段に連通する吸引チャンネルとを有する外套管挿入補助具と、
この外套管挿入補助具に挿通され、長軸方向に延在する外套管と、
先端に体内組織を穿通可能な穿刺手段を備え外套管内に緩挿して配置される穿刺部材とを有することを特徴とする外套管挿入器具。
【0123】
(付記項2) 穿刺部材は、管状の針部材と、管内部に配置され、針先端方向にばね付勢され、通常針先より突出状態にある先端球状部材を有する穿刺針より構成されることを特徴とする付記項1記載の外套管挿入器具。
【0124】
(付記項3) 吸引チャンネル内に外套管および穿刺部材が前後進自在に配置され、外套管挿入補助具後端には吸引チャンネルと外套管の間の気密を保つシール手段有することを特徴とする付記項1記載の外套管挿入器具。
【0125】
(付記項4) 外套管挿入補助具の管状本体は二重管により構成され、二重管の間を吸引チャンネルとし、二重管の最内腔に外套管を前後進可能に配置することを特徴とする付記項1記載の外套管挿入器具。
【0126】
(付記項5) 体組織を吸引固定する手段を先端に備えた外套管挿入補助具と、外套管と、外套管と外套管挿入補助具を固定する固定手段とを備え、外套管挿入補助具の先端を組織に固定し、ついで、体組織内に挿入された外套管と外套管挿入補助具を固定手段により固定状態とし、相対的に組織に対して外套管が位置決めされ、外套管の抜け止めを行なうことを特徴とする外套管挿入器具。
【0127】
(付記項6) 外套管挿入補助具の体組織の固定手段は吸引固定手段であることを特徴とする付記項5記載の外套管挿入器具。
【0128】
(付記項7) 穿刺する部位の体壁の厚さにほぼ同じ長さを持つ穿刺部と、穿刺部より径が大きく体壁に挿入されないストッパー部を有する複数の拡張部材を、各拡張部材の穿刺部が一体になるように構成した穿刺部を先端に備えた穿刺部材と、
上記拡張部材を互いに離す方向に移動させる拡張手段と、
拡張部材が拡張状態にある時に、各拡張部材間を進退自在な外套管よりなることを特徴とする外套管穿刺器具。
【0129】
(付記項8) 外套管内に内視鏡を備え、外套管挿入時の様子を観察可能としたことを特徴とする付記項7記載の外套管挿入器具。
【0130】
(付記項9) 穿刺手段を備えた穿刺針と、
上記穿刺針が挿入可能で、先端にテーパを有する拡張管と、
上記拡張管が挿入可能な挿入部を備え、該挿入部の内腔に連通する口金と、内視鏡挿入時に拡張管と水密を保つシール部材を有する外套管と、
上記外套管に挿入可能な内視鏡とからなることを特徴とする内視鏡観察システム。
【0132】
【発明の効果】
体組織の吸引固定手段を先端に備えた外套管挿入補助具と、外套管とを、固定手段を設け固定可能としたことにより、体組織に対して外套管を固定状態にすることができ、外套管が抜けてくることがなく、検査効率を向上できる。また、これを身体への侵襲を増すことなく実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すシステム図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の組み合わせ図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の組み合わせ図。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明するための人体(女性)断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の作用説明図であり、(A)は、吸引状態を示す図、(B)は、穿刺状態を示す図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の作用説明図。
【図7】本発明の第1の実施の形態の作用説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態の作用説明図。
【図9】本発明の第2の実施の形態の構成図。
【図10】本発明の第2の実施の形態の作用説明図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の作用説明図。
【図12】本発明の第3の実施の形態の構成図であり、(A)は、断面図、(B)は、正面図。
【図13】本発明の第3の実施の形態の構成図であり、(A)は、断面図、(B)は、正面図。
【図14】本発明の第3の実施の形態の作用説明図であり、(A)は、体組織と穿刺部の位置を示す図、(B)は、断面図。
【図15】本発明の第4の実施の形態の構成図。
【図16】本発明の第5の実施の形態の構成図。
【図17】本発明の第5の実施の形態の構成図。
【図18】本発明の第5の実施の形態の作用説明図。
【図19】本発明の第5の実施の形態の作用説明図。
【図20】本発明の第5の実施の形態の作用説明図。
【図21】本発明の第6の実施の形態の構成図。
【図22】本発明の第6の実施の形態の構成図であり、(A)は、正面図、(B)は、A−A断面図、(C)は、B−B断面図。
【図23】本発明の第6の実施の形態の作用説明図であり、(A)は、穿刺状態を示す図、(B)は、穿刺部の正面図。
【図24】本発明の第6の実施の形態の作用説明図であり、(A)は、穿刺状態を示す図、(B)は、穿刺部の正面図。
【図25】本発明の第6の実施の形態の作用説明図。
【図26】本発明の第7の実施の形態のシステム図。
【図27】本発明の第7の実施の形態の構成図。
【図28】本発明の第7の実施の形態の構成図。
【符号の説明】
1 外套管挿入補助具
2 外套管
3 穿刺部材
4 内視鏡
6 吸引チャンネル
7 管状本体
8 吸引固定手段
59 拡張管

Claims (2)

  1. 体組織を吸引固定する吸引固定手段を先端に備えた管状本体を有する外套管挿入補助具と、
    前記管状本体内に挿脱可能に挿入される外套管と、
    前記管状本体の基端部にピンを中心に回動自在に設けられたL字状のレバーを有し前記外套管の挿入時、前記レバーの切り欠きが、前記外套管の基端部に設けられたピンに係合されて前記外套管と前記管状本体とを係脱可能に固定するロック部材とを備え、
    前記外套管挿入補助具の先端を前記体組織に吸引固定した状態で、前記体組織内に挿入された前記外套管と前記外套管挿入補助具とを前記ロック部材により固定し、相対的に前記体組織に対して前記外套管が位置決めされ、前記外套管の抜け止めを行なうことを特徴とする外套管挿入器具。
  2. 前記外套管は、穿刺部材または内視鏡の少なくともいずれか一方が挿脱可能に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の外套管挿入器具。
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