JP4709192B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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本発明は、処理容器内に導入されるマイクロ波により処理ガスがプラズマ化されて基板が処理されるプラズマ処理装置に関する。
従来から、例えば成膜処理やエッチング処理においては、例えばマイクロ波を用いたプラズマ処理装置が知られている。このプラズマ処理装置では、処理容器の上部に形成された導波箱の内部に、誘電体が配置されている。そして、導波箱の内部において、誘電体を伝播したマイクロ波が、導波箱の下面をなすアンテナ部材に同心円状に配置されたスロット列を通って、処理容器の天井を覆うように配置された誘電体に伝播され、処理容器内にて処理ガスがプラズマ化される(特許文献1)。処理容器の天井を覆うように配置された誘電体には、被処理物への汚染を防ぐ必要から石英が最も一般的に用いられる。
上記特許文献1にも示されるように、アンテナ部材に配置されるスロット列は、アンテナ部材の中心側において、アンテナ部材の中心に対して同心円状に配置された内側のスロット列と、この内側のスロット列よりも外側において、アンテナ部材の中心に対して同心円状に配置された外側のスロット列とを有する、複数のスロット列で構成されるのが一般的である。このようにアンテナ部材に複数のスロット列が設けられていることにより、各スロット列から処理容器内に導入されるマイクロ波のエネルギーの大小を、各スロット列のスロットの大きさなどで調整することが可能となる。その結果、処理容器内におけるプラズマの生成が均一となり、基板に対する処理が均一化する。
特開2000−268996号公報
アンテナ部材に設けられた複数のスロット列同士の間隔は、例えば導波箱内に設けられた誘電体を伝播するマイクロ波の一波長となるように設定される。このようにスロット列同士の間隔を、導波箱内に設けられた誘電体中を伝播するマイクロ波の波長λgと等しくすることにより、互いに打ち消し合うことのない位相を揃えた状態で、各スロット列から処理容器の天井を覆うように配置された誘電体(石英)にマイクロ波を伝播させている。
一方最近では、1GHz以下といった周波数の低いマイクロ波を利用したプラズマ処理が提案されており、一例として915MHzの周波数のマイクロ波を利用したプラズマ処理の実用化が検討されている。このような915MHzの周波数のマイクロ波を利用したプラズマ処理によれば、2.45GHzの周波数のマイクロ波を利用したプラズマ処理に比べて、より少ない電力でプラズマの生成が安定かつ均一化する事からプラズマの電子密度を下げることが可能となる、電子温度が低く高品質な製品を製造できる、などといった種々の利点を享受できる。
しかしながら、マイクロ波の周波数が低くなると、それに反比例して導波箱内において誘電体を伝播するマイクロ波の波長λgは長くなる。例えばマイクロ波の周波数を915MHzとした場合、マイクロ波の周波数が2.45GHzの場合に比較すると、導波箱内において誘電体を伝播するマイクロ波の波長λgは約2.7倍となる。したがって、アンテナ部材に設ける複数のスロット列同士の間隔も約2.7倍にする必要が生じる。
一方、処理容器内で処理される基板の一例であるシリコンウェハ(半導体ウェハ)は、サイズが8inch,12inchなどと決まっており、そのため、基板を処理する処理容器の大きさも、基板を収納できる必要最小限にされている。このため、導波箱の下面をなすアンテナ部材の大きさも、基板よりも僅かに大きい程度に過ぎない。そして、このようにアンテナ部材の大きさが限られているにもかかわらず、導波箱内において誘電体を伝播するマイクロ波の波長λgが長くなった結果、アンテナ部材に複数のスロット列を設けることができなくなってしまう。これにより、処理容器内に導入されるマイクロ波のエネルギーの大小を、複数のスロット列の間で調整することができず、処理容器内におけるプラズマの均一な生成、基板に対する均一な処理が実現できなくなってしまう。
従って本発明の目的は、周波数の低いマイクロ波を利用した場合でも、アンテナ部材に複数のスロット列を設けることができるようにすることにある。
前記目的を達成するため、処理容器内に基板が収納され、前記処理容器内に導入されるマイクロ波により処理ガスがプラズマ化されて基板が処理されるプラズマ処理装置であって、前記処理容器内にマイクロ波を導入するアンテナ部材に、同心円状に配置されるスロット列が複数列設けられ、前記アンテナ部材の上部に形成されるマイクロ波の導波箱の内部に、導波箱内誘電体が配置され、前記アンテナ部材の下部に、前記処理容器の天井を覆って配置された天井部誘電体と、前記天井部誘電体と前記アンテナ部材の下面との間に配置されたアンテナ下部誘電体が設けられ、前記スロット列の上部を覆う位置に、前記導波箱内誘電体が配置され、前記スロット列の下部を覆う位置に、前記アンテナ下部誘電体が配置され、前記導波箱内誘電体の誘電率および前記アンテナ下部誘電体の誘電率が、前記天井部誘電体の誘電率よりも大きく、前記導波箱内誘電体の誘電率と前記アンテナ下部誘電体の誘電率が等しく、前記天井部誘電体の外径は、前記アンテナ部材の外径よりも大きく、前記導波箱内誘電体の外径と前記アンテナ下部誘電体の外径は、前記アンテナ部材の外径よりも小さく、前記天井部誘電体が石英であり、前記導波箱内誘電体と前記アンテナ下部誘電体がアルミナであることを特徴とする、プラズマ処理装置が提供される。
なお参考に、処理容器内に基板が収納され、前記処理容器内に導入されるマイクロ波により処理ガスがプラズマ化されて基板が処理されるプラズマ処理装置であって、前記処理容器内にマイクロ波を導入するアンテナ部材に、同心円状に配置されるスロット列が複数列設けられ、前記アンテナ部材の上部に形成されるマイクロ波の導波箱の内部に導波箱内誘電体が配置され、前記アンテナ部材の下部に、前記処理容器の天井を覆って配置された天井部誘電体が設けられ、導波箱内誘電体が、前記スロット列の上部を覆う位置に配置された第1の誘電体部と、第1の誘電体部以外の箇所に配置された第2の誘電体部で構成され、前記第2の誘電体部の誘電率が、前記第1の誘電体部の誘電率よりも大きいことを特徴とする、プラズマ処理装置が提供される。
このプラズマ処理装置において、前記第1の誘電体の誘電率と前記天井部誘電体の誘電率が等しくても良い。また、前記第1の誘電体および前記天井部誘電体がたとえば石英である。
また、本発明のプラズマ処理装置において、前記処理容器内に導入されるマイクロ波の周波数が例えば915MHz±50MHzである。
本発明によれば、導波箱の内部に配置される導波箱内誘電体の全部もしくは一部を、比較的誘電率の大きい材料とすることにより、たとえば915MHzのマイクロ波を利用した場合であっても、導波箱の内部において導波箱内誘電体を伝播するマイクロ波の波長λgを短くでき、アンテナ部材に複数のスロット列を設けることができるようになる。その結果、処理容器内に導入されるマイクロ波のエネルギーの大小を、複数のスロット列の間で調整することができ、処理容器内におけるプラズマの均一な生成、基板に対する均一な処理が実現できる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるプラズマ処理装置1の概略的な構成を示す縦断面図である。図2は、このプラズマ装置1が備えるアンテナ部材としてのラジアルラインスロットアンテナ23の平面図である。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に示すように、このプラズマ処理装置1は例えばアルミニウムからなる、上部が開口した有底円筒形状の処理容器10を備えている。処理容器10の内壁面には、例えばアルミナなどの保護膜が被覆されている。処理容器10は電気的に接地されている。
処理容器10内の底部には、基板として例えば半導体ウェハ(以下ウェハという)Wを載置するための載置台としてのサセプタ11が設けられている。このサセプタ11は例えばアルミニウムからなり、その内部には、外部電源12からの電力の供給によって発熱するヒータ13が設けられている。これによって、サセプタ11上のウェハWを所定温度に加熱することが可能である。
処理容器10の底部には、真空ポンプなどの排気装置15によって処理容器10内の雰囲気を排気するための排気管16が設けられている。
処理容器10の天井は、誘電材料からなる略円盤形状の天井部誘電体20によって覆われている。この実施の形態では、天井部誘電体20は石英で構成される。図示の例では、処理容器10の上部開口が、天井部誘電体20によって塞がれており、処理容器10の側壁部上端と天井部誘電体20の下面周辺部との間には、気密性を確保するためのOリングなどのシール材21が介在されている。
天井部誘電体20の上方には、平板状のアンテナ部材として、例えば半径r0の円板状のラジアルラインスロットアンテナ23が設けられている。ラジアルラインスロットアンテナ23の半径r0は、例えば直径12inch(半径約15cm)のウェハWよりもやや大きく、例えば22cm程度に設定される。ラジアルラインスロットアンテナ23は、導電性を有する材質、たとえばAg、Au等でメッキやコーティングされた銅の薄い円板からなる。なお、天井部誘電体20は、ラジアルラインスロットアンテナ23よりも大きい半径を有する円盤形状となっており、ラジアルラインスロットアンテナ23の下面全体が、天井部誘電体20で覆われている。
ラジアルラインスロットアンテナ23には、同心円状に配置された2つのスロット列24,25が設けられている。これらスロット列24,25は、いずれもラジアルラインスロットアンテナ23の中心Oを中心にして、複数のスロット26を円周上に並べた構成であり、スロット列24はスロット列25の内側に配置され、スロット列25はスロット列24の外側に配置された関係になっている。即ち、内側のスロット列24は、ラジアルラインスロットアンテナ23の中心Oを中心にして、比較的短い半径r1の円周上に複数のスロット26を並べた構成である。また、外側のスロット列25は、ラジアルラインスロットアンテナ23の中心Oを中心にして、比較的長い半径r2の円周上に複数のスロット26を並べた構成である。
ラジアルラインスロットアンテナ23の上方には、例えばアルミニウムなどの導電性材料からなるカバー30の内部に形成された、マイクロ波の導波箱31が設けられている。ラジアルラインスロットアンテナ23は、この導波箱31の底面を構成している。
導波箱31の内部には、誘電材料からなる導波箱内誘電体32が配置されている。図示の例では、導波箱内誘電体32は、ラジアルラインスロットアンテナ23の中心Oを中心にした、半径r3の円板形状を有している。導波箱内誘電体32の半径r3は、ラジアルラインスロットアンテナ23の半径r0よりも小さいが、ラジアルラインスロットアンテナ23に形成された外側のスロット列25の半径r2よりは大きく設定されている。このため、ラジアルラインスロットアンテナ23に設けられた2つのスロット列24,25の上方には、導波箱内誘電体32が位置しており、スロット列24,25を構成する各スロット26の上方はいずれも導波箱内誘電体32で覆われている。
ラジアルラインスロットアンテナ23の下部には、天井部誘電体20とラジアルラインスロットアンテナ23の下面との間に配置された、誘電材料からなるアンテナ下部誘電体35が設けられている。このアンテナ下部誘電体35も、上記導波箱内誘電体32と同様に、ラジアルラインスロットアンテナ23の中心Oを中心にした、半径r3の円板形状を有している。このため、ラジアルラインスロットアンテナ23に設けられた2つのスロット列24,25の下方には、アンテナ下部誘電体35が位置しており、スロット列24,25を構成する各スロット26の下方はいずれもアンテナ下部誘電体35で覆われている。
これら導波箱内誘電体32とアンテナ下部誘電体35の誘電率は、天井部誘電体20の誘電率よりも大きい。図示の例では、導波箱内誘電体32の誘電率とアンテナ下部誘電体35の誘電率が等しく、導波箱内誘電体32とアンテナ下部誘電体35はいずれもアルミナで構成され、導波箱内誘電体32の誘電率とアンテナ下部誘電体35の誘電率は、約9である。これに対して、石英で構成される天井部誘電体20の誘電率は約3.78である。
カバー30の中央には同軸導波管40が接続されており、この同軸導波管40は、内側導体41と外管42とによって構成されている。内側導体41は、上述のラジアルラインスロットアンテナ23の上面中央に接続されている。内側導体41のラジアルラインスロットアンテナ23側は円錐形に形成されて、ラジアルラインスロットアンテナ23に対してマイクロ波を効率よく伝播するようになっている。
同軸導波管40は、マイクロ波供給装置45で発生させた、たとえば915MHzのマイクロ波を、矩形導波管46、モード変換器47、同軸導波管40、導波箱内誘電体32、ラジアルラインスロットアンテナ23の各スロット列24,25およびアンテナ下部誘電体35を介して、天井部誘電体20に伝搬させる。そして、その際のマイクロ波エネルギーによって天井部誘電体20の下面に電界が形成され、処理容器10内にプラズマが生成される。
処理容器10の上面を構成するカバー30には、円環状の熱媒流路50が設けられ、この熱媒流路50を流れる熱媒によって、導波箱内誘電体32、ラジアルラインスロットアンテナ23、アンテナ下部誘電体35および天井部誘電体20を所定温度に維持するようになっている。
処理容器10内には、処理容器10の外部に設けられたプラズマ生成ガス供給源55から、配管56を介して、例えば窒素、Ar(アルゴン)、酸素等のプラズマ生成ガスが供給される。また、処理容器10内には、処理容器10の外部に設けられた処理ガス供給源57から、配管58を介して、例えばHBr、Cl、CF等の処理ガスが供給される。
次に、以上のように構成されたプラズマ処理装置1の作用について説明する。なお、プラズマ処理の一例として、プラズマ生成ガスとして窒素、Ar、酸素等を用い、処理ガスとしてHBr、Cl、CF等を使用して、ウェハWをエッチング処理する例を説明する。
このプラズマ処理装置1において例えばプラズマエッチング処理を行う際には、図1に示すように先ずウェハWが処理容器10内に搬入され、サセプタ11上に載置される。そして、排気管16から排気が行われて処理容器10内が減圧される。更に、プラズマ生成ガス供給源55から処理容器10内に、窒素、Ar(アルゴン)、酸素等のプラズマ生成ガスが供給され、処理ガス供給源57から処理容器10内に、HBr、Cl、CF等の処理ガスが供給される。そして、マイクロ波供給装置45の作動により、たとえば915MHzのマイクロ波が、矩形導波管46、モード変換器47、同軸導波管40、導波箱内誘電体32、ラジアルラインスロットアンテナ23の各スロット列24,25およびアンテナ下部誘電体35を介して、天井部誘電体20に伝搬させられる。こうして、処理容器10内において天井部誘電体20の下面に電界が発生し、前記プラズマ生成ガスがプラズマ化され、更に、処理ガスがプラズマ化されて、その際に発生した活性種によって、ウェハWに対するエッチング処理がなされる。なお、エッチング処理中、プラズマに面する天井部誘電体20は石英で構成されているため、不要な不純物による被処理物の汚染が防止される。
そして、所定時間エッチング処理が行われた後、マイクロ波供給装置45の作動と、処理容器10内へのプラズマ生成ガス、処理ガスの供給が停止され、ウェハWが処理容器10内から搬出されて、一連のプラズマエッチング処理が終了する。
プラズマ処理中、同軸導波管40を通じて供給されたマイクロ波は、導波箱31内に配置された導波箱内誘電体32を介して、ラジアルラインスロットアンテナ23に設けられた2つのスロット列24,25に伝搬していく。この実施の形態では、導波箱内誘電体32がアルミナで構成されているので、マイクロ波供給装置45からたとえば915MHzのマイクロ波を供給した場合であっても、導波箱内誘電体32を伝搬するマイクロ波の波長λgを約10.9cm程度とすることができる。即ち、915MHzのマイクロ波を利用した場合、仮に導波箱内誘電体32が石英(誘電率が約3.9)であると、導波箱内誘電体32を伝搬するマイクロ波の波長λgが約16.6cm程度となってしまう。これに対して、この実施の形態では、導波箱内誘電体32がアルミナ(誘電率が約9)であるため、導波箱内誘電体32が石英で構成されている場合に比べて、導波箱内誘電体32を伝搬するマイクロ波の波長λgを約2/3程度(約10.9cm程度)まで短縮することができる。
この場合、ラジアルラインスロットアンテナ23の半径r0は、例えば直径12inch(半径約15cm)のウェハWよりもやや大きく、例えば22cm程度に設定されている。このため、導波箱内誘電体32を伝搬するマイクロ波の波長λgを約2/3程度(約10.9cm程度)まで短縮したことにより、ラジアルラインスロットアンテナ23に設けた2つのスロット列24,25同士の間隔(r2−r1)を導波箱内誘電体32を伝搬するマイクロ波の波長λgに等しくすることができ、ラジアルラインスロットアンテナ23に内側と外側の2つのスロット列24、25を設けることができるようになる。その結果、例えば内側のスロット列24を構成するスロット26の開口面積と、外側のスロット列25を構成するスロット26の開口面積を調整する等の手法を採ることによって、処理容器10内に導入されるマイクロ波のエネルギーの大小を、2つのスロット列24、25の間で調整することができ、処理容器10内におけるプラズマの均一な生成、ウェハWに対する均一な処理が実現できる。これにより、例えば915MHzの周波数のマイクロ波を利用したプラズマ処理を行うことにより、従来一般的であった2.45GHzの周波数のマイクロ波を利用したプラズマ処理に比べて、より少ない電力でプラズマの生成を均一化させて、低い電子温度で高品質な製品を製造できる、といった利点を享受できる。また、スロット列24,25の上方にある導波箱内誘電体32と下方にあるアンテナ下部誘電体35が、互いに誘電率の異なる材料であると、スロット列24,25からアンテナ下部誘電体35に伝搬する際にマイクロ波が反射し、アンテナ下部誘電体35にマイクロ波を効率良く伝搬させることができなくなるという問題が発生する。このプラズマ処理装置1にあっては、2つのスロット列24,25の上方にある導波箱内誘電体32と下方にあるアンテナ下部誘電体35は、いずれも同一材料であるアルミナで構成されている。このため、スロット列24,25からアンテナ下部誘電体35に伝搬する際にマイクロ波の反射が抑制され、各スロット列24,25からアンテナ下部誘電体35にマイクロ波が効率良く伝搬していく。
次に、図3は、本発明の第2の実施の形態にかかるプラズマ処理装置2の概略的な構成を示す縦断面図である。図4は、このプラズマ装置2が備えるアンテナ部材としてのラジアルラインスロットアンテナ23の平面図である。なお、先に図1,2で示した本発明の第1の実施の形態にかかるプラズマ処理装置1と実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
このプラズマ装置2では、ラジアルラインスロットアンテナ23の下部には、石英で構成される円盤形状の天井部誘電体60のみが配置されている。このため、ラジアルラインスロットアンテナ23に形成されたスロット列24,25を構成する各スロット26の下方はいずれも天井部誘電体60で覆われている。
一方、導波箱31の内部に配置された導波箱内誘電体61は、互いに誘電率の異なる第1の誘電体部62と第2の誘電体部63で構成されている。第1の誘電体部62は、2つスロット列の上部を覆う位置に配置されており、第2の誘電体部63は、導波箱31の内部において、第1の誘電体部62以外の箇所に配置されている。
換言すれば、第2の誘電体部63は、ラジアルラインスロットアンテナ23の中心Oを中心にした、外径r5、内径r6のリング形状になっている。第1の誘電体部62は、導波箱31の内部において、第2の誘電体部63以外の箇所に配置されている。即ち、第1の誘電体部62は、第2の誘電体部63の外側に配置された、外径r3、内径r5のリング形状の第1の誘電体部62と、第2の誘電体部63の内側に配置された、半径r6の円板形状の第1の誘電体部62の、2つの部材からなる。
第2の誘電体部63の外径r5は、外側のスロット列25の半径r2よりも小さく設定されており、第2の誘電体部63の外周縁(外径r5)は、外側のスロット列25を形成しているスロット26には達しない位置にある。また、第2の誘電体部63の内径r6は、内側のスロット列24の半径r1よりも大きく設定されており、第1の誘電体部62の内周縁(外径r6)は、内側のスロット列24を形成しているスロット26よりも外側の位置にある。このため、スロット列24,25を構成する各スロット26の上方はいずれも第1の誘電体部62で覆われている。
第2の誘電体部63の誘電率は、第1の誘電体部62の誘電率よりも大きい。図示の例では、第1の誘電体部62は、天井部誘電体60と同様に石英で構成され、第1の誘電体部62の誘電率と天井部誘電体60の誘電率は約3.9である。これに対して、第2の誘電体部63はアルミナで構成され、第2の誘電体部63の誘電率は、約9である。
以上のように構成された第2の実施の形態にかかるプラズマ処理装置2にあっては、プラズマ処理中、同軸導波管40を通じて供給されたマイクロ波は、導波箱31内に配置された導波箱内誘電体61を介して、ラジアルラインスロットアンテナ23に設けられた2つのスロット列24,25に伝搬していく。この実施の形態では、スロット列24,25同士の間にアルミナからなる第2の誘電体部62が配置されているので、2つのスロット列24,25間においては、導波箱内誘電体31を伝搬するマイクロ波の波長λgを約10.9cm程度に短縮することができる。その結果、先に説明した第1の実施の形態にかかるプラズマ処理装置1と同様に、ラジアルラインスロットアンテナ23に設けた2つのスロット列24,25同士の間隔(r2−r1)を導波箱内誘電体32を伝搬するマイクロ波の波長λgに等しくすることができ、ラジアルラインスロットアンテナ23に内側と外側の2つのスロット列24、25を設けることができるようになる。これにより、処理容器10内に導入されるマイクロ波のエネルギーの大小を、2つのスロット列24、25の間で調整することができ、処理容器10内におけるプラズマの均一な生成、ウェハWに対する均一な処理が実現できる。また、このプラズマ処理装置2にあっては、2つのスロット列24,25の上方にある第1の誘電体部62と下方にある天井部誘電体60は、いずれも同一材料である石英で構成されている。このため、スロット列24,25から天井部誘電体60に伝搬する際にマイクロ波の反射が抑制され、各スロット列24,25から天井部誘電体60にマイクロ波が効率良く伝搬していく。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はここに例示した形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、導波箱内誘電体中を伝搬するマイクロ波の波長λgをアルミナを利用して短縮する場合を説明したが、アルミナ以外の高誘電率を有する合成樹脂なども利用できる。また、以上の実施の形態では、エッチング処理に適用した例を説明したが、本発明は、エッチング処理以外の基板処理、例えば成膜処理を行うプラズマ処理装置にも適用できる。また、本発明のプラズマ処理装置で処理される基板は、半導体ウェハ、有機EL基板、FPD(フラットパネルディスプレイ)用の基板等のいずれのものであってもよい。
プラズマ処理装置において、スロット列の上方に配置される上部誘電体と下方に配置される下部誘電体の材料が異なる場合と、同じである場合について検討した。ラジアルラインスロットアンテナの各スロット列の上部誘電体をアルミナ、下部誘電体を石英とした場合(比較例)と、上部誘電体および下部誘電体を共にアルミナとした場合(実施例)におけるプラズマ密度の分布を比較した。なお、図5は前記比較例および前記実施例における処理容器内の中心からの距離(横軸)とプラズマ密度の分布(縦軸)を表したグラフである。比較例の場合、図5に示されるように、中心からの距離に対して、プラズマ密度が約26〜39という範囲で不均一となり、特に処理容器の周辺部において、プラズマ密度の低下が発生した。上部誘電体と下部誘電体の材料が異なることに起因すると考えられる。一方、上部誘電体と下部誘電体の材料が同じである実施例の場合は、図5に示されるように、処理容器の中心から周辺部において、プラズマ密度が約33〜37と比較的均一となった。
本発明は、処理容器内にプラズマを生成して基板を処理するプラズマ処理に適用できる。
本発明の第1の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の概略的な構成を示す縦断面図である。 第1の実施の形態にかかるプラズマ処理装置が備えるアンテナ部材としてのラジアルラインスロットアンテナの平面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の概略的な構成を示す縦断面図である。 第2の実施の形態にかかるプラズマ処理装置が備えるアンテナ部材としてのラジアルラインスロットアンテナの平面図である。 各スロット列の上下の誘電体を同一にした場合及び異なる物とした場合のプラズマ密度の分布を示すグラフである。
符号の説明
W ウェハ
1、2 プラズマ処理装置
10 処理容器
11 サセプタ
15 排気装置
20 天井部誘電体
23 ラジアルラインスロットアンテナ
24,25 スロット列
26 スロット
30 カバー
31 導波箱
32 導波箱内誘電体
35 アンテナ下部誘電体
40 同軸導波管
45 マイクロ波供給装置
55 プラズマ生成ガス供給源
57 処理ガス供給源
60 天井部誘電体
61 導波箱内誘電体
62 第1の誘電体部
63 第2の誘電体部

Claims (2)

  1. 処理容器内に基板が収納され、前記処理容器内に導入されるマイクロ波により処理ガスがプラズマ化されて基板が処理されるプラズマ処理装置であって、
    前記処理容器内にマイクロ波を導入するアンテナ部材に、同心円状に配置されるスロット列が複数列設けられ、
    前記アンテナ部材の上部に形成されるマイクロ波の導波箱の内部に、導波箱内誘電体が配置され、
    前記アンテナ部材の下部に、前記処理容器の天井を覆って配置された天井部誘電体と、前記天井部誘電体と前記アンテナ部材の下面との間に配置されたアンテナ下部誘電体が設けられ、
    前記スロット列の上部を覆う位置に、前記導波箱内誘電体が配置され、
    前記スロット列の下部を覆う位置に、前記アンテナ下部誘電体が配置され、
    前記導波箱内誘電体の誘電率および前記アンテナ下部誘電体の誘電率が、前記天井部誘電体の誘電率よりも大きく、
    前記導波箱内誘電体の誘電率と前記アンテナ下部誘電体の誘電率が等しく、
    前記天井部誘電体の外径は、前記アンテナ部材の外径よりも大きく、
    前記導波箱内誘電体の外径と前記アンテナ下部誘電体の外径は、前記アンテナ部材の外径よりも小さく、
    前記天井部誘電体が石英であり、前記導波箱内誘電体と前記アンテナ下部誘電体がアルミナであることを特徴とする、プラズマ処理装置。
  2. 前記処理容器内に導入されるマイクロ波の周波数が915MHz±50MHzであることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
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