JP4708979B2 - 光学式触覚センサ - Google Patents

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Description

本発明は、光学式触覚センサに関し、特に比較的大きな領域の圧力分布の計測に有効な光学式触覚センサに関するものである。
接触面の接触状態に基づいて接触面の各点に加わる力を検出する触覚センサが知られている。ここで、接触面の各点に加わる力は大きさ及び方向を有する3成分のベクトルで表される。これを図1の座標系でf(x,y)と表すことにする。ただしfはベクトルであるため、実際には各点においてx,y,z3成分を持つ。それぞれの成分を明示的に示す場合にはf(x,y)=[fx(x,y),fy(x,y),fz(x,y)]と表す。力分布が各接触点において3成分を持つことから、触覚センサによって接触面の力分布を再構成するためには少なくとも接触面の各点に対して3自由度以上の情報を得なければならない。
そこで、本出願の発明者は、3次元ベクトル分布の計測が可能な光学式触覚センサを開発した。この光学式触覚センサの原理について、図2に基づいて説明する。この光学式触覚センサでは、透明弾性体で形成されたマーカー層520内に、複数の赤色マーカー521及び複数の青色マーカー522が高さの異なる2つの平行面内に配置されている。そして、外部から力が加えられた場合には、その力による各赤色マーカー521及び各青色マーカー522の動作がCCDカメラ等で撮影される。このようにして得られる各マーカーの移動情報に基づいて、弾性体の表面に力が加わった時のマーカー層520の内部の変形情報が計測され、力分布が再構築される。
マーカー層520の表面をxy平面、垂直方向をz軸にとりCCDカメラを用いてz方向から各マーカーを撮影することにより、力が加わった際の測定点の移動をxy平面方向の移動ベクトルとして計測する。マーカーの移動情報から力ベクトル分布を再構築するために、マーカー層520の内部の異なった深さに測定点として赤色マーカー及び青色マーカーをそれぞれN×N個配設することで深さの異なった2次元移動ベクトルを2つ求め、それぞれ異なった情報として扱うことで、情報量を増やして力ベクトル分布を求める。
このような光学式触覚センサの用途としては、例えば椅子の座面に用いることで座っている人間の臀部に加わる圧力分布の計測、ベッドに用いることで寝ている人間の圧力分布の計測、床面に用いることで歩行計測または重心動揺計測などに適用することが考えられ、大面積の力分布計測が行われる。ここで、この光学式触覚センサによる大面積の力分布計測の実用化や応用を考えた場合には、力分布を求めるための計算時間の短縮が課題となるので、本発明者は上記計算時間を短縮するための手法を提案している(例えば、特許文献1参照)。
国際公開公報WO2005/029027 A1
本発明者は、上記課題を解決するための研究をさらに行った結果、光学式触覚センサの有する全てのマーカーの移動情報を用いて力分布を算出するのではなく、外部から力が加えられた受力領域を判定し、その領域内にあるマーカーの移動情報だけを用いて力分布を算出すると、上記計算時間の大幅な短縮が可能であることを見出した。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明の光学式触覚センサは、外部から力が加えられる受力層と、互いに異なる種類のマーカーをそれぞれ含む複数のマーカー群が内部に設けられた弾性及び透光性を有するマーカー層と、前記受力層と前記マーカー層との間に配置されており、前記受力層に力が加えられた場合に、その力が加えられた領域が力の大きさに応じた明るさに変化するシート層と、前記マーカー層に対して前記受力層と反対側に配置されており、前記マーカー層内の各マーカー及び前記シート層を撮影する撮影装置と、前記撮影装置による撮影結果に基づいて、前記シート層において所定の明るさよりも明るい受力領域を判定する判定手段と、前記判定手段において所定の明るさよりも明るい受力領域と判定された領域内にあるマーカーを、前記マーカー層内の各マーカーのなかで前記受力層における力分布を求めるための計算に用いられるマーカーに決定する決定手段と、前記撮影装置による撮影結果から得られる前記決定手段で決定されたマーカーの移動情報に基づいて、前記受力層における力分布を算出する算出手段とを備えている。
この構成によると、受力層において力が加えられた領域に対応した受力領域内にあるマーカーの移動情報だけに基づいて力分布が算出される。従って、全てのマーカーの移動情報に基づいて力分布が算出される場合と比較して、力分布を求めるための計算時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記マーカー層、前記シート層及び前記撮影装置を収容し且つ遮光性を有する筐体と、前記筐体内において前記マーカー層に対して前記受力層と反対側に配置された第1の光源とをさらに備えていてもよい。この構成によると、受力領域を正確に判定することができる。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記シート層は、弾性及び透光性を有する弾性部材と、前記弾性部材内に光を供給する第2の光源とを有しており、前記弾性部材のマーカー層側の面には凹凸が形成されていてもよい。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記シート層は、感圧塗料による印刷層を有していてもよい。この構成によると、シート層には光源を設けなくてもよいので、製造コストを低減できる。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記シート層は、弾性及び透光性を有する弾性部材をさらに有しており、前記印刷層は、前記弾性部材の前記マーカー層と反対側の面に配置されていると共に、前記弾性部材の前記マーカー層と同じ側の面には凹凸が形成されていてもよい。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記シート層は、応力発光塗料による印刷層を有していてもよい。この構成によると、シート層には光源を設けなくてもよいので、製造コストを低減できる。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記シート層は、弾性及び透光性を有する弾性部材をさらに有しており、前記印刷層は、前記弾性部材の前記マーカー層と反対側の面に配置されていてもよい。
また、本発明の光学式触覚センサにおいて、前記シート層は、弾性及び透光性を有すると共に、感圧塗料または応力発光塗料が混ぜ合わされて製造された弾性部材を有していてもよい。この構成によると、シート層には光源を設けなくてもよいので、製造コストを低減できると共に、シート層の製造が容易になる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。
図3に示す光学式触覚センサ1は、遮光性を有する筐体40と、筐体40内に収容されたシート層10、マーカー層20及びCCDカメラ30と、コンピュータ(図示しない)に記憶された演算部60とを有している。筐体40は、可撓性を有する材料で形成された直方体形状の箱状の部材である。ここで、本実施の形態では、筐体40の上面部41が、外部から力が加えられる受力層すなわちセンサ面45となる。また、光学式触覚センサ1は、筐体40内においてマーカー層20に対して受力層10と反対側に配置された白色LED50と、シート層10内に配置された緑色LED51とを有している。
シート層10は、筐体40の上面部41とマーカー層20との間に配置されている。シート層10は、弾性及び透光性を有するシリコンゴムで形成されており、その下面(マーカー層20側の面)には多数の突起11が設けられている。従って、筐体40の上面部41に外部から力が加えられた場合には、その受力領域に対応したシート層10が撓み、その領域内の突起11がマーカー層20の上面に押し付けられて変形する。ここで、上述したように、シート層10内には緑色LED51が配置されており、筐体40の上面部41に力が加えられた場合には、その力が加えられた受力領域が力の大きさに応じた明るさに変化する。
マーカー層20は、弾性及び透光性を有するシリコンゴムで形成されており、その上端部近傍には多数のマーカーが埋設されている。多数のマーカーは、2つのマーカー群にそれぞれ含まれる2種類のものに区別され、互いに異なる深さの部分にそれぞれ埋設されている。ここで、本実施の形態では、2つのマーカー群には互いに異なる色を有するマーカーが含まれており、一方のマーカー群には赤色マーカー21が含まれ、他方のマーカー群には青色マーカー22が含まれている。
CCDカメラ30は、筐体40内の下端部近傍に配置されており、マーカー層20内の各マーカー21、22及びシート層10を撮影するものである。CCDカメラ30は、ディジタル式カメラすなわち画像データを電気信号として出力するカメラである。本発明に係る撮影装置は、CCDカメラに限定されるものではなく、例えばC-MOS式イメージセンサを用いたディジタルカメラでもよい。
ここで、マーカー層20は、好ましくはシリコンゴムから形成されるが、他のゴム類やエラストマー等の他の弾性部材から形成されてもよい。また、マーカーが埋設されていることによってマーカー層20の変形が阻害されてはならないので、各マーカー21、22は、弾性部材(好ましくは、弾性体と同等の弾性定数を有するもの)から形成されていることが好ましく、さらに好ましくはマーカー層20と同じ材料から構成され、一つの好ましい態様では、シリコンゴムに色素を加えたものから構成される。また、各マーカーは、マーカー層20の変形を阻害しない程度に十分に微小なものであれば、各マーカーの材質は特に限定されない。また、マーカー層20の各部分がマーカーを構成するものであってもよい。本実施の形態では、マーカー層20が2つのマーカー群を有する場合を示すが、マーカー群の数は限定されない。
また、光学式触覚センサ1は、上述したように、筐体40の上面部41に力が加えられた場合に、CCDカメラ30により得られる撮影結果に基づいて、筐体40の上面部41における力分布を算出する演算部60を有している。演算部60には、判定部61と、決定部62と、移動情報検出部63と、算出部64とが形成されている。
判定部61は、CCDカメラ30による撮影結果に基づいて、シート層10において所定の明るさよりも明るい受力領域を判定する。光学式触覚センサ1では、筐体40の上面部41に外部から力が加えられた場合には、その受力領域内の突起11が大きく変形する。その結果、シート層10の受力領域の明るさが、力が加えられる前と比較して明るくなる。ここで、判定部61には、受力領域を判定する際に用いられる閾値が設定されている。つまり、判定部61では、閾値に対応した所定の明るさよりも明るい領域を受力領域と判定する。
決定部62は、マーカー層20内の各マーカーのなかで筐体40の上面部41における力分布を求めるための計算に用いられるマーカーを決定する。つまり、決定部62は、判定部61において所定の明るさよりも明るい受力領域と判定された領域内にあるマーカーを決定する。
移動情報検出部63は、決定部62で決定されたマーカーに関する移動情報をCCDカメラ30による撮影結果に基づいて検出する。
算出部64は、移動情報検出部63で検出されたマーカーの移動情報に基づいて、筐体40の上面部41における力分布を算出する。ここで、算出部64は、各マーカーの移動情報から筐体40の上面部41に加えられた力ベクトルまたは力ベクトル分布を再構成するための伝達関数を格納している。伝達関数は、筐体40の上面部41に加えられた力情報と各マーカーの移動情報とを関連づける関数である。
次に、筐体40の上面部41に力が加えられた場合について、図4を参照して説明する。図4(a)は、筐体40の上面部41に力が加えられた状態を示す図である。ここでは、矩形状部材70が筐体40の上面部41の中央部近傍に載せられた場合を示している。図4(b)は、図4(a)の状態における受力領域を示す図である。
矩形状部材70が筐体40の上面部41の中央部近傍に載せられると、矩形状部材70の下面から上面部41に力が加わる。ここで、筐体40の上面部41に力が加えられる受力領域L(図4(b)で破線で囲まれた領域)は、矩形状部材70と上面部41とが接触している領域である。すると、シート層10の下面の受力領域L内の突起11が、図4(a)に示すように、マーカー層20の上面に押し付けられて変形する。このとき、シート層10の受力領域Lの明るさが力の大きさに応じた明るさに変化する。
また、上述したように、判定部61には受力領域Lを判定する際に用いられる閾値が設定されている。従って、判定部61は、その閾値に対応した所定の明るさよりも明るい領域すなわち矩形状部材70と上面部41との接触領域を、受力領域Lと判定する。すると、決定部62は、マーカー層20内の各マーカーのなかで、受力領域L内にある15個の赤色マーカー21及び15個の青色マーカー22を、力分布を求めるための計算に用いられるマーカーに決定する。
その後、移動情報検出部63において、30個のマーカーに関する移動情報がCCDカメラ30による撮影結果に基づいて検出される。そして、算出部64では、その移動情報に基づいて、筐体40の上面部41における力分布が算出される。つまり、光学式触覚センサ1では、受力領域L内の30個のマーカーの移動情報だけが筐体40の上面部41における力分布を算出するために用いられる。
次に、センサ面の大面積化が図られた大面積触覚センサ101について、図5〜図7を参照して説明する。図5(a)は、光学式触覚センサの概略構成を示し、図5(b)は、大面積触覚センサの概略構成を示している。ここで、図5(a)及び図5(b)では、筐体の図示が省略されている。また、図5(b)に示す大面積触覚センサ101では、センサ面の全体及び複数のCCDカメラは1つの筐体内に収容されると共に、複数のCCDカメラは1つの演算部に接続される。
大面積触覚センサ101は、図5に示すように、上述した光学式触覚センサ1が複数組み合わされることによって構成される。複数の光学式触覚センサ1のセンサ面45が互いに同一面に配置されるように、各センサ面45の端縁同士を当接させて敷き詰めることで、大面積触覚センサ101のセンサ面145が形成される。図5では、光学式触覚センサ1の平面視矩形状のセンサ面45が図示されている。光学式触覚センサ1のセンサ面45の形状は矩形状に限定されないが、複数のセンサ面を敷き詰める際には、光学式触覚センサ1のセンサ面45は矩形状であることが好ましい。また、本実施の形態では、平面状のセンサ面145を有する大面積触覚センサ101を示すが、センサ面は平面に限定されず、自由曲面からなるセンサ面であってもよい。
ここで、大面積触覚センサ101では、複数のCCDカメラ30が用いられるので、各CCDカメラ30によって取得された画像情報を統合する必要がある。図6は、複数台のCCDカメラによって取得された画像情報の統合について説明するための図である。
大面積触覚センサ101では、複数台のCCDカメラ30が、各撮影領域が互いに部分的に重複するように配置される。そして、複数台のCCDカメラ30によって、各撮影領域の画像がそれぞれ取得される。そして、一方の撮影領域Aと他方の撮影領域Bとの重複撮影領域E内のマーカーが互いに一致するように、各CCDカメラによる画像情報を合成することで画像情報の統合を行う。
図6では、2台のCCDカメラの各撮影領域が図示されている。つまり、図6では、撮影領域Aにおいて重複撮影領域Eに対応する領域に含まれる赤色マーカー21及び青色マーカー22と、撮影領域Bにおいて重複撮影領域Eに対応する領域に含まれる赤色マーカー21及び青色マーカー22とを一致させるようにして、2台のCCDカメラ30によって撮影された各画像が合成される。
図7は、図5(b)に示す4台のCCDカメラの撮像領域を示す図である。各CCDカメラ30で取得した撮影領域をそれぞれA,B,C,Dとすると、領域Aと領域B、領域Aと領域C、領域Bと領域D、領域Cと領域Dのそれぞれにおいて重複撮影領域Eが形成されるように、各撮影領域A,B,C,Dの画像情報が統合される。なお、図7ではマーカーは省略してある。
ここで、大面積触覚センサ101の基本的な構成は、光学式触覚センサ1の構成と同様である。つまり、大面積触覚センサ101においても、センサ面145に力が加えられた場合には、シート層において、その力が加えられた受力領域の明るさが力の大きさに応じた明るさに変化する。そして、大面積触覚センサ101では、複数のCCDカメラの各撮影領域における受力領域内のマーカーの移動情報だけが力分布を算出するために用いられる。このように、大面積触覚センサ101では、マーカー層に埋設されるマーカーの数が光学式触覚センサ1と比較して著しく多くなるので、受力領域内のマーカーの移動情報だけに基づいて力分布を算出することによって、計算時間を大幅に短縮することができる。
次に、センサ面に加えられた力ベクトル分布の再構成法について、図8を参照して説明する。
光学式触覚センサ1によって得られたマーカーの移動情報(例えば、マーカーの移動情報の一つである移動ベクトル)からセンサ面に加えられた力ベクトル分布を求めるには、マーカーの移動情報Mから力情報Fへの変換が必要となる。マーカー情報Mから力情報Fへの変換は、式F=HMによって行なわれる。ここでは簡単のため二次元断面(図のy軸方向は考えない)について考えるが、一般的な三次元の場合でもアルゴリズムは同一である。
fはセンサ面にかかる力ベクトル、m,nはそれぞれBlue, Redの色付けをしたマーカーのCCD素子上での移動ベクトルを表す。適当な離散化によって有限な点数(図8では4点)について考える。前述のように力ベクトルはそれぞれ3成分(x,y,z成分)をもつが、ここでは2成分(x,z成分)を考える。ここでは、説明の便宜上、図のようにx方向成分のみ観測されたとする。
f=[fx(1),fx(2),fx(3),fx(4),fz(1),fz(2),fz(3),fz(4)]の8成分が求めたい力分布であり、
m=[m(1),m(2),m(3),m(4)], n=[n(1),n(2),n(3),n(4)]が観測される移動ベクトルである。このm,nをまとめてxと書くことにする。
すなわち、x=[m(1),m(2),m(3),m(4),n(1),n(2),n(3),n(4)]となる。
ここで、点1においてx方向単位力(大きさ1の力)が加えられたときに観察される各マーカーの移動ベクトルm,nをまとめてMx(1)と書く。
すなわち、
Mx(1)=[m(1),m(2),m(3),m(4),n(1),n(2),n(3),n(4)]
when f=[1,0,0,0,0,0,0,0]
同様に、点1においてz向単位力が加えられたときに観察される各マーカーの移動ベクトルをMz(1)、点2おいてx方向単位力が加えられたときに観察される各マーカーの移動ベクトルをMx(2)等、以下同様に定める。線形弾性体(加えられた力分布と変位の間に線形加算関係が成り立つ弾性体。多くの弾性体はこの性質を満たす)の場合、一般的な力 f=[fx(1),fx(2),fx(3),fx(4),fz(1),fz(2),fz(3),fz(4)]が与えられたときに生じる移動ベクトルxは次のように書かれる。
X=Mx(1)*fx(1)+Mz(1)*fz(1)+Mx(2)*fx(2)+…+Mz(4)*fz(4)
これを行列形式で書くと、X=H*fとなる。ただしH=[Mx(1);Mx(2);…;Mz(4)]。このHを、力fから変位xに伝達させるための写像と言う意味で伝達関数と呼ぶ。
要素ごとに書くと次のようになる。
Figure 0004708979
ただしHmx(x1,x2)は,座標x=x2の表面に加わったx方向単位力による座標x=x1における、mマーカーがある深さでのx方向変位量を表す。同様に、Hnz(x1,x2)は座標x=x2の表面に加わったz方向単位力による座標x=x1における,nマーカーがある深さでのx方向変位量を表す。
観測されたxからfを求めるにはHの逆行列をかけてやればよい。すなわち
f=inv(H)*x(式1)である。ただしinvは逆行列(一般には一般化逆行列)を表す。
要素ごとに書くと数2のようになる。
Figure 0004708979
ただしImx(1,1)等はinv(H)の各要素であるが,結局のところfx(1)を計算するためのm(1)の寄与を表す。
伝達関数によって定まった行列の逆行列を使うことで未知数を定める場合、未知数の個数を観測されたデータの個数が上回っているか同数である必要がある。この問題を解決するために色分けした2層のマーカー群を用意し、2層のマーカー群の各マーカーの移動を取ることによって独立な観測データ数を8つまで増やしている。
一般的な三次元の場合(この図ではy軸が追加された場合)、一点における力ベクトルは3自由度、マーカーの水平移動ベクトルは2自由度である。もしサンプリング点が同様に4点であったとすると、未知数はf=[fx(1),fy(1),fz(1),fx(2),fy(2),fz(2),fx(3),fy(3),fz(3),fx(4),fy(4),fz(4)]の12個存在するのに対して、観測される値は移動ベクトルm=[mx(1),my(1),mx(2),my(2),mx(3),my(3),mx(4),my(4)]の8個であり、やはり足りない。これを2層に分けて観測することにより16個の観測データを得ることができ、これにより12個の未知数を同定することになる。以上のようなアルゴリズムを用いて、CCD画像から力ベクトルを推定する。他のマーカーを用いた他の測定方式でも、観測されるデータが異なるだけで、色分けという工夫によって未知数の数より多い独立な観測値(マーカーの振る舞いに関する情報)を集め、逆問題を安定に解くことによって力ベクトルを推定する点では同じである。
次に、伝達関数(行列H)を求めるための手法を説明する。ある特徴的な形の弾性体(例えば半無限弾性体)においては、表面に加わる力と内部変位の関数として、前述の微小領域で満たすべき関係式を弾性体内部のあらゆる場所で満たすことができる関数が数式の形で発見されている。このような形の場合には、この関数にメッシュ状に区切った弾性体表面(センサ面)の座標と内部マーカーの座標を代入すれば行列Hが求まる。
ここで数式の形で発見されているとは、表面応力をf(x1)、内部変位をm(x2,y2)とした場合に、m(x2,y2) = G(f(x1),x2,y2)という形で内部変位を表面応力から求める関数Gが発見されているということである。このとき例えば図8で点1に力が加わったときのマーカー2における変位はm(2,y2) = G(f(1), 2,y2)によってもとまる。ただしy2はマーカーの深さ(既知)である。弾性体形状によっては、弾性体形状を半無限大弾性体と仮定することによって上述のような数式を用いてH行列を取得できる。
以上のように、本実施の形態の光学式触覚センサ1では、センサ面において力が加えられた受力領域内にあるマーカーの移動情報だけに基づいて力分布が算出される。従って、全てのマーカーの移動情報に基づいて力分布が算出される場合と比較して、力分布を求めるための計算時間を大幅に短縮することができる。特に、複数の光学式触覚センサ1が組み合わされた大面積触覚センサ101において有効である。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る光学式触覚センサ201について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。
本実施の形態の光学式触覚センサ201が、第1の実施の形態に係る光学式触覚センサ1と大きく異なる点は、光学式触覚センサ201のシート層210は、弾性及び透光性を有する弾性部材211と、弾性部材211のマーカー層20と反対側の面に配置された感圧塗料による印刷層212とを有している点である。ここで、弾性部材211のマーカー層20と同じ側の面には突起211aが形成されている。また、感圧塗料は、力が加えられると、その領域が緑色に変化するものである。この構成によると、シート層には光源を設けなくてもよいので、製造コストを低減できる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る光学式触覚センサ301について、図10を参照して説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。
本実施の形態の光学式触覚センサ301が、第1の実施の形態に係る光学式触覚センサ1と大きく異なる点は、光学式触覚センサ301のシート層310は、弾性及び透光性を有する弾性部材311と、弾性部材311のマーカー層20と反対側の面に配置された応力発光塗料による印刷層312とを有している点である。また、応力発光塗料は、力が加えられると、その領域が緑色に変化するものである。この構成によると、シート層には光源を設けなくてもよいので、製造コストを低減できる。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る光学式触覚センサ401について、図11を参照して説明する。図11は、本発明の第4の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。
本実施の形態の光学式触覚センサ401が、第1の実施の形態に係る光学式触覚センサ1と大きく異なる点は、光学式触覚センサ401のシート層410は、弾性及び透光性を有すると共に、感圧塗料または応力発光塗料が混ぜ合わされた材料で形成されている点である。この構成によると、シート層には光源を設けなくてもよいので、製造コストを低減できると共に、シート層の製造が容易になる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の第1の実施の形態では、シート層内には緑色LEDが配置されており、マーカー層内には赤色マーカー及び青色マーカーが埋設されているが、これらの色の組み合わせは変更可能である。つまり、例えば、シート層内には赤色LEDが配置されており、マーカー層内には青色マーカー及び緑色マーカーが埋設されていてもよい。
また、上述の第2、3の実施の形態では、シート層は、弾性部材及び印刷層を有しているが、弾性部材は有していないで、感圧塗料または応力発光塗料による印刷層だけを有していてもよい。
触覚センサと接触対象の間に生じる力ベクトル分布を示す図である。 光学式触覚センサの原理図を示しており、上図は透明弾性体の平面図であり、下図は透明弾性体の側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。 図4(a)は、筐体40の上面部41に力が加えられた状態を示す図である。図4(b)は、図4(a)の状態における受力領域を示す図である。 図5(a)は、光学式触覚センサの概略構成を示し、図5(b)は、大面積触覚センサの概略構成を示している。 複数台のCCDカメラによって取得された画像情報の統合について説明するための図である。 図5に示す4台のCCDカメラの撮像領域を示す図である。 センサ面にかかる力ベクトルとマーカーの移動を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光学式触覚センサの構成を示す図である。
符号の説明
1、201、301、401 光学式触覚センサ
10、210、310、410 シート層
20 マーカー層
21 赤色マーカー
22 青色マーカー
30 CCDカメラ
40 筐体
50 白色LED
51 緑色LED
60 演算部
61 判定部
62 決定部
63 移動情報検出部
64 算出部
101 大面積触覚センサ

Claims (8)

  1. 外部から力が加えられる受力層と、
    互いに異なる種類のマーカーをそれぞれ含む複数のマーカー群が内部に設けられた弾性及び透光性を有するマーカー層と、
    前記受力層と前記マーカー層との間に配置されており、前記受力層に力が加えられた場合に、その力が加えられた領域が力の大きさに応じた明るさに変化するシート層と、
    前記マーカー層に対して前記受力層と反対側に配置されており、前記マーカー層内の各マーカー及び前記シート層を撮影する撮影装置と、
    前記撮影装置による撮影結果に基づいて、前記シート層において所定の明るさよりも明るい受力領域を判定する判定手段と、
    前記判定手段において所定の明るさよりも明るい受力領域と判定された領域内にあるマーカーを、前記マーカー層内の各マーカーのなかで前記受力層における力分布を求めるための計算に用いられるマーカーに決定する決定手段と、
    前記撮影装置による撮影結果から得られる前記決定手段で決定されたマーカーの移動情報に基づいて、前記受力層における力分布を算出する算出手段とを備えていることを特徴とする光学式触覚センサ。
  2. 遮光性及び可撓性を有する材料で形成されていると共に、前記マーカー層、前記シート層及び前記撮影装置を収容し且つその一側面が前記受力層となる筐体と、
    前記筐体内において前記マーカー層に対して前記受力層と反対側に配置された第1の光源とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の光学式触覚センサ。
  3. 前記シート層は、
    弾性及び透光性を有する弾性部材と、
    前記弾性部材内に光を供給する第2の光源とを有しており、
    前記弾性部材のマーカー層側の面には凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式触覚センサ。
  4. 前記シート層は、感圧塗料による印刷層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式触覚センサ。
  5. 前記シート層は、弾性及び透光性を有する弾性部材をさらに有しており、
    前記印刷層は、前記弾性部材の前記マーカー層と反対側の面に配置されていると共に、前記弾性部材の前記マーカー層と同じ側の面には凹凸が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光学式触覚センサ。
  6. 前記シート層は、応力発光塗料による印刷層を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式触覚センサ。
  7. 前記シート層は、弾性及び透光性を有する弾性部材をさらに有しており、
    前記印刷層は、前記弾性部材の前記マーカー層と反対側の面に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光学式触覚センサ。
  8. 前記シート層は、弾性及び透光性を有すると共に、感圧塗料または応力発光塗料が混ぜ合わされて製造された弾性部材を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式触覚センサ。
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