JP4706666B2 - 音量制御装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、小音量出力時の出力音量を帯域に応じて制御する音量制御装置及びコンピュータプログラムに関する。
従来より、オーディオ機器あるいはAV(Audio Visual)機器には、音楽CD(コンパクト・ディスク)や映画コンテンツを収めたDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)をユーザが鑑賞する際、比較的小さい音量で再生される場合においても、人の音声などの音を明瞭に聞き取るための機能としてダイナミックレンジ圧縮機能が知られている(下記の特許文献1、2参照)。この方法は、一般に、入力レベルに応じて例えば帯域ごとにレベルを圧縮している。例えば特許文献1によれば、マルチチャンネルからなるオーディオ信号のCチャネルのオーディオ信号と他のL、R、SL、SR、SWチャネルのダイナミックレンジ圧縮が独立に行われ、小音量になったときでもCチャネルのみの出力音量レベルを持ち上げることができるため、人の話し声が明瞭に聴取されることが記載されている。また特許文献2は特定チャネルに帯域分割手段を設け、帯域別に可変利得増幅手段の増幅利得の制御が行われるので、人間の聴感に合わせた音量制御を行えることが記載されている。
さて、人間の聴覚特性として、非常に聞きとりやすい、感度のいい周波数帯がある。もっとも聞きとりやすいのは、2000Hzから4000Hzの子音の音である。また、音圧を一定に保って周波数だけを変えていくと、例えば3000Hzでは大きく聞え、30Hzでは小さく聞える。音の大きさの心理指標を「ラウドネス」というが、もし30Hzの音を、3000Hzの音と同じ「ラウドネス」で聞くためには、音圧を上げなければならない。あるAという音が1sone(ソン)、Bの音が2soneであるとするとき、BはAの2倍の大きさであるという。ラウドネスは音の大きさの感覚を比で表したものである。この現象をあらわしたグラフが「等ラウドネス曲線」あるいは「聴覚の等感曲線」であり(例えば下記の非特許文献1参照)、図9に示す。これは周波数が1000Hzで、音圧レベルが40[dB]のときのラウドネスを1sone、ラウドネスレベルを40phon(ホン)とし、この大きさを一定にしながら周波数を変えていくと、音圧[dB]が変わることを意味している。
ダイナミックレンジ圧縮は入力信号を帯域分割し、あらかじめこの聴覚特性を利用して、感度の低い低域周波数帯のゲインを上げ、セリフやボーカルをより明確に聞こえるように中域周波数帯のゲインを更に上げて対処していることが多い。また、小音量でもセリフが明瞭に聞こえるように、中域の入力レベルがある閾値より低い場合は圧縮率を高くしている場合が多い。
特開2006−42027号公報(要約書) 特開2005−229544号公報(要約書) 「聴覚と音声」、p119、社団法人電子通信学会編、コロナ社、昭和50年8月10日発行
しかしながら、従来の技術では、入力レベルに応じて例えば帯域ごとにレベルを圧縮しており、実際の再生音量によるラウドネスの違いについては考慮していないので、実際に小音量で聞いたときに音声、特に映画でのセリフや音楽のボーカル、BGM付きのドキュメンタリー番組などのナレーションの言葉の明瞭さに欠けるということが課題であった。
また、DVDなどにおいて、そのオーディオコンテンツの製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータが記録されている場合、ユーザが小音量で再生すると、製作者が推奨する帯域バランスの再生音にならないという問題点がある。
そこで本発明は、実際の再生音量に対応した、つまり聴取環境に対応したダイナミックレンジ圧縮をすることで、ユーザが小音量でも更に明瞭度の良いセリフ、ボーカル及びナレーションを聴取することができる音量制御装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また本発明は、オーディオコンテンツの製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータが記録されているDVDなどを再生する場合、ユーザが小音量でもDVDなどのオーディオコンテンツの製作者の意図通りの帯域ごとのラウドネスのバランスを維持したまま再生することができる音量制御装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明の音量制御装置は上記目的を達成するために、
複数のチャネルの各入力オーディオ信号をそれぞれ複数の帯域に分割する帯域分割手段と、
前記帯域分割手段により分割されて得られた各帯域の入力レベルを算出する入力レベル算出手段と、
前記複数の各入力オーディオ信号を加算した全域の信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、出力音のラウドネスをラウドネスチャートとして求めるラウドネス検出手段と、
前記ラウンドネス検出手段により検出されたラウドネスが変化しないように、人の声の帯域のレベルを上げ、それより低域及び高域のレベルを下げて前記ラウドネスチャートのカーブを変更し、前記変更したラウドネスチャートのカーブから、前記各帯域ごとの出力レベルを算出する出力レベル算出手段と、
前記出力レベル算出手段により算出された各帯域の出力レベルをそれぞれ、前記乗算係数及び前記入力レベル算出手段により算出された各帯域の入力レベルで除算して、各帯域のゲインを算出するゲイン算出手段と、
前記ゲイン算出手段により算出された各帯域のゲインをそれぞれ、前記入力オーディオ信号の各帯域の信号に乗算する可変利得増幅手段と、
前記可変利得増幅手段の乗算結果を前記チャネルごとに加算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力する加算手段とを、
有する。
本発明のコンピュータプログラムは上記目的を達成するために、
複数のチャネルの各入力オーディオ信号をそれぞれ複数の帯域に分割する帯域分割ステップと、
前記帯域分割ステップにより分割されて得られた各帯域の入力レベルを算出する入力レベル算出ステップと、
前記複数の各入力オーディオ信号を加算した全域の信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、出力音のラウドネスをラウドネスチャートとして求めるラウドネス検出ステップと、
前記ラウンドネス検出ステップにより検出されたラウドネスが変化しないように、人の声の帯域のレベルを上げ、それより低域及び高域のレベルを下げて前記ラウドネスチャートのカーブを変更し、前記変更したラウドネスチャートのカーブから、前記各帯域ごとの出力レベルを算出する出力レベル算出ステップと、
前記出力レベル算出ステップにより算出された各帯域の出力レベルをそれぞれ、前記乗算係数及び前記入力レベル算出ステップにより算出された各帯域の入力レベルで除算して、各帯域のゲインを算出するゲイン算出ステップと、
前記ゲイン算出手段により算出された各帯域のゲインをそれぞれ、前記入力オーディオ信号の各帯域の信号に乗算する可変利得増幅ステップと、
前記可変利得増幅ステップの乗算結果を前記チャネルごとに加算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力する加算ステップとを、
コンピュータに実行させる。
本発明の音量制御装置は上記目的を達成するために、
複数のチャネルの入力オーディオ信号の製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータを取得する手段と、
前記複数のチャネルの各入力オーディオ信号と前記帯域ごとの再生音圧レベルデータから、前記製作者が推奨する第1のラウドネスを前記帯域ごとに算出する手段と、
前記入力オーディオ信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、ユーザが希望する第2のラウドネスを前記帯域ごとに算出する手段と、
前記第2のラウドネスにおける人の声の帯域のレベルを基準として、前記第2のラウドネスのバランスが前記第1のラウドネスのバランスと同じになるように前記第2のラウドネスを変更し、前記変更した第2のラウドネスから前記入力オーディオ信号の前記帯域ごとのゲインを算出する手段と、
前記算出された帯域の各ゲインをそれぞれ前記入力オーディオ信号の各帯域に乗算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力する手段とを、
有する。
本発明のコンピュータプログラムは上記目的を達成するために、
複数のチャネルの入力オーディオ信号の製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータを取得するステップと、
前記複数のチャネルの各入力オーディオ信号と前記帯域ごとの再生音圧レベルデータから、前記製作者が推奨する第1のラウドネスを前記帯域ごとに算出するステップと、
前記入力オーディオ信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、ユーザが希望する第2のラウドネスを前記帯域ごとに算出するステップと、
前記第2のラウドネスにおける人の声の帯域のレベルを基準として、前記第2のラウドネスのバランスが前記第1のラウドネスのバランスと同じになるように前記第2のラウドネスを変更し、前記変更した第2のラウドネスから前記入力オーディオ信号の前記帯域ごとのゲインを算出するステップと、
前記算出された帯域の各ゲインをそれぞれ前記入力オーディオ信号の各帯域に乗算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力するステップとを、
コンピュータに実行させる。
本発明によれば、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から出力音のラウドネスを求め、求めたラウドネスが変化しないように、人の声の帯域のレベルを上げ、それより低域及び高域のレベルを下げてラウドネスチャートのカーブを変更し、変更したラウドネスチャートのカーブから各帯域ごとの出力レベルを算出し、各帯域の出力レベルから各帯域のゲインを算出するので、ユーザが小音量でも更に明瞭度の良いセリフ、ボーカル及びナレーションを聴取することができる。
また、オーディオコンテンツの製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータが記録されているDVDなどを再生する場合、製作者が推奨する第1のラウドネスを帯域ごとに算出し、ユーザが希望する第2のラウドネスにおける人の声の帯域のレベルを基準として、第2のラウドネスのバランスが第1のラウドネスのバランスと同じになるように第2のラウドネスを変更し、変更した第2のラウドネスから帯域ごとのゲインを算出するので、ユーザが小音量でもDVDなどのオーディオコンテンツの製作者の意図通りの帯域ごとのラウドネスのバランスを維持したまま再生することができる。
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る音量制御装置の第1の実施の形態を示すブロック図であり、本装置は、2チャンネルLin、Rin用のオーディオアンプなどに組み込まれている。図1において、1は帯域分割器、2は入力レベル算出器、3はラウドネス検出器、4は帯域別レベル算出器、5はゲイン算出器、6が可変利得増幅器、7a、7b、7cは加算器である。本実施の形態の場合、説明を簡単にするため、オーディオアンプの再生ボリュームに当たる増幅部(不図示)については一般的な乗算器として考える。
構成及び動作について説明する。L、Rの入力信号Lin、Rinは共通に、帯域分割器1を構成するLPF1L、BPF1M、HPF1Hにそれぞれ入力され、LPF1L、BPF1M、HPF1Hによりそれぞれ低域L、中域M、高域Hの各帯域ごとに分割される。LPF1L、BPF1M、HPF1Hによりそれぞれ分割された各帯域L、M、Hの信号は、入力レベル算出器2を構成する低域用入力レベル算出器2L、中域用入力レベル算出器2M、高域用入力レベル算出器2Hへ入力され、帯域L、M、H別の入力レベルIN(L)、IN(M)、IN(H)が算出される。この帯域L、M、H別の入力レベルIN(L)、IN(M)、IN(H)はそれぞれ、ゲイン算出器5を構成する低域用ゲイン算出器5L、中域用ゲイン算出器5M、高域用ゲイン算出器5Hに印加される。
一方、加算器7aによってL、R信号が加算された全域信号(Lall+Rall)は、ラウドネス検出器3に印加されて、オーディオアンプの再生ボリュームレベルデータである乗算器の乗算係数αと乗算され、ユーザの所望の再生音量として、ISO 532Bにのっとって乗算結果=α×(Lall+Rall)のラウドネスSが検出される。ここで、図2はある入力信号のラウドネスカーブを示す。ラウドネスSとは、音の大きさの指標(単位:SONE)であって、図2に示すラウドネスカーブを使ってオーディオ信号の1/3オクターブバンドごとのレベル[Phon]を線でなぞっていき、その線から下の面積の平均を出し、対応するSONE値で決まるものである。あるいは、簡略化した計算式
S[SONE]=帯域nごとのラウドネスSnの最大値Smax+0.3×(Σその他の帯域のラウドネス)でも求めることができる。ただし、ISO 532Bは定常音を対象にしたものであるので、音楽などの変動音に適用するために各臨界帯域内の変動をエネルギー平均値で代表させる。
次に、出力レベル算出器4を構成する帯域L、M、H別の低域用出力レベル算出器4L、中域用出力レベル算出器4M、高域用出力レベル算出器4Hは、そのラウドネスSの値を維持したまま、図示しないメモリなどに記憶されているラウドネスチャート(ラウドネス計算対応表)上で人の声の帯域である中域Mのレベル[Phon]を上げ、低域L、高域Hのレベル[Phon]を下げる。これはすなわち、同じ面積となるよう中域Mが盛り上がるようなカーブに変更するということである。例えば入力信号のラウドネスチャートが図2であれば、図3のように変更できる。図3におけるハッチングは図2に示すレベル[Phon]を上げ下げした部分を示し、一例として低域Lとして90Hz〜200弱Hzを下げ、中域Mとして500Hz〜1.4kHzを上げ、高域Hとして2.8kHz〜3.55強kHzを下げて、45Hz〜4.5kHzの帯域でほぼフラットになるようにラウドネスチャートを変更している。
帯域別の出力レベル算出器4L、4M、4Hはそれぞれ、変更後の1/3オクターブごとの出力レベル[Phon]を、帯域L、M、H別の出力レベルOUT(L)、OUT(M)、OUT(H)(いずれも[Phon])に算出し直して、それぞれをゲイン算出器5を構成する低域用ゲイン算出器5L、中域用ゲイン算出器5M、高域用ゲイン算出器5Mへ送る。ゲイン算出器5L、5M、5Mはそれぞれ、出力レベルOUT(L)、OUT(M)、OUT(H)を、前述したオーディアンプの再生ボリュームレベルデータαで除算し、さらに入力レベルIN(L)、IN(M)、IN(H)で除算することにより、ゲインG(L)、G(M)、G(H)を算出する。
G(L)=OUT(L)/α×IN(L)
G(M)=OUT(M)/α×IN(M)
G(H)=OUT(H)/α×IN(H)
そして可変利得器6を構成する低域用可変利得器6L、中域用可変利得器6M、高域用可変利得器6Hはそれぞれ、各帯域ごとに算出されたゲイン係数G(L)、G(M)、G(H)を入力信号Lin、Rinに乗算する。
低域用可変利得器6L:G(L)×Lin
G(L)×Rin
中域用可変利得器6M:G(M)×Lin
G(M)×Rin
高域用可変利得器6H:G(H)×Lin
G(H)×Rin
次いで、加算器2はLch成分を、加算器3はRch成分を加算して、
Lout=(G(L)+G(M)+G(H))×Lin
Rout=(G(L)+G(M)+G(H))×Rin
として、不図示の再生ボリュームに出力する。
なお、本実施の形態のラウドネス検出器3ではISO 532Bにのっとった算出方法を行ったが、次のような簡便な方法もある。例えばラウドネス検出器3は、全域信号の周波数特性グラフを得、その周波数特性カーブの下側の面積を、周波数軸を下辺とした長方形に変形し、その高さを簡易的にラウドネスSとしても良い。そして帯域別の出力レベル算出器4は、その長方形の面積を変えずに、セリフの帯域である中域Mを盛り上げ、低域L、高域Hを下げるカーブに変更し、各帯域のレベル[Phon]に算出し直す。以降の方法は先と同じである。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、コンピュータにこの音量制御方法プログラムを記憶し、実行する。この場合の動作について図4の動作全体のフローチャート、図5のラウドネス算出のフローチャートを用いて説明する。まず、Lch及びRchの入力信号Lin、Rinは加算された後に、低域L、中域M、高域Hに帯域分割される(ステップS1)。次に各帯域L、M、Hごとの入力レベルIN(L)、IN(M)、IN(H)を算出する(ステップS2)、一方、全周波数域の入力信号L、Rが加算(Lall+Rall)されて(ステップS3)、オーディオアンプの再生ボリュームレベルに対応する乗算係数αを加算信号(Lall+Rall)に乗算し、乗算結果=α×(Lall+Rall)からラウンドネスS[SONE]を算出する(ステップS4)。
ここでラウドネスSの算出について図5を用いて説明する。まず、Lall+Rall信号を1/3オクターブ帯域ごとに帯域分割する(ステップS41)。次いで1/3オクターブ帯域ごとの音圧レベルLn[Phon](n=0〜N、nは帯域番号)を算出する(ステップS42)。このとき、音楽信号は変動しているのでエネルギー平均レベルとする。1/3オクターブ帯域ごとの音圧レベルLn[Phon]に対応する帯域ごとのラウドネスSn[SONE]をラウドネスチャートから選択する(ステップS43)。次にラウドネスSnの最大値Smax(max=最大値を取るn)を検出し(ステップS44)、以下のように、ラウドネスSを算出する(ステップS45)。
S=Smax+0.3×ΣSn
ただし、Σはi=0〜Nで、i=maxは除く
図4に戻り、引き続き説明する。ラウドネスS[SONE]を算出したら、S=一定とし、例えば中域MのラウドネスカーブS(M)を最大値Smax中心の値に設定し、低域L及び高域HのラウドネスカーブS(L)、S(H)を下げることで、音の大きさは変わらないが低中高域のバランスが中域上がりな特性となる新しいラウドネスカーブS’n[SONE]を設定する。次いで、新しいラウドネスカーブS’nに対応する音圧レベル[Phon]を再びラウドネスチャートにより選び、帯域L、M、H別の出力レベル[Phon]を求める(ステップS5)。次に帯域L、M、H別の出力レベルから音圧OUT(L)、OUT(M)、OUT(H)になおし、それぞれの音圧OUT(L)、OUT(M)、OUT(H)をアンプの乗算係数α及び帯域別入力音圧IN(L)、IN(M)、IN(H)で除算し、帯域L、M、H別のゲイン係数G(L)、G(M)、G(H)を求める(ステップS6)。次いで、入力信号Lin、Rinの各帯域L、M、Hにゲイン係数G(L)、G(M)、G(H)を乗算し(ステップS7)、帯域信号をLch同士、Rch同士加算して、Lout、Routとして不図示の再生ボリュームに出力する(ステップS8)。この方法によれば、再生音量レベルに応じた再生音の大きさを変えずに、セリフをはっきり明瞭に再生してユーザに聞かせることができる。
<第3の実施の形態>
次に第3の実施の形態について説明する。図6は第3の実施の形態として、マルチチャンネル用の音量制御装置10を示し、入力信号はDVD(不図示)から読み出されたマルチチャンネル信号であり、また、このDVDには、DVD製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータが記録されている。ここで、前述した図9に示すとおり、従来では、周波数ごとに同じ音の大きさを得ようとしたとき、低域Lは中域Mより大きなレベルで、高域Hは中域Mより小さなレベルで出力しなければならない。したがって、再生音量が小さくなると、セリフ一つをとってみても、低域Lが物足りなく、高域Hが強い声質になってしまう。これではDVDなどの製作者の音楽的な意図というものが伝わらない。そこで、第3の実施の形態では、どのような再生音量時でもDVDなどの音声、特にセリフがDVD製作者の意図を汲んだ周波数バランスであるようにするものである。
図6において、11は推奨音圧レベルデータ記憶部、12は推奨ラウドネス算出器、13はユーザラウドネス算出器、14はゲイン算出器、15は乗算器である。20は出力先のAVアンプである。構成及び動作を図6及び図7を用いて説明する。DVDから再生されたマルチチャンネル信号は推奨ラウドネス算出器12に入力され、推奨ラウドネス算出器12は、マルチチャンネル信号と、DVDからあらかじめ読み出されて推奨音圧レベルデータ記憶部11に記憶されている「DVD製作者などが推奨したい再生音圧レベルデータ」(またはDVD製作者が普段、音声のミックスダウンをする際の再生音圧レベルデータ)を参照して、1/3オクターブ帯域ごとに推奨ラウドネスS1を算出する(ステップS101)。
これは具体的には、推奨再生音圧レベルデータが100dBであるなら、マルチチャンネル信号の全chの加算信号の再生レベルが100dBとなるように入力信号を逓倍し、推奨ラウドネスS1を求める。すなわち、推奨ラウドネスS1とは図8に示すように、DVD製作者が推奨する帯域ごとの大きさのバランスを比で表したものである。一方、再生しているアンプのボリュームレベルから乗算係数αがわかるので、ユーザラウドネス算出器13はアンプの乗算係数αとマルチチャンネル信号から再生レベル求め、ユーザの所望のラウドネス(ユーザラウドネスS2)を算出する(ステップS102)。ゲイン算出器14は、ユーザラウドネスS2におけるセリフの帯域すなわち約100Hzから約3000Hzを基準として、ユーザラウドネスS2のバランスが推奨ラウドネスS1のバランスと同じになるようにユーザラウドネスS2を変更し、変更したユーザラウドネスからゲインGを算出する(ステップS103)。そして乗算器15は入力信号にゲイン係数を乗算して(ステップS104)、AVアンプ20へ信号を送る(ステップS105)。
ここで図8を用いてゲイン算出器14の動作を説明する。ここでは説明を簡単にするため、1/1オクターブ帯域ごとのラウドネスを用いて説明するが1/3オクターブ帯域でも同じ要領である。例えば推奨ラウドネスS1とユーザラウドネスS2が図8であった場合、ユーザラウドネスS2を変更したユーザラウドネス(理想ラウドネスS3)は、推奨ラウドネスS1の帯域(63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz)ごとのバランスを維持したほうが望ましい。そこで、セリフの帯域として例えば500Hzを中心に考えた場合、この例ではユーザラウドネスS2は推奨ラウドネスS1の1/3であるので、理想ラウドネスS3は各帯域において推奨ラウドネスS1の1/3の値にする。したがって、ゲイン算出器14は、入力音圧レベルを理想ラウドネスS3となる音圧レベルにするための係数を算出することになる。このように、再生音量を入力情報としてDVD製作者の意図通りの特性で聞くことができるので、小音量でも明瞭度のよい豊かな音質で楽しむことができる。
本発明の第1の実施の形態として音量制御装置を示すブロック図である。 入力信号のラウドネス特性の一例を示す図である。 ラウドネスを維持したまま、図2のラウドネス特性を変更したラウドネス特性を示す図である。 本発明の第2の実施の形態として音量制御コンピュータプログラムを示すフローチャートである。 図4のラウドネス算出ステップを詳しく示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態として音量制御装置を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態として音量制御コンピュータプログラムを示すフローチャートである。 第4の実施の形態におけるゲイン算出を示す説明図である。 基準等感曲線と基準最小可聴値を示す説明図である。
符号の説明
1 帯域分割器
1L LPF
1M BPF
1H HPF
2、2L、2M、2H 入力レベル算出器
3、3L、3M、3H ラウドネス検出器
4、4L、4M、4H 出力レベル算出・変更器
5、5L、5M、5H ゲイン算出器
6L、6M、6H 可変利得器
7a、7b、7c 加算器
11 推奨音圧レベルデータ記憶部
12 推奨ラウドネス算出器
13 ユーザラウドネス算出器
14 ゲイン算出器
15 乗算器
20 AVアンプ

Claims (4)

  1. 複数のチャネルの各入力オーディオ信号をそれぞれ複数の帯域に分割する帯域分割手段と、
    前記帯域分割手段により分割されて得られた各帯域の入力レベルを算出する入力レベル算出手段と、
    前記複数の各入力オーディオ信号を加算した全域の信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、出力音のラウドネスをラウドネスチャートとして求めるラウドネス検出手段と、
    前記ラウンドネス検出手段により検出されたラウドネスが変化しないように、人の声の帯域のレベルを上げ、それより低域及び高域のレベルを下げて前記ラウドネスチャートのカーブを変更し、前記変更したラウドネスチャートのカーブから、前記各帯域ごとの出力レベルを算出する出力レベル算出手段と、
    前記出力レベル算出手段により算出された各帯域の出力レベルをそれぞれ、前記乗算係数及び前記入力レベル算出手段により算出された各帯域の入力レベルで除算して、各帯域のゲインを算出するゲイン算出手段と、
    前記ゲイン算出手段により算出された各帯域のゲインをそれぞれ、前記入力オーディオ信号の各帯域の信号に乗算する可変利得増幅手段と、
    前記可変利得増幅手段の乗算結果を前記チャネルごとに加算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力する加算手段とを、
    有する音量制御装置。
  2. 複数のチャネルの各入力オーディオ信号をそれぞれ複数の帯域に分割する帯域分割ステップと、
    前記帯域分割ステップにより分割されて得られた各帯域の入力レベルを算出する入力レベル算出ステップと、
    前記複数の各入力オーディオ信号を加算した全域の信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、出力音のラウドネスをラウドネスチャートとして求めるラウドネス検出ステップと、
    前記ラウンドネス検出ステップにより検出されたラウドネスが変化しないように、人の声の帯域のレベルを上げ、それより低域及び高域のレベルを下げて前記ラウドネスチャートのカーブを変更し、前記変更したラウドネスチャートのカーブから、前記各帯域ごとの出力レベルを算出する出力レベル算出ステップと、
    前記出力レベル算出ステップにより算出された各帯域の出力レベルをそれぞれ、前記乗算係数及び前記入力レベル算出ステップにより算出された各帯域の入力レベルで除算して、各帯域のゲインを算出するゲイン算出ステップと、
    前記ゲイン算出手段により算出された各帯域のゲインをそれぞれ、前記入力オーディオ信号の各帯域の信号に乗算する可変利得増幅ステップと、
    前記可変利得増幅ステップの乗算結果を前記チャネルごとに加算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力する加算ステップとを、
    コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
  3. 複数のチャネルの入力オーディオ信号の製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータを取得する手段と、
    前記複数のチャネルの各入力オーディオ信号と前記帯域ごとの再生音圧レベルデータから、前記製作者が推奨する第1のラウドネスを前記帯域ごとに算出する手段と、
    前記入力オーディオ信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、ユーザが希望する第2のラウドネスを前記帯域ごとに算出する手段と、
    前記第2のラウドネスにおける人の声の帯域のレベルを基準として、前記第2のラウドネスのバランスが前記第1のラウドネスのバランスと同じになるように前記第2のラウドネスを変更し、前記変更した第2のラウドネスから前記入力オーディオ信号の前記帯域ごとのゲインを算出する手段と、
    前記算出された帯域の各ゲインをそれぞれ前記入力オーディオ信号の各帯域に乗算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力する手段とを、
    有する音量制御装置。
  4. 複数のチャネルの入力オーディオ信号の製作者が推奨する帯域ごとの再生音圧レベルデータを取得するステップと、
    前記複数のチャネルの各入力オーディオ信号と前記帯域ごとの再生音圧レベルデータから、前記製作者が推奨する第1のラウドネスを前記帯域ごとに算出するステップと、
    前記入力オーディオ信号と、再生ボリュームを構成する乗算器の乗算係数から、ユーザが希望する第2のラウドネスを前記帯域ごとに算出するステップと、
    前記第2のラウドネスにおける人の声の帯域のレベルを基準として、前記第2のラウドネスのバランスが前記第1のラウドネスのバランスと同じになるように前記第2のラウドネスを変更し、前記変更した第2のラウドネスから前記入力オーディオ信号の前記帯域ごとのゲインを算出するステップと、
    前記算出された帯域の各ゲインをそれぞれ前記入力オーディオ信号の各帯域に乗算して、前記再生ボリュームを構成する乗算器に出力するステップとを、
    コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
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