JP4703247B2 - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料、化粧品、トナーなどに配合して使用される樹脂粒子を製造する方法に関する。
従来、樹脂粒子を製造する方法として、水溶性材料と熱可塑性樹脂とを加熱混練することにより、熱可塑性樹脂からなる微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物を調製した後、水溶性材料を溶解除去して樹脂粒子を回収する方法が行われている。上記方法において、水溶性材料を溶解除去する工程は、樹脂組成物を水に分散させる方法が採用されていた。しかしこの方法では、樹脂組成物を分散させる分散媒として多量の水を使用するため、回収した樹脂粒子から水分を除去して乾燥する工程に長時間を要してしまう。また、原料の熱可塑性樹脂中に含まれる未反応モノマーやオリゴマー、さらに熱可塑性樹脂が溶融混練時の熱により加水分解して生成される部分分解物などの不純物が残存してしまい、最終製品として得られる樹脂粒子の純度が低く品質に劣りやすいという問題があった。
特開昭60−13818号公報には、熱可塑性樹脂及び無機充填剤を媒体に分散させた後、水又は低沸点液状有機化合物を用いて媒体を溶解除去する方法が開示されている。上記文献には、媒体として低融点ポリマー、液状ポリマーなどの熱可塑性ポリマーや高粘度低分子化合物を用いることが記載されているが、熱可塑性ポリマーの種類によっては溶解に長時間を要する場合があった。また、上記方法によれば球形の微粒子が得られるものの、該微粒子の純度が低く、用途が限られるという問題があった。
特開昭60−13818号公報
本発明の目的は、不純物の少ない高品質の樹脂粒子を効率よく得ることができる樹脂粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物を、特定の組成であって所定の温度以上である溶媒に分散させることにより、水溶性材料を速やかに溶解でき、且つ樹脂微粒子に含まれる未反応モノマーやオリゴマーなどの不純物が水溶性材料と共に溶媒中に溶解除去することができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物から水溶性材料を除去して樹脂粒子を得る樹脂粒子の製造方法において、前記樹脂組成物を水及び有機溶媒からなる50℃以上の混合溶媒で洗浄して水溶性材料を除去する工程を含むことを特徴とする樹脂粒子の製造方法を提供する(以下、「樹脂粒子の製造方法1」と称する場合がある)。前記混合溶媒として、水と有機溶媒との比率(前者/後者)が99/1〜10/90(容量比)の範囲内にある混合溶媒を用いることができる。
本発明は、また、樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物から水溶性材料を除去して樹脂粒子を得る樹脂粒子の製造方法において、前記樹脂組成物を水及び有機溶媒からなる混合溶媒で洗浄して水溶性材料を除去する工程を含み、該工程において、水と有機溶媒との比率を段階的又は連続的に低下させて洗浄を行うことを特徴とする樹脂粒子の製造方法を提供する(以下、「樹脂粒子の製造方法2」と称する場合がある)。前記工程において、混合溶媒における水と有機溶媒との比率(前者/後者)が40/60以上から40/60未満に段階的又は連続的に低下させて洗浄を行ってもよい。
上記本発明の方法において、樹脂としては熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、また、有機溶媒としてはアルコールが好ましく、特にメタノール又はエタノールが好適である。
本発明の方法によれば、樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物から水溶性材料を除去する際に、該樹脂組成物に含まれる不純物をも除去するため、樹脂組成物を効率よく洗浄することができる。このため、不純物の少ない品質に優れた樹脂粒子を効率よく得ることができる。
本発明における樹脂組成物は、樹脂微粒子と水溶性材料とで構成されている。樹脂微粒子を構成する樹脂としては、非水溶性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。なかでも熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド系樹脂(ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド612、ポリアミド610、ポリアミド910、ポリアミド912、ポリアミド1212、ポリアミド1012、ポリアミド1010、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6T、ポリアミド9等)、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ(チオ)エーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の重縮合系樹脂;ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−アクリル酸系重合体等)、ビニル系樹脂等のビニル重合系樹脂;セルロース誘導体などの天然物由来樹脂などが挙げられる。これらの非水溶性の熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記の中でも、ポリアミド系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂が好ましく、特にポリアミド系樹脂が好ましく用いられる。
樹脂微粒子の形状は、粒状であれば特に限定されず、真球状、楕球状などの球状、円柱状、角柱状などの何れであってもよい。粒子の大きさは、分散性を損なわない範囲で用途に応じて選択でき、直径又は長径が例えば0.01〜300μm(好ましくは0.1〜100μm)程度である。
樹脂微粒子は、上記に例示する樹脂以外に、例えば、重合性モノマー(残存モノマー)、架橋剤、界面活性剤、乳化剤、フィラー、可塑剤、軟化剤、滑剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等)、増粘剤、着色剤(酸化チタン、カーボンブラック、顔料等)、金属粉、分散剤、難燃剤、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
水溶性材料としては、樹脂微粒子と非相溶であれば特に限定されず、公知のものを使用できる。樹脂微粒子が非水溶性の熱可塑性樹脂で構成されている場合には、前記非水溶性の熱可塑性樹脂が溶融又は軟化する温度(例えば100〜300℃)で溶融又は軟化し混練が可能である水溶性材料が好ましく用いられる。このような水溶性材料として、例えば、単糖類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコール、ポリデキストロース、マルトデキストリン、イヌリンなどの糖類、及び前記糖類の水素化物や加水分解物などが挙げられる。前記糖類の水素化物や加水分解物には、例えば、水素化ヘキソース、水素化二糖類、水添デンプン、転化糖、水添及び非水添デンプン加水分解物などが含まれる。
オリゴ糖とは、単糖類が2〜10分子脱水縮合によりグリコシド結合したホモオリゴ糖;2種以上の単糖類及び/又は糖アルコールが2〜10分子脱水縮合によりグリコシド結合したヘテロオリゴ糖などが該当する。オリゴ糖の代表的な例としては、例えば、トレハロース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース、マルチトール、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクチトール、スクロース、1,6−GPS(6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール)、1,1−GPS(1−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール)、1,1−GPM(1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール)等の二糖類;セロトリオース、ゲンチアノース、マルトトリオース、ラフィノース等の三糖類;リコテトラオース、マルトテトラオース、還元型マルトテトラオース、スタキオース等の四糖類;マルトペントース、ベルバスコース等の五糖類;マルトヘキソース等の六糖類などに加え、マルトデキストリン等の三〜五糖類;デキストリン、シクロデキストリン等の七〜八糖類などが挙げられる。
単糖類としては、例えば、キシロース、リブロース、グルコース、マンノース、ガラクトースなどが挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール等の炭素数4以上の糖アルコールが挙げられる。多糖類とは、同種又は2種以上の単糖類及び/又は糖アルコールが11分子以上脱水縮合によりグリコシド結合した糖であって、例えば、イヌリン、アクロデキストロース、ポリデキストロース、アミロース、アミロペクチン、デンプン、セルロースなどが挙げられる。これらの水溶性材料は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。上記の中でも、ホモオリゴ糖、ヘテロオリゴ糖などのオリゴ糖が好ましく、特に、溶融温度と溶融粘度のバランスに優れる点で、単糖類及び/又は糖アルコールが2〜6分子脱水縮合したホモオリゴ糖及びヘテロオリゴ糖が好ましく用いられる。
水溶性材料としてマルチトール、マルトテトラオース等のオリゴ糖を用いる場合、水溶性可塑化成分を併用することにより、水溶性材料の粘度を調整でき、且つ樹脂粒子としたときの粒径を調整できるという利点がある。前記水溶性可塑化成分としては、オリゴ糖以外の糖類、例えば、単糖類や糖アルコールなどが用いられる。なかでも、ソルビトールなどの炭素数4以上の糖アルコールが好ましく用いられる。
本発明における樹脂組成物は、上記樹脂からなる樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散した形態を有している。このような樹脂組成物は、公知の方法で調製でき、例えば、予め粒状に成形した樹脂(樹脂粒子)を水溶性材料に分散する方法や、非水溶性の熱可塑性樹脂と水溶性材料とを溶融混練して押し出す方法等の方法等で調製することができる。本発明では特に後者の方法で調製された樹脂組成物が好ましく用いられる。
好ましい樹脂組成物は、例えば、非水溶性の熱可塑性樹脂、水溶性材料、及び必要に応じて添加剤を溶融混練することにより、大きさがほぼ均一の球状(例えば真球状)の非水溶性熱可塑性樹脂からなる微粒子の分散体を形成した後により押し出す方法により調製することができる。より詳細には、例えば、非水溶性熱可塑性樹脂、水溶性材料、及び必要に応じてその他の添加剤を溶融混合することにより、大きさがほぼ均一の球状(例えば真球状)の非水溶性熱可塑性樹脂からなる微粒子の分散体が形成される。溶融混合及び押出しは、一般的な混練機、押出機(一軸押出機、二軸押出機、回転ギア式押出機等)などを用いて行うことができる。
押出し温度は、水溶性材料及び熱可塑性樹脂の種類や量に応じて適宜選択され、例えば100〜300℃、好ましくは110〜250℃程度である。押出し時の樹脂組成物の粘度としては、例えば、キャピログラフで測定した押出し温度での溶融粘度が1〜10000Pa・sの範囲が好ましい。前記溶融粘度は、水溶性材料中に分散した非水溶性熱可塑性樹脂が形成する微粒子の粒径を制御する点で重要であり、樹脂組成物を構成する材料の種類及び使用量を適宜選択することにより調整できる。押し出される樹脂組成物の形状は、ストランド状、シート状等の何れであってもよい。
上記方法により、熱可塑性樹脂からなる微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物を得ることができる。前記樹脂組成物は、必要に応じて、溶融、延伸、圧縮等の慣用の成形・加工手段を施してもよい。
本発明は、上記構成からなる樹脂組成物から水溶性材料を除去することにより樹脂粒子を製造する方法である。前記水溶性材料の除去は、例えば、樹脂組成物の洗浄工程、すなわち、樹脂組成物を溶媒中に分散することにより水溶性材料を液相に溶解させ、固相の樹脂微粒子を回収する工程により実施される。
前記分散は、撹拌器、超音波発生装置等の慣用の混合・撹拌手段を用いて行うことができる。なかでも、超音波発生装置によれば、分散効率を向上させ、時間を短縮することができる。
本発明の樹脂粒子の製造方法1の特徴は、上記構成からなる樹脂組成物を水及び有機溶媒からなる50℃以上の混合溶媒で洗浄して水溶性材料を除去する工程を含んでいることにある。樹脂組成物を混合溶媒に分散した樹脂組成物の分散液において、水溶性材料は、混合溶媒を構成する水に溶解して液相に移行することにより固相から除去されるため、樹脂微粒子と分離することができる。一方、前記混合溶媒を構成する有機溶媒により、樹脂組成物に含まれる不純物が液相に移行し(抽出されて)、固相としての樹脂粒子から不純物を効率よく除去することができる。前記不純物としては、例えば、樹脂(又は樹脂微粒子)に含まれる未反応モノマーやオリゴマー、溶融混練時の熱により熱可塑性樹脂が部分的に加水分解を受けて生じた分解物などが挙げられる。
また、分散媒として水以外に有機溶媒を含む混合溶媒を用いることにより、水の使用量を低減できるため、樹脂組成物を分散させた分散液から回収した樹脂粒子を速やかに乾燥することができる。このため、樹脂粒子の製造の生産性を向上することができる。さらに、混合溶媒を用いた洗浄後の洗液に含まれる水溶性材料をリサイクル利用する際に、水溶性材料の回収エネルギーを低減できる点で有利である。
前記有機溶媒としては、樹脂の種類に応じて適宜選択して使用でき、例えば、メタノール、エタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどのアルコール類、ギ酸、酢酸などのカルボン酸類、アセトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジオキサンなどのエーテル類などの水溶性溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エステルなどのエステル類等の疎水性溶媒が挙げられる。好ましくは水溶性溶媒、より好ましくはアルコール類、特にメタノール及びエタノール等が好適である。
前記混合溶媒を構成する水と有機溶媒との比率は、例えば、前者/後者(容量比)=99/1〜1/99、好ましくは99/1〜10/90の範囲から適宜選択して使用できる。前記工程における洗浄処理は、生産性及び目的とする製品純度に応じて、1回のみであってもよく、2回以上繰り返し行ってもよい。洗浄処理を複数回行う場合には、各回に用いる混合溶媒の水と有機溶媒の比率は同じであってもよく、異なってもよい。上記製造方法1における洗浄工程の具体例としては、例えば、水と有機溶媒との比率が80/20である混合溶媒で樹脂組成物を洗浄した後、回収した固相を初回と同じ又は異なる組成の混合溶媒で再度洗浄する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子の製造方法1によれば、洗浄に用いる混合溶媒の温度が50℃以上であるため、水溶性材料や不純物が混合溶媒へ溶解する際の溶解速度を上げて、樹脂粒子の洗浄を効率よく行うことができる。特に本発明では、混合溶媒に用いる有機溶媒は常温(25℃)で液体であり、水溶性材料は常温で固体であるものが用いられる場合が多い。このため、上記温度を有する混合溶媒を用いた場合には、水溶性材料の溶解をより促進することができる。混合溶媒の温度は、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃である。
本発明の樹脂粒子の製造方法2の特徴は、前記樹脂組成物を水及び有機溶媒からなる混合溶媒で洗浄して水溶性材料を除去する工程を含み、該工程において、水と有機溶媒との比率(前者/後者)を段階的又は連続的に低下させて洗浄を行うことにある。この方法によれば、水と有機溶媒との混合溶媒を用いるため、樹脂組成物を構成する水溶性材料を水中に溶解して除去することができる一方、有機溶媒が抽出溶媒となって、樹脂組成物に含まれる不純物を溶媒中に溶解することができる。この際、混合溶媒における水と有機溶媒を段階的又は連続的に低下させるため、溶解に適する溶媒の組成が異なる種々の不純物を溶媒中に効率よく溶出、除去することができ、不純物の量が極めて少ない樹脂粒子を簡易な方法で得ることができる。
前記工程において、「水と有機溶媒との比率を段階的又は連続的に低下させて洗浄を行う」とは、少なくとも2種以上の混合溶媒を用いて2回以上洗浄を行うものであって、各回に用いられる混合溶媒の組み合わせが上記条件を満たす組成の混合溶媒である意味であって、より詳細には、水の比率が高い混合溶媒を用いて樹脂組成物の洗浄を行った後に、水の比率がより低い混合溶媒を用いて洗浄を行う意味である。なお、前記工程における洗浄処理は、少なくとも2回行われればよく、生産性及び目的とする製品純度に応じて適宜繰り返し行ってもよい。
本発明の樹脂粒子の製造方法2の好ましい態様としては、混合溶媒における水と有機溶媒との比率(前者/後者)が40/60以上から40/60未満に段階的又は連続的に低下させて洗浄を行う方法が挙げられる。このような洗浄方法の具体例としては、2種の混合溶媒を用いて2回洗浄を行う場合には、例えば、1回目に水と有機溶媒の比率が60/40である混合溶媒を用い、2回目に前記比率が10/90である混合溶媒を用いて樹脂組成物の洗浄を行う方法等が挙げられる。上記条件下で洗浄を行うことにより、樹脂組成物に含まれる不純物のうち、水と有機溶媒の比率が比較的高い混合溶媒に溶解しやすい不純物と、前記比率が比較的低い(有機溶媒の比率が高い)混合溶媒に溶解しやすい不純物とのいずれ溶解することができるため、不純物の量が極めて少ない樹脂粒子を得ることができる。
本発明の樹脂粒子の製造方法2の他の好ましい態様としては、最初に水で洗浄した後、水と有機溶媒との比率(前者/後者)を段階的又は連続的に低下させて洗浄を行う方法が挙げられる。このような洗浄工程の具体例としては、例えば、洗浄に用いる溶媒として、1回目に水のみを用い、2回目に水と有機溶媒の比率が60/40である混合溶媒を用い、2回目に前記比率が10/90である混合溶媒を用いて樹脂組成物の洗浄を行う方法等が挙げられる。この方法によれば、洗浄工程の初期に水溶性材料を水に溶解することができるため、樹脂組成物から水溶性材料をより確実に且つ効率よく除去することができる。
前記製造方法2は、また、洗浄に用いる混合溶媒として、例えば50℃以上、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上の混合溶媒を用いることができる。このような混合溶媒を用いることにより、上記製造方法1に述べた効果、すなわち、水溶性材料や不純物が混合溶媒へ溶解する際の溶解速度を促進する効果等を得ることができる。
上記洗浄工程を経て回収された樹脂微粒子を乾燥することにより樹脂粒子の製品を得ることができる。最終的に得られる樹脂粒子の大きさは、特に限定されず、樹脂粒子の用途に応じて適宜選択できるが、例えば0.01〜100μm、好ましくは0.5〜80μm程度である。この微粒子の大きさは、例えば、水溶性材料及び非水溶性熱可塑性樹脂の種類、使用量(使用比率)、押出し機の構造、押出し条件等を調整することによりコントロールできる。
本発明の方法により得られる樹脂粒子は、樹脂粒子中に含まれる不純物の量が、樹脂粒子全体に対して例えば1重量%以下(0.00001〜1重量%)、好ましくは0.001〜0.5重量%程度である。前記不純物の量が1重量%以上では、製品樹脂粒子の用途が極めて限定され、例えば高い品質が要求される化粧品材料等としては利用されにくい。本発明における不純物は、水溶性不純物と非水溶性不純物とで構成され、各不純物は下記の方法により定量することができる。すなわち、水溶性不純物の定量には、樹脂粒子を70℃の蒸留水に分散させ、超音波で30分間処理した後、樹脂粒子を濾別して回収した濾過液中のTOC(総有機炭素量)を定量する方法が、また、非水溶性不純物(モノマー等)の定量には、樹脂粒子を60℃のメタノール中に分散させて3日間かけて抽出処理を施した後、抽出液の液体クロマトグラフィーにより定量する方法が、それぞれ用いられる。
本発明の方法により得られる樹脂粒子は、例えば、化粧品材料(スクラブ剤等)、充填剤、シートやフィルム等の樹脂膜に配合する光学特性付与剤、各種添加剤等として利用できる。特に本発明の方法により得られる樹脂粒子は、不純物が少なく優れた品質を有するため、化粧品材料として好適に利用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、樹脂粒子中に含まれる水溶性不純物と非水溶性不純物の量は、各不純物を次の方法で定量した値を樹脂粒子全体に対する割合(重量%)に換算した値を示している。ここで、水溶性不純物の定量には、樹脂粒子を70℃の蒸留水に分散させ、超音波で30分間処理した後、樹脂粒子を濾別して回収した濾過液中のTOC(総有機炭素量)を定量する方法を、非水溶性不純物の定量には、樹脂粒子を60℃のメタノール中に分散させて3日間かけて抽出処理を施した後、抽出液の液体クロマトグラフィーにより定量する方法を用いた。
実施例1
ポリアミド(商品名「ダイアミドL1600」、ダイセル・デグサ(株)製)35重量部とマルトテトラオース(商品名「450P」、東和化成工業製)100重量部とを、200℃に設定した二軸押出し機を用いて溶融混合し、ストランド状(約4mm径)に押出して樹脂組成物を得た。
得られたストランド状樹脂組成物100重量部を、60℃に保持した水/メタノール(容量比)が80/20の混合溶媒2000重量部に均一に分散させた後、濾紙で濾過を行った。得られた濾過物23重量部を、再び60℃に保持した水/メタノール(容量比)が80/20の混合溶媒2000重量部に均一に分散させ、濾紙で濾過する操作を2回繰り返した後、回収した濾過物を100℃の乾燥機で乾燥してポリアミド粒子を得た。得られた粒子中の不純物の量は、水溶性不純物が0.3重量%、非水溶性不純物が0.4重量%であった。
実施例2
ポリアミド(商品名「ダイアミドL1600」、ダイセル・デグサ(株)製)30重量部とマルトテトラオース(商品名「450P」、東和化成工業製)100重量部とを、200℃に設定した二軸押出し機を用いて溶融混合し、ストランド状(約4mm径)に押出して樹脂組成物を得た。
得られたストランド状樹脂組成物100重量部を、60℃に保持した水2000重量部に均一に分散させた後、濾紙で濾過を行った。得られた濾過物23重量部を、再び60℃に保持した水/メタノール(容量比)が60/40の混合溶媒2000重量部に均一に分散させ、濾紙で濾過を行った。その後、得られた濾過物を、60℃に保持した水/メタノール(容量比)が10/90の混合溶媒2000重量部に均一に分散させ、濾紙で濾過を行い、回収した濾過物を100℃の乾燥機で乾燥してポリアミド粒子を得た。得られた粒子中の不純物の量は、水溶性不純物が0.3重量%、非水溶性不純物が0.1重量%であった。
実施例3
実施例1において、混合溶媒を構成するメタノールの代わりにエタノールを用いた点以外は実施例1と同様の操作で樹脂組成物を得、該樹脂組成物よりポリアミド粒子を回収した。このポリアミド粒子中の不純物の量は、水溶性不純物が0.4重量%、非水溶性不純物が0.5重量%であった。
比較例1
実施例1において、3回の洗浄に用いる溶媒として、水/メタノール(容量比)=80/20の混合溶媒の代わりに水(100%)を用いた点以外は実施例1と同様の操作で樹脂組成物を得、該樹脂組成物よりポリアミド粒子を回収した。このポリアミド粒子中の不純物の量は、水溶性不純物が0.1重量%、非水溶性不純物が2.5重量%であった。
比較例2
実施例1において、3回の洗浄に用いる溶媒として、水/メタノール(容量比)=80/20の混合溶媒の代わりにメタノール(100%)を用いた点以外は実施例1と同様の操作で樹脂組成物を得、該樹脂組成物よりポリアミド粒子を回収した。このポリアミド粒子中の不純物の量は、水溶性不純物が5.3重量%、非水溶性不純物が0.1重量%であった。
比較例3
実施例2において、3回の洗浄処理中、2回目及び3回目に用いる溶媒として、混合溶媒の代わりに2回目の洗浄に水(100%)を3回目の洗浄にメタノール(100%)をそれぞれ用いた点以外は実施例2と同様の操作で樹脂組成物を得、該樹脂組成物よりポリアミド粒子を回収した。このポリアミド粒子中の不純物の量は、水溶性不純物が0.3重量%、非水溶性不純物が2.3重量%であった。
比較例4
実施例2において、3回の洗浄処理中、2回目及び3回目に用いる溶媒として、混合溶媒の代わりにメタノール(100%)を用いた点以外は実施例2と同様の操作で樹脂組成物を得、該樹脂組成物よりポリアミド粒子を回収した。このポリアミド粒子中の不純物量は、水溶性不純物が3.2重量%、非水溶性不純物が0.7重量%であった。

Claims (7)

  1. 樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物から水溶性材料を除去して樹脂粒子を得る樹脂粒子の製造方法において、前記樹脂組成物を水及び有機溶媒からなる50℃以上の混合溶媒で洗浄して水溶性材料を除去する工程を含むことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 水と有機溶媒との比率(前者/後者)が99/1〜10/90(容量比)の範囲内にある混合溶媒を用いる請求項1記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 樹脂微粒子が水溶性材料からなるマトリックス中に分散している樹脂組成物から水溶性材料を除去して樹脂粒子を得る樹脂粒子の製造方法において、前記樹脂組成物を水及び有機溶媒からなる混合溶媒で洗浄して水溶性材料を除去する工程を含み、該工程において、水と有機溶媒との比率を段階的又は連続的に低下させて洗浄を行うことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  4. 混合溶媒における水と有機溶媒との比率(前者/後者)が40/60以上から40/60未満に段階的又は連続的に低下させて洗浄を行う請求項3記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1〜4の何れかの項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 有機溶媒がアルコールである請求項1〜5の何れかの項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  7. 有機溶媒がメタノール又はエタノールである請求項6記載の樹脂粒子の製造方法。
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