JP4703042B2 - プラズマディスプレイパネル駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルを駆動するプラズマディスプレイパネル駆動装置に関し、とくにサステインパルスのパルス数を適切に制御できるプラズマディスプレイパネル駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネルでは、パネル寿命を適切に管理するとともにドライバの発熱を抑制するなどの目的から、表示の輝度を制御している。すなわち、図6に示すように、プラズマディスプレイパネルの平均輝度レベル(APL)が所定値以上の領域では平均輝度レベルが上昇するにつれて、1フィールド内におけるサステインパルスのパルス数、すなわち、各サブフィールドにおけるサステインパルス数の合計を徐々に減少させて輝度レベルを制限している。一方、平均輝度レベルが上記所定値以下の領域では、サステインパルスのパルス数を制限せずに1フィールド内におけるパルス数を一定値としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示すように、上記平均輝度レベル以下の領域において1フィールド内のサステインパルスのパルス数を一定とした場合、その領域内の低輝度部におけるピーク輝度が不足するという問題がある。
【0004】
本発明は、低輝度部においてピーク輝度を不足させることなく、サステインパルスのパルス数を適切に制限できるプラズマディスプレイパネル駆動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマディスプレイパネル駆動装置は、発光セルを選択する選択手段(7等)と、選択手段(7等)により選択された発光セルを繰り返し発光させるサステインパルスを出力するサステインパルス出力手段(8,9)と、プラズマディスプレイパネル(20)における表示の平均輝度レベルが所定値以上の場合に、平均輝度レベルに応じてサステインパルス出力手段(8,9)から出力される各サブフィールドのサステインパルスのパルス数を制限するサステインパルス制限手段(4,5)と、を備え、サステインパルス制限手段(4,5)は、平均輝度レベルが所定値以下の第1の低輝度領域ではパルス数を一定にし、第1の低輝度領域よりも平均輝度レベルが低い第2の低輝度領域では第1の低輝度領域よりもパルス数を増加させ、第2の低輝度領域よりも平均輝度レベルが低い第3の低輝度領域では第1の低輝度領域よりもパルス数が低い領域を有するように前記パルス数を減少させることを特徴とする。
【0006】
このプラズマディスプレイパネル駆動装置によれば、第1低輝度領域でサステインパルスのパルス数を一定にすることにより、サステインパルス出力手段の発熱を抑制するとともに、プラズマディスプレイパネルの寿命を延ばすことができる。また、第2の低輝度領域でサステインパルスのパルス数を増加させることで、ピーク輝度を上昇させることができる。さらに、第3の低輝度領域で第1の低輝度領域よりもパルス数が低い領域を有するようにサステインパルスのパルス数を減少させることで、表示上の問題を生じさせることなくサステインパルス出力手段の発熱を抑制するとともに、プラズマディスプレイパネルの寿命を延ばすことができる。
【0007】
第2の低輝度領域および第3の低輝度領域の間には、パルス数が一定にされた第4の低輝度領域が設けられてもよい。
【0008】
この場合には、第2の低輝度領域および第3の低輝度領域の間に第4の低輝度領域を設けることにより、第3の低輝度領域は極めて黒レベルに近い領域に限定される。このため、第3の低輝度領域においてサステインパルスのパルス数を減少させても表示上の問題が発生しない。
【0009】
なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して、本発明によるパネル駆動装置の一実施形態について説明する。図1は本実施形態のパネル駆動装置を示すブロック図、図2は1フィールド期間における駆動シーケンスを示す図、図3は1サブフィールドにおける駆動波形を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態のパネル駆動装置100は、アナログ映像信号を入力画像データに変換するA/Dコンバータ1と、A/Dコンバータ1からの出力信号に基づいて表示用データを生成する表示用データ生成部2と、表示用データ生成部2から出力される表示用データを順次記憶するメモリ3と、A/Dコンバータ1から出力信号に基づいて平均輝度レベルを検出する平均輝度レベル検出部4と、平均輝度レベル検出部4で検出された平均輝度レベルを受ける制御部5とを備える。
【0012】
また、パネル駆動装置100は、プラズマディスプレイパネル20の列電極D1〜Dnを駆動するアドレスドライバ7と、Xサステインパルスをプラズマディスプレイパネル20のサステイン電極X1〜Xnに同時に印加するサステインドライバ8と、Yサステインパルスをプラズマディスプレイパネル20のサステイン電極Y1〜Ynに同時に印加するサステインドライバ9と、を備える。
【0013】
図1に示すように、メモリ3からの出力データはアドレスドライバ7に与えられる。また、制御部5は平均輝度レベルに基づいて、サステインドライバ8およびサステインドライバ9を制御する。
【0014】
次に、図2〜図5を参照して、パネル駆動装置100の動作について説明する。
【0015】
図2に示すように、パネル駆動装置100における1フィールドの表示期間は、6個のサブフィールドSF1〜SF6で構成される。表示データを6ビットとして、サブフィールドSF1〜SF6に対し、各ビット桁のビットに対応した重みづけを行っている。これにより、プラズマディスプレイパネル20における階調表示を可能としている。
【0016】
図2に示すように、各サブフィールドSF1〜SF6には、直前のサブフィールドの影響を排除するためのリセット期間と、壁電荷を形成させることにより点灯セルを設定するためのアドレス期間と、アドレス期間で設定された点灯セルの発光を繰り返させるためのサステイン期間とが設けられている。また、サブフィールドSF6には、サステイン期間の後に全放電セルの壁電荷を初期化するためのメイン消去期間が設けられている。各サブフィールドのサステイン期間にはk1〜k6(ただし、k1+k2+k3+k4+k5+k6=1)で示す重みが付与され、各サステイン期間ではk1〜k6に応じたサステインパルスのパルス数が設定される。
【0017】
図3に示すように、本実施形態のパネル駆動装置では、選択消去アドレス法による駆動方式が採用される。
【0018】
図3に示すように、各サブフィールドSF1〜SF6のリセット期間では、負極性のリセットパルスRPxが全ての行電極X1〜Xnに、また正極性のリセットパルスRPyが全ての行電極Y1〜Ynに同時に印加される。これにより、表示ラインを構成する対となる行電極X、Y間、すなわち、全放電セルで一斉にリセット放電が生じ、放電終了後、全放電セルに壁電荷が形成される。
【0019】
一方、図1に示すように、A/Dコンバータ1に入力された入力映像信号は、A/Dコンバータ1により、例えば8ビットのデータGDに変換される。データGDは表示データ生成部2で2ビットの圧縮処理(誤差拡散処理またはディザ処理等)を受け、6ビットの表示データHDに変換され、メモリ3に書き込まれる。メモリ3に記憶された表示データHDは、各サブフィールドSF1〜SF6のアドレス期間において、対応するビットデータごとに読み出され、アドレスドライバ7に供給される。
【0020】
アドレス期間では、走査パルスSPが表示ライン毎に行電極対の一方(Y電極)に順次印加される。また、走査パルスSPの印加に同期して、アドレスドライバ7がそのラインに対応する1ライン分のデータパルスを列電極D1〜Dmに印加する。データパルスは放電セルを点灯させる場合には出力されず、消灯する場合に出力される。走査パルスに同期してデータパルスが供給されたセルでは、選択消去放電が生じて、リセット期間で形成された壁電荷が消滅し、そのセルは消灯セルに設定される。一方、走査パルスに同期してデータパルスが供給されなかったセルでは、放電が生じず、リセット期間に形成された壁電荷が残留して、そのセルは点灯セルに設定される。
【0021】
前記表示ラインに対する選択動作が終了した後、サステイン期間となり、行電極X、Yにサブフィールドの重みに応じたパルス数のサステインパルスが印加される。サステイン期間では、壁電荷が残留している点灯セル状態の放電セルでは、サステインパルスが印加される毎にサステイン放電発光が生じる。一方、壁電荷が消滅した消灯セル状態の放電セルでは、サステインパルスが印加されても放電は生じない。
【0022】
以上のリセット期間、アドレス期間およびサステイン期間からなる1サブフィールド駆動行程を各サブフィールドSF1〜SF6で繰り返し行うことで、階調表示が実行される。
【0023】
図4は平均輝度レベルとサステインパルスのパルス数との関係を示す図、図5は図4の一部拡大図(符号Aで示す部分の拡大図)である。
【0024】
図1に示すように、サステイン期間におけるサステインパルスのパルス数の制御は、平均輝度レベル検出部4により検出された平均輝度レベルに基づいて、制御部5がサステインドライバ8およびサステインドライバ9を制御することにより実行される。
【0025】
図4および図5は、1フィールドに属する全てのサブフィールドにおけるサステインパルスのパルス数の合計を示している。本実施形態のパネル駆動装置では、1フィールドにおけるパルス数の合計が平均輝度レベルに応じて変化するが、各フィールド毎に設定されたサステインパルスのパルス数の上記の重みづけは不変とされている。
【0026】
図4および図5に示すように、本実施形態のパネル駆動装置において、平均輝度レベルが所定値以下の第1低輝度領域では、サステインパルスのパルス数を一定にしている。これは、平均輝度レベルが所定値以下の領域内においても比較的輝度の高い領域では、サステインドライバ8およびサステインドライバ9の発熱を考慮してサステインパルスのパルス数を一定にしたものである。
【0027】
また、第1の低輝度領域よりも平均輝度レベルが低い第2の低輝度領域では、第1の低輝度領域よりもサステインパルスのパルス数を増加させている。これは、輝度が低い領域においてサステインパルスのパルス数を増加させることで、ピーク輝度を上昇させることを意図している。これにより、低い輝度領域において充分なピーク輝度を維持し、視認性を向上させることができる。
【0028】
さらに第2の低輝度領域よりも平均輝度レベルが低い第3の低輝度領域では、第1の低輝度領域よりもサステインパルスのパルス数を減少させている。第3の低輝度領域のように平均輝度が極端に小さい場合には、表示上の観点からもはやピーク輝度を上げることは必要がなくなる。また、映像信号が無入力であるなど、平均輝度レベルが第3の低輝度領域にある場合の頻度が高くなるため、サステインパルスのパルス数を減少させる効果も高い。このため、第3の低輝度領域ではサステインパルスのパルス数を低下させて、サステインドライバ8およびサステインドライバ9の発熱を低減するようにしている。
【0029】
また、第2の低輝度領域および第3の低輝度領域の間には、サステインパルスのパルス数を一定とした第4の低輝度領域が設けられている。このため、第3の低輝度領域は極めて黒レベルに近い領域に限定されているため、第3の低輝度領域においてサステインパルスのパルス数を減少させても表示上の問題が発生しない。
【0030】
なお、図4〜図6に示すように、従来のサステインパルスのパルス数を示すグラフ(図4)は変曲点が1箇所であるのに対し、本実施形態では変曲点が複数箇所(4箇所)となっている。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプラズマディスプレイパネル駆動装置によれば、第1低輝度領域でサステインパルスのパルス数を一定にすることにより、サステインパルス出力手段の発熱を抑制するとともに、プラズマディスプレイパネルの寿命を延ばすことができる。また、第2の低輝度領域でサステインパルスのパルス数を増加させることで、ピーク輝度を上昇させることができる。さらに、第3の低輝度領域で第1の低輝度領域よりもパルス数が低い領域を有するようにサステインパルスのパルス数を減少させることで、表示上の問題を生じさせることなくサステインパルス出力手段の発熱を抑制するとともに、プラズマディスプレイパネルの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のパネル駆動装置を示すブロック図。
【図2】1フィールド期間における駆動シーケンスを示す図。
【図3】1サブフィールドにおける駆動波形を示す図。
【図4】平均輝度レベルとサステインパルスのパルス数との関係を示す図。
【図5】図4の一部拡大図。
【図6】従来の装置を示す図。
【符号の説明】
4 平均輝度レベル検出部(サステインパルス制限手段)
5 制御部(サステインパルス制限手段)
7 アドレスドライバ
8 サステインドライバ(サステインパルス出力手段)
9 サステインドライバ(サステインパルス出力手段)
20 プラズマディスプレイパネル
Claims (2)
- 発光セルを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された発光セルを繰り返し発光させるサステインパルスを出力するサステインパルス出力手段と、
プラズマディスプレイパネルにおける表示の平均輝度レベルが所定値以上の場合に、平均輝度レベルに応じて前記サステインパルス出力手段から出力される各サブフィールドの前記サステインパルスのパルス数を制限するサステインパルス制限手段と、
を備え、
前記サステインパルス制限手段は、
平均輝度レベルが所定値以下の第1の低輝度領域では前記パルス数を一定にし、
前記第1の低輝度領域よりも平均輝度レベルが低い第2の低輝度領域では前記第1の低輝度領域よりも前記パルス数を増加させ、
前記第2の低輝度領域よりも平均輝度レベルが低い第3の低輝度領域では前記第1の低輝度領域よりも前記パルス数が低い領域を有するように前記パルス数を減少させることを特徴とするプラズマディスプレイパネル駆動装置。 - 前記第2の低輝度領域および前記第3の低輝度領域の間には、前記パルス数が一定にされた第4の低輝度領域が設けられることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル駆動装置。
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