JP4702807B2 - 水殺菌装置および水殺菌方法 - Google Patents
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Description
このような技術として、例えば特許文献1には、水中に金属イオンを発生させる金属イオン発生手段等を備えた水浄化装置であって、金属イオン発生手段として、銀陽極と銀陰極に直流電圧を印加する回路に極性反転リレーを作動するように設けてなる銀イオンの電気化学的発生装置を用いた発明が開示されている。
銀イオンの電気化学的発生装置では、銀陽極と銀陰極に直流電圧を印加することにより、銀陽極より銀イオンを発生させ、当該装置に流入した水に銀イオンを溶出させることができる。
更に、摩擦体で陰極として作用する溶出層を摩擦することにより、溶出層の表面に形成されるスケールを機械的に除去することができるため、溶出層に清浄な面を露出させることができるので、溶出層表面の付着物による金属イオン溶出速度の低下を防ぐことができ、長期間に渡って金属イオンの溶出速度を維持することができる。
更に、溶出層の表面同士を摩擦することにより、溶出層の表面に形成されるスケールを機械的に除去することができるため、溶出層に清浄な面を露出させることができるので、溶出層表面の付着物による金属イオン溶出速度の低下を防ぐことができ、長期間に渡って金属イオンの溶出速度を維持することができる。
更に、摩擦体で陰極として作用する溶出層を摩擦することにより、溶出層の表面に形成されるスケールを機械的に除去することができるため、溶出層に清浄な面を露出させることができるので、溶出層表面の付着物による金属イオン溶出速度の低下を防ぐことができ、長期間に渡って金属イオンの溶出速度を維持することができる。
更に、溶出層の表面同士を摩擦することにより、溶出層の表面に形成されるスケールを機械的に除去することができるため、溶出層に清浄な面を露出させることができるので、溶出層表面の付着物による金属イオン溶出速度の低下を防ぐことができ、長期間に渡って金属イオンの溶出速度を維持することができる。
第1実施形態の水殺菌装置及び水殺菌方法の実施形態について、図を参照して説明する。図1は、第1実施形態の水殺菌装置の構成を示す説明図である。図2は、金属イオン溶出体の構造を示す説明図である。図3は、水殺菌装置により銀イオンを循環水中に溶出させる方法を示す説明図である。図4は、第1実施形態の水殺菌装置の変更例を示す説明図である。
なお、各図では、説明のために一部を拡大し、一部を省略して示している。
金属イオン溶出体12は、制御装置15に設けられたモータなどからなる回転機構15aに接続され、それぞれ円柱の軸L1を中心に回転数を可変に回転可能に構成されている。また、金属イオン溶出体12は、制御装置15に設けられた電位制御機構15bに接続され、例えば、公知の回転電極を用いて、一方の金属イオン溶出体12の溶出層12aが陽極、他方の金属イオン溶出体12の溶出層12aが陰極となるように直流電位を印加可能に構成されている。金属イオン溶出体12に印加する電圧の極性は、電位制御機構15bにより切り替えることができる。ここで、金属イオン溶出体12間の距離は、溶出層12aの電気分解が可能な距離に設定されている。
上述のように、金属イオン溶出体12は、円柱の軸L1を中心に回転しながら、溶出層12aに電位を負荷可能に構成されている。
制御装置15は、上述のように、金属イオン溶出体12、摩擦体13及び電源14とそれぞれ接続されており、金属イオン溶出体12の回転数を制御して回転させる回転機構15a、金属イオン溶出体12に印加する電圧の大きさ及び極性を制御する電位制御機構15b及び摩擦体13を移動させて金属イオン溶出体12に接触させて摩擦する摩擦機構15cを備えている。
このように、配管の途中に水殺菌装置10を接続することにより、配管から水殺菌装置10に導入された循環水に電解槽11において銀イオンを溶出させることができる。これにより、この配管から冷却塔に給水される循環水に銀イオンを添加することができるので、効果的に殺菌処理を行うことができる。
なお、配管を流れる水流が全て水殺菌装置10内を通過するように接続することもできる。
これにより、電解槽11内において電気分解が生じ、陽極たる金属イオン溶出体12mの溶出層12aから、銀イオンが循環水中に溶出する。
また、金属イオン溶出体12を回転させることにより、電位が印加された溶出層12aを高速で循環水に接触させることができるので、銀イオンを循環水に効率よく溶出させることができる。
ここで、循環水の流量、回転機構15aにより金属イオン溶出体12の回転速度、電位制御機構15bにより印加する電圧、水殺菌装置10の作動時間などを制御することにより銀イオンの溶出量を制御することができる。
例えば、循環水中に含まれる銀イオンの濃度が殺菌効果が高い50ppb以上になるように銀イオンの溶出量を調整することもできる。
ここで、金属イオン溶出体12と摩擦体13とは、形状が円柱形であるために、互いの側面を満遍なく摩擦することができる。したがって、金属イオン溶出体12の表面に付着したスケールなどの付着物を効率よく除去することができる。
なお、摩擦体13は、金属イオン溶出体12と互いの側面を満遍なく摩擦することができれば、円柱形以外でもよく、例えば角柱形状に形成することもできる。
また、摩擦体13を陽極たる金属イオン溶出体12mにも接触させてもよい。これによれば、溶出層12a表面に形成される酸化物の付着を防止することができる。
これにより、銀イオンの溶出が起こる陽極たる金属イオン溶出体12と、スケールが付着する陰極たる金属イオン溶出体12とを切り替えることができるので、各金属イオン溶出体12が陰極として作動する時間を短くすることができ、溶出層12a表面にスケールが定着することが防ぐことができる。従って、金属イオン溶出体12の溶出層12a表面の付着物を除去する効果をより向上させることができる。
(1)回転機構15aは、循環水の水流を用いた機構とすることができる。例えば、循環水の水流で電解槽11内に配置した水車を回し、その回転運動を金属イオン溶出体12に伝達して回転させることができる。これによれば、金属イオン溶出体12を回転させるために動力が不要である。金属イオン溶出体12の回転数は、例えば、循環水の水量により調節することができる。
ここで、金属イオン溶出体12を内部が空洞である構成とすると、重量を減じることができるので、循環水の水量を大きく増大させることなく、金属イオン溶出体12の回転数を効率的に増大させることができる。これにより、銀イオンの溶出速度を増大させることができる。
第1実施形態の水殺菌装置10によれば、直流電圧を印加した金属イオン溶出体12を回転させることにより、電位が印加された溶出層12aを高速で循環水に接触させることができるので、電解槽11内において効率よく電気分解を生じさせることができ、陽極たる金属イオン溶出体12mの溶出層12aから、銀イオンを循環水に効率よく溶出させることができる。
更に、摩擦機構15cにより、陰極たる金属イオン溶出体12nに対向して設けられている摩擦体13を金属イオン溶出体12nに向かって移動させて金属イオン溶出体12nの溶出層12aに接触させて、溶出層12aの表面を摩擦することにより、溶出層12aの表面に形成されるスケールを機械的に除去することができるため、溶出層12aに清浄な面を露出させることができるので、溶出層12a表面の付着物による銀イオン溶出速度の低下を防ぐことができ、長期間に渡って銀イオンの溶出速度を維持することができる。
第2実施形態の水殺菌装置及び水殺菌方法の実施形態について、図を参照して説明する。第2実施形態の超音波センサについて、図を参照して説明する。図5は、第2実施形態の水殺菌装置の構成を示す説明図である。図6は、第2実施形態の水殺菌装置により銀イオンを循環水中に溶出させる方法を示す説明図である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。
金属イオン溶出体22は、制御装置25に設けられたモータなどからなる回転機構25aに接続され、それぞれ円板の軸L3を中心に回転数を可変に回転可能に構成されている。
また、金属イオン溶出体22は、制御装置25に設けられた摩擦機構25cに接続され、金属イオン溶出体22の溶出層12a同士を接触させて互いに摩擦可能に構成されている。
そして、金属イオン溶出体22は、制御装置25に設けられた電位制御機構25bに接続され、例えば、公知の回転電極を用いて、一方の金属イオン溶出体12の溶出層12aが陽極、他方の金属イオン溶出体22の溶出層22aが陰極となるように直流電位を印加可能に構成されている。金属イオン溶出体22に印加する電圧の極性は、電位制御機構25bにより切り替えることができる。ここで、金属イオン溶出体22間の距離は、溶出層22aの電気分解が可能な距離に設定されている。
上述のように、金属イオン溶出体22は、円板の軸L3を中心に回転しながら、溶出層22aに電位を負荷可能に構成されている。
制御装置25は、上述のように、金属イオン溶出体22及び電源14とそれぞれ接続されており、金属イオン溶出体22の回転数を制御して回転させる回転機構25a、金属イオン溶出体12に印加する電圧の大きさ及び極性を制御する電位制御機構25b及び金属イオン溶出体22を移動させて溶出層12aを接触させて互いに摩擦する摩擦機構25cを備えている。
これにより、電解槽11内において電気分解が生じ、陽極たる金属イオン溶出体22mの溶出層22aから、銀イオンが循環水中に溶出する。
また、金属イオン溶出体22を回転させることにより、電位が印加された溶出層22aを高速で循環水に接触させることができるので、銀イオンを循環水に効率よく溶出させることができる。
ここで、循環水の流量、回転機構25aにより金属イオン溶出体12の回転速度、電位制御機構25bにより印加する電圧、水殺菌装置20の作動時間などを制御することにより銀イオンの溶出量を制御することができる。
例えば、循環水中に含まれる銀イオンの濃度が殺菌効果が高い50ppb以上になるように銀イオンの溶出量を調整することもできる。
ここでは、図6(B)に示すように、陰極たる金属イオン溶出体22nの回転を停止させて、回転している金属イオン溶出体22mに接触させることにより互いの溶出層22aを摩擦させる。
ここで、金属イオン溶出体22は、円板形に形成されているため、互いの溶出層22aを満遍なく摩擦することができる。したがって、金属イオン溶出体22の表面に付着したスケールなどの付着物を効率よく除去することができる。
また、金属イオン溶出体22mと金属イオン溶出体22nとを接触させる際に、互いに逆方向に回転させてもよい。これによれば、接触の相対速度が増大するので、より効率よくスケールなどの付着物を除去することができる。
水殺菌装置20によれば、直流電圧を印加した金属イオン溶出体22を回転させることにより、電位が印加された溶出層22aを高速で循環水に接触させることができるので、電解槽11内において効率よく電気分解を生じさせることができ、陽極たる金属イオン溶出体22mの溶出層22aから、銀イオンを循環水に効率よく溶出させることができる。
更に、摩擦機構25cにより、溶出層22aの表面同士を摩擦することにより、溶出層22aの表面に形成されるスケールを機械的に除去することができるため、溶出層22aに清浄な面を露出させることができるので、溶出層22a表面の付着物による銀イオン溶出速度の低下を防ぐことができ、長期間に渡って銀イオンの溶出速度を維持することができる。
また、摩擦機構を必要としないため、水殺菌装置を小型化することができる。
(1)上述した実施形態では、銀からなる溶出層12a、22aを用いた金属イオン溶出体12、22を採用したが、これに限定されるものではなく、殺菌効果を有する各種金属イオンを溶出する金属イオン溶出体、例えば、銅からなる金属イオン溶出体を用いることができる。
11 電解槽
12 金属イオン溶出体
12a 溶出層
13 摩擦体
14 直流電源
15 制御装置
15a 回転機構
15b 電位制御機構
15c 摩擦機構
22 金属イオン溶出体(第2の金属イオン溶出体)
22a 溶出層(第2の溶出層)
Claims (8)
- 円柱状に形成され、側面に金属イオンを溶出する溶出層をそれぞれ備えた1組の金属イオン溶出体であって、一方の金属イオン溶出体の溶出層が陽極として作用し、他方の金属イオン溶出体の溶出層が陰極として作用するように直流電圧を印加可能であるとともに、円柱の軸を中心に回転可能に構成されている金属イオン溶出体と、
前記金属イオン溶出体の溶出層に接触し、当該溶出層の表面を摩擦可能に構成された摩擦体と、
殺菌処理を行う水を流通させ、前記金属イオン溶出体を浸漬する電解槽と、を備え、
前記金属イオン溶出体を回転させながら直流電圧を印加することにより、前記陽極として作用する溶出層から前記電解槽に流通された水に金属イオンを溶出させるとともに、前記摩擦体により、間欠的または連続的に、少なくとも前記陰極として作用する溶出層を摩擦することを特徴とする水殺菌装置。 - 前記溶出層は、銀からなることを特徴とする請求項1に記載の水殺菌装置。
- 前記1組の金属イオン溶出体は、前記溶出層に印加する直流電圧の極性を切替可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水殺菌装置。
- 円板状に形成され、対向する面に金属イオンを溶出する第2の溶出層をそれぞれ備えた1組の第2の金属イオン溶出体であって、一方の第2の溶出層が陽極として作用し、他方の第2の溶出層が陰極として作用するように直流電圧を印加可能であるとともに、円板の軸を中心に回転可能であり、かつ、前記第2の溶出層同士を摩擦可能に構成されている第2の金属イオン溶出体と、
殺菌処理を行う水を流通させ、前記金属イオン溶出体を浸漬する電解槽と、を備え、
前記第2の金属イオン溶出体を回転させながら直流電圧を印加することにより、前記陽極として作用する溶出層から前記電解槽に流通された水に金属イオンを溶出させるとともに、前記第2の溶出層同士を間欠的に摩擦することを特徴とする水殺菌装置。 - 前記第2の溶出層は、銀からなることを特徴とする請求項4に記載の水殺菌装置。
- 前記1組の第2の金属イオン溶出体は、前記第2の溶出層に印加する直流電圧の極性を切替可能に構成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の水殺菌装置。
- 円柱状に形成され、側面に金属イオンを溶出する溶出層を備えた1組の金属イオン溶出体と、前記金属イオン溶出体の溶出層に接触し、当該溶出層の表面を摩擦可能に構成された摩擦体と、が内部に配置された電解槽を用意し、
前記金属イオン溶出体を円柱の軸を中心に回転させながら、一方の金属イオン溶出体の溶出層が陽極として作用し、他方の金属イオン溶出体の溶出層が陰極として作用するように直流電圧を印加して、前記陽極として作用する溶出層から前記電解槽に流通された水に金属イオンを溶出させるとともに、前記摩擦体により、間欠的または連続的に、少なくとも前記陰極として作用する溶出層を摩擦することを特徴とする水殺菌方法。 - 円板状に形成され、対向する面に金属イオンを溶出する第2の溶出層をそれぞれ備えた1組の第2の金属イオン溶出体であって、一方の第2の溶出層が陽極として作用し、他方の第2の溶出層が陰極として作用するように直流電圧を印加可能であるとともに、円板の軸を中心に回転可能であり、かつ、前記第2の溶出層同士を摩擦可能に構成されている第2の金属イオン溶出体、が内部に配置された電解槽を用意し、
前記第2の金属イオン溶出体を円板の軸を中心に回転させながら、一方の第2の溶出層が陽極として作用し、他方の第2の溶出層が陰極として作用するように直流電圧を印加して、前記陽極として作用する第2の溶出層から前記電解槽に流通された水に金属イオンを溶出させるとともに、前記第2の溶出層同士を間欠的に摩擦することを特徴とする水殺菌方法。
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