JP4699635B2 - 徐放性薬剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内あるいは生体の管腔内に投与後、薬剤化合物を持続的に放出することにより薬効成分濃度を長時間維持しうる徐放性薬剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薬剤化合物の投与方法において、従来の間歇投与のみでは回避できない体内薬物濃度の大きな変動をできるだけ抑制し、薬効を最大限に発揮させつつ副作用を最小限に抑えるための徐放性製剤の研究が活発に進められている。徐放性製剤の一般的な製剤法として、薬剤化合物を種々のポリマーと複合化する方法が検討されている。
【0003】
薬剤化合物を種々のポリマーと複合化する上記の方法において、天然のアミノ酸から構成されるポリアミノ酸は一般的に生理的安全性の面で有利であることから、薬剤化合物の徐放性製剤のマトリックスポリマーとして使用する試みがされている。ここで「マトリックスポリマー」とは、薬剤化合物と混合あるいは相容させることにより薬剤化合物を埋封させるために用いるポリマーを表わすものとする。
【0004】
特開平3−48628には、アスパラギン酸アミドのみを含むポリアスパルタミドホモポリマーもしくはアスパラギン酸アミド、コハク酸イミド、アスパラギン酸エステルの3成分を含むコポリマーを薬剤の被覆材として用いた遅延剤の例が開示されている。
また、特開平4−364161には、マトリックスポリマーとして生分解性を有するポリアミノジカルボン酸−コーアンヒドロアミノジカルボン酸誘導体を用いることにより、治癒後に外科的除去が不要な植込錠が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、投薬による病気治療において、薬剤投与後に体内で薬剤化合物が持続的に作用する徐放性薬剤組成物を提供することである。
【0006】
徐放性製剤を用いる薬剤化合物の放出制御において、しばしば見られる問題は、徐放性製剤投与後の初期の段階で、薬剤化合物が一時に多量に放出されてしまう「初期バースト現象」が起こることである。徐放性製剤において初期バースト現象が起こると、体内における薬剤化合物の許容限界濃度を超えることにより患者に重大な影響を及ぼすこともある。また、薬剤化合物が体内で有効に作用することなく体外に排出されてしまうことになり治療効果を上げるためには、それだけ多くの薬剤化合物を必要とし経済的にも不利であるという問題点がある。
この問題を解決するため、マトリックスポリマーの構造を変換したり、薬剤化合物の種類とマトリックスポリマーの組み合わせを選択するなどの方法が提案されているが、十分な解決法は見出されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記のような課題を解決するため鋭意検討を行った結果、分子内に繰り返し単位としてコハク酸イミド単位を含有する重合体をマトリックスポリマーに用いることにより薬剤化合物の放出持続時間が長く徐放特性に優れた徐放性薬剤組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の[1]〜[2]に記載した重合体(A)をマトリックスポリマーとして含有する徐放性薬剤組成物を提供するものである。
[1] 薬剤の放出を制御するための重合体(A)および薬剤化合物(B)を混合することにより得られる薬剤組成物において、重合体(A)が繰り返し単位としてコハク酸イミドのみからなることを特徴とする徐放性薬剤組成物。
[2] 重合体(A)が繰り返し単位としてコハク酸イミド単位のみからなり、かつ分子内の全繰り返し単位の数平均が10ないし5000であることを特徴とする[1]記載の徐放性薬剤組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の徐放性薬剤組成物について具体的に説明する。
【0012】
本願特許請求の範囲および明細書において用いる「重合体」および「ポリマー」なる語の概念は、相互に等価なものを表わすこととする。
【0013】
(重合体)
本発明の重合体を構成する繰り返し単位の配列の様式は、共重合体(コポリマー)である場合は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよく、また、線状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。
【0014】
本発明のポリアスパラギン酸誘導体中のコハク酸イミド単位とは、下記式(5)で表わされる構造単位を示し、ポリアスパラギン酸なる語の概念は、アスパラギン酸が重縮合して形成されるペプチド結合により連結された重合体を表わす。
【0015】
【化3】
【0016】
本発明の重合体(A)は、式(5)で示されるコハク酸イミド単位のみから構成されるポリマー(以下、「ポリコハク酸イミド」という)、または式(5)で示されるコハク酸イミド単位および該コハク酸イミド単位以外の繰り返し単位として下記一般式(1)ないし(4)で表わされるα型またはβ型の化学修飾したアスパラギン酸繰り返し単位から選択された単位の少なくとも1種を含むコポリマー(以下、「ポリアスパラギン酸誘導体」という)である。
【0017】
【化4】
【0018】
本発明において、式(1)および(2)で表わされる構造式中、Mは水素原子または金属原子を表わし、金属原子としてはリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などが挙げられる。
【0019】
本発明において、式(3)および(4)で表わされる化学修飾したアスパラギン酸単量体単位における置換基のR1、R2はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1ないし20の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし、炭素数1ないし20の飽和または不飽和の炭化水素基の代表例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基が挙げられ、不飽和の炭化水素基の具体例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基などが挙げられる。また、窒素原子を含む炭化水素基の具体例としては、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノペンチル基、アミノヘキシル基、アミノオクチル基、アミノデシル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジメチルアミノプロピル基、N,N−ジメチルアミノブチル基、N−メチルアミノプロピル基などが挙げられる。さらに、R1およびR2が相互に結合して環を形成する場合の具体例としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などが挙げられる。
これらの中では、水素原子、メチル基、エチル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジメチルアミノプロピル基などが好ましい。
【0020】
本発明における前記式(1)と(2)の割合および配列は特に限定されず、配列様式についてはランダム、交互、ブロックのいずれであってもよく、同様に、前記式(3)と(4)についても割合および配列は特に限定されず、配列様式についてはランダム、交互、ブロックのいずれの様式であってもよい。ポリアスパラギン酸誘導体中における式(1)ないし(4)の繰り返し単位の含有量は、特に限定されず、徐放性薬剤組成物の放出速度および薬剤化合物との相性などにより適宜決定される。
【0021】
本発明のポリコハク酸イミドおよびポリアスパラギン酸誘導体における全繰り返し単位の数平均は、10ないし5000である。ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」という)による重量平均分子量の点からは500ないし40万である。これらのポリマーの繰り返し単位の数平均または重量平均分子量の値は、徐放性薬剤組成物の放出速度および薬剤化合物との相性などにより適宜決定することができる。一般的には、ポリコハク酸イミドおよびポリアスパラギン酸誘導体の分子量が低すぎると生体内で使用した場合に、水や体液等により薬剤化合物が製剤中から容易に溶解拡散してしまい、本発明の効果である薬剤化合物の生体への取り込み率向上や、初期バースト現象の抑制が期待できなくなり、通常、好ましくない。また、分子量が高すぎる場合には、薬剤化合物との親和性や相容性において問題が生じる場合がある。これらの観点から、繰り返し単位の好ましい数平均の範囲は10ないし3000であり、重量平均分子料の好ましい範囲は500ないし30万である。
【0022】
(重合体の製造方法)
本発明におけるポリコハク酸イミドは、その製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、J.Am.Chem.Soc.、80、3361(1958)に、アスパラギン酸を原料として200℃の反応温度で2ないし3時間、加熱縮合させる方法が開示されている。特公昭48―20638号には、85%燐酸を触媒としてロータリーエバポレーターを用いて薄膜状で反応を行うことによる方法が開示されている。米国特許5057597号には、工業的にポリコハク酸イミドを得る方法として、流動床によりポリアスパラギン酸を加熱縮合させる方法が開示されている。
本発明の方法におけるポリアスパラギン酸誘導体の製造方法は特に制限されないが、例えば以下のようにして製造することができる。溶媒中でポリコハク酸イミド分子中のイミド環に対し、例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミンなどのアミンを作用させる。アミンはフリーでも塩酸、硫酸などの鉱酸の塩のいずれでもよい。アミンの使用量は特に限定されず、所望の作用効果を得るために適宜使用される。
【0023】
また、本発明の方法において式(1)および(2)で表わされる骨格の合成法としては、水によりイミド環を開環する方法が挙げられ、塩基性水溶液を用いる公知の方法により容易に開環反応を行うことができる。塩基性水溶液に用いられるアルカリ化合物の具体例としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基などが挙げられる。これらは単独で、または組み合わせて使用することができ、水溶液として加えられることが好ましい。これらの使用量は、イミド環を開環させる所望の割合に応じて適宜決定される。
【0024】
(徐放性薬剤組成物)
本発明における徐放性薬剤組成物は、少なくとも一種の薬剤化合物とポリコハク酸イミドまたはポリアスパラギン酸誘導体を含有する薬剤組成物であり、ポリコハク酸イミドまたはポリアスパラギン酸誘導体は単独でもそれぞれを組み合わせて用いてもよい。また、本発明の効果を著しく減じない範囲で他の成分、例えば、安定化剤や乳化剤などが薬剤組成物中に含有されていてもよい。本発明における徐放性薬剤組成物の調製方法としては、例えば、薬剤化合物を水に懸濁または溶解させた後に、この懸濁液または水溶液をポリコハク酸イミドまたはポリアスパラギン酸誘導体のN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどの溶液に滴下し攪拌混合した後に、噴霧乾燥機中にスプレーすることにより微小球状のものが得られる。
また、徐放性薬剤組成物の形態としては、微小球状のものの他に、例えば針状、ロッド状、マイクロカプセル・マイクロスフェアー状、ペレット状、顆粒状など種々の形態が包含される。
【0025】
本発明の徐放性薬剤組成物において用いる薬剤化合物は、薬効を有し従来から医薬、漢方薬などとして使用されてきた薬剤化合物であれば特に限定されない。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0027】
なお、本発明の実施例において、重合体の分子量は以下の方法により測定した。
(1)ポリコハク酸イミドの重量平均分子量の測定
ポリコハク酸イミドの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準試料として以下の分析条件でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定した。
装置 :日本分光880−PU
検出器 :Shodex RID−300
カラム :Shodex KD−804+KD−80M
溶媒 :0.01M/LiBr/DMF
濃度 :0.5wt%
注入料 :20μl
流速 :1.0ml/min
【0028】
(2)ポリアスパラギン酸ナトリウムおよびポリアスパラギン酸誘導体の重量平均分子量の測定
ポリアスパラギン酸ナトリウムおよびポリアスパラギン酸誘導体の重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準試料として、水系またはクロロホルム溶媒を用いてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した。
水系GPC
装置 :日本分光880−PU
検出器 :日本分光830−RI
カラム :Shodex OHpak B−804
溶媒 :0.1M−KCl/水(8)−メタノール(2)混合溶媒
濃度 :0.5wt%
注入料 :20μl
流速 :0.4ml/min
【0029】
クロロホルム系GPC
装置・検出器:Shodex GPC System−11
カラム :Shodex K−805L
溶媒 :クロロホルム
濃度 :0.5wt%
注入料 :20μl
流速 :1.0ml/min
【0030】
(製造例1)ポリコハク酸イミドの製造
トラップ付き冷却器および攪拌装置を備えた200mlセパラブルフラスコに、L−アスパラギン酸40g、ポリリン酸17gを挿入し、窒素雰囲気下、200℃で30分間加熱攪拌し、さらに30mmHgに減圧して2時間加熱した。反応終了後、冷却してN,N−ジメチルホルムアミド160gを加えて反応内容物を溶解し、水800ml中に移して再沈殿させ、さらに水洗、乾燥することにより、固形物(ポリコハク酸イミド、以下「PSI」と略す)を回収した。PSIの重量平均分子量は89000であった。
【0031】
(製造例2)ポリアスパラギン酸誘導体の製造
攪拌装置を備えた100mlセパラブルフラスコに、製造例1で得られたPSIを5gとり、水20mlを加えて攪拌し、懸濁させた。これに2規定の水酸化ナトリウム水溶液13mlを、液のpHが7.5ないし9の範囲になるようにゆっくり滴下し、滴下終了後さらに30分間攪拌することによりイミド環の開環反応を行った。滴下終了後、透明になった反応液を約半分量になるまで濃縮し、メタノール100ml中に滴下して再沈殿を行った。生成した沈殿物をろ過により回収し、メタノール洗浄後、乾燥してポリアスパラギン酸誘導体5.1gを得た(収率 85重量%)。水系GPCによる重量平均分子量は57000であった。
【0032】
(製造例3)ポリアスパラギン酸誘導体の製造
攪拌装置を備えた100mlセパラブルフラスコに、製造例1で得られたPSI9.7gをとり、N,N−ジメチルホルムアミド40mlを加えて溶解させた。そこへラウリルアミン14.8g(0.08モル、PSIのイミド環のモル数に対して80モル%)を加えて攪拌し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応生成物を500mlのアセトン中に再沈殿させ、ろ過および洗浄して白色粉末ポリマーを回収し、乾燥した(収量23.8g、収率97%)。
【0033】
(製造例4)ポリアスパラギン酸誘導体の製造
攪拌装置を備えた100mlセパラブルフラスコに、製造例3で得られたポリマー12.6gをとり、水50mlを加えて攪拌し、懸濁させ40℃に加熱した。そこへ2規定の水酸化ナトリウム水溶液5mlを、液のpHが7.5ないし9の範囲になるようにゆっくり滴下し、滴下終了後さらに30分間攪拌することによりイミド環の開環反応を行った。反応混合物をメタノール200ml中に滴下して再沈殿を行った。生成した沈殿物をろ過により、回収し、メタノール洗浄後、乾燥してポリアスパラギン酸誘導体22gを得た(収率 90%)。
【0034】
(実施例1)ペプチドフラグメントテトラガストリン塩酸塩(Try−Met−Asp−Phe−NH2・HCl)375mgを水1mlに懸濁・溶解させた後、この水溶液を製造例1で得られたPSIのN,N−ジメチルホルムアミド溶液に攪拌しながら滴下した。引き続き30分間、室温で攪拌した後、噴霧乾燥機中にスプレーすることにより微小球状物を得た。この微小球状物を37℃の水中に入れ、微小球状物から水中に溶出するペプチドフラグメントテトラガストリンの1、4、7、10日目における放出量を277nmの紫外線吸収測定により定量した。ペプチドフラグメントテトラガストリンの放出には初期バースト現象も観察されず、約3ないし4重量%/日程度の放出速度で、ほぼ時間に比例した放出量の経時変化を示した。
【0035】
(実施例2)PSIの代わりに製造例2で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様の方法で徐放性薬剤組成物を調製し、ペプチドフラグメントテトラガストリンの1、4、7、10日目における放出量を277nmの紫外線吸収測定により定量した。その結果、ペプチドフラグメントテトラガストリンの放出には初期バースト現象も観察されず、約2.5ないし3重量%/日程度の放出速度で、ほぼ時間に比例した放出量の経時変化を示した。
【0036】
(実施例3)PSIの代わりに製造例3で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様の方法で徐放性薬剤組成物を調製し、ペプチドフラグメントテトラガストリンの1、4、7、10日目における放出量を277nmの紫外線吸収測定により定量した。その結果、ペプチドフラグメントテトラガストリンの放出には初期バースト現象も観察されず、約3.5ないし4.5重量%/日程度の放出速度で、ほぼ時間に比例した放出量の経時変化を示した。
【0037】
(実施例4)薬剤化合物としてペプチドフラグメントテトラガストリン塩酸塩(Try−Met−Asp−Phe−NH2・HCl)の代わりに5―フロロウラシル(以下、5−FUと略す)200mgおよびPSIの代わりに製造例4で得られたポリマーを用いた以外は、実施例1と同様の方法で徐放性薬剤組成物を調製し、5−FUの1、4、7、10日目における放出量を254nmの紫外線吸収測定により定量した。その結果、5−FUの放出における初期バースト現象も観察されず、約5ないし6重量%/日程度の放出速度で、ほぼ時間に比例した放出量の経時変化を示した。
【0038】
【発明の効果】
本発明の方法により、投与時の初期バースト現象を抑制でき、持続的な有効濃度の維持が可能であり、薬効を最大限に発揮させることができ、さらに副作用についても軽減できる。
Claims (2)
- 薬剤の放出を制御するための重合体(A)および薬剤化合物(B)を混合することにより得られる薬剤組成物において、重合体(A)が繰り返し単位としてコハク酸イミドのみからなることを特徴とする徐放性薬剤組成物。
- 重合体(A)が繰り返し単位としてコハク酸イミドのみからなり、かつ分子内の全繰り返し単位の数平均が10ないし5000であることを特徴とする請求項1記載の徐放性薬剤組成物。
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JPH09132649A (ja) * | 1995-11-09 | 1997-05-20 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 人工粒状物及びその製造方法 |
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2001
- 2001-05-25 JP JP2001157706A patent/JP4699635B2/ja not_active Expired - Lifetime
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