JP4699487B2 - 高揚力発生装置、翼および高揚力発生装置の騒音低減構造 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば、空力騒音の発生を抑制するのに適した高揚力発生装置、翼および高揚力発生装置の騒音低減構造に関する。
航空機が離着陸時に発生する騒音は、空港周辺環境にとって大きな問題となっている。問題となっている騒音としては、エンジンから発生するエンジン騒音や、高揚力装置(例えばスラットや、フラップなど。)や脚などから発生する空力騒音などが挙げられる。
上述の騒音の発生源の一つである高揚力装置に関しては、航空機の離着陸時に必要な空力特性を得るための装置であるため、空力特性を重視した設計がなされている一方で、騒音低減を考慮した設計はなされていなかった。
上述の騒音の発生源の一つである高揚力装置に関しては、航空機の離着陸時に必要な空力特性を得るための装置であるため、空力特性を重視した設計がなされている一方で、騒音低減を考慮した設計はなされていなかった。
しかしながら、上述のように騒音が大きな問題となっていることから、高揚力装置に関しても騒音低減の取り組みがなされている。例えば、高揚力装置であるスラットから発生する騒音の低減を図る技術などが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上述の特許文献1には、スラットにおける母翼と対向する凹部に、膨張および収縮の可能な風船を配置する技術が記載されている。
このようにすることで、スラットが母翼から展開された(離間した)際に上述の風船を膨張させ、凹部を埋めることにより、凹部に起因する流れの乱れによる空力騒音の発生を抑制できた。
なお、上述の凹部は、スラットが母翼に収納された(母翼と接触した)際に、母翼の先端との干渉を避ける空間を形成するためのものである。
米国特許第6394396号明細書
このようにすることで、スラットが母翼から展開された(離間した)際に上述の風船を膨張させ、凹部を埋めることにより、凹部に起因する流れの乱れによる空力騒音の発生を抑制できた。
なお、上述の凹部は、スラットが母翼に収納された(母翼と接触した)際に、母翼の先端との干渉を避ける空間を形成するためのものである。
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術では、母翼に対してスラットを接近離間させる機構の他に、上述の風船を膨張および収縮させる機構を母翼などの内部に配置する必要があった。母翼などの内部には空間的な余裕が少なく、このような機構を配置するには、構造的(空間的)に問題があった。
特に、上述の風船を膨らませるためには、高圧空気を風船に送り込む必要がある。この高圧空気を確保するためには、専用の圧縮機を備えるか、エンジンから高圧空気を導く配管等を備える必要があった。このような機構を配置するには、構造的(空間的)に問題があった。
さらに、これらの機構を追加することにより、航空機の機体重量が増大するというという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、機体重量の増加を抑制しつつ、空力騒音の発生を抑制することができる高揚力発生装置、翼および高揚力発生装置の騒音低減構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の高揚力発生装置は、母翼に対して展開収納可能に配置されたスラット本体と、該スラット本体における前記母翼と対向する位置に、少なくとも前記母翼の前縁の一部を収納可能に形成された凹部と、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に配置され、前記スラット本体が前記母翼に収納された際には、前記母翼と前記凹部との間に収納され、前記スラット本体が前記母翼から展開された際には、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制する整流部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明の高揚力発生装置は、母翼に対して展開収納可能に配置されたスラット本体と、該スラット本体における前記母翼と対向する位置に、少なくとも前記母翼の前縁の一部を収納可能に形成された凹部と、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に配置され、前記スラット本体が前記母翼に収納された際には、前記母翼と前記凹部との間に収納され、前記スラット本体が前記母翼から展開された際には、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制する整流部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、スラット本体を母翼に収納する場合には、凹部に母翼の前縁が収納される。このとき、整流部は母翼と凹部との間に収納されるため、母翼の前縁の形状は、整流部との干渉を考慮することなく、空力特性を損なわない形状として形成することができる。
ここで、空力特性を損なわないとは、スラット本体が母翼に対して展開した状態や、収納された状態等において、揚力特性を損なわないことを例示できる。
つまり、スラット本体が母翼に収納された状態では、整流部は母翼と凹部との間に収納されるため、母翼およびスラット本体の周りの流れを乱すことがなく、揚力特性等を損なわない。一方、スラット本体が母翼から展開された状態では、整流部によってスラット本体と母翼との間の流れが乱されることがなく、揚力特性等を損なわない。
ここで、空力特性を損なわないとは、スラット本体が母翼に対して展開した状態や、収納された状態等において、揚力特性を損なわないことを例示できる。
つまり、スラット本体が母翼に収納された状態では、整流部は母翼と凹部との間に収納されるため、母翼およびスラット本体の周りの流れを乱すことがなく、揚力特性等を損なわない。一方、スラット本体が母翼から展開された状態では、整流部によってスラット本体と母翼との間の流れが乱されることがなく、揚力特性等を損なわない。
スラット本体が母翼から展開した場合には、気流の一部はスラット本体の下面に沿って流れ、当該下面から流れが剥離する。剥離した流れ(剪断層)は、スラット本体と母翼との間を流れた後に、整流部に衝突して整流部および凹部の面に沿って流れる。
整流部は、凹部における母翼の上面と対向する領域、つまり整流部に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制できるため、整流部を設けていない場合と比較して、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制できる。
さらに、特許文献1に記載された技術と比較して、必要とする構成要素が少なく、重量の増加を抑制することができる。
整流部は、凹部における母翼の上面と対向する領域、つまり整流部に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制できるため、整流部を設けていない場合と比較して、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制できる。
さらに、特許文献1に記載された技術と比較して、必要とする構成要素が少なく、重量の増加を抑制することができる。
上記発明においては、前記整流部には、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に、前記スラット本体の中心軸線に対する角度を偏向可能とされた傾斜板が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、傾斜板の角度を母翼の上面との干渉を避ける角度に偏向するできるため、傾斜板との干渉を考慮することなく、翼の前縁の形状を、空力特性を損なわない形状として形成することができる。
スラット本体が母翼から展開した場合には、スラット本体の下面から剥離した流れ(剪断層)は、スラット本体と母翼との間を流れた後に、傾斜板に衝突して傾斜板および凹部の面に沿って流れる。
傾斜板は上述の中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、上述の剪断層と傾斜板との衝突角度を偏向できる。そのため、衝突角度を偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
傾斜板は上述の中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、上述の剪断層と傾斜板との衝突角度を偏向できる。そのため、衝突角度を偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
上記発明においては、前記傾斜板における前記母翼側の一方の端部は、前記スラット本体に回動可能に支持され、前記傾斜板における他方の端部は、前記スラット本体が前記母翼に収納された状態で、前記母翼前縁と干渉することなく、空力特性を損なわない位置にあり、前記スラット本体が前記母翼から展開される際に、中心軸線に対して下方に移動されることが望ましい。
本発明によれば、スラット本体を母翼に収納した場合には、傾斜板における他方の端部は、母翼前縁と干渉することなく空力特性を損なわない位置、つまり一方の端部を中心として上方に(つまり、中心軸線から離れる方向に)回動する。そのため、傾斜板と母翼の上面との間隔を広げて干渉の発生を防止することができる。
スラット本体が母翼から展開した場合、傾斜板における他方の端部は、一方の端部を中心として中心軸線に対して下方に(つまり、中心軸線に近づく方向に)回動される。そのため、上述の剪断層と傾斜板との衝突角度を小さくすることができる。
スラット本体が母翼から展開した場合、傾斜板における他方の端部は、一方の端部を中心として中心軸線に対して下方に(つまり、中心軸線に近づく方向に)回動される。そのため、上述の剪断層と傾斜板との衝突角度を小さくすることができる。
上記発明においては、前記スラット本体が延びる方向に沿って延び、前記スラット本体が前記母翼に収納された際に、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域と接触して変形するシール部が設けられ、前記傾斜板における前記母翼側の一方の端部は、前記スラット本体に回動可能に支持され、前記傾斜板における他方の端部は、前記シール部に支持されていることが望ましい。
本発明によれば、スラット本体が母翼に収納された場合、シール部は母翼の上面と接触する。そのため、スラット本体および母翼の隙間がシールされ、水や塵埃などが凹部内に浸入することが防止される。
さらに、シール部は、母翼の上面と接触して変形するため、傾斜板における他方の端部は、母翼前縁と干渉することなく空力特性を損なわない位置、つまり一方の端部を中心として上方に(つまり、中心軸線から離れる方向に)変形する。そのため、整流部は、スラット本体と、母翼の上面との隙間に干渉することなく収納される。
さらに、シール部は、母翼の上面と接触して変形するため、傾斜板における他方の端部は、母翼前縁と干渉することなく空力特性を損なわない位置、つまり一方の端部を中心として上方に(つまり、中心軸線から離れる方向に)変形する。そのため、整流部は、スラット本体と、母翼の上面との隙間に干渉することなく収納される。
一方、スラット本体が母翼から展開されると、母翼の上面と接触して変形していたシール部の形状が復元される。すると、傾斜板における他方の端部は、一方の端部を中心として中心軸線に対して上方に変形していた傾斜板の形状も復元される。そのため、上述の剪断層と傾斜板との衝突角度を小さくすることができる。
上記発明においては、前記傾斜板は、弾性を有する材料から形成されていることが望ましい。
本発明によれば、例えば、シール部等が弾性材料から形成されている場合には、傾斜板も同様に弾性材料から形成することにより、傾斜板とシール部等とを一体に形成することができる。
上記発明においては、前記整流部には、前記母翼の上面と対向する領域に向かう流体流れが有するエネルギの一部を吸収する緩衝部が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、スラット本体が母翼から展開した場合には、スラット本体の下面から剥離した流れ(剪断層)は、スラット本体と母翼との間を流れた後に、緩衝部に衝突して緩衝部および凹部の面に沿って流れる。
緩衝部は剥離した流れが衝突した際に、当該流れのエネルギの一部を吸収するため、緩衝部に衝突した後の流れから発生する空力騒音の大きさを抑制することができる。
緩衝部は剥離した流れが衝突した際に、当該流れのエネルギの一部を吸収するため、緩衝部に衝突した後の流れから発生する空力騒音の大きさを抑制することができる。
上記発明においては、前記スラット本体の下面と前記凹部とが交わる稜線部から、前記母翼に向かって延びる板状の部材であって、前記中心軸線に対する角度を偏向可能とされた下面板が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、スラット本体を母翼に収納する場合には、凹部に母翼の前縁が収納される。このとき、下面板は中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、中心軸線に対する角度は、スラット本体の下面と母翼の下面とを滑らかに繋ぐ角度に偏向される。このようにすることで、スラット本体および母翼を備える翼の空力特性の低下を抑制することができる。
スラット本体が母翼から展開した場合には、気流の一部はスラット本体の下面および下面板に沿って流れ、下面板から流れが剥離する。下面板は中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、上述の剥離した流れの向きを偏向することができる。そのため、スラット本体を母翼に収納した状態と同一の下面板から流れが剥離する場合と比較して、剥離した流れの向きを偏向して剪断層を弱めることができ、空力騒音の発生を抑制できる。
一方で、剥離した流れは、スラット本体と母翼との間を流れた後に、傾斜板に衝突して傾斜板および凹部の面に沿って流れている。
下面板は中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、上述の剥離した流れの向きを偏向して、傾斜板との衝突角度を偏向できる。そのため、剥離した流れの向きを偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
下面板は中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、上述の剥離した流れの向きを偏向して、傾斜板との衝突角度を偏向できる。そのため、剥離した流れの向きを偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
上記発明においては、前記下面板は、前記スラット本体の前記稜線部に回動可能に支持され、前記下面板における他方の端部は、前記スラット本体が前記母翼に収納された状態で、前記母翼前縁と干渉することなく、空力特性を損なわない位置にあり、前記スラット本体が前記母翼から展開される際に、前記中心軸線に対して上方または下方に移動されることが望ましい。
本発明によれば、スラット本体を母翼に収納した場合には、下面板における母翼側の端部は、母翼前縁と干渉することなく、空力特性を損なわない位置、つまり下方(つまり、中心軸線から離れる方向)に回動される。そのため、下面板と母翼の前縁との干渉が回避される。さらに、下面板により、スラット本体の下面と母翼の下面とを滑らかに繋ぐことができる。
スラット本体が母翼から展開した場合、下面板における母翼側の端部は、中心軸線に対して上方(つまり、中心軸線に近づく方向)に回動される。そのため、上述の剥離した流れの向きを偏向して、傾斜板と衝突する角度を小さくすることにより、空力騒音の発生を抑制できる。
一方、下面板における母翼側の端部が、中心軸線に対して下方(つまり、中心軸線に離れる方向)に回動された場合でも、例えば、下面板として多孔板やセレーションなどを用いることにより、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
一方、下面板における母翼側の端部が、中心軸線に対して下方(つまり、中心軸線に離れる方向)に回動された場合でも、例えば、下面板として多孔板やセレーションなどを用いることにより、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
上記発明においては、前記下面板は、気流を透過しない部材、気流の一部を透過する部材、及び、前記母翼側の端部にセレーションを有する部材のいずれか、または、その組合せにより構成されることが望ましい。
本発明によれば、下面板を構成する部材として気流の一部を透過する部材を用いることにより、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
下面板の母翼側の端部にセレーションを設けることにより、下面板を構成する部材が気流の一部を透過する部材、気流を透過しない部材に係らず、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
下面板の母翼側の端部にセレーションを設けることにより、下面板を構成する部材が気流の一部を透過する部材、気流を透過しない部材に係らず、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
ここで、気流の一部を透過する部材としては、多孔板や網状の板等を例示することができる。また、セレーションとは、下面板の長手方向に沿って鋸状に形成された後縁のことである。
本発明の翼は、母翼と、該母翼の前縁に対して展開収納可能に配置された上記本発明の高揚力発生装置と、が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、上記本発明の高揚力発生装置を備えることにより、重量の増加を抑制しつつ、空力騒音の発生を抑制することができる。
本発明の高揚力発生装置の騒音低減構造は、母翼に対して展開収納可能に配置されたスラット本体が前記母翼に収納された際には、前記スラット本体における前記母翼と対向する位置に少なくとも前記母翼の前縁の一部を収納可能に形成された凹部と、前記母翼と、の間に収納され、前記スラット本体が前記母翼から展開された際には、前記母翼の上面に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制する整流部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、スラット本体を母翼に収納する場合には、整流部は母翼と凹部との間に収納されるため、母翼の前縁の形状は、整流部との干渉を考慮することなく、空力特性を損なわない形状として形成することができる。
スラット本体が母翼から展開した場合には、スラット本体の下面から剥離した流れ(剪断層)は、スラット本体と母翼との間を流れた後に、整流部に衝突して整流部および凹部の面に沿って流れる。
整流部は、整流部に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制できるため、整流部を設けていない場合と比較して、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制できる。
整流部は、整流部に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制できるため、整流部を設けていない場合と比較して、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制できる。
本発明の高揚力発生装置、翼および高揚力発生装置の騒音低減構造によれば、整流部に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制できるため、整流部を設けていない場合と比較して、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制することができるという効果を奏する。
必要とする構成要素が少ないため、機体重量の増加を抑制することができるという効果を奏する。
必要とする構成要素が少ないため、機体重量の増加を抑制することができるという効果を奏する。
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係る翼について、図1から図15を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る翼の概略を説明する模式図であって、スラットが収納された状態を説明する部分拡大図である。図2は、図1の翼においてスラットが展開された状態を説明する部分拡大図である。
翼1には、図1および図2に示すように、母翼2と、スラット(高揚力発生装置)3と、が設けられている。
この発明の第1の実施形態に係る翼について、図1から図15を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る翼の概略を説明する模式図であって、スラットが収納された状態を説明する部分拡大図である。図2は、図1の翼においてスラットが展開された状態を説明する部分拡大図である。
翼1には、図1および図2に示すように、母翼2と、スラット(高揚力発生装置)3と、が設けられている。
母翼2は、スラット3とともに翼1を構成する部材であり、スラット3の収納時には翼1として、および、スラット3の展開時には母翼2およびスラット3の対として必要な空力特性を実現できるような翼型に形成されている。
母翼2の前縁にはスラット3が配置され、母翼2の内部にはスラット3を収納および展開する駆動機構(図示せず)が設けられている。
なお、上述のように、母翼2およびスラット3のみから翼1を構成してもよいし、母翼2の後縁にフラップ等の他の高揚力発生装置を配置してもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように、母翼2およびスラット3のみから翼1を構成してもよいし、母翼2の後縁にフラップ等の他の高揚力発生装置を配置してもよく、特に限定するものではない。
図1に示すように、スラット3が収納された場合には、母翼2の前縁(図1の左端)にスラット3が接触し、母翼2とスラット3が一体となって翼1を構成している。一方、図2に示すように、スラット3が展開された場合には、スラット3は母翼2の前縁から斜め前方に下がり、母翼2とスラット3との間に間隔が形成されている。
さらに、スラット3は、収納状態から展開された際に、あるいは、展開された状態から収納された際に、スラット3の長手軸線(図1および図2の紙面に対して垂直な軸線)周りに回動される。具体的には、スラット3は収納状態から展開された際に、スラット3の前縁が下方に移動するように(図2において反時計回りに)回動され、展開された状態から収納された際に、スラット3の前縁が上方に移動するように(図1において時計回りに)回動される。
図3は、図1のスラットの構成を説明する概略図である。
スラット3には、図3に示すように、スラット本体4と、COVE(凹部)5と、傾斜板(整流部、騒音低減構造)6と、下面板7と、が設けられている。
スラット3には、図3に示すように、スラット本体4と、COVE(凹部)5と、傾斜板(整流部、騒音低減構造)6と、下面板7と、が設けられている。
スラット本体4は、母翼2とともに翼1を構成する部材であり、スラット3の収納時には翼1として、および、スラット3の展開時にはスラット3および母翼2の対として必要な空力特性を実現できるような翼型に形成されている。
スラット本体4には、気流の上流側端部である前縁8と、気流が沿って流れる上面9および下面10とが設けられ、母翼2と対向する位置にCOVE5が形成されている。
上面9は前縁8から滑らかに繋がる面であって、下面10よりも母翼2側に突出して延びるように形成されている。下面10は前縁8から滑らかに繋がる面であって、下流側の端部には下面板7が配置されている。
上面9は前縁8から滑らかに繋がる面であって、下面10よりも母翼2側に突出して延びるように形成されている。下面10は前縁8から滑らかに繋がる面であって、下流側の端部には下面板7が配置されている。
COVE5は、スラット本体4における母翼2と対向する領域に形成された凹部であって、スラット3が収納された際に母翼2の前縁が収納される部分である。
本実施形態においてCOVE5は、中心軸線CLに対して直交する面であるCOVE5の前部と、母翼2に向かって上面9に近づく対向面であるCOVE5の後部とから構成された例に適用して説明する。なお、COVE5は、上述の構成に限られることなく、一つの曲面から構成されたものであってもよく、特に限定するものではない。
本実施形態においてCOVE5は、中心軸線CLに対して直交する面であるCOVE5の前部と、母翼2に向かって上面9に近づく対向面であるCOVE5の後部とから構成された例に適用して説明する。なお、COVE5は、上述の構成に限られることなく、一つの曲面から構成されたものであってもよく、特に限定するものではない。
傾斜板6は、下面板7において剥離した流れが衝突する板状の部材である。傾斜板6は、母翼2側(図3における右側)の回動端部(一方の端部)11においてCOVE5の後部と回動可能に支持されている。言い換えると、傾斜板6は、前縁8側(図3の左側)の端部が中心軸線CLに接近離間可能に支持され、母翼2に向かって上方に傾く傾斜を有する面を構成している。
傾斜板6は、例えばバネなどの弾性部材により前縁8側の端部が中心軸線CLに接近する方向に付勢されている。このようにすることで、スラット3が展開されたときは弾性部材により、前縁8側の端部が中心軸線CLに接近する方向に回動される。一方、スラット3が収納されたときは、母翼2の上面に押圧され、前縁8側の端部は中心軸線CLから離間する方向に回動される。
傾斜板6における母翼2と対向する傾斜面12は、上述の剥離した流れが衝突する面であり、衝突後の流れが沿って流れる面である。
傾斜板6における母翼2と対向する傾斜面12は、上述の剥離した流れが衝突する面であり、衝突後の流れが沿って流れる面である。
なお、上述の実施形態ように、傾斜板6は板状の部材を回動可能に配置した構成であってもよいし、楔状の整流部をスラット本体4に対して収納突出可能に配置した構成であってもよく、特に限定するものではない。
下面板7は、下面10とCOVE5とが交わる稜線部13から母翼2に向かって延びる板状の部材である。下面板7は回動部14において稜線部13と接続され、回動部14を中心として回動可能に支持されている。言い換えると、下面板7は、母翼2側(図3の右側)の端部が中心軸線CLに接近離間可能に支持されている。
下面板7を構成する部材としては、気流を透過しない板状の部材から構成されていてもよいし、気流の一部を透過する多孔板や網状の板等の部材を用いてもよく、特に限定するものではない。
気流の一部を透過する部材を用いて下面板7を構成することにより、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
気流の一部を透過する部材を用いて下面板7を構成することにより、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
さらに、下面板7の後縁(図3の右側の縁)に、下面板7の長手方向(図3の紙面に対する垂直方向)に沿って鋸状に形成されたセレーションを設けてもよく、特に限定するものではない。
下面板7の後縁にセレーションを設けることにより、下面板7を構成する部材が気流を透過しない部材または気流の一部を透過する部材であるにかかわらず、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
下面板7の後縁にセレーションを設けることにより、下面板7を構成する部材が気流を透過しない部材または気流の一部を透過する部材であるにかかわらず、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
次に、上記の構成からなる翼1における動作について説明する。
翼1のスラット3は、離陸時および着陸時には図2に示すように、母翼2から展開され、巡航時には図1に示すように、収納されている。
翼1のスラット3は、離陸時および着陸時には図2に示すように、母翼2から展開され、巡航時には図1に示すように、収納されている。
なお、離陸時と着陸時とではスラット3を展開する程度が異なり、離陸時と比較して着陸時の方がスラット3はより大きく展開される。本実施形態においては、スラット3から発生する空力騒音がより顕著となる着陸時の動作を中心に説明を行う。
翼1を供えた航空機が着陸態勢に入ると、着陸時に必要となる空力特性を実現するため、母翼2からスラット3が、図2に示すように展開される。具体的には、スラット3は、翼1が失速を起こす迎角を増大させる、つまり大きな迎角まで失速させないように展開される。
このとき同時に、傾斜板6は回動端部11を中心に、前縁8側の端部が下方に回動する。一方、下面板7は回動部14を中心に、母翼2側の端部が上方に回動する。
このとき同時に、傾斜板6は回動端部11を中心に、前縁8側の端部が下方に回動する。一方、下面板7は回動部14を中心に、母翼2側の端部が上方に回動する。
翼1を供えた航空機が巡航状態にある場合には、図1に示すように、スラット3は母翼2に収納される。
このとき、傾斜板6は回動端部11を中心に、前縁8側の端部が上方に回動され、傾斜板6がCOVE5の後部に沿う位置に移動される。このようにすることで、傾斜板6と母翼2の前縁および上面との干渉が避けられる。
このとき、傾斜板6は回動端部11を中心に、前縁8側の端部が上方に回動され、傾斜板6がCOVE5の後部に沿う位置に移動される。このようにすることで、傾斜板6と母翼2の前縁および上面との干渉が避けられる。
一方、下面板7は回動部14を中心に、母翼2側の端部が中心軸線CLから下方に回動され、スラット本体4の下面10と、母翼2の下面とが滑らかに接続する位置に移動される。このようにすることで、下面板7と母翼2との干渉を避けるとともに、翼1の空力特性の低下が防止される。
次に、本実施形態の翼1における空力騒音の測定結果について説明する。ここでは、比較対象として、なんら空力騒音の軽減対策を施していない従来の翼と、特許文献1に記載された翼と、本実施形態の翼1における各変形例との比較を行いつつ説明を行う。
まず、測定装置について説明する。
まず、測定装置について説明する。
図4は、図1の翼等の空力騒音の測定に用いた測定装置の概略を説明する模式図である。
測定装置15には、図4に示すように、翼1に向かって気流を発生させる風洞ノズル16と、翼1から発生する空力騒音を測定するマイク17とが設けられている。
測定装置15には、図4に示すように、翼1に向かって気流を発生させる風洞ノズル16と、翼1から発生する空力騒音を測定するマイク17とが設けられている。
風洞ノズル16の吹き出し口は、翼1(あるいはスラット本体4)の前縁8から翼弦長Cだけ離れた位置に配置されている。
マイク17は、翼1の下面側に、遠方場の音響計測に十分な距離に配置されている。言い換えると、翼1の下面10側に10Cだけ離れた位置に配置されている。
マイク17は、翼1の下面側に、遠方場の音響計測に十分な距離に配置されている。言い換えると、翼1の下面10側に10Cだけ離れた位置に配置されている。
図5は、図4の測定装置において空力騒音を測定した従来のスラットの形状を説明する模式図である。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した従来の翼におけるスラット3Aは、図5に示すように、スラット本体4の下面10に沿って延びる下面板7Aが設けられ、COVE5A内は、母翼との干渉を避けるための空間が形成されている。下面板7Aの取り付け角度は固定されている。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した従来の翼におけるスラット3Aは、図5に示すように、スラット本体4の下面10に沿って延びる下面板7Aが設けられ、COVE5A内は、母翼との干渉を避けるための空間が形成されている。下面板7Aの取り付け角度は固定されている。
図6は、図4の測定装置において空力騒音を測定した本実施形態の下面板のみを備えたスラットの形状を説明する模式図である。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した本実施形態の下面板7のみを備えたスラット3Bには、図6に示すように、下面板7が中心軸線CL側に回動した状態で固定されている。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した本実施形態の下面板7のみを備えたスラット3Bには、図6に示すように、下面板7が中心軸線CL側に回動した状態で固定されている。
図7は、図4の測定装置において空力騒音を測定した本実施形態の整流部のみを備えたスラットの形状を説明する模式図である。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した本実施形態の傾斜板6のみを備えたスラット3Cには、図7に示すように、スラット本体4の下面10に沿って延びる下面板7Aが設けられ、COVE5内は、本実施形態の傾斜板6が、スラット本体4側の端部が中心軸線CL側に回動した状態で固定されている。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した本実施形態の傾斜板6のみを備えたスラット3Cには、図7に示すように、スラット本体4の下面10に沿って延びる下面板7Aが設けられ、COVE5内は、本実施形態の傾斜板6が、スラット本体4側の端部が中心軸線CL側に回動した状態で固定されている。
図8は、図4の測定装置において空力騒音を測定した本実施形態のスラットの形状を説明する模式図である。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した本実施形態のスラット3には、図8に示すように、下面板7が中心軸線CL側に回動した状態で固定され、傾斜板6が中心軸線CL側に回動した状態で固定されている。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した本実施形態のスラット3には、図8に示すように、下面板7が中心軸線CL側に回動した状態で固定され、傾斜板6が中心軸線CL側に回動した状態で固定されている。
図9は、図4の測定装置において空力騒音を測定した特許文献1に記載のスラットの形状を説明する模式図である。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した特許文献1に記載のスラット3Dには、図9に示すように、COVE5を埋めるとともにスラット本体4の下面10に沿う空気流れを導く曲面18が形成された充填部材19が設けられている。
本実施形態の翼1との比較対象として空力騒音を測定した特許文献1に記載のスラット3Dには、図9に示すように、COVE5を埋めるとともにスラット本体4の下面10に沿う空気流れを導く曲面18が形成された充填部材19が設けられている。
図10は、図5から図9に示すスラットにおける空力騒音の測定結果を示すグラフである。
図10において、太線はスラット3A(図5参照。)における空力騒音の音圧レベル(Sound Pressure Level:SPL(dB))を示すグラフであり、白抜き菱形(◇)はスラット3B(図6参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフであり、黒塗り三角(▲)はスラット3C(図7参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフであり、白抜き丸(○)は本実施形態のスラット3(図8参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフであり、バツ(×)はスラット3D(図9参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフである。
図10において、太線はスラット3A(図5参照。)における空力騒音の音圧レベル(Sound Pressure Level:SPL(dB))を示すグラフであり、白抜き菱形(◇)はスラット3B(図6参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフであり、黒塗り三角(▲)はスラット3C(図7参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフであり、白抜き丸(○)は本実施形態のスラット3(図8参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフであり、バツ(×)はスラット3D(図9参照。)における空力騒音の音圧レベルを示すグラフである。
図10に示されているように、スラット3Dにおける空力騒音の音圧レベルが最も低く、その次にスラット3における空力騒音の音圧レベルが低くなっている。そこからスラット3C、スラット3Bの順に音圧レベルが高くなり、スラット3Aにおける空力騒音の音圧レベルが最も高くなっている。
次に、スラットが展開されたときにおける、スラットおよび母翼周りの流れ場について説明する。
図11は、スラット展開時における図5のスラットおよび母翼周りの流れ場を説明する流跡線を示す図である。
母翼2からスラット3Aが展開されると、図11に示すように、気流はスラット本体4の前縁8に沿って流れ、その一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
図11は、スラット展開時における図5のスラットおよび母翼周りの流れ場を説明する流跡線を示す図である。
母翼2からスラット3Aが展開されると、図11に示すように、気流はスラット本体4の前縁8に沿って流れ、その一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
下面10に沿って流れた気流は、下面10から下面板7Aに沿って流れ、下面板7Aの端部において剥離する。剥離した流れは、下面板7Aの延びる方向に向かって流れた後、スラット本体4のCOVE5と母翼2との間に流入してCOVE5の後部に衝突する。衝突した流れは、COVE5の後部に沿って流れ、上面9に沿って流れてきた気流と合流し、母翼2の上面に沿って流れる。
本形態はスラットの従来形態を示している。
図12は、スラット展開時における図6のスラットおよび母翼周りの流れ場を説明する流跡線を示す図である。
スラット3Bが母翼2から展開されると、図12に示すように、気流は、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
スラット3Bが母翼2から展開されると、図12に示すように、気流は、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
下面10に沿って流れた気流は、下面10から下面板7に沿って流れ、下面板7の端部において剥離する。剥離した流れは、下面板7の延びる方向に向かって流れた後、スラット本体4のCOVE5Aと母翼2との間に流入してCOVE5Aの後部に衝突する。衝突した流れは、COVE5の後部に沿って流れ、上面9に沿って流れてきた気流と合流し、母翼2の上面に沿って流れる。
前述の従来形態のスラット3Aと比較して、下面板7の端部から剥離した流れは、COVE5A側に偏向して流れるため、剥離流れの剪断層が弱められる。また、偏向されることで、COVE5Aの後部に対する流れの衝突角度は小さくなる。
図13は、スラット展開時における図7のスラットおよび母翼周りの流れ場を説明する流跡線を示す図である。
スラット3Cが母翼2から展開されると、図12に示すように、気流は、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
スラット3Cが母翼2から展開されると、図12に示すように、気流は、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
下面10に沿って流れた気流は、下面10から下面板7Aに沿って流れ、下面板7Aの端部において剥離する。剥離した流れは、下面板7Aの延びる方向に向かって流れた後、スラット本体4のCOVE5と母翼2との間に流入して傾斜板6の傾斜面12に衝突する。衝突した流れは、傾斜面12および後部に沿って流れ、上面9に沿って流れてきた気流と合流し、母翼2の上面に沿って流れる。
前述の従来形態のスラット3Aと比較して、下面板7Aの端部から剥離した流れは、COVE5と母翼2との間に流入して、傾斜板6の傾斜面12に衝突する。傾斜面12はCOVE5Aの後部よりも剥離した流れに対する角度が小さく、流れの衝突角度が小さくなる。
図14は、スラット展開時における図8のスラットおよび母翼周りの流れ場を説明する流跡線を示す図である。
母翼2からスラット3が展開されると、図14に示すように、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
母翼2からスラット3が展開されると、図14に示すように、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
下面10に沿って流れた気流は、下面10から下面板7に沿って流れ、下面板7の端部において剥離する。剥離した流れは、下面板7の延びる方向に向かって流れた後、スラット本体4のCOVE5と母翼2との間に流入して傾斜板6の傾斜面12に衝突する。衝突した流れは、傾斜面12に沿って流れ、上面9に沿って流れてきた気流と合流し、母翼2の上面に沿って流れる。
上述したスラット3A、3Cと比較して、下面板7の効果により剥離した流れの剪断層が弱められ、傾斜板6の傾斜面12に対する流れの衝突角度が小さくなる。
同じ下面板7を有する、上述のスラット3Bと比較すると、傾斜板6の効果により傾斜板6の傾斜面12に対する流れの衝突角度が小さくなる。
このように、各スラット3A,3B,3Cと比較して、剥離した流れの剪断層が弱められ、流れの衝突角度が小さくなっているため、発生する圧力変動が抑えられ、空力騒音の音圧レベルが抑制されると考えられる。
同じ下面板7を有する、上述のスラット3Bと比較すると、傾斜板6の効果により傾斜板6の傾斜面12に対する流れの衝突角度が小さくなる。
このように、各スラット3A,3B,3Cと比較して、剥離した流れの剪断層が弱められ、流れの衝突角度が小さくなっているため、発生する圧力変動が抑えられ、空力騒音の音圧レベルが抑制されると考えられる。
図15は、スラット展開時における図9のスラットおよび母翼周りの流れ場を説明する流跡線を示す図である。
最後に、母翼2からスラット3Dが展開されると、図15に示すように、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
最後に、母翼2からスラット3Dが展開されると、図15に示すように、上述と同様に、一部は前縁8から上面9に沿って流れ、残りは前縁8から下面10に沿って流れる。
下面10に沿って流れた気流は、下面10から曲面18に沿って滑らかに流れ、スラット本体4と母翼2との間に流入する。その後、気流は、さらに曲面18に沿って滑らかに流れの向きを変え上面9に沿って流れてきた気流と合流し、母翼2の上面に沿って流れる。
気流は上述のように衝突することなく流れるため、発生する空力騒音の音圧レベルは上述のスラットの中で最も低くなると考えられる。
気流は上述のように衝突することなく流れるため、発生する空力騒音の音圧レベルは上述のスラットの中で最も低くなると考えられる。
上記の構成によれば、スラット本体4が母翼2から展開した場合には、気流の一部はスラット本体4の下面10に沿って流れ、下面10から流れが剥離する。剥離した流れ(剪断層)は、スラット本体4と母翼2との間を流れた後に、傾斜面12に衝突して傾斜面12およびCOVE5の面に沿って流れる。
傾斜板6の傾斜面12は中心軸線CLに対して角度が偏向可能であるため、上述の剪断層と傾斜面12との衝突角度を偏向できる。そのため、衝突角度を偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
一方、特許文献1に記載された技術と比較して、必要とする構成要素が少なく、重量の増加を抑制することができる。
一方、特許文献1に記載された技術と比較して、必要とする構成要素が少なく、重量の増加を抑制することができる。
スラット本体4を母翼2に収納する場合には、COVE5に母翼2の前縁が収納される。このとき、傾斜面12は中心軸線CLに対して角度が偏向可能であるため、傾斜面12の角度は母翼2の上面との干渉を避ける角度に偏向される。このようにすることで、母翼2の前縁の形状は、傾斜板6の傾斜面12との干渉を考慮することなく、空力特性を損なわない形状として形成することができる。
スラット本体4を母翼2に収納した場合には、傾斜板6における他方の端部は、母翼2の前縁と干渉することなく空力特性を損なわない位置、つまり一方の端部を中心として上方に回動する。そのため、傾斜面12と母翼2の上面との間隔を広げて干渉の発生を防止することができる。
スラット本体4が母翼2から展開した場合、傾斜板6における端部は、中心軸線CLに対して下方、つまり回動端部11を中心として下方に回動される。そのため、上述の空気流れと傾斜面12との衝突角度を小さくすることができる。
スラット本体4が母翼2から展開した場合、傾斜板6における端部は、中心軸線CLに対して下方、つまり回動端部11を中心として下方に回動される。そのため、上述の空気流れと傾斜面12との衝突角度を小さくすることができる。
スラット本体4を母翼2に収納する場合には、COVE5に母翼2の前縁が収納される。このとき、下面板7は中心軸線に対して角度が偏向可能であるため、中心軸線CLに対する角度は、スラット本体4の下面10と母翼2の下面とを滑らかに繋ぐ角度に偏向される。このようにすることで、スラット本体4および母翼2を備える翼1の空力特性の低下を抑制することができる。
スラット本体4が母翼2から展開した場合には、気流の一部はスラット本体4の下面10および下面板7に沿って流れ、下面板7から流れが剥離する。下面板7は中心軸線CLに対して角度が偏向可能であるため、上述の剥離した流れの向きを偏向することができる。そのため、スラット本体を母翼に収納した状態と同一の下面板から流れが剥離する場合と比較して、剥離した流れの向きを偏向して剪断層を弱めることができ、空力騒音の発生を抑制できる。
一方で、剥離した流れは、スラット本体4と母翼2との間を流れた後に、傾斜面12に衝突して傾斜面12およびCOVE5の面に沿って流れている。
下面板7は中心軸線CLに対して角度が偏向可能であるため、上述の剥離した流れの向きを偏向して、傾斜面12との衝突角度を偏向できる。そのため、剥離した流れの向きを偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
下面板7は中心軸線CLに対して角度が偏向可能であるため、上述の剥離した流れの向きを偏向して、傾斜面12との衝突角度を偏向できる。そのため、剥離した流れの向きを偏向できない場合と比較して、空力騒音の発生が少ない衝突角度を選択することにより、空力騒音の発生を抑制できる。
一方、下面板7における母翼2の端部が、中心軸線CLに対して下方に回動された場合でも、例えば、下面板7として多孔板等を用いることにより、剥離した流れの剪断層が弱まり、空力騒音を減少させることができる。
スラット本体4を母翼2に収納した場合には、下面板7における母翼2側の端部は、母翼2の前縁と干渉することなく、空力特性を損なわない位置、つまり下方に回動される。そのため、下面板7と母翼2の前縁との干渉が回避される。さらに、下面板7により、スラット本体4の下面10と母翼2の下面とを滑らかに繋ぐことができる。
スラット本体4が母翼2から展開した場合、下面板7における母翼2側の端部は、中心軸線CLに対して上方、つまり上方に回動される。そのため、上述の剥離した流れの向きを偏向し、傾斜面12と衝突する角度を小さくすることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図16から図20を参照して説明する。
本実施形態の翼の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、スラットにおける騒音低減構造の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16から図20を用いてスラット周辺のみを説明し、母翼等の説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態について図16から図20を参照して説明する。
本実施形態の翼の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、スラットにおける騒音低減構造の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16から図20を用いてスラット周辺のみを説明し、母翼等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係るスラットの構成を説明する断面視図である。図17は、図16の整流部の構成を説明する断面視図である。図18は、図17の整流部におけるスラットへの取り付け構造を説明する断面視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
翼101のスラット3には、図16から図18に示すように、スラット本体4と、COVE5と、整流部(騒音低減構造)106と、が設けられている。
整流部106は、下面板7において剥離した流れが衝突する部分であって、流れの乱れ発生を抑制する部分である。
整流部106は、下面板7において剥離した流れが衝突する部分であって、流れの乱れ発生を抑制する部分である。
整流部106には、基板111と、シール部112と、傾斜板113と、抑え部114と、が設けられており、基板111、シール部112および傾斜板113は、シリコーンゴムや、クロロプレンゴムや、ニトリルゴムや、フッ素シリコーンゴムや、フッ素ゴム等の弾性部材を用いて一体に形成されている。
このようにすることで、傾斜板113がシール部112等とは異なる材料を用いて形成されている場合と比較して、整流部106を同一材料であるゴム等を用いて一体に形成できるため、その形成が容易となる。さらに、一体形成されているため、傾斜板113がシール部112等から離脱しにくくなる。
このようにすることで、傾斜板113がシール部112等とは異なる材料を用いて形成されている場合と比較して、整流部106を同一材料であるゴム等を用いて一体に形成できるため、その形成が容易となる。さらに、一体形成されているため、傾斜板113がシール部112等から離脱しにくくなる。
基板111は、スラット本体4の壁面に沿って延びる略板状の部材であって、図18に示すように、抑え部114とともに整流部106をスラット本体4に固定するものである。さらに、基板111における前縁側端部(図17および図18の左側端部)の近傍にはシール部112が配置され、後縁側端部(図17および図18の右側端部)の近傍には傾斜板113の端部が配置されている。
シール部112は、スラット本体4の長手方向(図17および図18の紙面に対して垂直な方向)に延びる断面が略C状の部材である。シール部112は、スラット本体4が収納された場合にはシール機能を発揮し、スラット本体4が展開された場合には、シール部112の弾性により傾斜板113の傾斜を所定の角度に保持する機能を発揮するものである。
シール部112には、翼101の後縁側に向かって開口するとともに、スラット本体4の長手方向に延びる切欠き部121が形成されている。さらに、シール部112におけるスラット本体4側の端部(図17および図18の上側の端部)には基板111が配置され、母翼2側の端部(図17および図18の下側の端部)には傾斜板113の端部が配置されている。
傾斜板113は、下面板7において剥離した流れが衝突する板状の部材である。
傾斜板113は、後縁側(図17および図18における右側)の端部が基板111に配置され、前縁側(図17および図18における左側)の端部がシール部112に配置されている。
言い換えると、傾斜板113は、前縁側の端部が、シール部112によって中心軸線CL(図16参照。)に接近離間可能に支持され、母翼2に向かって上方に傾く傾斜を有する傾斜面を構成している。
傾斜板113は、後縁側(図17および図18における右側)の端部が基板111に配置され、前縁側(図17および図18における左側)の端部がシール部112に配置されている。
言い換えると、傾斜板113は、前縁側の端部が、シール部112によって中心軸線CL(図16参照。)に接近離間可能に支持され、母翼2に向かって上方に傾く傾斜を有する傾斜面を構成している。
傾斜板113における母翼2と対向する面には、ポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))や、ポリエステルなどから構成される摺動層131が設けられている。より具体的には、スラット本体4が収納された際に、母翼2と接触する領域に摺動層131が設けられている。
抑え部114は、スラット本体4の壁面に沿って延びる一対の略板状の部材であって、図18に示すように、スラット本体4との間に基板111を挟むことにより整流部106をスラット本体4に固定するものである。
前縁側に配置された抑え部114は、スラット本体4との間にシール部112よりも前縁側に向かって延びる基板111を挟んで配置され、ネジなどのファスナによりスラット本体4に固定されている。
後縁側に配置された抑え部114は、スラット本体4との間に傾斜板113よりも後縁側に向かって延びる基板111を挟んで配置され、ネジなどのファスナによりスラット本体4に固定されている。
後縁側に配置された抑え部114は、スラット本体4との間に傾斜板113よりも後縁側に向かって延びる基板111を挟んで配置され、ネジなどのファスナによりスラット本体4に固定されている。
次に、上記の構成からなる翼101における動作について説明する。
図19は、スラットが母翼から展開された時の整流部の状態を説明する模式図である。
翼101を供えた航空機が着陸態勢もしくは離陸態勢に入ると、着陸時もしくは離陸時に必要となる空力特性を実現するため、スラット3が、図19に示すように展開される。
このとき同時に、弾性変形していたシール部112が元の形状に戻ることにより、傾斜板113における前縁側の端部が下方に回動する。
図19は、スラットが母翼から展開された時の整流部の状態を説明する模式図である。
翼101を供えた航空機が着陸態勢もしくは離陸態勢に入ると、着陸時もしくは離陸時に必要となる空力特性を実現するため、スラット3が、図19に示すように展開される。
このとき同時に、弾性変形していたシール部112が元の形状に戻ることにより、傾斜板113における前縁側の端部が下方に回動する。
図20は、スラットが母翼に収納された時の整流部の状態を説明する模式図である。
翼101を供えた航空機が巡航状態にある場合には、図20に示すように、スラット3は母翼2に収納される。
このとき、整流部106のシール部112および傾斜板113は母翼2と接触し、シール部112は母翼2とスラット本体4とにより押しつぶされ変形する。一方、傾斜板113は、スラット本体4に接近する。そのため、整流部106と、母翼2の前縁および上面との干渉が避けられる。
翼101を供えた航空機が巡航状態にある場合には、図20に示すように、スラット3は母翼2に収納される。
このとき、整流部106のシール部112および傾斜板113は母翼2と接触し、シール部112は母翼2とスラット本体4とにより押しつぶされ変形する。一方、傾斜板113は、スラット本体4に接近する。そのため、整流部106と、母翼2の前縁および上面との干渉が避けられる。
さらに、スラット3を展開や収納する際には、傾斜板113の摺動層131が母翼2に接触した状態で、前縁側から後縁側へ、または、後縁側から前縁側へ移動する。摺動層131は、ポリ四フッ化エチレンなどの摩擦係数が低い材料から構成されているため、傾斜板113と母翼2とが相対移動する際の摩擦抵抗が低くなる。
つまり、スラット3を展開や収納するアクチュエータ(図示せず)にかかる負荷の増加を抑制することができる。
つまり、スラット3を展開や収納するアクチュエータ(図示せず)にかかる負荷の増加を抑制することができる。
上記の構成によれば、スラット本体4が母翼2に収納された場合、シール部112は母翼2の上面と接触する。そのため、スラット本体4および母翼2の隙間がシールされ、COVE5内への水や塵埃などの浸入防止を図ることができる。
さらに、シール部112は、母翼2の上面と接触して変形するため、傾斜板113における前縁側の端部は、母翼2の前縁と干渉することなく空力特性を損なわない位置、つまり後縁側の端部を中心として上方に(つまり、中心軸線CL(図16参照。)から離れる方向に)変形する。
そのため、整流部106を、スラット本体4と母翼2の上面との隙間に干渉することなく収納することができる。
そのため、整流部106を、スラット本体4と母翼2の上面との隙間に干渉することなく収納することができる。
一方、スラット本体4が母翼2から展開されると、母翼2の上面と接触して押しつぶされていたシール部112の形状が復元される。すると、後縁側の端部を中心として中心軸線CL(図16参照。)に対して上方に変形していた傾斜板113の形状も復元される。
そのため、上述の剪断層と傾斜板113との衝突角度を小さくすることができる。
そのため、上述の剪断層と傾斜板113との衝突角度を小さくすることができる。
図21は、図17の整流部の別の実施形態を説明する断面視図である。図22は、図21の整流部におけるストラットへの取り付け構造を説明する断面視図である。
なお、上述のように、シール部112に切欠き部121を形成してもよいし、図21に示すように、切欠き部121を設けていないシール部112であってもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように、シール部112に切欠き部121を形成してもよいし、図21に示すように、切欠き部121を設けていないシール部112であってもよく、特に限定するものではない。
切欠き部121を設けていないシール部112を有する整流部106の場合には、図22に示すように、傾斜板113とスラット本体4との間に抑え部114を配置して、整流部106をスラット本体4に取り付けてもよく、特に限定するものではない。
言い換えると、抑え部114は、シール部112から後縁側に向かって延びる基板111を、スラット本体4との間に挟むように配置してもよい。
言い換えると、抑え部114は、シール部112から後縁側に向かって延びる基板111を、スラット本体4との間に挟むように配置してもよい。
図23は、図17の整流部の更に別の実施形態を説明する断面視図である。
なお、上述のように、傾斜板113をシール部112と同様に、弾性部材であるゴム等で形成してもよいし、図23に示すように、傾斜板113Aを合成樹脂や金属など、シール部112等とは異なる剛性の高い材料から形成してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、ゴム等から形成された傾斜板113と比較して、傾斜板113Aに流れが衝突しても傾斜板113Aの変形量が少なく、衝突する流れにおける乱れの発生をより効果的に抑制できる。つまり、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制することができる。
なお、上述のように、傾斜板113をシール部112と同様に、弾性部材であるゴム等で形成してもよいし、図23に示すように、傾斜板113Aを合成樹脂や金属など、シール部112等とは異なる剛性の高い材料から形成してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、ゴム等から形成された傾斜板113と比較して、傾斜板113Aに流れが衝突しても傾斜板113Aの変形量が少なく、衝突する流れにおける乱れの発生をより効果的に抑制できる。つまり、流れの乱れに起因する空力騒音の発生を抑制することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図24を参照して説明する。
本実施形態の翼の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、スラットにおける騒音低減構造の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図24を用いてスラット周のみを説明し、母翼等の説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施形態について図24を参照して説明する。
本実施形態の翼の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、スラットにおける騒音低減構造の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図24を用いてスラット周のみを説明し、母翼等の説明を省略する。
図24は、本実施形態に係る整流部の構成を説明する断面視図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
翼201のスラット3には、図24に示すように、スラット本体4と、COVE5と、整流部(騒音低減構造)206と、が設けられている。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
翼201のスラット3には、図24に示すように、スラット本体4と、COVE5と、整流部(騒音低減構造)206と、が設けられている。
整流部206は、流れの乱れ発生を抑制する部分である。
整流部206には、基板111と、シール部112と、緩衝部213と、が設けられており、基板111およびシール部112は、シリコーンゴムや、クロロプレンゴムや、ニトリルゴムや、フッ素シリコーンゴムや、フッ素ゴムなどの弾性部材を用いて一体に形成されている。
整流部206には、基板111と、シール部112と、緩衝部213と、が設けられており、基板111およびシール部112は、シリコーンゴムや、クロロプレンゴムや、ニトリルゴムや、フッ素シリコーンゴムや、フッ素ゴムなどの弾性部材を用いて一体に形成されている。
緩衝部213は、下面板7において剥離した流れが衝突する部分であって、流れの乱れ発生を抑制する部分である。
緩衝部213は、シール部112から後縁側に向かって延びる基板111から、母翼2側に向かって延びる複数の繊維、例えばポリエステル繊維から構成された柔毛材を有している。言い換えると、鳥の羽毛や綿毛のように細く柔らかい繊維、あるいは、羽毛や綿毛のように細く柔らかい繊維に糸状化学繊維を混入し、難燃性を持たせた柔毛材を有している。
緩衝部213は、シール部112から後縁側に向かって延びる基板111から、母翼2側に向かって延びる複数の繊維、例えばポリエステル繊維から構成された柔毛材を有している。言い換えると、鳥の羽毛や綿毛のように細く柔らかい繊維、あるいは、羽毛や綿毛のように細く柔らかい繊維に糸状化学繊維を混入し、難燃性を持たせた柔毛材を有している。
さらに言い換えると、柔毛材を構成する複数の繊維は、基板111からムートンやボア状に植えられている。
一方、緩衝部213における母翼2側の端面は、前縁側から後縁側に向かって、基板111に近づく傾斜面として形成されている。
一方、緩衝部213における母翼2側の端面は、前縁側から後縁側に向かって、基板111に近づく傾斜面として形成されている。
次に、上記の構成からなる翼201における動作について説明する。
翼201を供えた航空機が着陸態勢もしくは離陸態勢に入ると、着陸時もしくは離陸時に必要となる空力特性を実現するため、スラット3が展開される。
このとき同時に、弾性変形していたシール部112が元の形状に戻る。
一方、スラット本体4の下面から剥離した流れは緩衝部213に衝突し、流れの有するエネルギが緩衝部213に吸収される。
翼201を供えた航空機が着陸態勢もしくは離陸態勢に入ると、着陸時もしくは離陸時に必要となる空力特性を実現するため、スラット3が展開される。
このとき同時に、弾性変形していたシール部112が元の形状に戻る。
一方、スラット本体4の下面から剥離した流れは緩衝部213に衝突し、流れの有するエネルギが緩衝部213に吸収される。
翼201を供えた航空機が巡航状態にある場合には、スラット3は母翼2に収納される。
このとき、整流部206のシール部112および緩衝部213は母翼2と接触し、シール部112は母翼2とスラット本体4とにより押しつぶされ変形する。一方、緩衝部213も母翼2に押しつぶされ変形する。そのため、整流部206と、母翼2の前縁および上面との干渉が避けられる。
このとき、整流部206のシール部112および緩衝部213は母翼2と接触し、シール部112は母翼2とスラット本体4とにより押しつぶされ変形する。一方、緩衝部213も母翼2に押しつぶされ変形する。そのため、整流部206と、母翼2の前縁および上面との干渉が避けられる。
上記の構成によれば、スラット本体4が母翼2から展開した場合には、スラット本体4の下面から剥離した流れ(剪断層)は、スラット本体4と母翼2との間を流れた後に、緩衝部213に衝突して緩衝部213およびCOVE5の面に沿って流れる。
緩衝部213は剥離した流れが衝突した際に、当該流れのエネルギの一部を吸収するため、緩衝部213に衝突した後の流れから発生する空力騒音の大きさを抑制することができる。
緩衝部213は剥離した流れが衝突した際に、当該流れのエネルギの一部を吸収するため、緩衝部213に衝突した後の流れから発生する空力騒音の大きさを抑制することができる。
1,101,201 翼
2 母翼
3 スラット(高揚力発生装置)
4 スラット本体
5 COVE(凹部)
6 傾斜板(整流部、騒音低減構造)
7 下面板
12 傾斜面
13 稜線部
106,206 整流部(騒音低減構造)
113,113A 傾斜板
213 緩衝部
2 母翼
3 スラット(高揚力発生装置)
4 スラット本体
5 COVE(凹部)
6 傾斜板(整流部、騒音低減構造)
7 下面板
12 傾斜面
13 稜線部
106,206 整流部(騒音低減構造)
113,113A 傾斜板
213 緩衝部
Claims (11)
- 母翼に対して展開収納可能に配置されたスラット本体と、
該スラット本体における前記母翼と対向する位置に、少なくとも前記母翼の前縁の一部を収納可能に形成された凹部と、
前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に配置され、
前記スラット本体が前記母翼に収納された際には、前記母翼と前記凹部との間に収納され、
前記スラット本体が前記母翼から展開された際には、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制する整流部と、
が設けられていることを特徴とする高揚力発生装置。 - 前記整流部には、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域に、前記スラット本体の中心軸線に対する角度を偏向可能とされた傾斜板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高揚力発生装置。
- 前記傾斜板における前記母翼側の一方の端部は、前記スラット本体に回動可能に支持され、
前記傾斜板における他方の端部は、前記スラット本体が前記母翼に収納された状態で、前記母翼前縁と干渉することなく、空力特性を損なわない位置にあり、前記スラット本体が前記母翼から展開される際に、前記中心軸線に対して下方に移動されることを特徴とする請求項2記載の高揚力発生装置。 - 前記スラット本体が延びる方向に沿って延び、前記スラット本体が前記母翼に収納された際に、前記凹部における前記母翼の上面と対向する領域と接触して変形するシール部が設けられ、
前記傾斜板における前記母翼側の一方の端部は、前記スラット本体に回動可能に支持され、
前記傾斜板における他方の端部は、前記シール部に支持されていることを特徴とする請求項2記載の高揚力発生装置。 - 前記傾斜板は、弾性を有する材料から形成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の高揚力発生装置。
- 前記整流部には、前記母翼の上面と対向する領域に向かう流体流れが有するエネルギの一部を吸収する緩衝部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高揚力発生装置。
- 前記スラット本体の下面と前記凹部とが交わる稜線部から、前記母翼に向かって延びる板状の部材であって、前記中心軸線に対する角度を偏向可能とされた下面板が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の高揚力発生装置。
- 前記下面板は、前記スラット本体の前記稜線部に回動可能に支持され、
前記下面板における他方の端部は、前記スラット本体が前記母翼に収納された状態で、前記母翼前縁と干渉することなく、空力特性を損なわない位置にあり、前記スラット本体が前記母翼から展開される際に、前記中心軸線に対して上方または下方に移動されることを特徴とする請求項7記載の高揚力発生装置。 - 前記下面板は、気流を透過しない部材、気流の一部を透過する部材、及び、前記母翼側の端部にセレーションを有する部材のいずれか、または、その組合せにより構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の高揚力発生装置。
- 母翼と、
該母翼の前縁に対して展開収納可能に配置された請求項1から請求項9のいずれかに記載の高揚力発生装置と、
が設けられたことを特徴とする翼。 - 母翼に対して展開収納可能に配置されたスラット本体が前記母翼に収納された際には、
前記スラット本体における前記母翼と対向する位置に少なくとも前記母翼の前縁の一部を収納可能に形成された凹部と、前記母翼と、の間に収納され、
前記スラット本体が前記母翼から展開された際には、
前記母翼の上面に衝突する流れにおける乱れの発生を抑制する整流部が設けられていることを特徴とする高揚力発生装置の騒音低減構造。
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