JP4697920B2 - 床構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば建築物の床に適用される遮音制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】
従来、建築物の床構造としては、図7に示すように床躯体(31)上にスペーサー(32)を介して床下地板(33)を張設し、該床下地板(33)上に床材(34)を張設した構造が提供されている。
【0003】
最近の建築物では、アトピー性皮膚炎の予防対策のため、該床材(34)としてカーペットに代えて表面に化粧を施した化粧合板が使用されている。しかしこのような化粧合板を床材として使用した場合、該化粧合板は衝撃吸収性に乏しいので、その上に物を落とした場合には階下にそのまま衝撃音が伝わると云う問題点がある。そのために該床材(34)の下側にゴムシート(35)を介在させる構造が提供されているが、該ゴムシート(35)は遮音制振効果が充分でない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、床基盤(11,21) と、該床基盤(11,21) 上に形成されている遮音制振層(12,22) と、該遮音制振層(12,22) 上に張設されている表面材(13,23) とからなり、該遮音制振層(12,22) は合成樹脂、ゴムおよびエラストマーからなる組から選ばれた一種または二種以上の混合物からなる弾性層(12A,22A) とモルタル層(12B,22B) とからなり、該弾性層(12A,22A) および該モルタル層(12B,22B) 中には、電気炉酸化スラグ粒状物が分散されている床構造を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
〔遮音制振層〕
本発明の遮音制振層は弾性層とモルタル層とからなり、該弾性層と該モルタル層とはどちらが上側にされてもよいし、どちらが下側にされてもよい。
【0006】
〔弾性層〕
本発明の遮音制振層の弾性層としては合成樹脂、ゴムおよびエラストマーの一種または二種以上の混合物が使用される。上記合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレンターポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等のような熱硬化性樹脂等が例示され、上記ゴムとしては、アクリルゴム、ブチルゴム、ケイ素ゴム、ウレタンゴム、フッ化物系ゴム、多硫化物系ゴム、グラフトゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブテンゴム、イソブテン−イソプレンゴム、アクリレート−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ピリジン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、アクリロニトリル−クロロプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム等の合成ゴムや天然ゴムが例示され、上記エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−水素添加ポリオレフィン−スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーやブタジエン−スチレンプロック共重合体、スチレン−ゴム中間ブロック−スチレン共重合体等が例示される。上記合成樹脂、ゴムあるいはエラストマーには粘弾性を付与するために、ブローンアスファルト、アスファルトコンパウンド、ストレートアスファルト、タール、ピッチ等の瀝青質、鉱物油、可塑剤等が添加されてもよい。該可塑剤としてはジオクチルフタレイト、ジブチルフタレイト、トリクレジルホスフェイト等が例示される。
【0007】
〔電気炉酸化スラグ粒状物〕
上記弾性層中に分散される電気炉酸化スラグは通常CaO10〜26重量%、SiO8〜22重量%、MnO4〜7重量%、MgO2〜8重量%、FeO13〜32重量%、Fe9〜45重量%、Al4〜16重量%、Cr1〜4重量%程度含み、更に微量成分としてTiO0.25〜0.70重量%、P0.15〜0.50重量%、S0.005〜0.085重量%程度含み、安定な鉱物組成を得るためのFeを20〜45重量%程度含むものであり、天然骨材成分に含まれる粘土、有機不純物、塩分を全く含まず、不安定な遊離石灰、遊離マグネシアあるいは鉱物も殆ど含まない。
【0008】
上記電気炉酸化スラグ粒状物を製造する一つの方法は、該電気炉酸化スラグの溶融物を高速回転する羽根付きドラムに注入し、該溶融物を該羽根付きドラムによって破砕粒状化し、粒状化した該溶融物を水ミスト雰囲気中で急冷処理する方法である。該羽根付きドラムは複数個配置して複数段の破砕粒状化を行なってもよい。このようにして得られる電気炉酸化スラグの粒状物は通常5mm以下の粒径を有し、粒径2.5mm以下のものは略球状であり、比重は3.3〜4.1の範囲にあり、表面にはひび割れ等の欠陥はなく、微細な凹凸を有しまた中空構造のものからなるかまたは中空構造のものを含んでいる。
【0009】
上記電気炉酸化スラグ粒状物を製造する他の方法は、該電気炉酸化スラグ溶融物を容器に放流し、水スプレーにより急冷固化せしめ、固化物を粉砕機によって粉砕して分級する方法である。この方法において該電気炉酸化スラグ溶融物は通常8cm以下の厚さで放流されることが望ましい。このようにして得られる電気炉酸化スラグの粒状物は表面に微細な凹凸を有しかつ角張った形状である。
【0010】
〔高比重金属粉末および高比重金属酸化物粉末〕
本発明では上記電気炉酸化スラグの一部を高比重金属粉末および/または高比重金属酸化物粉末に置き代えてもよい。本発明で使用される高比重粉末としては、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、銅、鉛、亜鉛、例えばステンレススチール等の合金の粉末であり、比重は7g/cm以上、粒径は50μm以下であることが望ましい。また本発明に使用される高比重金属酸化物としては、上記高比重金属の酸化物がある。更に本発明においては使用可能な高比重酸化物粉末としては、鋼材を溶断する際に発生するスケール粉がある。このようなスケール粉は略球状でフェライトであり、電気炉酸化スラグ粒状物と同じような機能を付加することが出来る。
【0011】
〔第三成分〕
上記弾性層には更に例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、ジルコニア粉、リンター、リネン、サイザル、木粉等の充填材、多価イソシアナート、多価アミン、エポキンド等の架橋剤、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、パラフィン、ロウ等の滑剤、架橋促進剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤等が添加されてもよい。
【0012】
〔配合〕
上記電気炉酸化スラグ粒状物(以下スラグ粒状物と言う)は、上記合成樹脂、ゴム、あるいはエラストマー100重量部に対して通常600重量部以下の量で添加されることが望ましい。該スラグ粒状物の添加量が600重量部を上回ると配合物の重量大きくなり過ぎる。また上記高比重金属粉末および/または上記高比重金属酸化物粉末を添加する場合には、通常上記電気炉酸化スラグ粒状物100重量部に対して、上記高比重金属粉末および/または上記高比重金属酸化物粉末を20〜50重量部添加する。充填材は配合物の強度向上のために添加されることが望ましいが、充填材を添加する場合には、やはり成形性の観点から、上記合成樹脂、ゴム、あるいはエラストマー100重量部に対して通常50重量部以下の量で添加されることが望ましい。
【0013】
〔弾性層の形成〕
本発明の弾性層を形成するには、上記合成樹脂、ゴム、あるいはエラストマーと電気炉酸化スラグ粒状物との混合物を加熱溶融してTダイで押出したり、カレンダーロールで延展したりしてシートとするか、あるいは上記合成樹脂、ゴム、あるいはエラストマーのエマルジョン、溶液中に電気炉酸化スラグを分散させた分散液を型枠中に流し込んで乾燥させることによってシートとするか、あるいは上記分散液をそのまゝ床基盤上に塗布または流展せしめて乾燥させることによって該基盤上に直接弾性層を形成させる。
【0014】
〔モルタル層〕
本発明の遮音制振層のモルタル層は、水硬性無機粉体と、前記電気炉酸化スラグ粒状物とからなり、所望なれば減水剤や増粘剤を添加してもよい。
【0015】
〔水硬性無機粉体〕
本発明で使用される水硬性無機粉体としては、ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント等のセメント類あるいは高炉急冷スラグ微粉末、電気炉急冷還元スラグ微粉末、該セメント類にケイ砂、ケイ石粉、シリカヒューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シラスバルーン、パーライト、ベントナイト、ケイソウ土等のケイ酸含有物質を添加した混合粉体等が例示される。
【0016】
〔減水剤〕
本発明に使用される減水剤としては、AE減水剤、高性能減水剤等が例示される。
【0017】
〔増粘剤〕
本発明においては、粉末組成物を水と混練した際の粘度を調節するために増粘剤を使用してもよい。例えば該混練物がブリージング試験でブリージング率3%を越える場合、これを3%以下にするために増粘剤を使用する。上記増粘剤としては、例えばニカワ、ゼラチン、カゼイン、澱粉、変性澱粉、酸化澱粉、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ハイドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル部分鹸化物、ポリメタクリル酸エステル部分鹸化物等の水溶性高分子がある。
【0018】
〔電気炉酸化スラグ粒状物〕
本発明のモルタル層に使用する電気炉酸化スラグ粒状物は、前記弾性層に使用する電気炉酸化スラグ粒状物と同一物である。
【0019】
〔高比重金属粉末および高比重金属酸化物粉末〕
本発明のモルタル層に使用する高比重金属粉末および/または高比重金属酸化物粉末は、前記弾性層に使用する高比重金属粉末および高比重金属酸化粉末と同一物である。
【0020】
〔配合、成形〕
本発明のモルタルにおいては、上記電気炉酸化スラグ粒状物100重量部に対して上記水硬性無機粉末15〜60重量部、上記減水剤0.01〜3.0重量部が混合される。更にモルタル中に上記高比重金属粉末および/または高比重金属酸化物粉末を添加する場合には、電気炉酸化スラグ粒状物100重量部に対して水硬性無機粉末15〜60重量部、高比重金属粉末および/または高比重金属酸化物粉末20〜50重量部、減水剤および/または増粘剤0.01〜0.2重量部が混合される。
【0021】
上記粉末組成物100重量部に対して水5〜25重量部を添加混練し、該混練物を型枠中に充填し、常温あるいは所望なれば水中、蒸気および加熱養生することによって硬化せしめ、プレート状、あるいはスラブ状の成形物とする。更に上記混練物は型枠に充填されることなく、床基盤上あるいは弾性層上に直接流し出されてもよい。
【0022】
〔作用〕
本発明のスラグ粒状物が略球状の中空体である場合には、表面にはひび割れ等の欠陥はないから、配合物中に多量に添加しても配合物の成形性を阻害しない。また球状のものも角張り形状のものも該スラグ粒状物の表面には微細な凹凸が存在しているから、分散媒とのなじみがよく、良好な分散性を有しかつ成形物の強度や耐摩耗性を向上させる。また本発明のスラグ粒状物は耐酸、耐アルカリ性に優れている一方、比重は3.3〜4.1でアルミニウムより高比重であるから、高い遮音性や高い制振性を遮音制振層の弾性層およびモルタル層に与える。更に弾性層はその弾性によって床に及ぼされる衝撃を吸収し、また該弾性層が粘弾性体であれば、音波や振動の振巾が減衰させる。更に本発明のスラグ粒状物は電磁波遮蔽性を有し、したがって本発明の床構造も電磁波遮蔽性を有する。そして本発明のスラグ粒状物は従来埋立て材料等にしか有効利用されていなかったものであり、極めて安価に提供出来る。
【0023】
〔実施例1〕(球状中空スラグ粒状物の製造)
図1に本発明のスラグ粒状物を製造する装置を示す。即ち1500℃前後の電気炉酸化スラグ溶融物(1) を取鍋(2) からシューター(3) に移し、該シューター(3) から高速回転する羽根付きドラム(4,5) に注入する。該製鋼スラグ溶融物(1) は該羽根付きドラム(4,5) によって細破砕されて粒状化し、該電気炉酸化スラグ溶融物の粒化物(1A)は急冷チャンバー(6) 内にスプレー装置(7) からスプレーされる水ミストによって急冷される。そしてこのようにして得られたスラグ粒状物(8) は備蓄容器(9) 内に備蓄される。該スラグ粒状物(8) は略球状の中空体であり、表面にはひび割れ等の欠陥はなく、微細な凹凸が有り、高硬度(モース硬さで6程度)を有し耐摩耗性に優れており、真比重は3.84、絶乾比重は3.52、耐火度は1100℃で、透磁性、導電性、耐酸性、耐アルカリ性等にも優れている。該スラグ粒状物(8) の粒度分布を図2に示す。
【0024】
〔実施例2〕(角張り形状のスラグ粒状物の製造)
1500℃ 前後の電気炉酸化スラグ溶融物を角箱型容器に厚さ8cmで放流し、水スプレーにより急冷固化せしめた。該固化物は粉砕機によって粉砕され分級して表面に微細な凹凸が有りかつ角張った形状の電気炉酸化スラグ粒化物(呼び寸法0.3mmのふるい全通)を得た。該電気炉酸化スラグ粒化物の硬さ、比重、その他の性質は実施例1のものと略同等である。
【0025】
〔実施例3〕(弾性層Aの製造)
下記の処方の配合物をバンバリーミキサーによって調製した。
クロロプレンゴム 80重量部
アスファルト 20重量部
スラグ粒状物* 500 〃
カーボンブラック 20 〃
鉱物油 5 〃
酸化亞鉛 8 〃
加硫促進剤 1 〃
老化防止剤 1 〃
*スラグ粒状物:実施例1のスラグ粒状物から呼び径0.3mmのふるいを通過したものを選別する。
上記配合物は130℃に加熱軟化され、カレンダーロールによって表1に示す厚さのシート状に成形された。本実施例のシート状弾性層の騒音レベル測定結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
表1によれば、本実施例の弾性層は厚さに余り関係なく、良好な遮音性を有することが認められる。
【0028】
〔実施例4〕(弾性層Bの製造)
下記の処方の配合物をバンバリーミキサーによって調製した。
エラストマーSBS* 90重量部
アスファルト 10重量部
エラストマーSBS* 10 〃
スラグ粒状物* 480 〃
カーボンブラック 50 〃
老化防止剤 1 〃
:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
:実施例2のスラグ粒状物上記配合物は140℃に加熱され、Tダイから押出して表2に示す厚さのシート状に成形された。
本実施例のシート状弾性層の騒音レベル測定結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
表2によれば、本実施例の弾性層も厚さに余り関係なく、良好な遮音性を有することが認められる。
【0031】
〔実施例5〕(分散液の製造方法)
下記の処方の分散液を調製した。
アクリル樹脂エマルジョン* 100重量部
スラグ粒状物* 500 〃
メトキシセルロース 5 〃
:スチレン:2エチルヘキシルアクリレート:N−メチロールアクリルアミド(35:60:5重量比共重合体)の60重量%エマルジョン
:実施例3で使用したスラグ粒状物
上記分散液の粘度は18000cps/25℃であった。
【0032】
〔実施例6〕(モルタル層Aの製造)
下記の処方の混合物を調製した。
電気炉酸化スラグ粒状物(5mm以下) 100重量部
ポルトランドセメント 16 〃
AE減水剤 0.04 〃
上記混合物に水6重量部を加え、ミキサーで3分間混練し、該混練物を型枠中に流し込み、コテによって表面を平坦にして常温で1日養生し水和反応により硬化させた後脱型し、更に27日常温で水和反応させ、厚さ10mmと20mmのモルタル層Aを成形した。
本実施例のモルタル層Aの音波透過失測定結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
表3によれば、本実施例のプレートは厚さが薄い割には良好な遮音性能を有し、特に一般のコンクリート材料では性能が出し難い低周波音領域でも遮音性能が良いことが認められる。なお、このプレートの透磁率は磁化力(H)1000Oeの時、1.65μであった。このことから床の通路の一部に使用したりして、磁気センサーとして使用出来ることが認められる。
【0035】
〔実施例7〕(モルタル層Bの製造)
下記の処方の混合物を調製した。
電気炉酸化スラグ粒状物(5mm以下) 100重量部
ポルトランドセメント 25 〃
高性能減水剤 0.25 〃
メチルセルロース(増粘剤) 0.13 〃
上記混合物に水15重量部を加え、ミキサーで3分間混練した。該混練物を既設2階建物床基盤上にポンプ圧送により40mm厚さで流し、そのまゝ3日常温で放置してモルタル層Bを製造した。該モルタル層Bの硬化強度発現後施工前と施工後の騒音の透過損失の差を測定した。なお混練物の流動性試験は土木学会基準に準拠したJロートによる方法で行なった結果、流動時間は43秒であった。またこの時採取した試料による28日水中養生供試体の圧縮強度は35N/mmブリージング率は2%であった。本実施例の施工前後の音響透過損失の測定結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
表4によれば、本実施例のモルタル層Bは、良好な遮音性能を有し、施工性も強度も良いことが認められる。
【0038】
〔遮音制振構造〕
図3に遮音制振構造の第1実施例を示す。本実施例は建築物の床に関するものであり、コンクリートである床基盤(11)上に弾性層(12A) とモルタル層(12B) とからなる遮音制振層(12)が形成されており、該遮音制振層(12)の上には化粧合板からなる床材(13)が張設されている。
【0039】
上記弾性層(12A) としては実施例3の弾性層A、実施例4の弾性層Bのいづれも使用され、上記モルタル層(12B) としては実施例6のプレート状モルタル層Aが使用されるが、この実施例においては、実施例7において床基盤(11)上に形成したモルタル層(12B) 上に、更に実施例5の分散液を厚さ10mmで塗布し乾燥することによって弾性層(12A) を形成した場合の床衝撃音遮断性能を、JISA1418およびJISA1419に準じた測定方法および遮音等級にもとづいて調べた。その結果を図4(タッピングの軽量衝撃音)および図5(タイヤの重量衝撃音)に示す。図中点線グラフは遮音制振層(12)を省略した比較床構造である。
【0040】
図4によれば、本実施例の床構造は白丸グラフに示すようにL−55のグラフ以下であるから遮音等級はL−55と判定され、優れた遮音性を有しているが、被覆層のない比較床構造は黒丸グラフに示すようにL−75のグラフ以下であり、遮音等級はL−75と判定され本実施例の床構造に比して劣っている。
【0041】
図5によれば、本実施例の床構造は白四角グラフに示すようにL−45のグラフ以下であるから遮音等級はL−45と判定され、優れた遮音性を有しているが、遮音制振層のない比較床構造は黒四角グラフに示すようにL−55のグラフ以下であり、遮音等級はL−55と判定され本実施例の床構造に比して劣っている。
【0042】
図6に遮音制振構造の第2実施例を示す。本実施例も建築物の床に関するものであり、コンクリートである床基盤(21)上にスペーサー(24)を介してモルタル層Aであるモルタル層(22B) が張設されており、該モルタル層(22B) 上には弾性層Aまたは弾性層Bである弾性層(22A) (厚さ10mm)が重合され、該弾性層(22A) と該モルタル層(22B) とによって遮音制振層(22)が構成される。該遮音制振層(22)の上側には前実施例と同様な床材(23)が張設されている。該弾性層(22A) と該モルタル層(22B) とは単に重ね合わされるだけでもよいし、また接着剤で相互接着されていてもよい。
【0043】
本発明にあっては上記のように遮音制振層において、弾性層を上にモルタル層を下にしても、あるいはモルタル層を上に、弾性層を下にしても良く、また弾性層とモルタル層とは単に重ね合わせただけでもよいし、接着剤で相互接着剤してもよい
【0044】
【発明の効果】
本発明においては、遮音性や制振性に優れ、しかも電磁波遮蔽性のある遮音制振床構造が安価に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ粒状物製造装置の説明図
【図2】スラグ粒状物の粒度分布を示すグラフ
【図3】遮音制振構造の第1実施例の断面図
【図4】第1実施例の床の軽量衝撃遮音性能テストのグラフ
【図5】第1実施例の床の重量衝撃遮音性能テストのグラフ
【図6】遮音制振構造の第2実施例の断面図
【図7】従来例の断面図
【符号の説明】
11,21 床基盤
12A,22A 弾性層
12,22 遮音制振層
12B,22B モルタル層

Claims (1)

  1. 床基盤と、該床基盤上に形成されている遮音制振層と、該遮音制振層上に張設されている表面材とからなり、該遮音制振層は合成樹脂、ゴムおよびエラストマーからなる組から選ばれた一種または二種以上の混合物からなる弾性層とモルタル層とからなり、該弾性層および該モルタル層中には、電気炉酸化スラグ粒状物が分散されていることを特徴とする床構造
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