JP4695615B2 - 映像オブジェクトの軌跡画像合成装置およびそのプログラム - Google Patents

映像オブジェクトの軌跡画像合成装置およびそのプログラム Download PDF

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Description

本発明は、移動する被写体を撮影した映像に、被写体の軌跡を示す軌跡画像を合成する映像オブジェクトの軌跡画像合成装置およびそのプログラムに関する。
従来、ゴルフを始めとするスポーツ番組等において、カメラによって被写体を望遠で捉えながら撮影すると、被写体の全体的な動きが視聴者に伝わりにくい場合がある。例えば、ゴルフ中継番組で、ショートホール第一打のシーンでは一般にグリーン付近に設置されたカメラの映像が放送されるが、ゴルフボールは小さく、広角映像ではほとんど確認できないため、望遠でボールを追いかけながら撮影される。この望遠映像ではボールの部分的な動きは分かるものの、ボールが落下点までどのようなコースで飛んできたのか、どれくらいの高さまで上がったのかといった全体的なボール軌道を把握することは難しい。
そこで、昨今のスポーツ中継番組では、カメラのパン・チルト・ズームなどのカメラの姿勢情報を基にさまざまなバーチャル映像が製作されている。例えば、ゴルフ中継ではグリーン上でボールとカップ間の距離を表示したり、第一打の落下地点にバーチャルCG(コンピュータ・グラフィックス)で距離線を引いたりして、カメラの映像だけでは伝わりにくい距離感を分かりやすくする工夫がなされている。
例えば、特許文献1においては、2台のカメラの位置、光軸方向、および画角値に基づき、三角測量の原理によって、飛行するボールの3次元位置座標を算出する手法が開示されている。
さらに、特許文献2においては、ゴルフコース内の複数箇所に設置された電波レーダを用いて、電波をゴルフボールに当てて、反射波のドップラー周波数および位相差からボールの飛行速度、距離を求め、三角測量の原理によって、ボールの3次元位置座標を算出する手法が開示されている。
また2台のカメラの位置、光軸方向および画角値から三角測量法的手法でボールの位置座標を計算し、飛行するボールの3次元位置をフレームごとに計測する装置(非特許文献1)などが存在する。
特開2003−42716号公報(段落0032〜段落0034、図3) 特開平8−266701号公報(段落0039〜段落0040、図3) 山内結子、加藤大一郎、野口英男、阿部一雄、榎並和雄、"飛翔体の軌跡表示システム「ショットビュー」〜ゴルフボールの3次元位置の可視化〜"、情報処理学会研究報告、Vol.1995、No.63、pp31−36
ゴルフ中継は既存の撮影機材の範囲内で運用することが望ましい。すなわち、新たな機材やカメラマンを追加することなく運用しなければならない。一般にゴルフ中継では1ホールにつきバーチャルカメラ1台で運用されるため、2台のカメラが必要である特許文献1の装置は利用困難である。
また、1台のカメラで上空から静止するまでの連続して抽出できることが望ましいが、特許文献1および特許文献2の手法や、非特許文献1の装置では、ボールの落下中に背景とボール領域との輝度差が変化することや、着地する直前に地上付近で、ボールに画像特徴が近い前景領域が多数存在すること、などのために、ボールを誤抽出しやすいという問題があった。さらに、ショット直後は、ボール速度が静止している状態から当該ボールが上空に達する際の速度よりも速い初速度まで急激に変化するため、ボールの抽出が困難であること、着地後は、ボールのバウンドにより速度や移動方向の変化が予測困難であること、によってボールを見失いやすいという問題があった。
例えば、非特許文献1に記載の装置では、地上付近の背景が複雑で抽出が困難な打点、落下点、静止点の3点を手動で指定している。これら各点と上空の抽出点との間には被写体の抽出されていない空白区間が生じるが、スプライン曲線などを用いて滑らかに補間することにより、スムーズな軌道を表示している。しかし上空から落下、静止に至るまでを連続して抽出することで、より正確な軌道を表示することが望まれていた。
そこで、本発明では、このような問題点に鑑み、1台のカメラで運用可能であり、全体的な動きを把握することが困難な小さな映像オブジェクトの移動軌跡を、連続的に抽出して、カメラ映像上へ重畳した画像を合成する映像オブジェクトの軌跡画像合成装置およびそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置は、移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記被写体を撮影したときの前記カメラの姿勢および画角に関する情報を含むカメラパラメータとから、前記被写体に対応する映像オブジェクトの移動軌跡を算出し、その算出した映像オブジェクトの移動軌跡を表す軌跡画像と前記カメラによって撮影された映像とを合成する映像オブジェクトの軌跡画像合成装置であって、探索位置更新設定手段と、閾値決定手段と、オブジェクト領域選定手段と、2次元予測位置算出手段と、オブジェクト3次元位置算出手段と、オブジェクト3次元位置記憶手段と、軌跡画像生成手段と、軌跡画像合成手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、映像オブジェクトの軌跡画像合成装置は、探索位置更新設定手段によって、映像を構成する映像フレーム内における映像オブジェクトの探索範囲を設定する。前記軌跡画像合成装置は、閾値決定手段によって、映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムを生成し、当該輝度ヒストグラムに基づいて、探索位置更新設定手段によって設定された探索範囲から映像オブジェクトを抽出するための輝度に対する閾値と、当該閾値より輝度の高い領域を抽出するか、もしくは、低い領域を抽出するかとを決定し、決定された領域の画像を映像オブジェクトを含む前景画像として抽出する。前記軌跡画像合成装置は、オブジェクト領域選定手段によって、閾値決定手段によって抽出された前景画像から、映像オブジェクトの画像特徴を利用して前記映像オブジェクトを選定する。前記軌跡画像合成装置は、2次元予測位置算出手段によって、オブジェクト領域選定手段によって選定された映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置から、当該映像フレームの次の映像フレーム内における映像オブジェクトの位置を示す2次元予測位置を算出する。前記軌跡画像合成装置は、オブジェクト3次元位置算出手段によって、オブジェクト領域選定手段によって選定された映像オブジェクトの映像フレーム内における位置とカメラパラメータとに基づいて、当該映像フレームが撮影された時点の被写体の実空間における位置を示す3次元位置を算出する。前記軌跡画像合成装置は、オブジェクト3次元位置記憶手段によって、オブジェクト3次元位置算出手段によって得られた3次元位置を記憶する。前記軌跡画像合成装置は、軌跡画像生成手段によって、オブジェクト3次元位置記憶手段に記憶された3次元位置に基づき、軌跡画像を生成する。前記軌跡画像合成装置は、軌跡画像合成手段によって、軌跡画像生成手段で生成された軌跡画像と映像フレームとを合成して出力することができ、さらに、探索位置更新設定手段によって、2次元予測位置算出手段により算出された2次元予測位置に基づいて、前記次の映像フレームの探索範囲を設定する。
これによって、軌跡画像合成装置は、移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記カメラの姿勢状態に関する情報を含むカメラパラメータとから、前記輝度ヒストグラムに基づいて映像オブジェクトを抽出し、映像オブジェクトの移動軌跡を算出し、その算出した映像オブジェクトの移動軌跡を表す軌跡画像と前記カメラによって撮影された映像とを合成することができる。
請求項2に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置は、請求項1に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置において、オブジェクト領域選定手段によって選定された前記映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置と、前記カメラパラメータとから、次の前記映像フレーム内における前記映像オブジェクトに対応する当該被写体の実空間における位置を示す3次元予測位置を逐次予測する3次元予測位置算出手段と、前記3次元予測位置算出手段によって得られた3次元予測位置を投影変換して、当該被写体に対応する前記映像オブジェクトの前記次の映像フレーム内での位置を算出するスクリーン座標変換手段と、前記スクリーン座標変換手段によって得られた前記映像フレーム内における前記位置を示す点の列を、曲線を用いて補間する軌跡曲線補間手段と、を備え、前記オブジェクト領域選定手段が、前記軌跡曲線補間手段によって生成された前記曲線から前記次の映像フレームの前記前景画像に含まれる前記映像オブジェクトの候補となる各々の領域までの距離に基づいて、前記映像オブジェクトを選定する構成とした。
これによって、軌跡画像合成装置は、映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置と、前記カメラパラメータとから、逐次予測された3次元予測位置を用いて、この3次元予測位置をスクリーン座標変換して得られた点の列を、曲線で補間して生成された前記曲線を利用して、前記映像オブジェクトを選定する。
請求項3に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置は、請求項2に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置において、3次元予測位置算出手段によって得られた3次元予測位置に基づいて、前記被写体の実空間における高さが、予め設定された高さに対して下回るかどうかを判定する被写体高さ判定手段と、を備え、前記探索位置更新設定手段は、前記被写体高さ判定手段によって下回ると判定された時点の前記映像フレームの次の前記映像フレーム内において、当該映像フレームの前の映像フレームの前記探索範囲より広い前記探索範囲を設定する構成とした。
これによって、軌跡画像合成装置は、3次元予測位置に基づいて、前記被写体の実空間における高さが、被写体高さ判定手段によって下回ると判定された時点の映像フレームの次の映像フレーム内において、前の探索範囲より広い探索範囲を設定する。
請求項4に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置は、請求項1ないし請求項3に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置において、前記映像を記憶する映像記憶手段と、前記カメラパラメータを記憶するカメラパラメータ記憶手段と、を備え、前記探索位置更新設定手段は、前記映像記憶手段に記憶された前記映像を構成する時系列の前記映像フレームを逆の順番に入力して、前記映像フレームにおける前記探索範囲を設定し、前記オブジェクト3次元位置算出手段が、前記カメラパラメータ記憶手段に記憶された時系列の前記カメラパラメータを逆の順番に入力して、前記3次元位置を算出する構成とした。
これによって、被写体の撮影された映像フレームを、映像を構成する時系列の逆の順番に入力して映像オブジェクトの前記探索範囲を設定し、前記カメラパラメータを前記記憶された時系列の逆の順番に入力して、前記3次元位置を算出することができる。
請求項5に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成プログラムは、移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記被写体を撮影したときの前記カメラの姿勢および画角に関する情報を含むカメラパラメータとから、前記被写体の実空間における位置を示す3次元位置を算出して、外部に接続された記憶装置に記憶し、この3次元位置に基づいて、前記被写体に対応する映像オブジェクトの移動軌跡を表す軌跡画像を生成した当該軌跡画像と前記カメラによって撮影された映像とを合成するために、コンピュータを、探索位置更新設定手段、閾値決定手段、オブジェクト領域選定手段、2次元予測位置算出手段、オブジェクト3次元位置算出手段、軌跡画像生成手段、軌跡画像合成手段、として機能させることとした。
かかる構成によれば、映像オブジェクトの軌跡画像合成プログラムは、探索位置更新設定手段によって、前記映像を構成する映像フレーム内における前記映像オブジェクトの探索範囲を設定する。前記軌跡画像合成プログラムは、閾値決定手段によって、前記映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムを生成し、当該輝度ヒストグラムに基づいて、前記探索位置更新設定手段によって設定された探索範囲から前記映像オブジェクトを抽出するための前記輝度に対する閾値と、当該閾値より輝度の高い領域を抽出するか、もしくは、低い領域を抽出するかとを決定し、決定された前記領域の画像を前記映像オブジェクトを含む前景画像として抽出する。前記軌跡画像合成プログラムは、オブジェクト領域選定手段によって、前記閾値決定手段により抽出された前記前景画像から、前記映像オブジェクトの画像特徴を利用して映像オブジェクトを選定する。前記軌跡画像合成プログラムは、2次元予測位置算出手段によって、前記オブジェクト領域選定手段により選定された前記映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置から、次の前記映像フレーム内における前記映像オブジェクトの位置を示す2次元予測位置を算出する。前記軌跡画像合成プログラムは、オブジェクト3次元位置算出手段によって、前記オブジェクト領域選定手段により選定された映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置と前記カメラパラメータとに基づいて、当該映像フレームが撮影された時点の前記被写体の実空間における位置を示す3次元位置を算出して前記記憶装置に記憶する。前記軌跡画像合成プログラムは、軌跡画像生成手段によって、前記記憶装置に記憶された3次元位置に基づき、前記軌跡画像を生成する。前記軌跡画像合成プログラムは、軌跡画像合成手段によって、前記軌跡画像生成手段で生成された前記軌跡画像と前記映像フレームとを合成して出力する。
これによって、軌跡画像合成プログラムは、移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記カメラの姿勢状態に関する情報を含むカメラパラメータとから、前記輝度ヒストグラムに基づいて映像オブジェクトを抽出し、映像オブジェクトの移動軌跡を算出し、その算出した映像オブジェクトの移動軌跡を表す軌跡画像と前記カメラによって撮影された映像とを合成することができる。
請求項1に記載の発明によれば、1台のカメラで撮影した映像と当該カメラから得たカメラパラメータを用いるので、1台のカメラで運用可能であり、映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムに基づいて、被写体(映像オブジェクト)を抽出するための輝度に対する閾値と、この閾値よりも高い領域を抽出するか、低い領域を抽出するのかを決定しているので、移動する被写体の輝度よりも、被写体以外の輝度が高くなったり低くなったりしても、被写体を連続的に抽出することができる。このため、この抽出した結果から軌跡画像を生成して、カメラ映像に重畳することができる。
請求項2に記載の発明によれば、被写体を撮影したカメラの映像信号と、前記カメラの姿勢状態に関する情報を含むカメラパラメータとから、被写体の実空間の3次元予測位置を算出し、被写体の移動軌跡を示す軌跡曲線を生成することで、バウンドが予想できない複雑な地形形状での移動による被写体の抽出エラーを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、被写体の実空間の3次元予測位置から予め設定した高さを下回った場合に地上に着地したとすることで、被写体の着地を自動判定し、着地後の探索範囲を広げることによって、被写体が地上に着地した後も、静止点に至るまで高精度に抽出して軌跡曲線を生成できる。
請求項4に記載の発明によれば、移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記カメラの姿勢状態に関する情報を含むカメラパラメータとを、被写体が上空に差し掛かった時点の映像フレームを起点にして、記憶装置から時系列で逆の順番に読み出して、映像フレーム内において被写体(映像オブジェクト)の検出が容易な時刻から、被写体の検出が困難な被写体が発射された時点までさかのぼって被写体を追跡することで、被写体が発射された時点(ティーショット時)までの軌跡を、安定して且つ高精度で抽出できる。
請求項5に記載の発明によれば、1台のカメラで撮影した映像と当該カメラから得たカメラパラメータを用いるので、1台のカメラで運用可能であり、映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムに基づいて、被写体(映像オブジェクト)を抽出するための輝度に対する閾値と、この閾値よりも高い領域を抽出するか、低い領域を抽出するのかを決定しているので、移動する被写体の輝度よりも、被写体以外の輝度が高くなったり低くなったりしても、被写体を連続的に抽出することができる。このため、この抽出した結果から軌跡画像を生成して、カメラ映像に重畳することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、適宜、図面を参照して説明する。ここでは、移動する被写体をゴルフボールとし、1台のカメラにより撮影されたゴルフボール(映像オブジェクト)の軌跡画像を映像に合成する場合を例として、説明する。
[軌跡画像合成装置の構成(第1の実施形態)]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る映像オブジェクトの軌跡画像合成装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る映像オブジェクトの軌跡画像合成装置の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、映像オブジェクトの軌跡画像合成装置1は、被写体移動開始検出手段2と、被写体上昇判定手段3と、探索位置更新設定手段4と、閾値決定手段5と、オブジェクト領域選定手段6と、予測曲線算出手段7と、着地判定手段8と、2次元予測位置算出手段9と、オブジェクト3次元位置算出手段10と、映像記憶手段11と、カメラパラメータ記憶手段12と、被写体画像特徴記憶手段13と、オブジェクト3次元位置記憶手段14と、軌跡画像生成手段15と、軌跡画像合成手段16とを備えている。
映像オブジェクトの軌跡画像合成装置1は、上空に発射されて移動する被写体をカメラにより撮影したカメラ映像と、被写体を撮影したときのカメラの姿勢および画角に関する情報を含むカメラパラメータとが入力され、映像を構成する映像フレーム内の映像オブジェクトを抽出し、被写体の実空間における位置を示す3次元位置を求めて、映像フレーム内における映像オブジェクトの軌跡画像を生成し、映像オブジェクトの軌跡画像とカメラ映像とを合成するものである。
被写体移動開始検出手段2は、被写体(ゴルフボール)が上空に発射された時点を、カメラの振り上げ操作による姿勢情報の急激な変化、すなわち、一つ前の映像フレームと現在の映像フレームとのカメラの姿勢情報に関するカメラパラメータ(チルト角)の差分に基づいて、検出するものである。ここでは、被写体をゴルフボールとしているため、被写体移動開始検出手段2は、ゴルフボールが打たれたタイミング(ショット時)を検出することとする。
そして、被写体移動開始検出手段2は、ショット時を検出した際には、ゴルフボールが打たれたことを検出した時点(フレーム番号または時刻)を、被写体上昇判定手段3に通知するとともに、前記カメラ映像と、被写体を撮影したときの前記カメラパラメータとを、被写体上昇判定手段3に出力し、且つ、映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12とに、それぞれ前記カメラ映像と前記カメラパラメータとを記憶させる。
ここでは、被写体移動開始検出手段2は、単位時間(映像フレームの1周期)ごとに、時刻t(フレーム番号)における映像フレームに対応したカメラパラメータのチルト角θと、1単位時間前の時刻(t−1)の映像フレームのチルト角θt − 1との差が、以下の式(1)に示すように、予め定めた規定値Taより大きくなった段階で、その時刻をゴルフボールが打たれたタイミングとして検出する。
Figure 0004695615
被写体上昇判定手段3は、被写体移動開始検出手段2から入力された、前記カメラ映像または、前記被写体を撮影したときのカメラパラメータに基づいて、被写体が上空へ差し掛かったか否かを判定し、上空に差し掛かった時点(フレーム番号または時刻t)を検出するものである。被写体上昇判定手段3は、前記検出した時刻tと、前記カメラ映像と、前記被写体を撮影したときのカメラパラメータとを、探索位置更新設定手段4へ出力するとともに、前記時刻情報はカメラパラメータ記憶手段12へ記憶させる。
なお、前記被写体が上空に差し掛かった前記時刻tは、軌跡画像合成装置1B(図2を参照)によって、最初に被写体が上空に発射された時点(ショット時)における映像オブジェクトを抽出するときに、映像フレームとカメラパラメートとの読み出しを開始する時刻としても使用される。
被写体上昇判定手段3は、ショット時の直後はボールに似た映像オブジェクトが地上付近に多く存在し、カメラ操作も安定しないためボールの抽出エラーを起こしやすいので、ボールが上空へ差し掛かってからボールの抽出を開始するように、上昇したか否かを判定する。ボールの抽出を開始するタイミングは、カメラのチルト角が、以下の式(2)に示すように、予め定めた規定値T3より大きくなった段階で判定する。
Figure 0004695615
ここでは、被写体上昇判定手段3は、ボールが上空へ差し掛かったか否かを、カメラのチルト角によって判定したが、他の方法として、映像フレーム内の映像信号の輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムに基づいて、背景映像が地上付近であるか、または、既に上空に差し掛かっているかを判定することも可能である。
探索位置更新設定手段4は、被写体上昇判定手段3から入力された、または映像記憶手段11から読み出した、カメラ映像の映像フレーム内に当該ボール(映像オブジェクト)の探索範囲を設定するものである。この探索位置更新設定手段4は、まずカメラパラメータ記憶手段12から読み出した(出力された)被写体(に対する映像オブジェクト)が上空に差し掛かった時刻(フレーム番号)から探索位置を設定する。そして、探索位置更新設定手段4は、被写体上昇判定手段3から、ボールが上空へ差し掛かったことを検出した当該時刻tにおける映像フレーム内の映像信号が入力されたら、探索範囲の設定を開始する。なお、抽出を開始する時のために、ボールの探索範囲の位置・広さの初期条件を指定されている。当該初期条件は、ボールが一般に映像フレーム画面の中央で撮影されることを考慮して、前記画面の中央で広めの探索範囲に設定される。
また、探索位置更新設定手段4は、次の時刻t+1以降の映像フレーム内の映像オブジェクトの探索範囲の設定に関して、着地判定手段8によって、被写体が着地していないと判定された映像フレームの次の時刻の映像フレームに対しては、映像オブジェクトの探索範囲を2次元予測位置算出手段9から入力された2次元位置に基づいて設定し、または、被写体が着地したと判定された映像フレームの次の時刻の映像フレームに対しては、映像オブジェクトの探索範囲を、前の映像フレームの探索範囲より拡大して設定する。ここで設定された探索範囲の情報(画像座標、面積)と前記カメラにより撮影された映像信号とは閾値決定手段5に出力される。
ここまでで、カメラパラメータ記憶手段12には、被写体が上空に発射された時刻(フレーム番号)と被写体が上空に差し掛かった時刻(フレーム番号)とが記憶されている。なお、探索位置更新設定手段4は、ボールが上空に差し掛かった時点から発射された時点までの映像フレーム内の映像オブジェクトをさかのぼって抽出するために、時系列を逆の順番に遡って、映像フレームとカメラパラメータとを、映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12とから、それぞれ読み出して、探索範囲を順次更新し設定することもできる。
閾値決定手段5は、映像信号における映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムを生成し、当該輝度ヒストグラムに基づいて、映像オブジェクトの映像信号の輝度情報に対する少なくとも上空用の閾値(後記する式(3)におけるT1)と地上付近用の閾値(後記する式(3)におけるT2)とを決定するとともに、前景画像と背景画像とを分離するものである。閾値決定手段5は、図3(a)に示すように、輝度ヒストグラム生成手段51と、輝度閾値設定手段52と、前景・背景分離手段53とを備えている。
輝度ヒストグラム生成手段51は、前記探索位置更新設定手段4から入力された映像フレーム内の映像信号から、輝度情報のヒストグラムである輝度ヒストグラムを、映像フレームごとに逐次生成するものである。ここで生成された輝度ヒストグラムは輝度閾値設定手段52に出力される。一般に、上空では高輝度の背景映像に対して映像オブジェクトの領域の輝度は低く、地上では低輝度の背景映像に対して映像オブジェクトの領域の輝度が高い。このように、背景映像と、映像オブジェクト領域(ボール領域)の映像の輝度は、被写体が上昇中に逆転する。
輝度閾値設定手段52は、背景映像と、ボール領域との相対的な輝度がボールの上昇中に逆転することを利用し、前記輝度ヒストグラム生成手段51によって生成された映像オブジェクトの背景映像の前記輝度ヒストグラムを逐次参照して、ボール領域が地上付近であるか、または上空に差し掛かっているか否かを判定し、ボール領域を抽出するための輝度閾値を切り替えるものである。また、輝度閾値設定手段52は、前記輝度ヒストグラムの判定結果に基づいて、ボール領域が上空と判定された場合は、後記する前景・背景分離手段53によって抽出する領域の輝度の範囲を当該閾値より低い範囲に設定し、逆に、ボール領域が地上付近と判定された場合は当該閾値より高い範囲に設定する。
ここで厳密に言うと、輝度閾値判定手段52は、高輝度を示す輝度ヒストグラムの度数が、低輝度を示す輝度ヒストグラムの度数よりも大きいか否かによって、ボール領域を示す輝度の範囲を設定しているのであり、この輝度閾値判定手段52はボール領域が実際に上空にさしかかっているか地上付近にあるかを判定しているものではない。例えば、カメラ映像の背景に山やビル等が含まれた場合に、ボール領域が上空にさしかかっていても、当該ボール領域を示す輝度の閾値よりも、背景の輝度が低くなる場合が想定される。しかしながら、この輝度閾値判定手段52は、このような場合であっても、ボール領域が実際に上空にさしかかっているか地上付近にあるかに拘わらず、映像フレームの輝度ヒストグラムに着目して、ボール領域を示す輝度の範囲を設定しているので、以下に続くように、当該装置1では、連続してボール領域を抽出することが出来る。
輝度閾値設定手段52は、例えば、地上から上空へボールが移動した場合、高輝度な背景が徐々に支配的になるので、高輝度な背景を示す輝度ヒストグラムの度数が、低輝度な背景を示す輝度ヒストグラムの度数を超えた時点で、ボール領域の輝度範囲を0〜T1とする。逆に、上空から地上へボールが移動した場合、低輝度な背景が徐々に支配的となるので、低輝度な背景を示す輝度ヒストグラムの度数が、高輝度な背景を示す輝度ヒストグラムの度数を超えた時点で、ボール領域の輝度範囲をT2〜255とする。この処理を式(3)に示す。ここで輝度は、0〜255の値を取るものとし、高輝度な背景と低輝度な背景の境界輝度値をT3、輝度iにおける度数をhist(i)とした。
Figure 0004695615
ここでは、輝度閾値設定手段52は、前記輝度ヒストグラムを映像フレームごとに逐次参照して、高輝度な背景と低輝度な背景との度数を比較して閾値の切替えタイミングを判定しているが、一方の度数がある閾値(輝度ヒストグラムの度数に対する閾値)を超えた時点を切り替えタイミングとしてもよい。
また、輝度閾値設定手段52は、ボール領域の輝度範囲を、低い領域の上限値T1と、高い領域の下限値T2とによって決めるが、これらの値は過去に抽出したボール領域の画像特徴として、対象図形である映像オブジェクトの画像面積を、被写体画像特徴記憶手段13から取出して参照することにより、前記輝度範囲の前記上限値T1と、前記下限値T2とを動的に決定することができる。過去のフレームで抽出したボール領域から現フレームでの面積が概算できるため、閾値決定法としてはPタイル法が有効である。
輝度閾値設定手段52は、Pタイル法によって、以下の式(4)に示すように、まず画像全体の面積をS、対象図形の面積をS0とし、画像全体に対する対象図形の面積の比率pを求める。
Figure 0004695615
また、輝度閾値設定手段52は、対象図形が背景よりも明るい場合は輝度値の大きい方から、対象図形が背景よりも暗い場合は輝度値の小さい方から画素数を数えていき、以下の式(5)に示すような値になるときの輝度値を閾値とする。ここで、カウントした画素数をN0、全体の画素数をNとする。
Figure 0004695615
前景・背景分離手段53は、輝度閾値設定手段52によって設定されたボール領域の輝度の範囲に該当する領域を前景領域(前景画像)として抽出するものである。ここで抽出された前景領域の画像情報はオブジェクト領域選定手段6に出力される。これによって、前景・背景分離手段53は、背景が上空、つまり高輝度のときには、閾値より輝度の低い領域を前景領域として抽出し、背景が地上付近、つまり低輝度のときには、閾値より輝度の高い領域を前景領域として抽出する。図1に戻る。
オブジェクト領域選定手段6は、前景・背景分離手段53によって抽出された前景領域に対して、予め過去の映像フレームで作成された映像オブジェクトの大きさ、形などの画像特徴に関するデータを、被写体画像特徴記憶手段13から読み出し参照して、ボール領域を選定するものである。つまり、オブジェクト領域選定手段6は、ボール領域の候補が複数ある場合(前景領域が複数ある場合)、目標とする画像特徴に最も近いボール領域を選択する。カメラ操作によりボールの画像特徴は映像フレームごとに変化するため、過去数フレームにおける画像特徴の平均を目標の画像特徴として出力する。更に、ここでは、オブジェクト領域選定手段6は、予測曲線算出手段7の軌跡曲線補間手段73から入力された予測曲線に対して距離の近い領域を優先して映像オブジェクトとして選定することとした(図3参照、詳細は後記)。
このオブジェクト領域選定手段6によってボール領域が選定した映像信号における映像フレーム内のボール領域の位置を示す座標および面積が、オブジェクト領域選定手段6から予測曲線算出手段7と、2次元予測位置算出手段9と、オブジェクト3次元位置算出手段10とに通知される。さらに、オブジェクト領域選定手段6は、被写体画像特徴記憶手段13に、過去数フレームにおける画像特徴を平均したものを出力する。
予測曲線算出手段7は、オブジェクト領域選定手段6によって得られた映像フレーム内の前記映像オブジェクトの位置を示す座標(2次元予測位置)および面積に基づいて、実空間における3次元位置を予測した3次元位置予測を利用して、予め定められた映像フレーム数だけ先までの映像オブジェクトの位置を予測して、これらの位置を補間した前記映像オブジェクトの予測曲線を算出するものであって、図3(b)に示すように、3次元予測位置算出手段71と、スクリーン座標変換手段72と、軌跡曲線補間手段73とを備えている。
3次元予測位置算出手段71は、オブジェクト領域選定手段6によって抽出された映像オブジェクトに基づいて、映像オブジェクトであるボールの次の映像フレームにおいて対応する3次元予測位置を予測するものである。ここでは、3次元予測位置算出手段71は、拡張カルマンフィルタを用いてボールの3次元予測位置を映像フレームごとに逐次推定する。
3次元予測位置算出手段71は、以下の式(6)に示すように、状態量Xを、3次元直交座標空間での位置(x,y,z)、速度(v,v,v)、加速度(a,a,a)とし、観測量yをカメラ映像から抽出した映像オブジェクトの重心を示す画像座標(X,Y)、および面積(A)として定義する。なお、上付き添え字:は行列の転置を表している。
Figure 0004695615
また、以下の式(7)に示すように、1フレームを単位時間とした状態遷移行列をFとし、一定重力gのもとでの放物運動にシステムノイズvを加えたものを運動モデルとした。なお、システムノイズvの共分散行列をQとする。また、I,Oを3×3の単位行列、零行列とし、tをフレーム番号(時刻)とする。そして、例えば、E[v]はシステムノイズvの期待値を示している。
Figure 0004695615
そして、3次元予測位置算出手段71は、単位時間ごとに以下の式(8)に示す状態推定式にしたがって、運動モデルに従うボールの位置を逐次予測する。ここで、Pは状態量の誤差共分散行列である。
Figure 0004695615
また、ここでは、以下の式(9)に示すように、3次元位置をスクリーンへ射影する関数h(X)に、共分散行列Rを持つ観測ノイズwを加えたものを観測モデルYとした。なお、ボールの初期位置座標(x,y,z)は、撮影前にキャリブレーションを行うことにより予め決定する。ボールの初期速度(v,v,v)および面積式の係数sに関しては、撮影前に基準となるショット軌道から決定する。また、カメラパラメータのパン角をφ、チルト角をθ、焦点距離をfとした。
Figure 0004695615
3次元予測位置算出手段71は、観測量が得られた場合、以下の式(10)に示した更新式に従って、状態量Xおよび状態量の誤差共分散行列Pの要素を更新し、更新後の状態量をX´および更新後の状態量の誤差共分散行列をP´とする。なお、Hは観測感度行列である。
Figure 0004695615
このように、3次元予測位置算出手段71は、前記した式(8)に示した状態推定式と、式(10)に示した更新式とに基づいて、観測が得られた場合には更新しながら運動モデルに従う状態推定を行い、逐次ボールの3次元予測位置を予測する。
また、3次元予測位置算出手段71により得られたボール(被写体)の3次元予測位置は、着地判定手段8へ出力される。
スクリーン座標変換手段72は、3次元予測位置算出手段71によって得られたボール(被写体)のフレームごとの3次元予測位置を、次の映像フレーム内での位置(画像座標)へ投影変換するものである。スクリーン座標変換手段72は、3次元予測位置算出手段71によって算出されたフレームごとのボールの3次元予測位置を映像フレーム内における位置に対応するスクリーン座標へ投影し、現映像フレーム内に配置された複数の予測点の列から成る予測点列を得て、軌跡曲線補間手段73へ前記予測点列の画像座標を出力する。
軌跡曲線補間手段73は、前記したスクリーン座標変換手段72により得られた映像オブジェクト(ボール)の現スクリーン座標上での予測点列を、例えば、2次曲線などで補間して予測曲線を得るものである。そして、軌跡曲線補間手段73は、オブジェクト領域選定手段6へ、当該予測曲線の画像座標を出力する。
着地判定手段8は、映像信号における映像フレーム内の映像オブジェクトに対して、3次元予測位置算出手段71によって算出された映像オブジェクトの3次元予測位置に基づいて、ボール(被写体)が地面に着地したか否かを判定するものであって、図3(c)に示すように、被写体高さ判定手段81と、着地時刻判定手段82と、座標変換手段83とを備えている。
被写体高さ判定手段81は、予測曲線算出手段7によって得られた被写体(ボール)の3次元予測位置に基づいて、当該被写体の高度が基準値に対して下回るかどうかを判定するものである。すなわち、被写体高さ判定手段81は、映像フレームごとに3次元予測位置算出手段71で逐次予測されたボールの位置(状態量xの位置座標(x,y,z))から高さ要素(z)が、以下の式(11)に示すように、予め地面の高さとして定められた高さ基準値Hよりも下回った段階で、ボールが着地したと判定し、着地点の位置は、座標変換手段83に出力される。
着地時刻判定手段82は、被写体高さ判定手段81から、当該ボールが着地したか否か判定された結果が入力され、もし、着地したという結果の場合、当該映像フレームのフレーム番号、あるいは時刻tの情報を、探索位置更新設定手段4へ出力する。
Figure 0004695615
座標変換手段83は、被写体高さ判定手段81によって判定されたボールの着地点の3次元予測位置を、映像フレーム内での画像座標に変換するものである。そして、座標変換手段83は、この着地点を示す映像フレーム内の画像座標を、探索位置更新設定手段4へ出力する。
2次元予測位置算出手段9は、オブジェクト領域選定手段6によって選定された映像オブジェクトの位置を示す座標および面積に基づいて、次の映像フレーム内での映像オブジェクトの2次元予測位置(画像座標)を予測し、探索位置更新設定手段4へ出力するものである。2次元予測位置算出手段9は、2次元予測位置の算出に際して、前記式(8)で示した状態推定式および前記式(10)で示した更新式を用いてボールの位置を予測した3次元直交座標で表現された位置座標に対して、スクリーンへ射影する関数h(x)、すなわち、前記式(9)を用いることで3次元位置を2次元位置(画像座標)へ変換して、2次元予測位置を算出することができる。
また、2次元予測位置算出手段9は、オブジェクト領域選定手段6によって選定された映像オブジェクトの位置を示す座標および面積に基づいて、次の映像フレーム内での映像オブジェクトの2次元予測位置を算出するに際して、前記したように拡張カルマンフィルタを用いて算出する方法だけに限定されず、線形予測を利用して算出することもできる。
2次元予測位置算出手段9は、線形予測で映像オブジェクトであるボールの2次元予測位置を予測する場合、2つ前までの時刻(t−1、およびt−2)の映像フレームで求めた映像オブジェクトの画像座標Pt−1、およびPt−2を用いて、時刻tにおける映像フレームの映像オブジェクトの画像座標P^=[x、y]を、以下の式(12)にしたがって、予測することもできる。
Figure 0004695615
オブジェクト3次元位置算出手段10は、オブジェクト領域選定手段6によって選定された映像フレームごとの映像オブジェクトの位置を示す座標および面積、並びにカメラパラメータ記憶手段12から読み出したカメラパラメータに基づいて、映像フレーム内での映像オブジェクトであるボールの3次元位置座標を算出し、この3次元位置座標をオブジェクト3次元位置記憶手段14に記憶させるものである。
映像記憶手段11は、前記被写体移動開始検出手段2によって得られた、前記カメラにより撮影された映像フレームの映像信号を時系列にしたがって記憶するものであり、ハードディスク等の一般的な記憶手段によって構成される。ここで記憶された映像フレームの映像信号は、時系列に対して、探索位置更新設定手段4および軌跡画像合成手段16によって、順方向または逆方向に読み出される。
カメラパラメータ記憶手段12は、前記被写体移動開始検出手段2によって得られた、前記カメラにより撮影された映像フレームの姿勢状態に関するカメラパラメータを時系列にしたがって記憶するとともに、被写体移動開始検出手段2から出力された被写体が上空へ発射された時刻(フレーム番号)と被写体上昇判定手段3から出力された被写体が上空に差し掛かった時刻(フレーム番号)とを記憶するものであり、ハードディスク等の一般的な記憶手段によって構成される。ここで記憶されたカメラパラメータは、時系列に対して、探索位置更新設定手段4および軌跡画像生成手段15によって、順方向または逆方向に読み出される。
被写体画像特徴記憶手段13は、前記オブジェクト領域選定手段6によって得られた、過去数フレームの映像フレーム内における映像オブジェクトの画像特徴の平均化されたもの(目標画像特徴:大きさ、形状、輝度など)と、輝度閾値情報として低輝度な背景の輝度の上限値T1と、高輝度な背景の輝度の下限値T2と、高輝度な背景と低輝度な背景の境界輝度値をT3とを記憶するものであり、ハードディスク等の一般的な記憶手段によって構成される。ここで記憶された映像オブジェクトの画像特徴は、時系列に対して、閾値決定手段5およびオブジェクト領域選定手段6によって、順方向または逆方向に読み出される。
オブジェクト3次元位置記憶手段(記憶装置)14は、前記オブジェクト3次元位置算出手段10によって算出された、前記映像フレーム内における映像オブジェクトの3次元位置座標を記憶するものであり、ハードディスク等の一般的な記憶手段によって構成される。ここで記憶された映像フレーム内における映像オブジェクトの3次元位置座標は、時系列に対して、軌跡画像生成手段15によって、順方向または逆方向に読み出される。
軌跡画像生成手段15は、前記オブジェクト3次元位置記憶手段14に記憶された前記映像フレーム内における映像オブジェクトの3次元位置座標と、前記カメラパラメータ記憶手段12に記憶された前記カメラパラメータとを読み出して、前記映像フレームごとに軌跡画像を生成し、軌跡画像合成手段16に前記軌跡画像を出力するものである。
軌跡画像合成手段16は、前記軌跡画像生成手段15によって生成された映像フレームごとの軌跡画像と、前記映像記憶手段11に記憶された映像フレームの映像信号の当該映像フレームとを入力し、且つ合成することによって、映像オブジェクト(ボール)の軌跡画像が重畳された映像信号を生成するものである。ここで軌跡画像が重畳された映像は、外部に出力される。
これによって、軌跡画像合成装置1は、これまで困難であった被写体が地上で発射される時点の映像フレーム内の映像オブジェクトの抽出から、被写体が上空に達してから着地して静止点に至るまでの区間の移動軌跡を連続して抽出できる。
なお、軌跡画像合成装置1は、コンピュータにおいて各手段を各機能プログラムとして実現すること可能であり、各機能プログラムを結合して、軌跡画像合成プログラムとして動作させることも可能である。
[軌跡画像合成装置の動作(第1の実施形態)]
次に、図6および図7を参照(適宜図1を参照)して、軌跡画像合成装置1の動作について説明する。
図6は、本発明に係る軌跡画像合成装置1の動作を示すフローチャートである。図7は、本発明に係る映像オブジェクト抽出動作の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、軌跡画像合成装置1は、被写体移動開始検出手段2によって、被写体をカメラで撮影したカメラ映像(少なくとも2つの連続する映像フレーム)とカメラパラメータを入力し(ステップS1)、前記カメラパラメータに基づいて、被写体が移動を開始しているか否かを判定する(ステップS2)。被写体が移動を開始していなければ(ステップS2でNo)、ステップS1に戻り、次映像フレームのカメラ映像とカメラパラメータとを入力する。
また、軌跡画像合成装置1は、被写体移動開始検出手段2によって、被写体の移動開始を検出すると(ステップS2でYes)、映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12とに、ステップS1において入力された映像フレームのカメラ映像とカメラパラメータとをそれぞれ記憶させる(ステップS3)。なお、ここで、軌跡画像合成装置1は、被写体が移動を開始した映像フレームのフレーム番号又は時刻を、カメラパラメータ記憶手段12に記憶する。
次に、軌跡画像合成装置1は、被写体が上空に差し掛かったか否かを、被写体上昇判定手段3によって判定し(ステップS4)、まだ差し掛かっていなければ(ステップS4でNo)、次映像フレームのカメラ映像とカメラパラメータとを被写体移動開始検出手段2によって入力し(ステップS5)、ステップS3に戻って映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12とに、ステップS5において入力された映像フレームのカメラ映像とカメラパラメータとをそれぞれ記憶させる(ステップS3)。また、軌跡画像合成装置1は、被写体上昇判定手段3によって、被写体が上空に差し掛かったと判定されると(ステップS4でYes)、後記する映像オブジェクト抽出動作によって、ステップS5において入力された映像フレームから映像オブジェクトを抽出して3次元位置座標を算出する(ステップS6)。なお、ここで、軌跡画像合成装置1は、被写体が上空に差し掛かった映像フレームのフレーム番号又は時刻を、カメラパラメータ記憶手段12に記憶する。
映像オブジェクト抽出動作において、図7に示すように、軌跡画像合成装置1は、探索位置更新設定手段4によって、初期条件、もしくは1つ前の映像フレームについて、ステップS8において算出された2次元予測位置およびステップS9における着地の判定結果に基づいて、映像オブジェクトの探索範囲を設定し(ステップS61)、閾値決定手段5によって抽出する映像オブジェクトの輝度に対する閾値を背景画像に比較して高い方か、または、低い方かを決定して前景領域を抽出する(ステップS62)。
そして、軌跡画像合成装置1は、オブジェクト領域選定手段6によって、1つ前の映像フレームで図6のステップS9において算出された予測曲線と、被写体画像特徴記憶手段13に記憶される映像オブジェクトの画像特徴とを利用して映像オブジェクトの領域を選定し(ステップS63)、そして、オブジェクト3次元位置算出手段10によって、映像オブジェクトの3次元位置座標を算出する(ステップS64)。
次に、軌跡画像合成装置1は、静止点までの映像フレームまで映像オブジェクトの抽出を全て終了するかどうかを、探索位置更新設定手段4によって、3次元予測位置算出手段71または2次元予測位置算出手段9により算出された状態量Xに含まれるボールの速度が0または閾値以下になったかどうかに基づいて、映像オブジェクトの抽出を終了するかどうか判定する。もしくは、映像オブジェクトの抽出終了の判定を手動で行う(ステップS7)。
そして、軌跡画像合成装置1は、もし、終了していなければ(ステップS7でNo)、2次元予測位置算出手段9によって、図7のステップS63において選定されたボール領域の映像オブジェクトの位置を示す座標および面積に基づいて、映像オブジェクトの2次元予測位置を算出する(ステップS8)。そして、軌跡画像合成装置1は、予測曲線算出手段7によって、映像オブジェクトの位置を示す座標および面積に基づき、実空間における被写体の3次元予測位置を予測し、予測曲線を算出し、着地判定手段8によって着地の判定を行う(ステップS9)。続いて、軌跡画像合成装置1は、被写体移動開始検出手段2によって、次映像フレームのカメラ映像とカメラパラメータとを入力して、映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12に記憶して(ステップS10)、ステップS6に戻って、ステップS10において入力された映像フレームについて、映像オブジェクトの抽出動作を実行する。
映像オブジェクトが上空に差し掛かってからの当該映像オブジェクトの抽出が終了したならば(ステップS7でYes)、軌跡画像合成装置1は、探索位置更新設定手段4によって、映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12とからステップS3において記憶された映像フレームとカメラパラメータ(被写体が上空に差し掛かった映像フレームのフレーム番号又は時刻を含む)とをそれぞれ読み出す(ステップS11)。ここで、探索位置更新設定手段4は、映像を構成する映像フレームの映像信号を、被写体(映像オブジェクト)が上空に差し掛かったと被写体上昇判定手段3によって判定された映像フレームのフレーム番号又は時刻から、時系列を逆の順番に過去の時間方向に読み出す。そして、軌跡画像合成装置1は、映像オブジェクト抽出動作を実行する(ステップS12;図7のステップS121〜ステップS124)。
そして、軌跡画像合成装置1は、探索位置更新設定手段4によって、映像記憶手段11に記憶された全ての映像フレームについて、映像オブジェクトの抽出が終了したかどうかを判定し(ステップS13)、終了していなければ(ステップS13でNo)、2次元予測位置算出手段9によって、図7のステップS123において選定されたボール領域の映像オブジェクトの位置を示す座標および面積に基づいて、映像オブジェクトの2次元予測位置を算出する(ステップS14)。そして、軌跡画像合成装置1は、予測曲線算出手段7によって、映像オブジェクトの位置の情報に基づいて、実空間における被写体の3次元予測位置を予測し、予測曲線を算出する(ステップS15)。
次に、軌跡画像合成装置1は、ステップS11に戻り、探索位置更新設定手段4によって、映像記憶手段11とカメラパラメータ記憶手段12とから、映像フレームのカメラ映像とカメラパラメータとを、同様に、時系列を逆の順番に、時刻t−1の映像フレームを読み出して(ステップS11)、映像オブジェクト抽出動作を実行する。
また、映像オブジェクトの抽出が終了したならば(ステップS13でYes)、軌跡画像合成装置1は、被写体(ボール)が移動を開始した時点(ショット時)の映像フレーム内における映像オブジェクトを抽出できたことになる。これによって、軌跡画像合成装置1は、被写体の移動開始の時点(ショット時)における映像オブジェクトの抽出から、上空へ被写体が上昇し、そして地上への着地と静止点に至るまでの、全ての映像オブジェクトの移動軌跡を示す画像座標の抽出ができる。
続いて、軌跡画像合成装置1は、軌跡画像生成手段15によって、オブジェクト3次元位置記憶手段14から図7のステップS64およびステップS124において算出されたオブジェクト3次元位置情報を入力し、およびカメラパラメータ記憶手段12からステップS3およびステップS10において記憶されたカメラパラメータを入力して、映像オブジェクトの軌跡画像を生成する(ステップS16)。更に、軌跡画像合成装置1は、軌跡画像合成手段16によって、ステップS16において生成された軌跡画像を入力し、映像記憶手段11からステップS3およびステップS10において記憶された映像フレームを入力し、重畳することによってボールの軌跡画像を含んだ合成画像を取得し(ステップS17)、動作を終了する。
[軌跡画像合成装置の構成(第2の実施形態)]
図2を参照して、本発明の第2の実施形態に係る映像オブジェクトの軌跡画像合成装置の構成について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る映像オブジェクトの軌跡画像合成装置の全体構成を示すブロック図である。
図2に示すように、軌跡画像合成装置1Bは、探索位置更新設定手段4Bと、閾値決定手段5と、オブジェクト領域選定手段6と、予測曲線算出手段7と、着地判定手段8と、2次元予測位置算出手段9と、オブジェクト3次元位置算出手段10と、映像記憶手段11Bと、カメラパラメータ記憶手段12Bと、被写体画像特徴記憶手段13と、オブジェクト3次元位置記憶手段14と、軌跡画像生成手段15と、軌跡画像合成手段16とを備えている。なお、探索位置更新設定手段4Bと、映像記憶手段11Bと、カメラパラメータ記憶手段12Bと以外の構成については、図1で説明した軌跡画像合成装置1と同一のものであるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
映像オブジェクトの軌跡画像合成装置1Bは、上空に発射されて移動する被写体をカメラにより撮影した映像信号(カメラ映像)と、被写体を撮影したときのカメラの姿勢および画角に関する情報を含むカメラパラメータとから、映像を構成する映像フレーム内の映像オブジェクトを抽出し、被写体の実空間における位置を示す3次元位置を求めて、映像フレーム内における映像オブジェクトの軌跡画像を生成し、映像オブジェクトの軌跡画像とカメラ映像とを合成するものである。
探索位置更新設定手段4Bは、映像記憶手段11Bから時系列を逆の順番に、映像フレーム内の映像信号を読み出し、カメラパラメータ記憶手段12Bから前記映像信号に対応するカメラパラメータを読み出し、ボール(映像オブジェクト)の探索範囲を設定するものである。なお、探索位置更新設定手段4Bは、入力する映像フレームとカメラパラメータとを映像記憶手段11Bおよびカメラパラメータ記憶手段12Bから読み出したものとしただけで、探索位置更新設定手段4(図1)と機能は同じものである。ここで読み出した映像信号と、前記カメラパラメータと、前記探索範囲とは閾値決定手段5に出力される。
映像記憶手段11Bは、前記カメラにより撮影された映像フレームの映像信号を、時系列に記憶するものであり、ハードディスク等の一般的な記憶手段によって構成される。ここで記憶された映像フレームの映像信号は、時系列に対して、探索位置更新設定手段4Bおよび軌跡画像合成手段16によって、逆方向に読み出される。
カメラパラメータ記憶手段12Bは、前記カメラにより撮影された映像フレームの姿勢状態に関するカメラパラメータを、時系列に記憶するものであり、ハードディスク等の一般的な記憶手段によって構成される。ここで記憶されたカメラパラメータは、時系列に対して、探索位置更新設定手段4Bおよび軌跡画像生成手段15によって、逆方向に読み出される。
以上によって、軌跡画像合成装置1Bは、時系列を逆の順番に過去方向に遡り、映像信号における映像フレームの映像信号と、対応するカメラパラメータとを読み出して、第1の実施形態と同様にして映像オブジェクトを抽出することで、最初に被写体が移動を開始したティーショット時に至る被写体の移動軌跡を示す軌跡曲線を生成し、カメラ映像と合成することが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る映像オブジェクトの軌跡画像合成装置1および軌跡画像合成装置1Bは、これまで困難であったティーショット時における打点P1の自動抽出化と、背景映像の変化に対する被写体領域の輝度閾値の自動設定、および軌道曲線の算出(図4参照)に当たってボール探索方法の高精度化と、着地点P2の自動抽出に留まらず着地後の地上軌跡抽出(図5(b)参照)の高度化とによって、ボールのティーショット(打点P1)に続き、地上付近から上空への飛翔を経て、再び地上への着地、そして静止点P3に至るまでのボールの軌跡曲線を、連続して高精度に抽出できるように操作の全自動化を図った。これによって、従来例(図5(a)参照)に比較して、軌跡表示画像の抽出作業時間の短縮にとどまらず、誤抽出の回避や、軌跡画像の高品質化とサービスの向上に寄与できる。
さらに、軌跡画像合成装置1では、ゴルフにおけるボールの軌跡画像を合成するのに限らず、野球やソフトボールのように、内野と外野とで背景の輝度が急激に変化する場合(内野が茶色で外野が緑色)であり、且つ、ボールが上空に飛翔することなく直線的に飛んでいく場合(ライナーなど)でも、映像フレームごとに輝度ヒストグラムを生成し、この輝度ヒストグラムの度数に応じてボールを抽出する輝度閾値を変更することで、連続してボールを抽出することができ、当該ボールの軌跡画像を描いて合成することが出来る。
本発明の第1の実施形態に係る映像オブジェクトの軌跡画像合成装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る軌跡画像合成装置の構成を示すブロック図である。 閾値決定手段、予測曲線算出手段、および着地判定手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る映像オブジェクトの軌道曲線を示す表示例である。 (a)従来システムによる映像オブジェクトの軌跡を示す表示例である。 (b)本発明の実施形態に係る映像オブジェクトの軌跡を示す表示例である。 本発明の第1および第2の実施形態に係る軌跡画像合成装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1および第2の実施形態に係る映像オブジェクト抽出動作の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1、1B 軌跡画像合成装置
2 被写体移動開始検出手段
3 被写体上昇判定手段
4、4B 探索位置更新設定手段
5 閾値決定手段
6 オブジェクト領域選定手段
7 予測曲線算出手段
8 着地判定手段
9 2次元予測位置算出手段
10 オブジェクト3次元位置算出手段
11、11B 映像記憶手段
12、12B カメラパラメータ記憶手段
13 被写体画像特徴記憶手段
14 オブジェクト3次元位置記憶手段
15 軌跡画像生成手段
16 軌跡画像合成手段
51 輝度ヒストグラム生成手段
52 輝度閾値設定手段
53 前景・背景分離手段
71 3次元予測位置算出手段
72 スクリーン座標変換手段
73 軌跡曲線補間手段
81 被写体高さ判定手段
82 着地時刻判定手段
83 座標変換手段

Claims (5)

  1. 移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記被写体を撮影したときの前記カメラの姿勢および画角に関する情報を含むカメラパラメータとから、前記被写体に対応する映像オブジェクトの移動軌跡を算出し、その算出した映像オブジェクトの移動軌跡を表す軌跡画像と前記カメラによって撮影された映像とを合成する映像オブジェクトの軌跡画像合成装置であって、
    前記映像を構成する映像フレーム内における前記映像オブジェクトの探索範囲を設定する探索位置更新設定手段と、
    前記映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムを生成し、当該輝度ヒストグラムに基づいて、前記探索位置更新設定手段によって設定された探索範囲から前記映像オブジェクトを抽出するための前記輝度に対する閾値と、当該閾値より輝度の高い領域を抽出するか、もしくは、低い領域を抽出するかを決定し、決定された前記領域の画像を、前記映像オブジェクトを含む前景画像として抽出する閾値決定手段と、
    前記閾値決定手段によって抽出された前記前景画像から、前記映像オブジェクトの画像特徴を利用して前記映像オブジェクトを選定するオブジェクト領域選定手段と、
    前記オブジェクト領域選定手段によって選定された前記映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置から、当該映像フレームの次の前記映像フレーム内における前記映像オブジェクトの位置を示す2次元予測位置を算出する2次元予測位置算出手段と、
    前記オブジェクト領域選定手段によって選定された映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置と前記カメラパラメータとに基づいて、当該映像フレームが撮影された時点の前記被写体の実空間における位置を示す3次元位置を算出するオブジェクト3次元位置算出手段と、
    前記オブジェクト3次元位置算出手段によって得られた3次元位置を記憶するオブジェクト3次元位置記憶手段と、
    前記オブジェクト3次元位置記憶手段に記憶された3次元位置に基づき、前記軌跡画像を生成する軌跡画像生成手段と、
    前記軌跡画像生成手段で生成された前記軌跡画像と前記映像フレームとを合成して出力する軌跡画像合成手段と、を備え、
    前記探索位置更新設定手段が、前記2次元予測位置算出手段によって算出された2次元予測位置に基づいて、前記次の映像フレームの前記探索範囲を設定する、ことを特徴とする映像オブジェクトの軌跡画像合成装置。
  2. 前記オブジェクト領域選定手段によって選定された前記映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置と、前記カメラパラメータとから、当該映像フレームより後に続いて入力される複数の前記映像フレーム内における前記映像オブジェクトに対応する当該被写体の実空間における位置を示す3次元予測位置を逐次予測する3次元予測位置算出手段と、
    前記3次元予測位置算出手段によって得られた3次元予測位置を投影変換して、当該被写体に対応する前記映像オブジェクトの前記次の映像フレーム内での位置を算出するスクリーン座標変換手段と、
    前記スクリーン座標変換手段によって得られた前記映像フレーム内における前記位置を示す点の列を、曲線を用いて補間する軌跡曲線補間手段と、を備え、
    前記オブジェクト領域選定手段が、前記軌跡曲線補間手段によって生成された前記曲線から、前記次の映像フレームの前記前景画像に含まれる前記映像オブジェクトの候補となる各々の領域までの距離に基づいて、前記映像オブジェクトを選定することを特徴とする請求項1に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置。
  3. 前記3次元予測位置算出手段によって得られた3次元予測位置に基づいて、前記被写体の実空間における高さが、予め設定された高さに対して下回るかどうかを判定する被写体高さ判定手段と、を備え、
    前記探索位置更新設定手段は、前記被写体高さ判定手段によって下回ると判定された時点の前記映像フレームの次の前記映像フレーム内において、当該映像フレームの前の映像フレームの前記探索範囲より広い前記探索範囲を設定することを特徴とする請求項2に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置。
  4. 前記映像を記憶する映像記憶手段と、
    前記カメラパラメータを記憶するカメラパラメータ記憶手段と、を備え、
    前記探索位置更新設定手段は、前記映像記憶手段に記憶された前記映像を構成する時系列の前記映像フレームを逆の順番に入力して、前記映像フレームにおける前記探索範囲を設定し、前記オブジェクト3次元位置算出手段が、前記カメラパラメータ記憶手段に記憶された時系列の前記カメラパラメータを逆の順番に入力して、前記3次元位置を算出する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の映像オブジェクトの軌跡画像合成装置。
  5. 移動する被写体をカメラにより撮影した映像と、前記被写体を撮影したときの前記カメラの姿勢および画角に関する情報を含むカメラパラメータとから、前記被写体の実空間における位置を示す3次元位置を算出して、外部に接続された記憶装置に記憶し、この3次元位置に基づいて、前記被写体に対応する映像オブジェクトの移動軌跡を表す軌跡画像を生成した当該軌跡画像と前記カメラによって撮影された映像とを合成するために、コンピュータを、
    前記映像を構成する映像フレーム内における前記映像オブジェクトの探索範囲を設定する探索位置更新設定手段、
    前記映像フレームの輝度のヒストグラムである輝度ヒストグラムを生成し、当該輝度ヒストグラムに基づいて、前記探索位置更新設定手段によって設定された探索範囲から前記映像オブジェクトを抽出するための前記輝度に対する閾値と、当該閾値より輝度の高い領域を抽出するか、もしくは、低い領域を抽出するかを決定し、決定された前記領域の画像を、前記映像オブジェクトを含む前景画像として抽出する閾値決定手段、
    前記閾値決定手段によって抽出された前記前景画像から、前記映像オブジェクトの画像特徴を利用して映像オブジェクトを選定するオブジェクト領域選定手段、
    前記オブジェクト領域選定手段によって選定された前記映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置から、次の前記映像フレーム内における前記映像オブジェクトの位置を示す2次元予測位置を算出する2次元予測位置算出手段、
    前記オブジェクト領域選定手段によって選定された映像オブジェクトの前記映像フレーム内における位置と前記カメラパラメータとに基づいて、当該映像フレームが撮影された時点の前記被写体の実空間における位置を示す3次元位置を算出して前記記憶装置に記憶するオブジェクト3次元位置算出手段、
    前記記憶装置に記憶された3次元位置に基づき、前記軌跡画像を生成する軌跡画像生成手段、
    前記軌跡画像生成手段で生成された前記軌跡画像と前記映像フレームとを合成して出力する軌跡画像合成手段、として機能させ、
    前記探索位置更新設定手段が、前記2次元予測位置算出手段によって算出された2次元予測位置に基づいて、前記映像フレームの前記探索範囲を設定することを特徴とする映像オブジェクトの軌跡画像合成プログラム。
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