JP4692752B2 - 重合反応用溶媒および重合体製造方法 - Google Patents

重合反応用溶媒および重合体製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、重合反応用溶媒およびこの溶媒を用いた重合体製造方法に関する。
物質の機能発現において、表面・界面の果たす役割が極めて大きいことが知られており、表面等の構造を精密に制御することにより物質を高機能化することが可能となるため、近年、物質の表面等を改質する種々の手法についての研究が重ねられている。中でも、固体物質表面へのグラフト重合は、以下に記すような利点を有することから、有用な表面改質法として注目されている。
(1)ナノメートルからマイクロメートルオーダーのグラフト層を形成することが可能である。
(2)重合させるモノマーの種類を代えることにより、多様な表面特性を付与することができる。
(3)材料表面に導入された重合開始基に対して重合を行えば、高い密度でのグラフト化が可能である。
さらに近年、グラフト化の手法としてリビングラジカル重合を採用することで、表面特性と深く関係するグラフト鎖の分子量および分子量分布並びにグラフト密度を制御する技術も報告されている(非特許文献1:辻井 敬亘、福田 猛、“リビングラジカル重合による表面設計”、高分子加工、2001年、50巻、2号、p.10−17参照)。
しかしながら、このようなグラフト重合による表面改質法は、重合の際に有機媒体や安定剤等を多量に使用しなければならないため、後処理が煩雑になる上、コスト面で不経済であるとともに、環境負荷が大きいという問題がある。
また、固体物質上の官能基とグラフトポリマーの原料であるモノマーとの反応性が低いため、製造に長時間を有するのみならず、長時間をかけても、充分な分子量のポリマーからなるグラフト層が得られない場合が多いという問題がある。
一方、イオン性液体は、そのユニークな物性から、近年、電気化学用電解質、不活性光化学媒体、酸触媒反応溶媒等に代表される、環境に優しいグリーンケミストリー用媒体として注目されている。特に最近、ある種のイオン性液体が、フリーラジカル重合やリビングラジカル重合の媒体として使用し得ること、およびこれにより重合反応性等に大きな影響を与えることが報告されている(非特許文献2:ケミカル コミュニケーションズ、(英国)、2000年、p.1237−1238,非特許文献3:マクロモレキュラー ラピッド コミュニケーションズ、(米国)、2001年、第22巻、p.1237−1242参照)。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、分子量分布が狭く、高分子量のグラフト層またはブロック層を有する重合体を、簡便にかつ効率よく製造し得る重合反応用溶媒および重合体製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、反応性官能基で修飾された基材と、上記反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とを溶媒中でラジカル重合反応させ、基材表面をグラフト化またはブロック化させる場合に、溶媒としてイオン性液体を含むものを用いることで、基材上の反応性官能基と、化合物の官能基との反応性が著しく向上することを見いだすとともに、結果として、分子量分布が狭く、高分子量のグラフト層またはブロック層を有する重合体を、簡便にかつ効率よく製造し得ることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 反応性官能基で修飾された基材と、この基材の反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とをラジカル重合反応させ、前記基材表面をグラフト化またはブロック化させる際に用いられる重合反応用溶媒であって、イオン性液体を含むことを特徴とする重合反応用溶媒、
2. 前記イオン性液体の含有量が、5質量%以上であることを特徴とする1の重合反応用溶媒、
3. 前記イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1または2の重合反応用溶媒、
4. 前記アンモニウムカチオンが、脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンであることを特徴とする3の重合反応用溶媒、
5. 前記脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンが、下記一般式(1)で示されるイオンであることを特徴とする4の重合反応用溶媒、
Figure 0004692752
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。〕
6. 前記脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンが、下記一般式(2)で示されるイオンであることを特徴とする5の重合反応用溶媒、
Figure 0004692752
〔式中、R1〜R3は互いに同一または異種の炭素数1〜5のアルキル基を示し、これらR1、R2およびR3のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。R′はメチル基またはエチル基を示す。〕
7. 前記脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンが、下記式(3)で示されるイオンであることを特徴とする6の重合反応用溶媒、
Figure 0004692752
〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。〕
8. 前記イミダゾリウムカチオンが、下記一般式(4)で示されるイオンであることを特徴とする3の重合反応用溶媒、
Figure 0004692752
〔式中、R5、R6は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜6のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、R7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。〕
9. 前記ピリジニウムカチオンが、下記一般式(5)で示されるイオンであることを特徴とする3の重合反応用溶媒、
Figure 0004692752
〔式中、R5は炭素数1〜6のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示す。〕
10. 前記イオン性液体を構成するアニオンが、フッ素原子含有アニオンであることを特徴とする1〜9のいずれかの重合反応用溶媒、
11. 前記フッ素原子含有アニオンが、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-、CF3SO3 -またはCF3CO2 -であることを特徴とする10の重合反応用溶媒、
12. 前記イオン性液体を構成するアニオンが、フッ素原子非含有アニオンであることを特徴とする1〜9のいずれかの重合反応用溶媒、
13. 反応性官能基で修飾された基材と、この基材の反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とを溶媒中でラジカル重合反応させ、前記基材表面をグラフト化またはブロック化させる重合体製造方法であって、前記溶媒が、1〜12のいずれかの重合反応用溶媒であることを特徴とする重合体製造方法、
14. 前記反応性官能基と反応し得る官能基が、重合性不飽和結合であることを特徴とする13の重合体製造方法、
15. 前記重合性不飽和結合が、重合性炭素−炭素二重結合であることを特徴とする14の重合体製造方法、
16. 前記ラジカル重合が、リビングラジカル重合であることを特徴とする13の重合体製造方法、
17. 前記リビングラジカル重合が、原子移動ラジカル重合または交換連鎖移動ラジカル重合であることを特徴とする16の重合体製造方法、
18. 前記基材が、平均粒子径1nm〜10000μmの球状微粒子であることを特徴とする13〜17のいずれかの重合体製造方法、
19. 前記ラジカル重合が、リビングラジカル重合であることを特徴とする1の重合反応用溶媒
を提供する。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る重合反応用溶媒は、反応性官能基で修飾された基材と、この基材の反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とを重合反応させ、基材表面をグラフト化またはブロック化させる際に用いられる重合反応用溶媒であって、イオン性液体を含むことを特徴とするものである。
ここで、イオン性液体とは、液状の塩、特に、常温付近で液体となる塩の総称であり、イオンのみからなる溶媒である。このイオン性液体は、不揮発性の液体であるため、不燃または難燃性であるという特徴を有するとともに、耐熱性が高い、液体温度範囲が広い、化学的に安定である等の特徴を有するものである。
また、このイオン性液体の融点に関しては、アニオンとカチオンとの組み合わせや、カチオン中のアルキル鎖の長さを変えることで、著しく変化することが知られている。
本発明におけるイオン性液体としては、上記特性を有するイオン性液体であれば、特に限定されるものではないが、上述したイオン性液体の形成能が高いという点から、イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、中でも、アンモニウムカチオンであることがより好ましい。
上記イミダゾリウムカチオンとしては、上記式(4)で示されるものであれば、特に限定はなく、その具体例としては、ジアルキルイミダゾリウムカチオン、トリアルキルイミダゾリウムカチオン等が挙げられ、具体的には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられる。
上記ピリジニウムカチオンとしては、上記式(5)で示されるものであれば、特に限定されるものではなく、その具体例としては、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムイオンなどが挙げられる。
上記アンモニウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、合成の簡便さ、入手し易さ、および試薬に対する反応性等を考慮すると、脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンをカチオン成分とするものであることが好ましい。
これらの脂肪族および脂環式4級アンモニウムイオンとしても、特に限定されるものではなく、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン等の種々の4級アルキルアンモニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオンなどが挙げられるが、特に、下記一般式(1)で示されるものを好適に用いることができる。
Figure 0004692752
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。〕
式(1)において、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられるが、分子量が大きいほどイオン性液体の粘性が増す傾向があり、粘度が高い程溶剤として使用し難くなることから、R1〜R4の少なくとも1つはメチル基、エチル基またはプロピル基、特に、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
また、R′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシまたはエトキシメチル基、メトキシまたはエトキシエチル基、メトキシまたはエトキシプロピル基、メトキシまたはエトキシブチル基が挙げられる。上記nは1〜4の整数であるが、イオン性液体形成能が高いことから、1〜2が好ましく、特に、n=2が好ましい。
1〜R4のいずれか2個の基が環を形成しているカチオンとしては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を有する4級アンモニウムイオンが挙げられる。
上記式(1)で示される4級アンモニウムイオンの中でも、イオン性液体形成能が高く、原料が安価で比較的簡便な方法で合成可能という点から、下記式(2)で示されるアルコキシエチル基を有する4級アンモニウムイオンが好ましく、特に、下記式(3)で示される4級アンモニウムイオンがより一層好ましい。
Figure 0004692752
〔式中、R1〜R3およびR′は、上記と同じ。〕
Figure 0004692752
〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。〕
上記式(3)で示される4級アンモニウムイオンのように、2−アルコキシエチル基を含有するアンモニウムカチオンは、イオン性液体の性状を示し易く、例えば、下記式(6)〜(8)で示されるものもイオン性液体の性状を示し、これらも本発明の重合反応用溶媒として好適に用いることができる。
Figure 0004692752
また、上記イオン性液体を構成するアニオンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、HSO4 -、ClO4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(CF3SO22-、Cl-、Br-、I-等のアニオンを用いることができる。
これらのアニオンの中でも、イオン性液体形成能が高いことから、フッ素原子含有アニオン、特に、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-、CF3SO3 -、CF3OSO3 -、CF3SO2 -、CF3CO2 -、C25SO3 -、C25OSO3 -、C25SO2 -、C25CO2 -、(CF3SO23-、C25SO3 -、(C25SO22-、F・2.3HF-、SbF6等を用いることが好ましい。
また、非ハロゲン化により環境負荷を低減するという点からは、フッ素原子等のハロゲン原子を含有しないアニオンを用いることが好ましく、この場合、CH3SO3 -、C25SO3 -、CH364SO3 -、CH3SO2 -、C25SO2 -、CH3OSO3 -、C25OSO3 -、CH3SO2 -、C25SO2 -、CH3CO2 -、CH3CO2 -、C25CO2 -、(CN)2-、NO3 -等を好適に用いることができる。
上記4級アンモニウム塩の一般的な合成法は、次の通りである。まず、3級アミン類と、アルキルハライドまたはジアルキル硫酸等とを混合し、必要に応じて加熱を行うことで4級アンモニウムハライド塩とする。なお、アルコキシエチルハライド、アルコキシメチルハライド等の反応性の低い化合物を用いる場合、オートクレーブ等を用いて加圧下で反応させることが好適である。
このようにして得られた4級アンモニウムハライド塩を、水等の水性媒体中に溶解し、ホウフッ化水素酸や、テトラフルオロリン酸等の必要とするアニオン種を発生させる試薬と反応させてアニオン交換反応を行い、4級アンモニウム塩を得ることができる。
上記イオン性液体の融点は、特に限定されるものではないが、低温下においても重合反応を行い易いという点から、50℃以下、特に25℃以下であることが好ましい。
なお、本発明のイオン性液体は、それ単独で重合反応用溶媒として使用してもよく、従来用いられていた各種溶剤と混合して用いることもできる。
イオン性液体と、従来の溶剤とを混合して用いる場合、重合反応用溶媒中のイオン性液体の含有量は、例えば、5質量%程度であれば、基材に導入された反応性官能基と、これと反応する化合物の官能基との反応性が高まり、その結果得られる重合体において、グラフト鎖またはブロック鎖の分子量および分子量分布を制御することが容易となる。しかしながら、後処理の簡便性や、環境適応性および安全性などを考慮すると、イオン性液体を10質量%以上、特に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80〜100質量%含有する、イオン性液体が高濃度の重合反応用溶媒を用いることが望ましい。
この場合、イオン性液体と混合して使用可能な溶剤としては、特に限定されるものではない。例えば、水、メタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノール、2−ブタノール,i−ブチルアルコール,t−ブチルアルコール,1−ペンタノール,2−ペンタノール,3−ペンタノール,2−メチル−1−ブタノール,i−ペンチルアルコール,t−ペンチルアルコール,1−ヘキサノール,2−メチル−1−ペンタノール,4−メチル−2−ペンタノール,2−エチルブタノール,1−ヘプタノール,2−ヘプタノール,3−ヘプタノール,2−オクタノール,2−エチル−1−ヘキサノール,ベンジルアルコール,シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルセロソルブ,エチルセロソルブ,イソプロピルセロソルブ,ブチルセロソルブ,ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル,酢酸ブチル,プロピオン酸エチル,セロソルブアセテート等のエステル類、ペンタン,2−メチルブタン,n−ヘキサン,2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン,2,3−ジメチルブタン,ヘプタン,n−オクタン,イソオクタン,2,2,3−トリメチルペンタン,ノナン,デカン,シクロペンタン,メチルシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,エチルシクロヘキサン,p−メンタン,ジシクロヘキシル,ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン,アニソール(メトキシベンゼン)等の脂肪族または芳香族炭化水素類、四塩化炭素,トリクロロエチレン,クロロベンゼン,テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル,ジメチルエーテル,トリオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチラール,ジエチルアセタール等のアセタール類、ギ酸,酢酸,プロピオン酸等の脂肪酸類、ニトロプロパン,ニトロベンゼン,ジメチルアミン,モノエタノールアミン,ピリジン,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,アセトニトリル等の硫黄または窒素含有有機化合物類等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
本発明に係る重合体製造方法は、反応性官能基で修飾された基材と、この基材の反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とを溶媒中で重合反応させ、基材表面をグラフト化またはブロック化させる重合体製造方法において、溶媒として、上述したイオン性液体を含む重合反応用溶媒を用いることを特徴とするものである。
ここで、上記重合反応としては、ラジカル重合,イオン重合,酸化アニオン重合,開環重合などの付加重合、脱離重合,脱水素重合,脱窒素重合などのポリ縮合、ポリ付加,重付加,異性化重合,転移重合などの水素移動重合、付加縮合等が挙げられるが、簡便であるとともに経済性に優れたポリマー製造法であり、種々の高分子の工業的な合成に多く用いられているという点から、特に、ラジカル重合、中でも、現在までのところ、汎用的、工業的には使われてはいないが、容易にグラフト鎖の分子量および分子量分布並びにグラフト密度を制御することができるリビングラジカル重合を用いることが好ましい。
上記リビングラジカル重合(LRP)とは、狭い分子量分布(分子量分布指数[Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]が2.3以下)、および高い末端活性率が得られる理想的なラジカル重合であり、(i)ドーマント種P−Xの共有結合が熱や光などにより可逆的に切断され、PラジカルとXラジカルとに解離して活性化されて重合が進む解離−結合機構、(ii)P−Xが遷移金属錯体の作用によって活性化されて重合が進む原子移動機構(ATRP)、(iii)P−Xが他のラジカルと交換反応を起こして重合が進む交換連鎖移動機構、の3種類に大別される。
本発明において、上記(i)解離−結合機構で用いられる反応開始種としては、特に限定されるものではなく、通常用いられる種々の解離−結合開始種を用いることができる。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(以下「TEMPO」ともいう)、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−アミノ−TEMPO、4−アセトアミド−TEMPO、4−アミノメチル−TEMPO、4−メトキシ−TEMPO、4−t−ブチル−TEMPO、3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−アセトアミド−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−メトキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−(アミノメチル)−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−t−ブチル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル等のニトロキシ化合物や2価のコバルトラジカルとポルフィリンの錯体等が挙げられる。
本発明において、上記(ii)原子移動ラジカル重合で用いられるATRP開始種としては、特に限定されるものではなく、通常用いられる種々のATRP開始種を用いることができるが、中でも例えば、下記式(9)〜(12)で示される化合物を用いることが好ましい。
Figure 0004692752
〔式中、R8〜R18は、互いに同一または異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基もしくはアリル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基を示し、Zはハロゲン原子を示す。〕
上記ハロゲン原子Zは、特に限定はないが、塩素原子、臭素原子を用いることが好ましい。また、上記アルキル基等の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、ニトリル基などが挙げられる。
式(9)〜(12)で示される化合物の具体例としては、例えば、1−ブロモ−1−フェニルエタン、2−ブロモイソ酪酸エチル、p−トルエンスルホン酸クロライド、2−ブロモプロピオン酸エチル等が挙げられる。
また、遷移金属錯体としても、特に限定されるものではなく、原子移動ラジカル重合において通常用いられる種々の遷移金属錯体を用いることができ、例えば、下記式(13)
MZ(D) (13)
〔式中、Mは遷移金属を示し、Zはハロゲン原子を示し、(D)は配位子を示す。〕
で示される化合物を用いることができる。
上記遷移金属Mとしては、特に限定はないが、銅を用いることが好ましい。ハロゲン原子Zとしても特に限定はないが、通常臭素原子が好適に用いられる。また、配位子としては、孤立電子対により遷移金属と配位結合を形成できるものであれば特に限定はなく、例えば、2,2′−ビピリジル、2,2′−ビス−4−ヘプチルピリジル、2−(N−ペンチルイミノメチル)ピリジン、スパルティン、トリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン等を用いることができる。
本発明において、上記(iii)交換連鎖移動ラジカル重合には、例えば、P−Xが不飽和結合を有する化合物であり、他のラジカルの付加反応と、これにより生じた中間体ラジカルの***反応とで交換反応が完結するもので、RAFT(可逆的付加−***連鎖移動)重合と呼ばれているもの、P−Xがヨウ素を含む化合物で、ヨウ素移動重合と呼ばれるもの等がある。本発明では、適用モノマーの多様性と、重合温度をはじめとする反応条件の簡便性という点から、RAFT重合を用いることが好ましい。このRAFT開始種としては、特に限定されるものではなく、通常用いられる種々のRAFT開始種を用いることができ、例えば、下記一般式(14)で示されるような有機化合物が挙げられる。
Figure 0004692752
〔式中、R19およびYは、互いに同一または異なっていてもよく、水素原子、または酸素原子、窒素原子もしくは遷移金属元素を含んでいてもよい一価の有機基を、Aは炭素原子またはリン原子を示す。〕
式(14)における一価の有機基としては、例えば、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、オキシアルキル基、アミノ基、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、オキシアリール基等が挙げられる。また、上記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、ニトリル基などが挙げられる。
具体的なRAFT開始種としては、例えば、ベンジルジチオベンゾエート、1−フェニルエチルジチオベンゾエート、2−フェニルプロパン−2−イルジチオベンゾエート、1−アセトキシエチルジチオベンゾエート、1,4−ビス(チオベンゾイルチオメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラ−チオベンゾイルチオメチルベンゼン、1,4−ビス(2−(チオベンゾイルチオ)プロパン−2−イル)ベンゼン、1−(4−メトキシフェニル)エチルジチオベンゾエート、ベンジルジチオアセテート、エトキシカルボニルメチルジチオアセテート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルジチオベンゾエート、2−シアノプロパン−2−イルジチオベンゾエート、t−ブチルジチオベンゾエート、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イルジチオベンゾエート、3または4−ビニルベンジルジチオベンゾエート、S−ベンジルジエトキシホスフィニルジチオホルメート、t−ブチルトリチオパーベンゾエート、2−フェニルプロパン−2−イル−ジチオナフタレート、4−シアノペンタン酸ジチオベンゾエート、ジベンジルテトラチオテレフタレート、ジベンジルトリチオカルボネート、カルボキシメチルジチオベンゾエート、1−フェニルエチルジチオアセテート、2−フェニルプロパン−2−イルジチオアセテート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルジチオアセテート、4−シアノペンタン酸ジチオアセテート、1−フェニルエチル−N,N−ジエチルアミノジチオホルメート、2−フェニルプロパン−2−イル−N,N−ジエチルアミノジチオホルメート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イル−N,N−ジエチルアミノジチオホルメート、4−シアノペンタン酸−N,N−ジエチルアミノジチオホルメート、o−フェニル−S−(2−フェニルエタン)ジチオカルボネート、o−フェニル−S−(2−フェニルプロパン)ジチオカルボネート、o−フェニル−S−(2−(エトキシカルボニル)プロパン)ジチオカルボネート、o−フェニル−S−(4−シアノペンタン酸)ジチオカルボネート、等が挙げられる。
また、これらのラジカル重合を行う際に用いる重合開始剤としては、公知の種々のものを用いることができ、例えば、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム,過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル,アゾビスメチルブチロニトリル,アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物などが挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発において、リビングラジカル重合には、上記した各種リビングラジカル重合を採用できるが、特に、重合温度をはじめとする反応条件の簡便性に優れている点、適用モノマーの多様性が期待できることなどから、(ii)原子移動機構(原子移動ラジカル重合)および(iii)交換連鎖移動機構(交換連鎖移動ラジカル重合)を用いることが好適である。
本発明における基材としては、反応性官能基で修飾できるものであれば特に限定されるものではなく、ポリマーフィルム,ポリマー微粒子等のポリマー成形体、鉄,銅,金,鉛,アルミニウム,フェライト,磁性体等の金属類、酸化ケイ素,石英,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム等の無機固体などを用いることができるが、反応性官能基を修飾し易いという点から、ポリマー成形体、無機固体を用いることが好ましく、中でもポリマー微粒子、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
また、基材の形状としても特に限定されるものではなく、球状、板状、シートまたはフィルム状等、必要に応じて適当な形状を選択することができるが、重合体の用途としてより多くの応用が可能であるという点から、球状、シートまたはフィルム状が好ましく、特に、球状微粒子を用いることが好ましい。この場合、微粒子の平均粒子径としては、例えば、1nm〜10000μm、好ましくは5nm〜100μm、より好ましくは10nm〜50μm程度とすることができる。
なお、本発明において、反応性官能基による「修飾」とは、基材に後から官能基を導入する場合、予め官能基を有する化合物を用いて官能基を有する基材を製造する場合、の両者を含む概念である。
反応性官能基としては、後に詳述する「官能基を有する化合物」と反応し得る基であれば、特に限定はなく、例えば、α,β−不飽和カルボニル基、α,β−不飽和ニトリル基、ハロゲン化ビニル基、ハロゲン化ビニリデン基、芳香族ビニル基、複素環式ビニル基、共役ジエン、カルボン酸ビニルエステルのような重合性不飽和結合を有する基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、アミド基、シアノ基、アミノ基、エポキシ基、クロロメチル基、グリシジルエーテル基、リチオ基、エステル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基等が挙げられる。
これらの反応性官能基で、基材を修飾する方法としては、公知の種々の方法を採用でき、ポリマー成形体の場合は、例えば、ポリマー重合時に反応性官能基を有する不飽和モノマーを共重合させて成形体を製造する方法や、金属類または酸化ケイ素などの無機固体の場合は、例えば、基材の表面を反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理する方法などを採用することができる。
上記基材の反応性官能基と反応し得る化合物は、基材上の反応性官能基の種類に応じて適当な反応活性種を発生する化合物を選択して用いることができ、特に限定されるものではない。
本発明で好適に使用されるラジカル重合の場合、このような化合物は、通常、反応性不飽和二重結合を有する原料単量体であり、具体的には、例えば、スチレン,o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,α−メチルスチレン,p−エチルスチレン,2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン,p−t−ブチルスチレン,p−n−ヘキシルスチレン,p−n−オクチルスチレン,p−n−ノニルスチレン,p−n−デシルスチレン,p−n−ドデシルスチレン,p−メトキシスチレン,p−フェニルスチレン,p−クロルスチレン,3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニル,α−クロルアクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,安息香酸ビニル,酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリル,メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトン,メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール,N−ビニルカルバゾール,N−ビニルインドール,N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、フッ化ビニル,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸トリフルオロエチル,アクリル酸テトラフルオロプロピレルなどのフッ素アルキル基を有する化合物等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、モノマーの反応性を考慮すると、ビニル基系および/または(メタ)アクリル基系のモノマーやコポリマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
さらに、本発明において上記ラジカル重合を使用する場合、架橋構造を有する重合体も製造することができる。その際に用いられる不飽和二重結合を2個以上有する原料単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン,ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクリロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の化合物が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ビニル基系および/または(メタ)アクリル基系のモノマーやコポリマーを用いることが好ましい。
また、ラジカル重合以外のその他の重合法を用いる場合、「反応性官能基と反応し得る化合物」としては、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,マレイン酸,フマル酸,フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,塩化アセチル,塩化ベンゾイル等のカルボン酸またはカルボン酸誘導体、硫酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機酸または無機塩基、メタノール,エタノール,フェノール,メチルフェノール,ニトロフェノール,ピクリン酸,エチレングリコール,グリセロール等のアルコール類、臭化エチル,(S)−3−ブロモ−3−メチルヘキサン,クロロメタン等のハロゲン化有機化合物、エチルアミン,アミノエタン,2−アミノペンタン,3−アミノブタン酸,アニリン,p−ブロモアニリン,シクロヘキシルアミン,アンモニア,アセトアミド,p−トルイジン,p−ニトロトルエン等のアミン系化合物、ホルムアルデヒド等が挙げられる。また、これらの化合物の1種または2種以上からなるコポリマーまたはポリマーも挙げられる。
本発明の重合体製造方法を行う際、重合条件は特に限定されるものではない。
すなわち、反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物(モノマー)、重合開始剤および開始種(リビングラジカル重合の場合)の種類、量などにより、最適条件は変動するものであり、一概には規定できないが、ラジカル重合を例に挙げると、基材上に導入された反応性官能基0.1molに対し、反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物の量は1〜300mol、コストを削減するという点から、5〜200molが好ましく、15〜50molが最適である。また、重合開始剤の使用量は、通常、0.005〜30molであるが、重合性を考慮すると、0.02〜10molが好ましく、0.05〜0.5molが最適である。
ATRPにおいて、反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物の使用量は、基材上に導入された反応性官能基(ATRP開始種)0.1molに対し、通常1〜300molであり、コストを削減するという点から、5〜200molが好ましく、15〜50molが最適である。遷移金属錯体の使用量は、通常0.01〜1.0molであり、重合性の点から、0.05〜0.5molが好ましく、0.1〜0.2molが最適である。
RAFT重合において、反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物の使用量は、基材上に導入された反応性官能基(RAFT開始種)0.1molに対し、通常1〜300molであり、コストを削減するという点から、5〜200molが好ましく、15〜50molが最適である。また、重合開始剤の使用量は、通常、0.0005〜1molであるが、重合性を考慮すると、0.001〜0.5molが好ましく、0.005〜0.1molが最適である。
上述した各種反応において用いられる、反応性官能基で修飾された基材と重合反応溶媒との使用割合は、基材の形状などによって最適値が変わるものであるため一概には規定できないが、例えば、0.1molの反応性官能基が導入された基材を1質量部とすると、本発明の重合反応溶媒の使用量は、通常、7〜45000質量部であるが、環境適応性を考慮すると、35〜25000質量部が好ましく、70〜2000質量部が最適である。重合温度は、通常、−20〜1000℃であるが、安全性を高めるという点から、0〜500℃が好ましく、50〜110℃が最適である。重合時間は、通常、0.2〜72時間であるが、効率性を上げるという点から、0.25〜48時間が好ましく、0.5〜24時間が最適である。
なお、本発明の重合体製造方法を行うに際しては、分散剤、安定剤、乳化剤などの各種添加剤を必要に応じて重合反応系内に加えることもできる。
この場合、使用可能な分散剤、安定剤としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン,ポリスチレンスルホン酸,ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体,スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体,スチレン−ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリスチレン誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸,ポリ(メタ)アクリルアミド,ポリアクリロニトリル,ポチエチル(メタ)アクリレート,ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリメチルビニルエーテル,ポリエチルビニルエーテル,ポリブチルビニルエーテル,ポリイソブチルビニルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル誘導体、セルロース,メチルセルロース,酢酸セルロース,硝酸セルロース,ヒドロキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール,ポリビニルブチラール,ポリビニルホルマール,ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体、ポリビニルピリジン,ポリビニルピロリドン,ポリエチレンイミン,ポリ−2−メチル−2−オキサゾリン等の含窒素ポリマー誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン誘導体等の分散剤、安定剤が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記乳化剤(界面活性剤)としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,脂肪酸塩,アルキルリン酸塩,アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系乳化剤、アルキルアミン塩,第4級アンモニウム塩,アルキルベタイン,アミンオキサイド等のカチオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ソルビタン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
以上のような本発明の重合体製造方法で得られた重合体における、基材上にグラフト化またはブロック化されたポリマーの数平均分子量(Mn)は、1000〜5000000であり、重合体の機能性を向上させることを考慮すると、5000〜4000000であることが好ましく、10000〜3000000であることがより一層好ましい。
以上述べたように、本発明では、反応性官能基で修飾された基材と、反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とを重合反応させて基材表面をグラフト化またはブロック化させる際に、イオン性液体を含む重合反応用溶媒を用いている。したがって、反応性官能基を有する基材と、この官能基と反応し得る官能基を有する化合物との反応性が著しく向上するため、グラフト重合、ブロック重合の反応が格段に速くなるだけでなく、低温でも反応が進行するようになる。また、得られる重合体(グラフト鎖)の分子量、分子量分布およびグラフト密度の制御を容易に行うこともできる。
特に、リビングラジカル重合を用いた場合、官能基を有する基材表面に対して、分子量分布の狭い、高分子量のポリマーを、容易にグラフト化またはブロック化することができる。
また、イオン性液体を用いているため、有機溶媒の使用量を削減でき、安全性および環境負荷の低減を図ることができる。さらに、イオン性液体の再利用が可能であり、特に、上述した原子移動ラジカル重合を用いた場合、触媒として使用した金属錯体がイオン性液体に良く溶解するため、後処理が簡便で、反応後の触媒を含むイオン性液体はそのまま再利用でき、この点においても環境適応性に優れているといえる。
なお、本発明の重合体製造方法により得られた、優れた性能を持つ重合体は、例えば、電子材料としては、液晶スペーサー、電子ペーパー、異方導電用導通剤、接着剤、マイクロレンズ、高性能機能素子、難燃剤、熱可塑性の硬化剤、防腐剤、相溶化剤、高密度記録素子などに利用できる。その他、建築材料、化粧料、芳香剤、医療用検査薬など種々の用途に利用することができる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
〈イオン性液体の合成例〉
[合成例1] ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムのビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)塩(以下、DEME・TFSIと略す)の合成
ジエチルアミン(関東化学(株)製)100mlと2−メトキシエチルクロライド(関東化学(株)製)85mlとを混合し、得られた混合溶液をオートクレーブ中に入れ、100℃で24時間反応させた。この時、内圧は、0.127MPa(1.3kgf/cm2)であった。24時間後、析出した結晶と反応液との混合物に水酸化カリウム(片山化学工業(株)製)56gを溶解した水溶液200mlを加え、2層に分かれた有機層を分液ロートで分液した。さらに、塩化メチレン(和光純薬工業(株)製)100mlを加え抽出する操作を2回行った。
分液した有機層をまとめ、飽和食塩水で洗浄した後、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を加えて乾燥し、減圧濾過した。得られた有機層の溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留去し、残留分について常圧蒸留を行い、沸点135℃付近の留分を18.9g得た。この化合物が2−メトキシエチルジエチルアミンであることを1H−核磁気共鳴スペクトルにより確認した。
得られた2−メトキシエチルジエチルアミン8.24gをテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)10mlに溶解し、氷冷下、ヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)4.0mlを加えた。30分後、アイスバスを外し、室温にて一晩撹拌した。この反応溶液の溶媒を減圧留去し、得られた固形分をエタノール(和光純薬工業(株)製)−テトラヒドロフラン系で再結晶し、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩を16g得た。
続いて、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩10.0gをアセトニトリル(関東化学(株)製)50mlに溶解した。これにトリフルオロメタン酸イミドリチウム(キシダ化学(株)製)9.5gを加え、これが完全に溶解した後、さらに15分間撹拌した。
アセトニトリルを減圧留去し、残留分に水を加え、2層に分離した有機層を分液し、水で5回洗浄し、有機層中の不純物を取り除いた。
洗浄後の有機層を真空ポンプにて減圧にし、水を十分に留去し、室温で液体状の表題のイオン性液体を6.8g得た。
[合成例2]N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウム ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩の(以下、ProMe・TFSIと略す)の合成
ジエチルアミンの代わりにピロリジンを用い、オートクレーブでの反応温度を90℃とした以外は、合成例1と同様にして、N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウム ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩を合成した。
〈反応性官能基で修飾した基材の作製〉
[合成例3]反応性官能基で修飾された有機基材の作製
(1)ATRP開始基を有するモノマー(PEGMAI)の合成
ポリエチレングリコールメタクリレート(数平均分子量:438.51、共栄社化学(株)製)32g(73mmol)を、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す、和光純薬工業(株)製)382mlに溶解した溶液中に、トリエチルアミン(関東化学(株)製)15.1ml(109mmol)を加えた。この溶液を0℃に冷却した後、さらに、2−ブロモイソブチリルブロマイド(和光純薬工業(株)製)25g(109mmol)を滴下し、引き続き0℃で3時間撹拌し、さらに室温で21時間撹拌した。
拌終了後、反応溶液からTHFを減圧濃縮により除去し、残渣にクロロホルム(関東化学(株)製)380mlを加えた。このクロロホルム溶液を、1mol/L塩酸水溶液(380ml×2)、飽和重曹水(380ml×2)、飽和食塩水(380ml×2)、および蒸留水(380ml)により洗浄した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)で乾燥し、これを濾過した後、クロロホルムを減圧濃縮により除去し、生成物(PEGMAI)を40g得た。
(2)母粒子(ATRP開始基含有基材)の合成
500mlフラスコに、ジビニルベンゼン(DVB55%、和光純薬工業(株)製)7.5g(58mmol)、上記で得られたPEGMAI(数平均分子量:587)2.6g(4.5mmol)、開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、関東化学(株)製)1.1g(6.7mmol)、アセトニトリル(関東化学(株)製)187.0gを仕込み、撹拌機(50rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(50ml/min、0.5時間)し、モノマーおよびAIBNが溶解していることを確認した後、70℃で約24時間反応させ、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
得られた共重合粒子溶液を、減圧吸引ろ過で、アセトニトリルで3回程度、洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、母粒子を得た。
この粒子をSEM(S−2150、(株)日立製作所製)にて観察・測定を行ったところ、球状の粒子群であることが確認された。また、粒子の平均粒子径は、5.19μm、CV値は、4.6%であった。
さらに、IR(FT−IR8900、(株)島津製作所製)スペクトルにおいて、ジビニルベンゼン由来の吸収に加え、1720cm-1付近に現れたエステル基由来の吸収ピークが確認されたことからも、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることがわかった。
平均粒子径はSEM(S−2150、(株)日立製作所製)にて測定可能な倍率(50〜10000倍)で写真を撮り、ランダムにn1=500個抽出し、各粒子について長径および短径の平均値を算出し、この値を用いて粒子500個の粒径の平均値を求めた。また、CV値は下記式により算出した。
CV(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
[合成例4]反応性官能基で修飾された無機基材(ガラスプレート)の作製
脱水反応(参考文献:カップリング剤最適利用技術、p.116〜119:科学技術総合研究所)により、ガラスプレ−ト表面を、反応性二重結合を有する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)(チッソ(株)製)で処理した(以下、コートガラスという)。
[合成例5]反応性官能基で修飾された無機基材(水酸化アルミニウム粒子)の作製
合成例4と同様の方法で、平均粒子径2.5μmの水酸化アルミニウム粒子(住友化学(株)製)の表面を、反応性二重結合を有する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)(チッソ(株)製)で処理した(以下、コート水酸化アルミニウム粒子という)。
[合成例6]反応性官能基で修飾された無機基材(水酸化マグネシウム粒子)の作製
合成例4と同様の方法で、平均粒子径0.7μmの水酸化マグネシウム粒子(キスマ5Q、協和化学(株)製)の表面を、反応性二重結合を有する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤)(チッソ(株)製)で処理した(以下、コート水酸化マグネシウム粒子という)。
[実施例1]
(1)原子移動ラジカル重合による母粒子のメタクリル酸メチルによるグラフト化またはブロック化
300mlフラスコに、臭化銅(アルドリッチ社製)0.13g(0.7mmol)、スパルティン(アルドリッチ社製)0.43g(1.4mmol)を、合成例1で合成したイオン性液体22.8gに溶解した後、メタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)27.3g(270mmol)を添加し、最後に合成例で製造した母粒子2.1g(反応性官能基0.8mmolを含む)を添加した。撹拌機(120rpm)を使用して粒子が単分散化したのを確認した後、窒素置換(50ml/min)しながら、70℃で24時間反応させた。
反応後、得られた共重合粒子溶液を減圧吸引ろ過して粒子と溶液(ろ液)とに分離した。得られた粒子から、表面にグラフト化(化学結合)していないポリマー、未反応のモノマー、および不純物等を完全に除くため、ろ過した粒子を、THFで5回程度、洗浄−ろ過を繰り返し行った後、真空乾燥した。なお、触媒を含んだろ液(イオン性液体)は再利用した。
得られた粒子をSEM(S−2150、(株)日立製作所製)にて観察・測定を行ったところ、球状の粒子群であることが確認された。また、粒子の平均粒子径は、5.74μm、CV値は、5.2%であった。さらに、IR(FT−IR8900、(株)島津製作所製)スペクトルの、1720cm-1付近に現れたエステル基由来の吸収ピークが、反応前に比べ大きく増大した。これらのことより、粒子表面がMMAでグラフト化されたことが確認できた。そのグラフト層の厚さは0.27μmであった。
(2)グラフトポリマーの分子量および分子量分布の測定
上記で得られたグラフト重合体のグラフトポリマー部と母粒子とを繋ぐPEGMAIのエステル基を以下の手法により切断し、グラフトポリマーの分子量、分子量分布を測定した。
50mlナスフラスコに蒸留水2mlおよびTHF14ml、エタノール4mlに水酸化カリウム0.112g(2mmol)を添加した混合溶液を加え、これに上記グラフト化重合体0.15gを加えて分散させた後、65℃で6時間反応させた。
反応終了後、反応溶液をエバポレーターにより濃縮した。得られた固体をTHFで溶解し、ろ過により、母粒子とろ液とに分離した。ろ液をヘキサン、メタノールでよく洗浄しグラフトポリマーを得た。
得られたグラフトポリマーについて、下記装置および条件にてゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で分子量を測定したところ、数平均分子量(Mn)は53629、重量平均分子量(Mw)は92763、分子量分布(多分散度)(Mw/Mn)は1.6であり、分子量分布が狭く、高分子量のグラフトポリマーであることが確認された。
分子量測定条件
GPC測定装置:C−R7A、(株)島津製作所製
検出器:紫外分光光度計検出器(SPD−6A)、(株)島津製作所製
ポンプ:分子量分布測定装置ポンプ(LC−6AD)、(株)島津製作所製
使用カラム:Shodex KF804L(昭和電工(株)製) 2本、Shodex KF806(昭和電工(株)製) 1本の計3本を直列につないだもの
使用溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
なお、これらの測定装置および条件は、以下の各実施例および比較例においても同様である。
[実施例2]
重合反応用溶媒を、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート(イオン性液体、以下EMI・BF4と略す、東京化成工業(株)製)に代えた以外は、実施例1と同様にして重合体を製造し、実施例1と同様にして粒子の観察・測定を行った。
その結果、粒子表面にMMAがグラフト化されたことがIRスペクトルより確認できた。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は86229、重量平均分子量(Mw)は113774、分子量分布(Mw/Mn)は1.3、グラフト層の厚さは0.25μmであった。
[比較例1〜4]
重合反応用溶媒として、一般有機溶媒であるエタノール(比較例1)、n−メチルピロリドン(比較例2)、トルエン(比較例3)、アニソール(比較例4)をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして重合体を製造した。
その結果、比較例1において、粒子表面がMMAでグラフト化されたことをIRスペクトルで確認できたが、1720cm-1付近に現れたエステル基由来の吸収ピークは、イオン性液体を用いた実施例1,2と比較して小さかった。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は17448、重量平均分子量(Mw)は28112、分子量分布(Mw/Mn)は1.6であり、粒径の変化は観測されなかった。また、比較例2〜4についても比較例1とほぼ同様の結果が得られた。
[実施例3]
(1)原子移動ラジカル重合による母粒子のスチレンによるグラフト化またはブロック化
モノマーにスチレン(和光純薬工業(株)製)28.12g(270mmol)を用い、重合温度を100℃にした以外は、実施例1と同様の方法で重合体を製造した。グラフトポリマーの切断も実施例1と同様の方法で行ったが、反応終了後、塩酸を加え反応溶液を弱酸性にした。
その結果、粒子の平均粒子径は、5.75μm、CV値は、5.2%であった。IRスペクトルの、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークが、反応前に比べ増大した。これらのことより、粒子の表面がスチレンでグラフト化されたことが確認できた。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は、78500、重量平均分子量(Mw)は133450、分子量分布(多分散度)(Mw/Mn)は1.7、グラフト層の厚さは約0.28μmであり、分子量分布が狭く、高分子量のグラフトポリマーであることが確認された。
[実施例4]
重合反応用溶媒を、EMI・BF4(イオン性液体、東京化成工業(株)製)に代えた以外は、実施例3と同様にして重合体を製造し、実施例3と同様にして粒子の観察・測定を行った。
その結果、粒子表面がスチレンでグラフト化されたことがIRスペクトルより確認できた。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は62980、重量平均分子量(Mw)は107080、多分散度(Mw/Mn)は1.7、グラフト層の厚さは0.24μmであった。
[比較例5〜7]
重合反応用溶媒を、n−メチルピロリドン(比較例5)、トルエン(比較例6)、アニソール(比較例7)に代えた以外は、実施例3と同様に重合体を製造した。
その結果、比較例5において、粒子表面がスチレンでグラフト化されたことをIRスペクトルで確認できたが、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークは、イオン性液体を用いた実施例3,4と比較して小さかった。また、グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は20100、重量平均分子量(Mw)は36180、分子量分布(Mw/Mn)は1.8、グラフト層の厚さは0.1μmであった。なお、比較例6〜7も比較例5とほぼ同様の結果が得られた。
上記実施例1〜4および比較例1〜7で得られた結果を、下記表1(メタクリル酸メチルでのグラフト化)および表2(スチレンでのグラフト化)にまとめた。
Figure 0004692752
Figure 0004692752
表1,2に示されるように、実施例1〜4のイオン性液体を溶媒として用いた場合と、比較例1〜7の一般有機溶媒を用いた場合とを比較すると、多分散度はほぼ変わらないものの、平均分子量は実施例1〜4の方が高い。このことから、イオン性液体を溶媒として用いることで、重合性が格段に上がったことが、確認できる。
[実施例5]
(1)交換連鎖移動ラジカル重合によるコートガラスのグラフト化またはブロック化
300mlのビーカーに、合成例1で合成したDEME・TFSI(イオン性液体)50ml、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.082g(0.5mmol)、スチレン20g(192mmol)、下記式(15)で示されるRAFT開始種0.2176g(0.8mmol)を添加し、合成例4で作製したコートガラス(反応性官能基0.8mmolを含む)を浸した。
Figure 0004692752
系内を窒素置換(50ml/min、0.5h)し、70℃で24時間反応させた。
反応終了後、コートガラスを取り出し、THFで洗浄した。IRスペクトルを測定したところ、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークが、反応前に比べ増大した。このことから、コートガラスの表面はスチレンでグラフト化されたことが確認できた。
(2)グラフトポリマーの分子量および分子量分布の測定
上記で得られた重合体中のグラフトポリマーとコートガラスとを繋ぐシランカップリング剤中のエステル基を実施例3と同様の方法で切断し、グラフトポリマーの分子量および分子量分布を測定した。
その結果、グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は46400、重量平均分子量(Mw)は78880、分子量分布(多分散度)(Mw/Mn)は1.7であり、分子量分布が狭く、高分子量のグラフトポリマーであることが確認された。
[実施例6]
重合反応用溶媒を、EMI・BF4(イオン性液体、東京化成工業(株)製)に代えた以外は、実施例5と同様にして、コートガラスのグラフト化を行った。
その結果、コートガラス表面にスチレンがグラフト化されたことがIRスペクトルより確認できた。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は30400、重量平均分子量(Mw)は54720、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。
[比較例8,9]
重合反応用溶媒として、一般有機溶媒であるメタノール(比較例8)、エタノール(比較例9)をそれぞれ使用した以外は、実施例5と同様にして重合体を製造した。
その結果、コートガラス表面がスチレンでグラフト化されたことをIRスペクトルで確認できたが、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークの増大は、イオン性液体を用いた実施例5,6と比較して小さかった。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)15700、重量平均分子量(Mw)22000、分子量分布(Mw/Mn)1.4であった。
[実施例7]
(1)ラジカル重合によるコート水酸化アルミニウム粒子のグラフト化またはブロック化
300mlフラスコに、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1g(0.6mmol)を合成例1で得られたDEME・TFSI(イオン性液体)25.0gに溶解した後、合成例5で製造したコート水酸化アルミニウム粒子5.0g(反応性官能基を0.8mmol含む)を添加した。撹拌機(120rpm)を使用して粒子が単分散化したのを確認した後、窒素置換(50ml/min、0.5h)しながら、スチレン(和光純薬工業(株)製)20g(192mmol)を添加し、70℃で24時間反応させた。
反応後、得られたコート水酸化アルミニウム粒子溶液を減圧吸引ろ過し、残った粒子はTHFで5回程度、洗浄−ろ過を繰り返した後、真空乾燥した。乾燥した粒子のIRスペクトルを測定したところ、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークが、反応前に比べ増大した。このことから、コート水酸化アルミニウム粒子にスチレンがグラフト化されたことがわかる。
(2)グラフトポリマーの分子量および分子量分布の測定
上記で得られたグラフト重合体のグラフトポリマー部とコート水酸化アルミ粒子とを繋ぐシランカップリング剤中のエステル基を実施例3と同様の方法で切断し、グラフトポリマーの分子量、分子量分布を測定した。
その結果、グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は24000、重量平均分子量は(Mw)72000、分子量分布(多分散度)(Mw/Mn)は3.0であり、分子量分布は広いが、高分子量のグラフトポリマーであることが確認された。
[実施例8]
重合反応用溶媒を、EMI・BF4(イオン性液体、東京化成工業(株)製)に代えた以外は、実施例7と同様にして重合体を製造した。
その結果、粒子表面にスチレンがグラフト化されたことがIRスペクトルより確認できた。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は14600、重量平均分子量(Mw)は46720、分子量分布(Mw/Mn)は3.2である重合体が得られた。
[比較例10〜12]
重合反応用溶媒として、一般有機溶媒であるエタノール(比較例10)、THF(比較例11)、n−メチルピロリドン(比較例12)をそれぞれ使用した以外は、実施例7と同様にして重合体を製造した。
その結果、比較例10において、コート水酸化アルミニウム粒子表面がスチレンでグラフト化されたことをIRスペクトルで確認できたが、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークの増大はイオン性液体を用いた実施例7,8と比較して小さかった。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)7900、重量平均分子量(Mw)26070、分子量分布(多分散度)(Mw/Mn)3.3であった。また、比較例11,12もほぼ同様の結果が得られた。
[実施例9]
(1)ラジカル重合によるコート水酸化マグネシウム粒子のグラフト化またはブロック化
50mlフラスコに、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.10g(0.6mmol)を合成例1で得られたDEME・TFSI(イオン性液体)12.0gに溶解した後、合成例6で製造したコート水酸化マグネシウム粒子5.0g(反応性官能基を0.8mmol含む)を添加した。撹拌機(120rpm)を用い拌により粒子が単分散化したのを確認した後、窒素置換(50ml/min、0.5h)しながら、スチレン(和光純薬工業(株)製)5.0g(48mmol)を添加し、70℃で2時間反応させた。
反応後、得られたコート水酸化マグネシウム粒子溶液を減圧吸引ろ過し、残った粒子をTHFで5回程度、洗浄−ろ過を繰り返した後、真空乾燥した。乾燥後、粒子のIRスペクトルを測定したところ、700cm-1付近に現れたベンゼン環由来の吸収ピークが、反応前に比べ増大した。このことから、コート水酸化マグネシウム粒子表面にスチレンがグラフト化されたことがわかる。
(2)グラフトポリマーの分子量および分子量分布の測定
上記で得られたグラフト重合体のグラフトポリマー部とコート水酸化マグネシウム粒子とを繋ぐシランカップリング剤中のエステル基を実施例3と同様の方法で切断し、グラフトポリマーの分子量、分子量分布を測定した。
その結果、数平均分子量(Mn)690000、重量平均分子量(Mw)1760000、分子量分布(Mw/Mn)2.6であり、分子量分布は広いが、高分子量のグラフトポリマーであることが確認された。
[実施例10]
重合反応用溶媒を、合成例2で合成したProME・TFSI(イオン性液体)に代えた以外は、実施例9と同様にして重合体を製造した。
その結果、粒子表面がスチレンでグラフト化されたことがIRスペクトルより確認できた。グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は780000、重量平均分子量(Mw)は1950000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。
以上の結果から、イオン性液体を重合反応用溶媒として用いた場合、一般有機溶媒と比較して、基材上の官能基と反応可能な官能基を有する化合物との重合反応性が格段に上昇することが確認できた。

Claims (19)

  1. 反応性官能基で修飾された基材と、この基材の反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とをラジカル重合反応させ、前記基材表面をグラフト化またはブロック化させる際に用いられる重合反応用溶媒であって、イオン性液体を含むことを特徴とする重合反応用溶媒。
  2. 前記イオン性液体の含有量が、5質量%以上であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の重合反応用溶媒。
  3. 前記イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載の重合反応用溶媒。
  4. 前記アンモニウムカチオンが、脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンであることを特徴とする請求の範囲第3項記載の重合反応用溶媒。
  5. 前記脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンが、下記一般式(1)で示されるイオンであることを特徴とする請求の範囲第4項記載の重合反応用溶媒。
    Figure 0004692752
    〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。〕
  6. 前記脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンが、下記一般式(2)で示されるイオンであることを特徴とする請求の範囲第5項記載の重合反応用溶媒。
    Figure 0004692752
    〔式中、R1〜R3は互いに同一または異種の炭素数1〜5のアルキル基を示し、これらR1、R2およびR3のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。R′はメチル基またはエチル基を示す。〕
  7. 前記脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンが、下記式(3)で示されるイオンであることを特徴とする請求の範囲第6項記載の重合反応用溶媒。
    Figure 0004692752
    〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。〕
  8. 前記イミダゾリウムカチオンが、下記一般式(4)で示されるイオンであることを特徴とする請求の範囲第3項記載の重合反応用溶媒。
    Figure 0004692752
    〔式中、R5、R6は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜6のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、R7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。〕
  9. 前記ピリジニウムカチオンが、下記一般式(5)で示されるイオンであることを特徴とする請求の範囲第3項記載の重合反応用溶媒。
    Figure 0004692752
    〔式中、R5は炭素数1〜6のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示す。〕
  10. 前記イオン性液体を構成するアニオンが、フッ素原子含有アニオンであることを特徴とする請求の範囲第1項から第9項のいずれか1項に記載の重合反応用溶媒。
  11. 前記フッ素原子含有アニオンが、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-、CF3SO3 -またはCF3CO2 -であることを特徴とする請求の範囲第10項記載の重合反応用溶媒。
  12. 前記イオン性液体を構成するアニオンが、フッ素原子非含有アニオンであることを特徴とする請求の範囲第1項から第9項のいずれか1項に記載の重合反応用溶媒。
  13. 反応性官能基で修飾された基材と、この基材の反応性官能基と反応し得る官能基を有する化合物とを溶媒中でラジカル重合反応させ、前記基材表面をグラフト化またはブロック化させる重合体製造方法であって、
    前記溶媒が、請求の範囲第1項から第12項のいずれか1項に記載の重合反応用溶媒であることを特徴とする重合体製造方法。
  14. 前記反応性官能基と反応し得る官能基が、重合性不飽和結合であることを特徴とする請求の範囲第13項記載の重合体製造方法。
  15. 前記重合性不飽和結合が、重合性炭素−炭素二重結合であることを特徴とする請求の範囲第14項記載の重合体製造方法。
  16. 前記ラジカル重合が、リビングラジカル重合であることを特徴とする請求の範囲第13項記載の重合体製造方法。
  17. 前記リビングラジカル重合が、原子移動ラジカル重合または交換連鎖移動ラジカル重合であることを特徴とする請求の範囲第16項記載の重合体製造方法。
  18. 前記基材が、平均粒子径1nm〜10000μmの球状微粒子であることを特徴とする請求の範囲第13項から第17項のいずれか1項に記載の重合体製造方法。
  19. 前記ラジカル重合が、リビングラジカル重合であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の重合反応用溶媒。
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