JP4691803B2 - 主軸装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械等の各種高速回転機械の主軸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高速回転主軸用の軸受の潤滑には、一般に、オイルミスト方式、オイルエア方式、ジェット方式等の潤滑装置が使用されている。
しかし、現状の傾向として主軸装置の高速化が要求されており、前述した従来の潤滑装置では、主軸装置の高速化に対して、以下に示す問題が生じる。
【0003】
まず、オイルミスト方式の潤滑装置の場合は、軸受が高速回転になるとエアカーテンなどの影響を受けて、dm ・Nが2,000,000(但し、dm は軸受のピッチ円径(単位はmm)で、Nは軸受の回転速度(単位はrpm)である)以上では、潤滑油が軸受内部にほとんど供給されず、軸受の焼き付きなどが生ずる虞がある。
【0004】
一方、オイルエア方式の場合は、微量の潤滑油を連続して安定供給することが困難なため、間欠給油せざるを得ず、一定時間毎(例えば、8〜16分間隔)に一定量(通常は、0.01〜0.03ml)の潤滑油をエア配管内に供給するようにしている。このため、軸受内部に供給される潤滑油量が時間毎に変化し、その結果、軸受内部の潤滑状態は常に変化し、特に潤滑油が供給された直後は軸受内部に潤滑油が多く入るため、軸受トルクや軸受温度が変動するという現象が生ずる。この現象が、例えば工作機械などでは加工精度の低下を招く虞がある。
【0005】
また、ジェット方式の潤滑装置の場合は、上記したエアカーテンの影響はオイルミスト、オイルエア方式に比べると殆ど受けないが、高圧ポンプを含む付帯装置が必要になる上、軸受に供給される油量が多くなることによる軸側の攪拌抵抗の増大から、主軸を駆動させるためのモータに駆動力の大きな大型のものが必要となり、コスト高になる。
【0006】
そこで、このような問題を解決すべく、本願出願人は、図8に示す超微量油潤滑方式の潤滑装置100を既に提案した。ここに示した潤滑装置100は、特開平2000−110711号公報に開示したもので、制御装置6によって動作制御される超微量潤滑油ポンプ5の吐出する潤滑油を、潤滑油供給路である配管38を介して図示せぬノズルに導き、ノズルより潤滑箇所に直接噴射供給するものである。
【0007】
超微量潤滑油ポンプ5は、不図示の潤滑油タンクから潤滑油搬送管41を介してポンプ室37に導入された潤滑油を、ポンプ室37のシリンダ36内部を摺動自在に往復動するピストン35により潤滑油供給路である配管38に吐出させるもので、潤滑油搬送管41が連通するポンプ室37の吸込口39に、ポンプ室37から潤滑油搬送管41側への逆流を防止する吸入バルブ(逆止バルブ)40を装備すると共に、ピストン35の往復動作を棒体30の伸縮動作によって行うようにしている。
【0008】
棒体30は、磁界の印加によって軸方向に伸長する正特性の超磁歪素子で、棒体30への磁界の印加は、棒体30の周囲に同心に装備したコイル43への電流印加によって行う。コイル43へ印加する電流は、要求される吐出量に応じて制御装置6が制御する。
即ち、制御装置6は、棒体30の伸長によるピストン35の変位によって要求された1ショット分の吐出量が得られるように、コイル43への供給電流を制御して、コイル43から棒体30への磁界の印加を制御する。
【0009】
この潤滑装置100を使用すると、潤滑油の供給に圧縮空気を利用しないために、微量油潤滑又は超微量油潤滑を容易、且つ、正確に実現することができる。
また、この潤滑装置100では、過剰な潤滑油量の間欠供給に起因する軸側のトルク変動を防止することもでき、高速回転する主軸の軸受部の潤滑に利用することで、主軸の回転性能の向上を図ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、微量油潤滑や超微量油潤滑を採用した場合は、何らかの理由で実際の潤滑油供給量が予定よりも不足すると、短時間の内に、主軸を支持している転がり軸受の焼き付きや、主軸の回転性能の大幅な悪化等の不都合を生じ易い。
従って、高速回転される主軸の軸受部の潤滑に微量油潤滑や超微量油潤滑を採用する場合には、潤滑油供給量の低減を迅速に検知する潤滑異常検出手段の装備が、不可欠になる。
【0011】
そこで、前述した超微量潤滑油ポンプ5自体に、潤滑油供給量の低減を検知するための潤滑異常検出手段を装備することが提案された。
しかし、超微量潤滑油ポンプ5自体に潤滑異常検出手段を組み込む対処では、超微量潤滑油ポンプ5を構成している多数の部品に改造が必要となり、コストアップという問題を招く。
また、潤滑箇所への潤滑油供給量の低減等の不都合は、ポンプ自体の故障だけでなく、ノズルの目詰まりや、ポンプからノズルまでの配管の詰まり等によっても発生し、ポンプの故障以外で潤滑油供給量の低減が発生した場合には、超微量潤滑油ポンプ5自体に潤滑異常検出手段を組み込む対処では潤滑油の供給不足という異常の発生を見落とす虞がある。
【0012】
そこで、潤滑油ポンプと転がり軸受との間の潤滑油の供給状態を監視すべく、潤滑異常検出手段として、潤滑油供給量の増減に応じて電気的な出力信号を増減させるセンサで監視するようにした場合には、潤滑異常検出手段であるセンサ自体の故障やセンサの出力信号を監視・解析する判定回路等に故障が生じたとき、潤滑油が確実に吐出されているか否かを実際に目で確認することができなかったため、潤滑油の供給状態の検出信頼性に欠けるという問題があった。また、このような潤滑異常検出手段に適用されるセンサは高価であった。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ポンプ自体の故障に限らず、何らかの理由で潤滑油供給の低減が発生すれば、速やか、且つ、確実に潤滑油供給量の不足を検出することができて、潤滑油の供給不足という異常の見落としに起因する軸受の焼き付き等の事故を確実に防止することができ、しかも、潤滑油供給量の不足を検出するために改造が必要となる既存部品が少なく、また、高価なセンサ等の使用を排除して改良コストが安価で済み、従って、潤滑性能の信頼性の向上によって主軸装置における回転性能の向上や、軸受部の寿命の向上を図ることができると同時に、製造コストの低減を図ることのできる主軸装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 主軸と、該主軸をハウジングに回転自在に支承する転がり軸受と、該転がり軸受に潤滑油を供給する潤滑装置とを備え、且つ、前記潤滑装置は、潤滑油を前記転がり軸受に向けて噴射するためのノズルと、超微量の吐出量で潤滑油を間欠的に吐出する潤滑油ポンプと、該潤滑油ポンプの送出する潤滑油を前記ノズルに導く潤滑油供給路とを備え、前記ノズルからの潤滑油の吐出速度が10〜100m/秒の範囲で、且つ吐出油量が1ショット当たり0.0005〜0.01mlとなる潤滑油供給を行う主軸装置において、
前記潤滑油供給路の途中に、該潤滑油供給路に接続する流路が垂直に配置され且つ流路内径よりも小さいフロートを流路内に挿入したフロート式の流量計を備え、
前記フロート式の流量計は、1ショット当たりの積算流量に従ってフロートが上昇するように流路を直管状にし、潤滑油のショット前はフロートは流路の小径部に着座した初期位置にあり、潤滑油のショットによって流路内を潤滑油が流れると、その潤滑油に押し上げられてフロートが流路内を上昇し、ショットが終了すると、フロートは重力と潤滑油の粘性抵抗に従って徐々に初期位置まで沈下するように設定され、潤滑油の流れをフロートの変位挙動に変換し、さらに、
前記フロートの変位挙動を検出するセンサと、前記センサの出力信号を監視および解析する判定回路と、を備えたことを特徴とする主軸装置
(2) 上記(1)の主軸装置において、
前記センサの出力信号は、タイマ回路を内蔵した前記判定回路に送られ、前記タイマ回路は、センサの出力信号に応動し、潤滑油の供給開始に伴い初期位置から上昇した前記フロートが、潤滑油の供給終了によって再び初期位置に戻るまでの時間を計時し、前記判定回路はその時の所要時間から、潤滑油の供給量が正常か異常かを判定し、潤滑以上の場合には、警告手段によりその旨を通報すると共に、必要に応じて、前記主軸装置の作動を停止することを特徴とする主軸装置。
【0015】
潤滑装置を構成しているポンプの故障又はノズルの目詰まり等の何らかの理由で潤滑油供給量の低減が発生すれば、結局は、潤滑油ポンプとノズルとの間の潤滑油供給路内における潤滑油の流れが悪化し、フロート式の流量計におけるフロートの変位挙動が通常と異なった状態となるフロートの挙動異常現象として具現する。
即ち、フロート式の流量計が潤滑油の供給量の異常を検出するセンサとして機能し、流量計のフロートの動きをチェックすることで、何れの理由により潤滑油供給量が低減しても、速やか、且つ、確実にこれを検出することができる。
【0016】
しかも、フロート式の流量計は、単純に潤滑油供給路の途中に繋げるだけでよく、潤滑油供給量の不足を検出するため改造が必要となる既存部品が、例えば、超微量潤滑油ポンプに潤滑異常検出手段を組み込む場合と比較すると、少なくて済む。
【0017】
更に、上記のフロート式の流量計に、フロートの挙動を検出するセンサとこのセンサの出力を監視・解析する判定回路とを組み合わせることで、潤滑油の供給異常の検知を自動化することも容易である。
また、上記のフロート式の流量計は、フロートの挙動を目視可能な構成のため、潤滑油の供給量の変動に応じて電気的な出力信号を変化させるセンサを使用する場合と比較すると、高価なセンサや判定回路を省いても、フロートを目視することで、潤滑油供給量の異常を容易に検知することができる。
【0018】
更に、フロートの挙動を検出するセンサやこのセンサの出力信号を監視・解析する判定回路を装備した構成にした場合、これらのセンサや判定回路が故障した際には、フロートを目視することで潤滑油供給量の異常を検知でき、フロートによって潤滑油供給量が正常であることが確認できれば、主軸装置の運転は止めずに、故障したセンサ等の修復作業を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る主軸装置の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図5は本発明に係る主軸装置の一実施の形態を示したもので、図1は主軸装置の概略構成を示すブロック図、図2は図1に示した主軸装置の拡大図、図3は図2のA部の拡大図、図4は図2に示したフロート式の流量計のフロートの変位挙動を自動検出するセンサの説明図、図5は図1に示した流量計において、潤滑油供給状態の変化に対応したフロートの変位挙動を示すグラフである。
【0020】
この実施の形態の主軸装置1は、主軸2と、主軸2が挿通するハウジング3と、主軸2をその軸線方向に離間した複数箇所で回転自在にハウジング3に支承する転がり軸受8と、主軸2を高速で回転駆動する不図示の軸駆動部と、転がり軸受8に潤滑油を供給する潤滑装置110とを備えた構成である。
【0021】
そして、潤滑装置110は、潤滑油を転がり軸受8の所定の部位に向けて噴射するためのノズル111と、超微量の吐出量で潤滑油を間欠的に吐出する潤滑油ポンプを内蔵した潤滑装置本体112と、潤滑装置本体112内の潤滑油ポンプの送出する潤滑油をノズル111に導く潤滑油供給路114とを備えて、ノズル111からの潤滑油の吐出速度が10〜100m/秒の範囲で、且つ、吐出油量が1ショット当たり0.0005〜0.01mlとなる潤滑油供給を間欠的に行う。
【0022】
主軸2を支承する複数個の転がり軸受8には、図2に示すように、それぞれ個別にノズル111が装備されている。また、それぞれのノズル111には、潤滑装置本体112内の潤滑油ポンプの吐出する潤滑油が個別の潤滑油供給路114によって送給される。
【0023】
潤滑装置110は、本出願人が先に出願した特願2000−324202号ににより提案した技術を適用したもので、一定圧力に加圧された潤滑油を切替弁の開閉制御によって、一定時間吐出する所謂定圧型潤滑装置である。
この定圧型潤滑装置は、既述した特開2000−110711号公報に開示の潤滑装置のように、ピストンの作動によって定容量の潤滑油を吐出する定容量型潤滑装置と較べて、目詰まりや漏れ等の異常が発生した時に吐出量が変化し易いため、本発明のフロート式流量計によって潤滑油の供給量の異常を検知するのに適している。
【0024】
そして、本実施の形態では、潤滑装置110は、各潤滑油供給路114の途中に、潤滑油供給路114に接続する流路16が垂直に配置され、且つ、流路内径より僅かに小さいフロート(比重が潤滑油より大きい鋼球)11を流路内に挿入した構造のフロート式の流量計12を設けている。
このフロート式の流量計12は、流路16を透明なアクリル板によって形成して、流路16内のフロート11を外部から目視可能にしている。
【0025】
流量計12の流路16は、フィッティング等の管継手17を介して、潤滑油供給路114の途中に直列接続され、また、ノズル111も管継手18を介して、潤滑油供給路114の先端に接続されている。
【0026】
流量計12の流路16は、図3に示すように、略垂直に潤滑油を流す直管状に形成され、下部にフロート11を初期位置に規制するための小径部16aが装備されると共に、上部にはフロート11の抜けを防止するストッパ16bが装備された構成である。つまり、小径部16aとストッパ16bとの間の流路16が、フロート11の変位可能範囲である。
【0027】
一般に、フロート式の流量計では、流路にテーパ管を使用して、定常的な潤滑油の流れに対して、単位時間当たりの流量(瞬間流量)をフロート位置の変位によって測定するものが多い。しかし、本発明で使用する直憤式の潤滑装置のように、間欠的に数マイクロリットルの超微量な潤滑油が極短時間の間だけ流される潤滑装置では、定常的な潤滑油の流れができないため、上記した流路にテーパ管を利用した流量計では、潤滑油ポンプの潤滑油の1ショット毎に瞬間流量を求めることは非常に困難である。
そこで、本実施の形態のフロート式の流量計12では、1ショット当たりの積算流量に従ってフロートが上昇するように、流路16を直管状にしている。
【0028】
潤滑装置本体112からの潤滑油のショット前は、フロート11は流路16の小径部16aに着座した初期位置にあり、潤滑油のショットによって流路16内を潤滑油が流れると、その潤滑油に押し上げられてフロート11が流路16内を上昇し、ショットが終了すると、フロート11は重力と潤滑油の粘性抵抗に従って徐々に初期位置まで沈下するように、フロート11の外径は流路16内径よりも適度に小さく設定されている。
【0029】
なお、潤滑装置本体112における1ショット当たりの潤滑油の吐出量Vによって、フロート11が目視可能な顕著な変位挙動を示すように、また、次のショットが始まるまでにはフロートが初期位置に戻っているように、流路16の内径や、フロート11の外径、質量等を設定する必要がある。
潤滑装置本体112の1ショット当たりの潤滑油の吐出量をV、流路16内径をdとすれば、正常に潤滑油供給がなされている場合のフロート11の流路16内での上昇量Lは、ほぼ次の(1)式の如くなる。
L≒V/(π・d2 /4) ……(1)
【0030】
そこで、例えば、1ショット当たりの吐出量Vが約3μlである場合、フロート11の上昇量Lが目視の容易な2〜10mm程度となるようにするには、流路16内径dは0.9mm、フロート11外径は、流路16内径の90%程度で、例えば約0.8mmに設定するとよい。
このように、各寸法を適宜に選択することで、正常の潤滑油供給状態の場合に、1ショット毎にフロート11が目視できる範囲で上昇し、更に、次のショットの開始前に、元の初期位置までフロート11を戻すことができる。
また、フロート式流量計は、圧力損失が小さいため、上記の構成によるフロート式流量計を用いた場合、流量計を用いない場合に比べて、吐出量および速度の低下はほとんどないため、微量潤滑に適用することが可能である。
【0031】
更に、流量計12には、フロート11の挙動を自動検出するためのセンサ14が装備されている。このセンサ14は、図4(a)に示すように、フロート11の初期位置に向けて出射した光線14aの反射光によって、フロート11の存在を検出するフォトセンサで、図4(b)に示すように、潤滑油の流量に応じてフロート11が上昇して初期位置から外れると作動して、出力信号を発する。
なお、本実施の形態の場合、流路16が透明であるため、センサ14は外乱光の影響を受け易いので、外乱光に強い変調光タイプのフォトセンサを使用することが望ましい。
【0032】
センサ14の出力信号は、不図示のタイマ回路を内蔵した判定回路に送られる。
タイマ回路は、センサ14の出力信号に応動し、潤滑油の供給開始に伴い初期位置から上昇したフロート11が、潤滑油の供給終了によって再び初期位置まで戻るまでの時間を計時し、判定回路はその時の所要時間から、潤滑油の供給量が正常か異常かを判定し、潤滑異常の場合には、不図示の警告手段によりその旨を通報すると共に、必要に応じて、主軸装置1の作動を停止する。
【0033】
図5(a)は、潤滑油供給が正常な場合に、1ショット毎のフロート11が上昇を開始して初期位置に復帰する迄の所要時間t1と、その際のフロート11の変位を示したものである。
ノズル111の目詰まりや潤滑油供給路114内の詰まり等で、1ショット当たりの潤滑油供給量が低減した場合は、流量計12を通過する潤滑油量が少なくなるため、図5(b)に示すように、フロート11の上昇量が減少すると共に、フロート11が初期位置に復帰するまでの所要時間t2も短縮される。
逆に、潤滑油供給路114や供給路の継ぎ目等で漏れが発生した場合、定圧型潤滑装置を構成する潤滑装置本体112からの1ショット当たりの潤滑油供給量が増大し、流量計12を通過する潤滑油量も多くなるため、図5(c)に示すように、フロート11の上昇量が増大し、それに伴い、フロート11が初期位置へ復帰するまでの所要時間t3も増大する。
【0034】
以上に説明した主軸装置1では、潤滑装置110を構成しているポンプの故障又はノズル111の目詰まり等の何らかの理由で潤滑油供給量の低減が発生すれば、結局は、潤滑油ポンプとノズル111との間の潤滑油供給路114内における潤滑油の流れが悪化し、フロート式の流量計12におけるフロート11の変位挙動が通常と異なった状態となるフロート11の挙動異常現象として具現する。
即ち、フロート式の流量計12が潤滑油の供給量の異常を検出するセンサ14として機能し、流量計12のフロート11の動きをチェックすることで、何れの理由により潤滑油供給量が低減しても、速やか、且つ、確実にこれを検出することができる。
従って、潤滑油の供給不足という異常の見落としに起因する軸受の焼き付き等の事故を確実に防止することができる。
【0035】
しかも、フロート式の流量計12は、単純に潤滑油供給路114の途中に繋げるだけでよく、潤滑油供給量の不足を検出するため改造が必要となる既存部品が、例えば、超微量潤滑油ポンプ自体に潤滑異常検出手段を組み込む場合と比較すると、少なくて済み、改良コストを安価にすることができる。
【0036】
更に、上記のフロート式の流量計12に、フロート11の挙動を検出するセンサ14とこのセンサ14の出力を監視・解析する判定回路とを組み合わせたことで、潤滑油の供給異常の検知が自動化されていて、潤滑油の供給不足に起因する焼き付き等の事故を未然に防ぐことができる。
但し、上記のフロート式の流量計12は、フロート11の挙動を目視可能な構成のため、潤滑油の供給量の変動に応じて電気的な出力信号を変化させるセンサを使用する場合と比較すると、高価なセンサや判定回路を省いても、フロート11を目視することで、潤滑油供給量の異常を検知することができ、高価なセンサや判定回路の省略よって、更に、改良コストや製造コストの低減を図ることも可能である。
【0037】
また、本実施の形態のように、フロート11の挙動を検出するセンサ14やこのセンサ14の出力信号を監視・解析する判定回路を装備した構成にした場合、これらのセンサ14や判定回路が故障した際は、フロート11を目視して潤滑油供給量の異常を検知することができ、フロート11によって潤滑油供給量が正常であると確認できれば、主軸装置1の運転は止めずに、故障したセンサ14等の修復作業を行うことができ、主軸装置1の稼働率の向上を図ることができる。
【0038】
なお、流量計のフロートの動きを検出するセンサは、上記の一実施の形態に記載した構成に限らない。
例えば、図6及び図7に示した構造のセンサを利用することも可能である。
ここに示したセンサ21は、レーザ光22を出射する投光器23と、投光器23の出射したレーザ光22を受光する受光器24とを、流路16を挟んで対向配置して、受光器24の受光面24aにおける総受光量に従って検出信号を出力するレーザセンサで、フロート11の位置を直接検知するものである。
【0039】
即ち、図7に示すように、受光器24の受光面24aは、本来矩形状であるが、フロート11の位置を特定するために、マスキング26によって実質的な受光面である有効受光面24bを、上方に向かって徐々に幅が狭まる三角形状に形成してある。従って、フロート11の位置によって、フロート11により遮断される面積が異なることから、フロート11の位置を算出可能にしたものである。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の主軸装置によれば、潤滑装置を構成しているポンプの故障又はノズルの目詰まり等の何らかの理由で潤滑油供給量の低減が発生すれば、結局は、潤滑油ポンプとノズルとの間の潤滑油供給路内における潤滑油の流れが悪化し、フロート式の流量計におけるフロートの挙動異常現象として具現する。
即ち、フロート式の流量計が潤滑油の供給量の異常を検出するセンサとして機能し、流量計のフロートの動きをチェックすることで、何れの理由により潤滑油供給量が低減しても、速やか、且つ、確実にこれを検出することができる。
従って、潤滑油の供給不足という異常の見落としに起因する軸受の焼き付き等の事故を確実に防止することができる。
【0041】
しかも、フロート式の流量計は、単純に潤滑油供給路の途中に繋げるだけでよく、潤滑油供給量の不足を検出するため改造が必要となる既存部品が、例えば、超微量潤滑油ポンプに潤滑異常検出手段を組み込む場合と比較すると、少なくて済み、改良コストを安価にすることができる。
【0042】
更に、上記のフロート式の流量計に、フロートの挙動を検出するセンサとこのセンサの出力を監視・解析する判定回路とを組み合わせることで、潤滑油の供給異常の検知を自動化することも容易である。
但し、上記のフロート式の流量計は、フロートの挙動を目視可能な構成のため、潤滑油の供給量の変動に応じて電気的な出力信号を変化させるセンサを使用する場合と比較すると、高価なセンサや判定回路を省いても、フロートを目視することで、潤滑油供給量の異常を検知することができ、高価なセンサや判定回路の省略よって、更に、改良コストや製造コストの低減を図ることも可能である。
【0043】
また、フロートの挙動を検出するセンサやこのセンサの出力信号を監視・解析する判定回路を装備した構成にした場合、これらのセンサや判定回路が故障した際には、フロートを目視することで潤滑油供給量の異常を検知でき、フロートによって潤滑油供給量が正常であることが確認できれば、主軸装置の運転は止めずに、故障したセンサ等の修復作業を行うことができ、主軸装置の稼働率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る主軸装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した主軸装置の拡大図である。
【図3】図2のA部の拡大図である。
【図4】図2に示したフロート式の流量計のフロートの変位挙動を自動検出するセンサの説明図である。
【図5】図1に示した流量計において、潤滑油供給状態の変化に対応したフロートの変位挙動を示すグラフである。
【図6】本発明で使用するフロート式の流量計のフロートの変位挙動を自動検出するセンサの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図7】図6の要部拡大図である。
【図8】従来の超微量潤滑油ポンプを用いた超微量油潤滑方式の潤滑装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 主軸装置
2 主軸
3 ハウジング
8 転がり軸受
11 フロート
12 流量計
14 センサ
16 流路
17 管継手
18 管継手
21 センサ
22 レーザ光
23 投光器
24 受光器
110 潤滑装置
111 ノズル
112 潤滑装置本体
114 潤滑油供給路

Claims (2)

  1. 主軸と、該主軸をハウジングに回転自在に支承する転がり軸受と、該転がり軸受に潤滑油を供給する潤滑装置とを備え、且つ、前記潤滑装置は、潤滑油を前記転がり軸受に向けて噴射するためのノズルと、超微量の吐出量で潤滑油を間欠的に吐出する潤滑油ポンプと、該潤滑油ポンプの送出する潤滑油を前記ノズルに導く潤滑油供給路とを備え、前記ノズルからの潤滑油の吐出速度が10〜100m/秒の範囲で、且つ吐出油量が1ショット当たり0.0005〜0.01mlとなる潤滑油供給を行う主軸装置において、
    前記潤滑油供給路の途中に、該潤滑油供給路に接続する流路が垂直に配置され且つ流路内径よりも小さいフロートを流路内に挿入したフロート式の流量計を備え、
    前記フロート式の流量計は、1ショット当たりの積算流量に従ってフロートが上昇するように流路を直管状にし、潤滑油のショット前はフロートは流路の小径部に着座した初期位置にあり、潤滑油のショットによって流路内を潤滑油が流れると、その潤滑油に押し上げられてフロートが流路内を上昇し、ショットが終了すると、フロートは重力と潤滑油の粘性抵抗に従って徐々に初期位置まで沈下するように設定され、潤滑油の流れをフロートの変位挙動に変換し、さらに、
    前記フロートの変位挙動を検出するセンサと、前記センサの出力信号を監視および解析する判定回路と、を備えたことを特徴とする主軸装置。
  2. 請求項1に記載の主軸装置において、
    前記センサの出力信号は、タイマ回路を内蔵した前記判定回路に送られ、前記タイマ回路は、センサの出力信号に応動し、潤滑油の供給開始に伴い初期位置から上昇した前記フロートが、潤滑油の供給終了によって再び初期位置に戻るまでの時間を計時し、前記判定回路はその時の所要時間から、潤滑油の供給量が正常か異常かを判定し、潤滑以上の場合には、警告手段によりその旨を通報すると共に、必要に応じて、前記主軸装置の作動を停止することを特徴とする主軸装置。
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