JP4690183B2 - 肉厚測定装置及び肉厚測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定装置、または肉厚測定方法に関するものである。
ビン等の容器は、各種目的に利用されている。近年、資源節約を主目的として、容器の肉厚はぎりぎりまで薄く製造されている。容器の肉厚の限界は、使用中または搬送中に多少の振動や接触があっても破損しない程度の基準である。
しかしながら、使用中または搬送中の容器の破損は、肉厚だけに依存するのではなく、むしろ肉厚の不均一性に依存することが知られている。通常、ビールビンや酒ビン等の容器は吹製方式で製造されるため、容器の肉厚分布が円周方向に不均一となり易くなる。このため、このような容器の肉厚を、全数、全周に渡って検査を行い、肉厚不良容器を不良品として排除する必要がある。それゆえ、容器の肉厚を、非接触に、かつ瞬時(リアルタイム)に、高精度で測定する技術が熱望されている。
容器の肉厚を非接触に、かつリアルタイムに、高精度で測定するための方法として、例えば、特許文献1〜3には、レーザー光を利用した容器の肉厚測定方法が開示されている。
特許文献1の発明は、ビン表面からの反射光と裏面からの屈折光とをレンズによって分離して、その分離の大きさ(指数)から肉厚を測定するものである。そして、特許文献1では、反射光と屈折光との分離(結像)にただ1枚の結像レンズを用いている。
また、特許文献2の発明は、レーザー光を測定ガラス面に対し垂直に照射し、撮像装置にて表面及び裏面の散乱面形状(表面及び裏面の散乱光によるスポットの間隔)を映像画面として捉えるというものである。そして、特許文献2の発明では、映像画面として捉えられた表面及び裏面の散乱光によるスポットの間隔から、肉厚を測定している。すなわち、特許文献2の発明は、ガラス面にほぼ垂直に入射した入射光に対する外壁、内壁両面での散乱面を撮像し、その位置関係からビン肉厚を測定するというものである。なお、特許文献2では、測定された肉厚は所定の検査基準値と比較され、その肉厚値の良否が判定されている。
さらに、特許文献3には、ガラス肉厚部の斜め照射断面像をある方向からCCDカメラに撮像し、その形状から肉厚値を測定するというものである。すなわち、ガラスビンに照射した光線の肉厚部における軌跡を撮像して肉厚を求めるというものである。特徴点としては、外乱光の影響を取り除くために、レーザー光の波長のみを透過させるフィルターを用いている点である。
特開平1−195305号公報(平成1年 8月 7日公開) 特開平6−201336号公報(平成6年 7月19日公開) 特開平11−190614号公報(平成11年 7月13日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、以下の問題が生じる。
上記特許文献1〜3に記載の従来の構成はいずれも、測定時の環境、すなわち全周方向の測定に不可欠な回転時の中心の振れ回りに対する対策が皆無である。それゆえ、この中心の振れ回りが無ければ高精度な測定が可能である。
しかしながら、肉厚測定ライン上で、このような振れ回りの大きさを制限することは技術的に困難である。このために、上記の従来の構成では、測定誤差が生じるという欠点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、高精度な肉厚測定が可能な容器の肉厚測定装置及び容器の肉厚測定方法を提供することにある。
本発明の肉厚測定装置は、上記課題を解決するために、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定装置であって、容器の外壁面にレーザー光を照射するレーザー光源と、上記散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配する光路分配手段と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光を集光する集光手段と、上記集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面及び上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第1の撮像素子と、上記光路分配手段から第2光路を介した散乱光を、正反射スポットとして読み取る第2の撮像素子と、上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する肉厚計算手段とを備えたことを特徴としている。
従来の肉厚測定装置では、実際にガラスビン等の容器の肉厚測定に適用する場合、容器の中心位置が測定毎に移動するため、正確な肉厚測定が困難となる。
しかしながら、上記の構成によれば、肉厚計算手段は、上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位を計算するので、実際の肉厚測定時に容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、容器の中心位置を適切に検出することが可能になる。そして、上記の構成によれば、肉厚計算手段は、その変位した中心位置に対する肉厚を計算するので、中心位置の触れ回り等に生じる測定誤差を軽減することが可能になる。このため、上記の構成によれば、容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、高精度な肉厚測定が可能な容器の肉厚測定装置を提供できる。
また、本発明の肉厚測定装置では、上記容器の中心Oが中心O’に変位するとともに、中心Oと中心O’との距離をΔRとし、上記レーザー光の照射位置Sと中心Oとを結ぶ直線と、中心Oと中心O’とを結ぶ直線とのなす角度をθR0とした場合に、上記肉厚計算手段は、容器の中心位置の変位を、座標(ΔR,θR0)として計算するようになっていることが好ましい。
上記の構成により、容器の中心位置の変位を、座標(ΔR,θR0)として計算することで、より正確に容器の中心位置を検出することが可能になる。
また、本発明の肉厚測定装置では、上記外壁面により形成された円の半径をRとし、上記内壁面により形成された円の半径をRとし、レーザー光の入射角度をθとし、上記第1の撮像素子と上記集光手段との距離をbとし、上記容器の屈折率をnとし、容器の中心位置が中心Oになっているときに、上記レーザー光が外壁面で屈折する屈折角をrとし、上記第1の撮像素子の中心と上記集光手段の中心とを結ぶ直線が外壁面と交わる交点をDとしたとき、交点Dと上記集光手段との距離をaとし、交点Dと上記第2の撮像素子の原点位置Oとの距離をODとし、上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第1の撮像素子にて読み取られた外壁面の散乱スポットと、第1の撮像素子の原点位置Oとの距離をlA1'とし、上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第2の撮像素子にて読み取られた外壁面の正反射スポットと、第2の撮像素子の原点位置Oとの距離をlB1'とした場合に、上記肉厚計算手段は、下記式(B−1)〜(B−9)
φ'=tan-1(lA1'/b) (B−1)
sinr=(R/R)sinr=(R/nR)sinθ (B−2)
=[Rsin{(r−r)/2}]/sin{θ+(r−r)/2} (B−3)
={(a+k)sinφ'}/sin(φ'+2θ+r−r) (B−4)
=[{(OBD)+k+lB1']1/2 (B−5)
α=sin-1(lB1'/k) (B−6)
={k +k −2kcos(2θ+r−r−α)}1/2 (B−7)
α=sin-1{ksin(2θ+r−r−α)/k} (B−8)
θ'=(α+2θ+r−r−α)/2 (B−9)
を計算し、
θR0=sin-1[{sinθ(k−k)+Rsin(θ'−θ)}/ΔR]
+(r−r) (6−1)
ΔR=[R (sinθ'−sinθ
+{(k−k)−R(sinθ'−sinθ)}] 1/2 (6−2)
に基づいて、容器の中心位置の変位を計算するようになっていることが好ましい。
上記式(B−1)〜(B−9)により、θ'、k、kを計算し、上記式(6−2)に基づいて、容器の中心位置の変位を求める。これにより、より正確に容器の中心位置を検出することが可能になる。
さらに、本発明の肉厚測定装置では、上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第1の撮像素子にて読み取られた内壁面の散乱スポットと、第1の撮像素子の原点位置Oとの距離をlA2'とし、上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第2の撮像素子にて読み取られた内壁面の正反射スポットと、第2の撮像素子の原点位置Oとの距離をlB2'とし、中心位置が変位した容器の内壁面により形成された円の半径をR’とした場合に、上記肉厚計算手段は、下記式(C−1)〜(C−22)
=ksin(2θ+r−r)/sinφ' (C−1)
φ'=tan-1(lA2'/b) (C−2)
β=2θ+r−r−θ'−φ' (C−3)
=tsin(φ'+φ')/sinβ (C−4)
=−(R−t)cosβ+{R −(R−tsinβ1/2 (C−5)
β=sin-1(sinβ/R) (C−6)
=R{2(1−cosβ)}1/2 (C−7)
=(R +ΔR −2RΔRcosθR01/2 (C−8)
β=sin-1[{tsin(φ'+2θ+r−r−θ')
−asin(2θ+r−r−θ')}/t] (C−9)
={R +t −2Rcos(β−β)}1/2 (C−10)
β=sin-1[{Rsin(β−β)}/t] (C−11)
={tsinθ+Rsin(β−β−θ)}/sinφ' (C−12)
=[(OBD)+t +2(OBD){tcosθ−Rcos(β−β−θ)}]1/2
(C−13)
10=[lB2'+t −2lB2'{tsinθ+Rsin(β−β−θ)}]1/2
(C−14)
11=[lB2'+{(OBD)−a}]1/2 (C−15)
β=cos-1[(t +t10 −t11 )/2t10] (C−16)
θ''=β−β+β (C−17)
sinr''=sinθ''/n (C−18)
sinr'=sinθ'/n (C−19)
12={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'') (C−20)
13={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'+r'') (C−21)
14=(t12 +t13 −2t1213cosr')1/2 (C−22)
を計算し、
'={(R−t12+t14
+2t14(R−t12)cos(β+r'')}1/2 (7)
に基づいて、半径R'を計算するようになっていることが好ましい。
上記式(C−1)〜(C−22)により、t12、t14、β、r''を計算し、上記式(7)に基づいて、中心位置が変位した容器の内壁面により形成された円の半径R'を求める。これにより、容器の中心が触れ回り等により変位した場合に生じる半径R'を正確に検出することができる。また、容器の肉厚は、外壁面により形成された円の半径と、内壁面により形成された円の半径との差により計算可能である。したがって、上記の構成によれば、容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、より高精度に容器の肉厚を検出することが可能になる。
また、本発明の肉厚測定装置では、上記外壁面により形成された円の半径をRとし、中心位置が変位した容器の内壁面により形成された円の半径をR’とした場合に、上記肉厚計算手段は、容器の肉厚を、半径Rと半径R’との差として計算するようになっていることが好ましい。
通常、ビン等の容器は、モルド法(吹きつけ)によって製造される。このため、容器の中心が触れ回り等により変位した場合でも、容器の外壁面により形成される円の半径は、一定とみなすことができる。したがって、上記の構成により、半径Rと半径R’との差として計算することにより、より簡潔に容器の肉厚を求めることが可能になる。
本発明の肉厚測定装置は、上記の課題を解決するために、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定装置であって、容器の外壁面にレーザー光を照射するレーザー光源と、上記散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配する光路分配手段と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光する第1の集光手段と、上記第1の集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面の散乱スポットとして読み取る第3の撮像素子と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光する第2の集光手段と、上記第2の集光手段により集光された散乱光を、上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第4の撮像素子と、上記光路分配手段から第2光路を介した散乱光を、正反射スポットとして読み取る第2の撮像素子と、上記第3及び第4の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する肉厚計算手段とを備えたことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光する第1の集光手段と、上記第1の集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面の散乱スポットとして読み取る第3の撮像素子と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光する第2の集光手段と、上記第2の集光手段により集光された散乱光を、上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第4の撮像素子とを備えているので、容器の外壁面または内壁面の微小変化に対する感度が良好になるとともに、さらに、集光手段の収差による測定誤差も小さくできるという利点がある。
本発明の肉厚測定方法は、上記の課題を解決するために、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定方法であって、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配し、第1光路を介した散乱光を集光し、第1の撮像素子にて上記外壁面及び上記内壁面の散乱スポットとして読み取り、第2光路を介した散乱光を、第2の撮像素子にて正反射スポットとして読み取り、上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算することを特徴としている。
上記の構成によれば、上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算するので、実際の肉厚測定時に容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、容器の中心位置を適切に検出することが可能になる。そして、上記の構成によれば、肉厚計算手段は、その変位した中心位置に対する肉厚を計算するので、中心位置の触れ回り等に生じる測定誤差を軽減することが可能になる。このため、上記の構成によれば、容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、高精度な肉厚測定が可能な容器の肉厚測定方法を提供できる。
本発明の肉厚測定方法は、上記の課題を解決するために、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定方法であって、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配し、第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光し、第3の撮像素子にて上記外壁面の散乱スポットとして読み取り、第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光し、第4の撮像素子にて上記内壁面の散乱スポットとして読み取り、第2光路を介した散乱光を、第2の撮像素子にて正反射スポットとして読み取り、上記第3及び第4の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算することを特徴としている。
上記の構成によれば、第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光し、第3の撮像素子にて上記外壁面の散乱スポットとして読み取り、第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光し、第4の撮像素子にて上記内壁面の散乱スポットとして読み取るので、容器の外壁面または内壁面の微小変化に対する感度が良好になるとともに、さらに、集光手段の収差による測定誤差も小さくできるという利点がある。
本発明の肉厚測定装置は、以上のように、容器の外壁面にレーザー光を照射するレーザー光源と、上記散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配する光路分配手段と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光を集光する集光手段と、上記集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面及び上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第1の撮像素子と、上記光路分配手段から第2光路を介した散乱光を、正反射スポットとして読み取る第2の撮像素子と、上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する肉厚計算手段とを備えた構成である。
また、本発明の肉厚測定方法は、以上のように、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配し、第1光路を介した散乱光を集光し、第1の撮像素子にて上記外壁面及び上記内壁面の散乱スポットとして読み取り、第2光路を介した散乱光を、第2の撮像素子にて正反射スポットとして読み取り、上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する構成である。
また、本発明の肉厚測定装置は、以上のように、容器の外壁面にレーザー光を照射するレーザー光源と、上記散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配する光路分配手段と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光する第1の集光手段と、上記第1の集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面の散乱スポットとして読み取る第3の撮像素子と、上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光する第2の集光手段と、上記第2の集光手段により集光された散乱光を、上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第4の撮像素子と、上記光路分配手段から第2光路を介した散乱光を、正反射スポットとして読み取る第2の撮像素子と、上記第3及び第4の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する肉厚計算手段とを備えた構成である。
また、本発明の肉厚測定方法は、以上のように、容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配し、第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光し、第3の撮像素子にて上記外壁面の散乱スポットとして読み取り、第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光し、第4の撮像素子にて上記内壁面の散乱スポットとして読み取り、第2光路を介した散乱光を、第2の撮像素子にて正反射スポットとして読み取り、上記第3及び第4の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する構成である。
これにより、実際の肉厚測定時に容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、容器の中心位置を適切に検出することが可能になる。そして、肉厚計算手段は、その変位した中心位置に対する肉厚を計算するので、中心位置の触れ回り等に生じる測定誤差を軽減することが可能になる。それゆえ、容器の中心が触れ回り等により変位した場合にも、高精度な肉厚測定を実現することができる。
本発明は、ビン表面及び裏面における光(レーザー光)照射領域からの散乱光と正反射光との両者を併用し、肉厚を測定するというものである。本発明では、まず、ビン表面及び裏面における正反射光からビンの中心位置を測定している(以下、正反射法と記す)。そして、その中心位置に対する散乱光を撮像素子により結像し、その結像点に基づき正確な肉厚値を算出している(以下、結像法と記す)。
容器の肉厚の測定は、結像法、正反射法いずれか一方の方法でも可能である。正反射法により容器の肉厚を測定する場合、その容器の反射特性から、測定表面がほぼ鏡面状になっているということが必要になる。しかしながら、現実のビンでは、局所的に散乱面である、あるいは、測定表面の法線方向が他の領域の法線方向と大きく傾いていることがある。このような場合、反射光強度が撮像素子における受光面の全面で均一になる、あるいは、反射光のスポットが受光面から大きくずれることがある。その結果、正反射法により容器の肉厚を測定する場合、測定不能になることがある。
一方、測定の精度的なことを考えると、正反射法による肉厚測定は、精度が高い。したがって、結像法と正反射法との併用がベストと考えられる。従来の肉厚測定は、中心位置が固定された容器に対して行われる。しかしながら、この場合、中心位置の変位により、レーザー光の入射角度が変化してしまい、その変化分に対応した測定誤差が生じることになる。
本発明では、上記の結像法と正反射法の2つの方法、特に正反射法を測定時の中心位置の変位検出に利用する一方、特に結像法を本来の肉厚測定に利用した、いわゆる併用法により容器の肉厚を測定している。これにより、中心位置の変位に対応した測定誤差が生じない高精度な肉厚測定を実現することができる。
本発明の一実施形態について図1ないし図16基づいて説明すると以下の通りである。図1は、本実施形態の肉厚測定装置のシステム例を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の肉厚測定装置(以下、本肉厚測定装置と記す)は、大きくセンサー部1とデータ処理部2とで構成されている。本肉厚測定装置は、容器3の肉厚を測定するための装置である。本実施形態において、本肉厚測定装置は、動的に変位する容器3の肉厚をリアルタイムに測定する。
センサー部1は、図1に示すように、測定部4、及びCPU(コンピューター)5を備えている。測定部4は、容器3の肉厚について測定したデータをCPU5に送信する。CPU5は、測定部4から入力されるデータに基づいて、容器3の肉厚を計算する。CPU5による肉厚の計算は、主にデータ処理部2により行われる。なお、ここでいう「肉厚計算手段」とは、CPU5とデータ処理部2とを備えたものを意味する。
測定部4は、図1に示すように、制御部7、検出部8、増幅器9、増幅器9’、A/D(Analog/Digital)変換器10、及びA/D変換器10’を備えている。測定部4の制御部7は、測定部4全体の制御を行うためのものである。検出部5は、レーザー光源11、ハーフミラー(光分配手段)12、レンズ(集光手段)13、CCD(第1の撮像素子)、及びCCD(第2の撮像素子)を備えている。検出部5は、制御部7の制御に応じてレーザー光源11からレーザー光を出力し、容器3の外壁面Mの照射位置Sにレーザー光を照射させている。そして、容器3の外壁面M及び内壁面Nから散乱された散乱光を、ハーフミラー12及びレンズ13を介してCCD及びCCDにて読み取っている。検出部5は、CCD及びCCDにて読み取られた位置情報に基づいたアナログ信号をそれぞれ、増幅器9及び増幅器9’へと出力する。
増幅器9及び増幅器9’は、アナログ信号を増幅する装置であり、検出部5のCCD及びCCDから入力されるアナログ信号を増幅してA/D変換器7及びA/D変換器7’へと出力する。A/D変換器10及びA/D変換器10’は、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。
ここで、本実施形態の検出部5のより詳細な構成について説明する。図1に示すように、検出部5は、CCDと容器3との間にレンズ13が設けられ、レンズ3と容器3との間に、ハーフミラー12が設けられた構成となっている。
検出部5では、レーザー光源11からレーザー光が出射されて、容器3の外壁面Mの照射位置Sへと入射する。照射位置Sに入射されたレーザー光は、容器3の外壁面Mにて散乱する散乱光SA3と、容器3の内壁面Nの点Sにて散乱する散乱光SB3とになる。そして、これら両散乱光は、ハーフミラー12に導かれる。
ハーフミラー12は、上記の両散乱光(散乱光SA3及び散乱光SB3)を、CCDへ導く散乱光(第1光路を介した散乱光)とCCDへ導く散乱光(第2光路を介した散乱光)とに分配する光分配手段として機能している。CCDへ導かれた散乱光SA3及び散乱光SB3は、レンズ13により、CCD上で集光される。CCDは、レンズ13により集光された散乱光SA3及び散乱光SB3を、外壁面M及び内壁面Nの散乱スポットとして撮像(結像)し読み取るものである。
一方、CCDへ導かれた散乱光は、CCD上にて受光される。CCDは、散乱光SA3及び散乱光SB3を、外壁面M及び内壁面Nの正反射スポットとして受光するものである。なお、散乱光SA3及び散乱光SB3が受光されると、その受光スポットは、ある程度の広がりを持つ。CCDは、このような受光スポットのうち最も光量が大きい点を、正反射スポットとして読み取る。
このように本肉厚測定装置では、CCDが、外壁面M及び内壁面Nの散乱スポットとして読み取る一方、CCDが、散乱光SA3及び散乱光SB3を正反射スポットとして読み取るようになっている。CCDにて結像された散乱スポットは、ある程度のコントラストを有しており、鮮明にかつ照射面の大きさ程度に映る。一方、CCDにて受光される正反射スポットは、集光されたスポットではないので、その中心の光強度が最大となって周辺に向かうに従い光強度が弱くなるように映る。また、正反射スポットにおける光強度の傾向は、照射面(容器3の外壁面M)の散乱度が大きいほど強くなる。
本肉厚測定装置では、散乱スポット及び正反射スポットにおける性質の違いを利用して、散乱光に関する読み取り情報と正反射光に関する読み取り情報とを区別するようになっている。
本肉厚測定装置では、CCD及びCCDB上で結像された読み取り位置情報の信号が、増幅器9・9’、及びA/D変換器10・10’によって、増幅・離散化されてCPU5へと導かれる。
CPU5に導かれた読み取り位置情報の信号は、データ処理部2へ転送される。データ処理部2は、読み取り位置情報の信号に基づいて、容器3の肉厚の計算、判定、及びモニタリングを行うものである。CPU5とデータ処理部2とは、チャネルリンクドライバー18及びチャネルリンクレシーバー19により接続されており、読み取り位置情報の信号が高速にデータ処理部2へ転送されるようになっている。
チャネルリンクドライバー18及びチャネルリンクレシーバー19は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling(小振幅差動信号))を用いた高速通信インターフェースの仕様となっている。このインターフェースは、4本の7ビットシリアルとクロックラインとを使用することにより、小配線と高速化とを実現している。また、このインターフェースには、ドライバー(送信)ICとレシーバー(受信)ICとが対になって使用される。
データ処理部2は、図1に示すように、FPGA部14、DSP部15、判定部16、及び表示部17を備えている。
FPGA(Field Programmable Gate Array)部14は、プログラム可能なIC回路である。FPGA部14は、ロジック回路(論理回路)に加え、マイクロプロセッサやASICの設計図を送り込んでIC回路を構成する。また、このFPGA部14は、再構成可能となっており、何度も書き換え可能な回路構成となっている。
また、DSP(Digital Signal Processor)部15は、CCD及びCCD上で結像された読み取り位置情報の信号に基づいて、容器3の肉厚を計算するものである。このDSP部15は、高速にデジタル演算をさせるためのプロセッサーである。本肉厚測定装置において、画像(CCD及びCCDにて読み取られた画像)といった大量のデジタルデータを高速に演算・処理することは、システムを管理するCPU5にとって大きなボトルネックとなる。このため、本肉厚測定装置では、このような演算・処理をDSP部15に処理させている。それゆえ、DSP部15の内部構造は、このような演算を高速に行えるような構造になっている。
そして、判定部16は、DSP部15にて計算された容器3の肉厚の良否を判定する。表示部17は、DSP部にて計算された容器3の肉厚、及び判定部16による肉厚の良否の判定結果等を表示するものである。
具体的には、DSP部15は、CCD及びCCD上で結像された読み取り位置情報を用いて、後述する正反射法により肉厚測定毎に中心位置に移動する容器3の中心位置を計算するとともに、その中心位置に対する容器3の肉厚を計算する。これにより、本肉厚測定装置では、容器3の中心が触れ回り等により変位した場合にも、従来よりも高精度な肉厚測定を実現することができる。
また、判定部16は、このように計算された容器3の肉厚が適切なものであるのかどうかを判定するものであり、製造される容器3の設定肉厚値に基づいて不良品であるか否かを判定する。
容器が破損する理由としては、肉厚が薄いことに加え、肉厚が厚いことも考えられる。容器の肉厚が局所的に厚い場合であっても、境界部(肉厚が厚い部分と肉厚が薄い部分との境界部)で破損することがある。判定部16は、測定された肉厚値が、設定肉厚値を基準として所定の範囲内に収まっていれば、正常な製品であると判定する。そして、測定された肉厚値が、所定の範囲外になっている場合には、不良品であると判定する。例えば、容器3がビール瓶である場合、判定部16による肉厚の良否判定の範囲は、3.5mm±0,1mmである。
以下、結像法による容器の肉厚測定、及び正反射法による容器の中心位置の測定について、さらに詳述する。
〔1. 結像法による容器の肉厚測定〕
〔1.1 測定原理(結像法)〕
結像法は、ビン等の容器の外壁面(表面)と内壁面(裏面)とからの両散乱光を像面(CCDカメラ上に)上に結像することを利用したものである。ビン肉厚やビン中心位置の変位によって、これらの散乱面が上下に変位すると、CCD上での両結像点が移動する。そして、この変位による両結像点の移動量を測定することにより、ビン肉厚が測定可能になる。ビン等の容器は、所定の曲率を有している。このため、結像法による肉厚測定のための理論的な解析は、勿論所定の曲率に対して行うべきである。
しかしながら、まず、1.2にて、理論的な解析の容易さを考慮して、表面と裏面とが互いに平行な透明平行板(これは、ビンの曲率を無限大と仮定した場合に相当する)における肉厚測定について検討する。なお、この解析は、本発明における、曲率を有したビンの解析結果の正当性やシミュレーション結果の推定に利用することができる。次いで、1.3にて、本発明の目的であるガラスビン等の容器における肉厚測定について検討する。
〔1.2 透明平行板の肉厚測定法〕
結像法を利用した光学系には、表面と裏面との両者を1枚のレンズで結像する1枚レンズ法と、2枚のレンズで結像する2枚レンズ法の、2つの光学系が考えられる。本発明では、1枚レンズ法と2枚レンズ法との何れを適用してもよい。
当然のことながら、1枚レンズ法は、光学系の構成が単純であるという利点がある。しかしながら、1枚レンズ法では、レンズの収差等による測定誤差が大きくなるという欠点がある。一方、2枚レンズ法は、光学系の構成が複雑になるという利点がある。しかしながら、2枚レンズ法では、レンズの収差等による測定誤差が小さくなるという欠点がある。それゆえ、本発明において、1枚レンズ法と2枚レンズ法との何れを適用するかは、測定誤差の許容範囲に依存する。以下、1枚レンズ法、及び2枚レンズ法について、説明する。
〔1.2.1 1枚レンズ法〕
図2は、1枚レンズ法(結像法)による肉厚測定の原理を説明するための説明図である。1枚レンズ法では、肉厚Xの透明平行板にレーザー光Gを入射角度θで照射している。そして、透明平行板の表面Eおよび裏面Fから散乱する散乱光Sを、焦点距離fのレンズLにより集光し、CCDカメラ(以下、単にCCDと記す)上に結像させる。ここで、散乱光Sの光軸をD−D’とする。
なお、図2では、レーザー光Gは、透明平行板の表面E上の物点Aに照射される。そして、レーザー光Gは、表面Eにて角度θを中心とした様々な方向に散乱する散乱光Sと、屈折角度rで屈折し裏面Fの物点Cに到達する屈折光とに分かれる。そして、この屈折光は、裏面Fの物点Cにて角度rを中心とした様々な方向に散乱し、表面Eの物点Bに到達後、角度θを中心とした様々な方向に出射される。図2では、裏面Fの物点Cにて散乱する散乱光を散乱光Sとしている。散乱光Sは、レンズLを経て、CCDの結像点A’に集光される。一方、裏面Fの物点Cにて角度rで散乱した散乱光Sは、レンズLを経て、CCDの結像点B’に集光される。これにより、表面E上の物点Aは、CCDの結像点A’にて結像される一方、裏面Fの物点Cは、CCDの結像点B’にて結像される。
そのとき、結像点A’及びB’は、図示のように、透明平行板の肉厚Xに依存する。すなわち、図2に示す結像点A’と結像点B’との間隔(L+L)は、透明平行板の肉厚Xに依存している。それゆえ、1レンズ法では、CCD上の結像点(A’及びB’)に基づいて肉厚Xを測定することが可能になる。1レンズ法は、CCD上の結像点(A’及びB’)から肉厚Xを測定する点を測定原理としている。
なお、図2に示される光学系における位置Dは、A−B間の中心位置となっている。しかしながら、この1レンズ法を用いた光学系では、この位置Dは、A−B間の中心位置である必要はない。この位置Dは、CCDの中心D’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線が、基準として設置された透明平行板と交わる交点であり、予め決められた位置である。
このように、1枚レンズ法では、図2に示すように、表面Eからの散乱光SがCCDにて結像された結像点A’、及び裏面Fからの散乱光SがCCDにて結像された結像点B’の両者がともに、CCDカメラ上の中心点D’からかなり離れた位置に結像される。このため、1レンズ法では、肉厚検出感度が低下するとともに、肉厚測定誤差が大きくなる。
なお、透明平行板の標準肉厚Xは、簡単な幾何学的手法により求めることが可能である。より具体的には、レーザー光Gの屈折角をr、透明平行板の屈折率をnとすれば、以下の式(1)の関係が成立する。この式(1)の関係から、透明平行板の標準肉厚Xを求めることが可能である。
X={acosθsin(φ+φ)}/{2tanrcos(θ+φ)cos(θ−φ)} (1)
ここで、
sinθ/sinr=n, (1−1)
1/a+1/b=1/f, (1−2)
tanφ=L/b, tanφ=L/b. (1−3)
これらの式において、aは物体距離(透明平行板とレンズLとの距離)であり、bは像距離(CCDとレンズLとの距離)であり、fはレンズLの焦点距離である。また、φはレンズから眺めた立体角度である。つまり、式中φは、CCDの原点位置D’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線と、CCD上の結像点AとレンズLの中心Oとを結ぶ直線とにより形成される角度を示し、φは、CCDの原点位置D’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線と、CCD上の結像点BとレンズLの中心Oとを結ぶ直線とにより形成される角度を示す。
上述の肉厚測定方法では、被測定透明平行板の表面が測定毎に上下に変化しないことを前提としている。しかしながら、実際の測定、すなわちリアルタイム測定では、被測定透明平行板の表面及び裏面は、肉厚測定毎に上下に変位することもある(なお、このような変位は、例えば所定の曲率を有する容器である場合、その中心位置がずれる変位に対応している)。
図2に示すように、上下の変位により、表面Eが変位Δyだけ変位した表面を表面E’とし、裏面Fが変位Δyだけ変位した裏面を裏面F’とした場合、レーザー光Gの光路は、破線のようになる。すなわち、レーザー光Gの照射位置は、点Aから点Aになる。そして、レーザー光Gは、表面E’にて角度θを中心とした様々な方向に散乱する散乱光S’と、屈折角度rで屈折し裏面F’の点Cに到達する屈折光とに分かれる。そして、この屈折光は、裏面F’の点Cにて角度rを中心とした様々な方向に散乱し、表面E’の点Bに到達後、角度θを中心とした様々な方向に出射される。図2では、裏面F’の点Cにて散乱する散乱光を散乱光S’としている。散乱光S’は、レンズLを経て、CCDの結像点A’に集光される。一方、裏面F’の点Cにて角度rで散乱した散乱光S’は、レンズLを経て、CCDの結像点B’に集光される。
このような場合、同図に示すように、結像点A’は、表面Eの変位Δyにより、結像点A’からΔLだけ変位した位置になっている。また、結像点B’は、裏面Fの変位Δyにより、結像点B’からΔLだけ変位した位置になっている。すなわち、図示の場合には、結像点A’は、CCD上の原点位置D’からL+ΔLだけ離れた位置である一方、結像点B’は、CCD上の原点位置D’からL−ΔLだけ離れた位置である。
表面Eの変位Δyは、CCD上で読み取られた結像点A’の変位ΔLに基づいて、計算することができる。また、裏面Fの変位Δyは、結像点A’の変位ΔL及び結像点B’の変位ΔLに基づいて計算することができる。そして、肉厚Xの変位は、表面Eの変位Δyと裏面Fの変位Δyとの差を計算することで求められる。
なお、基準となる肉厚をX、測定すべき透明平行板の肉厚をX’とすると、肉厚X’は簡単な幾何学的手法により求めることが可能である。より具体的には、レーザー光Gの屈折角をr、透明平行板の屈折率をnとすれば、以下の式(2)の関係が成立する。
X’={(acosθ−Δy)sin(φ’+φ’)}/
{2tanrcos(θ+φ’)cos(θ−φ’)}, (2)
ここで、
tanφ’={(L+ΔL)/L}tanφ, (2−1)
tanφ’={(L+ΔL)/L}tanφ, (2−2)
Δy={acosθsin(φ+φ)}/
{cos(θ+φ)sin(2θ+φ’)} (2−3)
Δy=X−X’+Δy, (2−4)
なお、式中φ’は、CCDの原点位置D’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線と、CCD上の結像点A’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線とにより形成される角度を示し、φ’は、CCDの原点位置D’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線と、CCD上の結像点B’とレンズLの中心Oとを結ぶ直線とにより形成される角度を示す。
上記の式に示すように、肉厚X’は、式(2)から直接的に求めることが可能である。すなわち、肉厚X’の計算には、表面及び裏面の僅かな変位(Δy及びΔy)は不要である。しかしながら、これらの値は、後述する1.3で議論しているように、ビン肉厚の計算に必要である。
〔1.2.2 2枚レンズ法〕
図3は、2枚レンズ法(結像法)による肉厚測定の原理を説明するための説明図である。同図に示すように、2レンズ法では、肉厚dを有する透明平行板の表面Eの点Aにレーザー光Gを入射角度θで照射している。
表面Eの点Aに照射されたレーザー光Gは、表面Eの点Aより角度θを中心とした様々な方向に散乱する散乱光SA1と、屈折角度rで屈折し裏面Fの点Cに到達する屈折光とに分かれる。そして、この屈折光は、裏面Fの点Cにて角度rを中心とした様々な方向に散乱し、表面Eの点Bに到達後、角度θを中心とした様々な方向に出射される。図3では、裏面Fの点Cにて散乱する散乱光を散乱光SB1としている。
レーザー光Gのうち、表面Eの点Aから散乱する散乱光SA1は、焦点距離fのレンズL(第1の集光手段)により、CCDA1上の結像点O’に集光される。一方、裏面Fの点Cにて角度rで散乱した散乱光SB1は、焦点距離fのレンズLにより、CCDB1上の結像点O’に集光される。これにより、表面E上の物点Aは、CCDA1の結像点O’にて結像される一方、裏面Fの物点Cは、CCDの結像点O’にて結像される。ここで、散乱光SA1の光軸はO’−Aであり、散乱光SB1の光軸はO’−Bである。
2枚レンズ法において、上述した1枚レンズ法による肉厚測定と大きく異なる点は、表面Eから散乱する散乱光SA1と裏面Fから散乱する散乱光SB1との両者に対し、それぞれCCD(CCDA1及びCCDB1)を準備する点である。そして、基準となる透明平行板位置において、散乱光SA1及び散乱光SB1の結像点をCCD(CCDA1及びCCDB1)の中心にすることが可能になる。
それゆえ、2枚レンズ法は、1枚レンズ法と比較して、基準となる透明平行板位置の微小変化に対する感度が良好になるとともに、さらに、レンズの収差による測定誤差も小さくできるという利点がある。
ここで、図3に示すように、上下の変位により、表面Eが変位Δyだけ変位し表面E’となり、裏面Fが変位Δyだけ変位し裏面F’となった場合について、説明する。このとき、レーザー光Gの照射位置は、物点Aから物点A’になる。表面E’の物点A’にて角度θを中心とした様々な方向に散乱した散乱光SA1’は、レンズLによりCCDA1上の結像点Xに集光される。これにより、物点A’はCCDA1上の結像点Xにて結像されることになる。
また、レーザー光Gのうち、点A’にて屈折角度rで屈折した屈折光は、裏面F’の点C’に到達する。そして、裏面Fの点C’にて角度rを中心とした様々な方向に散乱し、表面E’の点B’に到達し、角度θを中心とした様々な方向に出射される。図3では、裏面Fの点C’にて散乱する散乱光を散乱光SB1’としている。散乱光SB1’は、焦点距離fのレンズLにより、CCDB1上の結像点Xに集光される。これにより、裏面Fの点C’はCCDB1上の結像点Xにて結像されることになる。
ここで、図3に示すように、点Aと点Bとの間隔をL、点A’と点B’との間隔をL’とすると、基準となる透明平行板の肉厚d、及び測定すべき透明平行板の肉厚d’は、下記式(3−1)のようになる。
d=L/(2tanr), d’=L’/(2tanr), (3−1)
それゆえ、肉厚dと肉厚d’の差d−d’は、下記式(3)のように求められる。
d−d’={−asinφA1sin(2θ+φ)+sinφB1sin(2θ+φA1)}/
{2tanrsin(2θ+φA1)cos(θ+φB1)}, (3)
ここで、
tanφA1=l/b, tanφB1=l/b, (3−2)
1/a+1/b=1/f, 1/a+1/b=1/f. (3−3)
これらの式において、Lは、表面におけるレーザー光Gの照射位置Aと、該レーザ光Gが屈折し裏面にて散乱した散乱光SB1が表面に到達する位置Bとの間隔であり、L’は、変位後の、表面におけるレーザー光Gの照射位置A’と、該レーザ光Gが屈折し裏面にて散乱した散乱光SB1’が表面に到達する位置B’との間隔である。aは、物体距離(レンズと透明平行板との距離)であり、式中aは、レンズLと照射位置Aとの距離であり、aは、レンズLと上記位置Bとの距離である。bは像距離(CCDとレンズLとの距離)であり、式中bはレンズLの中心OA1と結像点O’との距離であり、bはレンズLの中心OB1と結像点O’との距離である。また、φはレンズから眺めた立体角度であり、式中φA1は、CCDA1の結像点O’とレンズLの中心OA1とを結ぶ直線と、変位によりCCDA1上で結像された結像点XとレンズLの中心OA1とを結ぶ直線とにより形成される角度を示し、φB1は、CCDB1の結像点O’とレンズLの中心OB1とを結ぶ直線と、変位によりCCDB1上で結像された結像点XとレンズLの中心OB1とを結ぶ直線とにより形成される角度を示す。
〔1.3 固定された容器の中心位置に対する容器の肉厚測定法〕
以下、本発明の目的であるガラスビン等の容器における肉厚測定について、図4を参照して、説明する。
上述の結像法を実際にガラスビン等の容器の肉厚測定に適用する場合、容器の中心位置が測定毎に移動するため、解析が困難となり、正確な測定が困難となる。ここでは、まず固定された容器の中心位置に対する、2レンズ法による肉厚測定法について説明する。
図4は、固定された容器の中心位置に対する容器の肉厚測定法の原理を説明するための説明図である。なお、ここでは、容器の肉厚測定に、上述の2枚レンズ法を適用した例について説明する。しかしながら、本発明においては、容器の肉厚測定に、上述の1枚レンズ法を適用したものであってもよい。
この肉厚測定方法では、肉厚Wを有する容器の外壁面Mの点Sにレーザー光Gを入射角度θで照射している。外壁面Mの点Sに照射されたレーザー光Gは、外壁面Mの点Sから角度θを中心とした様々な方向に散乱する散乱光SA2と、屈折角度rで屈折し内壁面Nの点Sに到達する屈折光とに分かれる。そして、この屈折光は、内壁面Nの点Sにて角度rを中心とした様々な方向に散乱し、外壁面Mの点Sに到達後、角度θを中心とした様々な方向に出射される。図4では、内壁面Nの点Sにて角度rを中心とした様々な方向に散乱する散乱光を散乱光SB2としている。
散乱光SA2は、焦点距離fのレンズLによりCCD上の原点位置Oに集光される。一方、散乱光SB2は、焦点距離fのレンズLにより、CCD上の原点位置Oに集光される。これにより、外壁面Mの点Sは、CCD上の原点位置Oに結像される一方、内壁面Nの点Sは、CCD上の原点位置Oに結像される。
2枚レンズ法を適用した容器の肉厚測定では、標準的な肉厚W(R−R)を有する容器に対するレーザー光Gの照射位置である点S、及び(内壁面Nの点Sに対応した)外壁面Mの点Sがそれぞれ、CCD及びCCD上の原点位置O及びOに結像されるように調整されている。すなわち、散乱光SA2及び散乱光SB2がそれぞれ、CCD及びCCD上の原点位置O及びOにて集光するように調整されている。
外壁面M及び内壁面Nが肉厚の変化によって僅かに変位すると、これらの2つの結像点は原点位置O及びOから移動することになる。以下、肉厚変化により変位した場合の光路について説明する。
図4に示すように、容器の変位により、外壁面Mが変位ΔRだけ変位し外壁面M’となり、内壁面Nが変位ΔRだけ変位し内壁面N’となった場合について、説明する。
このとき、レーザー光Gは、外壁面M’の点S’に入射角度θ’で照射される。そして、レーザー光Gは、外壁面M’の点S’にて角度θ’を中心とした様々な方向に散乱した散乱光SA2’と屈折角度r’で屈折し内壁面N’の点S’に到達する屈折光とに分かれる。散乱光SA2’は、レンズLによりCCD上の結像点O’に集光される。これにより、外壁面M’の点S’は、CCD上の結像点O’に結像される。
また、点S’にて屈折した屈折光は、内壁面N’の点S’にて角度r’を中心とした様々な方向に散乱し、外壁面M’の点S’に到達し、角度θ’を中心とした様々な方向に出射される。図4では、内壁面N’の点S’にて散乱する散乱光を散乱光SB2’としている。散乱光SB2’は、レンズLにより、CCD上の結像点O’に集光される。これにより、内壁面N’の点S’は、CCD上の結像点O’に結像される。
測定すべき容器の肉厚W’は、基本的には、変位後の外壁面M’により形成された円の半径(以下、外径と記す)R+ΔRと、変位後の内壁面N’により形成された円の半径(以下、内径と記す)R+ΔRとの差から求めることが可能である。
なお、変位ΔRは、CCD上における結像点Oから結像点O’までの変位量Pから得られる。一方、変位ΔRは、上記変位量Pと、CCD上における結像点OからO’までの変位量Pとから得られる。
変位ΔR及び変位ΔRは、下記式のように求められる。
ΔR={R+ΔR}sinr’/sinr’−R, (4)
ここで、δ=a/(Pcos2θ+bsin2θ) (4−1)
ΔR=−R+{δ+R +2δRcosθ1/2 (4−2)
sinθ’=Rsinθ/{δ+R +2δRcosθ1/2, (4−3)
sinβ={Rsin(θ+Δφ)+asinΔφ}/(R+ΔR), (4−4)
tanΔφ=p/b, (4−5)
’=−π/2+r−r+r’+θ+(−θ’+Δφ+β)/2, (4−6)
sinr’=sinθ’/n, (4−7)
ビン等の容器は、通常、モルド法(吹きつけ)によって製造される。このため、容器の外径は、一定となる。したがって、測定ごとの容器の肉厚変化は、測定ごとの容器の中心位置が変化しないとした場合、主に、内径変化によって生じる。この場合には、上記の式中でΔR=0とみなすことができる。
したがって、測定すべき容器の肉厚W’は、下記式(5)に上記式(4)を代入することにより求められる。
W’=(R+ΔR)−(R+ΔR
=R−(R+ΔR) (5)
以下、上記式(4)、及び式(4−1)〜(4−7)の導出方法について、図5〜図7に基づいて説明する。図5〜図7は、変位ΔR及び変位ΔRの導出方法を説明するための説明図である。なお、図5〜図7に示された各符号は、図4に基づくものである。
なお、ここでは、容器の中心位置が固定されている場合について説明する。このため、容器の外径R及び内径Rそれぞれの変位ΔR及びΔRは、固定された中心位置Oに対して求められる。
まず、容器の肉厚変化による外径Rの変位ΔRと、入射角度θからθ’への変化(θ−θ’)とは、図5に示される3角形ΔSOS’について正弦定理と余弦定理とを適用し、以下のように求められる。
(R+ΔR=δ+R −2δRcos(π−θ), (A−1)
ここで、δ=a/(Pcos2θ+bsin2θ), (4−1)
点Sと点S’との間の距離をδとすると、余弦定理から式(A−1)が得られる。ここに、δは、3角形ΔC’に対して正弦定理を適用することにより、下記式(A−2)のように与えられる。したがって、外径Rの変位ΔRは、上記式(A−1)を用いて、次のように求められる。
ΔR=−R+{δ+R +2δRcosθ1/2. (4−2)
さらに、3角形ΔC’に対し正弦定理を用いることによって、θ’に対して下記式(A−2)の関係が得られる。
/sinθ’=(R+ΔR)/sin(π−θ), (A−2)
上記式(A−2)から下記式(4−3)が得られる。
sinθ’=Rsinθ/{δ+R +2δRcosθ1/2 (4−3)
次に、sinβは、図6に示される3角形ΔCOSに対して、余弦定理と正弦定理とを適用することにより得られる。
δ =R +a −2Rcos(π−θ), (A−3)
δ/sin(π−θ)=R/sinα, (A−4)
ここで、δは点Sと中心Sとの間の距離を示し、αは角度OC(直線OCと直線Cとにより形成される角度)である。
次に、直線C’と直線OS’との間の角度βに対して、下記式(A−5)が得られる。
(R+ΔR)/sin(α+Δφ)=δ/sinβ, (A−5)
これにより、下記式(4−4)となる。
sinβ={Rsin(θ+Δφ)+asinΔφ}/(R+ΔR), (4−4)
ここで、tanΔφ=p/b. (4−5)
最後に、内径Rの変位ΔRについては、図7に示される3角形ΔOS’S’に対して、正弦定理を適用することにより、次式の関係が得られる。
(R+ΔR)/sin(π−r’)=(R+ΔR)/sinr’, (A−6)
これより、さらに下記式(A−7)が得られる。
ΔR=(R+ΔR)sinr’/sinr’−R, (A−7)
ここで、
’=−π/2+r−r+r’+θ+(−θ’+Δφ+β)/2, (4−6)
sinr’=sinθ’/n, (4−7)
〔2. 変位した容器の中心位置に対する容器の肉厚測定方法〕
〔2.1 正反射法について〕
正反射法は、ビンなどの容器の外壁面と内壁面とからの正反射光それぞれを受光するCCDを設け、これら正反射光の受光位置(正反射光スポット)の位置関係と、上記1.2.2 2枚レンズ法で得たCCDA1及びCCDB1上の結像位置関係との両者から、容器の中心位置を求めるというものである。本発明では、正反射法により求められた中心位置に対する肉厚を上述の結像法によって求めている。
上記の1.3にて説明した肉厚測定方法は、測定毎に容器の中心位置が変化しない状態を想定したものである。しかしながら、実際には、リアルタイムにガラスビン等の容器の肉厚を測定する場合、ベルトコンベアーで搬送してきた容器の移動を停止し、その位置で少なくとも1回転させて容器の円周方向の肉厚を測定する方法が採られる。そして、容器の中心位置は、測定ごとに、少なくとも1回転する際に生じる振れ回りにより、移動する(変位する)ことになる。このため、上記の1.3にて説明した肉厚測定方法は、実用に供しない。本発明では、容器の中心位置が移動するという条件下で、結像法による肉厚測定を精度良く行うことができる。本発明において、容器の中心位置は正反射法により測定することが可能である。そして、正反射法により測定された容器の中心位置に対し、1.3にて説明した肉厚測定方法を適用することができる。以下、本発明における肉厚測定原理について、さらに詳細に説明する。
〔2.2 測定原理〕
上述の結像法は、それ自体である程度の精度が保証される。しかしながら、さらに高い測定精度が要求されるときには、誤差の最大要因と考えられる、肉厚測定時における容器の中心位置の振れ回りによる測定誤差を極力抑える必要がある。
しかしながら、肉厚測定ライン上で、このような振れ回りの大きさを制限することは技術的に困難である。このような場合においても、高精度で測定可能な方法が必要である。本発明では、上記の正反射法と結像法とを併用することにより、容器の中心位置の振れ回りによる誤差を考慮した、高精度な測定を実現している。
この方法は、基本的には、以下に述べるように、正反射法によって容器(ガラスビン)の中心位置の振れ回りによる変位を測定し、結像法によって、変位した中心位置に対する外壁面位置と内壁面位置との変位量を正確に測定するというものである。
図8は、本発明の肉厚測定方法の原理を説明するための説明図である。ここでは,実用性を考えた1レンズ法による測定法について述べる。同図に示すように、CCDは、外壁面と内壁面とからの散乱光を受光し、CCDは、外壁面と内壁面とからの正反射光それぞれを受光するようになっている。図8では、CCDの背面にCCDが設けられた構成が示されているが、実際の肉厚測定装置では、例えば図1に示すように、外壁面と内壁面とからの散乱光を分離する分離手段(ハーフミラー)が設けられており、CCDの背面にCCDが設けられた構成ではない。図8では、壁面と内壁面とからの散乱光の光路を簡略化するために、CCDの背面にCCDが設けられた構成としている。
また、「散乱光」とは、レーザー光が照射された照射位置から拡散する光のことをいう。一方、「正反射光」とは、上記散乱光のうちレーザー光の入射角度と同じ角度で反射する光のことをいう。図8の構成では、外壁面と内壁面とからの散乱光を、レンズにより、CCD上に集光するようになっている。また、外壁面と内壁面とからの散乱光の一部は、CCDにて受光されるようになっている。一般的に、散乱光の中で、正反射方向の光が最も高い光強度を有している。このため、CCDでは、外壁面と内壁面とからの正反射光のスポットが形成される。なお、図8では、外壁面からレンズまでの光路に関し、散乱光の光路を簡略化するために、CCDで受光される散乱光(散乱光SA3及び散乱光SB3)と、CCDで受光される正反射光とが同一の直線として示されている。
以下、外壁面と内壁面とからの散乱光の光路について、さらに詳述する。図8に示すように、この肉厚測定方法では、肉厚Wを有する容器の外壁面Mの点Sにレーザー光Gを入射角度θで照射している。外壁面Mの点Sに照射されたレーザー光Gは、外壁面Mの点Sから角度θを中心とした様々な方向に散乱する散乱光SA3と、屈折角度rで屈折し内壁面Nの点Sに到達する屈折光とに分かれる。そして、この屈折光は、内壁面Nの点Sにて角度rを中心とした様々な方向に散乱し、外壁面Mの点Sに到達後、角度θを中心とした様々な方向に出射される。図8では、内壁面Nの点Sにて角度rを中心とした様々な方向に散乱する散乱光を散乱光SB3としている。
散乱光SA3及び散乱光SB3は、焦点距離fのレンズLにより、CCD上の結像点PA1及び結像点PA2に集光される。これにより、外壁面Mの点S及び内壁面Nの点Sはそれぞれ、CCD上の結像点PA1及び結像点PA2に結像される。
本発明では、散乱光SA3及び散乱光SB3は、CCDにて受光されるようになっている。CCD上では、散乱光SA3及び散乱光SB3の正反射光のスポットとして、受光点(反射光照射位置)PB1及びPB2が結像される。
なお、結像点PA1及びPA2は、CCDの原点位置Oからの距離lA1及びlA2として読み取られる。また、受光点PB1及びPB2は、CCDの原点位置Oからの距離lB1及びlB2として読み取られる。
ここで、図8に示すように、振れ回りにより容器の中心Oが中心O’に変位した場合、この変位は、変位量ΔR及び変位角θR0により規定することが可能である。変位量ΔRは、中心Oと中心O’との距離を表す。また、変位角θR0は、照射位置Sと中心Oとを結ぶ直線SOと、中心Oと中心O’とを結ぶ直線OO’とのなす角度を表す。
このような変位により、外壁面Mが外壁面M’になり、内壁面Nが内壁面N’となった場合について、説明する。
レーザー光Gは、外壁面M’の点S’に入射角度θ’で照射される。そして、レーザー光Gは、外壁面M’の点S’にて角度θ’を中心とした様々な方向に散乱した散乱光SA3’と屈折角度r’で屈折し内壁面N’の点S’に到達する屈折光とに分かれる。そして、この屈折光は、内壁面Nの点S’にて角度r’を中心とした様々な方向に散乱し、外壁面M’の点S’に到達後、角度θ’を中心とした様々な方向に出射される。図8では、内壁面Nの点Sにて角度rを中心とした様々な方向に散乱する散乱光を散乱光SB3’としている。
レンズLにより集光された、CCD上における散乱光SA3’及び散乱光SB3’の結像点PA1’及び結像点PA2’は、CCDの中心位置Oからの距離lA1’及びlA2’として読み取られる。一方、外壁面M’上及び内壁面N’上からの正反射光は、CCD上の中心OからlB1’の距離にある点PB1’、及びlB2’の距離にある点PB2’を照射する。
振れ回りにより容器の中心Oが中心O’に変位した場合、容器の外径Rは、外径R’に変化するとする。一方、容器の内径Rは、その時点では内径R’に変化するとする。それゆえ、測定すべき容器の肉厚W’は、変位後の容器の外径R’と変位後の容器の内径R’との差から求めることが可能である。
容器の中心位置の変位(変位量ΔR及び変位角θR0)は、下記式(6−1)及び式(6−2)のように求められる。
θR0=sin-1[{sinθ(k−k)+Rsin(θ'−θ)}/ΔR]
+(r−r) (6−1)
ΔR=[R (sinθ'−sinθ
+{(k−k)−R(sinθ'−sinθ)}] 1/2 (6−2)
ここで、
φ'=tan-1(lA1'/b) (B−1)
sinr=(R/R)sinr=(R/nR)sinθ (B−2)
=[Rsin{(r−r)/2}]/sin{θ+(r−r)/2} (B−3)
={(a+k)sinφ'}/sin(φ'+2θ+r−r) (B−4)
=[{(OBD)+k+lB1']1/2 (B−5)
α=sin-1(lB1'/k) (B−6)
={k +k −2kcos(2θ+r−r−α)}1/2 (B−7)
α=sin-1{ksin(2θ+r−r−α)/k} (B−8)
θ'=(α+2θ+r−r−α)/2 (B−9)
なお、上記式(B−1)〜(B−9)において、bはCCDとレンズLとの距離を示し、nは容器の屈折率を示し、rは、容器の中心位置が中心Oになっているときに、レーザー光Gが外壁面Mで屈折する屈折角を示す。そして、aは、CCDの原点位置OとレンズLの中心Cとを結ぶ直線OCが外壁面Mと交わる交点をDとしたとき、交点DとCCDの原点位置Oとの距離を示し、(OBD)は、交点DとCCDの原点位置Oとの距離を示す。そして、lA1'は、容器の中心Oが中心O’に変位したときに、CCDにて読み取られた外壁面Mの散乱スポット(結像点PA1)と、CCDの原点位置Oとの距離を示し、lB1'は、容器の中心Oが中心O’に変位したときに、CCDにて読み取られた外壁面Mの正反射スポット(受光点PB1)と、CCDの原点位置Oとの距離を示す。
以下、上記式(6−1)、式(6−2)、及び式(B−1)〜(B−9)の導出方法について、図9に基づいて説明する。図9は、容器の中心位置の変位(変位量ΔR及び変位角θR0)の導出方法を説明するための説明図である。なお、図9に示された各符号は、図8に基づくものである。なお、図8において、点Dは、直線OCと外壁面Mとが交わる交点である。また、点D’は、直線OCと直線S’とが交わる交点である。そして、点Dと点D’との間の距離=点D’と照射位置Sとの間の距離=kとし、点D’と照射位置S’との間の距離をkとしている。さらに、直線DD’と直線SD’とのなす角度が2θ+r−rとなっている。さらに、直線S’Sと直線SO’とのなす角度をαとすると、直線OSと直線SO’とのなす角度はπ−θ−αとなる。
図9に示される角度φ'は、実験的に下記式(B−1)から得られる。
φ'=tan-1(lA1'/b). (B−1)
また、3角形OSについて正弦定理を適用することにより、角度rに関し、下記式(B−2)が成立する。
sinr=(R/R)sinr=(R/nR)sinθ. (B−2)
点Dと点D’との間の距離kは、3角形DOD’について正弦定理を適用することにより、下記式(B−3)のようになる。
=[Rsin{(r−r)/2}]/sin{θ+(r−r)/2}. (B−3)
同様に、点D’と照射位置S’との間の距離kは、3角形CD’S’について正弦定理を適用することにより、下記式(B−4)のようになる。
={(a+k)sinφ'}/sin(φ'+2θ+r−r). (B−4)
さらに、結像点PB1’と点D’との間の距離kは、3角形ΔOBD’PB1’に対し余弦定理を適用することにより、下記式(B−5)のようになる。
=[{(OBD)+k+lB1']1/2. (B−5)
なお、式(B−5)中、ODは、原点位置Oと点Dとの距離を示す。
また、図9に示される角度αは、この値kと結像点lB1’とを用いて、実験的に下記式(B−6)のようになる。
α=sin-1(lB1'/k). (B−6)
さらに、結像点PB1’と照射位置S’と間の距離kは、3角形PB1’D’S’に対し余弦定理を適用することにより、下記式(B−7)のようになる。
={k +k −2kcos(2θ+r−r−α)}1/2. (B−7)
また、図9に示される角度αは、この3角形PB1’D’S’に対して正弦定理を適用することによって、下記式(B−8)のように求められる。
α=sin-1{ksin(2θ+r−r−α)/k}, (B−8)
さらに、入射角度θ’は、下記式(B−9)のように表される。
θ'=(α+2θ+r−r−α)/2. (B−9)
これら式(B−1)〜(B−9)を、3角形SOO’に対する余弦定理の式に適用すると、ビンの中心位置座標の変位(ΔR及びθR0)は、下記式(6−1)及び(6−2)のように求められる。
θR0=sin-1[{sinθ(k−k)+Rsin(θ'−θ)}/ΔR]
+(r−r) (6−1)
ΔR=[R (sinθ'−sinθ
+{(k−k)−R(sinθ'−sinθ)}] 1/2 (6−2)
また、図8に示すように、内壁面Nにより形成された円の半径(以下、内径と記す)Rは、振れ回りによる変位により、内径R’に変化する。内径R’は、下記式(7)のように求められる。この下記式(7)により、容器の中心位置が測定毎にずれた場合であっても、内径R’を正確に測定することが可能になる。
'={(R−t12+t14
+2t14(R−t12)cos(β+r'')}1/2 (7)
ここで、
=ksin(2θ+r−r)/sinφ' (C−1)
φ'=tan-1(lA2'/b) (C−2)
β=2θ+r−r−θ'−φ' (C−3)
=tsin(φ'+φ')/sinβ (C−4)
=−(R−t)cosβ+{R −(R−tsinβ1/2 (C−5)
β=sin-1(sinβ/R) (C−6)
=R{2(1−cosβ)}1/2 (C−7)
=(R +ΔR −2RΔRcosθR01/2 (C−8)
β=sin-1[{tsin(φ'+2θ+r−r−θ')
−asin(2θ+r−r−θ')}/t] (C−9)
={R +t −2Rcos(β−β)}1/2 (C−10)
β=sin-1[{Rsin(β−β)}/t] (C−11)
={tsinθ+Rsin(β−β−θ)}/sinφ' (C−12)
=[(OBD)+t +2(OBD){tcosθ−Rcos(β−β−θ)}]1/2
(C−13)
10=[lB2'+t −2lB2'{tsinθ+Rsin(β−β−θ)}]1/2
(C−14)
11=[lB2'+{(OBD)−a}]1/2 (C−15)
β=cos-1[(t +t10 −t11 )/2t10] (C−16)
θ''=β−β+β (C−17)
sinr''=sinθ''/n (C−18)
sinr'=sinθ'/n (C−19)
12={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'') (C−20)
13={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'+r'') (C−21)
14=(t12 +t13 −2t1213cosr')1/2 (C−22)
なお、上記式(C−1)〜(C−22)において、lA2'は、容器の中心Oが中心O’に変位したときに、CCDにて読み取られた内壁面Nの散乱スポット(結像点PA2)と、CCDの原点位置Oとの距離を示す。
測定すべき容器の肉厚W’は、下記式(8)に上記式(7)を代入することにより求められる。
W’=R’−R’ (8)
ここで、1.3で説明したように、ビン等の容器は、通常、モルド法(吹きつけ)によって製造される。このため、容器の外径は、一定となる。このため、図8において、外径R=外径R’とみなすことができる。
すなわち、図8に示される光学系において、測定すべき容器の肉厚W’は、下記式のようになる。
W’=R−R’ (9)
以下、上記式(7)、及び式(C−1)〜(C−22)の導出方法について、図10及び図11に基づいて説明する。図10及び図11は、内径R’の導出方法を説明するための説明図である。なお、図10及び図11に示された各符号は、図8に基づくものである。なお、図10において、点S''は、直線S'O'と、直線S'Cとが交わる交点である。
図10に示される、中心Cと照射位置S'との間の距離tは、3角形CD'S'に対し正弦定理を適用することにより、から下記式(C−1)のようになる。
=ksin(2θ+r−r)/sinφ', (C−1)
ここで、図10に示される角度φ2'は、下記式(C−2)のように与えられる。
φ'=tan-1(lA2'/b). (C−2)
したがって、図10に示される角度βは、下記式(C−3)のように与えられる。
β=2θ+r−r−θ'−φ', (C−3)
また、照射位置S'と点S''との間の距離tは、3角形CS''S'に対し余弦定理を適用することにより、下記式(C−4)のように与えられる。
=tsin(φ’+φ’)/sinβ. (C−4)
同様に、点S'と点S''との間の距離tは、3角形S'O'S''に対し余弦定理を適用することにより、下記式(C−5)のように与えられる。
=−(R−t)cosβ+{R −(R−tsinβ1/2, (C−5)
また、図10に示される角度βは、3角形S'O'S''に対し正弦定理を適用することにより、下記式(C−5)のように求められる。
β=sin-1(sinβ/R). (C−6)
点S’と照射位置S’との間の距離tは、3角形S'O'S'に対し余弦定理を適用することにより、下記式(C−7)のように求められる。
=R{2(1−cosβ)}1/2, (C−7)
そして、点Dと中心O'との間の距離tは、3角形DOO’に対し余弦定理を適用することにより、下記式(C−8)のように求められる。
=(R +ΔR −2RΔRcosθR01/2, (C−8)
また、これらの値と3角形DO'S'に対する正弦定理を用いると、角度βは、下記式(C−9)のように求められる。
β=sin-1[{tsin(φ'+2θ+r−r−θ')
−asin(2θ+r−r−θ')}/t] (C−9)
したがって、点Dと点S’との間の距離tは、3角形S'O'Dに対する余弦定理から、下記式(C−10)のように求められる。
={R +t −2Rcos(β−β)}1/2 (C−10)
そして、さらに、角度βは、3角形S'O'Dに対するに対する正弦定理から、下記式(C−11)のようになる。なお、角度βは、直線S’Dと直線O’Dとのなす角度である。
β=sin-1[{Rsin(β−β)}/t] (C−11)
中心Cと点S'との間の距離tは、3角形CS'Dに対して正弦定理を適用することにより、下記式(C−12)のように求められる。
={tsinθ+Rsin(β−β−θ)}/sinφ' (C−12)
また、中心Oと点S'との間の距離tは、3角形O'Dに対して余弦定理を適用することによって、下記式(C−13)のように求められる。なお、式中、ODは、中心Oと点Dとの距離を示す。
=[(OBD)+t +2(OBD){tcosθ−Rcos(β−β−θ)}]1/2
(C−13)
結像点PB2'と点S'との間の距離t10は、3角形OB2'Sに対して余弦定理を適用することによって、下記式(C−14)のように求められる。
10=[lB2'+t −2lB2'{tsinθ+Rsin(β−β−θ)}]1/2
(C−14)
さらに、結像点PB2'と中心Cとの間の距離t11は、3角形OB2'Cに対して余弦定理を適用することによって、下記式(C−15)のように求められる。
11=[lB2'+{(OBD)−a}]1/2 (C−15)
角度βは、3角形PB2’S’Cに対し余弦定理を適用することにより、下記式(C−16)のように求められる。
β=cos-1[(t +t10 −t11 )/2t10] (C−16)
ここで、
θ''=β−β+β (C−17)
sinr''=sinθ''/n (C−18)
sinr'=sinθ'/n (C−19) つぎに、図11を用いて、内径R’の算出に必要な諸量を求める。
照射位置S'と点S''との間の距離t12は、3角形S'S''S'に正弦定理を用いることにより、下記式(C−20)のように求められる。
12={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'') (C−20)
また、照射位置S'と点S'との間の距離t13は、3角形S'S'S'に正弦定理を用いることにより、下記式(C−21)となる。
13={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'+r'') (C−21)
さらに、点S'と点S''と間の距離t12は、3角形S'S'S''に余弦定理を用いることにより、下記式(C−22)となる。
14=(t12 +t13 −2t1213cosr')1/2 (C−22)
OS''とこれまでに求めた式と3角形ΔS'OS''に対する余弦定理から内径R'は次式で与えられる。
'={(R−t12+t14
+2t14(R−t12)cos(β+r'‘)}1/2 (7)
以上のように,本発明では,円周方向(回転方向)の瞬時瞬時の内径R’を、上記式(7)に基づいて算出している。この回転によって容器の中心位置が測定毎にずれた場合であっても、内径R’を正確に測定することが可能になる。そして、その測定毎の外径R’(=R)と測定された内径R’との差を計算することにより、測定すべき容器の肉厚W’を正確に測定することが可能になる。
また、本発明では、ビン等の容器の肉厚を測定するために、レーザー光を境界(外壁面)で屈折させながら、順に進行させてビン肉厚を測定している。このような方法を「光線追跡法」と称する。本発明は、測定毎に変化する容器の中心位置に対し、光線追跡法を用いているので、レンズの収差、特に球面収差を除けば、測定誤差を有しない。
〔3. 結果と検討〕
〔3.1 肉厚測定の解像度(分解能)性〕
上述した結像法による肉厚測定の解像度を概算するために、光学設計ソフト「Zemax」を用いて、シミュレーション実験を行った。このソフトは、基本的には各境界での屈折による光追跡法に基づいてシミュレーションするためのものである。図12は、このシミュレーションのための光学配置を示す図である。
このシミュレーションは、図8に示される光学系に基づくものである。すなわち、このシミュレーションは、容器の中心Oが中心O’に変位した場合に、CCD上に結像される結像点PA1及び結像点PA2がどのように移動するのかをシミュレーションしたものである。
なお、図12に示すように、このシミュレーションでは、入射角度θは、容器の中心(最高)位置に対する角度として決定されている。また、このシミュレーションの条件は、入射角度θを45°とし、外径Rを55mmとし、容器の肉厚W(外径R−内径R)を4mmとしている。レンズLについては、焦点距離fを13mmとし、直径を12.7mmとし、レンズ厚さを5.5mmとしている。さらに、CCDの中心OとレンズLの中心Cとの間の距離を23.558441mmとし、レンズの中心Cと点Dとの間の距離を25mmとしている。
上記の条件に基づいて、容器の中心Oが中心O’に変位した場合における、結像点PA1及び結像点PA2の移動量をシミュレーションした。なお、結像点PA1及び結像点PA2の移動量は、結像点PA1及び結像点PA2と、中心Oとの間の距離lA1及びlA2としている。また、図12に示すように、中心Oから中心O’への変位は、変位量ΔR及び変位角θR0により規定されている。
シミュレーションの結果を表1に示す。表1は、容器の中心Oが中心O’に変位した場合に、CCD上に結像される結像点PA1及び結像点PA2の移動をmm単位で示したものであり、表1(a)は、結像点PA1の移動量(lA1)を示し、表1(b)は、結像点PA2の移動量(lA2)を示す。なお、表中の「−」は結像点の移動方向を示すものであり、図8に示される結像点PA1及び結像点PA2の移動方向を「+」としたとき、その方向と逆の方向を示す。
Figure 0004690183
容器の肉厚変化量をΔRとし、CCD上の結像点の変化量をΔdとし、CCDの解像度(分解能)をΔDresとすると、本方法の検出解像度(分解能)、すなわち検出可能な最小肉厚ΔRresは、下記式(10)のように求められる。
ΔRres=(ΔR/Δd)・ΔDres. (10)
この検出解像度ΔRresは、例えば、入射角度θ、レンズLとCCDとの位置関係、容器の中心Oの変位、容器の肉厚W等のような、部材の光学的配置、あるいは部材の寸法によって、多少異なる。表2は、上記シミュレーションにより得られた表1(a)及び表1(b)のデータを基にして、上記式(10)より計算された検出解像度ΔRresを示している。なお、表2では、CCDの解像度(分解能)ΔDresを10μmとして、検出解像度ΔRresを計算している。
表2(a)は、図12に示される光学系において、内壁面Nの曲率半径(内径R)を51mmから51.1mmへと変化させ、容器の肉厚Wを0.1mmだけ薄くした場合の、CCD上の結像点PA2の変化量Δdをシミュレーションし、上記式(10)より検出解像度ΔRresを計算した結果を示し、表2(b)は、内壁面Nの曲率半径(内径R)を51mmから50.9mmへと変化させ、容器の肉厚Wを0.1mmだけ厚くした場合の、CCD上の結像点PA2の変化量Δdをシミュレーションし、上記式(10)より検出解像度ΔRresを計算した結果を示し、表2(c)は、外壁面Mの曲率半径(外径R)を55mmから54.9mmへと変化させ、容器の肉厚Wを0.1mmだけ薄くした場合の、CCD上の結像点PA1の変化量Δdをシミュレーションし、上記式(10)より検出解像度ΔRresを計算した結果を示し、表2(d)は、外壁面Mの曲率半径(外径R)を55mmから54.9mmへと変化させ、容器の肉厚Wを0.1mmだけ薄くした場合の、CCD上の結像点PA1の変化量Δdをシミュレーションし、上記式(10)より検出解像度ΔRresを計算した結果を示し、表2(e)は、外壁面Mの曲率半径(外径R)を55mmから55.1mmへと変化させ、容器の肉厚Wを0.1mmだけ厚くした場合の、CCD上の結像点PA1の変化量Δdをシミュレーションし、上記式(10)より検出解像度ΔRresを計算した結果を示し、表2(f)は、外壁面Mの曲率半径(外径R)を55mmから55.1mmへと変化させ、容器の肉厚Wを0.1mmだけ厚くした場合の、CCD上の結像点PA1の変化量Δdをシミュレーションし、上記式(10)より検出解像度ΔRresを計算した結果を示す。
Figure 0004690183
Figure 0004690183
表2(a)〜表2(f)に示すように、図12の光学系に対する検出解像度ΔRresの範囲は10〜50μmである。本肉厚測定方法に対し、実用上要求される測定誤差は0.1mmである。それゆえ、この検出解像度ΔRresは、実用に耐え得るものである。
参考までに、正反射法により求められた中心位置の結果の一例について説明する。
表4は、容器の中心位置ずれによる正反射光受光位置ずれ量を光学設計ソフトZemaxによりシミュレーションを行った結果を示す。なお、このシミュレーションは、上記と同様に、図8に示される光学系に基づくものである。すなわち、このシミュレーションは、容器の中心Oが中心O’に変位した場合に、CCD上に結像される結像点PB1及び結像点PB2がどのように移動するのかをシミュレーションしたものである。
なお、図13に示すように、このシミュレーションの条件は、入射角度θを45°とし、外径Rを40mmとし、容器の肉厚W(外径R−内径R)を3mmとしている。CCDの中心Oと容器との間の距離を76.4mmとしている。また、図7に示すように、振れ回りによる、容器の中心Oから中心O’への変位は、変位角θR0と変位距離ΔRにより規定されている。
上記の条件に基づいて、容器の中心Oが中心O’に変位した場合における、結像点PB1及び結像点PB2の移動量をシミュレーションした。なお、結像点PB1及び結像点PB2の移動量は、結像点PB1及び結像点PB2と、原点位置Oとの間の距離lB1及びlB2としている。
なお、表4は、シミュレーション中心位置のずれを予め決定し、決定された中心位置ずれに対する正反射光の受光位置を求めている。すなわち、表4は、予め決定された変位角θR0と変位距離ΔRに対し、距離lB1及びlB2のシミュレーションを行った結果を示す。
Figure 0004690183
しかしながら、本発明における正反射法は、正反射光の受光位置から中心位置のずれを、上記式(6−1)及び式(6−2)に基づいて求めるものである。
〔3.2 肉厚測定誤差〕
ここでは、本発明による肉厚測定の誤差について検討する。この測定誤差の主な原因としては、以下の(イ)〜(ハ)の3つの原因が考えられる。
(イ)測定時における透明平行板やビン等の容器の設置位置誤差。
(ロ)レンズ(結像レンズ)の球面収差。
(ハ)CCDの読み取り誤差。
これらの原因のなかで、(イ)は実際の肉厚測定における誤差である。一方、(ロ)及び(ハ)は、肉厚測定を行う光学系そのものによる誤差である。
本発明は、ビン肉厚測定法とそのシステムの開発である。この目的のために、本発明では、結像法に加えて正反射法の両者により求められた中心位置に対する肉厚を上述の結像法によって求めている。さらに、この結像法は、光線追跡法によって測定するものである。このような方法では、まず、容器の中心を正反射法により正確に求め、この中心位置に対して肉厚を求めているため、基本的に誤差は生じない。しかしながら、この方法では、容器の中心の変位による測定誤差を簡単に概算することはできない。
この節では、容器の中心の変位による測定誤差を概算するために、固定した容器の中心に対する解析からおおまかに測定誤差を概算する。容器の中心位置が変化すると、結果的に入射角度が変化する。そして、この入射角度変化が、式(1)や式(3)に示すように肉厚測定の誤差原因となる。そこで、この入射角度の変化をまず計算し、次に、この変化Δθを、ビン等の容器に対する式(4)ではなく、透明平行板に対する式(1)または(3)に適用して、肉厚測定の誤差を概算する。
〔 容器の振れ回りによる入射角度誤差〕
リアルタイムにガラスビン等の容器の肉厚を測定する場合、ベルトコンベアーで搬送してきた容器の移動を停止し、その位置で少なくとも1回転して容器の円周方向の肉厚を測定する方法が採られる。容器の肉厚測定における最大の誤差要因は、容器を少なくとも1回転する際に生じる、容器の中心位置の振れ回りによる誤差である。この誤差は、入射角度変化を誤差に取り入れることで、検討することが可能である。以下、ガラスビン等の容器の振れ回りによる入射角度誤差について、説明する。なお、容器の中心位置の変化によって入射角度が変化する様子は、図8に示しているとおりである。
すなわち、図8に示すように、容器の中心Oが中心O’に変位した場合、変位角θR0と変位距離ΔRにより、レーザー光の入射角度は、θからθ’に変化する。この入射角度θ’は、下記式(11)のように求められる。なお、式(11)は、入射角度θ=45°の場合を計算したものである。
θ’=sin−1[{R+ΔR1/2cos(θR0+π/4)}/R1/2]. (11)
以下、上記式(11)の導出方法について、図14に基づいて説明する。図14は、容器の振れ回りによる入射角度誤差の導出方法を説明するための説明図である。なお、14に示された各符号は、図8に基づくものである。なお、図14は、入射角度θ=45°としている。さらに、固定されている(基準となる)容器の中心Oを原点(0,0)としたxy座標系を考え、変位後の中心O’を(Δx, Δy)としている。
図14に示すように、容器の中心位置の移動によって、入射角度がθからθ’に変化している。半径ΔR上のビン中心位置O’(Δx,Δy)は、下記式(D−1)で与えられる。
Δx=ΔRsinθR0, Δy=ΔRcosθR0. (D−1)
したがって、その中心がO’の円S上の任意の点座標は、下記式(D−2)のように表される。
x=Rcosβ+ΔRsinθR0, y=Rsinβ+ΔRcosθR0. (D−2)
また、傾き45°の直線Lは、下記式(D−3)で与えられる。
y=x+R. (D−3)
簡単な幾何学的な考察から次式の関係を得る。
sinβ+ΔRcosθR0=Rcosβ+ΔRsinθR0+R, (D−4)
cos(β+π/4)={R−ΔR√2cos(θR0+π/4)}/R√2. (D−5)
したがって、β−π/4=θ’の関係から、θ’は最終的に次式となる。
θ’=sin−1[{R−ΔR√2cos(θR0+π/4)}/R√2]. (11)
上記式(11)において、入射角度θ’の最小値θ’及び最大値Θ’は、簡単な幾何学的な考察から理論的に計算される。すなわち、最小値θ’及び最大値Θ’はそれぞれ、cos(θR0+π/4)=1 及び cos(θR0+π/4)=−1であるときの値である。すなわち、上記式(11)において、θR0=−π/4のときに、θ’は最小値θ’となる。一方、θR0=π/4のときに、θ’は最大値Θ’となる。表5は、幾つかのΔR/Rの値に対する最大値θ’max と最小値θ’maxを示す。
例えば、入射角度θ=45°の場合、最小値θ’及び最大値Θ’は、表5のようになる。表5は、外径RとΔRとの比率を変えた場合における、最小値θ’及び最大値Θ’を示した表である。
Figure 0004690183
表5に示すように、外径RとΔRとの比率が大きくなる(つまり、外径が小さくなる)に従い、最小値θ’と最大値Θ’との差が大きくなっている。これは、外径RとΔRとの比率が大きくなると、入射角度θ’の誤差が大きく影響することを示している。
〔本発明における肉厚測定誤差について〕
上述のように入射角度がθからθ’に変化する場合、その入射角度の誤差(θ’−θ)をΔθとする。この入射角度誤差Δθより生じる肉厚測定誤差ΔXは、上記の透明平行板に関する式(1)また式(3)におけるθに、θ+Δθを代入することにより、求められる。
結像法として1枚レンズ法を用いた場合、Δθにより生じる測定誤差ΔXは、下記式(12−1)のようになる。
Figure 0004690183
したがって、厚さの第1次近似により概算された、相対誤差ΔX/Xは下記式(12)で与えられる。
ΔX/X≒Δθ{tan(θ+φ)+tan(θ−φ)−cotθ−tanθ−
sinθcosθ/(n−sinθ)}, (12)
また、結像法として2枚レンズ法を用いた場合、Δθにより生じる測定誤差ΔXは、下記式(13−1)のようになる。
Figure 0004690183
したがって、厚さの第1次近似により概算された、相対誤差ΔX’/Xは下記式(13)で与えられる。
ΔX’/X=Δθ[{−cotθ+tan(θ+φ)−sinθcosθ/(n−sinθ)}
+2asinφsin(2θ+φ){cot(2θ+φ)−cot(2θ+φ)}/
{asinφsin(2θ+φ)−sinφsin(2θ+φ)}], (13)
例えば、θ=45°,tanφ≒l/b≒tanφ≒l/b=5mm/50mm、X=5mmとすれば、1枚レンズ法を用いた場合、Δθにより生じる測定誤差ΔXは、下記式(12’)のようになる。
ΔX/X=−0.30Δθ, (12’)
また、2枚レンズ法を用いた場合、Δθにより生じる測定誤差ΔXは、下記式(13’)のようになる。
ΔX’/X=−0.12Δθ. (13’)
Δθの最大値として、例えばR:ΔR=15:1と仮定すれば、表5よりΔθmax≒±5°程度である。この角度をラジアン角度単位に換算すると、Δθmax≒0.087となる。これを式(12’)に代入すると、
ΔX/X=−0.30Δθ=0.026
となる。例えば容器の肉厚Xが5mmである(X=5mm)場合、
ΔX=0.026×5.0≒0.13mm
となる。
また、Δθmax≒0.087を式(13’)に代入すると、
ΔX’/X=−0.12Δθ=0.010
となる。そして、容器の肉厚X’が5mmである(X’=5mm)場合、
ΔX’=0.010×5.0≒0.05mm
となる。
このように、両レンズ系に対する測定誤差は0.13mm以下となり、実用的に許される範囲であることがわかった。
以下、参考までに、透明平行板の肉厚を測定する場合における、上記(ロ)または(ハ)の原因に対する検討を説明する。
〔1枚レンズ法による誤差〕
まず、1枚レンズ法により透明平行板の肉厚を測定した場合における、測定誤差ΔXについて検討する。なお、図2に示された1枚レンズ法において、上記(ロ)、(ハ)の原因に対応する誤差は、以下のようになる。
(ロ)レンズL(結像レンズ)の球面収差。
(ハ)CCD上における結像点の読み取り誤差(Δl及びΔl)。
これらのうちで、(ハ)の原因に対応する誤差(Δl及びΔl)は、上記式(1)に基づいて検討することができる。特に、(ハ)の原因に対応する誤差Δl及びΔlは、CCD上への微小な角度変化Δφ及びΔφとして取り扱うことが可能である。
以下、これら2つの原因に対応する誤差について検討する。
まず、(ハ)の原因に対応する読み取り誤差Δφ及びΔφにより生じる測定誤差ΔXは、下記式(14−1)のように求められる。
Figure 0004690183
したがって、相対誤差ΔX/Xは下記式(14)で与えられる。
Figure 0004690183
ここで、実際の誤差の大きさについて概算する。Δφ及びΔφの誤差は、CCD上における結像点の読み取り誤差に対応している。それゆえ、Δφ及びΔφの誤差は、かなり小さくすることが可能である。
次に、(ロ)の原因に対応するレンズLの球面収差により生じる測定誤差を、光学設計ソフトZemaxによってシミュレーションする。このシミュレーションは、図2に示される光学系に基づくものである。すなわち、このシミュレーションは、容器の肉厚を3mmとして、裏面または表面が変位した場合に、CCD上に結像される結像点A’及び結像点B’がどのように移動するのかをシミュレーションしたものである。
なお、図15に示すように、このシミュレーションの条件は、入射角度θを45°としている。そして、レンズの中心O、及びCCDの受光面の原点位置D’を通過する直線と試料(透明平行板)の表面Eとの交点をDとした場合、点Dと中心Oとの距離(図2における距離aに対応する)を、30mmとしている。また、レンズの中心OとCCDの受光面の中心D’との距離(図2における距離bに対応する)を46.561406mmとしている。また、レンズ(EDOMUNDO)の焦点距離(F)を18mmとし、レンズ直径(D)を6mmとしている。さらに、レンズのアパーチャの直径を2mmとしている。
上記の条件に基づいて、裏面または表面が変位した場合における、結像点A’及び結像点B’の移動量をシミュレーションした。なお、結像点A’及び結像点B’の移動量は、結像点A’及び結像点B’と、原点位置D’との間の距離l及びlとしている。検討結果を表6に示す。表6中のXは、得られた結像点l及びlを式(1−1)及び式(1)に代入して得られた値である。
Figure 0004690183
この場合、表6に示すように、シミュレーション結果のXには、最大で40μmの測定誤差が生じている。これは、表面で散乱する散乱光と裏面で散乱する散乱光とを、1枚のレンズで結像しているため、球面収差が大きくなったためである。これに対して、後述の2枚レンズ法では、レンズの球面収差の影響がほとんどなくなっている。
〔2枚レンズ法による誤差〕
次に、2枚レンズ法により透明平行板の肉厚を測定した場合における、測定誤差ΔXについて検討する。なお、上記と同様に、上記(ロ)の原因に対応する誤差はCCD上における結像点の読み取り誤差(Δl及びΔl)となる。そして、誤差Δl及びΔlは、CCD上への微小な角度変化Δφ及びΔφとして取り扱うことが可能である。以下、これら3つの原因に対応する誤差について検討する。
(ハ)の原因に対応する読み取り誤差Δφ及びΔφにより生じる測定誤差ΔX’は、以下のように求められる。
Figure 0004690183
上記の式で、φ→φ+Δφ、φ→φ+Δφとおいて、それらの変化分に対するΔdを計算すると、下記式(15)のように求められる。
Figure 0004690183
ここで、実際の誤差の大きさについて概算する。Δφ及びΔφの誤差は、CCD上における結像点の読み取り誤差に対応している。それゆえ、Δφ及びΔφの誤差は、かなり小さくすることが可能である。
最後に、(ロ)の原因に対応するレンズの球面収差により生じる測定誤差を、光学設計ソフトZemaxによってシミュレーションする。このシミュレーションは、図3に示される光学系に基づくものである。すなわち、このシミュレーションは、裏面または表面が変位した場合に、CCD及びCCD上に結像される結像点O’及び結像点O’がどのように移動するのかをシミュレーションしたものである。
なお、図16に示すように、このシミュレーションの条件は、入射角度θを45°としている。そして、レンズの中心O、及びCCDの受光面の結像点(原点位置)O’を通過する直線と試料(透明平行板)の表面Eとの交点をAとした場合、点Aと中心Oとの距離(図3における距離aに対応する)を、30mmとしている。また、レンズの中心OとCCDの受光面の結像点O’との距離(図3における距離bに対応する)を46.561406mmとしている。また、レンズ(EDOMUNDO)の焦点距離(F)を18mmとし、レンズ直径(D)を6mmとしている。さらに、レンズのアパーチャの直径を2mmとしている。
上記の条件に基づいて、裏面または表面が変位した場合における、結像点O’及び結像点O’の移動量をシミュレーションした。なお、結像点O’及び結像点O’の移動量は、距離l及びlとしている。検討結果を表7に示す。表7中のD−D’は、得られた距離l及びlを式(3)に代入して得られた値である。
Figure 0004690183
この場合、表7に示すように、式(3)によるシミュレーション結果D−D’には全く誤差が生じていないことが分かる。これは、表面と裏面とに異なった2つの結像レンズを用いており、球面収差がほとんど生じないためである。
〔おわりに〕
本発明は、レーザー光を、容器外壁面に対し斜め方向から照射し、以下の2つの方法の併用によってビンの肉厚をリアルタイムに、かつ正確に求めるというものである。
(1)容器の外壁面と内壁面とからの正反射光がCCD上に結像した結像(受光)位置から容器の中心位置を求める。
(2)さらに、外壁面及び内壁面の両面からの散乱光をレンズによりCCD上に結像し、その結像点から容器の肉厚を求める。
上記特許文献1〜3の発明の測定原理は、いずれも結像法により肉厚を測定するものである。しかしながら、特許文献1〜3の発明はいずれも、結像のために、ただ1枚のレンズを用いたものである。これに対して、本発明では、容器の外壁面と内壁面との結像に、異なった2つの結像レンズを用いている。このため、本発明では、従来の肉厚測定方法と比較して、測定の感度と精度とが上がるという効果を奏する。
さらに、本発明では、実際のリアルタイム測定時に必ず生じる容器の振れ回り等による測定誤差を回避するために、結像法と正反射法とを併用している。すなわち、本発明では、結像法と正反射法とにより得られたCCD上の結像点から、容器の中心位置を求め、その中心位置に対する正確な肉厚を測定している。
具体的には、正反射法用及び結像法のために、2個のCCDカメラを用いている。そして、この2個のCCDカメラ上の結像点から求めた容器の中心位置に対する、正確な肉厚を測定する。
このように、本発明は、実際の測定時に生じる振れ回り等による測定誤差を軽減するために、結像法に2枚のレンズを用い、さらに正反射法との併用するものである。これにより、測定感度の向上と測定誤差の軽減とを飛躍的に行うことが可能である。
ビン肉厚をリアルタイムで測定するために正反射法を併用した結像法を開発した。このシステムは2つの主なサブシステムから構成されている。1つは光源としてのレーザー、正反射光と散乱結像光の両者を受光するための2個のCCDカメラ、散乱光をCCDカメラ上に結像するレンズ等から構成されるセンサーヘッドである。他の1つはA/Dコンバーターやアンプを内蔵したパーソナルコンピューターや厚さを表示するためのデイスプレイから構成されるデータ処理用のサブシステムである。光学設計用ソフト”Zemax”を用いたシミュレーション実験によれば解像度、すなわち測定可能な最小の肉厚は解像度10μmのCCDカメラを用いれば、10〜50μmであることが判明した。この値は実用に十分である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、ガラスビン等の容器の肉厚測定の用途に適用できる。
本発明の実施形態を示すものであり、肉厚測定装置のシステム例を示す説明図である。 1枚レンズ法(結像法)による肉厚測定の原理を説明するための説明図である。 2枚レンズ法(結像法)による肉厚測定の原理を説明するための説明図である。 固定された容器の中心位置に対する容器の肉厚測定法の原理を説明するための説明図である。 変位ΔR及び変位ΔRの導出方法を説明するための説明図である。 変位ΔR及び変位ΔRの導出方法を説明するための説明図である。 変位ΔR及び変位ΔRの導出方法を説明するための説明図である。 振れ回りにより中心位置が変位している容器の肉厚測定方法の原理を説明するための説明図である。 容器の中心位置の変位の導出方法を説明するための説明図である。 変位した中心位置に対する容器における、内径の導出方法を説明するための説明図である。 変位した中心位置に対する容器における、内径の導出方法を説明するための説明図である。 肉厚測定の解像度を概算するシミュレーションのための光学配置を示す図である。 容器の中心位置ずれによる正反射光受光位置ずれ量をシミュレーションのための光学配置を示す図である。 容器の中心が変位することにより変化したレーザー光の入射角度の導出方法を説明するための説明図である。 1枚レンズ法を適用した場合におけるレンズの球面収差により生じる測定誤差をシミュレーションするための光学配置を示す図である。 2枚レンズ法を適用した場合におけるレンズの球面収差により生じる測定誤差をシミュレーションするための光学配置を示す図である。
符号の説明
1 センサー部
2 データ処理部(肉厚計算手段)
3 容器
4 測定部
5 CPU(肉厚計算手段)
6 増幅器
7 制御部
8 検出部
9,9’ 増幅器
10,10’ A/D変換器
11 レーザー光源
12 ハーフミラー(光路分配手段)
13 レンズ(集光手段)
14 FPGA部(肉厚計算手段)
15 DSP部(肉厚計算手段)
16 判定部(肉厚計算手段)
17 表示部
18 チャネルリンクドライバー
19 チャネルリンクドライバー

Claims (8)

  1. 容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定装置であって、
    容器の外壁面にレーザー光を照射するレーザー光源と、
    上記散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配する光路分配手段と、
    上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光を集光する集光手段と、
    上記集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面及び上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第1の撮像素子と、
    上記光路分配手段から第2光路を介した散乱光を、正反射スポットとして読み取る第2の撮像素子と、
    上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する肉厚計算手段とを備えたことを特徴とする肉厚測定装置。
  2. 上記容器の中心Oが中心O’に変位するとともに、中心Oと中心O’との距離をΔRとし、上記レーザー光の照射位置Sと中心Oとを結ぶ直線と、中心Oと中心O’とを結ぶ直線とのなす角度をθR0とした場合に、
    上記肉厚計算手段は、容器の中心位置の変位を、座標(ΔR,θR0)として計算するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の肉厚測定装置。
  3. 上記外壁面により形成された円の半径をRとし、上記内壁面により形成された円の半径をRとし、レーザー光の入射角度をθとし、上記第1の撮像素子と上記集光手段との距離をbとし、上記容器の屈折率をnとし、
    容器の中心位置が中心Oになっているときに、上記レーザー光が外壁面で屈折する屈折角をrとし、
    上記第1の撮像素子の原点位置Oと上記集光手段の中心とを結ぶ直線が外壁面と交わる交点をDとしたとき、交点Dと上記集光手段との距離をaとし、交点Dと上記第2の撮像素子の原点位置Oとの距離をODとし、
    上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第1の撮像素子にて読み取られた外壁面の散乱スポットと、第1の撮像素子の原点位置Oとの距離をlA1'とし、
    上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第2の撮像素子にて読み取られた外壁面の正反射スポットと、第2の撮像素子の原点位置Oとの距離をlB1'とした場合に、
    上記肉厚計算手段は、下記式(B−1)〜(B−9)
    φ'=tan-1(lA1'/b) (B−1)
    sinr=(R/R)sinr=(R/nR)sinθ (B−2)
    =[Rsin{(r−r)/2}]/sin{θ+(r−r)/2} (B−3)
    ={(a+k)sinφ'}/sin(φ'+2θ+r−r) (B−4)
    =[{(OBD)+k+lB1']1/2 (B−5)
    α=sin-1(lB1'/k) (B−6)
    ={k +k −2kcos(2θ+r−r−α)}1/2 (B−7)
    α=sin-1{ksin(2θ+r−r−α)/k} (B−8)
    θ'=(α+2θ+r−r−α)/2 (B−9)
    を計算し、
    θR0=sin-1[{sinθ(k−k)+Rsin(θ'−θ)}/ΔR]
    +(r−r) (6−1)
    ΔR=[R (sinθ'−sinθ
    +{(k−k)−R(sinθ'−sinθ)}] 1/2 (6−2)
    に基づいて、容器の中心位置の変位を計算するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の肉厚測定装置。
  4. 上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第1の撮像素子にて読み取られた内壁面の散乱スポットと、第1の撮像素子の原点位置Oとの距離をlA2'とし、
    上記容器の中心Oが中心O’に変位したときに、上記第2の撮像素子にて読み取られた内壁面の正反射スポットと、第2の撮像素子の原点位置Oとの距離をlB2'とし、
    中心位置が変位した容器の内壁面により形成された円の半径をR’とした場合に、
    上記肉厚計算手段は、下記式(C−1)〜(C−22)
    =ksin(2θ+r−r)/sinφ' (C−1)
    φ'=tan-1(lA2'/b) (C−2)
    β=2θ+r−r−θ'−φ' (C−3)
    =tsin(φ'+φ')/sinβ (C−4)
    =−(R−t)cosβ+{R −(R−tsinβ1/2 (C−5)
    β=sin-1(sinβ/R) (C−6)
    =R{2(1−cosβ)}1/2 (C−7)
    =(R +ΔR −2RΔRcosθR01/2 (C−8)
    β=sin-1[{tsin(φ'+2θ+r−r−θ')
    −asin(2θ+r−r−θ')}/t] (C−9)
    ={R +t −2Rcos(β−β)}1/2 (C−10)
    β=sin-1[{Rsin(β−β)}/t] (C−11)
    ={tsinθ+Rsin(β−β−θ)}/sinφ' (C−12)
    =[(OBD)+t +2(OBD){tcosθ−Rcos(β−β−θ)}]1/2
    (C−13)
    10=[lB2'+t −2lB2'{tsinθ+Rsin(β−β−θ)}]1/2
    (C−14)
    11=[lB2'+{(OBD)−a}]1/2 (C−15)
    β=cos-1[(t +t10 −t11 )/2t10] (C−16)
    θ''=β−β+β (C−17)
    sinr''=sinθ''/n (C−18)
    sinr'=sinθ'/n (C−19)
    12={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'') (C−20)
    13={tcos(β/2+r'')}/sin(β+r'+r'') (C−21)
    14=(t12 +t13 −2t1213cosr')1/2 (C−22)
    を計算し、
    '={(R−t12+t14
    +2t14(R−t12)cos(β+r'')}1/2 (7)
    に基づいて、半径R'を計算するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の肉厚測定装置。
  5. 上記外壁面により形成された円の半径をRとし、
    中心位置が変位した容器の内壁面により形成された円の半径をR’とした場合に、
    上記肉厚計算手段は、容器の肉厚を、半径Rと半径R’との差として計算するようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の肉厚測定装置。
  6. 容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定装置であって、
    容器の外壁面にレーザー光を照射するレーザー光源と、
    上記散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配する光路分配手段と、
    上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光する第1の集光手段と、
    上記第1の集光手段により集光された散乱光を、上記外壁面の散乱スポットとして読み取る第3の撮像素子と、
    上記光路分配手段から第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光する第2の集光手段と、
    上記第2の集光手段により集光された散乱光を、上記内壁面の散乱スポットとして読み取る第4の撮像素子と、
    上記光路分配手段から第2光路を介した散乱光を、正反射スポットとして読み取る第2の撮像素子と、
    上記第3及び第4の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算する肉厚計算手段とを備えたことを特徴とする肉厚測定装置。
  7. 容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定方法であって、
    容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配し、
    第1光路を介した散乱光を集光し、第1の撮像素子にて上記外壁面及び上記内壁面の散乱スポットとして読み取り、
    第2光路を介した散乱光を、第2の撮像素子にて正反射スポットとして読み取り、
    上記第1の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算することを特徴とする肉厚測定方法。
  8. 容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を検出することにより、容器の肉厚を測定する肉厚測定方法であって、
    容器の外壁面及び内壁面から散乱される散乱光を、第1光路とその第1光路とは異なる第2光路とに分配し、
    第1光路を介した散乱光のうち、外壁面から散乱される散乱光を集光し、第3の撮像素子にて上記外壁面の散乱スポットとして読み取り、
    第1光路を介した散乱光のうち、内壁面から散乱される散乱光を集光し、第4の撮像素子にて上記内壁面の散乱スポットとして読み取り、
    第2光路を介した散乱光を、第2の撮像素子にて正反射スポットとして読み取り、
    上記第3及び第4の撮像素子にて読み取られた散乱スポット、及び第2の撮像素子にて読み取られた正反射スポットの位置情報に基づいて、容器の中心位置の変位とその変位した中心位置に対する肉厚を計算することを特徴とする肉厚測定方法。
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