JP4688309B2 - 3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置、3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法、及び3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラム - Google Patents

3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置、3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法、及び3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラム Download PDF

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均 古田
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浩太郎 中山
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成典 田中
均 古田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置、3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法、及び3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラムに関し、例えば、デジタルカメラで撮影したデジタル画像から被写体の立体モデルを生成するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
高速な演算を大量に必要とするため以前は一部の専門家しか扱うことのできなかった3次元コンピュータグラフィックスが、近年のコンピュータ技術の急激な発展により、今では一般のパーソナルコンピュータのユーザが作成することができるようになってきている。
【0003】
現在、国内ではIT(Information Technology)革命と呼ばれるネットワークを媒体とした情報技術の進展が急激に進んでいる。
インターネットでは、従来からHTML(Hypertext MarkupLanguage)を用いて2次元で文字や画像を表示することが広く行われているが、最近は、VRML(Virtual Reality Modeling Language)という言語使用を用いてインターネット上に仮想的な3次元空間(仮想空間)を創出し、この空間内で立体モデルを表現することが行われつつある。
このような例として例えば、仮想空間に作られた仮想的な博物館であるデジタルミュージアムがある。ユーザは、マウス操作などにより、自由に博物館内を移動することができ、仮想的な展示物を鑑賞することができる。
【0004】
ところで、写真に写った被写体の3次元情報を写真から取得する研究は古くから行われており、1対のステレオ写真から被写体の3次元座標データを算出する手法が既に写真測量として確立されている。現在写真測量は、例えば航空測量など土木の分野などで利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コンピュータグラフィックスにおけるオブジェクト(対象物)の作成は熟練したコンピュータグラフィックデザイナにより行われており、一般のユーザが簡単に行えるものではなかった。
例えば、あるオブジェクトを立体モデルで表現する場合、そのオブジェクトの3次元的な形状を専用プログラムに入力したりなどしなければならならない。そこで、写真測量の技術によって自動的に被写体の3次元座標値を計測できれば、被写体のモデルを容易に形成することができると思われる。
そこで、本発明の目的は、一般のユーザが写真測量を用いて容易にオブジェクトの立体モデルを作ることのできる3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置、3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法、及び3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、同一の被写体を異なる2方向から撮影した1対のステレオペア画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段にて取得した前記ステレオペア画像を提示する画像提示手段と、前記画像提示手段にて提示されたステレオペア画像上で指定された基準点と立体モデルを構成するために使用する構成点を含む点を取得する指定点取得手段と、前記指定点取得手段にて取得した点のステレオペア画像上での2次元座標値を取得する2次元座標値取得手段と、前記2次元座標値取得手段にて取得した座標値を用いて、写真測量法により、前記被写体上の点に対する3次元空間での座標値を特定する特定情報を取得する3次元情報取得手段と、前記3次元情報取得手段によって取得した特定情報を用いて、前記被写体の3次元モデルを構成するための構成点の3次元座標値を取得する3次元座標値取得手段と、前記3次元座標値取得手段にて3次元座標値を取得した構成点を提示する構成点提示手段と、前記構成点提示手段にて提示された構成点の組合せを取得する組合せ取得手段と、前記組合せ取得手段で取得した構成点の組合せから前記被写体の立体モデルの形状データを形成する形成手段と、前記形成手段にて形成された形状データを3次元コンピュータグラフィックスを記述する所定のコンピュータ言語にて出力する出力手段と、前記ステレオペア画像から切り取った前記被写体の画像を、前記被写体上の点に対応する3次元空間での座標値を用いて、前記所定のコンピュータ言語にて出力された形状データに貼り付ける貼り付け手段と、を具備したことを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置を提供する(第1の構成)。
ここで、第1の構成の3次元情報取得手段は、以下に述べる第2の構成、第3の構成及び第4の構成及びこれらの構成の変形の基準値取得手段が、基準値の実測値、又はこれらの実測値間の比率を取得することにより、被写体上の点の実空間での座標値を特定するように構成することもできるし、また、被写体上の点の座標値間の比率を保った相対値を特定するように構成することもできる。
また、写真測量法は、ステレオペア画像の撮影に使用したカメラの焦点距離、また、撮影にデジタルカメラを使用した場合は、当該デジタルカメラの画素サイズなどをカメラ情報取得手段にて取得し、これらの情報を用いて行われるように構成することができる。
更に、第1の構成の前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段によって取得した点のうちの少なくとも3点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、当該点から、前記基準値取得手段にて平面位置の実測値が少なくとも3つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得した点と、前記構成点を含む第1の組と、前記第1の組に属さない前記点からなる第2の組を構成し、前記第1の組に属する点の総個数との合計が少なくとも6つとなるような、前記第2の組に属する点からなる全ての組合せを作成する組合せ作成手段と、前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記第1の組に属する全ての点と、前記組合せに係る点とのステレオペア画像上での2次元座標値を用いて、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値、または実空間での3次元座標値を前記比率にて縮尺した相対値の計算値を取得する計算値取得手段と、前記基準値取得手段にて取得した点の位置と、前記計算値取得手段にて取得した点の位置の計算値から前記計算値の精度を比較評価する比較評価手段と、前記比較評価手段にて、計算精度が最も高くなる第2の組に属する点の組合せを特定する、組合せ特定手段と、を具備するように構成することができる(第2の構成)。
なお、第2の構成は、次のように構成することも可能である。
第1の構成の前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段によって取得した点のうちの少なくとも2点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、当該点から、前記基準値取得手段にて平面位置の実測値が少なくとも2つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得した点と、前記構成点を含む第1の組と、前記第1の組に属さない前記点からなる第2の組を構成し、前記第1の組に属する点の総個数との合計が少なくとも6つとなるような、前記第2の組に属する点からなる全ての組合せを作成する組合せ作成手段と、前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記第1の組に属する全ての点と、前記組合せに係る点とのステレオペア画像上での2次元座標値を用いて、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値、または実空間での3次元座標値を前記比率にて縮尺した相対値の計算値を取得する計算値取得手段と、前記基準値取得手段にて取得した点の位置と、前記計算値取得手段にて取得した点の位置の計算値から前記計算値の精度を比較評価する比較評価手段と、前記比較評価手段にて、計算精度が最も高くなる第2の組に属する点の組合せを特定する、組合せ特定手段と、を具備する(第2の構成の変形)。
また、第1の構成の前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段にて取得した点のうちの少なくとも3点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、前記基準値取得手段にて、平面位置の実測値が少なくとも3つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得された点を含み、少なくとも6点からなる当該点の全ての組合せを作成する、組合せ作成手段と、前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記組合せに係る点のステレオペア画像上での2次元座標値から、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値、または実空間での3次元座標値を前記比率にて縮尺した相対値の計算値を取得する第1の計算値取得手段と、前記基準値取得手段にて取得した点の位置の実測値と、前記計算値取得手段にて取得した点の位置の計算値から前記計算値の精度を比較評価する比較評価手段と、前記比較評価手段にて、計算精度が最も高くなる当該点の組合せを特定する、組合せ特定手段と、を具備するように構成することもできる(第3の構成)。
更に、第3の構成は次のように構成することも可能である。
第1の構成の前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段にて取得した点のうちの少なくとも2点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、前記基準値取得手段にて、平面位置の実測値が少なくとも2つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得された点を含み、少なくとも6点からなる当該点の全ての組合せを作成する、組合せ作成手段と、前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記組合せに係る点のステレオペア画像上での2次元座標値から、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値、または実空間での3次元座標値を前記比率にて縮尺した相対値の計算値を取得する第1の計算値取得手段と、前記基準値取得手段にて取得した点の位置の実測値と、前記計算値取得手段にて取得した点の位置の計算値から前記計算値の精度を比較評価する比較評価手段と、前記比較評価手段にて、計算精度が最も高くなる当該点の組合せを特定する、組合せ特定手段と、を具備する(第3の構成の変形)。
更に、第1の構成の前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段にて取得した点のうちの少なくとも3点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、当該点は、前記基準値取得手段にて平面位置の実測値が少なくとも3つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得された点からなる第1の組と、前記第1の組に属さない点からなる第2の組からなり、前記第1の組に属する全ての点の個数との合計が少なくとも6つとなるような前記第2の組に属する点からなる複数の組合せを作成する組合せ作成手段と、前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記第1の組に属する全ての点と、前記組合せに係る点とのステレオペア画像上での2次元座標値を用いて、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値を取得する第1の計算値取得手段と、前記基準値取得手段にて取得した前記第1の組に属する点の位置の実測値、または前記比率による相対値と、前記計算値取得手段にて取得した前記第1の組に属する点の位置の計算値から前記計算値が収束したどうか判断する収束判断手段と、前記収束判断手段で前記計算値が収束したと判断されるまで、遺伝的アルゴリズムにおける遺伝的操作によって、前記第2の組から作成された点の組合せを更新する更新手段と、前記収束判断手段で、前記計算値が収束したと判断されたときは、このときの前記第2の組に属する点の組合せを特定する、特定手段と、を具備するように構成することもできる(第4の構成)。
第4の構成は次のように構成することもできる。
第1の構成の前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段にて取得した点のうちの少なくとも2点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、当該点は、前記基準値取得手段にて平面位置の実測値が少なくとも2つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得された点からなる第1の組と、前記第1の組に属さない点からなる第2の組からなり、前記第1の組に属する全ての点の個数との合計が少なくとも6つとなるような前記第2の組に属する点からなる複数の組合せを作成する組合せ作成手段と、前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記第1の組に属する全ての点と、前記組合せに係る点とのステレオペア画像上での2次元座標値を用いて、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値を取得する第1の計算値取得手段と、前記基準値取得手段にて取得した前記第1の組に属する点の位置の実測値、または前記比率による相対値と、前記計算値取得手段にて取得した前記第1の組に属する点の位置の計算値から前記計算値が収束したどうか判断する収束判断手段と、前記収束判断手段で前記計算値が収束したと判断されるまで、遺伝的アルゴリズムにおける遺伝的操作によって、前記第2の組から作成された点の組合せを更新する更新手段と、前記収束判断手段で、前記計算値が収束したと判断されたときは、このときの前記第2の組に属する点の組合せを特定する、特定手段と、を具備する(第4の構成の変形)。
また、第1の構成から第4の構成の何れかの1の構成の前記形成手段は、前記ステレオペア画像の少なくとも一方を提示する提示手段と、前記提示手段にて提示された画像上に前記構成点提示手段にて提示された点の位置を明示する明示手段と、前記明示手段にて明示された点を選択することによりポリラインを生成し、前記被写体をワイヤフレームモデルにて表現するポリライン編集手段か、または、前記明示手段にて明示された点を選択することによりポリゴンを生成し、前記被写体をサーフィスモデルにて表現するポリゴン編集手段のうちの少なくとも一方と、を具備するように構成することができる(第5の構成)。
また、第1の構成から第5の構成の何れかの1の構成の前記出力手段は、前記ポリライン編集手段、またはポリゴン編集手段にて生成された前記被写体の立体モデルをVRML言語で記述する記述手段と、前記記述手段にて記述された内容をファイルとして出力するファイル出力手段と、を具備するように構成することができる(第6の構成)。
更に、第1の構成から第6の構成の何れかの1の構成の前記出力手段にて出力されたVRMLファイルを読み込んで、前記被写体の立体モデルを提示するVRMLビューアを更に具備するように構成することができる(第7の構成)。
また、本発明は、前記目的を達成するために同一の被写体を異なる2方向から撮影した1対のステレオペア画像を取得する第1のステップと、前記第1のステップにて取得した前記ステレオペア画像を提示する第2のステップと、前記第2のステップにて提示されたステレオペア画像上で指定された基準点と立体モデルを構成するために使用する構成点を含む点を取得する第3のステップと、前記第3のステップにて取得した点のステレオペア画像上での2次元座標値を取得する第4のステップと、前記第4のステップにて取得した座標値を用いて、写真測量法により、前記被写体上の点に対する3次元空間での座標値を特定する特定情報を取得する第5のステップと、前記第5のステップによって取得した特定情報を用いて、前記被写体の3次元モデルを構成するための構成点の3次元座標値を取得する第6のステップと、前記第6のステップにて3次元座標値を取得した構成点を提示する第7のステップと、前記第7のステップにて提示された構成点の組合せを取得する第8のステップと、前記第8のステップにて取得した構成点の組合せから前記被写体の立体モデルの形状データを形成する第9のステップと、前記第9のステップにて形成された形状データを3次元コンピュータグラフィックスを記述する所定のコンピュータ言語にて出力する第10のステップと、前記ステレオペア画像から切り取った前記被写体の画像を、前記被写体上の点に対応する3次元空間での座標値を用いて、前記所定のコンピュータ言語にて出力された形状データに貼り付ける第11のステップと、を備えたことを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法を提供する。
更に、本発明は、前記目的を達成するために同一の被写体を異なる2方向から撮影した1対のステレオペア画像を取得する画像取得機能と、前記画像取得機能にて取得した前記ステレオペア画像を提示する画像提示機能と、前記画像提示機能にて提示されたステレオペア画像上で指定された基準点と立体モデルを構成するために使用する構成点を含む点を取得する指定点取得機能と、前記指定点取得機能にて取得した点のステレオペア画像上での2次元座標値を取得する2次元座標値取得機能と、前記2次元座標値取得機能にて取得した座標値を用いて、写真測量法により、前記被写体上の点に対する3次元空間での座標値を特定する特定情報を取得する3次元情報取得機能と、前記3次元情報取得機能によって取得した特定情報を用いて、前記被写体の3次元モデルを構成するための構成点の3次元座標値を取得する3次元座標値取得機能と、前記3次元座標値取得機能にて3次元座標値を取得した構成点を提示する構成点提示機能と、前記構成点提示機能にて提示された構成点の組合せを取得する組合せ取得機能と、前記組合せ取得機能で取得した構成点の組合せから前記被写体の立体モデルの形状データを形成する形成機能と、前記形成機能にて形成された形状データを3次元コンピュータグラフィックスを記述する所定のコンピュータ言語にて出力する出力機能と、前記ステレオペア画像から切り取った前記被写体の画像を、前記被写体上の点に対応する3次元空間での座標値を用いて、前記所定のコンピュータ言語にて出力された形状データに貼り付ける貼り付け機能と、をコンピュータで実現することを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラム又は、該3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本実施の形態は、汎用のデジタルカメラを用いて撮影したステレオペア画像から写真測量により被写体の3次元座標値を求め、これを利用して被写体の立体モデルをVRMLで作成するものである。
通常写真測量を行うには、高度な専門知識と熟練が必要であるが、本実施の形態では一般のユーザでも容易に写真測量が行えるようにアルゴリズムとユーザインターフェースを構築した。
また、写真測量に必要な特殊な機材は用いずに、汎用のデジタルカメラを用いて撮影した画像を一般的なパーソナルコンピュータ(以下PCと記す)を用いて処理できるようにした。
【0008】
被写体の立体モデルを3次元コンピュータグラフィックスに記述するコンピュータ言語には、インターネット上で3次元グラフィックスを記述する際の国際標準となっているVRMLを採用した。
そのため、本実施の形態を用いて、被写体をWeb(World Wide Web)上の仮想空間に立体モデルとして表現することができる。
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図22を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態にかかる3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置10の構成を示した図である。なお、以下で用いる3DCGという表記は、3次元コンピュータグラフィックスを意味する。
本実施の形態に係る3DCG作成支援装置10は、パーソナルコンピュータを用いて構成されており、中央処理部1、固定ディスク6、記憶部10、データ入出力部2、キーボード4、表示部3、マウス5などから構成されている。
【0010】
中央処理部1は、マイクロプロセッサを主体に構成されており、3DCG作成支援装置10全体の動作を制御したり、プログラムにしたがって種々の演算を行ったりなどする。
データ入出力部2は、3DCG作成支援装置10の外部とデータを入出力する部分である。
例えば、データ入出力部2はRS232Cインターフェースやプリンタポート、フロッピーディスクドライブなどとデータのやり取りを行うことができる。
本実施の形態では、RS232Cインターフェースを介してデジタルカメラからステレオ写真の画像データを入力した。
この他に、データ入出力部を介して、スキャナから画像データを読み込んだり、または、ネットワークを経由して画像データを読み込んだり、あるいは、画像データを記憶してあるフロッピーディスクなどから画像データを読み込むこともできる。読み込んだデータは固定ディスク6に画像データ9として記憶される。
【0011】
固定ディスク6には、データ入出力部2から読み込まれたステレオ写真の画像データ9、3DCG作成支援プログラム7及びVRMLビューア8などが記憶されている。
画像データ9は、立体モデルを生成する被写体を異なる2方向から撮影したステレオペア画像などの画像データである。
【0012】
3DCG作成支援プログラム7は、ステレオペア画像を用いて被写体上の点の3次元座標値(写真測量の分野では絶対座標値と呼ばれる)を写真測量することにより算出する。
そして算出したデータから被写体の立体モデルを作成し、これをVRML言語にて出力するプログラムである。
VRMLは、インターネット上で使用する3次元コンピュータグラフィックスを記述するための言語仕様であり、VRMLを用いて立体モデル化された被写体をインターネットに構築された仮想空間で表現することができる。
なお、VRMLは、オブジェクトを立体的に表現するのみならず、音声や動きなども同時に表現でき、ユーザは仮想空間の中を移動することもできる。
VRMLビューア8は、VRMLで作成されたファイルを読み込んでオブジェクト(対象物)をディスプレイ上に表示するプログラムである。
【0013】
記憶部10は、ROM(リード・オンリ・メモリ)とRAM(ランダム・アクセス・メモリ)などから構成されている。ROMにはコンピュータを起動するためのプログラムや中央処理部1の動作手順を規定するプログラムなどが記憶されている。
RAMは、3DCG作成支援プログラム7がロードされたり、計算値を一時的に記憶して、中央処理部1にワーキングメモリを提供したりなどする。
【0014】
表示部3はCRTディスプレイで構成されており、ユーザに対してステレオペア画像を表示したり、作成した3DCGを表示したり、3DCG作成支援プログラム7のメインメニュー画面やサブメニュー画面などの表示を行う。
表示部3に表示される画像は、所定のプログラムに従って中央処理部1によって形成されるものである。このように画像の提示手段は、所定のプログラムによって制御された中央処理装置1が担っている。
表示部3は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどで構成されても良い。
キーボード4は、ユーザがコマンドや数値データ、文字データなどを入力するのに使用される。
【0015】
マウス5は、机やマウスパッドなどの平面上で前後左右に移動すると、その移動量に比例して表示部3に表示されたポインタが移動するようになっている。
ユーザが表示部3に表示された画面上の所定の箇所をポインタ11で指しながら、クリックボタンをクリックすることにより様々なコマンドを実行したりデータを中央処理部1に入力することができる。
例えば、3DCG作成支援プログラム7では、ユーザがポインタを表示部3に表示されたステレオペア画像の任意の点を指しながらクリックすることにより、その点の写真上での2次元座標値を中央処理部1に入力することができるようになっている。
【0016】
なお、マウス5の他にタブレットやプロッタなどを使用しても良い。
また、このシステム構成では、画像データ9、画像処理プログラム7及び3DCG作成支援プログラム7を固定ディスクに記憶したが、これらは、特に固定ディスクに記憶する必然性はなく、分散して配置し、それらをネットワークを介して接続したり、データ入出力部2に接続したデジタルカメラなどから直接画像データを画像処理プログラム7でアクセスしても良い。
【0017】
以下に図2を用いて3DCG作成支援プログラム8の構成の概要について説明する。
3DCG作成支援プログラム8は、ユーザにユーザインターフェースを提供したり、ユーザの操作により写真測量部73やVRMLファイル作成部74を呼び出す総合インターフェース部72、被写体を写したステレオペア画像を解析し、被写体の3次元座標を算出する写真測量部73、及び算出された3次元座標値を用いて被写体の立体モデルをVRMLにて記述し出力するVRMLファイル作成部74から構成されている。
【0018】
総合インターフェース部72は、メインメニュー画面表示部76、画像データ取得部75、データ記憶部77から構成されている。
メインメニュー画面表示部72は、3DCG作成支援プログラム7が起動されると、表示部3にメインメニュー画面を表示し、ユーザは、この画面に表示されたドロップダウンメニューなどをクリックしたりして画像データ取得部75、写真測量部73、VRMLファイル作成部74を呼び出すことができるようになっている。
【0019】
画像表示編集部75は、被写体が写されたステレオペア画像を用いて、写真測量に必要な画像上の情報をデータ記憶部77に入力する機能を有している。
より具体的には、ユーザがメインメニュー画面から画像データ取得部75を呼び出すと、画像データ取得部75は、メインメニュー画面の中央の左半分に左画像を、右半分に右画像を表示し、ユーザが左右画像上の任意の点をポインタで指してクリックすると、その点の2次元座標値を記憶部10を介してデータ記憶部77に出力する。
【0020】
写真測量では、例えば、測量の基準となる点やその他の点の写真上の2次元座標値を左画像、右画像のそれぞれについて知る必要がある。画像編集部77は、ユーザが左右のそれぞれの画像上で所定の点をポインタにより指し示してクリックすると、その点の2次元座標値を取得し、データ記憶部77に出力する。
また、写真測量を行う場合、撮影に使用したカメラのレンズの焦点距離などのカメラに固有のカメラデータを知る必要がある。画像データ取得部75は、ダイアログボックスを表示部3に表示し、ユーザが入力したカメラデータを記憶部10を介してデータ記憶部77に出力する機能も有している。
【0021】
データ記憶部77は、画像データ取得部75から記憶部10を介して取得したしたステレオペア画像上の点の2次元座標値やカメラデータを記憶し、写真測量部73が計算をする際にそれらのデータを写真測量部73に渡すようになっている。
更に、データ記憶部77は、写真測量部77が算出したステレオペア画像上の点の3次元座標値を記憶し、VRMLファイル作成部74が被写体の立体モデルを作成する際に、これらのデータをVRMLファイル作成部74に渡す機能も有している。
ユーザはメインメニュー画面からデータ記憶部77に記憶してあるデータを確認することができる。この際には、データ記憶部77に記憶されてるデータが表示部3にスプレッドシート状に表示されるようになっている。
【0022】
写真測量部73は、内部標定部78、最適解探索部79からできている。
後に詳細に説明するように、写真測量は一般に、被写体を異なる方向から撮影した一組のステレオペア写真を内部標定、相互標定、絶対標定の順に標定し、被写体の3次元座標値を算出する。
内部標定とは、被写体が感光面に投影される際の歪を修正したりなどして、写真上の2次元座標(機械座標と呼ばれる)を相互標定に使用する写真座標に変換する作業である。
相互標定とは、ステレオペア写真間の相対的な傾きや位置の関係を求める作業である。相互標定により被写体と相似な立体モデルを得ることができる。
絶対標定とは、ステレオペア写真中にあらかじめ測定の目標となる被写体と共に写しこんでおいた基準点を用いて相互標定で求めた被写体と相似な立体モデルの縮尺などを求める作業である。
【0023】
ユーザは、画像データ取得部75での処理を終えると、メインメニュー画面から写真測量部73を呼び出す。
写真測量部73は、ユーザにより呼び出されると、データ記憶部77から写真測量に使用するデジタルペア画像上の点の2次元座標値やカメラデータを取得する。
内部標定部78は、これらのデータからデジタルペア画像を内部標定し、標定結果を最適解探索部79に出力する。
【0024】
最適解探索部79は、観測点選定部80、相互標定部81、絶対標定部82、評価・判断部83から構成されている。
最適解探索部79は、内部標定部78から入力されたデータを用いて、後に詳細に説明するアルゴリズムに従って、デジタルペア画像を相互標定、絶対標定し、被写体上の点の3次元座標値をデータ記憶部77に出力する。
【0025】
観測点選定部80は、ユーザが画像データ取得部75の機能を用いて取得したステレオペア画像上の複数の点のさまざまな組合せを発生させるようになっている。最適解探索部79は、それらのおのおの組合せについて、相互標定部81で相互標定し、絶対標定部82で絶対標定し、評価・判断部83で標定の精度を評価する。最適解探索部83は、最も精度が高い解をデータ記憶部77に出力する。
また、観測点選定部80は、全解探索と、GA(遺伝的アルゴリズム)探索の2種類の方法で観測点の組合せを発生させることができ、ユーザはメインメニュー画面から写真測量部73を呼び出す際にいずれか一方を選択することができる。
【0026】
全解探索とは、所定の点の全ての組合せを発生させ、その結果得られる解の中から最も標定精度の高い解を写真測量の結果として採用する手法である。
一方、GA探索とは、遺伝的アルゴリズムを用いることによって、点の全ての組合せを発生させることはせずに、必要な標定の精度を担保できる点の組合せを求め、その点の組合せから得られる解を写真測量の解として採用するものである。GA探索は、点の全ての組合せについて標定するわけではないので、コンピュータの計算時間を短縮することができ、被写体が曲面を有して写真測量に必要な点を多くとる必要のある場合などに有効である。
【0027】
VRMLファイル作成部74は、サブメニュー画面表示部84、3Dモデル構成点取得部85、VRMLファイル生成出力部86から構成されている。
サブメニュー画面表示部84は、メインメニュー画面表示部76から呼び出されると、表示部3にサブメニュー画面を表示する。
サブメニュー画面は、ユーザが被写体のワイヤフレームモデル又はサーフェスモデルを作成したり、3Dモデル構成部85やVRMLファイル生成出力部86を呼び出したりする際のユーザインターフェースを提供する。
【0028】
より具体的には、サブメニュー画面にはステレオペア画像のうちの左写真を表示することができる。この左画像には、写真測量により、あらかじめ3次元座標値がわかっている点が着色されると共に被写体に重ね合わされて明示され、ユーザは、これらの点のうち適当な点をクリックして選択することができる。
ユーザが選択した点は、被写体の立体モデルを構成する際の構成点として使用され、ユーザは、これらの構成点から被写体のワイヤフレームモデル又はサーフェスモデルの何れかを作成することができるようになっている。
【0029】
ワイヤフレームモデルとは、線を用いて立体を表現する手法であり、サーフェスモデルとは、三角形などの多角形面(ポリゴン)などを用いて立体を多面体として表現する手法である。
ユーザは、サブメニュー画面から、ワイヤモデルとサーフェスモデルの何れで立体モデルを作成するか選択できるようになっている。
【0030】
3Dモデル構成点取得部85は、サブメニュー画面でユーザが選択した構成点の座標値と、これらの構成点からワイヤフレームモデルとサーフェスモデルの何れを構成するのかといった被写体の立体モデル情報を取得する。
VRMLファイル生成出力部85は、3Dモデル構成点取得部85から、被写体の立体モデル情報を取得し、VRMLファイル87を生成して、例えば固定ディスク6などに出力する。
【0031】
VRMLファイル87を生成した後に、ユーザは、VRMLビューア8を起動し、このビューアを介してVRMLファイル87を表示することにより、表示部3に被写体の立体モデルを表示することができる。
VRMLファイル87には、該被写体の3次元データが記録されているので、ユーザの視点が移動すると、その視点から見える立体モデルの姿態を中央処理部1が計算することができ、ユーザは表示部3で、被写体を様々な角度に回転させたり、移動させたり、或いは拡大縮小することができる。
【0032】
図3は、被写体のステレオペア画像から、被写体の立体モデルを記述したVRMLファイルを作成するまでの工程を示したフローチャートである。
まず、3DCG作成支援プログラム7を起動する(ステップ105)。ここで、被写体を撮影したステレオペア画像は、既に画像データ9として固定ディスク6に記憶してあるものとする。
【0033】
3DCG作成支援プログラム7を起動すると表示部3にメインメニュー画面が表示される。
次に、ステレオペア画像を3DCG作成支援プログラム7に読込んで、左右の画像をメインメニュー画面に表示する(ステップ110)。
次に、ユーザのマウス5の操作により後に説明する基準点、計測観測点、任意観測点を左右の画像上で設定する。
より具体的には、この操作は、ユーザがマウス5を操作して表示部3に表示されたポインタを画像上の設定しようとする点の上に置き、クリックすることで、これらの点の種類(基準点、計測観測点、任意観測点の別)と画像上でのこれらの点の2次元座標値が記憶部10に一時的に記憶されることにより行われる。
【0034】
次に、記憶部10に一時的に記憶されたこれらの点の座標値などをデータ記憶部77に記録すると共に、ダイアログボックスを介してユーザからカメラの焦点距離や、画素サイズなどのカメラデータを取得し、これらのデータを記憶部10に記憶する(ステップ120)。
記憶部10に記憶されたこれらのデータは、メインメニュー画面からのユーザの操作により、データ記憶部77に出力される。
以上で、写真測量を行う上での必要なデータが揃ったので、メインメニュー画面でのユーザの操作により写真測量部73を呼び出し、ステレオペア画像の写真測量を行う(ステップ125)。
【0035】
写真測量が終了すると、次に、メインメニュー画面でのユーザの操作により、サブメニュー画面を呼び出す(ステップ130)。
次に、サブメニュー画面にステレオペア画像の左画像を表示する。この画像では、被写体上に写真測量により既に3次元座標値がわかっている点が共に表示されている。ユーザがマウス5を操作して、ポインタをこれらの点に置きクリックすることで、3Dモデル構成点取得部85の機能により、これらの点を構成点として、ワイヤフレームモデル又はサーフェスモデルを作成する(ステップ135)。
【0036】
次に、3Dモデル構成点取得部85の機能により生成された被写体の立体モデル(ワイヤフレームモデル、サーフェスモデル又はそれらの混合)は、VRMLファイル生成出力部86でVRMLファイルに記述され、固定ディスク6に出力される(ステップ140)。
そして、3DCG作成支援プログラム7を終了する(ステップ145)。
生成されたVRMLファイルに記述された被写体の立体モデルは、VRMLビューア8を介して表示部3に表示される。
【0037】
図4は、メインメニュー画面表示部76によって表示部3に表示されるメインメニュー画面71を示した図である。以下にメインメニュー画面76の構成について説明する。
メインメニュー画面71の中央付近の左半分には、ステレオペア画像の左画像表示部92が、右半分には右画像表示部93があり、それぞれの画像を読込んで表示されるようになっている。
左画像表示部92に表示された画像は、垂直スクロールバー94及び水平スクロールバー96によってそれぞれ、垂直及び水平にスクロールすることができるようになっている。
【0038】
左画像表示部92の上には、拡大ボタン100、縮小ボタン101が配置されており、ユーザがマウス5の操作によりこれらのボタンをクリックすることにより、左画像表示部92を拡大表示又は縮小表示することができる。これらのボタンやスクロールバーにより、画像上の点を拡大表示し、ユーザがこれらの点の指定を容易にすることができる。
また、水平スクロールバー96の下にある座標表示欄98には、ポインタ11が示している点の左画像上での2次元座標値がピクセル単位で表示されるようになっている。
【0039】
右画像93も垂直スクロールバー95、水平スクロールバー97によって右画像のスクロールを、及び、拡大ボタン102、縮小ボタン103によって右画像の拡大縮小を行えるようになっている。
また、座標表示欄99には、ポインタ11を右画像に持ってきた場合に、ポインタ11が示している点の右画像上での2次元座標値がピクセル単位で表示される。
【0040】
メインメニュー画面91の上段には、各種のドロップダウンメニューなどが表示されている。ユーザはポインタをこれらのメニュー上に置いてクリックすることにより、これらのメニューに設定された機能を作動することができる。
ファイル104をクリックすると図5(a)に示したように「開く」、「保存」、「読込み」、「閉じる」の各項目が表示される。
ユーザはそれぞれの項目をマウス5によってクリックすることにより、各項目を実行することができる。
以降、例えば、ファイル104を開き「読込み」を選択する操作をファイル104→「読込み」などと表記することにする。
【0041】
「開く」は、更に「左画像」と「右画像」の2つの項目から構成されており、ユーザは、ファイル104→「開く」→「左画像」と操作すると、図示しないファイル選択ダイアログボックスが開き、このボックスから左画像記憶されているファイルを指定し、左画像を開くことができる。開いた左画像は、左画像表示部92に表示される。
同様にファイル104→「開く」→「右画像」で右画像を右画像表示部93に表示することができる。
【0042】
「保存」では、3DCG作成支援プログラム7で作業している途中や、作業が終了したときに、作業により作成したデータをテキストファイルとして保存することができる。
これにより、ユーザは、後日作業を途中から再開したり、以前行った作業の状態を呼び出すことができる。
「読込み」では、「保存」で作成されたテキストファイルを読込んで、以前保存した状態を3DCG作成支援プログラム7に呼び出すことができる。
「閉じる」では、3DCG作成支援プログラム7を終了することができる。
【0043】
ポイント105は、「基準点」、「計測観測点」、「任意観測点」の各項目から構成されている。後に説明するように、ユーザは、左画像表示部92と右画像表示部93に表示された画像上で、基準点、計測観測点、任意観測点をマウス5を用いてクリックしていくが、基準点をクリックする場合は、ポイント105→「基準点」をクリックしてから左右画像上の基準点を左画像、右画像の順にクリックする。
これにより、画像データ取得部75は、ユーザがクリックした点が基準点であることを認識することができ、かつのこの点の画像上での2次元座標値を取得する。
同様に、ユーザは、左右画像上の計測観測点、任意観測点をクリックして指定する場合は、あらかじめ、ポイント105→「計測観測点」、又はポイント105→「任意観測点」をクリックしておき、その後に、左画像、右画像の順で計測観測点又は任意観測点をクリックする。
これらのクリックされた点の画像上での2次元座標値は、記憶部10に一時的に記憶される。
また、間違った点をクリックしてしまった場合は、誤選択した点をキャンセルできるようになっている。
【0044】
カメラデータ106は、ユーザのクリックにより図6に示したカメラデータ入力画面110を表示部3に表示する。ユーザは、この画面からステレオペア画像の撮影に使用したデジタルカメラのレンズの焦点距離及び画素サイズを入力する。ステレオペア画像の縦ピクセル数と横ピクセル数は、画素サイズから画像データ取得部75により自動的に計算される。
入力後に、ユーザが「OK」ボタンをクリックすると入力したカメラデータが一時的に記憶部10に記憶されるとともに、カメラデータ入力画面110は消えて、カメラデータ106をクリックする前の画面に戻る。
【0045】
図5のデータ記憶部107は、「ポイントデータ・カメラデータ」、「データ確認」の各項目から構成されている。
ユーザが、データ記憶部107→「ポイントデータ・カメラデータ」をクリックすると、記憶部10に記憶されていた、基準点、計測観測点、任意観測点の2次元座標値と、カメラデータがデータ記憶部77に出力され、記憶される。
また、ユーザがデータ記憶部107→「データ確認」をクリックすると、データ記憶部77に記憶されている内容がスプレッドシート状に表示部3に表示され、ユーザはこれらのデータの確認をすることができる。
【0046】
写真測量108は、「全解探索」、「GA探索」の各項目から構成されている。
ユーザが、写真測量108の何れかの項目をクリックして選択することにより写真測量部73を呼び出すことができる。
ユーザが、写真測量108→「全解探索」を選択した場合は、写真測量部73は後に説明する全解探索によってステレオペア画像の写真測量を行い、写真測量108→「GA探索」を選択した場合は、写真測量部73は遺伝的アルゴリズムを用いた解法により写真測量を行う。
全解探索とGA探索の手法については後に詳細に説明する。
【0047】
以下に3DCG作成支援プログラム7の写真測量方法及び立体モデルの作成方法を被写体13を例にとって説明する。
図4の左画像表示部92、右画像表示部93には、被写体13を異なる2方向から撮影したステレオペア画像が表示されている。
図中には基準点をT1〜T3、計測観測点をK1〜K4、任意観測点P1〜P8で示してある。
【0048】
基準点は平面位置が既知の点が2点以上、高さが既知の点が3点以上必要である。平面位置と高さの両方が既知の点であれば3点あれば良い。
上に述べたように理論上は、平面位置が既知の点が2点、高さが既知の点が3点あればステレオペア画像の標定を行うことができるが、本実施の形態では、平面位置及び高さが既知の点を3点以上入力するように3DCG作成支援プログラム7を構成した。
また、3DCG作成支援プログラム7を平面位置が既知の点を2点以上、高さが既知の点を3点以上入力するように構成することもできる。
このステレオ画像では出入口の外に突き出たコンクリートの部分で基準点を取った。基準点はこのように地面と平行な直角三角形をなす3点や、窓枠の隅のように地面と平行な辺を有し鉛直面内にある直角三角形をなす3点を選ぶと位置の計測がしやすい。
基準点は、立体モデルの縮尺や傾きを求める際の基準となる点である。
【0049】
実測によると、T1T2間の長さは、1.8メートル、T1T3間の長さは0.8メートルであった。辺T1T2と辺T1T3は直角で、面T1T2T3はほぼ水平なので、T1を原点とし、T1T2方向にX軸を、T1T3方向にY軸を、垂直方向にZ軸を取ると、T1、T2、T3の座標はそれぞれ、T1(0、0、0)、T2(1.8、0、0)、T3(0、0.8、0)となる。これらの実測による座標値を測地座標値と呼ばれることがある。
このように、基準点を取ることができる被写体を必ず、左右両方の写真に写し込んでおく。基準点を取りにくい場合は、例えば直角三角形の定規を設置するなど、あらかじめ目印になるもの(ターゲットと呼ばれることがある)を設置しておく。また、基準点は写真上で認識が容易な点を選ぶ。
【0050】
K1からK4までの計測観測点は、写真測量で実空間での3次元座標値を算出したい点である。計測観測点は、後に立体モデルを形成する際の構成点となる。
今の場合、K1からK4までの4点で張られる壁の実空間内での位置を得たいとすると、辺K1K2の長さや辺K1K4の高さなどが巻き尺などの物理的手段によって実測することが困難であるが、これらの値はステレオペア画像を写真測量することにより計算することができる。
つまり、T1、T2、T3などの実測が容易な基準点とK3、K4などの実測が困難な計測観測点を同一の写真に写し込んでおき、これらの写真上での相対位置と基準点の位置の実測値から計測観測点の位置を計算することができる。計測観測点は左右両方の写真に写し込んでおく。
P1からP9までの任意観測点は、標定の計算精度を向上させるために便宜的に取った点である。任意観測点の適当な組合わせと基準点、計測観測点について写真測量を行うのであるが、最も測量精度が高くなる(全解探索)か、測量所定の精度を満たす(GA探索)組合わせに係る解を写真測量の解とする。これについては後に述べるが、換言すれば、任意観測点はステレオペア画像の被写界深度の精度を向上させるための点である。
なお、K2やP4などの点は、左右の画像の被写体で対応する点である。
【0051】
ユーザが、T1を基準点として指定する際は、ポイント105→「基準点」をクリックした後、左画像のT1にポインタ11を合わせてクリックし、次に右画像のT1をクリックする。
すると、表示部3に図7に示した基準点座標入力画面122が表示される。ユーザは、予め実測してある座標値を入力する。この操作をT2、T3に対しても行う。
これらの操作により、基準点のステレオペア画像上での2次元座標値と、実測値が記憶部10に記憶される。
【0052】
K1からK4までの計測観測点は、図4のポイント105→「計測観測点」をクリックした後、ステレオペア画像上で左画像、右画像の順でクリックしていく。この操作によって、ステレオペア画像上でのこれらの座標値が記憶部10に記憶される。
次に、同様にしてポイント105→「任意観測点」をクリックした後、P1からP9の任意観測点をステレオペア画像上で左画像、右画像の順でクリックしていく。
【0053】
任意観測点は以下の要領で取る。(1)写真の4隅付近で取る。ただし、計測観測点が4隅付近にあるときは、採用しない。(2)写真の4隅の中点付近に取る。ただし、計測観測点が4隅の中点付近にあるときは採用しない。(3)10点程度を画像上全体にバランス良く取得する。
なお、任意観測点は左右の両方の画像の対応する点である。
以上の方針に基づいて、本実施の形態では図4に示した様に、P1からP4までは、建物の角や窓枠、P5は焼却炉の煙突、P6は電柱にとった。
P7からP9までは、地面に落ちている石である。このように任意観測点は自然にあるものを利用しても良いし、目印になるものを置いても良い。
【0054】
以上の作業により、基準点、計測観測点、任意観測点のステレオペア画像上での2次元座標値及び基準点の実測値が記憶部10に記憶した後、カメラデータ106をクリックしてカメラデータ入力画面110から、ステレオペア画像の撮影に使用したカメラの焦点距離と画素サイズを入力し、記憶部10に記憶させる。
本実施例では、カメラの焦点距離は6.5ミリメートル、CCDの画素サイズは0.0039ミリメートルであった。
【0055】
次に、データ記憶部107→「ポイントデータ・カメラデータ出力」をクリックし、記憶部10に記憶されたこれらのデータをデータ記憶部77に出力し記憶させる。
データ記憶部107→「データ確認」をクリックすると、図8に示した入力データ欄31が表示され、データ記憶部77に記憶したデータを確認することができる。
入力データ欄31には、カメラデータ欄23、基準点・計測観測点欄26、任意観測点欄27、平面基準点欄28、標高座標欄29から構成されている。
また、入力データ欄31の下には図示しない水平スクロールバーがあり、これを右側にスクロールすると図9に示した出力データ欄33がある。出力データ欄33は、絶対座標値出力欄36から構成されている。
【0056】
絶対座標値出力欄31には、写真測量の結果得られた計測観測点等の絶対座標値が表示される。写真測量が終わるまでは空欄となっている。
絶対座標値とは、標定の結果得られた点の実空間での3次元座標値の計算値のことである。絶対座標値は対地座標値とか地上座標値などとも呼ばれることがある。
絶対座標値出力欄36の点名の欄には標定に使用された点の点名が表示され、右側の欄には対応する点の絶対座標値がメートル単位で表示される。
【0057】
絶対座標値出力欄36の上部に表示されたXG、YG及びZGはそれぞれ絶対座標値のX、Y及びZ成分を表す。
基準点と計測観測点については、全ての点の絶対座標値が表示され、任意観測点については、標定に使用した任意観測点の絶対座標値を表示する。これは、最適解探索部79が標定精度が一番高くなる任意観測点の組合せを探索するため、この組合せから漏れた任意観測点は計算しないためである。
【0058】
次に、ユーザは、写真測量108→「全解探索」又は、写真測量108→「GA探索」の何れかをクリックし、写真測量部73を呼び出す。
写真測量部73は、ユーザが「全解探索」を選択した場合は、全解探索により写真測量(標定)を行い、ユーザが「GA探索」を選択した場合は、GA探索により写真測量を行う。このように、写真測量部73は、全解探索とGA探索の2つのオプションを備えている。以下のこの2つの手法について説明する。
【0059】
[全解探索の詳細]
メインメニュー画面表示部76から呼び出されると写真測量部73は、標定に必要なデータをデータ記憶部77から読込み内部標定部78により、内部標定を行う。
内部標定部78はステレオペア画像における座標系を機械座標系から写真座標系に変換し、点の機械座標値を写真座標値に変換する。写真座標系とは写真の中心を原点とした座標系のことである。通常この変換はアフィン変換やヘルマート変換などにより行う。本実施例では写真の4隅の機械座標値と写真座標値からアフィン変換式の係数を求め、この係数を用いて全ての点の座標値を変換した。
【0060】
図10(b)はステレオペア画像の撮影に使用したデジタルカメラのCCD感光面を示した図である。
本実施例ではCCD感光面の中心を原点18として、右方向にX軸を、下方向にY軸を取り、このCCD感光面上での点の座標値を写真座標値とする。単位はミリメートルである。
CCD感光面の横方向の長さは1600ピクセル×0.0039ミリメートル=6.24ミリメートルである。同様にして縦方向の長さは2.68ミリメートルである。よって、写真右上の点41の写真座標値は(3.12、−2.34)である。図10(a)は機械座標系を表しており、写真右上の点40の機械座標値はピクセル単位で(1600、0)である。この座標値は2次元ピクセル座標値と呼ばれることもある。
このようにして、写真の4隅の機械座標値と、写真座標値を求めると、アフィン変換式の係数を求めることができる。次に、このアフィン変換式を用いて、全ての点、即ち、T1からT3までの基準点と、K1からK4までの計測観測点と、P1からP9までの任意観測点の機械座標値を写真座標値に変換する。以降の標定作業は内部標定で得られた写真座標値を用いて行う。
【0061】
観測点選定部80は任意観測点の全ての組合せを重複なく網羅的に作成する。
例えば任意観測点をP1、P2、P3の3点のみとすると、組合せの長さが1であるときは、任意観測点の選び方は、P1、P2、P3の3通りであり、組合せの長さが2である組合せは(P1、P2)、(P1、P3)、(P2、P3)の3通りの組合せがあり、組合せの長さが3である組合せは(P1、P2、P3)の1通りがある。このモジュールはこのように全ての組合せの長さに渡って、任意観測点の組合せを漏れなくかつ重複なく作成する。組合せの長さとは、組合せに係る任意観測点の個数のことである。
ただし、絶対標定を行うには6点以上の点が必要なので、計測観測点及び任意観測点の総個数が6個以上になるような組合せの長さについて任意観測点の組合せを生成する。例えば、計測観測点の個数が4個のときは、任意観測点の組合せは、組合せの長さが2以上のものについて作成する。
【0062】
相互標定部81では、全ての計測観測点と前記組合せで部で組合された任意観測点を用いて、相互標定を行う。例えば、観測点選定部80で(P2、P4、P6)が組合されたとすると、(T1、T2、T3、K1、K2、K3、K4、P2、P4、P6)の組合せに係る点を用いて相互標定を行う。
相互標定とは、左右のステレオペア画像がそれぞれ持っているX軸、Y軸及びZ軸の3つの軸の回りのオイラー角ω1、φ1、κ1及びω2、φ2、κ2などの標定要素を求め、左右の写真の相対的な傾きや位置関係を求めることである。
本実施例では、共面条件式を用い、最小二乗法によって前記標定要素の最確値を求めた。
相互標定によりステレオペア画像を撮ったときの左右の写真の相対的な傾きを求めると、これにより、被写体と相似な立体モデルを作ることができる。そして、前記立体モデル上での全ての計測観測点と前記組合せに係る任意観測点の座標値、即ち、モデル座標値が得られる。共面条件式の代わりに縦視差方程式を用いても良い。
【0063】
絶対標定部82は、前記相互標定で求まった点のモデル座標値から、点の実空間での3次元座標値即ち、絶対座標値を求める。
前記相互標定で得られた被写体に相似な立体モデルは、被写体に対して3つの軸の回りにオイラー角Ω、Ф、Кだけ回転しており、また、その立体モデルの被写体に対する縮尺は不明である。
絶対標定とは、被写体と立体モデルの回転角を求め、かつ縮尺を求めることである。これらの標定要素を求めると、被写体と等しい実体モデルを作ることができる。
即ち、絶対標定を終えると、ステレオペア画像から被写体上の点の絶対座標値を求めるためのパラメータ(標定要素)を取得することができ、これらのパラメータを用いて被写体上の任意の点の絶対座標値を求めることができるようになる。
本実施例では、最小二乗法を用いて前記標定要素の最確値を求めた。
【0064】
評価・判断部83は基準点の測地座標値と絶対座標値との残差を求める。
本実施例では基準点K1、K2及びK3の測地座標値と絶対座標値の差絶対値を全て加えたものとする。
例えば、K1の測地座標値は(0、0、0)であるから、K1の絶対座標値が(X1、Y2、Z1)とすると、K1についての残差は|0−X1|+|0−Y1|+|0−Z1|とな。この計算をK2、K3に対しても行い、これらの値を全て加えたのを残差とする。この残差が小さいものほど標定の精度が高い。
また、評価・判断部83は前記残差をあらかじめ設定した設定値と比較し、残差が設定値よりも小さい場合は、前記残差で設定値を更新し、このときの任意観測点の組合せと各計測観測点と各任意観測点の絶対座標値を記憶する機能も持っている。
【0065】
さらに、評価・判断部83は任意観測点の全ての組合せを尽くしたかどうかについても判断する。評価・判断部83は前述の通り残差の最小値を更新した後、任意観測点の全ての組合せについて標定がなされたかどうか判断する。
組合せが尽くされている場合は、前記記憶した計測観測点と任意観測点の絶対座標値(標定の結果得られた、実空間の3次元座標値の計算値)をデータ記憶部77に出力する。また、任意観測点の全ての組合せを尽くしていないと判断したときは、観測点選定部80に任意観測点の新たな組合せを作るように促す。
【0066】
なお、本実施例では各基準点の測地座標値と絶対座標値の各成分の差の絶対値を求め、これらを全て加えたものを残差としたが、残差はこれに限るものではなく、他の方法で定義することもできる。例えば、基準点の実際の位置と計算上の位置の距離を全ての基準点について加えたもを残差としても良いし、前記距離を単に全ての基準点について足すのではなく、何らかの方法で重み付けして加えたものを残差としても良い。このようにいろいろな方法で残差を定義することができる。
【0067】
以上のように構成された写真測量部73の動作を図11のフローチャートを参照しながら説明する。
データ記憶部77から、基準点、計測観測点及び任意観測点の機械座標値やカメラデータを取得する(ステップ2)。
ステレオペア画像を内部標定して計測観測点と任意観測点の機械座標値を写真座標値に変換する(ステップ3)。任意観測点の組合せを作成する(ステップ4)。計測観測点と前記の組合せに係る任意観測点からステレオペア画像を相互標定して、計測観測点と前記組合せに係る任意観測点の写真座標値をモデル座標値に変換する(ステップ5)。ステレオペア画像を絶対標定して前記モデル座標値を絶対座標値に変換する(ステップ6)。
【0068】
基準点の測地座標値と絶対座標値から残差を求める(ステップ7)。前記残差が設定値より小さいなら(ステップ8:Y)、前記残差をもって新たな設定値とし、このときの任意観測点の組合せと計測観測点と前記組合せに係る任意観測点の絶対座標値を記憶する(ステップ9)。前記残差が設定値より大きい場合(ステップ8:N)、または、ステップ9を終えた後、全ての任意観測点の組合せについて標定したかどうか判断し(ステップ10)全ての組合せについて標定を終えた場合は(ステップ10:Y)残差を最小とする任意観測点の組合せに係る標定結果を出力画面38に表示して終了する。任意観測点の全ての組合せについては標定をしていない場合は(ステップ10:N)、ステップ4に戻り、任意観測点の組合せを更新する。以下、この動作を任意観測点の全ての組合せについて標定するまで繰り返す。
以上の手順で任意観測点の全ての組合せについて標定してそれぞれ設定値と比較することにより、最も精度の高くなるような任意観測点の組合せで標定することができる。
【0069】
次に、全解探索を行う他の例として再帰的呼び出しを用いることにより、任意観測点の全ての組合せを作成する方法について説明する。
このような動作をする関数としてComb(i、j)関数を作成した。
以下、Comb(i、j)関数について説明する。
Comb(i、j)関数は再帰的呼び出しを行って、任意観測点の組合せを作成し、計測観測点と組合せに係る任意観測点から標定を行う。
i、jはパラメータで、jは自身を再帰呼び出しした回数をカウントする。以下、Nは任意観測点の総個数、Lは組合せの長さである。Lは1からNまでの値を取る。
Comb(i、j)関数は自身を再帰的に呼び出すので、区別のために、Comb(i、j)関数から再帰的呼び出しをされたComb(i、j)関数をComb2(i、j)とし、Comb2(i、j)関数からさらに、再帰的呼び出しをされたComb(i、j)関数をComb3(i、j)などと表記することにする。
【0070】
以下にフローチャートを参照しながら、その動作について説明する。
図12は、Comb(i、j)関数を用いた標定手順を表すフローチャートである。
まず、データ記憶部77から、基準点、計測観測点及び任意観測点の機械座標値やカメラデータを取得する(ステップ21)。
本実施の形態では計測観測点をT1からT3、K1からK4までの7個、任意観測点をP1からP9までの9個取った。しかし、ここでは、説明を簡単化するためP1からP4までの4個の任意観測点を用いた場合の標定手順を説明する
【0071】
次に、内部標定を行いT1からT3、K1からK4まで全ての計測観測点、及びP1からP4までの全ての任意観測点の機械座標値をアフィン変換を用いて写真座標値に変換する(ステップ22)。
【0072】
次に、L=1とおく(ステップ23)。
次に、パラメータiとjの値を0に初期化し(ステップ24)、Comb(i、j)関数を実行する(ステップ25)。
ステップ24とステップ25はループをなす。Lの値は1から1回ループを経る毎に1ずつ加算され(ステップ27)、Lの値がNになるまで(ステップ26)繰り返される。Lは組合せの長さを表し、Lが1のときは、ステップ24のComb(i、j)関数により組合せの長さが1の任意観測点の全ての組合せについて標定し、Lが2のときは、ステップ24のComb(i、j)関数により組合せの長さが2の任意観測点の全ての組合せについて標定し、以下同様にして全ての組合せの長さに渡って標定する。
【0073】
Comb(i、j)関数の動作の概要は以下の通りである。
Comb(i、j)関数は4個の任意観測点P1、P2、P3、P4から標定に使用する任意観測点の組合せ(p1、・・・、pL)を作成し、(T1、T2、T3、K1、K2、K3、K4、p1、・・・、pL)からなる計測観測点と任意観測点について標定する。以降T1、T2、T3、K1、K2、K3、K4は、T1〜K4と表記する。組合せの長さが1、即ちL=1の場合、標定は(T1〜K4、p1)の組合せで行われ、p1にP1からP4までの値を代入することにより、組合せの長さが1の場合の全ての任意観測点の組合せについて標定する。組合せの長さが2、即ちL=2のときは、標定は(T1〜K4、p1、p2)で行われ、p1、p2にP1からP4までの値を代入することにより、組合せの長さが2の場合の全ての組合せについて標定する。以降同様に組合せの長さが3のときは、(T1〜K4、p1、p2、p3)で標定し、組合せの長さが4のときは(T1〜K4、p1、p2、p3、p4)で標定する。
【0074】
図13はComb(i、j)関数の動作を表すフローチャートである。kはパラメータである。kがiから1ずつ加算されながら(ステップ39)、N−L+jに達するまで(ステップ38)、ステップ31からステップ37までを繰り返す。
L=1即ち、組合せの長さが1のとき、Comb(i、j)関数は以下のように動作する。
p1=P1となる(ステップ31)。
次に、ステップ32の判断でj=0、L−1=0であるのでNoとなる。ステップ32はComb(i、j)関数が自身を組合せの長さと同じ回数だけ、再帰的に呼びだしたかどうかを判断する。組合せの長さと同じ回数だけ再帰的に呼び出した場合はNoとなり、再帰的呼び出し回数が、組合せの長さに満たないときは、Yesとなる。
【0075】
ステップ32でNoとなったので、ステップ33の相互標定へ行く。相互標定は(T1〜K4、p1)に対して行われる。ステップ33からステップ37まで各ステップの動作内容はは、実施例1に係る図6のステップ3からステップ9までの対応するステップの動作内容と同じである。(T1〜K4、p1)を相互標定してこれらの機械座標値をモデル座標値に変換する(ステップ33)。相互標定で得られたモデル座標値を絶対標定してこれらの絶対座標値に変換する(ステップ34)。基準点の絶対座標値と測地座標値の残差を求める(ステップ35)。設定値と残差を比較し、残差の方が小さいならば(ステップ36:Yes)、設定値を前記残差で更新するとともに、任意観測点の組合せを記憶し(ステップ37)、ステップ38へ行く。設定値より残差の方が大きいならば(ステップ36:No)、ステップ38へ行き、kとN−L+jを比較する。kがN−L+j以下なら(ステップ38:No)、kに1を加え(ステップ39)、ステップ31に戻り、p1=P2となる。kがN−L+jより大きくなったら(ステップ38:Yes)、Comb(i,j)関数は終了し、ステップ26へ行く。
以下、p1=P4となるまで、同じ動作を繰り返す。
L=2以降の組合せについては図14を用いて説明する。
【0076】
図14はComb(i、j)関数の動作を表に表したものである。上述の通り、L=1のときは欄66に示したようにp1にP1からP4までの値が順に代入され、その各々の場合に対して標定が行われる。
L=1のときの任意観測点の全ての組合せについて標定を終えると、Comb(i、j)は一旦終了する(ステップ25終了)。次に、LとNの比較が行われ(ステップ26)、今の場合、LがN以下なので(ステップ26:No)、Lに1が加算され(ステップ27)、L=2となった後、カウンタiとjの値を0に初期化し(ステップ24)、再度Comb(i、j)関数を実行する(ステップ25)。
k=0とおき(ステップ30)、p1=P1となる(ステップ31)。
今回は組合せの長さが2であるのに対し、Comb(i、j)関数は1回しか呼び出されていないので(ステップ32:Yes)、Comb(i、j)関数即ち、Comb2(i、j)関数を再帰呼び出しする(ステップ40)。このときComb(i、j)関数の引数はiはk+1に、jはj+1になる。即ち、Comb(k+1,j+1)となる。Comb2(i、j)関数のステップ31でp2=P2となる。次に、組合せの長さが2であるのに対し、Comb(i、j)関数を2回呼び出したので(ステップ32:No)、(T1〜K4、p1、p2)の組合せ、即ち、(T1〜K4、P1、P2)の組合せで以下の標定が行われる(ステップ33〜ステップ37)。
標定が終わるとkとN−L+jを比較し(ステップ38)、今の場合、kがN−L+jより小さいので(ステップ38:No)、kに1を加え(ステップ39)、ステップ31へ戻り、p2=P3となる(ステップ31)。次に、(T1〜K4、p1、p2)の組合せ、即ち、(T1〜K4、P1、P3)の組合せで標定が行われる。この要領でp2がP2からP4までの全ての場合について標定が行われると、Comb2(i、j)関数が終了し、Comb(i、j)関数に戻る。このときパラメータkの値が1つ増えてk=1となる。
【0077】
次に、p1=P2となる(ステップ31)。次にステップ32でYesとなり、ステップ40で再びComb(i、j)関数、即ちComb2(i、j)関数が呼び出される(ステップ40)。次に、Comb2(i、j)関数のステップ31でp2=P3となる。次に、Comb2(i、j)関数のステップ32でNoとなり、(T1〜K4、p1、p2)の組合せ、即ち、(K1、・・・、K7、P2、P3)の組合せで標定が行われる。以上の動作を繰り返してp2がP3からP4までの全ての場合について標定すると、Comb2(i、j)関数が終了し、Comb(i、j)関数に戻る。今k=1でN−L+j=4−2+0=2であるので(ステップ38:No)、パラメータkの値が1つ増えてk=2となる(ステップ39)。
【0078】
次に、p1=P3となる(ステップ31)。次にステップ32でYesとなり、ステップ40で再びComb(i、j)関数、即ちComb2(i、j)関数が呼び出される(ステップ40)。次に、Comb2(i、j)関数のステップ31でp2=P4となる。次に、Comb2(i、j)関数のステップ32でNoとなり、(T1〜K4、p1、p2)の組合せ、即ち、(T1〜K4、P3、P4)の組合せで標定する。以上の動作でComb2(i、j)関数が終了し、Comb(i、j)関数に戻る。k=N−L+j=2の場合について標定を行ったので、Comb(i、j)関数を終了し、ループを抜ける。このようにL=2即ち組合せの長さが2の場合の任意観測点の全ての組合せについて標定を行う。以下同様に、L=3の場合はComb(i,j)関数を3回呼び出し、L=4の場合はComb(i,j)関数を4回呼び出し、任意観測点の全ての組合せについて標定する。
【0079】
図14の表で、上記の動作を確認する。
L=2の場合、Comb(i、j)関数でp1にP1を代入する(欄60)。次に、Comb2(i、j)関数を呼び出し、p2にP2からP4までを代入し(欄61)、その各々について(T1〜K4、p1、p2)を標定する。次に、Comb(i、j)関数に戻って、p1にP2を代入する(欄62)。次に、Comb2(i、j)関数を呼び出しp2にP3、P4を代入し(欄63)、その各々について(T1〜K4、p1、p2)を標定する。次に、Comb(i、j)関数に戻ってp1にP3を代入する(欄64)。次に、Comb2(i、j)関数を呼び出し、p2にP4を代入し、(T1〜K4、p1、p2)を標定する。以上で組合せの長さが2の場合における任意観測点の全ての組合せについて標定したことになる。
L=3及びL=4の場合も、同様の手順で標定を行う。p3はComb3(i、j)関数で、p4はComb4(i、j)関数にて代入される。
【0080】
以上に述べたようなComb(i、j)関数を用いて、任意観測点の全ての組合せについて標定し、残差が最小となる任意観測点の組合せを特定し、この組合せに係る任意観測点から標定した結果を最適解とする。
標定結果はデータ記憶部77に出力される。また、その値は、データ記憶部107→「データ確認」をクリックすることにより、出力データ欄33の絶対座標値出力欄36に表示され、ユーザはこの値を確認することができる。
【0081】
[GA探索の詳細]
次に、GA探索を用いる場合について説明する。
本実施の形態では、遺伝的アルゴリズムを用いて、処理にかかる計算時間を短縮する方法について述べる。被写体が箱のように直線で構成されているものは被写体の再現に必要となる計測観測点の数は少なく、10点程度の任意観測点を取った場合でも、高速に標定を行うことができる。しかし、被写体がボールや人間の顔のように球面や自由曲面などの滑らかな曲面で構成されている場合は、その曲面を再現するために数多くの計測観測点が必要となる。このような場合、たとえ任意観測点の数が10点程度でも、計算にかかる時間は大幅に増大する。さらに、任意観測点数が増加した場合は、全解探索に係る組合せ数が指数関数的に増加し、いわゆる組合せの爆発と呼ばれる状態になり、さらなる計算時間の増大を招く結果となる。ここで、全解探索とは任意観測点の全ての組合せについて標定、即ち、解を求め、その解の中で最も優れた解を探索する手法を言う。
【0082】
多くの計測観測点数を有する場合と、組合せ数が多い場合において、前者は計算量の問題から、後者は全解探索の組合せ数の問題から、処理時間に問題が生じる。そこで、本実施の形態では、基準点以外の計測観測点と任意観測点からなる組合せを複数個任意に作り、残差が一定の範囲に収束するまでこれらに、交叉、突然変異といった遺伝的アルゴリズムにおける遺伝操作を繰り返すことにより残差を収束させる方法を採用する。
この方法を用いれば、計測観測点数が多い場合でも、全ての計測観測点を使用する必要がなくなり、計算時間の軽減を実現することができる。同時に任意観測点数が多くこれらの組合せ数が非常に多い場合でも、同様の理由(任意観測点の全組合せについて標定を行う必要がない)から、解探索時間を大幅に縮小できると共に、必要な精度を満たす標定結果を得ることができる。
【0083】
遺伝的アルゴリズムは、固体集団において、交叉、淘汰、突然変異といった作用を行いながら、生存競争の末に環境に対する適合度が高い固体が生き残っていくというダーウィニズム進化論に端を発する。これによれば、より環境に適した者が淘汰において生き残る確率が高く、生き残った者同士が交叉することにより、次世代により優れた形質を残すとともに、突然変異によって、新しい形質を獲得する。仮に突然変異によって劣った形質を獲得した場合、その固体は淘汰されてしまうので、結果的に突然変異によってより優れた形質を獲得したものが生き残り、その子孫が増え、固体集団全体の適合度は向上する。
【0084】
突然変異により、交叉のみでは得られない遺伝子を発生させることができる。数学的な言い方をすれば、突然変異をすることにより、局所解を回避し最適解を得ることができる。このプロセスをアルゴリズム化したのが遺伝的アルゴリズムである。遺伝的アルゴリズムでは対象を何らかの方法で遺伝子(遺伝子コードとも呼ばれる)で表現し、評価関数を用いて遺伝子の適合度を求める。評価関数は自然界で言えば自然環境に当たる。この自然環境に対する適合度が高い遺伝子を持った個体ほど生き延びて子孫を残す確率が高くなり、適合度が低い遺伝子を持った個体は子孫を残す確率が低くなり、その結果、全体として、優れた形質を持った次の世代が形成される。
遺伝的アルゴリズムの工学への適用は盛んに研究されており、ジェットエンジンの設計の最適化や、コジェネーションの最適化、道路整備順位の決定などの、数多くの組合せ最適化問題に適用されている。
【0085】
図15は基準点以外の計測観測点及び任意観測点の組合せを表現した図である。本実施の形態では計測観測点及び任意観測点をそれぞれ10点取った。遺伝子は20個の遺伝子座58a、58b、・・・58tからなり、それぞれの遺伝子座には0または1の2つの数値が割り振られている。遺伝子座とは遺伝子の構成単位である。これらの遺伝子座にK1からK10、P1からP10までの計測観測点及び任意観測点を対応させることにより、それぞれの計測観測点、任意観測点に0か1の数値を割り振る。計測観測点または任意観測点に1が対応しているときは、その点は標定を行う点の組に採用され、0が対応しているときは採用されない。例えば、K1、K2、K10、P2、P10の遺伝子座に1が割り振られ、その他の遺伝子座には0が割り振られた場合、K1、K2、K10、P2、P10が標定を行う計測観測点と任意観測点からなる組合せとして選択されたことを意味する。
本実施の形態では、これらの遺伝子の適合度は、当該遺伝子の標定から得られる残差の逆数とした。即ち、残差が小さいほど適合度は大きくなる。残差は実施例1と同じ方法で求めた。また、適合度の取り方は、これに限るものではなく、標定の精度が高い遺伝子ほど適合度が大きくなるものであれば良い。
【0086】
遺伝的操作は交叉と突然変異を行った。
交叉は、適合度の高い遺伝子を2つ選択し、2点交叉を行った。2点交叉とは、例えば図15の第2の遺伝子座と第3の遺伝子座の間の点51と、第9の遺伝子座と第10の遺伝子座の間の点52に挟まれた領域にある遺伝子のデータを2つの遺伝子の間で交換することである。前記点51と点52の選び方は任意の場合もあるし、固定してある場合もある。交叉方法として、この他に1点交叉や3点交叉などを行っても良い。
突然変異は、ある一定の確率で任意の遺伝子中の0と1をいくつか反転させることにより行った。これにより、交叉のみでは、生み出せない新しい遺伝子を形成し、局所最適解に陥らないようにする。
本実施の形態では基準点(実測値を有する点)以外の計測観測点、即ち計測観測点も交叉・突然変異の対象とし、任意観測点と同等に取り扱う。そのため、前記計測観測点が交叉・突然変異の過程で淘汰される場合がある。ところで、本実施の形態のアルゴリズムにより標定が行われ、相互標定における標定要素ω1、φ1、κ1、ω2、φ2、κ2及び、絶対標定における標定要素Ω、Ф、К及びモデルの縮尺などが求まると、これらの標定要素を用いて、淘汰された計測観測点の実空間での3次元座標値を計算することができる。このため、標定作業で計測観測点が淘汰され、その座標値が計算されなかった場合でも、標定結果を用いてそれらの座標値を計算することができる。
【0087】
図16は遺伝的操作を繰り返す毎に、遺伝子の適合度が上昇し、ある値に収束するところを示している。点54は第一世代の各遺伝子の適合度の最大値である。
遺伝的操作を行う毎に、各遺伝子の適合度を計算する。それらの適合度の最大値は、世代を経る毎に上昇する。そして、ある程度世代を経ると、その最大値はほぼ一定の値を示すようになる。このとき、適合度が収束したと判断する。本実施の形態では図16の点56に示したように、ある計算時間±t、例えば、±3分間における各遺伝子の適合度の最大値が±1パーセント以内に収まったとき、収束したと判断した。適合度の収束条件はこれに限らず、例えば、所定の世代に渡って、適合度の最大値が所定のパーセント以内に収まったときを収束と判断したり、また、各遺伝子の適合度の最大値ではなく、平均値を用いたりしても良い。
【0088】
図17は遺伝的アルゴリズムを用いた標定手順を示したフローチャートである。
まず、データ記憶部77から、基準点、計測観測点及び任意観測点の機械座標値やカメラデータを取得する(ステップ42)
次に、任意観測点と基準点以外の計測観測点、即ち計測観測点とからなる組合せを表す第1世代の遺伝子を複数個作成する。(ステップ43)。
次に、基準点と遺伝子に係る計測観測点及び任意観測点を用いて、内部標定(ステップ44)し、相互標定(ステップ45)し、絶対標定(ステップ46)する。これらの操作は全ての遺伝子に対して行う。次に、各遺伝子の適合度を求める(ステップ47)。適合度の収束を判断し(ステップ48)、適合度が収束したならば(ステップ48:Y)、遺伝的アルゴリズムを終了する。
【0089】
次に、収束解を得た際、相互標定により算出された各座標軸回りの回転角ω1、φ1、κ1、ω2、φ2、κ2及び、絶対標定により算出された各座標軸回りの回転角Ω、Ф、Кと縮尺を用いて、標定に係る組合せに漏れた計測観測点の実空間での三次元座標値を計算し、全ての計測観測点の絶対座標値を得る(ステップ51)。そして、標定結果を表示する(ステップ52)。適合度が収束していないならば(ステップ48:N)、交叉を行う(ステップ49)い、突然変異を行って(ステップ50)、次の世代の遺伝子を生成する。ステップ44からステップ50までを、適合度が収束するまで行う。
写真測量部73は、以上により得られた計測観測点等の絶対座標値をデータ記憶部77に出力する。
この方法は、計測観測点数多い場合、また任意観測点が多い場合、あるいは、その両方である場合に、システム全体の処理時間を軽減するのに適している。
【0090】
以上で写真測量が終了し、次に得られた絶対座標値から立体モデルを生成しVRMLファイルを作成する。
図4のメインメニュー画面でVRMLサブメニュー109をクリックすると、図18に示したサブメニュー画面125が表示部3に表示される。
サブメニュー画面125は、中央に画像表示部131を備えている。サブメニュー画面125の上部には、3Dデータロードボタン126があり、ユーザがこのボタンをクリックすると、ステレオペア画像の左画像が表示される。画像表示部131に表示された画像には、写真測量で絶対座標値が既に計算されている計測観測点と基準点が画像にオーバーラップされて表示される。計測観測点と基準観測点は、それぞれ別の色で着色された丸型のマーカにより、ユーザに明示される。
【0091】
なお、本実施の形態では、計測観測点をK1〜K4、基準点をT1〜T3としたが、説明の便宜上計測観測点K5、K6、及び基準観測点T4〜T6を更に追加して説明する。
画像表示部131の上部には、拡大ボタン129、縮小ボタン130があり、ユーザは、これらのボタンをクリックすることにより、画像の拡大縮小を行うことができる。これによって、例えば、2つの点が近接して識別しにくい場合などのときは、画像を拡大して識別を容易にすることができる。
また、画像表示部131は、垂直スクロールバー132と、水平スクロールバー133を備えており、ユーザは、これらのスクロールバーを用いて画像をスクロールすることができる。
【0092】
サブメニュー画面125は、更にポリラインボタン134、ポリゴンボタン135、確定ボタン136を備えている。
ユーザは、ワイヤフレームモデルを作成したいときは、ポリラインボタンをクリックした後、基準点又は計測観測点(以下まとめて構成点と記す)を2点以上クリックして選択し、確定ボタン136をクリックする。選択した構成点は、構成メンバとして構成メンバ表示欄137にポリゴンポリラインの別と共に表示される。なお、構成メンバ表示欄137は、スクロールバー138によってスクロールすることができる。
【0093】
例えば、ポリラインの構成メンバとしてT1、T2、T3の順番でクリックしたとすると、立体モデルは、線分T1T2と線分T2T3であらわされるワイヤフレームモデルとなる。
【0094】
ユーザは、サーフェスモデルを作成したいときは、ポリゴンボタン135をクリックした後、構成点を3点以上クリックして選択した後、確定ボタン136をクリックする。選択した構成点は、構成メンバ表示欄137に表示される。
例えば、ユーザが、K1、K2、K3、K4、K1の順番でクリックしたとすると、この4点で張られる面が作成される。これらの4点が同一平面状にない場合は、2つの三角形、例えば、K1、K2、K3を頂点とする三角形と、K1、K3、K4を頂点とする三角形が生成される。
【0095】
本実施の形態では、ポリゴンの構成メンバとしてK1、K2、K3、K4、K1とK1、K4、K5、K6、K1を選択し、ポリラインとしてT3、T1、T2、T4とT1、T5及びT2、T6を選択した。
また、構成点を選択すると、構成点の色が変化すると共に、選択された構成点同士を着色された線により連結し、ポリライン、ポリゴンが生成される様が表示されるようになっている。このため、ユーザは、目標通りのポリライン、ポリゴンが生成されなかった場合は、その構成メンバを選択し直すなどして、ポリライン、ポリゴンを編集することができるようになっている。
なお、本実施の形態では、立体モデルの一部をワイヤフレームモデルによって形成し、他の部分をサーフェスモデルによって形成するといったように、ワイヤフレームモデルとサーフェスモデルを混合して立体モデルを作成することができる。
【0096】
構成メンバの選択が終了すると、ユーザはサブメニュー画面125の上部にあるVRMLファイル出力ボタン127をクリックする。するとファイル名を設定するダイアログボックスが画面に表示されるので、ユーザは、適当なファイル名を設定する。
すると、サブメニュー画面表示部84は、これらの構成メンバと、ポリライン、ポリゴンの別の情報は、3Dモデル構成点取得部85によりVRMLファイル生成出力部86に送られる。
VRMLファイル生成出力部86は、3Dモデル構成点取得部85から受け取ったデータによって、被写体の立体モデルをVRMLで記述しVRMLファイルを出力する。
そして、ユーザは、終了ボタン128をクリックしてサブメニュー画面125を終了する。するとサブメニュー画面125が消え、メインメニュー画面91に戻るので、ユーザはファイル104→「閉じる」をクリックして3DCG作成支援プログラム7を終了する。
【0097】
図19は、VRMLビューア8によってVRMLファイルに記述された立体モデルを表示部3に表示したものである。K1、K2、K3、K4、K1、を構成点とするポリゴン141とK1、K4、K5、K6、K1を構成点とするポリゴン142で構成されたサーフェスモデルと基準点T1〜T6を構成点とするワイヤフレームモデルが表示されている。
図示しないがVRMLビューア8には、回転ボタン、移動ボタンなどの各種ボタンが備えられており、ユーザはこれらのボタンをクリックすることにより、立体モデルを回転させたり移動させることができる。
なお、本実施の形態では、VRMLビューア8は一般に販売されている汎用品を使用した。また、VRMLビューア8は、3DCGプログラム7の一部として構成することも可能である。
【0098】
図20〜図22は、本発明の実施例を示したものである。
図20は、メインメニュー画面にステレオペア画像が表示されたところを示している。被写体は、パーソナルコンピュータ(以下PC)のディスプレイとその右隣にあるPC本体及びPC本体の右に置かれた箱などである。
本実施例では、PC本体を立体モデル化した。箱の上面の長方形の角を基準点とした。
PC本体の角部を計測観測点とし、その他画面全体にバランスよく任意観測点をとった。
【0099】
図21は、サブメニュー画面に表示された左写真上でPC本体の4隅に示された計測観測点をクリックしポリゴンを形成したところである。画面右側に表示されているX、Y、Z値は、それぞれの構成点1、2、3・・・(基準点と計測観測点)の絶対座標値を示している。
図22は、サブメニュー画面で作成した立体モデルを記述したVRMLファイルをVRMLビューアを用いて表示したところを示している。本実施例では、PC本体はポリゴンによりサーフェスモデルとして表現されている。
ユーザは、表示された立体モデルを画面の中で様々な角度及び距離から観察することができる。
【0100】
図23は、本実施の形態の写真測量部73の測量精度をテストした際の実験データである。
本実験では、被写体から7.5mの距離から並行撮影によりステレオ写真を撮影し、本実施例に示した方法で解析したものである。
計測観測点K1からK4までの各点間の距離の実測値と標定結果を比較している。K3とK4の間の実際の距離が1.89メートルであるのに対し、標定結果が約1.97メートルとなり、実際の距離より約4.4パーセント長くなった他は、誤差が±0.2パーセント程度に収まっている。
【0101】
本実施の形態では、ステレオペア画像に撮影された被写体をワイヤフレームモデルまたはサーフェスモデルとして表現したが、このモデルに被写体の画像をテクスチャとして貼り付けることもできる。
このように立体モデルに模様や写真(テクスチャ)を貼り付ける手法はテクスチャマッピングと呼ばれている。立体モデルにテクスチャを貼り付けることで立体モデルを仮想空間中でより本物らしくリアルに表現することができる。
【0102】
従来の3次元コンピュータグラフィックスでテクスチャマッピングを行う場合は、立体モデルの正面、側面、上面などから見た場合のテクスチャを用意しておき、それぞれのテクスチャを立体モデルの正面、側面、上面などに貼り付けていた。
しかし、本実施の形態では、立体モデルを作成するのに使用した画像の3次元情報が標定により既に分かっているので、その3次元座標値に対応する2次元座標値(本実施の形態では、2次元ピクセル座標値とした)から画像をテクスチャとして切り取り、その切り取った画像をそのまま立体モデルに貼り付けることも可能である。即ち、ステレオペア画像の被写体から生成した立体モデルをテクスチャマッピングする場合、被写体の正面画像、側面画像などは必要なく、撮影された画像をそのまま立体モデルに貼り付ければよい。
【0103】
また、本実施の形態では、計測観測点と任意観測点の全てを一括して内部標定した後、任意観測点の組合せを作成したが、例えば、任意観測点を組合せてから計測観測点と前記組合せに係る任意観測点を内部標定する構成にしても良いし、または、任意観測点の組合せをあらかじめ全て作成しておき、これらの各々の組合せについて標定する構成にするなどのいろいろなバリエーションが考えられる。任意観測点の全ての組合せについて標定し、その中から最適なものを求める標定方法は全て本発明の範疇に入る。
【0104】
また、本実施の形態では、3DCG作成支援プログラム7は、固定ディスク6に記憶したが、これは、ROMやメモリカードなど他の記憶媒体に記憶しても良い。
また、中央処理装置1、画像データ9、3DCG作成支援プログラム7などはそれぞれ物理的に分散して配置し、これらをネットワークを介して接続する構成にすることもできる。
前記ネットワークとしては、インターネット、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)や、パソコン通信ネットワークまたは衛星通信を介したネットワークなどがある。
【0105】
また、3DCG作成支援プログラム7をサーバ装置に置き、VRMLビューア8をクライアント装置に置く構成にすることもできる。
この場合、ユーザは、基準点、計測観測点、任意観測点のステレオペア画像上での2次元座標値とカメラデータを取得するユーザインターフェースをクライアント装置に備え、このユーザインターフェースで取得したこれらのデータをネットワークを介してサーバ装置に送信する。
サーバ装置は、これらの点に対して写真測量を行いVRMLファイルを作成してクライアント装置に送信する。クライアント装置はVRMLビューアを備えており、ユーザはVRMLビューアを用いて被写体の立体モデルをディスプレイ上に表示することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、基準点の実測値を用いて計測観測点の絶対座標値を算出したが、単に被写体の立体モデルを形成し、立体モデルの実空間での大きさを表現する必要がない場合は、適当な縮尺にて拡大縮小した相対値を基準点の座標値として用い、被写体と相似な立体モデルを形成してもよい。
【0107】
また、本実施の形態では、立体モデルを記述する言語としてVRMLを用いたが、これに限定するものではなく、例えば、DXF(Drawing Interchange File)などの他のファイル形式で記述する構成にしてもよい。なお、DXFとは、様々な種類のCAD(Computer Aided Design)で広く共通に使用されているファイル形式である。
【0108】
本実施の形態の効果としては、以下のようなものがある。
従来の写真測量に必要であった、専門知識や熟練を排除し、全解探索またはGA探索及び、メインメニュー画面91を用いて一般のユーザでも容易に写真測量を行うことができる。
また、従来の写真測量に必要であった高価で精密な機材は必要なく、ユーザは汎用のデジタルカメラとPCなどにより写真測量を行うことができる。
更に、ステレオペア画像から被写体上の点(計測観測点)の3次元座標値がわかるので、これらの点を利用して、容易に被写体の立体モデルを形成することができる。
更に、形成された立体モデルを記述するVRMLファイルを自動生成するので、ユーザはVRMLに関する知識、熟練がなくても、立体モデルを表示部3に表示することができる。
また、ユーザは、写真測量を行う際に、全解探索とGA探索の何れかを用途にあわせて選択することができ、立体モデルの作成に必要な精度のデータを短時間で計算することができる。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、一般のユーザが容易に被写体の写真測量を行い、当該被写体の立体モデルを作ることのできる3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置、3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法、及び3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置の構成を示した図である。
【図2】3DCG作成支援プログラム8の構成を示した図である。
【図3】被写体のステレオペア画像から、該被写体の立体モデルを記述したVRMLファイルを作成するまでの工程を示したフローチャートである。
【図4】メインメニュー画面表示部によって表示部に表示されるメインメニュー画面を示した図である。
【図5】各ドロップダウンメニューの項目を示した図である。
【図6】カメラデータ入力画面を示した図である。
【図7】基準点座標入力画面を示した図である。
【図8】入力データ欄を示した図である。
【図9】出力データ欄を示した図である。
【図10】機械座標系と写真座標系を説明するための図である。
【図11】写真測量部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】Comb(i、j)関数を用いた標定手順を表すフローチャートである。
【図13】Comb(i、j)関数の動作を表すフローチャートである。
【図14】Comb(i、j)関数の動作を表に表したものである。
【図15】GA探索における基準点以外の計測観測点及び任意観測点の組合せを表現した図である。
【図16】遺伝的操作を繰り返す毎に、遺伝子の適合度が上昇し、ある値に収束するところを示した図である。
【図17】遺伝的アルゴリズムを用いた標定手順を示したフローチャートである。
【図18】サブメニュー画面表示部によって表示部に表示されるサブメニュー画面を示した図である。
【図19】VRMLビューアによってVRMLファイルに記述された立体モデルを表示部に表示したところを示した図である。
【図20】メインメニュー画面にステレオペア画像が表示されたところを示している。
【図21】サブメニュー画面に表示された左写真上でPC本体の4隅に示された計測観測点をクリックしポリゴンを形成したところを示した図である。
【図22】サブメニュー画面で作成した立体モデルを記述したVRMLファイルをVRMLビューアを用いて表示したところを示した図である。
【図23】写真測量部の測量精度をテストした際の実験データを示した図である。
【符号の説明】
1 中央処理部
2 データ入出力部
3 表示部
4 キーボード
5 マウス
6 固定ディスク
7 3DCG作成支援プログラム
8 VRMLビューア
9 画像データ
10 記憶部
23 カメラデータ欄
26 基準点・計測観測点欄
27 任意観測点欄
28 平面基準点欄
29 標高基準点欄
31 入力データ欄
33 出力データ欄
36 絶対座標値出力欄
40 機械座標系上での座標値
41 写真座標系上での座標値
51 2点交叉の交叉点
52 2点交叉の交叉点
72 総合インターフェース部
73 写真測量部
74 VRMLファイル作成部
75 画像データ取得部
76 メインメニュー画面表示部76
77 データ記憶部
78 内部標定部
79 最適解探索部
80 観測点選定部
81 相互標定部
82 絶対標定部
83 評価・判断部
84 サブメニュー画面表示部84
85 3Dモデル構成点取得部
86 VRMLファイル生成出力部
87 VRMLファイル
91 メインメニュー画面
92 左画像表示部
93 右画像表示部
94 垂直スクロールバー
95 垂直スクロールバー
96 水平スクロールバー
97 水平スクロールバー
98 座標表示欄
99 座標表示欄
100 拡大ボタン
101 縮小ボタン
102 拡大ボタン
103 縮小ボタン
104 ファイルメニュー
105 ポイントメニュー
106 カメラデータ
107 データ記憶部メニュー
108 写真測量メニュー
109 VRMLサブメニュー
110 カメラデータ入力画面
122 基準点座標入力画面

Claims (9)

  1. 同一の被写体を異なる2方向から撮影した1対のステレオペア画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段にて取得した前記ステレオペア画像を提示する画像提示手段と、
    前記画像提示手段にて提示されたステレオペア画像上で指定された基準点と立体モデルを構成するために使用する構成点を含む点を取得する指定点取得手段と、
    前記指定点取得手段にて取得した点のステレオペア画像上での2次元座標値を取得する2次元座標値取得手段と、
    前記2次元座標値取得手段にて取得した座標値を用いて、写真測量法により、前記被写体上の点に対する3次元空間での座標値を特定する特定情報を取得する3次元情報取得手段と、
    前記3次元情報取得手段によって取得した特定情報を用いて、前記被写体の3次元モデルを構成するための構成点の3次元座標値を取得する3次元座標値取得手段と、
    前記3次元座標値取得手段にて3次元座標値を取得した構成点を提示する構成点提示手段と、
    前記構成点提示手段にて提示された構成点の組合せを取得する組合せ取得手段と、
    前記組合せ取得手段で取得した構成点の組合せから前記被写体の立体モデルの形状データを形成する形成手段と、
    前記形成手段にて形成された形状データを3次元コンピュータグラフィックスを記述する所定のコンピュータ言語にて出力する出力手段と、
    前記ステレオペア画像から切り取った前記被写体の画像を、前記被写体上の点に対応する3次元空間での座標値を用いて、前記所定のコンピュータ言語にて出力された形状データに貼り付ける貼り付け手段と、
    具備したことを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  2. 前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段によって取得した点のうちの少なくとも3点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、
    当該点から、前記基準値取得手段にて平面位置の実測値が少なくとも3つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得した点と、前記構成点を含む第1の組と、前記第1の組に属さない前記点からなる第2の組を構成し、前記第1の組に属する点の総個数との合計が少なくとも6つとなるような、前記第2の組に属する点からなる全ての組合せを作成する組合せ作成手段と、
    前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記第1の組に属する全ての点と、前記組合せに係る点とのステレオペア画像上での2次元座標値を用いて、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値、または実空間での3次元座標値を前記比率にて縮尺した相対値の計算値を取得する計算値取得手段と、
    前記基準値取得手段にて取得した点の位置と、前記計算値取得手段にて取得した点の位置の計算値から前記計算値の精度を比較評価する比較評価手段と、
    前記比較評価手段にて、計算精度が最も高くなる第2の組に属する点の組合せを特定する、組合せ特定手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  3. 前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段にて取得した点のうちの少なくとも3点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、
    前記基準値取得手段にて、平面位置の実測値が少なくとも3つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得された点を含み、少なくとも6点からなる当該点の全ての組合せを作成する、組合せ作成手段と、
    前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記組合せに係る点のステレオペア画像上での2次元座標値から、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値、または実空間での3次元座標値を前記比率にて縮尺した相対値の計算値を取得する第1の計算値取得手段と、
    前記基準値取得手段にて取得した点の位置の実測値と、前記計算値取得手段にて取得した点の位置の計算値から前記計算値の精度を比較評価する比較評価手段と、
    前記比較評価手段にて、計算精度が最も高くなる当該点の組合せを特定する、組合せ特定手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  4. 前記3次元情報取得手段は、前記指定点取得手段にて取得した点のうちの少なくとも3点の平面位置の実測値、及び少なくとも3点の高さの実測値、または、これらの実測値間の比率を取得する基準値取得手段と、
    当該点は、前記基準値取得手段にて平面位置の実測値が少なくとも3つ、高さの実測値が少なくとも3つ取得された点からなる第1の組と、前記第1の組に属さない点からなる第2の組からなり、前記第1の組に属する全ての点の個数との合計が少なくとも6つとなるような前記第2の組に属する点からなる複数の組合せを作成する組合せ作成手段と、
    前記組合せ作成手段によって作成されたそれぞれの組合せに対して、前記第1の組に属する全ての点と、前記組合せに係る点とのステレオペア画像上での2次元座標値を用いて、これらの点の実空間での3次元座標値の計算値を取得する第1の計算値取得手段と、
    前記基準値取得手段にて取得した前記第1の組に属する点の位置の実測値、または前記比率による相対値と、前記計算値取得手段にて取得した前記第1の組に属する点の位置の計算値から前記計算値が収束したどうか判断する収束判断手段と、
    前記収束判断手段で前記計算値が収束したと判断されるまで、遺伝的アルゴリズムにおける遺伝的操作によって、前記第2の組から作成された点の組合せを更新する更新手段と、
    前記収束判断手段で、前記計算値が収束したと判断されたときは、このときの前記第2の組に属する点の組合せを特定する、特定手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  5. 前記形成手段は、前記ステレオペア画像の少なくとも一方を提示する提示手段と、
    前記提示手段にて提示された画像上に前記構成点提示手段にて提示された点の位置を明示する明示手段と、
    前記明示手段にて明示された点を選択することによりポリラインを生成し、前記被写体をワイヤフレームモデルにて表現するポリライン編集手段か、または、前記明示手段にて明示された点を選択することによりポリゴンを生成し、前記被写体をサーフィスモデルにて表現するポリゴン編集手段のうちの少なくとも一方と、
    を具備したことを特徴とする請求項1から請求項4までのうちの何れかの1の請求項に記載の3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  6. 前記出力手段は、前記ポリライン編集手段、またはポリゴン編集手段にて生成された前記被写体の立体モデルをVRML言語で記述する記述手段と、
    前記記述手段にて記述された内容をファイルとして出力するファイル出力手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1から請求項5までのうちの何れかの1の請求項に記載の3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  7. 前記出力手段にて出力されたVRMLファイルを読み込んで、前記被写体の立体モデルを提示するVRMLビューアを更に具備したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの何れかの1の請求項に記載の3次元コンピュータグラフィックス作成支援装置。
  8. 同一の被写体を異なる2方向から撮影した1対のステレオペア画像を取得する第1のステップと、
    前記第1のステップにて取得した前記ステレオペア画像を提示する第2のステップと、
    前記第2のステップにて提示されたステレオペア画像上で指定された基準点と立体モデルを構成するために使用する構成点を含む点を取得する第3のステップと、
    前記第3のステップにて取得した点のステレオペア画像上での2次元座標値を取得する第4のステップと、
    前記第4のステップにて取得した座標値を用いて、写真測量法により、前記被写体上の点に対する3次元空間での座標値を特定する特定情報を取得する第5のステップと、
    前記第5のステップによって取得した特定情報を用いて、前記被写体の3次元モデルを構成するための構成点の3次元座標値を取得する第6のステップと、
    前記第6のステップにて3次元座標値を取得した構成点を提示する第7のステップと、
    前記第7のステップにて提示された構成点の組合せを取得する第8のステップと、
    前記第8のステップにて取得した構成点の組合せから前記被写体の立体モデルの形状データを形成する第9のステップと、
    前記第9のステップにて形成された形状データを3次元コンピュータグラフィックスを記述する所定のコンピュータ言語にて出力する第10のステップと、
    前記ステレオペア画像から切り取った前記被写体の画像を、前記被写体上の点に対応する3次元空間での座標値を用いて、前記所定のコンピュータ言語にて出力された形状データに貼り付ける第11のステップと、
    を備えたことを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス作成支援方法。
  9. 同一の被写体を異なる2方向から撮影した1対のステレオペア画像を取得する画像取得機能と、
    前記画像取得機能にて取得した前記ステレオペア画像を提示する画像提示機能と、
    前記画像提示機能にて提示されたステレオペア画像上で指定された基準点と立体モデルを構成するために使用する構成点を含む点を取得する指定点取得機能と、
    前記指定点取得機能にて取得した点のステレオペア画像上での2次元座標値を取得する2次元座標値取得機能と、
    前記2次元座標値取得機能にて取得した座標値を用いて、写真測量法により、前記被写体上の点に対する3次元空間での座標値を特定する特定情報を取得する3次元情報取得機能と、
    前記3次元情報取得機能によって取得した特定情報を用いて、前記被写体の3次元モデルを構成するための構成点の3次元座標値を取得する3次元座標値取得機能と、
    前記3次元座標値取得機能にて3次元座標値を取得した構成点を提示する構成点提示機能と、
    前記構成点提示機能にて提示された構成点の組合せを取得する組合せ取得機能と、
    前記組合せ取得機能で取得した構成点の組合せから前記被写体の立体モデルの形状データを形成する形成機能と、
    前記形成機能にて形成された形状データを3次元コンピュータグラフィックスを記述する所定のコンピュータ言語にて出力する出力機能と、
    前記ステレオペア画像から切り取った前記被写体の画像を、前記被写体上の点に対応する3次元空間での座標値を用いて、前記所定のコンピュータ言語にて出力された形状データに貼り付ける貼り付け機能と、
    をコンピュータで実現することを特徴とする3次元コンピュータグラフィックス作成支援プログラム。
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