JP4688140B2 - スパイラル型分離膜エレメント - Google Patents

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Description

スパイラル型分離膜エレメント
本発明は、液体中に溶存している成分を分離するスパイラル型分離膜エレメントに関し、詳しくは、供給側の圧力損失を従来より小さくでき、かつ、膜面上での濃度分極を抑制するために必要となる攪拌効果を有した構造を持つ給側流路材を内蔵したスパイラル型分離膜エレメントに関する。
従来より、スパイラル型分離膜エレメントの構造としては、分離膜、供給側流路材及び透過側流路材の単数又は複数が、有孔の中空状中心管の周りに巻きつけられたものが知られている。また、逆浸透膜の場合の供給側流路材には、ひし形ネット状流路材が用いられ、これにより圧力損失を低減することができるとの報告がある(例えば、特許文献1〜3参照)。具体的には、図11に示すような構成例を挙げることができる。
一方、供給側流路の圧力損失を小さくする目的で、供給液の流れ方向と平行な縦糸とその縦糸を繋ぐ横糸からなるラダー形ネット状流路材が採用されている(例えば、特許文献4参照)。この発明は、縦糸と横糸の太さの関係や縦糸間隔と横糸間隔の関係に着目したものではなく、縦糸と横糸の太さについては何も言及されていない。
しかしながら、供給側流路において、供給水が流れることによる抵抗として、供給側流路材によるものが大きく支配し、更に供給水の水質によっては供給水の性状、供給水に含まれる成分により抵抗増大に繋がる。
従来のネットは、ラダー形の場合は横糸と縦糸が通常同径であり、横糸が供給液の流れを阻害し、また、浮遊成分が流路を閉塞させる原因となっている。また、ひし形の場合も縦横の区別はないが、交差する2方向の糸は流路を横断しているため同様である。つまり、供給側流路材には、供給側の圧力損失をできるだけ小さくする機能に加えて、膜面の表面更新を促進して濃度分極を押さえる機能が要求されるが、供給側流路材の横糸に供給液に浮遊している成分が引っかかり、流れの抵抗が増大、もしくは閉塞させる問題がある。さらに、膜表面に供給液に浮遊している成分が供給流路材横糸に引っかかり、それらが膜面堆積して有効膜面積を減じさせる問題もある。これ以外に、分離膜エレメントの運転コスト減のために、供給流路材での圧力損失を低減する課題がある。
一方、従来のネットは、横糸と縦糸との融着を確実に行えるように、剪断法により成形されることが多かった。この剪断法は、押出機のダイスの内外2つの円周上に配置した多数のノズル孔を逆方向に回転させながら、横糸と縦糸とを押出して交差部で互いに融着させる際、横糸と縦糸との交差部で両者のノズル孔が重なって1つのノズルとなるようにノズル孔を配置したダイスを用いる方法である。剪断法によると、横糸と縦糸との交点部で樹脂の押出量が多くなり、この部分で水掻き状の変形が生じていた。本発明者らが検討したところ、この水掻き状の変形が、供給側流路の圧力損失の増加の原因になっていることが判明した。
特開平11−235520号公報 特開2000−000437号公報 特開2000−042378号公報 特開平05−168869号公報
そこで、本発明の目的は、供給側流路の圧力損失を低減でき、しかも供給側流路の流れの阻害や閉塞の問題がより生じにくいスパイラル型分離膜エレメントを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示すスパイラル型分離膜エレメントにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、分離膜、供給側流路材及び透過側流路材の単数又は複数が、有孔の中空状中心管の周りに巻きつけられているスパイラル型分離膜エレメントにおいて、前記供給側流路材は、融着法成形にて得られたネットであり、供給液流れ方向に略平行に配される縦糸と、供給液流れ方向に対し斜め方向に配される傾斜糸と、供給液流れ方向に対し前記傾斜糸とは逆の斜め方向に配される逆傾斜糸とから構成される3層構造を有することを特徴とする。ここで、融着法成形にて得られたネットは、ネットの構成糸が交点部で互いに融着しつつ、平面形状(投影図形)において構成糸から融着部がはみ出していない構造を有するものである。
供給液流れ方向に略平行に配される縦糸と、供給液流れ方向に対し斜め方向に配される傾斜糸と、供給液流れ方向に対し前記傾斜糸とは逆の斜め方向に配される逆傾斜糸とから構成される3層構造を有する供給側流路材によると、縦糸で構成される層が供給液の抵抗になりにくく、また、2層構造の場合と比べてより細い傾斜糸と逆傾斜糸とが供給液流れ方向に交差するため、この部分が供給液の抵抗になりにくく、供給側流路の圧力損失をより低減することができる。
本発明者は、ネットの成形において、融着法による成形品が剪断法成形品に比べ交点部における水掻き状の変形が格段に少なく、供給側流路の圧力損失を低減でき、しかも、供給側流路の流れの阻害や閉塞を防止するのに有効であることを見出したもので、優れたスパイラル型分離膜エレメントを提供することができる。
また、融着法成形品は、剪断法成形品に比べて表面が滑らかであり、エレメント組み立て作業時における膜面との接触や巻き付けによる膜面への押しつけによる膜へのダメージが緩和されるなどの利点があり、スパイラル型分離膜エレメントの形成に非常に有効である。
上記において、前記供給側流路材は、供給液流れ方向に交差している横糸を、供給液流れ方向に沿って配される縦糸より細くしてあることが好適である。ネットの成形品において、供給液流れ方向に交差している横糸を細くすることで、供給液の流路断面積を大きくすることができることから、供給側流路の流れの阻害や閉塞に有効であり、流路の圧力損失を低減できる。
また、前記供給側流路材は、ネット状流路材であり、供給液流れ方向に沿って配される縦糸を蛇行する構造に形成してあることが好適である。流路における流れの阻害や閉塞を防止するには、流路内での液の流れを乱流状態にすることが有効であることが知られている(乱流効果)。本発明においては、流路材の縦糸を蛇行する構造にすることによって、従来のラダー型あるいはひし形など流路材よりも大きな乱流効果を得ることができることを案出したもので、供給側流路の圧力損失の少ない、優れたスパイラル型分離膜エレメントを提供することができる。
また、前記供給側流路材は、第1糸で構成される第1層と第2糸で構成される第2層とからなる2層構造を有し、前記第1糸及び前記第2糸の各々が、供給液流れ方向に略平行に配される平行部と供給液流れ方向に対し斜め方向に配される傾斜部とを繰り返して有すると共に、前記第1糸の平行部と前記第2糸の平行部とが融着して六角形の単位平面形状を形成していることが好ましい。
このような供給側流路材によると、平行部で第1糸と第2糸とが重なって融着しているため、この部分が供給液の抵抗になりにくく、しかも、六角形の単位平面形状であるため、単位流動長さ当たりの交点数(この場合、平行部の数)を少なくすることができ、供給側流路の圧力損失をより低減することができる。
以上のように、本発明は、スパイラル型分離膜エレメントに使用するネットの成形において、融着法を用いることによって、供給側流路の圧力損失を低減でき、しかも、供給側流路の流れの阻害や閉塞を防止することができるという利点がある。同時に、エレメントの組み立てなどの作業性が高いという利点がある。
また、供給液流れ方向に交差している横糸を細くすること、あるいは、ひし形ネット状流路材においてはどちらか一方向の糸を細くすること、また、ラダー形ネット状流路材においては縦糸を蛇行する構造に形成することによって、さらに供給側流路の圧力損失低減および流れの阻害や閉塞防止を効果的に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のスパイラル型分離膜エレメントの供給側流路材の一例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントは、分離膜、供給側流路材及び透過側流路材の単数又は複数が、有孔の中空状中心管の周りに巻きつけられている構造を有する。かかる膜エレメントの詳細は、前記の特許文献1〜4にも詳細に記載されており、供給側流路材の以外に関しては、従来公知の分離膜、透過側流路材、中空状中心管などが何れも採用できる。例えば、供給側流路材と透過側流路材が複数用いられる場合には、複数の膜リーフが中空状中心管の周りに巻きつけられた構造となる。
本発明に用いられる供給側流路材は、例えば図1に示すように、供給水の流れ方向に対し縦糸1と横糸2を有するラダー形ネット状流路材を形成している。本発明は、この供給側流路材が融着法成形にて得られたネットであることを特徴とする。
ネットを融着法で成型する場合、一般的に、押出機のダイスの内外2つの円周上に配置した多数のノズル孔を逆方向に回転させながら、横糸と縦糸とを押出してから交差部で互いに融着させ、冷却槽に浸漬後、引取を行う。上記押出を行う際、横糸と縦糸との交差部で両者のノズル孔が重ならないようにノズル孔を配置しておき(この点が剪断法と相違する)、押出された横糸と縦糸とを適度な融着が起るタイミングで融着させる。
このため、剪断法と比較して、交点部において横糸と縦糸との形状が保持され易くなり、また、交点部で樹脂の押出量が多くなることもなく、交点部における水掻き状の変形が格段に少なく、供給側流路の圧力損失を低減できる。
特に、図1(A)に示すようなネットを融着法で成型する場合、横糸と縦糸とのノズル径を変えると共に、縦糸のノズル孔を回転させずに、横糸のノズル孔をだけ回転させる方法が有効である。
流路材の構成要素としては、耐蝕性、耐熱性、機械的強度などを考慮して選択された材質(後述する)以外に、構造的には流路断面積が大きな要素となり、例えば図1(A)に示す構成例における縦糸1の径、横糸2の径およびそれによって決まる厚み3、縦糸間隔4、横糸間隔5および交点角度6を挙げることができる。つまり、例えば機械的強度の面からは、縦糸1の径、横糸2の径が大きいほど好ましいが、流路断面積は小さくなり圧力損失の増大に結びつくことから好ましいとはいえない。また、交点角度を小さくすれば縦糸1と横糸2との結合部分が大きくなり強度面では好ましいが、縦糸間隔4が小さくなり流路断面積が小さくなることから圧力損失の増大に結びつき好ましいとはいえない。
本発明はこれらの要素の選択によって、流路上記の圧力損失低減や流れの阻害や閉塞防止などに最適の流路を形成するとともに、さらに縦糸1と横糸2の交差部の細部の構造・状態による影響を研究し、水掻き状の変形などがなく円滑な流れを形成することが可能な接合方法として融着法が最適であることを見出したものである。
つまり、従来法、例えば剪断法により成形されたネットは、交点部において水掻き状の変形が生じるが、本発明である融着法成形品では、剪断法成形品に比べこうした変形が格段に少ない。また、融着法成形品は、剪断法成形品など他の成形品に比べて表面が滑らかであり、エレメント組み立て作業時における膜面との接触や巻き付けによる膜面への押しつけによる膜へのダメージが緩和されるなどの利点がある。こうした利点は、流路材を形成する上において、非常に有用であり、本発明である融着法成形品によって、同一構造であっても従来にない、優れたスパイラル型分離膜エレメントを提供することができる。
特に、ラダー形流路材については流れに接する横糸2の長さを大きくする場合が多く、融着法成形品のこうした利点を最大限に利用することができることから、ラダー形流路材自体の優位性に加え、融着法成形品のこうした利点との相乗的効果を活かすことが可能となる。
ここで、使用する供給側流路の原水側流路材としては、任意の材質を用いることが可能であるが、上記のように耐蝕性、耐熱性、機械的強度などを考慮して選択される。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることができる。
また、供給水の流れによる圧力損失低減の課題に対しては、図1(B)に示すように、供給液流れ方向に交差している横糸を細くすることで、供給液の流路断面積を大きくすることができ、供給側流路の流れの阻害や閉塞に有効であり、流路の圧力損失を低減できる。
つまり、従来のラダー型流路材は、横糸と縦糸がほぼ同じ径で形成されており、供給側流路の原水側の断面積のうち、実際の流路断面積としては1/2に満たない。また、ひし形流路材についても同じである。本発明の流路材では、ラダー形においては縦糸に対する横糸の径、ひし形においてはどちらか一方向の糸の径の比率を小さくすることで、流路断面積が増加し、圧力損失は従来のものに比べ小さくすること可能となる。具体的には、縦糸:横糸の径比率が、4:1〜2:1であることが適正であるとの本発明者の知見を得ている。さらに、こうした構成を本発明の融着法成形品について適用することで、従来の剪断法成形品などに比べ交点部の水掻き状の変形が極めて少なく、縦糸に対する横糸の径比率を小さくする効果をより確実に確保することができ、一層抵抗を低減させる要因となっている。
さらに、本発明においては、こうした流路断面積の拡大に加え、横糸2全面が流れに接することから、上記の融着法成形品の表面滑性や、エレメント組み立て作業時における膜面との接触や巻き付けによる膜面への押しつけによる膜へのダメージが緩和される機能が、横糸2の径の縮小によって一層増長されるという相乗的な効果を生み出すこととなり、より供給側流路の圧力損失の少ない、優れたスパイラル型分離膜エレメントを提供することができる。
本発明のスパイラル型分離膜エレメントの別の実施形態として、ラダー形ネット状流路材を変形した構成を図2に示す(第2構成例)。第1構成例における縦糸1を、交点角度6が大きくなるように供給水の流れ方向に移動させることによって、縦糸1と横糸2との接合部をそのままにしながら縦糸間隔4を大きくしたものである。こうした構成によって、縦糸1と横糸2との接合部を長くとりネット状流路材の強度面を十分に確保することができると同時に、流路断面積を大きくすることができるという優れたネットを形成することができる。
また、流路内における交点角度6を調整することで、圧力損失を調整することが可能となる点、従来にない優れた機能を有しているといえる。つまり、上記のように交点角度6を大きくすると縦糸間隔4が大きくなり流路断面積が大きくなり、交点角度6を小さくすると縦糸間隔4が小さくなり流路断面積が小さくなる。但し、横糸間隔5は、交点角度6を大きくすると小さくなり、その結果、圧力損失を増大する効果があることから、流路断面積増大による圧力損失低減効果を制限する働きを生じる。従って、縦糸間隔4、横糸間隔5、および交点角度6を適切に選択することで、所望の圧力損失を有する流路材を作成することができる。
図3に、本発明の第3の構成例を示す。ラダー形ネット状流路材であって、縦糸を蛇行する構造に形成することを特徴としている。流路における流れの阻害や閉塞を防止し、さらには圧力損失を低減するには、流路内での液の流れを乱流状態にすることが有効であり、流路材の縦糸を蛇行する構造にすることによって、従来のラダー型あるいはひし形など流路材よりも大きな乱流効果を得ることができる。従って、供給側流路の圧力損失の少ない、優れたスパイラル型分離膜エレメントを提供することができる。特に、縦糸と横糸との径が異なる場合には、流れの乱れが増長され、より一層の乱流効果を得ることができ、供給側流路の圧力損失の軽減を図ることができる。
つまり、従来のラダー型では横糸により乱流効果を得、ひし形形状では縦横の区別はないが交差する2方向の糸により乱流効果を得ている。本発明の流路材では、縦糸を蛇行する構造にすることで、縦糸が水流と並行で直線状よりも容易に高い乱流効果が得られた。これを流路材の構成からみると、本発明は、図3に示すように上述の第1構成例における縦糸1の径などの構成要素に、縦糸蛇行角度7という新たな要素を加味することで、流路の圧力損失低減や流れの阻害や閉塞防止などに最適の流路条件を設定するものである。また、第2構成例と同様、縦糸間隔4、横糸間隔5、交点角度6、および縦糸蛇行角度7を適切に選択することで、所望の圧力損失を有する流路材を作成することができる。
具体的には、供給側流路において使用する原水側流路材の仕様として、仮に厚みが、26mil、28mil、34milのものについて検討すると、従来品における圧力損失が1/2にまで低減する効果をえるためには、供給側流路の構成要素を表1に示した範囲に設定することが好ましい。
Figure 0004688140
以上のように本発明の3つの構成例について述べたが、これらは、流路材の形成からみると、特定の流路材を成形した後、第1構成例→第2構成例→第3構成例の順に、幅方向(供給水流れ方向に対し垂直方向)への伸縮の度合いを変更することによって得られるものである。従って、使用条件にあった流路材を、非常に容易に作成することができるという優れた特徴を有している。
図4〜図5に、本発明の第4の構成例を示すが、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。この例では、図4〜図5に示すように、供給側流路材は、第1糸11で構成される第1層L1と第2糸12で構成される第2層L2とからなる2層構造を有している。このとき、第1糸11及び第2糸12の各々が、供給液流れ方向に略平行に配される平行部11a,12aと供給液流れ方向に対し斜め方向に配される傾斜部11b,12bとを繰り返して有する。更に、第1糸11の平行部11aと第2糸12の平行部12aとが融着して六角形の単位平面形状を形成している。
この第4の構成例において、図4に示すものは、第1糸11及び第2糸12の各々の傾斜部11b,12bが、同一方向に傾斜している例であり、図5に示すものは、第1糸11及び第2糸12の各々の傾斜部11b,12bが、交互に逆方向に傾斜している例である。図5に示すものでは、第1糸11及び第2糸12の各々が、蛇行しながら供給液流れ方向に沿って配されるため、供給側流路の圧力損失をより低減することができる。
図4に示すネットを融着法で成型する場合、第1糸11のノズル孔と第2糸12のノズル孔とを相互に逆回転させる際に、平行部11a,12aを押出すときだけ両ノズル孔の回転を停止するような制御を行って、断続的に両ノズル孔を回転させればよい。押出された平行部11a,12aは、相互に融着される。
また、図5に示すネットを融着法で成型する場合、傾斜部11b,12bを押出すときには両ノズル孔を相互に逆回転させ、平行部11a,12aを押出すときには両ノズル孔の回転を停止し、次の傾斜部11b,12bを押出すときには各々のノズル孔を先の傾斜部11b,12bを押出すときと逆回転させ、次いで両ノズル孔の回転を停止し、これらを繰り返するような制御を行えばよい。
この構成例において、第1糸11と第2糸12の交点部の厚さは0.5〜1.0mmが好ましい。また、第1糸11及び第2糸12の糸径は、0.15〜0.5mmが好ましい。更に、六角形の単位平面形状における頂点角度αは、60〜120°が好ましく、斜辺長さA,B(即ち、傾斜部11b,12bの長さ)は2〜5mmが好ましく、平行部11a,12aの長さは1〜5mmが好ましい。
図6に、本発明の第5の構成例を示すが、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。この例では、図6に示すように、供給側流路材は、第1層L1、第2層L2、及び第3層L3からなる3層構造を有する。各層は、供給液流れ方向に略平行に配される縦糸16と、供給液流れ方向に対し斜め方向に配される傾斜糸15と、供給液流れ方向に対し前記傾斜糸15とは逆の斜め方向に配される逆傾斜糸17とから構成される。
図6に示すネットを融着法で成型する場合、縦糸16のノズル孔を回転させずに、傾斜糸15のノズル孔と逆傾斜糸17のノズル孔とを相互に逆回転させ、交点部で相互に融着させればよい。
縦糸16と傾斜糸15と逆傾斜糸17との積層順序は、何れでもよいが、特に、第2層L2を縦糸16で構成することによって、中間層における流動の抵抗を小さくして、供給側流路の圧力損失をより低減することができ、しかも傾斜糸15と逆傾斜糸17とが、膜面に接するため、乱流効果により膜面近傍の濃度分極を効果的に抑制することができる。
また、第1層L1と第2層L2との交点部と、第2層L2と第3層L3との交点部とが、一致していなくてもよいが、供給側流路材の形状安定性を向上させるため、両者の交点部が一致していることが好ましい。
第5の構成例において、縦糸16と傾斜糸15と逆傾斜糸17との交点部の厚さは0.5〜1.0mmが好ましい。また、縦糸16と傾斜糸15と逆傾斜糸17との糸径は、0.1〜0.5mmが好ましい。更に、単位平面形状における斜辺長さDは2〜5mmが好ましい。傾斜糸15と逆傾斜糸17とがなす角度αは、60〜120°が好ましい。
縦糸16と傾斜糸15と逆傾斜糸17との糸径は、各々同一でも相違していてもよいが、第2層L2を構成する縦糸16を太くすることで、供給側流路の圧力損失をより低減することができ、逆に、第2層L2を構成する縦糸16を相対的に細くすることで、乱流効果により膜面近傍の濃度分極を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、本発明がかかる実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
<実施例1/比較例1>
表2に示した供給側流路材を平行平板セル(C10−T;流路幅35mm、流路長135mm)にセットし、純水を流したときの流量と圧力損失を図7に示した。成型方法の違いと横糸径の違いの他は同仕様のネットであるが、実施例1における圧力損失は比較例1に対し約1/3の値になった。
Figure 0004688140
<実施例2/比較例2>
表3に示した供給側流路材を用いて23.2m2 のスパイラルエレメントを製作し、圧力容器に装壊した状態で純水を流したときの流量と圧力損失を図8に示した。実施例2における圧力損失は比較例2に対し約2/3以下の値になった。
Figure 0004688140
尚、実施例2および比較例2のスパイラルエレメントについてNaClにおける性能を確認した結果、表4に示すように、比較例2に比べ阻止性能が劣ることはなく、濃度分極を維持するのに、充分な乱流効果が得られることを確認した。
Figure 0004688140
<実施例3/比較例3>
表5に示した供給側流路材を平行平板セル(C10−T;流路幅35mm、流路長135mm)にセットし、純水を平均流速0.2m/秒で流したときの圧力損失を図9に示した。成型方法の違いと単位平面形状の違いの他は同仕様のネットであるが、実施例3における圧力損失は比較例3に対し約60%の値になった。
Figure 0004688140
<実施例4/比較例4>
表6に示した供給側流路材を平行平板セル(C10−T;流路幅35mm、流路長135mm)にセットし、純水を平均流速0.2m/秒で流したときの圧力損失を図10に示した。成型方法の違いと単位平面形状の違いの他は同仕様のネットであるが、実施例4における圧力損失は比較例4に対し約60%の値になった。
Figure 0004688140
この供給側流路材は、用途を何ら限定するものではないが、主に濁質のある排水など(原水)の処理目的とする分離膜エレメント、または低圧で使用するエレメントに使われる際にその効果が発揮される。
本発明の実施の一形態であるネットタイプ(第1構成例)を示した説明図である。 本発明の実施の別の形態であるネットタイプ(第2構成例)を示した説明図である。 本発明の実施の第3形態であるネットタイプ(第3構成例)を示した説明図である。 本発明の実施の第4形態であるネットタイプ(第4構成例)を示した説明図である。 本発明の実施の第4形態であるネットタイプ(第4構成例)の別の例を示した説明図である。 本発明の実施の第5形態であるネットタイプ(第5構成例)を示した説明図である。 本発明の実施例1における供給水流量と圧力損失との関係を例示した説明図である。 本発明の実施例2における供給水流量と圧力損失との関係を例示した説明図である。 本発明の実施例3における圧力損失の比較を示した説明図である。 本発明の実施例4における圧力損失の比較を示した説明図である。 従来品の実施の一形態であるひし形ネットタイプを示した説明図である。
符号の説明
1 縦糸
2 横糸
3 厚み
4 縦糸間隔
5 横糸間隔
6 交点角度
7 縦糸蛇行角度
11 第1糸
11a 第1糸の平行部
11b 第1糸の傾斜部
12 第2糸
12a 第2糸の平行部
12b 第2糸の傾斜部
15 傾斜糸
16 縦糸
17 逆傾斜糸

Claims (2)

  1. 分離膜、供給側流路材及び透過側流路材の単数又は複数が、有孔の中空状中心管の周りに巻きつけられているスパイラル型分離膜エレメントにおいて、前記供給側流路材は、融着法成形にて得られたネットであり、供給液流れ方向に略平行に配される縦糸と、供給液流れ方向に対し斜め方向に配される傾斜糸と、供給液流れ方向に対し前記傾斜糸とは逆の斜め方向に配される逆傾斜糸とから構成される3層構造を有することを特徴とするスパイラル型分離膜エレメント。
  2. 前記供給側流路材は、供給液流れ方向に交差している横糸を、供給液流れ方向に沿って配される縦糸より細くしてあることを特徴とする請求項1記載のスパイラル型分離膜エレメント。
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