JP4688016B2 - 高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品 - Google Patents

高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP4688016B2
JP4688016B2 JP2003409241A JP2003409241A JP4688016B2 JP 4688016 B2 JP4688016 B2 JP 4688016B2 JP 2003409241 A JP2003409241 A JP 2003409241A JP 2003409241 A JP2003409241 A JP 2003409241A JP 4688016 B2 JP4688016 B2 JP 4688016B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
sral
low
ceramic composition
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003409241A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004196652A (ja
Inventor
毅 福田
博之 伊藤
修 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2003409241A priority Critical patent/JP4688016B2/ja
Publication of JP2004196652A publication Critical patent/JP2004196652A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4688016B2 publication Critical patent/JP4688016B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

本発明は、積層回路基板用の高強度低温焼成セラミック組成物に関し、特に機械的強度が高く、銀、金、銅等の低融点金属からなる電極との同時焼成が可能な高強度低温焼成セラミック組成物、及びその製造方法、並びにこれを用いた主に携帯電話等に使用する積層電子部品に関する。
従来からIC等の半導体素子や各種電子部品を搭載し、内層回路を配したセラミック積層回路基板が知られている。このような積層回路基板には、これまで放熱性、電気的特性、機械的強度等が総合的に優れたアルミナ基板が用いられて来た。アルミナ基板は焼成温度が1300〜1600℃と高いため、電極材料にはW,Mo等の高融点金属が使用されている。しかし、これらの電極材料は電気抵抗率が高く、携帯電話等の数百MHzを超える高周波回路では信号の伝送損失の増大を招く問題があった。
携帯電話等の移動体通信分野においては、特に、信号の伝送損失が小さいことが求められている。このため、W,Mo等の高融点金属の代わりに、電気抵抗率の小さい銀、金、銅等の電極材料が用いられるようになり、またセラミック積層回路基板には、前記電極材料と同時焼成が可能なガラスセラミックスや、低温焼成セラミック組成物が多く使用されるようになった。
米国特許第6121174号
しかしながら、前記積層回路基板は、アルミナ基板に比べて機械的強度が著しく劣っていた。例えばアルミナ基板の抗折強度は400MPa程度であるが、前記積層回路基板の抗折強度は150MPa程度である。従来の携帯電話等では積層回路基板の抗折強度が150MPa以上あれば実用的に十分であったが、携帯電話等に用いる電子部品の薄型化にともない、その中に用いられる積層回路基板も1mm以下にまで薄型化し、従来のセラミック積層回路基板では機械的強度が不十分となった。
このように携帯電話等に用いる積層回路基板には、例えば、実装基板のねじれや曲がり等の変形や、落下時の衝撃に対して、クラックや破損が生じないような高強度が求められる。
従って本発明の目的は、低融点金属との同時焼成が可能であり、クラックや破損が生じにくい回路基板を形成し得る高強度の低温焼成セラミック組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、かかる低温焼成セラミック組成物を製造する方法を提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、かかる低温焼成セラミック組成物からなる誘電体層を有する積層電子部品を提供することである。
低温焼成セラミック組成物からなる積層回路基板の機械的強度を向上させるために、低温焼成セラミック組成物を構成する結晶相の強度を調べた結果、SrAlSi結晶(ストロンチウム長石)の機械的強度がその結晶構造により著しく異なることが分かった。
Al,Si及びSrの酸化物からなるSrAlSiの化学量論的組成物について、焼成過程で析出する結晶系をX線回折法により詳細に調べた。その結果、SrAlSi組成物の組織は、(a) 950℃〜1050℃の温度領域では僅かに単斜晶SrAlSiを有するが、大部分は六方晶SrAlSiと未反応のAl結晶及びSrSiO結晶であり、(b) 1050℃超乃至1100℃以下の温度領域では、六方晶SrAlSiが単斜晶(b軸)SrAlSiに変化し、(c) 1100℃超では六方晶SrAlSiはなく、単斜晶SrAlSi、Al結晶及びSrSiO結晶からなることが分かった。
組織中に六方晶SrAlSiを有する場合、SrAlSiの化学量論的組成物の抗折強度は300 MPa以上となるが、組織中のSrAlSi結晶が単斜晶であると、150 MPa程度に低下してしまう。六方晶SrAlSiと単斜晶SrAlSiとで、機械的強度に著しい差がある理由は明らかではないが、主結晶相であるSrAlSi結晶がAl結晶と同じ六方晶系として存在することにより、両結晶相の結び付きが強化され、機械的強度が高まるためであると考えられる。低温焼成セラミック組成物を六方晶SrAlSiとAl結晶が混在する組織とすることにより、電子部品に用いるのに必要な比誘電率、2 THzを超える実用的なfQ等の誘電特性を確保しながら、機械的強度を向上できることが分かった。本発明はこのような知見に基づき完成したものである。
本発明の第一の実施形態による高強度低温焼成セラミック組成物は、組織中に六方晶SrAlSi及びAl結晶を有することを特徴とする。
本発明の第二の実施形態による高強度低温焼成セラミック組成物は、Al−SiO−SrOを主体とする基地に六方晶SrAlSiを含み、前記基地にAl結晶粒が析出していることを特徴とする。
高強度低温焼成セラミック組成物の基地は、(a) アモルファス相で、その中に六方晶SrAlSiが析出しているか、(b) 実質的にSrAlSi結晶からなり、その少なくとも一部が六方晶SrAlSiであるのが好ましい。前記基地は単斜晶SrAlSiを含んでいても良い。
本発明の第三の実施形態による高強度低温焼成セラミック組成物は、組織中にSrAlSi結晶及びAl結晶を有し、前記SrAlSi結晶は六方晶SrAlSi単独又は六方晶SrAlSi及び単斜晶SrAlSiからなり、Cu−Kα線によるX線回折測定において、六方晶SrAlSiの(101)面のピーク強度をI101、単斜晶SrAlSiの(002)面のピーク強度をI002としたとき、I101 / (I101 + I002) × 100で表わされるピーク強度比が5%以上であることを特徴とする。
前記ピーク強度比は10%以上であるのが好ましく、50%以上であるのがより好ましい。
本発明の高強度低温焼成セラミック組成物は、実質的にSrAlSi結晶からなる基地と、前記基地にAl結晶粒とを有する組織を有し、前記SrAlSi結晶は六方晶SrAlSi単独又は六方晶SrAlSi及び単斜晶SrAlSiからなり、前記SrAlSi結晶における前記六方晶SrAlSiの割合は60%以上であり、かつ400MPa以上の抗折強度を有するのが好ましい。
発明の高強度低温焼成セラミック組成物の好ましい組成は、(a)10〜60質量%(Al換算)のAl,25〜60質量%(SiO換算)のSi,7.5〜50質量%(SrO換算)のSr及び20質量%以下(TiO換算)のTiからなる主成分100質量%と、(b)0.1〜10質量%(Bi換算)のBi,0.1〜5質量%(NaO換算)のNa,0.1〜5質量%(KO換算)のK及び0.1〜5質量%(CoO換算)のCoからなる群から選ばれた少なくとも1種と、0.01〜5質量%(CuO換算)のCu、0.01〜5質量%(MnO2換算)のMn、0.01〜5質量%のAg及び0.01〜2質量%(ZrO換算)のZrからなる群から選ばれた少なくとも1種とからなる副成分と、(c)不可避的不純物とを含有する。
前記Al結晶粒の平均結晶粒径は1μm以下であるのが好ましい。
上記高強度低温焼成セラミック組成物を製造する方法は、アルミニウム酸化物,珪素酸化物及びストロンチウム酸化物又はアルミニウム酸化物,珪素酸化物,ストロンチウム酸化物及びチタン酸化物を主原料とするセラミック成形体を焼成する際、セラミック組織中に形成されるSrAlSi結晶のうち、六方晶SrAlSiの比率が5%以上となるように温度及び時間を設定することを特徴とする。焼成温度及び時間は、六方晶SrAlSiの比率が50%以上となるように設定するのがより好ましく、60%以上となるように設定するのが特に好ましい。
本発明の積層電子部品は、上記高強度低温焼成セラミック組成物からなる複数の誘電体層を積層してなり、前記誘電体層の各々に低融点金属からなる導体パターンが形成されていることを特徴とする。前記低融点金属は銀、銅、金又はこれらの合金であるのが好ましい。
前記導体パターンはインダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子を構成しているのが好ましい。前記積層電子部品にインダクタンス素子、キャパシタンス素子、スイッチング素子及びフィルタ素子からなる群から選ばれた少なくとも1つを実装するのが好ましい。
本発明の低温焼成セラミック組成物は、組織中に六方晶SrAlSiを有するので、高強度で実用的な誘電特性を有し、かつ1000℃以下の低温での焼成が可能である。そのため、銀、金、銅等の低融点電極材料との同時焼成が可能である。また本発明の高強度低温焼成セラミック組成物は、誘電率、fQ等の誘電特性に優れているのみならず、従来より向上した機械的強度を有するので、積層回路基板とするときに低融点金属との同時焼成が可能であり、またクラックや破損が生じにくい。そのため、本発明の高強度低温焼成セラミック組成物を用いた積層電子部品は、優れた電気的特性及び機械的強度を有する。
本発明の高強度低温焼成セラミック組成物の主成分は、Al,Si及びSr、又はAl,Si,Sr及びTiであり、1050℃以下、好ましくは1000℃以下の温度で焼成し、組織中に少なくとも六方晶SrAlSi及びAl結晶粒を有する。このような低温焼成セラミック組成物からなる誘電体層上に高導電率を有する低融点金属(銀、銅、金又はこれらの合金)からなる内部電極を形成し、積層後に焼成することにより一体化すると、機械的強度に優れ、高いQ値により極めて損失の小さい高周波電子部品を形成することができる。このため、誘電体共振器、フィルタ、積層インダクタ又は積層コンデンサ、及びこれらを複合化した高周波積層基板等に応用して、機械的強度、マイクロ波特性に優れ、低損失な回路デバイスが得られる。
AlはAl換算で10〜60質量%とするのが好ましく、SiはSiO換算で25〜60質量%とするのが好ましく、SrはSrO換算で7.5〜50質量%とするのが好ましい。これらの金属の含有量がこれらの範囲外であると、1000℃以下の低温焼成では十分な焼成密度が得られないために、低温焼成セラミック組成物は多孔質となり、吸湿等により良好な特性が得られない。
Tiは低温焼成セラミック組成物の共振周波数の温度係数τfを増加させる作用を有する。Tiは、TiO換算で0〜20質量%とするのが好ましい。Tiの含有量が増加するとともに低温焼成セラミック組成物の共振周波数の温度係数は増大する。低温焼成セラミック組成物の共振周波数の温度係数τfが−20〜−40 ppm/℃程度のマイナス側にある場合、Tiの含有量を多くしてτfを0 ppm/℃に容易に調整することができる。しかしながら、Tiの添加量がTiO換算で20質量%より多いと、1000℃以下の低温焼成では十分な焼成密度が得られないために、低温焼成セラミック組成物が多孔質となり、吸湿等により良好な特性が得られない。
またこの低温焼成セラミック組成物に更に、副成分として、Bi、Na、K及びCoからなる群から選ばれた少なくとも1種、及びCu、Mn、Ag及びZrからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有させるのが好ましい。これらの金属の添加量は、特に断りがない限り、主成分の合計100質量%に対して、酸化物換算値で示す。これらの金属は酸化物又は炭酸塩の状態で添加するのが好ましい。
Bi、Na、K及びCoは、仮焼工程においてAl以外の成分がガラス化する際、得られるガラスの軟化点を低下させる作用を有するので、より低温での焼成を可能にし、1000℃以下の焼成温度でもQ値の高い誘電特性を有する低温焼成セラミック組成物を得ることを可能にする。
Biは、Bi換算で0.1〜10質量%とするのが好ましい。Biが10質量%より多いと、Q値が小さくなる。Biのより好ましい添加量は5質量%以下である。またBiの添加量が0.1質量%より少ないと、焼成温度の低下効果が不十分である。Biのより好ましい添加量は0.2質量%以上である。
Naは、NaO換算で0.1〜5質量%とするのが好ましい。Naが0.1質量%未満の場合、焼成温度の低下効果が不十分である。またNaが5質量%を超えると、得られる低温焼成セラミック組成物の誘電損失が大きくなり過ぎ、実用性がなくなる。
Kは、KO換算で0.1〜5質量%とするのが好ましい。Kが0.1質量%未満の場合、焼成温度の低下効果が不十分である。またKが5質量%を超えると、得られる低温焼成セラミック組成物の誘電損失が大きくなり過ぎ、実用性がなくなる。
焼成温度が上がると、Na及びKは、Al及びSiとともにNaAlSi結晶、KAlSi結晶等の長石を形成し、低温焼成セラミック組成物のfQを向上させる。
Coは、CoO換算で0.1〜5質量%とするのが好ましい。Coが0.1質量%未満の場合、焼成温度の低下効果が不十分であり、900℃以下の焼成で緻密な低温焼成セラミック組成物を得ることが困難である。またCoが5質量%を超えると、低温焼成セラミック組成物の結晶化温度が1000℃超となり、1000℃以下で誘電損失が大きくなり過ぎ、実用性が無くなる。
Cu, Mn, Ag及びZrは、主に焼成工程において誘電体セラミック組成物の結晶化を促進する作用があり、低温焼成を達成するために添加する。
Cuは、CuO換算で0.01〜5質量%とするのが好ましい。Cuが0.01質量%未満の場合、その添加効果は小さく、900℃以下での焼成でQ値の高い低温焼成セラミック組成物を得ることが困難である。またCuが5質量%を超えると、低温焼成性が損なわれる。
Mnは、MnO換算で0.01〜5質量%とするのが好ましい。Mnが0.01質量%未満の場合、その添加効果は小さく、900℃以下での焼成でQ値の高い低温焼成セラミック組成物を得ることが困難である。またMnが5質量%を超えると、低温焼成性が損なわれる。
Agは、0.01〜5質量%とするのが好ましい。Agが5質量%を超えると、誘電損失が大きくなり過ぎ、実用性がない。Agのより好ましい添加量は2質量%以下である。
ZrはZrO換算で0.01〜2質量%とするのが好ましい。Zrが0.01質量%未満では、低温焼成セラミック組成物の機械的強度の向上効果が不十分であり、また2質量%を超えると、fQが低下する。ZrO添加による機械的強度の向上効果をより期待するためには、0.3質量%〜1.5質量%とするのがより好ましい。
不可避的不純物としては、例えばY,Fe,Ca,Ga,Cr等が挙げられる。不可避的不純物の含有量は、低温焼成セラミック組成物の特性を劣化させない範囲内としなければならない。
上記低温焼成セラミック組成物は、Al,Si及びSr又はAl,Si,Sr及びTiからなる主成分を構成するアルミニウム酸化物,珪素酸化物及びストロンチウム酸化物又はアルミニウム酸化物,珪素酸化物,ストロンチウム酸化物及びチタン酸化物からなる主原料と、Bi、Na、K及びCoからなる群から選ばれた少なくとも1種、及びCu、Mn、Ag及びZrからなる群から選ばれた少なくとも1種からなる副成分を構成する酸化物又は炭酸塩からなる副原料とを均一に含有してなる成形体を焼成する際に、セラミック組織中に形成されるSrAlSi結晶のうち、六方晶SrAlSiの比率(ピーク強度比)が5%以上となるように、温度及び時間を調整することにより製造する。六方晶SrAlSiのピーク強度比は50%以上であり、特に60%以上が好ましいので、この条件を満たすように焼成温度及び時間を調整するのが好ましい。
低温焼成セラミック組成物はまた300 MPa以上の抗折強度を有するのが好ましく、400 MPa以上の抗折強度を有するのがより好ましいので、この条件を満たすように焼成温度及び時間を調整するのが好ましい。六方晶SrAlSiのピーク強度比と抗折強度には相関関係があり、一般にピーク強度比が高くなるに従って抗折強度も高くなる。従って、50%以上のピーク強度比及び300 MPa以上の抗折強度を有するように焼成温度及び時間を調整するのが好ましく、60%以上のピーク強度比及び400 MPa以上の抗折強度を有するように焼成温度及び時間を調整するのがより好ましい。
最適な焼成温度及び時間は、一般に低温焼成セラミック組成物の組成に応じて異なる。従って、個々の低温焼成セラミック組成物に高いピーク強度比及び抗折強度を確実に付与するためには、その組成に応じて最適な焼成温度及び時間を実験的に求める必要がある。一般に、焼成温度は1000℃以下が好ましく、950℃以下がより好ましく、900℃以下が特に好ましい。また焼成時間は2〜4時間程度が好ましい。
このような方法により得られる本発明の低温焼成セラミック組成物は、さらに6〜9程度の比誘電率ε、及び実用的な3000GHz(3THz)以上のfQ(fは共振周波数)を有するのが好ましい。
本発明の積層電子部品は、上記低温焼成セラミック組成物からなる各誘電体層に低融点金属(銀、銅、金又はこれらの合金)からなる導体パターンを形成し、得られた導体パターンを有する誘電体層を複数積層することにより得られる。導体パターン自体は公知のもので良く、例えばインダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子を構成する。積層電子部品には、インダクタンス素子、キャパシタンス素子、スイッチング素子及びフィルタ素子の少なくとも1つを実装しても良い。積層電子部品の層構成自体は公知のもので良い。
本発明を以下の実施例1〜4によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、実施例1〜4には本発明の参考となる参考例を含む。
(参考例)
Al粉末,SiO粉末,SrCO粉末,TiO粉末,Bi粉末,CuO粉末,MnO2粉末,NaCO粉末及びKCO粉末を純水と一緒にボールミルで混合し、スラリーを得た。このスラリーにPVAを原料粉の乾燥重量に対して1質量%の割合で添加した後、スプレードライヤーで乾燥し、平均粒径が約0.1mmの顆粒状の乾燥粉を得た。
SrAlSiの化学量論的組成(Al 31.30質量%、SiO 36.89質量%、SrO 31.81質量%)となるように、純度99.9%、平均粒径0.5μmのAl粉末、純度99.9%以上、平均粒径0.5μm以下のSiO粉末、及び純度99.9%、平均粒径0.5μmのSrCO粉末をポリエチレン製のボールミルポットに投入し、酸化ジルコニウム製のボールと純水を投入して、20時間湿式混合を行った。得られたスラリーを加熱乾燥した後、ライカイ機で解砕した。得られた混合粉末をアルミナ製のるつぼに入れて、850℃で2時間仮焼して、Al結晶を含有するケイ酸塩系ガラス粉末とした。
この仮焼粉を上記ボールミルで40時間湿式粉砕した後、乾燥した。得られた乾燥仮焼粉の一部を純水と一緒にボールミルに投入し、平均粒径1.0μmに粉砕した。得られた粉砕粉を含有するスラリーに、ポリビニルアルコール(PVA)を粉砕粉100質量%に対して1.5質量%の割合で添加した後、スプレードライヤーで造粒・乾燥し、平均粒径が約0.1 mmの顆粒状の造粒粉を得た。
造粒粉を200 MPaの圧力で加圧成形し、円柱状成形体を得た。この成形体を大気中で室温から950〜1200℃の温度まで200℃/hrの速度で加熱し、前記温度に2時間保持して焼成した後、室温まで200℃/hrの速度で冷却した。得られた焼成体の比誘電率εを円柱共振器により8〜15 GHzの共振周波数で求めた。試料の結晶状態は、Cu−Kα線によるX線回折により確認した。
上記と同様に作製した38 mm×12 mm×1 mmの試験片に対して、支点間距離を30 mmとし、荷重速度を0.5 mm/minとして、3点曲げ試験(JIS C2141)を行い、試験片が破壊したときの最大荷重から曲げ強さ(抗折強度)を求めた。結果を表1に示す。またアルミナのデータも表1に併せて示す。
組織中の六方晶SrAlSiと単斜晶SrAlSiとの比率として、両者の面回折強度の比率を求めた。面回折強度の比率は、Cu−Kα線によるX線回折において22.9°付近に現れる六方晶SrAlSiの(101)面のピーク強度I101と、27.7°付近に現れる単斜晶SrAlSiの(002)面のピーク強度I002とから、I101 / (I101 + I002) x 100の式により求められるピーク強度比により表される。結果を表1に示す。
Figure 0004688016
表1から明らかなように、950℃〜1050℃の焼成温度で得られる低温焼成セラミック組成物の組織中には、SrAlSi結晶、Al結晶及びSrSiO結晶が存在する。Al結晶及びSrSiO結晶はSrAlSi結晶に至らなかった結晶である。
SrAlSi結晶はほぼ全体的に六方晶であった。ほぼ六方晶SrAlSiからなる低温焼成セラミック組成物は、300 MPa以上の抗折強度を示し、また6.8〜8.0の比誘電率ε及び14〜15 THzのfQと優れた誘電特性を示した。
焼成温度が900℃以下の場合、得られた低温焼成セラミック組成物の組織にはSrAlSi結晶が析出せずAl結晶とガラス相が主であり、抗折強度及び誘電特性がともに劣っていた。
1100℃以上の焼成温度で得られた低温焼成セラミック組成物のX線回折パターンから、組織中のSrAlSiがほぼ全て単斜晶SrAlSiであることを確認した。これから、焼成温度が1100℃以上になると、六方晶SrAlSiが単斜晶SrAlSiに変化することが分かる。この低温焼成セラミック組成物は高い誘電特性(fQ)を示したが、抗折強度はたかだか170 MPa程度であり、積層電子部品に用いるには不十分であった。
このように、SrAlSi結晶の六方晶から単斜晶への変化を制御すれば、優れた誘電特性を有しながら、従来の低温焼成セラミック組成物より高い機械的強度を有する低温焼成セラミック組成物が得られることが分かる。
Al粉末, SiO粉末, SrCO粉末, TiO粉末, Bi粉末, CuO粉末, MnO2粉末, NaCO粉末及びKCO粉末を純水と一緒にボールミルで混合し、スラリーを得た。このスラリーにPVAを原料粉の乾燥重量に対して1質量%の割合で添加した後、スプレードライヤーで乾燥し、平均粒径が約0.1 mmの顆粒状の乾燥粉を得た。
顆粒粉を連続炉中で最高温度800℃で2時間仮焼し、Al結晶及びTiO結晶を含有するケイ酸塩系ガラスからなる仮焼粉を得た。仮焼粉の組成は、酸化物換算で、49質量%のAl、34質量%のSiO、8.2質量%のSrO、3質量%のTiO、2.5質量%のBi、2質量%のNaO、0.5質量%のKO、0.3質量%のCuO、及び0.5質量%のMnOであった。
この仮焼粉から、実施例1と同様にして円柱状成形体を得た。この成形体を大気中で室温から825〜900℃の温度まで200℃/hrの速度で加熱し、前記温度に2時間保持して焼成した後、室温まで200℃/hrの速度で冷却した。
得られた焼成体の比誘電率εを円柱共振器により8〜15 GHzの共振周波数で求めた。また実施例1と同様に各試験片に3点曲げ試験を行い、試験片が破壊したときの最大荷重から曲げ強さ(抗折強度)を求めた。結果を表2に示す。またアルミナのデータも表2に併せて示す。
Figure 0004688016
図1〜4はそれぞれ850℃×2 hr、860℃×2 hr、875℃×2 hr及び900℃×2 hr(試料8、12〜14に対応)で焼成した低温焼成セラミック組成物のCu−Kα線によるX線回折強度パターンを示す。図1〜4中、○はAl結晶を示し、▲は六方晶SrAlSiを示し、△は単斜晶SrAlSiを示す。850℃×2 hrの焼成条件ではAl結晶、TiO結晶及びSiO結晶とともに六方晶SrAlSiが析出した。焼成温度が上がるにつれ、単斜晶SrAlSiが析出し、その回折ピーク強度が増大した。
表2は、六方晶SrAlSiの(101)面のピーク強度をI101、単斜晶SrAlSiの(002)面のピーク強度をI002としたとき、I101 / (I101 + I002) × 100で表わされるピーク強度比(組織中の六方晶SrAlSiの割合を示す)が7.7%以上あれば、300 MPa以上の抗折強度が得られることを示す。一般に、組織中の六方晶SrAlSiの割合を示すピーク強度比は5%以上であるのが好ましい。なお試料6及び7でも250 MPaを超える抗折強度が得られたが、これは、ガラス相に遍在するAl結晶がフィラーとして機能して、強度が向上したものと考えられる。しかし、試料6及び7のいずれも緻密化せず、実用に供し得ないものであった。
900℃×2 hrの焼成条件で得られた低温焼成セラミック組成物の回折パターンを示す図4には、31°付近の単斜晶SrAlSiを示す回折ピークの右肩部に回折ピークが認められるが、この回折ピークは他の回折パターンを勘案すると単斜晶SrAlSiの(041)面の回折ピークと考えられる。従って、この低温焼成セラミック組成物の組織中には実質的に六方晶SrAlSiは存在しないことが分かる。
試料6〜14では、実施例1で確認されたSrSiO結晶は組織中に認められなかったが、試料11, 13及び14ではサニディン及びアルバイトと考えられるNa及び/又はKを含有するケイ酸塩結晶(長石)が確認された。試料11, 13及び14は優れたfQを示すが、これには長石が寄与していると考えられる。
このように組織中の六方晶SrAlSiの割合は、低温焼成セラミック組成物の組成及び焼成条件(焼成温度及び時間)に応じて変化するので、組成及び焼成条件を調整することにより組織中の六方晶SrAlSiの割合を容易に制御することができる。
図5は試料13(875℃×2 hr)の研磨面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真であり、図6は図5のTEM写真の模式図である。なお図5に示す視野中にはケイ酸塩結晶は見られないが、X線回折により組織中に析出していることが認められた。Zr系酸化物も存在するが、これはボールミルの酸化ジルコニア製のボールから混入したものと考えられる。
この組織の基地は、組成分析によりAl,SiO及びSrOを主体とすることが分かった。この基地の制限視野回折に回折斑が認められるので、TEM写真では結晶粒界が判然としないが、結晶化していると考えられる。すなわち、試料13の低温焼成セラミック組成物は、Al,SiO及びSrOを主体とする結晶化した基地に酸化物結晶粒が析出した構造を有することが分かる。この結果は、図3の単斜晶SrAlSi及び六方晶SrAlSiが存在するX線回折パターンと一致する。
試料8 (850℃ x 2 hr)及び試料12 (860℃ x 2 hr)のTEM写真においても、酸化物結晶が析出した基地にはSrAlSi結晶の粒界が確認できなかった。図1及び2のX線回折パターンにはハローなパターンがあるので、試料8及び12はAl,SiO及びSrOを主体とするアモルファス基地にSrAlSi結晶が析出した構造を有すると考えられる。
複数のTEM写真から、組織中に析出したAl結晶の平均結晶粒径が1μm以下であり、焼成温度が変わってもAl結晶粒の成長が進む傾向は見られなかった。
図7は、焼成時間が2時間の場合の焼成温度と抗折強度との関係を示す。抗折強度は10個の試料の平均値である。実施例2の低温焼成セラミック組成物では、抗折強度は焼成温度が約830℃になると300 MPa以上になり、約840〜870℃で400 MPa以上になるが、焼成温度が上昇するに連れて急速に低下し、約880℃を超えると300 MPa未満となることが分かる。
図8は、焼成温度が850℃の場合の保持時間と抗折強度との関係を示す。抗折強度は10個の試料の平均値である。実施例2の低温焼成セラミック組成物では、焼成温度が850℃と適切であっても、保持時間が長くなり過ぎると抗折強度はかえって低下することが分かる。図8から、実施例2の場合、850℃の焼成温度で約2〜4時間の焼成時間が400 MPa以上の抗折強度を得るのに好ましいことが分かる。
以上から、(a) Al結晶や他の酸化物結晶が析出した基地中のSrAlSi結晶の存在が抗折強度に著しい影響を及ぼすこと、及び(b) SrAlSi結晶の中でも六方晶SrAlSiが抗折強度の向上に大きく寄与することが分かった。
このように、Al, Si及びSrの酸化物を主成分とし、低温焼結性を向上させる副成分を含有する低温焼成セラミック組成物では、900℃以下に六方晶SrAlSiが析出する温度領域があるので、組成に応じて焼成温度を最適化することにより高強度の低温焼成セラミック組成物を得ることができる。
実施例1と同様にして、質量基準で48.7%のAl, 34.5%のSiO, 9.5%のSrO, 4%のTiO, 1%のBi, 1%のNaO, 0.5%のKO, 0.3%のCuO, 及び0.5%のMnO2からなる仮焼粉を作製した。この仮焼粉を実施例1と同じボールミルで40時間湿式粉砕し、乾燥した。次に、仮焼粉の一部を純水と一緒にボールミルに投入し、1.0μmの平均粒径に粉砕した。得られた粉砕粉のスラリーにPVAを粉砕粉の乾燥重量に対して1.5質量%の割合で添加した後、スプレードライヤーで造粒・乾燥し、平均粒径が約0.1 mmの顆粒状の造粒粉を得た。
得られた造粒粉を200 MPaの圧力で加圧成形し、円柱状成形体とした。この成形体を大気中で室温から825〜950℃の温度まで200℃/hrの速度で加熱し、前記温度に2時間保持して焼成した後、室温まで200℃/hrの速度で冷却した。
得られた焼成体に対して、実施例1と同様に誘電特性及び抗折強度を測定するとともに、X線回折測定を行った。結果を表3に示す。またアルミナのデータも表3に併せて示す。
Figure 0004688016
本実施例では、Bi及びNaの添加量を減らすことで、実施例2の場合と比較し若干SrAlSi結晶の析出温度が上昇した。しかし、875℃〜925℃の温度で六方晶SrAlSiが析出しており、かつ六方晶SrAlSiの析出温度の範囲が広がっていることが分かった。このように、低温焼成セラミック組成物の組成により、六方晶SrAlSiの析出温度及びその範囲を制御できる。また試料No. 19ではNa及びKを含有するケイ酸塩結晶が析出しており、高い抗折強度と高い誘電特性が同時に得られた。
(参考例)
参考例の高強度低温焼成セラミック組成物を用いた積層電子部品の一例として、携帯電話の高周波回路部に用いるダイオードスイッチ(アンテナ側回路、受信側回路及び送信側回路の接続を切り替える)を以下の通り作製した。
まず、実施例2と同様にして、質量基準で49%のAl, 34%のSiO, 8.2%のSrO, 3%のTiO, 2.5%のBi, 2%のNaO, 0.5%のKO, 0.3%のCuO, 及び0.5%のMnOからなる仮焼粉を作製した。
この仮焼粉をエタノール及びブタノールの混合溶媒に分散させて、ボールミルで平均粒径1.0μmまで粉砕した。得られたスラリーに、バインダーとしてポリビニルブチラール及び可塑剤としてブチルフタリルブチルグリコレートを、仮焼粉100質量%に対してそれぞれ15質量%及び7.5質量%の割合で分散させ、シート成形用のスラリーとした。減圧下で脱泡及び溶媒の部分的な蒸発を行ってこのスラリーの粘度を約10000 MPa・sにした後、ドクターブレードでシート成形し、約80μmの乾燥厚さを有する長尺のセラミックグリーンシートを得た。後工程のハンドリングのため、このセラミックグリーンシートを所定の大きさに裁断した。
複数枚のセラミックグリーンシートの表面に銀ペーストで伝送線路(インダクタンス素子)を構成する配線パターンL1−1, L1−2, L2−1, L2−2、グランド電極パターンGND、及びスイッチング素子を実装するための電極パターンを印刷した(図9参照)。
セラミックグリーンシートには、各層間の配線パターンの接続手段として銀ペーストを充填したビアホールが形成されている。導電パターンを印刷した各セラミックグリーンシートを位置合わせし、高精度に積層した後圧着した。圧着条件は、14 MPaの圧力、85℃の温度、及び10分の保持時間であった。
得られた積層体をチップサイズに切断した後、焼成セッターに載置し、連続炉で脱バインダー及び焼成を行い、4.5 mm×3.2 mm×1.0 mmの焼成体を得た。焼成は大気雰囲気中875℃で2時間保持することにより行った。
焼成体のセラミック部分を粉砕してX線回折の測定をしたところ、組織中に六方晶SrAlSi、単斜晶SrAlSi、Al結晶、TiO結晶、及びケイ酸塩系結晶が確認された。SrAlSi結晶全体に対する六方晶SrAlSiのピーク強度比は15.5%であった。
焼成体から内部の配線パターンが露出している側面部分に、Agを主成分とする外部電極用ペーストを塗布して800℃で焼き付けた後、銀表面にニッケル及びスズを電解めっきし、端子電極GND, TX, RX, VC1, VC2とした。これらの端子電極のうち端子電極GND, TX, RX, VC1はスイッチング素子を実装するための電極パターンと電気的に接続させた。
このようにして得られた積層回路基板の実装電極パターンに、スイッチング素子としてダイオードD1, D2を実装し、図10に示す積層電子部品1を作製した。積層電子部品1は図11に示す等価回路の破線部を構成する。
参考例では、インダクタンス素子を電極パターンで構成したが、チップインダクタやコイル等を実装しても良い。また直流成分を遮断するコンデンサ素子を、電極パターンで回路基板に構成したり、チップコンデンサとして回路基板上に実装したりしても良い。ダイオードスイッチにローパスフィルタやバンドパスフィルタ等のフィルタ素子が接続されることが多いが、上記フィルタ素子をSAWフィルタで構成し、これを回路基板に実装しても良い。またインダクタンス素子及びキャパシタンス素子からなるフィルタ素子を、回路基板上に電極パターンで形成したり、チップ部品として回路基板上に実装しても良い。
端子電極VC1, VC2に直流電源を接続し、ダイオードD1, D2をON, OFFさせて、端子電極ANT−RX間、及び端子電極ANT−TX間に高周波信号を通過させたところ、信号の伝送損失(挿入損失)が少なく、積層電子部品1は優れた電気的特性を有することが確認された。
積層回路基板の端子電極を試験用プリント基板にはんだ付けし、プリント基板を撓ませたり捻じったりして、端子の剥離や積層回路基板のクラック発生に対する抵抗力を評価したところ、従来のものと比べて著しく向上していることが分かった。
参考例から、本発明の低温焼成セラミック組成物からなる誘電体層に低融点金属の導体パターンを形成すれば、電気的特性及び機械的強度に優れた積層電子部品が得られることが分かる。
本発明の低温焼成セラミック組成物は、組織中に六方晶SrAlSiを有するので、高強度で実用的な誘電特性を有し、かつ1000℃以下の低温での焼成が可能である。そのため、銀、金、銅等の低融点電極材料との同時焼成が可能である。また本発明の高強度低温焼成セラミック組成物は、誘電率、fQ等の誘電特性に優れているのみならず、従来より向上した機械的強度を有するので、積層回路基板とするときに低融点金属との同時焼成が可能であり、またクラックや破損が生じにくい。そのため、本発明の高強度低温焼成セラミック組成物を用いた積層電子部品は、優れた電気的特性及び機械的強度を有する。
本発明の一実施例の低温焼成セラミック組成物(試料8)のX線回折パターンを示すグラフである。 本発明の他の実施例の低温焼成セラミック組成物(試料12)のX線回折パターンを示すグラフである。 本発明の他の実施例の低温焼成セラミック組成物(試料13)のX線回折パターンを示すグラフである。 本発明の範囲外である低温焼成セラミック組成物(試料14)のX線回折パターンを示すグラフである。 本発明の一実施例の低温焼成セラミック組成物の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 図5のTEM写真に対応する組織を示す模式図である。 実施例2における種々の低温焼成セラミック組成物について、焼成温度と抗折強度との関係を示すグラフである。 実施例2における種々の低温焼成セラミック組成物について、焼成温度での保持時間と抗折強度との関係を示すグラフである。 実施例4の積層回路基板を示す分解斜視図である。 実施例4の積層電子部品を示す斜視図である。 実施例4の積層電子部品の等価回路を示す図である。
符号の説明
1 積層電子部品
2 積層基板
L1、L2 伝送線路
L1−1、L1−2、L2−1、L2−2 配線パターン
GND、TX,RX,VC1,VC2 端子電極

Claims (6)

  1. 10〜60質量%(Al 換算)のAl,25〜60質量%(SiO 換算)のSi,7.5〜50質量%(SrO換算)のSr及び20質量%以下(TiO 換算)のTiからなる主成分100質量%と、0.1〜10質量%(Bi 換算)のBi, 0.1〜5質量%(Na O換算)のNa, 0.1〜5質量%(K O換算)のK及び0.1〜5質量%(CoO換算)のCoからなる群から選ばれた少なくとも1種と、0.01〜5質量%(CuO換算)のCu、0.01〜5質量%(MnO 換算)のMn、0.01〜5質量%のAg及び0.01〜2質量%(ZrO 換算)のZrからなる群から選ばれた少なくとも1種とからなる副成分と、不可避的不純物とを含有し、
    組織中にSrAlSi結晶及びAl結晶を有し、
    前記SrAlSi結晶は、六方晶SrAlSi単独か、又は単斜晶SrAlSiと六方晶SrAlSiとを有し、
    Cu−Kα線によるX線回折測定において、六方晶SrAlSiの(101)面のピーク強度をI101、単斜晶SrAlSiの(002)面のピーク強度をI002としたとき、I101/(I101 + I002)×100で表わされるピーク強度比が50%以上であって、300MPa以上の抗折強度を有するとともに、fQ値が3〜5THzであることを特徴とする高強度低温焼成セラミック組成物。
  2. 請求項1に記載の高強度低温焼成セラミック組成物において、ピーク強度比が60%以上であり、かつ400MPa以上の抗折強度を有し、fQ値が3〜4THzであることを特徴とする高強度低温焼成セラミック組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の高強度低温焼成セラミック組成物からなる複数の誘電体層を積層してなり、前記誘電体層の各々に低融点金属からなる導体パターンが形成されていることを特徴とする積層電子部品。
  4. 請求項3に記載の積層電子部品において、前記低融点金属が銀、銅、金又はこれらの合金であることを特徴とする積層電子部品。
  5. 請求項3又は4に記載の積層電子部品において、前記導体パターンがインダクタンス素子及び/又はキャパシタンス素子を構成していることを特徴とする積層電子部品。
  6. 請求項3又は4に記載の積層電子部品において、前記積層電子部品にインダクタンス素子、キャパシタンス素子、スイッチング素子及びフィルタ素子からなる群から選ばれた少なくとも1つを実装してなることを特徴とする積層電子部品。
JP2003409241A 2002-12-06 2003-12-08 高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品 Expired - Lifetime JP4688016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003409241A JP4688016B2 (ja) 2002-12-06 2003-12-08 高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002354955 2002-12-06
JP2002354955 2002-12-06
JP2003409241A JP4688016B2 (ja) 2002-12-06 2003-12-08 高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004196652A JP2004196652A (ja) 2004-07-15
JP4688016B2 true JP4688016B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=32775088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003409241A Expired - Lifetime JP4688016B2 (ja) 2002-12-06 2003-12-08 高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4688016B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006015902A (ja) 2004-07-02 2006-01-19 Honda Motor Co Ltd ワイパー構造
JP5083671B2 (ja) * 2009-02-19 2012-11-28 独立行政法人産業技術総合研究所 高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板
WO2010110201A1 (ja) * 2009-03-26 2010-09-30 日立金属株式会社 誘電体磁器組成物、多層誘電体基板、電子部品、及び誘電体磁器組成物の製造方法
JP6150159B2 (ja) * 2013-02-04 2017-06-21 日立金属株式会社 発光ダイオードパッケージ用ガラスセラミック、それを用いたセラミック基板、および発光ダイオードパッケージ
JP6777070B2 (ja) * 2015-03-31 2020-10-28 日立金属株式会社 バリスタ内蔵多層基板およびその製造方法
CN109348713A (zh) 2015-12-28 2019-02-15 日立金属株式会社 电介质陶瓷的制造方法及电介质陶瓷
CN107746267A (zh) * 2017-10-11 2018-03-02 中国航发北京航空材料研究院 一种等离子喷涂用BaxSr1‑xAl2Si2O8粉体的制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000272960A (ja) * 1999-01-20 2000-10-03 Hitachi Metals Ltd マイクロ波用誘電体磁器組成物およびその製造方法ならびにマイクロ波用誘電体磁器組成物を用いたマイクロ波用電子部品

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000272960A (ja) * 1999-01-20 2000-10-03 Hitachi Metals Ltd マイクロ波用誘電体磁器組成物およびその製造方法ならびにマイクロ波用誘電体磁器組成物を用いたマイクロ波用電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004196652A (ja) 2004-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5076907B2 (ja) フォルステライト粉末の製造方法、フォルステライト粉末、フォルステライト焼結体、絶縁体セラミック組成物、および積層セラミック電子部品
CN102365249B (zh) 介电陶瓷组合物、多层介电基板、电子部件和介电陶瓷组合物的制备方法
JP4883228B2 (ja) 低温焼結セラミック焼結体および多層セラミック基板
JP5013239B2 (ja) 高強度低温焼成セラミック組成物並びにこれを用いた積層電子部品
US20090105060A1 (en) Composition for ceramic substrate, ceramic substrate, method for process for producing ceramic substrate, and glass composition
EP1568668B1 (en) Ceramic composition being fired at low temperature and having high strength and method for preparing the same, and laminated electronic parts using the same
JP4688016B2 (ja) 高強度低温焼成セラミック組成物及びこれを用いた積層電子部品
US8652982B2 (en) Ceramic sintered body and method for producing ceramic sintered body
JP3838541B2 (ja) 低温焼成磁器および電子部品
JP2007084353A (ja) セラミック焼結助剤組成物、セラミック焼結助剤、低温焼成セラミック組成物、低温焼成セラミック、およびセラミック電子部品
KR100981072B1 (ko) 세라믹스 자기의 제조 방법, 세라믹스 자기 및 전자부품
JP2001106571A (ja) 誘電体セラミック組成物及びセラミック電子部品
JP2004203646A (ja) 低温焼成磁器および電子部品
JP5288296B2 (ja) 高強度低温焼成セラミックと高強度低温焼成セラミック基板の製造方法
JP2005217170A (ja) 複合積層セラミック電子部品
JP2018008863A (ja) 誘電体セラミック材料及び誘電体セラミック組成物
KR100343523B1 (ko) 세라믹 전자 장치의 제조 방법
JP4688013B2 (ja) 高周波用低温焼成誘電体材料および高周波用積層電子部品
JPH11100262A (ja) 誘電体磁器組成物および積層体
JP2004203645A (ja) 低温焼成磁器および電子部品
JP2004345877A (ja) 誘電体磁器組成物、並びにその製造方法、それを用いた誘電体磁器及び積層セラミック部品
JP2012020933A (ja) セラミックグリーンシート及びセラミック基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110121

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4688016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term