JP4687874B2 - 徐放性ゲル組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性薬剤の効果の持続性を付与した徐放性ゲル組成物に関する。
揮発性の薬剤としては、例えば、イソチオシアン酸アリルは、わさびの主成分として知られており、その刺激性を利用して、抗菌剤、防黴剤、腐敗防止剤、有害生物に対する忌避剤等の有効成分として利用するこが考えられている。しかし、イソチオシアン酸アリルは、比較的揮発性が高いため、そのままでは使用することができない。従って、使用に際してはイソチオシアン酸アリルの揮散持続期間を設定しなければならない問題があった。
このように、イソチオシアン酸アリルのような揮発性の薬剤の徐放性を付与させる方法として、近年、ゲル組成物とすることが提案されている。
特許文献1には、揮発性物質、ポリN−ビニルカルボン酸アミド系架橋体、界面活性剤および水を含有する揮発性物質の徐放出性ゲル組成物が記載されている。
特許文献2には、イソチオシアン酸化合物をポリエチレンオキサイド架橋物でゲル化させる鮮度保持剤が記載されている。
特許文献3には、イソチアン酸化合物をカラギーナン、ジュランガム等の天然粘質多糖類を用いてゲル化させる鮮度保持剤が記載されている。
また、本発明に関連して、特許文献4には、水溶性高分子、アルコキシシラン、及び香料からなる吸水性有機無機複合被膜が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3記載のゲル化剤では、ゲル組成物の強度に劣る問題や、高分子化合物を溶解させるのに高温にする必要があり、揮発性薬剤をゲル組成物中に全量取り込むことが困難な問題があった。また、特許文献4は、ゲル化剤ではない。
特開平11−71572号公報 特開平10−84926号公報 特開平8−84577号公報 特開2001−172053号公報
本発明の課題は、揮発性薬剤の効果の持続性を付与することができる徐放性ゲル組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、揮発性薬剤のゲル化剤として、アルコールに可溶な高分子化合物と、所定の金属酸化物から形成される有機・無機複合体を用いることにより、高い透明性と強度を備えた高濃度の揮発性薬剤含有ゲル状組成物を作成することが可能であり、揮発性薬剤の徐放性に優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)アルコールに可溶な高分子化合物と、式(I)
Figure 0004687874
[式中、R1は、置換基を有していてもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C10アルケニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、M1は、金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mは、M1の原子価を表し、nは、0又は(m−2)以下のいずれかの整数を表す。]で表される化合物から形成された有機・無機複合体、揮発性薬剤、及びアルコールを含有することを特徴とする徐放性ゲル組成物に関し、
(2)揮発性薬剤が、イソチオシアン酸エステルであることを特徴とする(1)記載の徐放性ゲル組成物に関し、
(3)イソチオシアン酸化合物がイソチオシアン酸アリルであることを特徴とする(2)記載の徐放性ゲル組成物に関し、
(4)アルコールに可溶な高分子化合物が、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の徐放性ゲル組成物に関し、
(5)M1が、Tiであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載の徐放性ゲル組成物に関する。
また、本発明は、
(6)アルコールに可溶な高分子化合物、式(I)
Figure 0004687874
[式中、R1は、置換基を有していてもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C10アルケニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、M1は、金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mは、M1の原子価を表し、nは、0又は(m−2)以下のいずれかの整数を表す。]で表される化合物、及び揮発性薬剤をアルコールに溶解させ、水を添加することを特徴とする徐放性ゲル組成物の製造方法に関する。
本発明の徐放性ゲル組成物は、室温で短時間に製造することができ、透明性、強度及び揮発性薬剤の徐放性に優れたものである。
以下、本発明の徐放性ゲル組成物について、詳細に説明する。
本発明の徐放性ゲル組成物は、アルコールに可溶な高分子化合物と、前記式(I)で表される化合物から形成された有機・無機複合体、揮発性薬剤、及びアルコールを含有することを特徴とする。
本発明の徐放性ゲル組成物に含まれる有機・無機複合体は、アルコールに可溶な高分子化合物、及び前記式(I)で表される化合物から形成される。この有機・無機複合体は、前記式(I)で表される化合物の重縮合物である無機高分子と、有機化合物であるアルコールに可溶な高分子化合物とがハイブリッド化(複合化)してなる高機能複合材料である。
前記有機・無機複合体の形成に用いる式(I)で表される化合物において、式(I)中、R1は、置換基を有していてもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C10アルケニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。
前記置換基を有していてもよいC1〜C10アルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいC2〜C10アルケニル基のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
前記置換基を有していてもよい(C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C3〜C8シクロアルキル基)の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;フェニル基等のアリール基;カルボキシル基;アミド基;イミド基;メトキシカルボニル基等アルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;水酸基等が挙げられる。
前記置換基を有していてもよい(アリール基、アラルキル基)の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;カルボキシル基;アミド基;イミド基;メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;水酸基等が挙げられる。
1は、金属原子を表し、Si、Ti、Al、Sn、Ge、Zr、W、又はNbであるのが好ましく、Tiであるのがより好ましい。
Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水と反応して分解して水酸基を生成する基であれば特に制約されない。例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基;置換基を有していてもよいアシルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イソシアネート基;シアノ基;アミノ基;又はアミド基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、カルボキシル基、アミド基、イミド基、エステル基、水酸基等が挙げられる。
本発明においては、前記Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はイソシアネート基であるのが好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基であるのが好ましい。
mは、金属原子M1の原子価を表す。
nは、0から(m−2)以下のいずれかの整数を表す。nが2以上のとき、R1は、同一であっても、相異なっていてもよく、また、(m−n)が2以上のときXは、同一であっても、相異なっていてもよい。
本発明においては、前記式(I)で表される化合物としては、下記に示す式(II)で表される金属アルコキシドであるのが好ましい。
Figure 0004687874
式(II)中、M2は、金属原子を表し、Si、Ti、Al、Sn、Ge、Zr、W、又はNbであるのが好ましく、Tiであるのがより好ましい。
2は、直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。直鎖又は分岐していてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
前記式(II)で表される金属アルコキシドの好ましい具体例としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;などが挙げられる。
本発明においては、前記式(I)で表される化合物を1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、前記式(I)で表される化合物を原料として、予め高分子化した無機高分子のモノマー又はオリゴマーを使用することもできる。
前記有機・無機複合体の形成に用いるアルコールに可溶な高分子化合物としては、アルコールに溶解する高分子化合物であって、前記式(I)で表される化合物の重縮合物である無機高分子と複合化して、有機・無機複合体を形成するものであれば、特に制限されない。
このようなアルコールに可溶な高分子化合物としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース類;エチルセルロース、メチルセルロース等のアルキルセルロース類;酢酸セルロース、硝酸セルロース等のセルロースエーテル類;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、溶解性やゲル形成能の点からヒドロキシプロピルセルロースであるのが好ましい。これらのアルコールに可溶な高分子化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の徐放性ゲル組成物中のアルコールに可溶な高分子化合物の含有量は、特に制限されないが、揮発性薬剤の徐放性に優れるゲル組成物を得る上では、前記式(I)で表される化合物との重量比で、アルコールに可溶な高分子化合物:式(I)で表される化合物(金属酸化物換算重量)=10:1〜1:10となる量が好ましく、アルコールに可溶な高分子化合物:式(I)で表される化合物=5:1〜1:5となる量がより好ましい。本発明においては、アルコールに可溶な高分子化合物と、前記式(I)で表される化合物との比率を適宜選択することにより、ゲル組成物の強度や揮発性薬剤の放出速度をコントロールすることができる。
本発明の徐放性ゲル組成物に用いる揮発性薬剤としては、常温において揮発性を有するものであれば特に制限はなく、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、芳香剤等を挙げることができる。
揮発性薬剤として用いる抗菌剤としては、例えば、イソチオシアン酸エステル、モノテルペン系化合物、ヒノキチオール、シソオイル、タケ抽出物等が挙げられる。イソチオシアン酸エステルとしては、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸フェニル、イソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸−n−プロピル、イソチオシアン酸イソプロピル、イソチオシアン酸−n−ブチル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチオシアン酸イソアミル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸シクロヘキシル等が挙げられ、これらのイソチオシアン酸エステルは、天然品、合成品のいずれであってもよく、これらを有効成分とするわさび抽出物、からし抽出物であってもよい。モノテルペン化合物としては、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトン、テルペンオキシド等が挙げられ、これらのモノテルペン化合物は、天然品、合成品のいずれであってもよく、これらを有効成分とする天然植物抽出物であってもよい。これらの中でも、イソチオシアン酸エステルが好ましく、イソチオシアン酸アリルが特に好ましい。
揮発性物質として用いる消臭剤としては、例えば、植物抽出精油、ジチオ−2,2'−ビス(ベンズメチルアミド)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。揮発性物質として使用する防虫剤には、例えば、ペルメトリン、プロチオホス、フルバリネート、フェンバレレート、ピレトリン、ピペロニルブトキシド、ショウ脳油、ラベンダー油、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物等が挙げられる。揮発性物質として用いる殺虫剤としては、例えば、クロルピクリン、ジクロロプロパン、ジクロロプロピレン、ジクロルボス等が挙げられる。
揮発性物質として用いる香料としては、例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類フレーバー、パイナップル、バナナ、アップル、アプリコット、ベリー、チェリー、ピーチ等の果実フレーバー、ココナッツ、バニラ、ミント等の食品用フレーバー、ローズ、ジャスミン、キンモクセイ、クチナシ、スズラン、スイトピー、リラ、フリージア、ヒヤシンス、シクラメンなどの花フレーバー、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、p−シメン、γ−テルピネン、3−カレン、ミルセン、オシメン、p−メンタン、1−p−メンテン等の炭化水素類、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコールなどのアルコール類及びこれらアルコールエステル類、その他調合香料素材として従来から用いられてきた香料化合物並びにこれらの任意の混合物からなる調合香料組成物などを挙げることができる。
これらの揮発性薬剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、揮発性薬剤の含有量は、ゲル組成物全量に対して、通常0.1〜40重量%、好ましくは1〜35重量%、より好ましくは2〜30重量%の範囲である。
本発明の徐放性ゲル組成物に用いるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられ、これらの中でも安全面からエタノールであるのが好ましい。これらのアルコールは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アルコールの含有量は、ゲル組成物全量に対して、通常20〜90重量%、好ましくは30〜85重量%、より好ましくは40〜80重量%の範囲である。
また、本発明の徐放性ゲル組成物中には、その他の成分として、色素類、紫外線吸収剤、防腐剤、にがみ剤、酸化防止剤、従来のゲル化剤等を添加することができる。色素類としては、本発明の徐放性ゲル組成物を着色し、意匠性を向上させる目的等で用いられ、例えば、食用青色1号、食用赤色106号、食用赤色3号、食用黄色5号等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、徐放性ゲル組成物に含有される揮発性薬剤が紫外線に対して劣化し易い場合に添加され、例えば、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、フェニルサリシレート、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等が挙げられる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。にがみ剤としては、幼児等の誤食防止のために本発明の徐放性ゲル組成物に添加され、例えば、ビトレックス(登録商標:長瀬産業製)等が挙げられる。酸化防止剤としては、主に揮発性薬剤の酸化劣化防止の目的で添加され、例えば、ビタミンE、ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。従来のゲル化剤としては、前出の天然系、合成系ゲル化剤の他に、デンプンアクリル酸塩グラフト体等の半合成系ゲル化剤等が挙げられる。これらの添加剤を配合する場合の配合量は、一般的には本発明の徐放性ゲル組成物の全体量に対して、0〜2重量%程度の範囲で充分にその目的の機能を発揮することができる。
本発明の徐放性ゲル組成物は、揮発性薬剤の徐放性に優れるので、例えば、室内、台所、トイレ、下駄箱、冷蔵庫、ゴミ箱、車等の抗菌・消臭剤;浴室、押入れ等の防カビ剤;米びつ等の忌避剤;冷蔵庫等の鮮度保持剤として使用することができる。
本発明の徐放性ゲル組成物は、従来公知のゾル−ゲル法を用いることにより製造することができる。すなわち、アルコールに可溶な高分子化合物をアルコールに溶解させ、その中に、前記式(I)で表される化合物、及び揮発性薬剤を添加し、水を徐々に加えていき、前記式(I)で表される化合物の加水分解・重縮合を進行させて、数十分から数時間室温で放置することによりゲル組成物とする。
水の滴下量は前記式(I)で示される化合物に対して0.5倍モル〜10倍モルが好ましく、さらに好ましくは1倍モル〜5倍モルである。0.5倍モル以上の場合、ゲル化が起こりやすく、10倍モル以下の場合、均質なゲルが得られやすく、揮発性薬剤の揮発量が適量である。また、揮発性化合物との化学反応が起こらない場合には、ゾル−ゲル反応を促進する塩酸、硝酸、酢酸、硫酸などの無機酸触媒やアンモニア、アミン化合物などの塩基触媒を適宜加えてもよいが、揮発ガスの発生の面から水のみが好ましい。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)徐放性ゲル組成物Aの調製
ヒドロキシプロピルセルロース(分子量:55,000〜70,000、商品名:HPC−L、日本曹達株式会社製)10wt%エタノール溶液10.0gを蓋付きテフロン(登録商標)製容器に入れ(HPC含有量:1.0g)、その中に、Ti(OBu)4(日本曹達株式会社製)1.32gを加えて30分攪拌した後、イソチオシアン酸アリル(試薬特級、和光純薬社製)1.4gを加えて1時間攪拌した。この溶液を冷凍庫中へ移して30分間冷却した後に取り出した。そこへ攪拌しながら蒸留水0.3mlをシリンジを用いてゆっくりと滴下していき、Ti(OBu)4の加水分解・重縮合を進行させた。蒸留水滴下中に系の粘性が徐々に向上し、滴下終了数十秒後にゲル化して、徐放性ゲル組成物Aを得た。
(実施例2)消臭試験
実施例1で調製した徐放性ゲル組成物A2gをチャック付ポリ袋(商品名:ユニパック、品番:K−4、株式会社生産日本社製)に入れ、チャック付ポリ袋を4重にした。このポリ袋を靴中に入れ、8時間靴を履いた後、靴中のアンモニア濃度を検知管(株式会社ガステック製)を用いて、靴下中の臭気をハンディにおいモニター(神栄株式会社製)を用いて測定した。なお、比較として、徐放性ゲル組成物を使用しない場合(ブランク)の靴中のアンモニア濃度、及び靴下中の臭気を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004687874
(実施例3)徐放性ゲル組成物Bの調製
HPC−L(日本曹達株式会社製)10wt%エタノール溶液12.0gを蓋付きテフロン(登録商標)製容器に入れ(HPC含有量:1.2g)、その中に、Ti(OBu)42.0gを加えて30分攪拌した後、イソチオシアン酸アリル2.5gを加えて1時間攪拌した。この溶液を冷凍庫中へ移して30分間冷却した後に取り出した。そこへ蒸留水0.45mlをシリンジを用いてゆっくりと滴下していき、Ti(OBu)4の加水分解・重縮合を進行させた。蒸留水滴下中に系の粘性が徐々に向上し、滴下終了数十秒後にゲル化して、徐放性ゲル組成物を得た。
(実施例4)徐放性試験
実施例3で調製した徐放性ゲル組成物Bの全量を、450mlのマヨネーズ瓶に入れ、蓋をして密閉した。この密閉されたマヨネーズ瓶中の上部から約3cmのところのガスをシリンジにて2.5cc採取し、ガスクロマトグラフィー(GC−14A:株式会社島津製作所製)によりイソチオシアン酸アリルのガス濃度を算出した。比較として、イソチオシアン酸アリル2.50gを入れたマヨネーズ瓶中のイソチオシアン酸アリルのガス濃度を算出した。試験結果を図1に示す。
ガスクロマトグラフィー測定条件:
・検出器:FID
・カラム:GasukuroPack 54(60/80mesh;溶剤用)2m
・カラム温度:200℃
・INJECTION:200℃
・DET:200℃
・キャリアーガス:N2 1.5kg/cm2
・FID:Air 0.2kg/cm2、H2 0.7kg/cm2
図1から明らかなように本発明の徐放性ゲル組成物は、揮発性薬剤の徐放性が図れることがわかる。
イソチオシアン酸アリルのガス濃度を算出した図である。

Claims (6)

  1. アルコールに可溶な高分子化合物と、式(I)
    Figure 0004687874
    [式中、R1は、置換基を有していてもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C10アルケニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、M1は、金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mは、M1の原子価を表し、nは、0又は(m−2)以下のいずれかの整数を表す。]で表される化合物から形成された有機・無機複合体、揮発性薬剤、及びアルコールを含有することを特徴とする徐放性ゲル組成物。
  2. 揮発性薬剤が、イソチオシアン酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の徐放性ゲル組成物。
  3. イソチオシアン酸化合物がイソチオシアン酸アリルであることを特徴とする請求項2記載の徐放性ゲル組成物。
  4. アルコールに可溶な高分子化合物が、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の徐放性ゲル組成物。
  5. 1が、Tiであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の徐放性ゲル組成物。
  6. アルコールに可溶な高分子化合物、式(I)
    Figure 0004687874
    [式中、R1は、置換基を有していてもよいC1〜C10アルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C10アルケニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、M1は、金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mは、M1の原子価を表し、nは、0又は(m−2)以下のいずれかの整数を表す。]で表される化合物、及び揮発性薬剤をアルコールに溶解させ、水を添加することを特徴とする徐放性ゲル組成物の製造方法。
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