JP4686797B2 - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空洞含有ポリエステル系フィルムに関する。更に好ましくは、熱転写、昇華転写、インクジェットプリンタなどの受像シートの基材として好適な空洞含有ポリエステル系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱転写受像シートとしては、天然紙もしくは天然紙の表面に記録層を形成したものが知られている。しかしこの方法では、表面平滑性が不十分なものしか得られない。これに対し、受像シートの平滑性を向上させるため、薄手のポリプロピレン系合成紙と天然紙とを貼り合わせたものや、厚手のポリプロピレン系合成紙を基材として用い、これらの表面に記録層を設けたものが広く用いられている。これは、ポリプロピレン系合成紙では、天然紙では得られない表面平滑性を有しており、かつ適度なクッション性も併せ持っているからである。そして、適度なクッション性を有していることにより、熱転写時の加熱ヘッド/転写リボン/受像シート間で均一かつ十分な接触ができるようになり、均一かつ高濃度の印刷物が得られるようになる。しかし、ポリプロピレン系合成紙を基材として用いた場合には、ポリプロピレン系合成紙が極めて塑性変形しやすく、かつ可撓性に乏しいため、受像紙を軽くたわませただけで表面に折れシワが入り、印刷物の品位を著しく損なってしまうという重大な欠点があった。
これに対し、ポリプロピレン系合成紙の代わりにポリエステル系空洞含有フィルムを用いる方法も提案されている。しかし、ポリエステル系空洞含有フィルムは、一般にポリプロピレン系合成紙よりも剛性が大きく、クッション性が不十分である。従って、ポリエステル系空洞含有フィルムを用いてポリプロピレン系合成紙を用いた場合と同等の画像濃度を得るためには、クッション性を確保するために空洞含有率をポリプロピレン系合成紙の空洞含有率より高めなければならない。その結果、空洞の大きさが著しく大きくなって、表面の平滑性が損なわれたり、表面に容易に折れシワが生じやすくなるという本末転倒の結果となってしまう。更に、空洞含有率を大きくした場合には、製造安定性が著しく不良となるため、工業スケールで安定してこれを製造する事は極めて困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点すなわち、表面平滑性に優れ、十分な画像濃度、鮮明度が得られ、かつ耐折れシワ性に優れた受像シートが得られないという問題を解決せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平均粒径が0.1〜1μmを20〜50重量%含有し、該微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(スキン層)とポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部に含有したフィルム(コア層)が積層されてなる少なくとも1軸に配向することにより内部に多数の空洞を含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、逐次2軸延伸方法により縦延伸工程でフィルム表裏を異なる温度に加熱して延伸して得られたものであり、前記ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂から選ばれるものであり、スキン層中の空洞含有率が20体積%以上であって、見かけ比重が1.1以下であり、その少なくとも何れか一方の表面のダイナミック硬度が5.0以下であり、かつ前記フィルムの表面の光沢度が20%以上、平均光移動距離が0.10mm以下であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルムである。
【0005】
本発明におけるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2、6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
【0006】
本発明に用いられるポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂は任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に制限されるものではない。なお、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞とは前記熱可塑性樹脂のまわりに空洞が存在することを言い、例えばフィルムの電子顕微鏡による断面写真などで確認することができる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好んで用いられる。
【0007】
ただし、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂としてより好ましいものとしては、例えば以下のものが挙げられる。すなわち、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂として、少なくともポリスチレン系樹脂とポリメチルペンテン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を含有し、ポリスチレン系樹脂の含有量(a重量%)とポリメチルペンテン系樹脂の含有量(b重量%)およびポリプロピレン系樹脂の含有量(c重量%)が以下の関係、0.01≦a/(b+c)≦1、c/b≦1、3≦a+b+c≦20を満足することが最も好ましく、空洞率を大きくすると共に耐折れシワ性を改良するのに適している。
【0008】
ここで、ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のホモポリマーの外、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
【0009】
また、ポリメチルペンテン系樹脂とは、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が4−メチルペンテン−1から誘導される単位を有するポリマーであり、他の成分としてはエチレン単位、プロピレン単位、ブテン−1単位、3−メチルブテン−1等からの誘導単位が例示される。
かかるポリメチルペンテンのメルトフローレートは200g/10分以下であることが好ましく、更に好ましくは30g/10分以下である。これは、メルトフローレートが200g/10分を超える場合には、フィルムの軽量化効果を得にくくなるからである。
【0010】
また、本発明におけるポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン等のホモポリマーの外、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂も含まれる。
また、本発明におけるポリプロピレン系樹脂の存在状態としては、上記のポリプロピレン系樹脂を前記ポリメチルペンテンとは別に混合して用いてもよいし、ポリメチルペンテン系樹脂中にプロピレン単位を共重合成分として導入したものを用いても構わない。
【0011】
これらの空洞形成剤すなわちポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂のポリエステルに対する混合量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、フィルム全体に対して3〜20重量%の範囲とすることが好ましく、更には5〜18重量%が好ましい。そして、3重量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界がある。逆に、20重量%以上では、フィルムの延伸性が著しく損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわれるため好ましくない。
【0012】
また、フィルム中には、隠蔽性等を向上させるため、ポリエステル中あるいは非相溶樹脂中に無機または有機の粒子を必要に応じて添加してもよい。添加可能な粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、有機白色顔料等が例示されるが特に限定されるものではない。
【0013】
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、見掛け比重が1.3以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である必要がある。そして、見掛け比重が1.3より大きい場合は、フィルムに内在する空洞の量が少な過ぎ、熱転写印刷時に十分な画像濃度が得られない。一方、見掛け比重の下限は規制されないが、耐折れシワ性を確保するために0.7以上とすることが好ましく、更には0.8以上とすることが好ましい。
【0014】
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、その少なくとも何れか一方のダイナミック硬度が5.0以下であり、より好ましくは4.0以下、最も好ましくは3.0以下であることを要する。この要件は本発明の最も重要な構成要件であり、これを満足することにより、熱転写印刷時の画像濃度を飛躍的に向上させることが可能となるのである。逆に、フィルム表面のダイナミック硬度が5.0を超えた場合には、従来知られいた空洞含有ポリエステル系フィルムと同等の画像濃度しか得られない。
【0015】
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、表面のダイナミック硬度を5.0以下とすると同時に、該表面の光沢度が20%以上、より好ましくは30%以上であることを要する。これは、表面の光沢度が20%に満たない場合には、フィルム表面の平滑性ひいては熱転写受像シートの表面平滑性が損なわれ、熱転写印刷時にインクリボンと受像紙との均一密着性を得ることが困難となり、画像濃度が極端に低下するからである。また、熱転写画像もざらつき、印刷品位が大きく低下する。
【0016】
上記ダイナミック硬度と光沢度を得る方法は任意であり何ら制限されるものではないがたとえば、フィルム表面の近傍により微細な空洞をより多く形成することが出来る。
【0017】
さらに本発明の空洞含有フィルムはフィルム内部の平均光移動距離が0.15mm以下、好ましくは0.13mm以下、より好ましくは0.10mm以下でなくてはならない。平均光移動距離が0.15mmを超えると印刷したもの鮮明さが劣り、画像がぼけて見えるため好ましくない。
【0018】
この平均光移動距離は通常、写真用材料の解像度の高さを表す指標であるMTFから求めることができる。A Probability Description of the Yule-Nielsen Effect II: The Impact of Halftone Geometry (Journal of Imaging Science and Technology pp637 、volume 41 、1997)にはMTFと平均光移動距離には実験的に式1の関係があるとしている。
【0019】
【数1】
Figure 0004686797
つまり各周波数のMTF が求まればこのkpは求まることになる。しかし、通常MTF は例えば線の幅と間隔(空間周波数)が異なるスクリーンを用紙や被記録フィルム上に置いたものや直接印字をしたものの反射光の濃度から求めたり、空間周波数が連続的に変化する正弦関数分布の光から同様に反射濃度を用いて求める。だがこの方法は比較的周波数の低いところしか求められない。特に用紙や被記録用フィルムでkpを求めようとした場合は誤差が非常に大きくなるため、後述する実施例の方法から求めたkpと用紙や被記録用フィルムに印刷したものの鮮明さとが比較的よく一致する一つの方法と考える。
【0020】
均一な2軸配向フィルムであって、前記ダイナミック硬度、光沢および平均光移動距離を得るための達成手段を例示しながら詳細に説明する。まず、平均粒径が0.1〜μmの微粒子に由来する微細空洞を含有するポリエステル層(スキン層)をフィルム表面に接合することによって、前記ダイナミック硬度と光沢度を達成することが出来る。かかるスキン層中の空洞含有率についても何ら制限されるものではないが、20体積%以上の空洞を形成することが好ましい。なお、微粒子に由来する微細空洞とは微粒子のまわりの少なくとも一部に空洞が存在することを言い、例えばフィルムの電子顕微鏡による断面写真などで確認することができる。
【0021】
そして、スキン層中に添加される粒子の平均径が0.1μmに満たない場合には、後述するフィルム延伸工程での空洞形成能が著しく低下し、フィルム表面のダイナミック硬度を5.0以下とすることが困難となり、所期の熱転写感度特性の向上効果が得られない。逆に平均径が5μmを超える粒子を用いた場合には、空洞形成能は優れるものの、フィルム表面の平滑性が著しく低下して光沢度を20%以上とすることが困難となり、熱転写感度特性をかえって低下させてしまう。好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.1〜2μmで最も好ましくは0.1〜1μmである。
【0022】
かかるスキン層に添加可能な粒子としては、無機粒子であっても有機粒子であってもよく、何ら制限されるものではないが、例えば二酸化チタンや炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリンなどが挙げられる。またこれらの粒子は必要に応じて表面処理をしても構わない。その処理剤としては酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化亜鉛、シリコン系樹脂、シロキサン系樹脂、フッ素系樹脂、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤、ポリオールやポリビニルピリジンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
その中でも特に好ましい粒子としては、酸化チタン微粒子および硫化亜鉛微粒子が挙げられる。更に、フィルムにより効果的に隠蔽性を付与出来る観点から、酸化チタン微粒子が最も好んで用いられる。酸化チタン微粒子はアナターゼ型、ルチル型の何れでもよい。また、粒子表面にアルミナやシリカ等の無機処理を施してもよいし、シリコン系あるいはアルコール系等の有機処理を施してもよい。
【0024】
また、スキン層中に添加される微粒子の濃度は20〜50重量%とするそして、添加量が20%に満たない場合には空洞の形成能が不十分となって、フィルム表面のダイナミック硬度を5.0以下とすることが困難となる。逆に50%を超える場合には、フィルム表面の平滑性が急激に損なわれ、フィルム表面の光沢度を20%以上とすることが困難となる。
【0025】
また、スキン層には、必要に応じて着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。
【0026】
また、スキン層の厚みは1〜20μmかつフィルム全体厚みの30%未満であることが好ましい。そして、スキン層の厚みが1μmに満たない場合には、フィルム表面積あたりの微粒子濃度のバラツキが大きくなるため、画像濃度にムラが生じ、印刷物がザラついた印象を与える傾向にある。一方、20μmを超える厚みでスキン層を形成しても、画像濃度の向上効果は得られず無意味である。更に、スキン層厚みがフィルム全体厚みの30%を超える場合には、フィルム全体の延伸性が著しく低下する傾向にあり、安定した工業生産性を確保する上で好ましくない。
【0027】
なお平均光移動距離はスキン層およびコア層の粒子の添加量や種類、空洞の量および厚み比などにより制御できる。他のパラメータや生産性などを考慮すると、その一例としてはスキン層に酸化チタンを用いた場合、その添加量は20〜40重量%、スキン層の厚みは全体の厚みの5〜25%、見かけ比重は0.75〜1.05程度が良いようである。しかし、本発明においてはこの方法に限定されるものでない。
【0028】
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムの製造方法は逐次2軸延伸方法により製造することが出来る。まず、スキン層をフィルム表面に接合する方法としては、A層とB層の樹脂を別々の押出機に供給した後、溶融状態で積層して同一のダイから押し出す共押出法を採用することが最も好ましい。
【0029】
こうして得られた未延伸シートは、更に速度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)などによって2軸配向処理される。配向処理することにより、ポリエステル/非相溶性樹脂間およびポリエステル/微粒子間で界面剥離を生じ、微細空洞が多数発現する。
従って、未延伸シートを延伸・配向処理する条件は、空洞の生成と密接に関係する。以下では、最も好んで用いられる逐次2軸延伸方法、特に未延伸シートを長手方向次いで幅方向に延伸する方法を例にとり、延伸・配向条件を説明する。
【0030】
まず、第1段の縦延伸工程は、フィルム内部に微細な空洞を多数形成するために最も重要なプロセスである。縦延伸は、周速が異なる2本あるいは多数本のロール間で延伸する。このときの加熱手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよい。この中で最も好ましい延伸方法としては、ロール加熱と非接触加熱を併用する方法があげられる。この場合、まず加熱ロールを用いてフィルムを50℃〜ポリエステルのガラス転移点以下の温度に予備加熱した後、フィルムの表裏について独立した制御系の赤外線ヒータで加熱する。このとき、スキン層面がより低温となるように加熱し、不足する熱量は反対面からの赤外線加熱で補う。このように、フィルム表裏を異なる温度に加熱して延伸することが極めて重要である。そして、非接触の加熱装置で温度差を設ける方法は一つの好ましい例に過ぎず、他の方法、例えば異なる温度のロール間にフィルムを挟んで加熱する方法等によっても同様の効果が得られる。何れにしろ、フィルム全体の加熱を反スキン層側から主体的に行ってフィルムを均一に延伸するに足りる十分な熱量を供給し、スキン層面をより低い温度で延伸することが、スキン層中に無機微粒子由来の空洞を多数形成させるために重要なポイントである。
【0031】
次いで、このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導入し、幅方向に 2.5〜5倍に延伸する。このときの好ましい延伸温度は、100℃〜200℃である。
このようにして得られた2軸延伸フィルムに対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター中で行うのが好ましく、ポリエステルの融点Tm−50℃〜Tmの範囲で行うのが好ましい。
【0032】
上記の製造方法で得られた本発明の空洞含有フィルムは、スキン層中に十分な微細空洞を含有するとともに、その製造安定性も優れている。
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムは、少なくともそのいずれか一方の表面に塗布層を有していても構わない。そして、塗布層を設けることにより、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着性を改良することができる。塗布層を構成する化合物としては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を向上させる手段として開示されている化合物等が適用可能である。
【0033】
また塗布層を設ける方法としては、グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸後に塗布する方法、配向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などのいずれの方法も可能である。
【0034】
このようにして得られた空洞含有ポリエステル系フィルムは、従来の空洞含有フィルムに対し、優れた耐折れシワ性と表面の平滑性を有しつつ、飛躍的な画像濃度の向上効果が得られる。
本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムを用い、熱転写受像シートを作成するためには、フィルム表面に熱転写インクシートから移行してくるインクや拡散性(昇華性)染料を受容するための記録層を形成すればよい。この場合、フィルム上に直接記録層を形成してもよいし、易接着層や白色度向上層あるいは帯電防止層等の下塗り層を介して形成してもよい。
【0035】
また、本発明の空洞含有ポリエステル系フィルムを単独で基材として用いてもよいし、他の基材と複合して用いてもよい。複合可能な他の基材としては、天然紙、各種合成樹脂フィルム、織布、不織布等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
また、受容層を形成する面とは反対側の面に粘着加工を施し、熱転写印刷可能な粘着ラベルとして用いてもよい。
【0036】
かくして得られた空洞含有ポリエステルフィルムは従来提案されていたものに比べ、表面平滑性に優れ、十分な画像濃度、解像度が得られ、かつ耐折れシワ性に優れたものであるため、ラベル、カード、包装材料、地図、白板、建材、壁紙、化粧板、配送伝票、磁気カード、電気絶縁材料、ディスプレイ反射板、好ましくは、熱転写、昇華転写、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタなどの受像シート、印画紙などに最適な基材となる。
【0037】
実施例
次に本発明の実施例および比較例を示す。
本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
1)見かけ比重
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)を求める。次にサンプルの重量を0.1mgまで測定し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ比重を計算した。
見かけ比重(−)=(w/t)×10000
【0038】
2)ダイナミック硬度
島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−201)を用い、115゜の三角すい圧子に0.2gfの荷重を与え荷重と圧子の押し込み深さからダイナミック硬度を次式により求めた。
Figure 0004686797
【0039】
3)表面光沢度
日本電色工業社製 VGS−1001DPを用いて、60度での反射率を求めた。
【0040】
4)熱転写感度特性(相対画像濃度)
下記組成の塗工液
水分散性共重合ポリエステル樹脂 : 2 部
水分散性アクリル・スチレン共重合樹脂: 5 部
水分散性イソシアネート系架橋剤 : 0.5部
水 : 67.4部
イソプロピルアルコール : 25 部
界面活性剤 : 0.1部
を乾燥後重量が4g/m2 となるようにフィルム表面に塗工し、寸法固定して160℃で30秒間熱処理して記録層を形成し、熱転写受像シートを作成する。
このようにして得た熱転写受像シートをA6サイズにカットしたサンプルについて、市販のインクリボン(株式会社キャラベルデータシステム製昇華転写プリンター用プリントセットP−PS100)と市販熱転写プリンタ(ボン電気株式会社製熱転写型ラベルプリンターBLP−323)を用いて、印字スピード100mm/秒、ヘッド電圧18Vで印字する。印字パターンには、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、およびそれらを重ね印字したK(ブラック)の4色について、各色9mm×9mmの正方形のベタ文字を7個ずつ(計28個)A6シート内に配置したパターンを用いる。
印字後、マクベス濃度計(TR−927)を用いて、CMYK各色の反射濃度を計測し、4色(計28カ所)の平均濃度を求める。
同様に、市販の受像紙(株式会社キャラベルデータシステム製昇華転写プリンター用プリントセットP−PS100:天然紙の両面に発泡ポリプロピレンフィルムをラミネートし、記録層を形成したもの)についても同様の方法で平均濃度を求め、市販受像紙の濃度に対するサンプルの濃度の比率(%)で熱転写感度特性を評価する。
【0041】
5)耐折れシワ性
上記の方法で作成した熱転写受像シートを長さ5cm、幅1cmの短冊状に切り取り、直径5mmのガラス棒に巻き付け、しごく。その後サンプルを再度伸ばし、実体顕微鏡を用いて表面に発生した折れシワの状態を観察した。
ランクA:折れシワなし
ランクB:全面に細い折れシワあり
ランクC:全面に太い折れシワあり
【0042】
6)スキン層の厚み
フィルムの切断面を電子顕微鏡で観察して実測した。
【0043】
7)スキン層中の空洞含有率
未延伸フィルムのスキン層厚みをT1 、2軸延伸フィルムのスキン層厚みをT2 、フィルムの総合延伸倍率=縦延伸倍率×横延伸倍率(未延伸フィルムに倍率マーカーを記入して実測)をDとし、次式によって算出した。
空洞含有率(%)=100−100×T1 /(T2 ×D)
なお、スキン層中の空洞含有率は上記の方法によって計測出来る他、ヒートプレス前後のスキン層厚み変化率や電子顕微鏡を用いた断面観察等からも算出可能である。ヒートプレス法で空洞含有率を評価する場合には、ヒートプレス機でフィルム中の空洞を完全に押しつぶし、ヒートプレス前後でのB層厚み(電子顕微鏡観察)変化率をF=(ヒートプレス後のB層厚み)/(ヒートプレス前のB層厚み)、ヒートプレス前後でのフィルム単位面積当たりの重量変化率をG=(ヒートプレス後の単位面積当たり重量)/(ヒートプレス前の単位面積当たり重量)とした場合、次式によって算出出来る。
空洞含有率(%)=100−(F/G)×100
【0044】
8)フィルム内部の平均光移動距離kp
測定フィルム上にドットスクリーンを置き各ドット面積比でのフィルム部分の反射率を測定する。その面積比に対する反射率をプロットし、式2と最小二乗法にて最小値になるようにkpの値を決定する。その時のkpの値を平均光移動距離とする。なお、測定機、条件などは以下のとおりとする。
スクリーン:透明ポリエステルの上に写真用乳剤にてAMハーフトーンを65dpiで作成したもの。ドット面積率は0〜100%までで少なくとも10%おきと95%を使用する。
測定装置:Edmund Scientific 社製Infiviver ビデオマイクロスコープからCCDカメラ(ソニー(株)製XC-78 )にて画像を取り込む。このとき拡大率は14インチテレビモニタにて横幅が2mmとなるようする。画像は512×384ピクセルに分解し、各点での反射率(酸化アルミニウム白板を基準とする)を求めると反射率の分布が得られる。その最も点の多い反射率をこのサンプルの反射率Rpとし、各ドット面積比F に対してプロットする。なお画像解析ソフトはIMAGELAB(Werner Frei Associates製)を用いたが、機能を満たせば他のソフトでも構わない。
【0045】
【数2】
Figure 0004686797
なお、このAの値は、Imaging Science(著者J.C.Dainty他、出版Academic Press)のpp244 に報告している紙のMTF の求め方で、酸化チタン(TA-300富士チタン株式会社製)を5%含有した厚さ100 μm のポリエステルフィルムにてMTF を求め、それが最小二乗法にて式1にもっとも近似するときのkpを求める。このkpを用いて上記のスクリーンを用いた方法で最小となるAの値が0.810 でありそれを採用した。
サンプルはRpが台座の影響を実質的に受けない枚数重ねて行う。
【0046】
9)画像の鮮明度
プリンター(オリンパス光学製 CAMEDIA P-300)にてPhotoCD (コダック製)からの画像を打ち出し、鮮明な画像なら◎、実質的に問題がなければ○、ぼやけて見えるなら×とした。
【0047】
実施例1
(空洞形成剤の調整)
原料として、メルトフローレート1.7 のポリスチレン樹脂(三井東圧株式会社製トーポレックス570-57U )20重量%とメルトフローレート1.7 のポリプロピレン樹脂(三井東圧株式会社製ノーブレンFO-50F)20重量%およびメルトフローレート8のポリメチルペンテン樹脂(三井石油化学株式会社製TPX,DX−845)60重量%をペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調整した。
【0048】
(微粒子含有マスターペレットの作成)
原料として極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート樹脂50重量%に平均粒径 0.3μm(電顕法)のアナタース型二酸化チタン(富士チタン株式会社製TA-300)50重量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して混練りして微粒子(酸化チタン)含有マスターペレットを調整した。
次いで、上記の方法で得られた空洞形成剤10重量%と微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット5重量%および固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂85重量%をペレット混合して真空乾燥を施し、A層を構成するフィルムの原料とした。
一方、極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂30重量%と前記の微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット70重量%をペレット混合して真空乾燥を施し、B層を構成するフィルムの原料とした。
【0049】
(未延伸フィルムの作製)
次いで上記の各層を構成するフィルムの原料をそれぞれ別個の押出し機に供給し、フィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて93対7体積比に制御した。次いでTダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、厚み約600μmの未延伸シートを作成した。このとき、B層側が非ドラム面、A層側がドラム面となるように押し出した。
【0050】
(2軸延伸フィルムの作製)
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱し、65℃に温度制御したメタルロールと温度非制御のゴムロールとでフィルムを挟んで速度規制(2m/分)し、同様に速度規制(6.8m/分)した高速ロール(メタルロールは30℃に温度制御、ゴムロールは温度制御せず)との間で3.4倍に延伸した。このとき、速度規制した2組のロールは、速度規制点の間隔が25cmとなるように平行に設置し、B面(非ドラム面)側がゴムロール面に接触するように配置した。また、ニップロール中央部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒータ(定格20W/cm)をフィルムの両面に対向して設置(フィルム表面から1cmの距離)し、A層面を定格の100%の電流で加熱し、B層面を定格の60%で加熱した。このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、140℃に加熱して 3.7倍に横延伸し、幅固定して 220℃で5秒間の熱処理を施し、更に 220℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み75μmの空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例1)を得た。
【0051】
比較例1
フィルムの縦延伸に際し、フィルムの両面を定格の95%の電流値で赤外線加熱することを除いては、実施例1と全く同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例1)を得た。
【0052】
比較例2
B層の原料として、極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂84重量%と微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット16重量%をペレット混合して真空乾燥したものを用いること以外は、実施例1と同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例2)を得た。
【0053】
比較例3
A層を構成するフィルムの原料として、真空乾燥を施した微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット10重量%と真空乾燥を施した固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂83重量%およびメルトフローレート1.7 のポリスチレン樹脂(三井東圧株式会社製トーポレックス570-57U )7重量%をペレット混合したものを用いること以外は、実施例1と同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例3)を得た。
【0054】
実施例2
B層に用いる微粒子含有マスターペレットとして、酸化チタン粒子に代えて平均粒子径 0.3μm(電顕法)の硫化亜鉛微粒子を用いること以外は、実施例1と同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例2)を得た。なお、A層の原料は実施例1と全く同一のものを用いた。
【0055】
実施例3
A層とB層の吐出量比率を85対15体積比に変更し、B層吐出量を均等に二分割してA層の両面にB層を形成すること以外は実施例1と同様の方法により、B1層(非ドラム面)/A層/B2層(ドラム面)構成の未延伸シートを作成した。その後の延伸・熱処理工程は実施例1と全く同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例3)を得た。
【0056】
実施例4
B層の原料として、固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂40重量%と実施例1で用いた微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット50重量%、蛍光増白剤含有マスターペレット(固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂中にイーストマン社製OB−1を2重量%含有)10重量%をペレット混合して真空乾燥したものを用いた。これ以外は実施例1と全く同じ方法で未延伸フィルムを作成した。
得られた未延伸シートを、加熱ロールを用いて83℃に均一加熱し、93℃に温度制御したメタルロールと非加熱のゴムロールとでフィルムを挟んで速度規制(2m/分)し、同様に速度規制(6.8m/分)した高速ロール(メタルロールは30℃に制御、ゴムロール温度は制御せず)との間で 3.4倍に延伸した。このとき、速度規制した2組のロールは、速度規制点の間隔が25cmとなるように平行に設置し、B面(非ドラム面)側がゴムロール面に接触するように配置した。なお、本実施例では補助加熱装置を用いず、ロール加熱のみによってフィルムを加熱した。
このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、130℃に加熱して 3.5倍に横延伸し、幅固定して 220℃で5秒間の熱処理を施し、更に 220℃で幅方向に4%緩和して空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例4)を得た。
【0057】
比較例4
真空乾燥を施した固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレートチップ88重量%に分子量4000のポリエチレングリコールフレーク2重量%およびメルトフローレート180のポリメチルペンテンペレット(三井石油化学株式会社製TPX,DX−820)10重量%を加えて混合し、A層を構成するフィルムの原料とした。
一方、実施例1と同様の方法で、平均粒子径0.8μm(電顕法)の炭酸カルシウム粒子(備北粉化株式会社製、ソフトン3200)を30重量%含む微粒子(炭酸カルシウム)含有マスターペレットを作成し、このマスターペレット45重量%と極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂55重量%を混合して真空乾燥を施し、B層を構成するフィルムの原料とした。
上記の各層を構成するフィルムの原料をそれぞれ別個の押出し機に供給し、フィードブロックを用い、A層の両面にB層を接合した。その後の工程は、常法により、98℃で 3.5倍に縦延伸し、 125℃で 3.2倍に横延伸、次いで 220℃で熱処理し、空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例4)を得た。
【0058】
比較例5
A層を構成するフィルムの原料組成比率を、空洞形成剤/微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット/固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂=7/5/88とすること以外は、実施例1と全く同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例5)を得た。
【0059】
【発明の効果】
本願発明は表面平滑性に優れ、十分な画像濃度、解像度が得られ、かつ耐折れシワ性に優れた空洞含有ポリエステルフィルムである。
【0060】
【表1】
Figure 0004686797
【0061】
【表2】
Figure 0004686797

Claims (5)

  1. 平均粒径が0.1〜1μmの微粒子を20〜50重量%含有し、該微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(スキン層)とポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部に含有したフィルム(コア層)が積層されてなる少なくとも1軸に配向することにより内部に多数の空洞を含有する空洞含有ポリエステル系フィルムであって、逐次2軸延伸方法により縦延伸工程でフィルム表裏を異なる温度に加熱して延伸して得られたものであり、前記ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂から選ばれるものであり、スキン層中の空洞含有率が20体積%以上であって、見かけ比重が1.1以下であり、その少なくとも何れか一方の表面のダイナミック硬度が5.0以下であり、かつ前記フィルムの表面の光沢度が20%以上、平均光移動距離が0.10mm以下であることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。
  2. スキン層の厚みが1〜20μmかつフィルム全体厚みの30%未満であることを特徴とする請求項1に記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  3. スキン層に添加される微粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  4. スキン層に添加される微粒子が硫化亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載の空洞含有ポリエステル系フィルム。
  5. ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂として、少なくともポリスチレン系樹脂とポリメチルペンテン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を含有し、ポリスチレン系樹脂の含有量(a重量%)とポリメチルペンテン系樹脂の含有量(b重量%)およびポリプロピレン系樹脂の含有量(c重量%)が以下の関係を満足することを特徴とする請求項1及至4に記載のいずれかの空洞含有ポリエステル系フィルム。
    0.01≦a/(b+c)≦1c/b≦13≦a+b+c≦20
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