JP4686256B2 - 積層型多孔性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は積層型多孔性フィルムに関し、詳しくは、水滴は通過さないが水蒸気等の気体を通過させる透湿性の多孔性フィルムにおいて、薄膜化しつつも引裂強度および耐熱性を高め、加工性を良好とし、かつ紙おむつ等とした場合に触感を損なわないようにするものである。
近年、使い捨てオムツの需要が高まっており、そのバックシートとなる透湿性フィルムのニーズも年々増加しつつある。また、使い捨て生理用品の用途でもバックシートとして透湿性フィルムを使用する傾向が強まっている。
このようなニーズの増大に対応するため、透湿性フィルムには大量生産に適した加工性の向上と同時にコストダウンが求められており、フィルム自体の機械特性および熱特性などを極力維持しつつ、どこまで薄膜化できるかが課題となっている。
特に使い捨ておむつや生理用品に使用される透湿性フィルムの場合、コストダウンと軽量化などの目的から薄膜化への要求が市場において非常に強い。
一方で、最も重要な機能である透湿性はさらに高いレベルを要求されている。
しかしながら、透湿性フィルムにおいて透湿性と薄膜化と両立させるのは困難であった。透湿性フィルムとしては、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤を配合した樹脂組成物を成形し、その後、延伸処理により微細孔を設けた多孔性フィルムが一般的に用いられている。
前記多孔性フィルムでは、薄膜化すると成形時の樹脂組成物の配向状態が機械方向に偏るため、ボイド(空孔)が厚み方向につながりにくく、十分な透湿度が得られない。無理に延伸倍率を高倍率として透湿度を得ようとすると引裂強度が極端に低下し、膜厚が薄いほどより引裂強度の低下が顕著となる。
また、薄膜化に伴い剛性が低くなり、紙オムツや生理用品の製造ラインでの加工性が悪化する。さらに、ホットメルト接着剤の塗布など120℃以上の高温になる加工工程がある場合は、熱に対する耐久性が弱いため穴があくなどの問題が生じる。
薄膜化しても機械方向の引裂強度や耐熱性を十分に確保するために、従来、主原料として用いられている線状低密度ポリエチレンを密度および融点のより高い樹脂に変更することが考えられる。しかし、この方法では、フィルムの触感が硬くなり、出来上がりの製品を扱う時ガサガサとした感じになり好ましくない。
さらに、膜厚が薄くなると、充填剤の凝集物や異物、僅かな分解物などを起点に0.5mm以上の大きな穴が開いてしまう確率が高くなる。
前記単層の多孔性フィルムが有する問題点を解決するために、多孔性フィルムを積層構造とすることが従来より行われている。
例えば、特開平2−296840号公報(特許文献1)では、充填剤の容積比率が大きい層を表面に位置させた積層構造の多孔性フィルムが提供されている。当該発明は、単層の多孔性フィルムでは表面がスキン層を形成して表面開口率が小さくなるという問題点を解決し、表面開口率を増大させることに成功している。
また、特開平3−53931号公報(特許文献2)では、表層に中層のポリオレフィンよりも融点の低い樹脂からなる層を配置させた積層構造の多孔性フィルムが提供されている。当該発明では、熱的挙動が異なる樹脂を利用してヒートシール性が付与されている。
さらに、特許第3169274号(特許文献3)では、内外層にポリオレフィンからなる層を、中間層にポリアミドからなる層を配置させた積層構造の多孔性フィルムが提供されている。当該積層多孔性フィルムは、優れた引張強度を有し、かつ、粘着テープ剥離耐性も優れたものとされている。
特開平2−296840号公報(請求項1) 特開平3−53931号公報(請求項1) 特許第3169274号(請求項1)
前記特許文献1および特許文献2の積層型多孔性フィルムでは、耐熱性が改善されておらず、また厚みを大きくすれば触感が硬くなる傾向がある。
さらに、特許文献1の積層多孔性フィルムでは特にB層の充填剤の配合量が少ないため、満足な透湿性を得ようとすると勢い延伸倍率が高くなり、その結果引裂強度が低くなる。一方、引裂強度を高く保とうとすると延伸倍率を低く抑えなければならず、満足な透湿性が得られないという問題があった。
特許文献2の積層多孔性フィルムでは充填剤の配合量が多いため、樹脂中の充填剤の分散性が悪く、フィルムの機械強度が損なわれるという問題があった。
特許文献3の積層型多孔性フィルムでは、内外層を構成する樹脂と中層を構成する樹脂とが異なるために、内層と中層および中層と外層の間にさらに接着樹脂層を介在させたり、内層および外層に接着性樹脂をブレンドしたりする必要がある。その結果、製造工程が煩雑になり、大量生産に適さず、コスト低下を図ることができないという問題がある。
本発明は、前記した問題に鑑みてなされたもので、薄くても、引裂強度および耐熱性を高めて加工性を改善し、かつ、透湿性が高く、触感も良好な積層型多孔性フィルムを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、A層とB層との少なくとも2層が積層され、積層状態で少なくとも1軸方向に延伸して得られる積層型多孔性フィルムであって、
前記A層はメルトインデックス(MI)が0.1〜10g/10分、密度が0.94〜0.96g/cmであるポリエチレンに、平均粒径が0.5〜3.0μmの充填剤が樹脂組成物全体に対する容積率で20〜60%含まれている層であり、
前記B層はメルトインデックス(MI)が0.1〜10g/10分、密度が0.90〜0.939g/cmであるポリエチレンに、平均粒径が0.5〜3.0μmの充填剤が樹脂組成物全体に対する容積率で20〜60%含まれている層であり、
引裂強度が1.5gf以上100gf以下、透湿度が2,000〜10,000g/m /24hrであり、
全体厚みが5〜25μmであることを特徴とする積層型多孔性フィルムを提供している。
本発明は種々の樹脂を用いて試行錯誤の検討を行った結果、前記構造とすれば薄膜化しても優れた透湿性を確保でき、単層の多孔性フィルムではなし得なかった薄膜化と透湿性の両立を図ることができるばかりでなく、機械方向の引裂強度、剛軟度および耐熱性が高いため加工性を向上させることができることを知見してなされたものである。
また、本発明の積層型多孔性フィルムは、各層が同じ種類の樹脂で構成されているので、前記特許文献3に記載の発明のように層間の接着性を確保するために特別な処理を行う必要がなく、生産工程を簡素化して大量生産に適したものとすることができる。
本発明は0.94g/cmを境界として密度が相違する少なくとも2種類のポリエチレンを用いて積層構造としたことを特徴としている。
詳細には、前記A層に使用されるポリエチレンは、メルトインデックス(MI)が0.1〜10g/10分、密度が0.94〜0.96g/cmであれば、公知のポリエチレンを用いてよい。A層に使用されるポリエチレンは、前記物性を満たせば2種以上のポリエチレンの混合物であってもよい。
前記B層に使用されるポリエチレンはメルトインデックス(MI)が0.1〜10g/10分、密度が0.90〜0.939g/cmであれば、公知のポリエチレンを用いてよい。具体的には、例えば、線状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレンもしくは長鎖分岐導入線状低密度ポリエチレン等が挙げられる。本発明のB層においては、前記の樹脂の2種以上を混合して用いても良い。
なかでも、B層に使用されるポリエチレンとしては線状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンの混合物が好適に用いられる。
線状低密度ポリエチレンは炭素数が3〜8の分子骨格であるα−オレフィンとエチレンとの共重合体である。
分岐状低密度ポリエチレンはエチレンを公知の高圧法で重合させることによって得られるものである。
線状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンの混合比率としては、線状低密度ポリエチレンが通常75〜98質量%、好ましくは80〜95質量%、分岐状低密度ポリエチレンが通常25〜2質量%、好ましくは20〜5質量%である。分岐状低密度ポリエチレンが25質量%を超えると溶融状態でのフィルムの伸びが低下し、フィルムに加工することが難しくなる。一方、2質量%未満では均一厚みのフィルムを得ることが難しくなる。
A層およびB層に配合する充填剤としては、A層およびB層とも平均粒径が0.5〜3.0μmの範囲のものを用いている。
充填剤の平均粒径は浸み出し防止性に極めて大きな影響があり、平均粒径が0.5μm未満であると、圧延処理で空孔を形成する際に空孔が形成され難く透気性および透湿性が不十分となる。一方、平均粒径が3.0μmより大きいと、空孔が大きくなりすぎ、防水性が低下し、紙おむつや生理用品とした場合に人尿や経血の浸み出し量が多くなるからである。充填剤の平均粒径は0.5〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることがより好ましい。
充填剤の平均粒径は、恒圧式透過法により、島津式粉体比表面積測定器SS−100を用いて測定した比表面積から算出している。測定条件としては、試料重量を3.0g、試料厚を1.35cm、試料層の断面積を2cm、空気圧力を50cmHOとし、空気の粘性係数を181×10−6g/(cm・sec)として計算している。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカまたはタルク等の無機充填剤が挙げられる。有機充填剤を用いてもよい。なかでも、安価であることから無機充填剤が好ましく、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムが特に好ましい。
無機充填剤を用いる場合は、樹脂中での分散性向上のため表面処理剤で充填剤の表面を処理しておくのが好ましい。
前記表面処理剤としては無機充填剤の表面を被覆することにより、その表面を疎水化できるものが好ましい。例えばステアリン酸もしくはラウリン酸等の高級脂肪酸またはそれらの金属塩、ヒドロキシカルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸の重合物、これらの水素添加物、これらの金属塩等を挙げることができる。
表面処理剤の処理量としては、無機充填剤100質量部に対し0.5〜5質量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜3質量部である。少なすぎても多すぎても樹脂中での無機充填剤の分散性が悪くなり押出が安定しにくくなる。処理方法としては、ヘンシェルミキサーまたはリボンブレンダー等の通常の攪拌機を用い、室温ないし加熱された状態で処理する一般的な方法や表面処理剤を噴霧しながら処理する方法等がある。
充填剤の混合比率は樹脂組成物全体に対する容積率で20〜60%に設定している。容積率を20〜60%とするのは、20%未満であると、十分な通気性および透湿性が得られにくく、高い透湿度を得ようとすると延伸倍率が高くなりすぎて引裂強度が不十分となる。一方、充填剤の混合比率が樹脂組成物全体の容積率で60%を超えると、樹脂中の充填剤の分散性が悪いため欠陥が発生しやすく、かつフィルムの機械強度も損なわれるからである。
充填剤の容積率は32〜60%であることが好ましく、32〜50%であることがより好ましい。
A層における充填剤の混合比率とB層における充填剤の混合比率の関係は特に限定されない。両者が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
A層およびB層を構成する樹脂組成物には、ポリエチレンおよび充填剤に加えて、更に第三成分を添加してもよい。第三成分としては、エステル化合物、アミド化合物、側鎖を有する炭化水素重合体、鉱油、シリコーンオイル類を挙げることができる。このような第三成分を配合することにより、本発明の積層型多孔性フィルムを製造する際の加工性が向上する等の利点がある。
具体的には、エステル化合物としては、アルコールとカルボン酸からなる構造のモノもしくはポリエステル系化合物であればいかなるものでもよく、ヒドロキシル基およびカルボキシル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル基の形で封鎖された化合物でも良い。具体的には脂肪酸エステル化合物が挙げられ、より具体的にはステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、極度硬化油、硬化ひまし油、精製ひまし油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、テトラグリセリンペンタエステル、ペンタエリスリトールテトラオクタノエート等が挙げられる。
アミド化合物はアミンとカルボン酸からなる構造のモノもしくはポリアミド化合物であればいかなるものでもよく、アミノ基およびカルボキシル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的にはステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム等およびそれらの誘導体が挙げられる。
側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域のものが好ましい。エチレン−プロピレンの共重合体、例えば三井石油化学工業(株)製の商品名「ルーカント」やそのマレイン酸誘導体;イソブチレンの重合体、例えば出光石油化学工業(株)製の商品名「ポリブテンHV−100」;ブタジエンもしくはイソプレンのオリゴマーおよびその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物およびこれらから誘導される誘導体;ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、例えば末端ヒドロキシポリブタジエン水添物(三菱化学(株)製の商品名「ポリテールHA」)等が挙げられる。
鉱油としては、流動パラフィンまたはパラフィンワックス等が挙げられる。
シリコーンオイル類としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコンオイル)、ポリメチルフェニルシロキサンもしくは環状ジメチルポリシロキサンのようなシロキサン構造とアルキル基のみで構成されるものや、アルキル基が各種の官能基で変性されたシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、メルカプトシリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、メチルアルコキシ変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記第三成分の添加量は、フィルムの厚みの均一性、延伸性、フィルムの風合い、フィルムの成形性、フィルムの接着性などに影響を及ぼす。添加量が多すぎると、これらがフィルムからブリードアウトし、接着性が悪くなる。一方、添加量が少なすぎると、フィルムが硬くなり、風合いや厚み均一性も悪くなる。かかる点を考慮しつつ第三成分の種類に応じて添加量を適宜選択すればよい。具体的には、第三成分の添加量は各層を構成する樹脂組成物100質量部に対し0.5〜5質量部が好ましい。
A層およびB層を構成する樹脂組成物には、当該技術分野で用いられている添加物、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等を配合してもよい。
本発明の積層型多孔フィルムは全体厚みが5〜25μmである。5〜25μmとしているのは、5μm未満であると機械的強度および剛性が不足し、加工性が悪くなり、25μmを超えるとフィルムの生産効率が悪くなるからである。特に10〜20μmが好ましい。
本発明の積層型多孔性フィルムにおいては、全体厚みを100としたとき1層または2層以上存在するA層の厚みの合計が7〜93、好ましくは15〜90、より好ましくは20〜90で、1層または2層以上存在するB層の厚み合計が93〜7、好ましくは85〜10、より好ましくは80〜10である。
本発明の積層型多孔フィルムにおいては、前記A層とB層の少なくとも2層を積層した構成であれば限定されない。2層、3層、4層、5層構成のいすれでも良い。例えば、
A層/B層の2層構造、
A層/B層/A層またはB層/A層/B層の3層構造、
A層/B層/A層/B層の4層構造、
A層/B層/A層/B層/A層またはB層/A層/B層/A層/B層の5層構造等が挙げられる。
なかでも本発明においては3層構造を有することが好ましい。なお、A層が2層以上存在する場合、各A層は必ずしも同じ組成でなくてもよい。B層が2層以上存在する場合も同様である。
また、前記A層およびB層の2種類の層に加えて、A層およびB層以外の層(α層)を積層させてもよい。α層を積層させることにより、例えばインキの濡れ性または撥水性の向上など層間の接着性や表面の特性を改善することができる。
α層を積層させる場合の層構成も特に限定されない。例えば、A層/α層/B層/α層/A層、またはB層/α層/A層/α層/B層のように5層構造を成していてもよい。さらに、α層/A層/B層/A層、またはα層/B層/A層/B層のように4層構造を成していてもよい。
前記α層としては特に限定されないが、例えば水蒸気透過性を有するポリアミドからなる層が挙げられる。ポリアミドとして、具体的にはε−カプロラクタム等の開環重合により得られるポリアミド、ヘキサメチレンジアミン等とアジピン酸、セバシン酸もしくはドデカン二酸等との重縮合により得られる脂肪族ポリアミドが挙げられる。
前記本発明の積層型多孔性フィルムは、例えば、下記の製造方法で製造している。
即ち、まず、各層を構成する樹脂組成物を作製する。具体的には、ポリエチレン、充填剤、所望により第三成分およびその他の添加剤をヘンシェルミキサー、スーパーミキサーまたはタンブラー型ミキサー等を用いて混合した後、一軸もしくは2軸押出機またはニーダー等で加熱混練し、ペレット化する。樹脂組成物を混練したのちペレット化せずにフィルムの製膜工程に供しても良い。
フィルムの製膜方法としては、熱接着法、押出しラミネーション法、ドライラミネーション法、共押出法等が挙げられる。なかでも、Tダイ成形法またはインフレーション成形法による共押出法が特に好適に用いられる。
これは、特に全体厚みが25μm以下のような薄膜の場合は、A層およびB層を別々に製膜してから熱ロールなどで融着させる方法は均一な接着強度で接着させにくく、皺などの欠陥も発生しやすいからである。さらに、共押出法で積層する場合は、A層およびB層の結晶化温度の違いにより、結晶化温度が低い樹脂を含む層が製膜時、機械方向の配向が緩和し、延伸により多孔化しやすくなるので、各層を単層で製膜した場合より通気性および透湿性が高くなる傾向があり好ましい。特に、Tダイ法よりインフレーション法の方がこの結晶化温度の違いによる配向緩和が起こりやすく、より適している。
共押出法においては、各層を構成する樹脂組成物のペレットを別々の押出機でポリオレフィンの融点以上、好ましくは融点+20℃以上、分解温度未満の温度において溶融し押出を行い、ダイス内またはダイスに流入する前の合流部で、溶融状態で積層させてからシート状に製膜している。
製膜されたフィルムに対し、ロール法またはテンター法等の公知の方法により、室温〜樹脂の軟化点(JIS K 6760に規定される方法により測定した値)において延伸を行い、樹脂成分と充填剤との界面剥離を起こさせて微細孔を形成して多孔性フィルムとしている。
延伸方向は一軸方向のみでも二軸方向でも良く、二軸方向を同時に延伸するチューブラー二軸延伸でもクリップレール式のテンターを使用する逐次二軸延伸でもよい。また、延伸は一段で行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。
延伸倍率は特に限定されないが、倍率が高すぎても低すぎても好ましくない。フィルムの配向状態を制御して、得られるフィルムの水蒸気および空気の透過性を保持し、液の浸み出しを防止し、フィルムのソフト感等を得られる性状となる延伸倍率とする。かかる観点から、本発明における延伸倍率は、一軸方向の延伸倍率が1.2〜5倍、好ましくは1.5〜3.0倍の範囲内である。二軸方向に延伸する場合は、その面積延伸倍率は1.5〜10.0、好ましくは2.0〜5.0の範囲内である。
本発明によって製造される積層型多孔性フィルムの物性は、各層の樹脂成分の選定、各層の膜厚比、充填剤の充填割合、充填剤の種類もしくは粒径、第3成分の種類もしくは配合割合、延伸条件(延伸方向、延伸倍率、延伸温度等)によって自由に変えることができる。
しかし、大量生産に見合った加工性を付与するため、本発明の積層型多孔性フィルムにおいては、機械(MD)方向のシングルタング法で測定した引裂強度が1.5gf以上、好ましくは2.0gf以上で、100gf以下である。これは引裂強度が1.5gf未満であると製造工程における加工性が悪くなる一方、引裂強度は大きい方が好ましいが通常は100gf以下であることによる。
さらに、本発明の積層型多孔性フィルムでは、透湿度が2,000〜10,000g/m/24hrである。これは、透湿度が2,000g/m/24hr未満であると、蒸気の透過性が悪くなり、例えば衛生材料に応用した場合には蒸れが生じ、建材に応用した場合には結露が生じるなど透過性フィルムとして実用に適さない。一方、透湿度が10,000g/m/24hrを越えると蒸気が透過しすぎて実用に適さない。透湿度は5,000〜10,000g/m/24hrであることが好ましく、5,000〜8,000g/m/24hrであることがより好ましい。
本発明の積層型多孔性フィルムは剛軟度が20〜70mmである。剛軟度はフィルムのコシを表す指標であるが、この剛軟度が70mmより大きいとフィルムのコシが強すぎて、フィルムの触感が硬くなり、出来上がりの製品を扱う時ガサガサとした感じになり、剛軟度が20mmより小さいとフィルム
にコシがなくなり、例えばフィルムをロールパスさせる場合などそのハンドリングが非常に困難となったり、フィルムにシワが発生しやすくなり生産歩留りが著しく低下したりする。
本発明の積層型多孔性フィルムにおける剛軟度は25〜65mmであることが好ましく、30〜60mmであることがより好ましい。
本発明の積層型多孔性フィルムにおいては、下記実施例に記載の方法で測定される耐熱温度が130℃以上としている。耐熱温度が130℃未満ではフィルムをホットメルトで不織布と張り合わせるなど高温での加工の際、フィルムが溶けて穴があいてしまう場合があるからである。
前記特性を有する本発明の積層型多孔性フィルムは、膜厚が薄くても、適度の透湿性を有する。そのため、使い捨て紙オムツ、生理用品等の体液吸収用パットもしくはベッドシーツ等の衛生材料、手術衣もしくは温湿布用基材等の医療用材料、ジャンパー、スポーツウエアもしくは雨着等の衣料用材料、壁紙もしくは屋根防水材等の建築用材料、乾燥剤、防湿剤、脱酸素剤、使い捨てカイロ、鮮度保持包装もしくは食品包装等の包装材、電池用セパレーター等の資材として極めて好適に使用できる
また、スポーツウエアもしくは雨具などの衣料用材料、使い捨ておむつもしくは生理用品などの衛生材料、食品包装等の包装材などに使用される場合には、前記少なくともA層とB層とからなる本発明の積層型多孔性フィルムにさらに不織布、フラットヤーン等の通気性を有する繊維材を貼りあわせた積層体としても良い。前記繊維材としては、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリウレタン繊維等の合成樹脂繊維から形成された不織布が好適に使用される。不織布の製造方法としては、ケミカルボンド法、ファイバーボンド法、メルトブロー法、スパンボンド法、フラッシュ紡糸法、絡合法等の一般的な製造方法を採用し得る。
前記少なくともA層とB層とからなる本発明の積層型多孔性フィルムと不織布との積層は、例えば、本発明の積層型多孔性フィルムにホットメルト型接着剤を塗布、スプレー、散布等を行って貼合したり、熱融着性フィルム、溶融押出しフィルムによりラミネートしたり等の通常の手段を用いることができる。
前記ホットメルト型接着剤としては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはエチレンエチルアクリレート等のポリオレフィン系、ポリアミド系、ブチラール系、ポリウレタン系のホットメルト型接着剤などが用いられる。上記接着剤の塗工・貼合せは、ビート塗工、スロット塗工、スパイラル塗工、カーテンスプレー塗工、Vスロット塗工等が適用できる。このように不織布等を張り合わせると、高い機械強度と良好な肌触りを両立させることができる。
紙おむつ等の衛生材料の場合は、少なくともA層とB層とからなる本発明の積層型多孔性フィルムと不織布の間にさらに体液を吸収して保持する吸収材を挟み込んだ積層体としても良い。
前記吸収材しては、吸水紙を複数枚積層したもの、線状化したクラフトパルプを吸水紙などで包んだもの、または高級水性高分子など、従来の衛生用品に使用されていたものが挙げられる。また、不織布としては吸収した体液を吸収材から逆戻りさせないような工夫がなされたポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維を主成分とする疎水性の繊維から形成された不織布が好ましい。
前記積層体において、具体的には、少なくともA層とB層とからなる本発明の積層型多孔性フィルム上に、適宜、吸収材、飛散防止のための紙などを介して高分子吸収材層を載せることが好ましい。その際、吸収材層の厚さは、通常5〜20mm程度とするのがよい。さらにその上に、適宜、紙などを介して不織布を重ね、それらを粘着テープ等で一体化して成形することによって積層体が得られる。
また、本発明の積層型多孔性フィルムは、単独で、例えば電池用セパレーターなどの種々の用途に用いることができる。
本発明の積層型多孔性フィルムは、膜厚が薄くても従来品と同レベル以上の透湿度を発揮することができ、従来の単層の透湿性フィルムではなしえなかった透湿性と薄膜化の両立を達成している。
さらに、本発明の積層型多孔性フィルムは柔軟性に富んで風合いが良い。特に紙おむつや生理用品などの衛生材料に応用する場合は、柔軟性や風合いが特に重要な製品評価の対象となるため、この点において優れていることは大きな利点である。
本発明の積層型多孔性フィルムは、引裂強度が十分なレベルにあり、かつ耐熱性にも優れているため、このフィルムを使用する製品のライン加工性に優れ、フィルムが製造工程途中で破れる頻度が少なく、大量生産に適している。さらに、適度な剛軟性を有するため、生産工程におけるハンドリング性にも優れている。
以下、本発明の積層型多孔フィルムの実施形態について説明する。
図1は第1実施形態の積層型多孔性フィルムを示し、A層/B層/A層の3層構造としている。当該積層型多孔性フィルムの全体厚みは10〜20μmとされ、各層の膜厚比は全体厚みを100としたときA層/B層/A層=30〜45/40〜10/30〜45とされている。
A層を構成するポリエチレンとしては、密度が0.94〜0.96g/cmである高密度ポリエチレンを用いる。前記高密度ポリエチレンの密度は0.945〜0.96g/cmであることが好ましく、0.95〜0.96g/cmであることがより好ましい。A層に用いられる高密度ポリエチレンは、メルトインデックス(MI)が0.1〜5g/10分、好ましくは0.5〜2g/10分である。前記範囲のメルトインデックス(MI)であれば、共押出法、とくにインフレーション成形法による製膜が行いやすくなる。
A層において高密度ポリエチレンに配合される充填剤としては脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムを用いている。
前記充填剤の平均粒径は0.5〜2.0μm、好ましくは0.5〜1.5μmとしている。充填剤の混合比率は樹脂組成物全体に対する容積率で32〜50%となるようにしている。
A層を構成する樹脂組成物においては、前記高密度ポリエチレンと充填剤に加えて、第三成分が配合されていてもよい。前記第三成分としては、エステル化合物が好ましく、硬化ひまし油またはソルビタントリステアレートがより好ましい。
第三成分の配合量は、A層を構成する樹脂組成物100質量部に対し1〜5質量部としている。
B層を構成するポリエチレンとしては、線状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンとの混合物を用いる。前記混合物においては、線状低密度ポリエチレンの含有割合が80〜95質量%、好ましくは85〜90質量%、分岐状低密度ポリエチレンの含有割合が20〜5質量%、好ましくは15〜10質量%となるように設定している。
前記線状低密度ポリエチレンは、密度が0.91〜0.93g/cmであり、メルトインデックス(MI)が0.1〜5g/10分、好ましくは0.5〜2g/10分である。
前記分岐状低密度ポリエチレンは、密度が0.91〜0.93g/cmであり、メルトインデックス(MI)が0.1〜5g/10分、好ましくは1〜3g/10分である。
そして、線状低密度ポリエチレンと分岐状低密度ポリエチレンとの混合物は、密度が0.91〜0.93g/cmであり、メルトインデックス(MI)が0.1〜5g/10分、好ましくは0.5〜3g/10分である。前記範囲のメルトインデックス(MI)であれば、共押出法、とくにインフレーション成形法による製膜が行いやすくなる。
B層においてポリエチレンに配合される充填剤としては脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムを用いている。
前記充填剤の平均粒径は0.5〜2.0μm、好ましくは0.5〜1.5μmとしている。充填剤の混合比率は樹脂組成物全体に対する容積率で32〜50%となるようにしている。
B層を構成する樹脂組成物においては、前記ポリエチレンと充填剤に加えて、第三成分が配合されていてもよい。前記第三成分としては、側鎖を有する炭化水素重合体が好ましく、ポリブテンまたはヒドロキシポリブタジエンもしくはその水添物(特に末端ヒドロキシポリブタジエン水添物)がより好ましい。
第三成分の配合量は、B層を構成する樹脂組成物100質量部に対し1〜5質量部としている。
前記A層/B層/A層の3層構造の積層型多孔性フィルムは以下の工程で製造している。
まず、A層およびB層を構成する樹脂組成物をそれぞれ作製する。
具体的には、高密度ポリエチレンまたは低密度ポリエチレン、充填剤および第三成分をタンブラー型ミキサーまたはヘンシェルミキサー等を用いて混合した後、タンデム型押出機もしくは二軸スクリュー押出機等を用いて200〜250℃の温度下で加熱混練し、ペレット化する。
得られたペレットを用いてインフレーション成形法により製膜する。具体的には、A層を構成する樹脂組成物のペレットおよびB層を構成する樹脂組成物のペレットを別々の押出機で押出し、多層成形用のインフレーションダイを用いて150〜250℃、好ましくは190〜220℃の溶融状態で積層させてからシート状に製膜する。
製膜されたフィルムに対し、ロール法またはテンター法等の公知の方法により、40〜80℃の温度条件下において延伸を行い、樹脂成分と充填剤との界面剥離を起こさせて微細孔を形成して、多孔性フィルムとする。
延伸方向は一軸方向のみとし一段で行う方が製造工程の簡素化につながり好ましい。
延伸倍率は1.2〜5倍、好ましくは1.2〜3倍の範囲内である。
前記方法で製造された積層型多孔性フィルムは全体厚みが10〜20μmと薄いが、優れた透湿度を示す。具体的には、積層型多孔性フィルムの透湿度は5,000〜8,000g/m/24hrである。
さらに、前記積層型多孔性フィルムは、機械(MD)方向のシングルタング法で測定した引裂強度が2.0gf以上10gf以下と、引裂強度において優れている。
前記積層型多孔性フィルムは、剛軟度が30〜60mmである。よって、コシが強すぎないためフィルムの触感が良好であり、逆にコシが弱すぎないため製造時のハンドリングに優れ、シワ等の発生が少ない。
加えて下記に詳述する耐熱性試験による耐熱温度が130℃以上と耐熱性においても優れている。
第1実施形態においてはA層/B層/A層の3層構造としているが、B層/A層/B層の3層構造としてもよい。
図2は第2実施形態の積層型多孔フィルムを示し、A層とB層の2層構造としている。
当該積層型多孔性フィルムの全体厚みは10〜20μmとされ、各層の膜厚比は全体厚みを100としたときA層/B層=30〜50/70〜50とされている。
第1実施形態とはA層/B層と2層構造としている点だけが相違し、A層、B層の組成、製造方法等は同一であり、かつ、製造されたフィルムの引裂強度、剛軟度、透湿度、耐熱性も同一としているため、説明を省略する。
図3は第3実施形態を示し、第2実施形態のA層/B層の積層型多孔性フィルムの下面に不織布C層を積層している。C層の不織布はポリオレフィン繊維からなる不織布を用い、前記A層とB層との積層型多孔性フィルムの下面にホットメルト型接着剤Dを介して不織布を貼着している。
図4は第4実施形態を示し、第2実施形態のA層/B層の積層型多孔性フィルムの下面に吸収材Eを介して不織布からなるC層を積層している。該積層体は紙おむつ用として好適に用いられる。
「実施例」
以下、本発明についてさらに具体的に説明するため実施例を示す。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における各種の物性は以下に記載の方法で評価した。
(1)メルトインデックス(MI)(単位;g/10分)
JIS K6922−1:1997による条件D法(190℃、21.18N)に準拠して測定した。
(2)密度(単位:g/cm
JIS K7112:199によるD法に準拠して測定した(密度勾配管法)
(3)膜厚(単位;μm)
JIS K 6250Aに従って膜厚計((株)テックロック製)で測定し、試験数5個の平均値を膜厚とした。
(4)機械(MD)方向シングルタング法引裂強度(単位;gf)
インテスコ(株)製201X−3型引張試験機を用いて測定した。
(a) 機械(MD)方向が150mm、縦(TD)方向が40mmの長方形にサンプルフィルムを切り出す。
(b)上記の長方形の短辺の一方において、中心点(角から20mmの位置)で長辺と平行に端から真ん中に向かって75mmだけ切り込みを入れる。
(c)切り込みを入れた辺の両側が表裏になるように引張試験機のチャックに取り付ける。すなわち、切り込みを入れた方の短辺は切れ込みを境に上下2つの部分に分かれるが、上側の辺を引張試験機のチャックの一方に、下側の辺を引張試験機のチャックの他方に取り付ければ、上側の部分は表(裏)を、下側の部分は裏(表)を向くこととなる。
(d)200mm/分の速度でサンプルフィルムを機械(MD)方向に引き裂き、その時の最大荷重を求め、引裂強度とする。
(5)剛軟度(単位;mm)
(a)サンプルフィルムを250mm×310mmに切り出す。その際、測定する方向を250mmとする。
(b)幅25mm、長さ300mmの金尺に6回転巻き付けてから、金尺をフィルムの筒から抜いて、幅25mmの12枚重ねのフィルムを作る。
(c)JIS L 1018で規定された傾斜角45°のカンチレバー式剛軟度測定器に12枚重ねのフィルムを片側の端面が傾斜部の端になるようセットし、自動で傾斜部からせり出させ、フィルムが傾斜部で倒れた時点の移動距離を「剛軟度」とする。
(6)透湿度(単位;g/m/24hr)
恒温恒湿装置を用いて温度40℃、湿度90%の条件下、JIS Z 0208に従って測定し、試験数3個の平均値を透湿度とした。測定条件としては、透湿度測定用カップの透湿面積を30cmとし、塩化カルシウム量を10gとした。
(7)耐熱性試験
(a)80mm×80mmの正方形で厚み1mmのアルミ板の中央に直径40mmの穴を開けた枠を2枚用意する。
(b)サンプルフィルムを80mm×80mmの正方形に切り出し、(a)で用意した穴の開いた80mm×80mmの枠2枚でサンプルフィルムを挟み、ダブルクリップで固定する。この際、サンプルフィルムの中心点と枠の穴の中心点ができるだけ同じになるよう固定する。
(c)オーブン(タバイ(株)製 ギヤオーブン GPH−200)を100℃に設定し安定させておく。
(d)枠で固定した状態のサンプルフィルムをオーブン内に投入し、同時にオーブンを設定温度に変更する。
(e)オーブンの指示温度が設定温度に達し、2分間経ってからフィルムに穴が開くかどうか確認する。
(f)設定温度を変えて(a)〜(e)の操作を繰り返し、フィルムが熱により破れ穴が開き始める温度を「耐熱温度」とする。
本発明においては、耐熱温度が130℃以上の場合を「○」と評価し、耐熱温度が130℃未満の場合を「×」と評価した。耐熱温度が130℃未満ではフィルムをホットメルトで不織布と貼り合わせるなど高温での加工の際、フィルムが溶けて穴があいてしまう場合がある。
(実施例1)
A層を構成する樹脂組成物として、高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、商品名「HY430」、密度;0.955g/cm、MI;0.8g/10分)36.4質量部に対し、炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm、脂肪酸処理)60.6質量部、硬化ひまし油(豊国製油(株)製、商品名「カスターワックス HC−WX」)3質量部をタンブラーミキサーにて混合し、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した樹脂組成物A1を得た。樹脂組成物A1における充填剤の容積率は37.0%である。
B層を構成する樹脂組成物として、線状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、商品名「F30FG」、密度;0.921g/cm、MI;1g/10分)33質量部と、分岐状低密度ポリエチレン(日本ポリケム(株)製、商品名「LF441」、密度;0.919g/cm、MI;2g/10分)4.4質量部との混合樹脂(密度;0.920g/cm、MI;1.1g/10分)に、炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm、脂肪酸処理)60.6質量部、末端OHポリブタジエン(三菱化学(株)製、商品名「ポリテールHA」)2質量部をタンブラーミキサーにて混合し、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した樹脂組成物B1を得た。樹脂組成物B1における充填剤の容積率は35.5%である。
得られた樹脂組成物A1と樹脂組成物B1を別々の押出機で押出し、多層成型用のインフレーションダイを用い延伸後の膜厚比率がA1/B1/A1=35/30/35となるように210℃の溶融状態で積層させた後、シート化させた。
60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールを用い、2.0倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ15μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(実施例2)
実施例1で用いた樹脂組成物A1と樹脂組成物B1を別々の押出機で押出し、多層成型用のインフレーションダイを用い延伸後の膜厚比率がA1/B1/A1=43/14/43となるように210℃の溶融状態で積層させた後、シート化させた。
60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールを用い、2.5倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ15μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(実施例3)
層構成および延伸後の膜厚比率をB1/A1/B1=35/30/35となるようにした以外は実施例1と全く同様にして、厚さ10μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(比較例1)
実施例1の樹脂組成物A1の代わりに、下記樹脂組成物A2を用いた。
即ち、ポリプロピレン(ダウ・ケミカル社製、商品名「INSPIRE114」、密度;0.90g/cm、MI;0.4g/10分)36.4質量部に対し、炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm、脂肪酸処理)60.6質量部、硬化ひまし油(豊国製油(株)製、商品名「カスターワックス HC−WX」)3質量部をタンブラーミキサーにて混合し、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した樹脂組成物A2を得た。樹脂組成物A2における充填剤の容積率は35.6%である。
得られた樹脂組成物A2と実施例1で用いた樹脂組成物B1を別々の押出機で押出し、多層成型用のインフレーションダイを用い延伸後の膜厚比率がA2/B1/A2=35/30/35となるように210℃の溶融状態で積層させた後、シート化させた。
60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールを用い、2.8倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ15μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(比較例2)
高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製、商品名「HY430」、密度;0.955g/cm、MI;0.8g/10分)30質量部に対し、炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm、脂肪酸処理)63質量部、ソルビタントリステアレート(理研ビタミン(株)製、商品名「ポエムS−65F」)2質量部をタンブラーミキサーにて混合し、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した樹脂組成物A3を得た。樹脂組成物A3における充填剤の容積率は42.5%である。
得られた樹脂組成物A3を押出機で押出し、多層成型用のインフレーションダイで200℃の溶融状態でチューブ状に成形し、シート化させた。
60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールを用い、2.8倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ15μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(比較例3)
線状低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル日本(株)製、商品名「ダウレックス2042A」、密度;0.930g/cm、MI;1.0g/10分)50質量部に対し、炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm、脂肪酸処理)33質量部、ポリブテン(日本曹達(株)製、商品名「NISSO−PB GI−3000」)2.5質量部をタンブラーミキサーにて混合し、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した樹脂組成物B2を得た。樹脂組成物B2における充填剤の容積率は18.5%である。
比較例2で用いた樹脂組成物A3は、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状にした。
得られた樹脂組成物A3と樹脂組成物B2を別々の押出機で押出し、多層成型用のインフレーションダイを用い延伸後の膜厚比率がB2/A3/B2=3/94/3となるように200℃の溶融状態で積層させた後、シート化させた。
60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールを用い、2.8倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ17μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(比較例4)
一軸延伸の際の延伸倍率を6倍にした以外は比較例3と全く同様にして、厚さ15μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
(比較例5)
線状低密度ポリエチレン(ダウ・ケミカル日本(株)製、商品名「ダウレックス2042A」、密度;0.930g/cm、MI;1.0g/10分)33質量部に対し、炭酸カルシウム(平均粒径1.2μm、脂肪酸処理)63質量部、ポリブテン(日本曹達(株)製、商品名「NISSO−PB GI−3000」)2.5質量部をタンブラーミキサーにて混合し、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した樹脂組成物B3を得た。樹脂組成物B3における充填剤の容積率は39.6%である。
得られた樹脂組成物B3を押出機で押出し、多層成型用のインフレーションダイで200℃の溶融状態でチューブ状に成形し、シート化させた。
60℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールを用い、2.6倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ15μmの積層型多孔性フィルムを得た。得られた積層型多孔性フィルムの諸特性を上記方法により測定した。
Figure 0004686256
表中の「HDPE」は「高密度ポリエチレン」の略語であり、「LLDPE」は「線状低密度ポリエチレン」の略語であり、「BLDPE」は「分岐状低密度ポリエチレン」の略語であり、「PP」は「ポリプロピレン」の略語である。
上記の実施例および比較例により、以下のことが認められた。
実施例1〜3の積層型多孔性フィルムは、全体厚みが20μm以下と薄膜化されているにもかかわらず、透湿度が5,500g/m/24hr以上と非常に優れており、薄膜化と透湿度の向上の両立を達成している。さらに、実施例1〜3の積層型多孔性フィルムは、引裂強度が大きく、耐熱性にも優れているため、製造工程においてフィルムの裂け等の不良品の発生を抑え、大量生産することができる。加えて、実施例1〜3の積層型多孔性フィルムは、剛軟度が30〜60mmであり、コシが強すぎず触感が良好であり、かつ、製造時のハンドリングに優れ、シワ等の発生が少ない。
A層に密度0.90g/cmと低密度のポリプロピレンを用いた比較例1では、剛軟度が82mmとコシが強くフィルムの触感が硬くなり、出来上がりの製品を扱う時ガサガサとした感じになるという問題点を有する。
高密度ポリエチレンからなるA層のみを有する比較例2の多孔性フィルムは、引裂強度が小さいため、特に大量生産する場合には製造工程において裂けや穴あきなどの不具合が生じるおそれがある。
一方、低密度ポリエチレンからなるB層のみを有する比較例5の多孔性フィルムは、耐熱性に劣り、ホットメルト接着剤の塗布など120℃以上の高温になる加工工程がある場合は穴があくなどの問題が生じるおそれがある。
比較例3および比較例4の積層型多孔性フィルムはB層の充填剤の容積率が低い。そのため、比較例3のように実施例と同程度の引裂強度を得るために延伸倍率を低く抑えると透湿度において非常に劣り、一方で比較例4のように実施例と同程度の透湿度を得ようとすると延伸倍率を6倍と高くしなければならず、その結果、引裂強度が劣ることとなった。
第1実施形態の概略断面図である。 第2実施形態の概略断面図である。 第3実施形態の概略断面図である。 第4実施形態の概略断面図である。

Claims (5)

  1. A層とB層との少なくとも2層が積層され、該積層状態で少なくとも1軸方向に延伸して得られる積層型多孔性フィルムであって、
    前記A層はメルトインデックス(MI)が0.1〜10g/10分、密度が0.94〜0.96g/cmであるポリエチレンに、平均粒径が0.5〜3.0μmの充填剤が樹脂組成物全体に対する容積率で20〜60%含まれている層であり、
    前記B層はメルトインデックス(MI)が0.1〜10g/10分、密度が0.90〜0.939g/cmであるポリエチレンに、平均粒径が0.5〜3.0μmの充填剤が樹脂組成物全体に対する容積率で20〜60%含まれている層であり、
    引裂強度が1.5gf以上100gf以下、透湿度が2,000〜10,000g/m /24hrであり、
    全体厚みが5〜25μmであることを特徴とする積層型多孔性フィルム。
  2. 全体厚みが10〜20μmである請求項1に記載の積層型多孔性フィルム。
  3. 全体厚みを100としたとき、1層または2層以上存在するA層の厚みの合計が7〜93%、1層または2層以上存在するB層の厚み合計が93〜7%である請求項1または請求項2に記載の積層型多孔性フィルム。
  4. 軟度が20〜70mm、耐熱温度が130℃以上である請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載の積層型多孔性フィルム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の積層型多孔性フィルムに、さらに通気性を有する繊維材を貼り合わせてなる積層体。
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