JP4684862B2 - ボルトの圧造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、軸状部品の冷間加工方法に係り、具体的には、遅れ破壊抵抗性に優れたボルト頭部が形成された非調質ボルトの圧造方法に関する。
自動車や機械類および建築構造物などに使用される締結部品のボルトは、熱間圧延により製造した線材に酸洗または機械的方法によりデスケーリング処理を施した後、加工性向上のため、球状化焼鈍等の熱処理を施して伸線加工により所要の寸法に仕上げて、通常冷間圧造により成形され、成形されたボルトは所定の強度レベルに達するように焼入れ焼戻し処理される製造工程が従来から採用されていた。しかし、冷間圧造前後に、長時間を要する球状化焼鈍等の熱処理や焼入れ焼戻し処理を行うと、ボルト製造工程が長くなり、製造コストも高くなる。このため、ボルト製造工程の簡素化による省エネルギーおよび製造コスト低減等を目的として、ボルト成形前後の球状化焼鈍や焼入れ焼戻しなどの熱処理を省略できる非調質ボルトが注目を集め、高強度の非調質アプセットボルトの製造技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このような非調質ボルトでも、高強度になると、締結により応力が作用してからある時間経過した後に突然脆性破断する遅れ破壊が問題となる。この遅れ破壊は、ボルト締結状態での応力集中部、すなわち、ねじ底部やボルト頭部首下部が起点となって発生し、一般に硬度と密接に関連する鋼材の強度が高い程、遅れ破壊感受性が高いことが知られており、非調質ボルトにおいても遅れ破壊を防止することが重要な課題となっている。
頭部と軸部からなるボルトの製造方法としては、例えば、特許文献2に、端部にボルト頭形成用の六角形の型穴が形成されたダイスに、所定長さの棒状の金属材料をセットして、まず、第1パンチにより、前記金属材料を型穴に打ち込んでその端部を予備成形し、次いで、外周が型穴の内周と同形の六角形に形成された第2パンチを型穴内に進入させて前記金属材料を押圧して仕上げ成形することにより、六角形の頭部と軸部からなる六角頭ボルトの製造方法が開示されている。一般にボルト頭部が形成されたボルトの冷間圧造による製造工程では、ダイス型穴とパンチとを複数組み合わせて成形が行なわれ、その過程で、線材から作製されたボルト素材は少なくとも1回以上の予備成形と仕上げ成形をそれぞれ受ける。
図3(a)〜(d)は、従来の、冷間圧造による六角頭ボルトの製造工程で、予備成形ダイス孔型1と予備成形パンチ2、および仕上げ成形ダイス孔型3と仕上げ成形パンチ4の2種類の組み合わせを用いた工程例を示したものである。予備成形ダイス孔型1には、傾斜内周面5を介してボルト軸部成形部の、内径が大きい大径側成形部6aおよび内径が小さい小径側成形部6bからなる貫通孔7が形成され、大径側成形部6aの内径は、ボルト素材8の挿入を容易にするため、ボルト素材8と若干の間隙が生じる程度の大きさに形成され、小径側成形部6bの内径は、加工するねじ径に対応した大きさに形成されている。そして、貫通孔7の図示上端縁には周方向にわたって端縁R部9が形成されている。小径側成形部6bには、ノックアウト10が組み込まれている。予備成形パンチ2には、ボルト素材8の直径dよりもやや大きい、ボルト素材8の端面保持用の円形凹部のパンチ型穴2aが形成されている。
図3(a)は、所定の長さに切断されたボルト素材8が予備成形ダイス孔型1に挿入、セットされ、予備成形パンチ2をボルト素材8の端面8aに接触させた状態を示している。この状態から、予備成形パンチ2で端面8aを押圧すると、図3(b)に示すように、ボルト素材8は予備成形ダイス孔型1内に充満して大径軸部12aとねじが加工される小径軸部12bと、其の間に傾斜軸部12cが形成され、ボルト素材8の上端部側に膨出部12dが形成されたボルト予備成形材12が成形される。
前記ボルト予備成形材12の仕上げ成形に用いる仕上げ成形ダイス孔型3は、図3(c)および(d)に示すように、予備成形ダイス孔型1と同様に、傾斜内周面5aを介してボルト軸部成形部の、内径が大きい大径側成形部6cおよび内径が小さい小径側成形部6dからなる貫通孔7aが形成され、大径側成形部6cの内径は、ボルト予備成形材12の挿入を容易にするため、ボルト予備成形材12と若干の間隙が生じる程度の大きさに形成されている。そして、予備成形ダイス孔型1と同様に、貫通孔7aの図示上端縁には周方向にわたって端縁R部9aが形成されている。図3(c)に示したように、小径側成形部6dにはノックアウト10aが組み込まれ、ボルト予備成形材12を仕上げ成形ダイス孔型3に挿入して、この状態から仕上げ成形用パンチ4でボルト予備成形材12の端面12eを押圧する。この押圧により、図3(d)に示したように、ボルト予備成形材12は仕上げ成形ダイス孔型3に充満して大径軸部13aおよび小径軸部13bが仕上げ成形され、ボルト予備成形材12の膨出部12dが仕上げ成形パンチ4の型穴4a内に完全充満してボルト頭部13dが仕上げ成形される。仕上げ成形ダイス孔型3と仕上げ成形用パンチ4の間からはみ出したフランジ部13fはトリミング工程で所要の寸法に仕上げ加工される。このようにして、2組のダイス孔型1、3とパンチ2、4を用いることにより、棒状のボルト素材8が予備成形と仕上げ成形を受けて、冷間圧造ボルトが形成される。
特開2003−113444号公報 特開平10−211540号公報
しかし、図3(a)〜(d)に示した冷間圧造方法では、ボルト首下R部12gには、同図(a)、(b)に示した予備成形段階から加工歪が累積されて硬度が上昇しており、このボルト首下R部12gは、図2(b)に示すように、図3(c)、(d)に示した仕上げ成形段階で仕上げ成形ダイス孔型3の端縁R部9aに直接接触して圧造され、さらに加工歪が累積して硬度が上昇するため、このボルト首下R部12gの部位を起点として遅れ破壊が発生しやすくなる。特許文献2に開示されたボルトの製造方法についても同様である。また、特許文献1に開示された高強度非調質アプセットボルトの製造方法では、ボルト素材の組成、ボルト素材(線材)の伸線加工とボルト成形後の熱処理によって耐遅れ破壊性を改善する方法が開示されているが、圧造方法については何も記載されていない。
そこで、この発明の課題は、高強度非調質アプセットボルトの耐遅れ破壊性についてボルト成形面から検討し、遅れ破壊防止に有効なボルトの圧造方法を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
請求項に係るボルトの圧造方法は、棒状の金属材料を、予備成形ダイス孔型内に挿入して、少なくとも1回以上、予備成形パンチで、挿入した前記金属材料を押圧して予備成形した後、予備成形により押圧側が膨出したボルト予備成形材を、ノックアウトを備えた仕上げ成形ダイス孔型内に挿入し、仕上げ成形パンチで押圧側の膨出部をボルト頭部に成形してボルト仕上げ成形材を形成するボルトの冷間圧造方法であって、前記ボルト予備成形材の軸部体積を、前記ボルト仕上げ成形材の軸部体積よりも大きく形成すると共に、前記ボルトが軸部先端側に小径軸部を有し、この小径軸部の成形を前記ボルトの予備成形で完了するようにしたことを特徴とする。
仕上げ成形工程で、ボルト軸部先端側の小径軸部を成形する場合には、ボルト予備成形材の前記膨出部側の軸部が仕上げ成形ダイス孔型から突出した状態で仕上げ成形が開始されるため、この軸部の直径が若干増加しながら仕上げ成形ダイス孔型内に押し込まれるため、ボルト仕上げ成形材の首下R部およびその近傍の軸部の歪が増加する。このため、小径軸部の成形を予備成形で完了するようにすれば、この歪の増加を回避でき、遅れ破壊発生防止の点で有利である。
請求項に係るボルトの圧造方法は、前記ボルト予備成形材を前記仕上げ成形ダイス孔型内に挿入してセットした状態で、仕上げ成形ダイス孔型の孔型端縁Rのボルト軸部成形部内壁との交点に対向するボルト軸部の位置が前記ボルト予備成形材の膨出部と軸部との境界の部位よりもノックアウト側にあることを特徴とする。
前記ボルト予備成形材の膨出部と軸部との境界の部位(予備成形材の首下R部)が仕上げ成形ダイス孔型の孔型端縁R部で再度加工されると、ボルト仕上げ成形材の首下部に歪が集中し、硬度が上昇して遅れ破壊が発生しやすくなる。上記のように、ボルト予備成形材の膨出部と軸部との境界の部位を仕上げ成形ダイス孔型の孔型端縁R部に接触しないようにすれば、ボルト予備成形材の首下R部は、仕上げ成形パンチで前記膨出部を打圧(圧縮)することにより、仕上げ成形ダイス孔型の端面に沿って流れ、前記膨出部が拡径し、仕上げ成形パンチの型穴に充満してボルト頭部が形成される。このため、予備成形材の首下R部が仕上げ成形ダイス孔型の端縁R部で加工を受けずに済み、ボルト頭部直下の首下R部に歪が蓄積して歪量が増大することを防止することができる。
この発明では、高強度非調質ボルトなどのボルトを予備成形工程と仕上げ成形工程で製造する際に、予備成形工程で成形したボルト予備成形材の軸部体積を、仕上げ成形工程で成形したボルト仕上げ成形材の軸部体積よりも大きく形成するように工程設計したので、ボルト予備成形材のボルト頭部の予備成形部(膨出部)と軸部との境界の部位(予備成形材の首下R部)が仕上げ成形ダイス孔型端縁R部に接触せずに仕上げ成形し、ボルト頭部を形成することができる。それにより、ボルト頭部直下の首下R部への歪の蓄積、および歪量の増大による硬度の上昇が抑制され、締結による応力の作用下での遅れ破壊の発生を防止することができる。
以下に、この発明の実施形態を添付の図1および図2に基づいて説明する。
図1(a)〜(d)は、実施形態の、冷間圧造による六角頭ボルトの製造工程で、予備成形ダイス孔型1と予備成形パンチ2、および仕上げ成形ダイス孔型3と仕上げ成形パンチ4の2種類の組み合わせを用いた工程例を示したもので、このダイス孔型1、3と成形パンチ2、4の型構成は図3(a)〜(d)に示した型構成と基本的には同様である。予備成形ダイス孔型1には、傾斜内周面5を介してボルト軸部成形部の、内径が大きい大径側成形部6aおよび内径が小さい小径側成形部6bからなる貫通孔7が形成され、大径側成形部6aの内径は、ボルト素材8の挿入を容易にするため、ボルト素材8と若干の間隙が生じる程度の大きさに形成され、小径側成形部6bの内径は、加工するねじ径に対応した大きさに形成されている。そして、貫通孔7の図示上端縁には周方向にわたって端縁R部9が形成されている。小径側成形部6bには、ノックアウト10が組み込まれている。予備成形パンチ3には、ボルト素材8の直径dよりもやや大きい、ボルト素材8の端面保持用の円形凹部のパンチ型穴2aが形成されている。
図1(a)は、所定の長さに切断されたボルト素材8が予備成形ダイス孔型1に挿入、セットされ、予備成形パンチ2をボルト素材8の端面8aに接触させた状態を示している。この状態から、予備成形パンチ2で端面8aを押圧すると、図1(b)に示すように、ボルト素材8は予備成形ダイス孔型1内に充満して、大径軸部12aと、ねじが加工される小径軸部12bと、これらの軸部12aと12bの間に、傾斜軸部12cが形成され、ボルト素材8の上端部側に膨出部12dが形成されたボルト予備成形材12が成形される。前記ボルト予備成形材12の仕上げ成形に用いる仕上げ成形ダイス孔型3は、図1(c)および(d)に示すように、予備成形ダイス孔型1と同様に、傾斜内周面5aを介してボルト軸部成形部の内径が大きい大径側成形部6cおよび内径が小さい小径側成形部6dからなる貫通孔7aが形成され、大径側成形部6cの内径は、ボルト予備成形材12の挿入を容易にするため、ボルト予備成形材12と若干の間隙が生じる程度の大きさに形成されている。そして、予備成形ダイス孔型1と同様に、貫通孔7aの図示上端縁には周方向にわたって端縁R部9aが形成されている。小径側成形部6dには、ノックアウト10aが、図1(c)に示したように、組み込まれており、ボルト予備成形材12を仕上げ成形ダイス孔型3に挿入したとき、ボルト予備成形材12は傾斜内周面5aにあたって止まり、この状態でノックアウト10aがボルト予備成形材12の先端面に接触するように調節される。このとき、ボルト予備成形材12の軸部体積が仕上げボルト成形材13の軸部体積よりも大きくなるように、仕上げ成形ダイス孔型3の、大径成形部6c、傾斜内周面5a、小径成形部6dおよびノックアウト10aで形成される仕上げ成形用ダイス3の型容積が予め設計されているため、ボルト予備成形材12の首下R部12g(膨出部12dと大径軸部12aとの境界の部位)が仕上げ成形ダイス孔型3の外側にあって、その端縁R部9aに接触していない状態にある。この状態から、仕上げ成形用パンチ4でボルト予備成形材12の端面12eを押圧すると、図1(d)に示したように、ボルト予備成形材12は仕上げ成形ダイス孔型3内に充満して、大径軸部13a、小径軸部13bおよびこれらの軸部の間の傾斜軸部13cが仕上げ成形され、ボルト予備成形材12の膨出部12dが仕上げ成形用パンチ4のパンチ型穴4a内に完全充満してボルト頭部13dが仕上げ成形される。仕上げ成形ダイス孔型3と仕上げ成形用パンチ4の間からはみ出したフランジ部13fはトリミング工程で所要の寸法に仕上げ加工される。このようにして、2組のダイス孔型1、3とパンチ2、4を用いて、棒状のボルト素材8が予備成形と仕上げ成形を受けて、冷間圧造ボルトが形成される。なお、ボルト予備成形材12の、大径軸部12aと小径軸部12bと傾斜軸部12cからなるボルト軸部の体積V1と、ボルト仕上げ成形材13の、大径軸部13aと小径軸部13bと傾斜軸部13cからなるボルト軸部の体積V2との差(V1−V2)を、ボルト予備成形ボルト12の大径側軸部12aの断面積S1で除した値((V1−V2)/S1)が、仕上げ成形ダイス孔型3の端縁R部9aのRの50%よりも大きく、ボルト仕上げ成形材13の大径側軸部13aの直径の50%以下であることが望ましい。
図1(c)に示したように、仕上げ成形工程では、ボルト予備成形材12の首下R部12gが仕上げ成形ダイス孔型3の端縁R部9aに接触せず、このダイス孔型3の外側にあるため、仕上げ成形パンチ4で膨出部12dを打圧すると、首下R部12g近傍から膨出部12dにかけての材料が、仕上げ成形ダイス孔型3の端面3aに沿って流れ、膨出部12dが拡径して仕上げ成形パンチ4の型穴4aに充満してボルト頭部が形成される。このように、ボルト予備成形材12の首下R部12gが仕上げ成形ダイス孔型3の端縁R部9aで加工を受けないため、ボルト頭部13dの首下R部13gに歪が蓄積せず、歪量の増大による硬度上昇を抑制することができる。なお、予備成形ダイス孔型1および仕上げ成形ダイス孔型3の端縁R部9、9aの代わりに端縁面取り部を設けた場合にも、上述と同様に、ボルト予備成形材の首下部12が仕上げ成形ダイス孔型3の端縁面取り部で加工を受けないようにして、ボルト頭部13dの首下部に歪が蓄積させず、歪量の増大による硬度上昇を抑制することができる。
図1(c)に示したように、ボルト予備成形材12と仕上げ成形ダイス孔型3との間には、ボルト予備成形材12の挿入を容易にするため、若干の間隙が存在する。また、ボルト予備成形材12の先端面には、ボルト素材8を素線(線材)からせん断により切り出した際の凹凸や傾斜が残っている場合がある。このため、図2(a)に示すように、仕上げ成形工程で、ボルト予備成形材12を仕上げ成形ダイス孔型3に挿入してセットした状態で、仕上げ成形ダイス孔型3の端縁R部9aのボルト軸部成形部内壁、すなわち前記のボルト軸部の大径側成形部6c(ボルト大径軸部12aの成形部)の内壁との交点(接点)Cに対向する大径軸部12aの位置Aと、ボルト予備成形材12の首下R部12gとボルト大径軸部12a側との交点(接点)Bとの軸方向の距離ΔLは、ボルト予備成形材12と仕上げ成形ダイス孔型3との間隙および素材せん断面の凹凸や傾斜の影響による、前記ボルト軸部12aの位置Aとボルト大径軸部12a側との接点Bの相対位置のずれを考慮して決定する必要がある。この位置Aと交点(接点)Bとの軸方向の距離ΔL(位置Aから見て交点(接点)Bの方向を正の値にとる)は、当該ボルト大径軸部12aの直径の、10%より大きく、50%を超えない範囲が望ましい。10%以下であると(図2(b)は距離ΔLが負の値となる場合を示している)、仕上げ成形工程で、仕上げボルト成形材13の首下R部13gに歪が蓄積されて硬度が上昇し、遅れ破壊抵抗性(耐遅れ破壊性)に悪影響を及ぼすおそれがあり、50%を超えると、仕上げ成形ダイス孔型3の端面3aから外側のボルト軸長が長くなりすぎて、ボルト軸部に折れ込みや微小な座屈が発生する原因となる。
図1に示した実施形態では、図1(a)、(b)の予備成形工程で、小径軸部12bの成形を完了した後、図1(c)、(d)に示したように仕上げ成形を行なうため、首下R部12gが仕上げ成形ダイス孔型3内に押し込まれず、ダイス孔型3の端縁R部9aで加工を受けないため、前述のように、ボルト頭部13dの首下R部13gに歪が蓄積せず、歪量の増大による硬度上昇を抑制することができる。これに対して、図4に示した加工工程では、図4(a)、(b)に示す予備成形工程で膨出部12dを形成し、図4(c)、(d)に示す仕上げ成形工程でボルト頭部13dと小径軸部13bを同時に成形するため、予備成形材12の首下R部12gが仕上げ成形ダイス孔型3の外側にあっても、仕上げ成形パンチ4で打圧を開始すると、大径軸部13aに成形されるボルト軸部の直径が若干増加しながら仕上げ成形ダイス孔型内3に押し込まれるため、ボルト仕上げ成形材13の首下R部13gおよびその近傍の大径軸部13aの歪が増加する。このため、小径軸部13bの成形を予備成形工程で完了するようにすれば、この歪の増加を回避できる。
M8フランジ付き六角ボルトの圧造工程を対象にして以下の試験を実施した。ボルト軸部の、ねじが形成される小径部直径が7mm、その軸長が25mm、軸長5mmのテーパ部を介して、大径部直径が8mm、その軸長が20mmの冷間圧造上がりのボルト寸法(首下R部を除くボルト軸部長さ49.5mm)に対して、本発明の実施例では、ボルト予備成形材12の、首下R部を除くボルト軸部長さを51mmとした。図3に示した圧造方法を比較例1とし、この比較例1では、ボルト予備成形材12の、首下R部を除くボルト軸部長さを47mmとし、図4に示した圧造方法を比較例2とし、この比較例2では、予備成形工程では軸部の小径部を成形せず、仕上げ成形工程で、ボルト頭部の成形と同時に小径部の成形を行なった。ボルト素材として、鋼種がSAE規格の1513、1524、1536の線材を伸線後、所要の長さに切断した棒状素材を用いた。
実施例および比較例1、2のボルト仕上げ成形材の耐遅れ破壊試験として行なった酸大気遅れ破壊試験は、試験片(ボルト仕上げ成形材)を15%HClの酸溶液中に30分間浸漬後、水洗・乾燥し、大気中で各試験片の引張り強度の90%の応力を100時間以上作用させて、試験片の破断状況を調査した。実施例、比較例1、2ともに、各鋼種について10本の試験を行なった。表1に試験結果を示す。表1で、○印は、前記応力を作用させて10本の試験片すべてが100時間以上破断しなかったことを示し、×印は、100時間以下で、1本の試験片でも破断したことを示す。備考欄には、破断が発生した試験片本数を記した。
表1から、比較例1、2では、SAE1513に比べて、遅れ破壊に対する感受性を高めるC量の多いSAE1536、1524の両鋼種で遅れ破壊が発生したのに対して、実施例では、SAE1513、1524、1536のいずれの鋼種でも、すべての試験片で破断が発生せず、本発明が遅れ破壊の防止に極めて優れているという効果が確認された。
Figure 0004684862
(a)〜(d)実施形態のボルトの圧造方法を示す説明図である。 (a)仕上げ成形開始時のボルト予備成形材と仕上げ成形ダイス孔型との位置関係を示す説明図である(実施形態)。(b)同上(従来技術) (a)〜(d)従来技術のボルトの圧造方法(比較例1に対応)を示す説明図である。 (a)〜(d)従来技術のボルトの圧造方法(比較例2に対応)を示す説明図である。
符号の説明
1:予備成形ダイス孔型 2:予備成形パンチ 2a:パンチ型穴
3:仕上げ成形ダイス孔型 3a:ダイス孔型端面 4:仕上げ成形用パンチ
4a:パンチ型穴 5、5a:傾斜内周面 6a、6c:大径側成形部
6b、6d:小径側成形部 7、7a:貫通孔 8:ボルト素材
8a:素材端面 9、9a:端縁R部 10、10a:ノックアウト
12:ボルト予備成形材 13:ボルト仕上げ成形材
12a、13a:ボルト大径軸部 12b、13b:ボルト小径軸部
12c、13c:傾斜軸部 12d:膨出部 12e:ボルト予備成形材端面 13d:ボルト頭部 12g、13g:首下R部 13f:フランジ部

Claims (2)

  1. 棒状の金属材料を、予備成形ダイス孔型内に挿入して、少なくとも1回以上、予備成形パンチで、挿入した前記金属材料を押圧して予備成形した後、予備成形により押圧側が膨出したボルト予備成形材を、ノックアウトを備えた仕上げ成形ダイス孔型内に挿入し、仕上げ成形パンチで押圧側の膨出部をボルト頭部に成形してボルト仕上げ成形材を形成するボルトの冷間圧造方法であって、前記ボルト予備成形材の軸部体積を、前記ボルト仕上げ成形材の軸部体積よりも大きく形成すると共に、前記ボルトが軸部先端側に小径軸部を有し、この小径軸部の成形を前記ボルトの予備成形で完了するようにしたことを特徴とするボルトの圧造方法。
  2. 前記ボルト予備成形材を前記仕上げ成形ダイス孔型内に挿入してセットした状態で、仕上げ成形ダイス孔型の孔型端縁Rのボルト軸部成形部内壁との交点に対向するボルト軸部の位置が前記ボルト予備成形材の膨出部と軸部との境界の部位よりもノックアウト側にあることを特徴とする請求項に記載のボルトの圧造方法。
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