JP4684545B2 - 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤 - Google Patents
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Description
式1:
気流粉砕では、粉砕装置内部へのα型結晶の固着が著しく、従って1回の粉砕で所望のサイズまで微細化することが困難で、数回にわたる繰り返し粉砕が必要であった。頻繁に固着物の除去操作が必要となるため、粉砕効率、収率は悪い。湿式粉砕法では、α型結晶が非常に嵩高くなり、水等への分散媒への分散が困難で、実質上製剤化に供することができなかった。高圧粉砕条件下での湿式粉砕では、水懸濁状態で処理している際、β型結晶に変化した。
β型結晶を気流粉砕したところ、粉砕装置内部への固着がほとんどなく、製剤工程での取り扱いが容易であり、連続粉砕が可能であった。湿式粉砕法でも、容易に粉砕ができ、より微細で製剤化に供給可能な微粉末を製造することが可能であった。また、これらの粉砕化で結晶態の変化はなかった。
さらに、本発明者らは、(1)式1のイソキサゾール誘導体、(2)(1)に対して2.5重量倍以上100重量倍以下の水溶性賦形剤、(3)崩壊剤、および(4)水溶性結合剤 を含有する経口製剤が良好な溶出性を有することを見出した。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:35〜90%、
崩壊剤 :1〜40%、
水溶性結合剤:0.5〜10%。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:50〜90%、
崩壊剤 :2〜35%、
水溶性結合剤:1〜5%。
[8] 崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンまたはこれらの混合物である[1]〜[7]のいずれか記載の経口製剤。
[9] 水溶性結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランまたはこれらの混合物である[1]〜[8]のいずれか記載の経口製剤。
[11] フィルムコーティングされた[10]記載の経口製剤。
[12] フィルムコーティングが下記組成である[11]に記載の経口製剤。
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%
[13] [1]〜[12]のいずれか記載の経口製剤を含む、自己免疫疾患または炎症性疾患の治療薬または予防薬。
(1) 水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
(2) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールを水溶性結合剤の水溶液に分散して懸濁液を調製する、
(3) (2)の懸濁液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(4) (3)の造粒物を圧縮成形する。
(1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール、水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
(2) 水溶性結合剤の水溶液を調製する、
(3) (2)の水溶液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(4) (3)の造粒物を圧縮成形する。
(1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール、水溶性賦形剤、崩壊剤および水溶性結合剤を混合して混合物を調製する、
(2) 水を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(3) (2)の造粒物を圧縮成形する。
[17] さらにフィルムコーティングを施すことを特徴とする[14]〜[16]のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
[18] フィルムコーティングが下記組成である[17]に記載の経口製剤の製造方法。
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%、
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%、
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:35〜90%、
崩壊剤 :1〜40%、
水溶性結合剤:0.5〜10%。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:50〜90%、
崩壊剤 :2〜35%、
水溶性結合剤:1〜5%。
(1)水溶性結合剤水溶液の調製
水溶性結合剤を精製水に溶解することで水溶液を調製することができる。精製水の使用量としては、例えば水溶性結合剤に対して約1〜約100重量倍、好ましくは約5〜約40重量倍が挙げられる。
(2)結晶性の式1のイソキサゾール誘導体の水懸濁液の調製
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体を(1)の水溶性結合剤水溶液に分散させることで、懸濁液を調製することができる。
水溶性賦形剤、崩壊剤およびデンプンを含有させる時はデンプンを造粒機に仕込み、混合する。続いて(2)の水懸濁液を散布しながら造粒する。造粒方法としては、例えば、流動層造粒(Fluidized Bed Granulation)、転動造粒(Tumbling Granulation)、転動流動層造粒、攪拌造粒(Agitation Granulation)等が挙げられる。
(4)造粒物の乾燥
(3)の造粒物を減圧下または常圧下で乾燥する。この乾燥は赤外線水分計で観測される乾燥減量値が、例えば約5重量%以内、好ましくは約3重量%以内になるように行うことが好ましい。
(4)の乾燥造粒物をそのまま打錠して錠剤にすることもできるが、滑沢剤を配合した後、打錠するのがより好ましい。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリン、ステアリン酸グリセリン、ステアリルフマル酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤の配合量としては、例えば錠剤全重量に対して約0.3〜約3重量%、好ましくは約0.5〜約1.5重量%が挙げられる。滑沢剤の配合は、(4)の乾燥造粒物に滑沢剤を加えて混合することで実施できる。混合装置としては、例えばタンブラーブレンダー(Tumble Blender)、Vブレンダー(V Blender)、ダブルコーン(Double Cone)、ビンタンブラー(Bin Tumbler)等を使用できる。
(5)の混合物を常法により打錠して錠剤にする。打錠装置としては、例えば錠剤プレス(Tablet Press)、ロータリー式打錠機(Rotary Tableting Machine)等を使用できる。打錠圧力としては、2000〜15000Nが挙げられ、好ましい錠剤硬度としては、例えば約40〜約200Nが挙げられる。
(6)の錠剤は、必要によりフィルムコーティングすることができる。コーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の基材(水溶性皮膜剤)と、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等の可塑剤とを組み合わせたもの等が挙げられる。また、必要に応じて酸化チタン(遮光剤)、マンニトール等の添加剤を加えてもよい。コーティング装置としては、例えばハイコーター(Hicoater,フロイント産業)、アクアコーター(Aqua Coater,フロイント産業)等の通気式コーティングパンシステム(Perforated Coating Pan System)等が挙げられる。
上記水溶性皮膜剤、可塑剤、遮光剤の使用量として、好ましくは以下のものが挙げられる:
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%。
(7)の錠剤を減圧下または常圧下で乾燥する。この乾燥は赤外線水分計で観測される乾燥減量値が、例えば約5重量%以内、好ましくは約3重量%以内になるように行うことが好ましい。
(1)水溶性結合剤水溶液の調製
製造方法1の(1)と同様にして、水溶性結合剤水溶液を調製する。
(2)造粒物の調製
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体、水溶性賦形剤、崩壊剤およびデンプンを含有させる時はデンプンを造粒機に仕込み、混合する。続いて(1)の水溶液を散布しながら造粒する。造粒方法としては、製造方法1の(3)の造粒と同様にして実施できる。
(3)造粒物の乾燥、滑沢剤の配合、打錠、フィルムコーティングおよび錠剤の乾燥
製造方法1の(4)〜(8)と同様にして、錠剤を製造することができる。
(1)造粒物の調製
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体、水溶性賦形剤、崩壊剤およびデンプンを含有させる時はデンプンを造粒機に仕込み、混合する。続いて精製水を散布しながら造粒する。造粒方法としては、製造方法1の(3)の造粒と同様にして実施できる。
(2)造粒物の乾燥、滑沢剤の配合、打錠、フィルムコーティングおよび錠剤の乾燥
製造方法1の(4)〜(8)と同様にして、錠剤を製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
β型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体4.0gを2-プロパノール40.0gに加えて50℃で結晶を完全に溶解させた。同温度で、水70gを加えて攪拌し、β型結晶の種晶を加えた。同温度で水30gを25分間かけて滴下し、さらに35分間攪拌した。55分間かけて25℃まで徐冷し、同温度で1時間攪拌した。析出した結晶をろ取した。得られた結晶を10% 2-プロパノール水溶液で洗浄した後、減圧下で乾燥させ、式1のイソキサゾール誘導体のβ型結晶3.88g(収率97%)を針状結晶として得た。
β型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体のα型結晶250gを、トルエン500gおよび2-プロパノール187.5gに加えて60℃で結晶を完全に溶解させた。溶液をろ過し、2-プロパノール62.5gで洗浄した。ろ液と洗液を合わせ、この溶液に50℃でヘキサン231gを滴下した。β型結晶の種晶を加え、さらにヘキサン2013gを滴下し、同温度で30分間攪拌し、放冷し、20〜30℃で1時間攪拌した。析出した結晶をろ取した。得られた結晶をヘキサン1Lで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、式1のイソキサゾール誘導体のβ型結晶237.5g(収率95%)を針状結晶として得た。
β型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体のリン酸塩12.5g(25.4mmol)に、水56.3g、2-プロパノール93.8g、およびトルエン93.8gを加えて30℃に加熱して結晶を完全に溶解させた。この溶液に5%炭酸ナトリウム水溶液41.3g(19.5mmol)を同温度で滴下し、さらに30分間撹拌した後、分液した。有機層に活性炭0.1gを加えて30℃で30分間撹拌し、活性炭をろ過し、活性炭を2-プロパノール28.2gで洗浄した。得られた溶液を全量が82.4gになるまで減圧下で濃縮し、2-プロパノール282gを加え、再度、全量が75.5gになるまで減圧下で濃縮した。得られた溶液に2-プロパノール34.5gを加えた(溶液中の残存トルエン量をガスクロマトグラフィーにて計測したところ2-プロパノールに対して0.22%であった)。本溶液に50℃でさらに水175gおよびトルエン1.3gを加えて、43℃に冷却し、β型結晶の種晶6mgを加え、水75gを滴下して結晶を析出させた。さらに43℃で1時間保温したのち0℃に冷却し、0℃で1時間保温して、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を10% 2-プロパノール水溶液60gで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、式1のイソキサゾール誘導体のβ型結晶9.8g(24.9mmol,収率98%)を得た。
α型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体のリン酸塩2.0g(4.1mmol)に水40gを加え、50℃に加熱して溶解させた。同温度で1分間保温したのち、直ちに30℃に冷却して結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下で乾燥させて、式1のイソキサゾール誘導体のα型結晶1.22g(3.1mmol,収率76%)を鱗片状結晶として得た。
β型結晶およびα型結晶の粉末X線回折
粉末X線回折パターンは、X線回折装置RINT2500V(理学電機製)により、Cu・Kαを用いて測定した。この粉末X線回折における回折角(2θ)の値は標準的な精度を表しており、±0.1程度である。実施例1のβ型結晶の粉末X線回折における回折角(2θ)、相対強度は表1のとおりである。参考例1のα型結晶の粉末X線回折における回折角(2θ)、相対強度は表2に示すとおりである。
表1
2θ(°) 相対強度(%)
6.1 100
14.1 55
16.0 74
18.5 36
20.0 43
25.4 39
表2
2θ(°) 相対強度(%)
5.8 35
11.8 100
20.3 38
20.6 44
22.7 70
23.8 52
27.4 43
結晶の乾式気流粉砕方法−1
結晶をA−Oジェットミル(セイシン企業社製)に投入し、押し込み圧力0.49MPa、粉砕圧力0.49MPaにて気流粉砕を行った。α型結晶、β型結晶の各7gを、投入速度約10〜20g/時で手動投入した場合の装置内部固着量を表3に示す。なお、投入速度は固着量にあまり影響しないことが確認されている。
表3
結晶 固着量
α型結晶 2.06g
β型結晶 0.00g
上記の結果から、α型結晶は気流粉砕時に装置内に相当量固着するにもかかわらず、β型結晶は、気流粉砕時に装置内での固着が殆どないことがわかる。
結晶の乾式気流粉砕方法−2
結晶をジェットオーミルJOM0101型(セイシン企業社製)に投入し、押し込み圧力及び粉砕圧力(押し込み圧力と粉砕圧力は同じに設定)0.44Mpa〜0.49MPaにて気流粉砕を行った。α型結晶、およびβ型結晶を、投入速度約1〜2kg/時で手動投入した場合の粉砕品の粒度分布を表4に示す。粒度分布測定にはレーザー回折粒度分布計(乾式測定)を用いた。さらに微粉化するには、繰り返し粉砕、または粉砕圧力を高める必要があることが確認されている。
表4
α型結晶 β型結晶
処理量 950g 900g
篩い下D50%粒子径 27.6μm 4.7μm
篩い下D90%粒子径 79.3μm 10.2μm
上記の結果から、1回の粉砕ではα型結晶は製剤化できる粒子径にまで粉砕できないが、β型結晶は、α型結晶に比べて著しく小さい粒子径の粉砕品が得られ、製剤化に適した粒子径に粉砕できることがわかる。
結晶の乾式気流粉砕方法−3
α型結晶を製剤化可能な粒子径に粉砕するために要する粉砕回数および作業時間を検討した。結晶をジェットオーミルに投入し、気流粉砕を行った。原体結晶を、投入速度約1〜2kg/時で手動投入した場合の粉砕品の回収率、作業時間を表5に示す。粉砕圧力は、固着量にあまり影響しないことが確認されている。
β型結晶粉砕品と同等の粒度になるまでα型結晶を繰り返して粉砕したところ、6回の繰り返し粉砕が必要であった。
表5
α型結晶 β型結晶
粉砕圧力 0.80MPa 0.44MPa
繰り返し粉砕 6回 なし(1回のみ)
処理量 10kg 9kg
回収率 82% 99%
作業時間 70時間 10時間
上記により、β型結晶は、より小さい粉砕圧力で、繰り返し粉砕を要することなく、粉砕品を得ることができた。その結果、回収率もα型結晶よりも優れていた。また作業時間を大幅に短縮することができた。このようにβ型結晶の粉砕効率は著しく優れている。
結晶の湿式高圧粉砕方法
結晶を水とともにマイクロフルイダイザーM110Y型(みづほ工業社製)に投入し、高圧粉砕を行った。結晶を投入した場合の粒度分布を表6に示す。ここでα型結晶は粉砕途中で固化した。また、固化したα型結晶の固化品の含水率は80%程度であり、懸濁に用いた水を完全に取り込んだものであった。粒度分布測定は、めのう乳鉢で水に分散して行った。粒度分布測定にはレーザー回折粒度分布計(湿式測定)を用いた。
表6
α型結晶 β型結晶
粉砕圧力 100MPa 100MPa
処理量(原体/水) 40g/150g 20g/75g
処理時間 6分(固化) 7分
篩い下D50%粒子径 26.1μm 1.7μm
篩い下D90%粒子径 58.1μm 3.2μm
上記のように、α型結晶は凝集固化するため製剤に不適当なものしか与えないが、一方、β型結晶の湿式粉砕品は、そのまま製剤化の次工程に移行、または乾燥することが可能な粒子径に粉砕することができることがわかった。
錠剤(20mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(20mg錠)を製造した。
表7
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 20
マンニトール 66
コーンスターチ 28
クロスカルメロースナトリウム 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4
ステアリン酸マグネシウム 1
合計 125mg
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表8
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 132
コーンスターチ 56
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
フィルムコーティング錠
製剤例1で調製した裸錠をハイコーターHCT30N(フロイント産業)に仕込み、皮膜量が3mgになるようにコーティングを行い、下表の処方を有するフィルムコーティング錠(20mg錠)を得た。
表9
成分 含量(mg)
製造例1で調製した裸錠 125
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.13
マクロゴール400 0.21
酸化チタン 0.66
カルナウバロウ 微量
合計 128mg
錠剤(20mg錠)
下記処方に従い、水難溶性の有効成分、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水溶性高分子結合剤溶液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(20mg錠)を製造した。
表10
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 20
マンニトール 66
コーンスターチ 28
クロスカルメロースナトリウム 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4
ステアリン酸マグネシウム 1
合計 125mg
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表11
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 169
コーンスターチ 19
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、乳糖、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表12
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
乳糖 169
コーンスターチ 19
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表13
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 132
コーンスターチ 56
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
水溶性賦形剤を水難溶性薬物に対して2.5重量倍未満で配合した錠剤(裸錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表14
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 52
コーンスターチ 22
クロスカルメロースナトリウム 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4
ステアリン酸マグネシウム 1
合計 125mg
溶出試験
製剤例1〜3および比較製剤例で調製した錠剤の溶出試験を、日本薬局方溶出試験法第2法に従い、以下の条件で行った。
試験液:希釈マックイルベイン緩衝液(diluted McIlvaine buffer、pH3.5)
パドル回転数:50rpm、試験液:900ml
以下に錠剤1錠の溶出試験結果を溶出率(%)で示す。
表15
製剤例2の錠剤(40mg錠)は製剤例1の処方の2倍量で調製したものであるが、15分での溶出率が78%であった。製剤例1の溶出率と比較して15分における溶出率は±10%の範囲内にあり、同等の溶出挙動を示すことが明らかとなった。
製剤例3のフィルムコーティング剤は製剤例1の錠剤にフィルムコーティングを施したものであるが、15分後の溶出率が86%と、製剤例1と同じ値を示したことから、フィルムコーティングにより溶出率の変化は無いものと考えられた。
比較製剤例は水溶性賦形剤を水難溶性薬物に対して2.5倍未満で配合したものであるが、15分後の溶出率が65%であり、本製剤は製剤例1〜3の製剤と比べ溶出性が明らかに劣るものと考えられた。
Claims (18)
- (1)粉末X線回折において、回折角(2θ):6.1、14.1、16.0、18.5、20.0および25.4度に主ピークを示す、3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶、(2)(1)に対して2.5重量倍以上100重量倍以下の水溶性賦形剤、(3)崩壊剤、および(4)水溶性結合剤 を含有する経口製剤。
- 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶の篩い下D50%粒子径が20μm以下である、請求項1記載の経口製剤。
- 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶の篩い下D50%粒子径が10μm以下である、請求項1記載の経口製剤。
- 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶の篩い下D50%粒子径が7μm以下である、請求項1記載の経口製剤。
- それぞれの含量が、製剤全量に対して以下の重量比である請求項1〜4のいずれか記載の経口製剤。
3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶:1〜25%、
水溶性賦形剤:35〜90%、
崩壊剤 :1〜40%、
水溶性結合剤:0.5〜10%。 - それぞれの含量が、製剤全量に対して以下の重量比である請求項1〜4のいずれか記載の経口製剤。
3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶:1〜25%、
水溶性賦形剤:50〜90%、
崩壊剤 :2〜35%、
水溶性結合剤:1〜5%。 - 水溶性賦形剤が乳糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトールまたはこれらの混合物である請求項1〜6のいずれか記載の経口製剤。
- 崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンまたはこれらの混合物である請求項1〜7のいずれか記載の経口製剤。
- 水溶性結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランまたはこれらの混合物である請求項1〜8のいずれか記載の経口製剤。
- 錠剤である請求項1〜9のいずれか記載の経口製剤。
- フィルムコーティングされた請求項10記載の経口製剤。
- フィルムコーティングが下記組成である請求項11に記載の経口製剤。
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量% - 請求項1〜12のいずれか記載の経口製剤を含む、自己免疫疾患または炎症性疾患の治療薬または予防薬。
- 下記工程を含む請求項1〜10のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
(1) 水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
(2) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶を水溶性結合剤の水溶液に分散して懸濁液を調製する、
(3) (2)の懸濁液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(4) (3)の造粒物を圧縮成形する。 - 下記工程を含む請求項1〜10のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
(1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶、水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
(2) 水溶性結合剤の水溶液を調製する、
(3) (2)の水溶液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(4) (3)の造粒物を圧縮成形する。 - 下記工程を含む請求項1〜10のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
(1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶、水溶性賦形剤、崩壊剤および水溶性結合剤を混合して混合物を調製する、
(2) 水を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(3) (2)の造粒物を圧縮成形する。 - さらにフィルムコーティングを施すことを特徴とする請求項14〜16のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
- フィルムコーティングが下記組成である請求項17に記載の経口製剤の製造方法。
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%、
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%、
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%。
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