JP4684545B2 - 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤 - Google Patents

溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4684545B2
JP4684545B2 JP2003335833A JP2003335833A JP4684545B2 JP 4684545 B2 JP4684545 B2 JP 4684545B2 JP 2003335833 A JP2003335833 A JP 2003335833A JP 2003335833 A JP2003335833 A JP 2003335833A JP 4684545 B2 JP4684545 B2 JP 4684545B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
amino
soluble
isoxazole
crystals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003335833A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004137272A (ja
Inventor
宏行 西井
康 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharma Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd filed Critical Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
Priority to JP2003335833A priority Critical patent/JP4684545B2/ja
Publication of JP2004137272A publication Critical patent/JP2004137272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4684545B2 publication Critical patent/JP4684545B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、自己免疫疾患、炎症性疾患の治療剤として有用な経口製剤に関する。
従来、下記式1で表される3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールが優れた自己免疫疾患、炎症性疾患等の治療剤等として有用であることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
式1:
Figure 0004684545
しかし、これらの公報には式1のイソキサゾール誘導体について記載されているが、製剤工程で取り扱いが容易で安定な結晶性の式1のイソキサゾール誘導体およびそれを含有する医薬製剤についての記載はない。
また、医薬審第64号(平成12年2月14日交付)で『含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン』が示され、含量が異なる経口固形製剤において、消化管の各pH値に対応するpH1.2、3.0〜5.0および6.8の緩衝液、水などの各試験液で同等の溶出挙動を示すことが必要になった。溶出性の良好な製剤では、含量が異なっても同等の溶出挙動を示す製剤とすることは比較的容易であるが、式1のイソキサゾール誘導体のような水難溶性化合物の場合は水との親和性が低いため、その製剤の製造は一般に容易ではない。
特開平11−240873号公報 特開2000−186038号公報 特開2000−186077号公報
本発明が解決しようとする課題は、自己免疫疾患、炎症性疾患等の治療剤等として有用である式1のイソキサゾール誘導体の、良好な溶出性を有する経口製剤を提供することにある。
本発明者らは、式1のイソキサゾール誘導体の製剤化を鋭意検討した。そして、式1のイソキサゾール誘導体には少なくとも2種の結晶型(α型結晶およびβ型結晶と称する)が存在することを見出した。式1のイソキサゾール誘導体は水難溶性であるため、製剤化に際して結晶を微粉砕することが望ましい。そこで、これらの結晶に対して、気流粉砕および水中に懸濁しながら粉砕する湿式粉砕を行った。試験例1〜4で行った試験結果を以下にまとめる。
(1)α型結晶の粉砕
気流粉砕では、粉砕装置内部へのα型結晶の固着が著しく、従って1回の粉砕で所望のサイズまで微細化することが困難で、数回にわたる繰り返し粉砕が必要であった。頻繁に固着物の除去操作が必要となるため、粉砕効率、収率は悪い。湿式粉砕法では、α型結晶が非常に嵩高くなり、水等への分散媒への分散が困難で、実質上製剤化に供することができなかった。高圧粉砕条件下での湿式粉砕では、水懸濁状態で処理している際、β型結晶に変化した。
(2)β型結晶の粉砕
β型結晶を気流粉砕したところ、粉砕装置内部への固着がほとんどなく、製剤工程での取り扱いが容易であり、連続粉砕が可能であった。湿式粉砕法でも、容易に粉砕ができ、より微細で製剤化に供給可能な微粉末を製造することが可能であった。また、これらの粉砕化で結晶態の変化はなかった。
以上の試験結果から、β型結晶である本発明の結晶性の式1のイソキサゾール誘導体が、製剤工程での取り扱いが非常に容易であり、安定であることが見出された。
さらに、本発明者らは、(1)式1のイソキサゾール誘導体、(2)(1)に対して2.5重量倍以上100重量倍以下の水溶性賦形剤、(3)崩壊剤、および(4)水溶性結合剤 を含有する経口製剤が良好な溶出性を有することを見出した。
以上の知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。本発明は、以下のとおりである。
[1] (1)粉末X線回折において、回折角(2θ):6.1、14.1、16.0、18.5、20.0および25.4度に主ピークを示す、結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール、(2)(1)に対して2.5重量倍以上100重量倍以下の水溶性賦形剤、(3)崩壊剤、および(4)水溶性結合剤 を含有する経口製剤。
[2] 結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの篩い下D50%粒子径が20μm以下である、[1]記載の経口製剤。
[3] 結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの篩い下D50%粒子径が10μm以下である、[1]記載の経口製剤。
[4] 結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの篩い下D50%粒子径が7μm以下である、[1]記載の経口製剤。
[5] それぞれの含量が、製剤全量に対して以下の重量比である[1]〜[4]のいずれか記載の経口製剤。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:35〜90%、
崩壊剤 :1〜40%、
水溶性結合剤:0.5〜10%。
[6] それぞれの含量が、製剤全量に対して以下の重量比である[1]〜[4]のいずれか記載の経口製剤。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:50〜90%、
崩壊剤 :2〜35%、
水溶性結合剤:1〜5%。
[7] 水溶性賦形剤が乳糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトールまたはこれらの混合物である[1]〜[6]のいずれか記載の経口製剤。
[8] 崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンまたはこれらの混合物である[1]〜[7]のいずれか記載の経口製剤。
[9] 水溶性結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランまたはこれらの混合物である[1]〜[8]のいずれか記載の経口製剤。
[10] 錠剤である[1]〜[9]のいずれか記載の経口製剤。
[11] フィルムコーティングされた[10]記載の経口製剤。
[12] フィルムコーティングが下記組成である[11]に記載の経口製剤。
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%
[13] [1]〜[12]のいずれか記載の経口製剤を含む、自己免疫疾患または炎症性疾患の治療薬または予防薬。
[14] 下記工程を含む[1]〜[10]のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
(1) 水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
(2) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールを水溶性結合剤の水溶液に分散して懸濁液を調製する、
(3) (2)の懸濁液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(4) (3)の造粒物を圧縮成形する。
[15] 下記工程を含む[1]〜[10]のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
(1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール、水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
(2) 水溶性結合剤の水溶液を調製する、
(3) (2)の水溶液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(4) (3)の造粒物を圧縮成形する。
[16] 下記工程を含む[1]〜[10]のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
(1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール、水溶性賦形剤、崩壊剤および水溶性結合剤を混合して混合物を調製する、
(2) 水を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
(3) (2)の造粒物を圧縮成形する。
[17] さらにフィルムコーティングを施すことを特徴とする[14]〜[16]のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
[18] フィルムコーティングが下記組成である[17]に記載の経口製剤の製造方法。
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%、
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%、
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%。
本発明により、自己免疫疾患、炎症性疾患等の治療剤等として有用であるイソキサゾール誘導体の、良好な溶出性を有する経口製剤を提供することが可能となった。
本発明の結晶性の式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶)は、例えば、式1のイソキサゾール誘導体を、親水性溶媒と水との混合溶媒から結晶化させることで製造することができる。ここで、式1のイソキサゾール誘導体は、特許文献1〜3に記載された方法等で製造することができる。親水性溶媒としては、例えば、アルコール(2-プロパノール、エタノール、メタノール、t-ブタノール等)、ケトン(アセトン、2-ブタノン等)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオニトリル等)、アミド(N,N-ジメチルホルムアミド等)およびこれらの混合溶媒等が挙げられ、好ましくは2-プロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトンが挙げられ、特に好ましくは2-プロパノールが挙げられる。芳香族炭化水素(トルエン、クロルベンゼン、ベンゼン等)、エーテル(t-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等)、脂肪族炭化水素(シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等)、エステル(酢酸エチル等)を少量混合させることもできる。
親水性溶媒と水との混合溶媒の量は、使用する親水性溶媒の種類によって変化するが、その取扱いの点から、通常式1のイソキサゾール誘導体に対して約5〜約100重量倍、好ましくは約10〜約50重量倍の範囲が挙げられる。親水性溶媒と水の重量比としては、使用する親水性溶媒の種類によって変化するが、例えば約100:0〜約1:10が挙げられ、好ましくは約1:1〜約1:5が挙げられる。結晶化に際しては、β型結晶の種晶を添加するのが望ましい。結晶化温度としては、例えば約70〜約0℃の範囲が挙げられる。好ましくは、まず約70〜約40℃で溶解させ、段階的あるいは継続的に徐冷し、約20〜約0℃で結晶化するのがよい。また、式1のイソキサゾール誘導体を親水性溶媒に溶解させ、後で水を添加して結晶化するのが好ましい。
純度の高い結晶性の式1のイソキサゾール誘導体を得るためには、一度リン酸塩等として結晶を単離した後、フリー化して結晶化するのがよい。その場合、式1のイソキサゾール誘導体の塩をフリー化し、反応溶媒が疎水性有機溶媒である場合は親水性有機溶媒に変換して、反応溶媒が親水性有機溶媒である場合はそのままで、同一反応槽中で結晶化することもできる。フリー化に使用する塩基としては、例えば水酸化アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等)等が挙げられ、その水溶液を用いることができる。
本発明のβ型結晶は、式1のイソキサゾール誘導体のリン酸塩またはα型結晶を、水中で一定時間、懸濁下で攪拌させることによっても得ることができる。リン酸塩の場合は、例えば50℃で5時間程度攪拌することでβ型結晶が得られた。このことからも、β型結晶は、α型結晶に比較して熱力学的に安定であることが分かる。また、β型結晶の種晶を使用する限り、芳香族炭化水素(トルエン、ベンゼン等)、エーテル(t-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等)、脂肪族炭化水素(シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン系溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等)、エステル(酢酸エチル等)等の疎水性有機溶媒からβ型結晶を製造することも可能である。例えばトルエンおよび2-プロパノールの混合溶媒に式1のイソキサゾール誘導体を溶解し、ヘキサン等を添加して結晶化することができる。
他方、α型結晶は、式1のイソキサゾール誘導体のリン酸塩を水に溶解させ、急冷することで得ることができる。
本発明の結晶性の式1のイソキサゾール誘導体は、これを医薬として用いるにあたり、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、または経鼻的)に投与することができる。経口投与のための形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤などが挙げられ、非経口投与のための形態としては、例えば、注射用水性剤もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などが挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等を含有することができる。また、注射剤形で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体の投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態によって異なるが、通常は成人(体重50kg)に対して本発明化合物の有効成分量として、1日あたり約5〜200mg、好ましくは10〜140mgを1回または数回に分けて投与することができる。
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体は、自己免疫疾患〔例えば、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、全身性強皮症、シェーグレン症候群、橋本病、重症筋無力症、バセドー病、アジソン病、若年型糖尿病(I型糖尿病)、自己免疫性血液性疾患(例えば、再生不良性貧血、溶血性貧血、突発性血小板減少症等)、潰瘍性大腸炎、慢性活動型肝炎、糸球体腎炎、間質性肺腺維症、多発性硬化症等〕、および炎症性疾患〔例えば、変形性関節炎、痛風、アトピー性皮膚炎、乾癬等〕等の疾患に対する治療薬・予防薬として有用である。
本発明の(1)結晶性の式1のイソキサゾール誘導体、(2)(1)に対して2.5重量倍以上100重量倍以下の水溶性賦形剤、(3)崩壊剤、および(4)水溶性結合剤 を含有させた経口製剤は、良好な溶出性を有する。好ましい経口製剤の形態としては、錠剤等が挙げられる。本経口製剤は、含量が異なってもpH3.5の試験液で15分で75%以上の溶出性を示した。
水溶性賦形剤としては、乳糖、ショ糖、フラクトオリゴ糖、パラチノース、ブドウ糖、マルトース、還元麦芽糖、粉飴、果糖、異性化乳糖、還元乳糖、蜂蜜糖等の糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール等の糖アルコール、およびこれらの混合物等が挙げられる。好ましい水溶性賦形剤としては、乳糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトールまたはこれらの混合物等が挙げられる。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、合成ケイ酸アルミニウム、およびこれらの混合物等が挙げられる。好ましい崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン(例えば、コーンスターチ等の天然デンプンがあげられる)およびこれらの混合物等が挙げられる。
水溶性結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、デンプン、デキストリン、ゼラチン、およびこれらの混合物等が挙げられる。好ましい水溶性結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、およびこれらの混合物等が挙げられる。
その他必要に応じて、上記成分以外に製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な添加剤、例えば着色剤、矯味・矯臭剤、防腐剤、安定化剤、帯電防止剤、界面活性剤、発泡剤、着色剤等を添加することもできる。
好ましいこれらの重量比としては、例えば、製剤全量に対して以下の重量比のものが挙げられる。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:35〜90%、
崩壊剤 :1〜40%、
水溶性結合剤:0.5〜10%。
より好ましいこれらの重量比としては、例えば、製剤全量に対して以下の重量比のものが挙げられる。
結晶性3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾール:1〜25%、
水溶性賦形剤:50〜90%、
崩壊剤 :2〜35%、
水溶性結合剤:1〜5%。
本経口製剤は、例えば以下の製造方法1、2または3の方法に従って製造することができる。なお、製造に際し、結晶性の式1のイソキサゾール誘導体は微粉砕されていることが好ましく、その篩い下D50%粒子径は好ましくは約20μm以下、より好ましくは約10μm以下、さらに好ましくは約7μm以下が挙げられ、例えば約1〜約7μmの範囲が挙げられる。
製造方法1
(1)水溶性結合剤水溶液の調製
水溶性結合剤を精製水に溶解することで水溶液を調製することができる。精製水の使用量としては、例えば水溶性結合剤に対して約1〜約100重量倍、好ましくは約5〜約40重量倍が挙げられる。
(2)結晶性の式1のイソキサゾール誘導体の水懸濁液の調製
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体を(1)の水溶性結合剤水溶液に分散させることで、懸濁液を調製することができる。
(3)造粒物の調製
水溶性賦形剤、崩壊剤およびデンプンを含有させる時はデンプンを造粒機に仕込み、混合する。続いて(2)の水懸濁液を散布しながら造粒する。造粒方法としては、例えば、流動層造粒(Fluidized Bed Granulation)、転動造粒(Tumbling Granulation)、転動流動層造粒、攪拌造粒(Agitation Granulation)等が挙げられる。
(4)造粒物の乾燥
(3)の造粒物を減圧下または常圧下で乾燥する。この乾燥は赤外線水分計で観測される乾燥減量値が、例えば約5重量%以内、好ましくは約3重量%以内になるように行うことが好ましい。
(5)滑沢剤の配合
(4)の乾燥造粒物をそのまま打錠して錠剤にすることもできるが、滑沢剤を配合した後、打錠するのがより好ましい。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリン、ステアリン酸グリセリン、ステアリルフマル酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤の配合量としては、例えば錠剤全重量に対して約0.3〜約3重量%、好ましくは約0.5〜約1.5重量%が挙げられる。滑沢剤の配合は、(4)の乾燥造粒物に滑沢剤を加えて混合することで実施できる。混合装置としては、例えばタンブラーブレンダー(Tumble Blender)、Vブレンダー(V Blender)、ダブルコーン(Double Cone)、ビンタンブラー(Bin Tumbler)等を使用できる。
(6)打錠
(5)の混合物を常法により打錠して錠剤にする。打錠装置としては、例えば錠剤プレス(Tablet Press)、ロータリー式打錠機(Rotary Tableting Machine)等を使用できる。打錠圧力としては、2000〜15000Nが挙げられ、好ましい錠剤硬度としては、例えば約40〜約200Nが挙げられる。
(7)フィルムコーティング
(6)の錠剤は、必要によりフィルムコーティングすることができる。コーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の基材(水溶性皮膜剤)と、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等の可塑剤とを組み合わせたもの等が挙げられる。また、必要に応じて酸化チタン(遮光剤)、マンニトール等の添加剤を加えてもよい。コーティング装置としては、例えばハイコーター(Hicoater,フロイント産業)、アクアコーター(Aqua Coater,フロイント産業)等の通気式コーティングパンシステム(Perforated Coating Pan System)等が挙げられる。
上記水溶性皮膜剤、可塑剤、遮光剤の使用量として、好ましくは以下のものが挙げられる:
水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%
可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%
遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%。
(8)錠剤の乾燥
(7)の錠剤を減圧下または常圧下で乾燥する。この乾燥は赤外線水分計で観測される乾燥減量値が、例えば約5重量%以内、好ましくは約3重量%以内になるように行うことが好ましい。
製造方法2
(1)水溶性結合剤水溶液の調製
製造方法1の(1)と同様にして、水溶性結合剤水溶液を調製する。
(2)造粒物の調製
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体、水溶性賦形剤、崩壊剤およびデンプンを含有させる時はデンプンを造粒機に仕込み、混合する。続いて(1)の水溶液を散布しながら造粒する。造粒方法としては、製造方法1の(3)の造粒と同様にして実施できる。
(3)造粒物の乾燥、滑沢剤の配合、打錠、フィルムコーティングおよび錠剤の乾燥
製造方法1の(4)〜(8)と同様にして、錠剤を製造することができる。
製造方法3
(1)造粒物の調製
結晶性の式1のイソキサゾール誘導体、水溶性賦形剤、崩壊剤およびデンプンを含有させる時はデンプンを造粒機に仕込み、混合する。続いて精製水を散布しながら造粒する。造粒方法としては、製造方法1の(3)の造粒と同様にして実施できる。
(2)造粒物の乾燥、滑沢剤の配合、打錠、フィルムコーティングおよび錠剤の乾燥
製造方法1の(4)〜(8)と同様にして、錠剤を製造することができる。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
β型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体4.0gを2-プロパノール40.0gに加えて50℃で結晶を完全に溶解させた。同温度で、水70gを加えて攪拌し、β型結晶の種晶を加えた。同温度で水30gを25分間かけて滴下し、さらに35分間攪拌した。55分間かけて25℃まで徐冷し、同温度で1時間攪拌した。析出した結晶をろ取した。得られた結晶を10% 2-プロパノール水溶液で洗浄した後、減圧下で乾燥させ、式1のイソキサゾール誘導体のβ型結晶3.88g(収率97%)を針状結晶として得た。
実施例2
β型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体のα型結晶250gを、トルエン500gおよび2-プロパノール187.5gに加えて60℃で結晶を完全に溶解させた。溶液をろ過し、2-プロパノール62.5gで洗浄した。ろ液と洗液を合わせ、この溶液に50℃でヘキサン231gを滴下した。β型結晶の種晶を加え、さらにヘキサン2013gを滴下し、同温度で30分間攪拌し、放冷し、20〜30℃で1時間攪拌した。析出した結晶をろ取した。得られた結晶をヘキサン1Lで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、式1のイソキサゾール誘導体のβ型結晶237.5g(収率95%)を針状結晶として得た。
実施例3
β型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体のリン酸塩12.5g(25.4mmol)に、水56.3g、2-プロパノール93.8g、およびトルエン93.8gを加えて30℃に加熱して結晶を完全に溶解させた。この溶液に5%炭酸ナトリウム水溶液41.3g(19.5mmol)を同温度で滴下し、さらに30分間撹拌した後、分液した。有機層に活性炭0.1gを加えて30℃で30分間撹拌し、活性炭をろ過し、活性炭を2-プロパノール28.2gで洗浄した。得られた溶液を全量が82.4gになるまで減圧下で濃縮し、2-プロパノール282gを加え、再度、全量が75.5gになるまで減圧下で濃縮した。得られた溶液に2-プロパノール34.5gを加えた(溶液中の残存トルエン量をガスクロマトグラフィーにて計測したところ2-プロパノールに対して0.22%であった)。本溶液に50℃でさらに水175gおよびトルエン1.3gを加えて、43℃に冷却し、β型結晶の種晶6mgを加え、水75gを滴下して結晶を析出させた。さらに43℃で1時間保温したのち0℃に冷却し、0℃で1時間保温して、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を10% 2-プロパノール水溶液60gで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、式1のイソキサゾール誘導体のβ型結晶9.8g(24.9mmol,収率98%)を得た。
参考例1
α型結晶の製造
式1のイソキサゾール誘導体のリン酸塩2.0g(4.1mmol)に水40gを加え、50℃に加熱して溶解させた。同温度で1分間保温したのち、直ちに30℃に冷却して結晶をろ取した。得られた結晶を減圧下で乾燥させて、式1のイソキサゾール誘導体のα型結晶1.22g(3.1mmol,収率76%)を鱗片状結晶として得た。
実施例4
β型結晶およびα型結晶の粉末X線回折
粉末X線回折パターンは、X線回折装置RINT2500V(理学電機製)により、Cu・Kαを用いて測定した。この粉末X線回折における回折角(2θ)の値は標準的な精度を表しており、±0.1程度である。実施例1のβ型結晶の粉末X線回折における回折角(2θ)、相対強度は表1のとおりである。参考例1のα型結晶の粉末X線回折における回折角(2θ)、相対強度は表2に示すとおりである。
表1
2θ(°) 相対強度(%)
6.1 100
14.1 55
16.0 74
18.5 36
20.0 43
25.4 39
表2
2θ(°) 相対強度(%)
5.8 35
11.8 100
20.3 38
20.6 44
22.7 70
23.8 52
27.4 43
試験例1
結晶の乾式気流粉砕方法−1
結晶をA−Oジェットミル(セイシン企業社製)に投入し、押し込み圧力0.49MPa、粉砕圧力0.49MPaにて気流粉砕を行った。α型結晶、β型結晶の各7gを、投入速度約10〜20g/時で手動投入した場合の装置内部固着量を表3に示す。なお、投入速度は固着量にあまり影響しないことが確認されている。
表3
結晶 固着量
α型結晶 2.06g
β型結晶 0.00g
上記の結果から、α型結晶は気流粉砕時に装置内に相当量固着するにもかかわらず、β型結晶は、気流粉砕時に装置内での固着が殆どないことがわかる。
試験例2
結晶の乾式気流粉砕方法−2
結晶をジェットオーミルJOM0101型(セイシン企業社製)に投入し、押し込み圧力及び粉砕圧力(押し込み圧力と粉砕圧力は同じに設定)0.44Mpa〜0.49MPaにて気流粉砕を行った。α型結晶、およびβ型結晶を、投入速度約1〜2kg/時で手動投入した場合の粉砕品の粒度分布を表4に示す。粒度分布測定にはレーザー回折粒度分布計(乾式測定)を用いた。さらに微粉化するには、繰り返し粉砕、または粉砕圧力を高める必要があることが確認されている。
表4
α型結晶 β型結晶
処理量 950g 900g
篩い下D50%粒子径 27.6μm 4.7μm
篩い下D90%粒子径 79.3μm 10.2μm
上記の結果から、1回の粉砕ではα型結晶は製剤化できる粒子径にまで粉砕できないが、β型結晶は、α型結晶に比べて著しく小さい粒子径の粉砕品が得られ、製剤化に適した粒子径に粉砕できることがわかる。
試験例3
結晶の乾式気流粉砕方法−3
α型結晶を製剤化可能な粒子径に粉砕するために要する粉砕回数および作業時間を検討した。結晶をジェットオーミルに投入し、気流粉砕を行った。原体結晶を、投入速度約1〜2kg/時で手動投入した場合の粉砕品の回収率、作業時間を表5に示す。粉砕圧力は、固着量にあまり影響しないことが確認されている。
β型結晶粉砕品と同等の粒度になるまでα型結晶を繰り返して粉砕したところ、6回の繰り返し粉砕が必要であった。
表5
α型結晶 β型結晶
粉砕圧力 0.80MPa 0.44MPa
繰り返し粉砕 6回 なし(1回のみ)
処理量 10kg 9kg
回収率 82% 99%
作業時間 70時間 10時間
上記により、β型結晶は、より小さい粉砕圧力で、繰り返し粉砕を要することなく、粉砕品を得ることができた。その結果、回収率もα型結晶よりも優れていた。また作業時間を大幅に短縮することができた。このようにβ型結晶の粉砕効率は著しく優れている。
試験例4
結晶の湿式高圧粉砕方法
結晶を水とともにマイクロフルイダイザーM110Y型(みづほ工業社製)に投入し、高圧粉砕を行った。結晶を投入した場合の粒度分布を表6に示す。ここでα型結晶は粉砕途中で固化した。また、固化したα型結晶の固化品の含水率は80%程度であり、懸濁に用いた水を完全に取り込んだものであった。粒度分布測定は、めのう乳鉢で水に分散して行った。粒度分布測定にはレーザー回折粒度分布計(湿式測定)を用いた。

表6
α型結晶 β型結晶
粉砕圧力 100MPa 100MPa
処理量(原体/水) 40g/150g 20g/75g
処理時間 6分(固化) 7分
篩い下D50%粒子径 26.1μm 1.7μm
篩い下D90%粒子径 58.1μm 3.2μm
上記のように、α型結晶は凝集固化するため製剤に不適当なものしか与えないが、一方、β型結晶の湿式粉砕品は、そのまま製剤化の次工程に移行、または乾燥することが可能な粒子径に粉砕することができることがわかった。
製剤例1
錠剤(20mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(20mg錠)を製造した。
表7
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 20
マンニトール 66
コーンスターチ 28
クロスカルメロースナトリウム 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4
ステアリン酸マグネシウム 1
合計 125mg
製剤例2
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表8
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 132
コーンスターチ 56
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
製剤例3
フィルムコーティング錠
製剤例1で調製した裸錠をハイコーターHCT30N(フロイント産業)に仕込み、皮膜量が3mgになるようにコーティングを行い、下表の処方を有するフィルムコーティング錠(20mg錠)を得た。
表9
成分 含量(mg)
製造例1で調製した裸錠 125
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.13
マクロゴール400 0.21
酸化チタン 0.66
カルナウバロウ 微量
合計 128mg
製剤例4
錠剤(20mg錠)
下記処方に従い、水難溶性の有効成分、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水溶性高分子結合剤溶液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(20mg錠)を製造した。
表10
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 20
マンニトール 66
コーンスターチ 28
クロスカルメロースナトリウム 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4
ステアリン酸マグネシウム 1
合計 125mg
製剤例5
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表11
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 169
コーンスターチ 19
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
製剤例6
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、乳糖、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表12
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
乳糖 169
コーンスターチ 19
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
製剤例7
錠剤(40mg錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表13
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 132
コーンスターチ 56
クロスカルメロースナトリウム 12
ヒドロキシプロピルセルロース 8
ステアリン酸マグネシウム 2
合計 250mg
比較製剤例
水溶性賦形剤を水難溶性薬物に対して2.5重量倍未満で配合した錠剤(裸錠)
下記処方に従い、マンニトール、コーンスターチ及びクロスカルメロースナトリウムを流動層造粒機に仕込み、水難溶性の有効成分を水溶性高分子結合剤溶液に分散懸濁した結合液にてスプレー造粒し、得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを配合後、打錠し、錠剤(40mg錠)を製造した。
表14
成分 含量(mg)
式1のイソキサゾール誘導体(β型結晶) 40
マンニトール 52
コーンスターチ 22
クロスカルメロースナトリウム 6
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4
ステアリン酸マグネシウム 1
合計 125mg
試験例5
溶出試験
製剤例1〜3および比較製剤例で調製した錠剤の溶出試験を、日本薬局方溶出試験法第2法に従い、以下の条件で行った。
試験液:希釈マックイルベイン緩衝液(diluted McIlvaine buffer、pH3.5)
パドル回転数:50rpm、試験液:900ml
以下に錠剤1錠の溶出試験結果を溶出率(%)で示す。
表15
Figure 0004684545
製剤例1の錠剤(20mg錠)では、15分で溶出率85%以上であり、極めて良好な溶出性を示した。
製剤例2の錠剤(40mg錠)は製剤例1の処方の2倍量で調製したものであるが、15分での溶出率が78%であった。製剤例1の溶出率と比較して15分における溶出率は±10%の範囲内にあり、同等の溶出挙動を示すことが明らかとなった。
製剤例3のフィルムコーティング剤は製剤例1の錠剤にフィルムコーティングを施したものであるが、15分後の溶出率が86%と、製剤例1と同じ値を示したことから、フィルムコーティングにより溶出率の変化は無いものと考えられた。
比較製剤例は水溶性賦形剤を水難溶性薬物に対して2.5倍未満で配合したものであるが、15分後の溶出率が65%であり、本製剤は製剤例1〜3の製剤と比べ溶出性が明らかに劣るものと考えられた。
本発明により、自己免疫疾患、炎症性疾患等の治療剤等として有用であるイソキサゾール誘導体の、良好な溶出性を有する経口製剤を提供することができる。



Claims (18)

  1. (1)粉末X線回折において、回折角(2θ):6.1、14.1、16.0、18.5、20.0および25.4度に主ピークを示す、3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶、(2)(1)に対して2.5重量倍以上100重量倍以下の水溶性賦形剤、(3)崩壊剤、および(4)水溶性結合剤 を含有する経口製剤。
  2. 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶の篩い下D50%粒子径が20μm以下である、請求項1記載の経口製剤。
  3. 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶の篩い下D50%粒子径が10μm以下である、請求項1記載の経口製剤。
  4. 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶の篩い下D50%粒子径が7μm以下である、請求項1記載の経口製剤。
  5. それぞれの含量が、製剤全量に対して以下の重量比である請求項1〜4のいずれか記載の経口製剤
    3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶:1〜25%、
    水溶性賦形剤:35〜90%、
    崩壊剤 :1〜40%、
    水溶性結合剤:0.5〜10%。
  6. それぞれの含量が、製剤全量に対して以下の重量比である請求項1〜4のいずれか記載の経口製剤
    3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶:1〜25%、
    水溶性賦形剤:50〜90%、
    崩壊剤 :2〜35%、
    水溶性結合剤:1〜5%。
  7. 水溶性賦形剤が乳糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトールまたはこれらの混合物である請求項1〜6のいずれか記載の経口製剤。
  8. 崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポピドン、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンまたはこれらの混合物である請求項1〜7のいずれか記載の経口製剤。
  9. 水溶性結合剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルランまたはこれらの混合物である請求項1〜8のいずれか記載の経口製剤。
  10. 錠剤である請求項1〜9のいずれか記載の経口製剤。
  11. フィルムコーティングされた請求項10記載の経口製剤。
  12. フィルムコーティングが下記組成である請求項11に記載の経口製剤。
    水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%
    可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%
    遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%
  13. 請求項1〜12のいずれか記載の経口製剤を含む、自己免疫疾患または炎症性疾患の治療薬または予防薬。
  14. 下記工程を含む請求項1〜10のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
    (1) 水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
    (2) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶を水溶性結合剤の水溶液に分散して懸濁液を調製する、
    (3) (2)の懸濁液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
    (4) (3)の造粒物を圧縮成形する。
  15. 下記工程を含む請求項1〜10のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
    (1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶、水溶性賦形剤および崩壊剤を混合して混合物を調製する、
    (2) 水溶性結合剤の水溶液を調製する、
    (3) (2)の水溶液を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
    (4) (3)の造粒物を圧縮成形する。
  16. 下記工程を含む請求項1〜10のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
    (1) 3-[(1S)-1-(2-フルオロビフェニル-4-イル)エチル]-5-{[アミノ(モルフォリン-4-イル)メチレン]アミノ}イソキサゾールの結晶、水溶性賦形剤、崩壊剤および水溶性結合剤を混合して混合物を調製する、
    (2) 水を(1)の混合物に散布して造粒物を調製する、そして
    (3) (2)の造粒物を圧縮成形する。
  17. さらにフィルムコーティングを施すことを特徴とする請求項14〜16のいずれか記載の経口製剤の製造方法。
  18. フィルムコーティングが下記組成である請求項17に記載の経口製剤の製造方法。
    水溶性皮膜剤:製剤全量に対して1〜5重量%、
    可塑剤:製剤全量に対して0〜1重量%、
    遮光剤:製剤全量に対して0.2〜2重量%。
JP2003335833A 2002-09-26 2003-09-26 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤 Expired - Fee Related JP4684545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003335833A JP4684545B2 (ja) 2002-09-26 2003-09-26 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280255 2002-09-26
JP2003335833A JP4684545B2 (ja) 2002-09-26 2003-09-26 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004137272A JP2004137272A (ja) 2004-05-13
JP4684545B2 true JP4684545B2 (ja) 2011-05-18

Family

ID=32473119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003335833A Expired - Fee Related JP4684545B2 (ja) 2002-09-26 2003-09-26 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4684545B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI405574B (zh) * 2007-06-21 2013-08-21 Otsuka Pharma Co Ltd 藥學固體製劑及其製造方法
EP2251012A4 (en) * 2008-02-11 2013-03-06 Dainippon Sumitomo Pharma Co TABLET HAVING ENHANCED ELUTING PROPERTIES
PT105058B (pt) * 2010-04-21 2013-04-17 Hovione Farmaciencia S A Processo para processamento de partículas de ingredientes activos farmacêuticos
JP6849007B2 (ja) * 2018-04-12 2021-03-24 三生医薬株式会社 造粒組成物、及びその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000186038A (ja) * 1998-10-13 2000-07-04 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd イソキサゾ―ル誘導体からなる医薬
JP2000186077A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd 5―アミノイソキサゾ―ル誘導体の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3237608B2 (ja) * 1997-04-21 2001-12-10 住友製薬株式会社 イソキサゾール誘導体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000186038A (ja) * 1998-10-13 2000-07-04 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd イソキサゾ―ル誘導体からなる医薬
JP2000186077A (ja) * 1998-10-15 2000-07-04 Sumitomo Pharmaceut Co Ltd 5―アミノイソキサゾ―ル誘導体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004137272A (ja) 2004-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1793824B1 (en) New pharmaceutical compositions comprising 4-(4-(3-(4-chloro-3-trifluoromethyl-phenyl)-ureido)-3-fluoro-phenoxy)-pyridine-2-carboxylic acid for the treatment of hyper-proliferative disorders
CN106963741A (zh) 含有苯基丙氨酸衍生物的医药制剂
AU2020276701B2 (en) Crystalline forms of N-[4-(Chlorodifluoromethoxy)phenyl]-6-[(3R)-3-hydroxypyrrolidin-1-yl]-5-(1H-pyrazol-5-yl)pyridine-3-carboxamide
US20080311212A1 (en) Crystalline isoxazole derivative and pharmaceutical preparation thereof
EP2714676B1 (en) A process for the preparation of polymorphic form i of etoricoxib
JP4684545B2 (ja) 溶出性の良好なイソキサゾール誘導体経口製剤
JP2018111718A (ja) オピオイド作動薬としてのα−6−MPEG6−O−ヒドロキシコドンの固体塩およびその使用
TWI830835B (zh) 具改善性質之{4,6-二胺基-2-[5-氟-1-(2-氟芐基)-1H-吡唑並[3,4-b]吡啶-3-基]嘧啶-5-基}胺基甲酸甲酯活性化合物產物、其製造及調配物
US20180162849A1 (en) Anhydrous crystalline free base form of 6-{2-[1-(6-methyl-3-pyridazinyl)-4-piperidinyl]ethoxy}-3-ethoxy-1,2-benzisoxazole
WO2005020979A1 (en) A process for the preparation of pharmaceutical compositions of nateglinide
CN113802186B (zh) 克拉霉素球形晶体及其制备方法和应用
JP2001213890A (ja) トレハロース粒子
WO2022171200A1 (zh) Resmetirom的晶型及其制备方法和用途
US20070184116A1 (en) Pharmaceutical formulation containing unmilled flutamide
JP2024068665A (ja) 新規な酢酸亜鉛二水和物及びその製造方法
CN117956993A (zh) 索拉非尼的无定形固体分散体和包含其的固体制剂
JP2022023705A (ja) プラスグレルを含む混合物の混合方法及びその利用
EP0535269A1 (en) Pharmaceutical compositions containing thiazolidinedione derivatives
TW200522943A (en) Fine crystallites and a pharmaceutical composition comprising them

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051026

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140218

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees