JP4682831B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、基材の内面にフッ素樹脂コートを形成した鍋を備えた炊飯器に関するものである。
従来、広く世間一般に市販されている炊飯器等の調理機器に用いられる鍋は、その基材がアルミニウム単体から形成されるか、アルミニウムとステンレスの張り合わせ材やアルミニウムとステンレスと銅の張り合わせ材等の複合材料を基材としているものが主流である。これら金属製の炊飯器用鍋においては、通常調理物であるご飯が強く付着することを防止するために、その内面にフッ素樹脂コートが処理されており、ご飯に対する非粘着性を向上させている。フッ素樹脂コートは、通常、1層構造から2層や3層構造であるが、良好な非粘着性、高い耐久性および外観性を得る観点から2層以上のフッ素樹脂コートとすることが好ましい。2層のフッ素樹脂コートでは、基材表面をサンドブラスト処理等で適度な表面粗さになるようにした後、プライマ接着層を成膜後膜厚が10μm前後となるように基材上に形成し、その上層にトップコートを成膜後膜厚が50μm前後となるように形成し、400℃付近で約20分間焼成し成膜化することでフッ素樹脂コートとなる。フッ素樹脂コートは、鍋内での洗米による米とフッ素樹脂コート間の摩擦負荷や、鍋洗浄時のナイロンタワシ等の摩擦負荷等による厳しい摩耗環境に置かれることを想定する必要がある。一般的に、フライパン等に用いられるフッ素樹脂コートの耐摩耗性を向上する手段としては、トップコートにセラミックス粒子等、無機充填材を多量に添加してトップコートの硬度を向上するといった手法がとられてきたが(例えば、特許文献1参照)、炊飯器用鍋のフッ素樹脂コートにおいては、非粘着性や水位線表示部の視認性確保の観点から同様な手法を採用することは難しかった。そこで、従来の炊飯器用鍋等においては、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を向上する手段として、トップコートを極力厚膜化して耐摩耗性の向上を図ってきた。厚膜化の手法としては2層構造ではフッ素樹脂の粉体塗料を限界まで厚く塗装するか、3層構造ではプライマ接着層とトップコートの間の中間コートを厚膜化して、トップコートの厚膜化と相加効果を持たせたものがあった。以上の厚膜化により通常は30〜50μm程度の厚さのフッ素樹脂コートを100μm程度にすることが可能となり、耐摩耗性の向上が期待できる。
また、炊飯性能を向上させるためには鍋が果たす役割は大きく、特に熱的影響を考慮した場合には、沸騰伝熱における米への熱伝導が最も大きな割合を占める。よって沸騰伝熱における核沸騰時の気泡の生じ方によって、米への均一な熱伝導性能が異なることが予想される。そこで、米を通過する熱流束を任意の場所で均一にすることで、より均一な熱伝導を実現できると考えられ、このためにはできるだけ均一な気泡が常時発生する状態が理想となる。
しかしながら、フッ素樹脂コートは強い撥水性を有するため、鍋内に水を入れて加熱し続けた際の核沸騰時に生じる気泡が、フッ素樹脂コート表面から容易に離脱せずに大きく成長する傾向にあり、このため鍋内の水への沸騰伝熱が十分ではなく、均一な温度となるために必要な強い対流が起こりにくい。そもそも炊飯においては、沸騰伝熱と鍋内の水の強い対流により米が均一に加熱されるため、これが不十分な場合、米の不均一な加熱によ
り炊きむらが生じる。
特開2003−144308号公報
しかしながら前記従来の構成では上述のように、炊飯器用鍋のフッ素樹脂コートに高い非粘着性、水位線の良好な視認性、高い耐摩耗性といった機能を付与しようとすれば、トップコートはセラミックス等の添加材を含有せず、フッ素樹脂コートは100μmの厚膜とする必要がある。フッ素樹脂は高価な材料であり、工業製品である炊飯器の大量生産を考慮した場合、極力使用量を抑えて厚さを薄くすることが望ましい。
フッ素樹脂コートの厚さを薄く抑えるにはトップコートに硬度の高い物質を多量に入れることも可能ではあるが、耐摩耗性の向上に効果のある程度まで添加材をトップコートに添加すると、前述のように、非粘着性が悪化する上、水位線の視認性も悪くなり、炊飯器用の鍋としての機能を十分に果たさない。
また、前述のようにフッ素樹脂コートは強い撥水性を有するため、鍋内に水を入れて加熱し続けた際の核沸騰時に生じる気泡がフッ素樹脂コート表面から容易に離脱せずに大きく成長する傾向にあり、このため鍋内の水への沸騰伝熱が十分ではなく、均一な温度となるために必要な強い対流が起こりにくいため、米の不均一な加熱により炊きむらが生じる。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、厚膜化を伴わずにご飯に対する非粘着性を維持しつつ耐摩耗性の改善を可能とし、さらにプライマ接着層上に印刷された表示の視認性をも十分に確保し、また核沸騰時に生じる気泡がフッ素樹脂コート表面から容易に離脱するため気泡サイズは微細であり、このため気泡と米の接触機会が多くなることで、沸騰伝熱効率が向上し、鍋内の水の強い対流と合わせて米を均一加熱することで、炊きむらのないおいしいご飯を炊くことを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器としたものである。
これにより、大幅な膜厚化を伴わなくともご飯の非粘着性を維持しつつ高い耐摩耗性を有し、プライマ接着層上の印刷表示の視認性も十分に確保し、沸騰時にフッ素樹脂コート表面から容易に離脱する微細気泡により、沸騰伝熱効率が向上し、鍋内の水の強い対流と合わせて米を均一加熱することが可能となり、ご飯の食味を向上した炊飯器用の鍋とすることができる。
本発明の炊飯器に備えられる鍋は、ご飯の非粘着性を維持しつつ高い耐摩耗性を有し、プライマ接着層上の印刷表示の視認性を十分に確保し、沸騰伝熱効率の向上と、鍋内の水の強い対流と合わせて米を均一加熱することが可能となり、ご飯の食味を向上した炊飯器用の鍋とすることができる。
第1の発明は、基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記微細孔の最下部に、添加材
粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器とすることにより、厚膜化を伴わずにご飯に対する非粘着性を維持しつつ耐摩耗性の改善を可能とし、さらにプライマ接着層上に印刷された表示の視認性をも十分に確保し、また核沸騰時に生じる気泡がフッ素樹脂コート表面から容易に離脱するため気泡サイズは微細であり、このためフッ素樹脂コート表面から水への沸騰伝熱効率が向上し、鍋内の水の強い対流と合わせて米を均一加熱することで、炊きむらのないおいしいご飯を炊くことが可能となる。また、添加材粒子がトップコート内部の微細孔の一部に存在するのみであるためご飯に対する非粘着性は維持しつつ、トップコート表層に偏在する炭化珪素やダイヤモンドにより耐摩耗性を向上することができ、トップコートの可視光透過性が高いことで、プライマ接着層上に印刷された表示部の視認性を損なうことがなく、さらには、耐食性も維持することができる。
また、フッ素樹脂は低熱伝導性の材質であるのに対しダイヤモンドは極めて高い熱伝導性を有することから、ダイヤモンド粒子を添加材粒子として用いた場合は、ダイヤモンド粒子に鍋からの熱が伝わりやすいため、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し易くなり、微細な気泡が鍋2内のフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱し、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
第2の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させたことを特徴とする鍋を備えた炊飯器とすることにより、核沸騰時において底面部では曲面部に比較して非常に微細な気泡が生じることで鍋内の米に対して均一な沸騰伝熱を実現し、また曲面部では底面部よりも大きな気泡が生じることで、鍋側面から内側に向かう強い対流を起こすことで、鍋内の米に対して均一な加熱を可能とし、より均一な沸騰伝熱と対流により米を均一加熱することで、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。また、添加材粒子がトップコート内部の微細孔の一部に存在するのみであるためご飯に対する非粘着性は維持しつつ、トップコート表層に偏在する炭化珪素やダイヤモンドにより耐摩耗性を向上することができ、トップコートの可視光透過性が高いことで、プライマ接着層上に印刷された表示部の視認性を損なうことがなく、さらには、耐食性も維持することができる。
また、フッ素樹脂は低熱伝導性の材質であるのに対しダイヤモンドは極めて高い熱伝導性を有することから、ダイヤモンド粒子を添加材粒子として用いた場合は、ダイヤモンド粒子に鍋からの熱が伝わりやすいため、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し易くなり、微細な気泡が鍋2内のフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱し、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
第3の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させたことを特徴とする鍋を備えた炊飯器とすることにより、核沸騰時において底面部では曲面部に比較して非常に微細な気泡が数多く生じることで、鍋内の米に対して均一な沸騰伝熱を実現し、また曲面部では底面部よりも数は少ないが、大きな気泡が生じることで鍋側面から内側に向
かう強い対流を起こすことで、鍋内の米に対して均一な対流伝熱を可能とし、より均一な沸騰伝熱と対流伝熱により米を均一加熱することで、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。また、添加材粒子がトップコート内部の微細孔の一部に存在するのみであるためご飯に対する非粘着性は維持しつつ、トップコート表層に偏在する炭化珪素やダイヤモンドにより耐摩耗性を向上することができ、トップコートの可視光透過性が高いことで、プライマ接着層上に印刷された表示部の視認性を損なうことがなく、さらには、耐食性も維持することができる。
また、フッ素樹脂は低熱伝導性の材質であるのに対しダイヤモンドは極めて高い熱伝導性を有することから、ダイヤモンド粒子を添加材粒子として用いた場合は、ダイヤモンド粒子に鍋からの熱が伝わりやすいため、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し易くなり、微細な気泡が鍋2内のフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱し、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
第4の発明は、基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方をマイクロカプセル化した粉体塗料を偏在させた鍋を備えた炊飯器とすることにより、マイクロカプセル化により添加材粒子がフッ素樹脂粉体に包み込まれた状態になっているため、フッ素樹脂粉体塗料の塗装時に両者が分離することがなく、微細孔において常に一定濃度の添加材粒子を含む均質な塗膜を得られることと、塗膜においても添加材粒子がフッ素樹脂に覆い包まれているために実使用時に添加材粒子の脱落を防止することができる。
第5の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方をマイクロカプセル化した粉体塗料を偏在させた鍋を備えた炊飯器とすることにより、マイクロカプセル化により添加材粒子がフッ素樹脂粉体に包み込まれた状態になっているため、フッ素樹脂粉体塗料の塗装時に両者が分離することがなく、微細孔において常に一定濃度の添加材粒子を含む均質な塗膜を得られることと、塗膜においても添加材粒子がフッ素樹脂に覆い包まれているために実使用時に添加材粒子の脱落を防止することができる。
第6の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方をマイクロカプセル化した粉体塗料を偏在させた鍋を備えた炊飯器とすることにより、マイクロカプセル化により添加材粒子がフッ素樹脂粉体に包み込まれた状態になっているため、フッ素樹脂粉体塗料の塗装時に両者が分離することがなく、微細孔において常に一定濃度の添加材粒子を含む均質な塗膜を得られることと、塗膜においても添加材粒子がフッ素樹脂に覆い包まれているために実使用時に添加材粒子の脱落を防止することができる。
の発明は、基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、添加材粒子は、前記トップコート表層に偏在し、かつ微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器とすることにより、米研ぎなどの摩耗負荷に対してフッ素樹脂コートは高い耐摩耗性を有し、ダイヤモ
ンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し、微細な気泡がフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱することができ、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を高めるとともに、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
第8の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、添加材粒子は、前記トップコート表層に偏在し、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器とすることにより、米研ぎなどの摩耗負荷に対してフッ素樹脂コートは高い耐摩耗性を有し、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し、微細な気泡がフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱することができ、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を高めるとともに、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
第9の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、添加材粒子は、前記トップコート表層に偏在し、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器とすることにより、米研ぎなどの摩耗負荷に対してフッ素樹脂コートは高い耐摩耗性を有し、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し、微細な気泡がフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱することができ、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を高めるとともに、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
10の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記底面部の微細孔の最下部に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器とすることにより、核沸騰時において底面部では曲面部に比較して非常に微細な気泡が数多く生じることで、鍋内の米に対して均一な沸騰伝熱を実現し、また曲面部では底面部よりも数は少ないが、大きな気泡が生じることで鍋側面から内側に向かう強い対流を起こすことで、鍋内の米に対して均一な対流伝熱を可能とし、より均一な沸騰伝熱と対流伝熱により米を均一加熱することで、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
11の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記底面部の微細孔の最下部に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器とすることにより、核沸騰時において底面部では曲面部に比較して非常に微細な気泡が数多く生じることで、鍋内の米に対して均一な沸騰伝熱を実現し、また曲面部では底面部よりも数は少ないが、大きな気泡が生じることで鍋側面から内側に向かう強い対流を起こすことで、鍋内の米に対して均一な対流伝熱を可能とし、より均一な沸騰伝熱と対流伝熱により米を均一加熱することで、より食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
12の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記底面部のトップコート表層に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させ、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器とすることにより、米研ぎなどの摩耗負荷に対して、最も負荷がかかる底面部のフッ素樹脂コートは高い耐摩耗性を有し、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し、微細な気泡がフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱することができ、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を高めるとともに、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
第13の発明は、全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記底面部のトップコート表層に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させ、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器とすることにより、米研ぎなどの摩耗負荷に対して、最も負荷がかかる底面部のフッ素樹脂コートは高い耐摩耗性を有し、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し、微細な気泡がフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱することができ、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を高めるとともに、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における炊飯器用鍋を備えた炊飯器の断面図、図2は同炊飯器用鍋の拡大断面図、図3は同炊飯器用鍋の要部拡大断面図、図4は同炊飯器用鍋の表面拡大断面斜視図を示したものである。
図1において、1は炊飯器の本体を示す。本体1は着脱自在の鍋2を内装する。本体1には、その上面を覆う蓋3が開閉自在に配設されている。実施の形態1の炊飯器は後述する方法で鍋2を誘導加熱し、鍋2内の米と水を加熱調理する。本体1は、鍋2の底部を誘導加熱する鍋加熱手段4(誘導加熱コイルである)、鍋2の温度を検知する鍋温度検知手段5、制御手段6を有する。蓋3は更に、鍋2の開口部を覆う加熱板7、加熱板7を誘導加熱する加熱板加熱手段8(誘導加熱コイルである)、加熱板7の温度を検知する加熱板温度検知手段9、着脱自在の蒸気筒10を有する。加熱板7は、加熱板シールパッキン11が付いた着脱式の加熱板であり、蓋3の下面に取り付けられる。加熱板7は、中心部に蒸気孔12を有する。加熱板温度検知手段9は、加熱板7に圧接される。蓋3下面と加熱板7の間には蓋シールパッキン13が設けられる。蒸気筒10は、蒸気孔12と対向する部分に蒸気孔14と、内部に移動可能に内装されるフロート15、フロート15の移動を検知するフロート検知手段16である。フロート15は円筒状または球状の磁石よりなり、蒸気筒10の下面にはフロート15の移動をガイドするための窪んだ溝17が設けられている。また、フロート検知手段16にはリードスイッチを用い、フロート15の移動を検知する。18は蒸気排出口である。
ここで、鍋2は、図2に示すように、厚さ0.5mmのフェライト系ステンレス20に厚さ1.0mmのアルミニウム21を接合したクラッド材を基材としたものであり、フェライト系ステンレス20側が外面となるようにプレス加工して成型したものである。
鍋2内面のアルミニウム21表面には2層構成のフッ素樹脂コート22を形成している
以下、このフッ素樹脂コート22の処理について、トップコート内部の表層側に凹形状の微細孔を形成しその最下部に添加材粒子としてダイヤモンドを偏在させる場合について、図3、4を参照しながら説明する。
基材を鍋形状にプレス成形し洗浄した後、鍋内面のアルミニウム21の表面にサンドブラストをかけ、表面粗さRaが3〜5μmとなるように調整し、その後、フッ素樹脂と接着成分、顔料、光輝材を塗膜構成成分とした液状のプライマ塗料を成膜後膜厚が約10μmとなるよう塗装し、100℃で20分間乾燥しプライマ接着層23を形成した。
プライマ接着層23の乾燥が終了し、十分に基材温度が下がったところで鍋側面部のプライマ接着層23上にプライマ接着層23の色とは異なる色のインクを用いて水位線表示をパッド印刷により印刷し、その後、トップコート処理として顔料や光輝材等の添加物を含有しないフッ素樹脂の粉体塗料をプライマ接着層23および水位線表示の上に成膜後膜厚が40μmとなるように塗装しトップコート層24を形成した。このとき、使用したフッ素樹脂はPTFE:PFA=2:8の混合粉体である。
ついで、下部トップコート層25に対し四角錐形状(□0.05×0.05mm深さ)の微細孔25を形成し、同時に平均粒径5μmのダイヤモンドをマイクロカプセル化したPFA粉体塗料26を微細孔25の頂点部に注入し、その後380℃で20分間焼成処理してフッ素樹脂コート22を成膜した。
制御手段6は、回路基板(図示しない)に搭載されたマイクロコンピュータを有する。制御手段6(マイクロコンピュータ)はソフトウエアにより、ユーザが操作パネル(図示しない)を介して入力する操作指令、鍋温度検知手段5、加熱板温度検知手段9、フロート検知手段17から入力される信号に基づき、あらかじめマイクロコンピュータに記憶された炊飯プログラムにより、鍋2、加熱板7の加熱制御を行う。制御手段6は、鍋加熱手段4、加熱板加熱手段8の加熱量を、各加熱手段の通電率及び/又は通電量によって制御する。
以上のように構成された本発明の実施の形態1における炊飯器の炊飯工程の動作を説明する。
ユーザが、炊飯を行う米とその米量に対応する水とを鍋2に入れ、本体1に内装する。更にユーザが炊飯開始スイッチ(図示しない)を操作すると、炊飯工程が実施される。炊飯工程は、時間順に前炊き、炊き上げ、沸騰維持、蒸らしに大分される。前炊き工程において、鍋2の温度が米の吸水に適した温度(50℃)になるように鍋加熱手段4を制御し、鍋2内の米と水とを加熱する。次に、炊き上げ工程において、鍋2の温度が所定値(100℃)になるまで鍋加熱手段4によって鍋2を所定の熱量で加熱する。この時の温度上昇速度によって、炊飯量を判定する。沸騰維持工程において、鍋2の水が無くなり、鍋2の温度が100℃を超えた所定値になるまで、鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段8に通電し、米と水を加熱する。最後に蒸らし工程において、一定時間の間に複数回、炊飯量に応じた鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段8による加熱(追い炊き)と加熱の停止(休止)を繰り返す。
炊き上げ〜沸騰維持工程では、鍋加熱手段4への連続通電により鍋2内の水は50℃から100℃まで急激に温度上昇する。この時、鍋内の水は初期の(1)未沸騰の自然対流から次第に(2)フッ素樹脂コート22表面で発生した気泡が水面まで達しない核沸騰状態となり、100℃に達する時点では(3)フッ素樹脂コート22表面で発生した気泡が
水面まで達する核沸騰が起こっている。
次に、自然対流と核沸騰について上記(1)〜(3)を具体例にして説明する。鍋加熱手段4によるジュール発熱量Qを鍋2の発熱部表面積Aで除したものを、鍋2の表面熱流束q=Q/Aとし、鍋2の表面温度Tから鍋2内の圧力における飽和温度Tsatを差し引いたものを、過熱度ΔTsat=T−Tsatとする。
(1)鍋2が鍋加熱手段4により加熱され、ΔTsatが小さいうちは、伝熱によりフッ素樹脂コート22表面が発熱し、フッ素樹脂コート22表面と接している鍋2内の水が局所的に加熱され、水中に密度差が生じる。この密度差に基づく局所的な浮力が発生し、鍋2内の水に流れが誘発される。このような局所的な密度の不均一によって鍋2内の水に未沸騰自然対流が起こる。この時の、水から米への伝熱は自然対流伝熱である。
(2)ΔTsatが大きくなるにつれて、フッ素樹脂コート22表面に小さな気泡が生じては離脱する核沸騰が起こるようになる。初期の核沸騰では、気泡の含有している熱量が十分でないため、水面に向かって上昇するにつれて気泡の温度が水温に近づき、再凝縮の結果液化し、気泡は消滅する(気泡が水面には達しない核沸騰)。この時の、水から米への伝熱は自然対流伝熱と沸騰伝熱である。
(3)さらに、Qを増加していくと、気泡の発生点が密になり、頻繁に離脱するようになるとともに水面にまで気泡が達し、鍋2内の水全体が激しく撹拌される(核沸騰)。この時の、水から米への伝熱は沸騰伝熱である。
次に、実際に鍋2内で起こっている現象について以下に述べる。
(1)の状態では水から米への熱伝導は、自然対流伝熱が支配的であり、フッ素樹脂コート22の表面状態の差による熱流束qに大きな差は認められない。
(2)の状態では水から米への熱伝導は、フッ素樹脂コート22表面での気泡の生じ方によって自然対流伝熱が支配的となる場合と、沸騰伝熱が支配的となる場合に分かれる。すなわち、前者はフッ素樹脂コート22表面で気泡が大きく成長する場合であり、ジュール発熱量Qの大部分が気泡の成長に費やされるため、水から米への伝熱は、フッ素樹脂コート22表面から鍋2内の水の伝熱と、気泡から水への伝熱であり、いずれも自然対流伝熱により米に熱が伝えられる。一方、後者はフッ素樹脂コート22表面で気泡が容易に離脱する場合であり、前述のように気泡は微細でありこの気泡が浮力で水面に向かって上昇するが、気泡の含有している熱量が十分でないため、上昇するにつれて気泡の温度が水温に近づき、再凝縮の結果液化し、気泡は消滅する。しかしながら、気泡は頻繁に水面に向かって上昇することで鍋2内の水に強制的な対流が生じ、沸騰伝熱と強制対流伝熱により米に熱が伝えられる。自然対流伝熱より強制対流伝熱の方が、熱媒体が均一攪拌されるため、米への均一な伝熱が実現できる。よって、フッ素樹脂コート22表面を気泡が離脱し易い表面状態にすることで米の均一加熱が可能となる。
(3)の状態では、気泡が頻繁に離脱し水面まで達し、鍋2内の水全体が激しく撹拌される。しかしながら、フッ素樹脂コート22表面での気泡の生じ方によっては沸騰伝熱において米が均一加熱されるとは限らない。すなわち、フッ素樹脂コート22表面で気泡が容易に離脱する場合には、気泡が大きく成長する場合と比較して、気泡と米との接触機会が多くなることで米への伝熱の機会が増える。よって、フッ素樹脂コート22表面を気泡が離脱し易い表面状態にすることで米の均一加熱が可能となる。
以上のように、核沸騰においては、フッ素樹脂コート22表面を気泡が離脱し易い表面
状態にすることで、気泡と米との接触機会が多くなることで米への伝熱の機会が増加し、米の均一加熱が可能となる。
気泡が離脱し易い表面状態について以下に述べる。
フッ素樹脂コート22表面からの沸騰を観察していると、沸騰による気泡の生成・離脱がつねに同一点から生じていることが分かる。これは、気泡が離脱する際に、表面にある微細な凹凸のくぼみ(くぼみの最下部を沸騰核とする)の中に、水が浸入し得ず、気泡の一部が絶えず取り残されており、これが蒸気分子の初期の集団となって、ここに向かって水が蒸発していき、気泡を成長させていくためと考えられる。つまり、加熱表面からの沸騰では、水はその体積中に均質核生成過程による蒸気分子の集団形成をすることなしに、加熱表面のくぼみの中の蒸気相に向けて、小さな過熱度で蒸発を行い、気泡を発生させている。
次に気泡の成長について、出口半径Rの円錐形のくぼみの中に捕らえられている気泡が、成長していくにつれ、その気泡の曲率1/Rがどのように変化していくかについて述べる。気泡の、加熱表面への接触角を90°とすると、気泡の成長に伴う気泡の曲率は、気泡がちょうど出口のまわりに接し、かつ円錐の側面と90°を保つ状態で最小値をとり、その後出口のまわりには接しているが、加熱表面と90°の接触角を示す状態まで増加し続け(安定平衡状態)、最大値をとった後、接触位置が出口まわりから遠ざかっていくにつれて再び減少していく。気泡の体積が増大するにつれて、曲率は低下し、不安定状態になり気泡離脱に向けて成長し続ける。
以上のように、加熱表面から気泡を容易に離脱させるためには、気泡をいかに不安定状態に置くかが重要となる。そのためには、加熱表面の材質やくぼみの形状を最適化することが考えられるが、材質は前述のような理由により、フッ素樹脂を用いることが望ましいため、くぼみの形状を最適化することにした。くぼみの縦断面形状は、図3、4に示すように隣どうしの気泡がお互いに圧力を及ぼし気泡の離脱を促進するために、山谷が連続する形状が望ましく、出口形状は、気泡の形状維持の不安定さから、多角形とすることが望ましい。
本実施の形態におけるくぼみは、以上の2点をバランスよく満足する、同一形状の四角錐を連続的に並べた形状とした。これにより、炊き上げ〜沸騰維持工程における核沸騰時において、気泡が容易に離脱するため、気泡サイズは微細であり、気泡と米との接触機会が多くなることで米への伝熱の機会が増加し、米の均一加熱が可能となり、炊きむらのないおいしいご飯を炊くことが可能となる。
また、くぼみの最下部にダイヤモンド粒子を偏在させることで、ダイヤモンド粒子に鍋2からの熱が伝わりやすいため、ダイヤモンドが偏在する微細孔からの気泡の発生を誘発し易くなり、微細な気泡が鍋2内のフッ素樹脂コート22表面から万遍なく安定して発生するため、より均一な沸騰伝熱により米を均一加熱し、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
また、フッ素樹脂コート22表面を上記形状とすることで、接触部が鋭利なため、米研ぎなどの摩耗負荷に対して高い耐摩耗性を有し、フッ素樹脂コートの剥がれなどに対する耐久性を向上することができる。また、これに伴って米研ぎ回数を減らすことが可能となる。
また、添加材粒子は、フッ素樹脂コート22表面に偏在し、かつ微細孔25の最下部に最も多く存在するようにすることにより、米研ぎなどの摩耗負荷に対してフッ素樹脂コー
トは高い耐摩耗性を有し、ダイヤモンドが偏在する沸騰核からの気泡の発生を誘発し、微細な気泡がフッ素樹脂コート表面から万遍なく安定して発生するため、均一な沸騰伝熱により米を均一加熱することができ、フッ素樹脂コートの耐摩耗性を高めるとともに、食味を向上したおいしいご飯を炊くことが可能となる。
なお、本実施の形態では、ダイヤモンド粒子を粉体塗料にマイクロカプセル化して用いたが、ダイヤモンド粒子を液体塗料に分散して塗装してもよく、この場合は添加材粒子を含有しないフッ素樹脂コートのクリア層を塗装、焼成後にダイヤモンド粒子を添加した液体塗料を微細孔に注入、焼成すればよい。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における炊飯器用鍋の断面図、図6は同炊飯器用鍋の拡大断面図、図7は同炊飯器用鍋の要部拡大断面図、図8は同炊飯器用鍋の表面拡大断面斜視図を示したものである。
実施の形態2の炊飯器において、炊飯器用鍋以外は実施の形態1の炊飯器と同等であり、同じ部分には共通の符号を使用し、説明を省略する。
ここで、鍋30は、図5、6に示すように、厚さ0.5mmのフェライト系ステンレス31に厚さ1.0mmのアルミニウム32を接合したクラッド材を基材としたものであり、フェライト系ステンレス31側が外面となるようにプレス加工して成型したものである。
鍋30は、鍋高さにおける略中間位置〜略1/3前後の高さ(A点)から下側になるにつれて、曲率が大きくなりつつ最大値(B点)を取り最下部(C点)に向けて曲率が小さくなる形状を有する。最下部点Cは、鍋30をテーブル面などの平たん面上に置いたときに、テーブル面などに接する最外周上の点である。本実施の形態では、鍋30の取っ手を含めた直径は220mm、取っ手を含まない外径は195mm、鍋高さは118mm、点Aの高さを55mm、点Cを含む底面外周の直径を120mmとした。
鍋30内面のアルミニウム32表面には2層構成のフッ素樹脂コート33を形成している。以下、このフッ素樹脂コート33の処理について、トップコート内部の表層側に凹形状の微細孔を形成しその最下部に添加材粒子としてダイヤモンドを偏在させ沸騰核を形成する場合について、図7、8を参照しながら説明する。
基材を鍋形状にプレス成形し洗浄した後、鍋内面のアルミニウム32の表面にサンドブラストをかけ、表面粗さRaが3〜5μmとなるように調整し、その後、フッ素樹脂と接着成分、顔料、光輝材を塗膜構成成分とした液状のプライマ塗料を成膜後膜厚が約10μmとなるよう塗装し、100℃で20分間乾燥しプライマ接着層34を形成した。
プライマ接着層34の乾燥が終了し、十分に基材温度が下がったところで鍋側面部のプライマ接着層34上にプライマ接着層34の色とは異なる色のインクを用いて水位線表示をパッド印刷により印刷し、その後、トップコート処理として顔料や光輝材等の添加物を含有しないフッ素樹脂の粉体塗料をプライマ接着層34および水位線表示の上に成膜後膜厚が40μmとなるように塗装しトップコート層35を形成した。このとき、使用したフッ素樹脂はPTFE:PFA=2:8の混合粉体である。
ついで、トップコート層35の線分ACを通る曲面に対し四角錐形状(□0.1×0.05mm深さ)の微細孔36を形成し、トップコート層35の点Cを通る円を外周とする底面に対し四角錐形状(□0.05×0.05mm深さ)の微細孔37を形成し、同時に
平均粒径5μmのダイヤモンドをマイクロカプセル化したPFA粉体塗料38を微細孔25の頂点部に注入し、その後380℃で20分間焼成処理してフッ素樹脂コート33を成膜した。
以上のように構成された、本発明の実施の形態2における炊飯器の炊飯工程の動作は、実施の形態1と同等であるが、炊き上げ〜沸騰維持工程においては沸騰状態が異なるため以下に説明をする。
炊き上げ〜沸騰維持工程では、鍋加熱手段4への連続通電により鍋30内の水は50℃から100℃まで急激に温度上昇する。この時、鍋内の水は初期の(1)未沸騰の自然対流から次第に(2)フッ素樹脂コート22表面で発生した気泡が水面まで達しない核沸騰状態となり、100℃に達する時点では(3)フッ素樹脂コート33表面で発生した気泡が水面まで達する核沸騰が起こっている。
以下に、実際に鍋30内で起こっている現象について以下に述べる。
(1)の状態では水から米への熱伝導は自然対流伝熱が支配的であり鍋30内の米に温度分布が見られる。
(2)の状態では水から米への熱伝導は、沸騰伝熱が支配的となり、フッ素樹脂コート22表面で発生した気泡は、頻繁に水面に向かって上昇することで、鍋30内の水に強制的な対流が生じ、均一に米に熱が伝えられる。また、底面部の微細穴の方が曲面部の微細穴よりも出口面積が小さいため、底面部からは微細泡が数多く発生し、鍋内の米に対して均一な沸騰伝熱を実現し、曲面部からはそれよりも大きな泡が発生するため、鍋側面から内側に向かう強い対流を起こすことで、鍋内の米に対して均一な加熱を実現している。
(3)の状態では、気泡が頻繁に離脱し水面まで達し、鍋30内の水全体が激しく撹拌されることで、鍋30内の水に強制的な対流が生じ、均一に米に熱が伝えられる。また、底面部の微細穴の方が曲面部の微細穴よりも出口面積が小さいため、底面部からは微細泡が数多く発生し、鍋内の米に対して均一な沸騰伝熱を実現し、曲面部からはそれよりも大きな泡が発生するため、鍋側面から内側に向かう強い対流を起こすことで、鍋内の米に対して均一な加熱を実現している。
以上のように、核沸騰においては、フッ素樹脂コート33表面を微細泡が発生する底面部と比較的大きな泡が発生する曲面部の組み合わせとすることにより、均一な沸騰伝熱と鍋側面から内側に向かう強い対流を起こすことで、より気泡と米との接触機会が多くなることで米への伝熱の機会が増加し、米の均一加熱が可能となる。
なお、本実施の形態では、微細孔の出口面積を曲面部の方が底面部より大きくなるように決定したが、曲面部の微細孔の方が底面部の微細孔よりも数が少なくなるようにするようにしても同様の効果が得られるものである。すなわち、実施の形態1で述べたように、この場合は曲面部では微細孔どうしが近接していないため、気泡の接触位置が比較的安定して出口まわりから遠ざかっていくため、気泡は十分に成長でき、比較的大きな泡となった後離脱する。よって、底面部からの均一な沸騰伝熱と、曲面部からの鍋側面から内側に向かう強い対流により、同様の効果が期待できるものである。
以上のように、本発明の炊飯器に備えられる鍋は、米を均一加熱することが可能となり、ご飯の食味を向上することができ、家庭用または業務用の炊飯器として有用である。
本発明の実施の形態1における炊飯器用鍋を備えた炊飯器の断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器用鍋の拡大断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器用鍋の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器用鍋の表面拡大断面斜視図 本発明の実施の形態2における炊飯器用鍋の断面図 本発明の実施の形態2における炊飯器用鍋の拡大断面図 本発明の実施の形態2における炊飯器用鍋の要部拡大断面図 本発明の実施の形態2における炊飯器用鍋の表面拡大断面斜視図
1 本体
2、30 鍋
3 蓋
4 鍋加熱手段
5 鍋温度検知手段
6 制御手段
7 加熱板
8 加熱板加熱手段
9 加熱板温度検知手段
10 蒸気筒
11 加熱板シールパッキン
12 蒸気孔
13 蓋シールパッキン
14 蒸気孔
15 フロート
16 フロート検知手段
17 溝
18 蒸気排出口
20、31 フェライト系ステンレス
21、32 アルミニウム
22、33 フッ素樹脂コート
23、34 プライマ接着層
24、35 トップコート層
25、36、37 微細孔
26、38 PFA粉体塗料

Claims (13)

  1. 基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器。
  2. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させたことを特徴とする鍋を備えた炊飯器。
  3. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させたことを特徴とする鍋を備えた炊飯器。
  4. 基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方をマイクロカプセル化した粉体塗料を偏在させた鍋を備えた炊飯器。
  5. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方をマイクロカプセル化した粉体塗料を
    偏在させた鍋を備えた炊飯器。
  6. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記微細孔の最下部に、添加材粒子として、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方をマイクロカプセル化した粉体塗料を偏在させた鍋を備えた炊飯器。
  7. 基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、添加材粒子は、前記トップコート表層に偏在し、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器。
  8. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、添加材粒子は、前記トップコート表層に偏在し、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器。
  9. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、添加材粒子は、前記トップコート表層に偏在し、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器。
  10. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記底面部の微細孔の最下部に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器。
  11. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記底面部の微細孔の最下部に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させた鍋を備えた炊飯器。
  12. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記底面部の微細孔の方が、前記曲面部の微細孔よりも出口面積が小さく、前記底面部のトップコート表層に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させ、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器。
  13. 全高の略中間から底面に至る任意の外周上を起点とし、底面に繋がる曲面において、底面部および曲面部の基材内面にフッ素樹脂コートを形成し、前記フッ素樹脂コートのトップコート表層側には、複数の多角錘形状の微細孔を形成し、前記曲面部の微細孔数の方が、前記底面部の微細孔数よりも少なく、前記底面部のトップコート表層に、少なくとも炭化珪素かダイヤモンドのいずれか一方を偏在させ、かつ前記微細孔の最下部に最も多く存在する鍋を備えた炊飯器。
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