しかしながら、特許文献1に記載の電気泳動表示媒体においては、表示液の注入前に隔壁が設けられていたため、その隔壁により表示液の流動が阻害されていた。その結果、表示液の注入時に気泡が滞留しやすく、気泡が存在している部分は帯電粒子が自由に泳動出来ない、すなわち帯電粒子による画像の形成ができないため、表示品質が劣化するという問題点があった。また、特許文献1に記載の電気泳動表示媒体においては、隔壁の構造が複雑であるため、特に気泡が滞留しやすいという問題点があった。
さらに、従来の電気泳動表示媒体によれば、一対の基板間を区画する微細な格子構造の隔壁を形成しなければならず、製造が困難であるという問題点があった。例えば、特許文献1に記載の電気泳動表示媒体によれば、上下一対の基板にそれぞれ隔壁が形成されていることから、上下一対の基板にそれぞれ形成された隔壁の位置合わせに高い精度が要求され、製造が困難であるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、製造が容易で、且つ表示品質が良好な電気泳動表示媒体およびその電気泳動表示媒体の製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の電気泳動表示媒体は、互いに対向する基板面を有する一対の第1基板と第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の各基板面間を所定距離に保つフレーム部材と、前記第1基板と前記第2基板との間に封止され、電界の方向に応じて移動する帯電粒子を分散させた表示液とを備え、前記第1基板または前記第2基板の少なくともいずれか一方で構成される表示面に、前記帯電粒子の泳動により文字や画像を表示させるものであって、所定の第1条件において前記第1基板または前記第2基板の少なくともいずれか一方の基板面に複数の凹部と凸部とを形成し、且つ、前記所定の第1条件とは異なる第2条件において前記表示液中に溶解する有機高分子で構成される隔壁部を有する。
請求項2記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記隔壁部により形成される凸部は、前記隔壁部と対向する前記第1基板または前記第2基板の基板面との間の距離が、前記帯電粒子の直径よりも小さく、且つ、前記基板面に対し垂直な方向から前記電気泳動表示媒体を眺めた時に、隣り合う前記隔壁部の凸部が平行でなく、任意(不均一)に配置されているものである。
請求項3記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記隔壁部は、隣り合う前記凸部と前記凹部との高さの差が非一定であるものである。
請求項4記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記隔壁部は、隣り合う前記凸部の間隔が非一定であるものである。
請求項5記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記隔壁部は、前記凸部の高さが非一定であるものである。
請求項6記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記隔壁部は、隣り合う前記凸部と前記凹部との高さの差が、前記帯電粒子の直径よりも2倍以上大きいものである。
請求項7記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記隔壁部の凸部が、一画素中に複数配置されている。
請求項8記載の電気泳動表示媒体は、請求項1記載の電気泳動表示媒体において、前記有機高分子がワックスである。
請求項9記載の電気泳動表示媒体の製造方法は、互いに対向する基板面を有する一対の第1基板と第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の各基板面間を所定距離に保つフレーム部材と、前記第1基板と前記第2基板との間に封止され、電界の方向に応じて移動する帯電粒子を分散させた表示液と、前記第1基板または前記第2基板の少なくともいずれか一方の基板面に複数の凹部と凸部とを有する隔壁部とを備え、前記第1基板または前記第2基板の少なくともいずれか一方で構成される表示面に、前記帯電粒子の泳動により文字や画像を表示させる電気泳動表示媒体を製造するための方法であって、前記フレーム部材を介在させて互いに接着された前記第1基板と前記第2基板とを準備する基板準備工程と、前記基板準備工程により準備された前記第1基板と前記第2基板との間に、前記帯電粒子が分散しており、かつ有機高分子が溶解している表示液を注入する注入工程と、前記注入工程により注入された前記表示液から前記有機高分子を析出させ、生成した前記有機高分子の結晶及び結晶の積層体で構成される前記隔壁部を、前記第1基板または前記第2基板のうち、少なくともいずれか一方の基板面に形成する結晶化工程とを備える。
請求項10記載の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項9記載の電気泳動表示媒体の製造方法において、前記注入工程により注入される前記表示液に溶解している前記有機高分子は、前記電気泳動表示媒体の使用環境温度よりも高い所定温度以上で前記表示液に溶解し、且つ前記電気泳動表示媒体の使用環境温度で析出するものであって、前記結晶化工程は、前記第1基板と前記第2基板との間に注入された表示液を前記使用環境温度において冷却することにより、前記有機高分子を結晶化させるものである。
請求項11記載の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項10記載の電気泳動表示媒体の製造方法において、前記注入工程により注入される前記表示液に溶解している前記有機高分子はワックスである。
請求項12記載の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項11記載の電気泳動表示媒体の製造方法において、前記注入工程により注入される前記表示液は、パラフィン系炭化水素溶媒である。
請求項13記載の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項9から12のいずれかに記載の電気泳動表示媒体の製造方法において、前記結晶化工程は、前記第1基板または前記第2基板のいずれか一方を鉛直方向上側に配置し、その上側に配置した一方の基板側を、他方の基板側に比較して低い温度とした状態で、前記上側に配置した一方の基板の基板面において、前記有機高分子を結晶及び結晶の積層体を形成させる。
請求項14記載の電気泳動表示媒体の製造方法は、請求項9から13のいずれかに記載の電気泳動表示媒体の製造方法において、前記第1基板または前記第2基板の少なくともいずれか一方の基板面は、各基板面間の前記所定距離よりも高さの低い突起を複数有し、前記基板準備工程は、前記突起が設けられた基板面を他方の基板の基板面に対向させた前記第1基板と前記第2基板とを準備する。
請求項1から8に記載の電気泳動表示媒体によれば、隔壁部は、所定の第1条件において第1基板または第2基板の少なくともいずれか一方の基板面に複数の凹部と凸部とを形成し、且つ、所定の第1条件とは異なる第2条件において表示液中に溶解する有機高分子で構成されるので、製造に際しては、第2条件において、表示液中に隔壁部の構成材料である有機高分子を溶解させた状態で、第1基板と第2基板との間に表示液を注入することができる。よって、表示液の流動を妨げる複雑な隔壁部が存在しない一対の基板間に表示液を注入することができるので、隔壁部が表示液の流動の妨げとなることに起因する気泡の滞留が生じず、表示品質が良好となるという効果がある。一方、表示液の注入後は、電気泳動表示媒体を第1条件におくことにより、第1基板または第2基板の少なくともいずれか一方の基板面において、隔壁部に複数の凹部と凸部とを形成させることができる。したがって、隔壁部により形成される凹部と凸部とにより、基板面に平行な方向における帯電粒子の移動が抑制される。よって、帯電粒子の基板面に平行な方向における大きな片寄りに起因する帯電粒子濃度の不均一化が抑制され、表示品質の経時的な劣化が抑制されるという効果がある。さらに、電気泳動表示媒体を所定の第1条件におくことにより、隔壁部に複数の凹部と凸部とを形成させることができるので、製造が容易となるという効果がある。従来は、帯電粒子の基板面に平行な方向における大きな片寄りを抑制するために、微細な格子構造の隔壁部材を第1基板と第2基板との間に設けていたため、製造が困難だったのである。
請求項9記載の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、注入工程により、帯電粒子が分散しており且つ有機高分子が溶解している表示液が、第1基板と第2基板との間に注入され、結晶化工程により、その注入された表示液から前記有機高分子が析出させられ、生成した有機高分子の結晶及び結晶の積層体で構成される隔壁部が、第1基板または第2基板のうち、少なくともいずれか一方の基板面に形成される。すなわち、隔壁部を構成するための有機高分子は、注入工程においては表示液に溶解している。よって、表示液の流動を妨げる複雑な隔壁部が存在しない一対の基板間に表示液を注入することができるので、隔壁部が表示液の流動の妨げとなることに起因する気泡の滞留が生じず、表示品質が良好な電気泳動表示媒体を製造することができるという効果がある。一方、表示液の注入後は、有機高分子を結晶及び結晶の積層体を生成させることにより、複数の凹部と凸部とを有する隔壁部が形成される。したがって、隔壁部の凹部と凸部とにより、基板面に平行な方向における帯電粒子の移動が抑制される。よって、帯電粒子の基板面に平行な方向における大きな片寄りに起因する帯電粒子濃度の不均一化が抑制され、表示品質の経時的な劣化が抑制された電気泳動表示媒体を製造できるという効果がある。さらに、結晶化工程により、複数の凹部と凸部とを有する隔壁部が形成されるので、電気泳動表示媒体を容易に製造することができるという効果がある。従来は、帯電粒子の沈降および凝集を抑制するための、微細な格子構造の隔壁部材を第1基板と第2基板との間に設けていたため、製造が困難だったのである。
請求項10または11記載の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項9記載の電気泳動表示媒体の製造方法の奏する効果に加え、結晶化工程により、第1基板と前記第2基板との間に注入された表示液が使用環境温度において冷却されることにより、有機高分子が結晶化させられるので、複数の凹部と凸部とを有する隔壁部を容易に形成させることができる。その結果、帯電粒子の基板面に平行な方向における大きな片寄りに起因する帯電粒子濃度の不均一化を抑制することができる電気泳動表示媒体を、容易に製造することができるという効果がある。
請求項12記載の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項11記載の電気泳動表示媒体の製造方法の奏する効果に加え、前記表示液は、パラフィン系炭化水素溶媒であるので、ワックスである有機高分子が所定の第2条件において容易に溶解する。よって、注入工程において第1基板と第2基板との間に注入するための表示液を容易に調整することができる。よって、電気泳動表示媒体を容易に製造することができるという効果がある。
請求項13記載の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項9から12のいずれかに記載の電気泳動表示媒体の製造方法の奏する効果に加え、結晶化工程においては、第1基板または第2基板のいずれか一方が鉛直方向上方に配置されるので、帯電粒子は重力により、鉛直方向下方の基板側へ沈降する。よって、上側に配置した一方の基板の基板面に形成される隔壁部へ帯電粒子が混入することが抑制されるので、泳動可能な帯電粒子が十分に確保される。よって、製造される電気泳動表示媒体においては、表示液中を泳動可能な帯電粒子が不足することに起因する表示品質の劣化が抑制されるという効果がある。
請求項14記載の電気泳動表示媒体の製造方法によれば、請求項9から13のいずれかに記載の電気泳動表示媒体の製造方法の奏する効果に加え、基板準備工程により、突起が設けられた基板面を他方の基板の基板面に対向させた第1基板と第2基板とが準備されるので、その結果、製造される電気泳動表示媒体においては、帯電粒子の基板面に平行な方向における大きな片寄りに起因する帯電粒子濃度の不均一化がより抑制され、表示品質が良好となるという効果がある。
すなわち、結晶化工程において、突起が設けられた基板面に隔壁部が形成される場合には、その基板面に設けられた突起表面に有機高分子が析出するので、生成した有機高分子の結晶及び結晶の積層体からなる隔壁部の凹部と凸部との高さの差を大きくしたり、規則性を持たせて突起を配置することで隔壁部の配置に規則性を持たせることが可能となる。よって、隔壁部の凹部と凸部とによる帯電粒子の基板面に平行な方向における大きな片寄りを抑制する効果がより高まり、表示品質が良好な電気泳動表示媒体を製造することができるという効果がある。
一方、結晶化工程において、突起が設けられた基板面に対向する側の基板面に隔壁部が形成される場合には、生成させる隔壁部の凸部の高さを突起の高さ分だけ低くすることができるので、使用有機高分子量を減らすことが可能となる。隔壁部の体積が減少する量、表示液の体積を増加させることによって帯電粒子量を増加させ、コントラストを向上させることができる。よって、表示品質が良好な電気泳動表示媒体を製造することができるという効果がある。
さらに、前記突起は、各基板面間の所定距離よりも高さの低いものであるので、注入工程における表示液の注入時に、前記突起が表示液流動の阻害要因となることが抑制され、気泡の滞留を抑制できる。よって、表示品質が良好な電気泳動表示媒体を製造することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の実施例の電気泳動表示媒体10を説明する図であって、図1(a)は、電気泳動表示媒体10の上面図であり、図1(b)は、(a)におけるIb−Ib線方向の断面を模式的に示した断面図である。まず、図1を参照して、電気泳動表示媒体10の全体構成について説明する。
図1(a)に示すように、電気泳動表示媒体10は、矩形状の電気泳動表示用のパネルであり、X電極12b及びY電極13b(図1(b)参照)に印加する電気信号(電流、電圧)を制御する駆動制御ユニット(図示せず)に接続されて、表示面である第1基板12の表示領域Dに、ユーザの操作に応じた画像を表示するものである。
図1(b)に示すように、この電気泳動表示媒体10は、第1基板12と、第2基板13と、その第2基板13と第1基板12との間に介在するフレーム部材17と、液室Rと、注入口21と、排出口22と、液室Rに封止される表示液33と、隔壁部34とを主に備えている。
第1基板12は、基板本体12aと、X電極12bと、保護層12cと、基板面12dとを備えている。第2基板13は、基板本体13aと、Y電極13bと、保護層13cと、基板面13dとを備えている。電気泳動表示媒体10において、第1基板12の基板面12dと、第2基板13の基板面13dとが互いに対向する。
基板本体12a,13aは、いずれも、約100μm程度の厚さを有する板状体であって、ガラス、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、天然樹脂、紙などにより構成されている。基板本体12a,13aにおける、表示領域Dに対応する部分には、互いに対向する側の面上に、それぞれ、X電極12b及びY電極13bが設けられている。
X電極12b及びY電極13bは、液室Rに封止された表示液33に電界を与えるための極性を担うものである。X電極12b及びY電極13bは、いずれも、複数本の実質的に平行なライン状に形成されていると共に、実質的に互いに直交するように配置されている。即ち、電気泳動表示媒体10は、これらの電極12b,13bのオン又はオフを切り換えることにより表示制御をする単純マトリックス駆動方式の電気泳動表示媒体であり、X電極12bとY電極13bとの交差部がそれぞれ画素P(図1(a)参照)を構成する。
X電極12b及びY電極13bはいずれも、導電性を有するものであれば、金属、金属酸化物、導電性高分子等を用いることが可能であるが、表示面となる基板に形成されるX電極12bは光透過性が高いITO(インジウム・スズ酸化物)やポリチオフェン等で形成させるのが望ましい。X電極12b及びY電極13bは、上記のような材料を用い、周知の無電界メッキ法、スパッタ法、インクジェット法、印刷法、エッチング法などの方法によって、それぞれ、基板本体12a,13a上に形成することができる。
基板本体12aにおけるX電極12bの形成面、及び、基板本体13aにおけるY電極13aの形成面には、耐液性の保護膜12c,13cがそれぞれ設けられている。この保護膜12c,13cによって、表示液33と電極(X電極12b及びY電極13b)との直接接触が防止されるので、電気泳動表示媒体10における電極(X電極12b及びY電極13b)の劣化を防止することができる。この保護膜12c,13cは、耐薬品性などに優れているという点から、例えば、ポリカーボネートや、ポリアミドや、ポリメタクリル酸メチルや、ポリエチレンテレフタレートや、ポリテトラフルオロエチレン(ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの含フッ素化合物を含有する膜で構成される。
フレーム部材17は、例えば、厚さ約20μm程度の板状部材であって、第1基板12と第2基板13の端縁に沿って設けられる。このフレーム部材17は、エポキシ樹脂やポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂、天然樹脂、セラミクス又はガラスなどの絶縁体から構成される。フレーム部材17により、基板面12d,13d間が、フレーム部材17の厚さに応じた距離に保たれる。
液室Rは、フレーム部材17の介在によって離間される第1基板12と第2基板13との間に形成される、フレーム部材17の厚さに応じた形状の空間である。この液室Rには、帯電粒子31aと帯電粒子31bとが電気泳動媒体30に分散された液体である表示液33が封止されている。液室Rに封止される表示液33の分散媒である電気泳動媒体30は、絶縁性が高い(電気抵抗が高い)溶媒であることが好ましく、好ましい溶媒としては、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、キシレン、直鎖パラフィン系炭化水素溶媒、イソパラフィン系炭化水素溶媒、環状パラフィン系炭化水素溶媒など)、シリコーンオイルのようなオイル状のポリシロキサンなどが挙げられる。また、上記のような各溶媒を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても、また目的に応じて変性させて用いてもよい。
一方、表示液33の分散質である帯電粒子31は、正に帯電されている白色の白色帯電粒子31aと、負に帯電されている黒色の黒色帯電粒子31bとから構成されている。白色帯電粒子31aとしては、例えば二酸化チタン表面にポリエチレン樹脂層と正帯電部を形成したもの、黒色帯電粒子31bとしては、例えば、カーボンブラック表示面にポリエチレン樹脂層と負帯電部を形成したものが使用されるが、例えば、フタロシアニン系顔料などの有機顔料の表面にフッ素系の単分子膜を形成したものや、同有機顔料の表面をシランカップリング剤で処理したものを使用してもよい。なお本実施例の電気泳動表示媒体10においては、帯電粒子31a,31bとして、平均粒子径が1μmの粒子が使用される。
これらの白色帯電粒子31a及び黒色帯電粒子31bは、それぞれ、X電極12bとY電極13bとの間に発生される電界の方向に応じて、第1基板12側又は第2基板13側に泳動される。
より具体的には、X電極12bがY電極13bに対して正となるように電界が形成された領域(画素P)においては、負に帯電されている黒色帯電粒子31bは、第1基板12側(X電極12b側)に泳動し、一方で、正に帯電されている白色帯電粒子31aは、第2基板13側(Y電極13b側)に泳動する。
一方で、X電極12bがY電極13bに対して負となるように電界が形成された領域(画素P)においては、正に帯電されている白色帯電粒子31aが、第1基板12側(X電極12b側)に泳動し、一方で、負に帯電されている黒色帯電粒子31bは、第2基板13側(Y電極13a側)に泳動する。従って、制御ユニット(非図示)により、X電極12bとY電極13aとの間に画像データに応じた電界を印加することによって、表示面である第1基板12における表示領域Dに、その画像データに従って第1基板12側へ泳動された黒色帯電粒子31bに起因する黒色の画像を表示させることができる。
なお、表示液33には、分散媒である電気泳動媒体30、帯電粒子31a,31bに加えて、例えば、粘性や絶縁性を調整するためのアルコール類やケトン類やエステル類などの有機溶剤、または、帯電粒子31a,31bの分散性を高めるためのノニオン性やアニオン性やカチオン性や両性の界面活性剤、または、ポリビニルアルコール類などの樹脂類、電解質、荷電制御剤、腐食防止剤、摩擦調整剤、紫外線吸収剤などを、添加剤として適宜添加してもよい。
電気泳動表示媒体10の第1基板12上には、上記のような表示液33を液室Rへ注入するための通路である注入口21と、その注入口21から液室Rへ表示液33を注入する際に、液室R中に存在する気体を外部へ排出するための通路である排出口22とが設けられている。表示液33を液室Rへ注入し充填した後、注入口21および排出口22の開口部をそれぞれ封止材21a、22aにより密封することにより、液室R内に表示液33が封止される。
隔壁部34は、第2基板13の基板面13dに形成された層である。隔壁部34は、基板面13dにおいて、複数の凹部34aと凸部34bとを形成する。ここで、凹部34aとは、基板面13dに対し垂直な方向における隔壁部34の平均厚みよりも厚みが薄い部分のことをいう。また、凸部34bとは、基板面13dに対し垂直な方向における隔壁部34の平均厚みよりも厚みが薄い部分のことをいう。凹部34aと凸部34bとにより、基板面12d,13dに平行な方向における帯電粒子31a,31bの移動が抑制される。よって、基板面12d,13dを水平方向に対し傾けた状態に、電気泳動表示媒体10を長時間載置したとしても、帯電粒子31a,31bの基板面に平行な方向における大きな片寄りが抑制される。その結果、帯電粒子31a,31bの濃度の不均一化に起因する表示品質の経時的な劣化が抑制され、良好な表示品質が長期間にわたって確保される。
次に、図2、図3を参照して、本発明の電気泳動表示媒体10を製造する方法の一例について説明する。上述した実施例の電気泳動表示媒体10は、第1基板12と第2基板13とを準備し(基板準備工程、図2(a)参照)、その第1基板12と第2基板13との間に、ワックス(請求項の有機高分子、ワックスに相当)を溶解した表示液33を注入して封止し(注入工程、図2(b)、図2(c)参照)、表示液33に溶解されていたワックスを析出させ、ワックスを結晶化させる(結晶化工程、図3参照)ことにより製造される。図2、図3を参照しつつ、各工程について詳細に説明する。
図2(a)は、基板準備工程の一例を説明する図である。図2(a)に示すように、基板準備工程では、フレーム部材17を介在させて、例えばエポキシ樹脂などの接着材により互いに接着された第1基板12と第2基板13とを準備する。
次に、図2(b),図2(c)を参照して、注入工程について説明する。図2(b),図2(c)は、注入工程の一例を説明する図である。注入工程では、まず、図2(b)に示すように、注入口21に注入装置36を装着し、排出口22に排出装置38を装着する。そして、排出口22から液室R内の空気を排出しつつ、注入口21から表示液33を注入する。なお、このとき第1基板12と第2基板との間に注入される表示液33には、帯電粒子31a,31bが分散されており、且つワックスが溶解されている。
ここで、表示液33に溶解させるワックスとは、常温で固体で加熱すれば比較的低粘度な液体となる物であり、特に、電気泳動表示媒体10の使用環境温度よりも高い所定温度(請求項の第2条件に相当)、例えば65℃以上で液体となり、使用環境温度(請求項の第1条件に相当)においては固体となるものが好適に用いられる。具体的には、例えば、天然ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラワックス等)、合成ワックス(ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、常温で固体の脂肪酸エステル系ワックス、脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油等)が好適に用いられる。なお、使用環境温度とは、電気泳動表示媒体10が使用される環境の温度として予め想定される範囲の温度であって、例えば、−20℃〜50℃である。
ワックスが溶解した表示液33を調整するためには、まず、ワックスの融点以上に加熱した表示液33内にワックスを投入して十分に攪拌することで、容易にワックスが溶解した表示液33を調整することができる。
なお、本実施例の電気泳動表示媒体10は、電気泳動媒体30としてイソパラフィン、具体的にはパールリーム4(日本油脂(株)製)を70重量%、ワックスとしてパラフィン、具体的にはパラフィン150(日本精鑞(株)製)を10重量%、白色帯電粒子31aを10重量%、黒色帯電粒子31bを10重量%、から構成される原材料を、75℃に加熱した状態で、ディスパーマット(英弘精機(株)製)を用いて5000rpmで30分間混合することにより表示液33を調整し、その調整された表示液33を用いて製造されたものとして説明する。
上記のようにして調整された表示液33は、注入工程において、ヒータ(図示せず)によりワックスの融点以上の温度に保たれた状態で、同じくヒータ(図示せず)によりワックスの融点以上の温度に保たれた第1基板12と第2基板13との間に、注入装置36によって注入される。
そして、図2(c)に示すように、第1基板12と第2基板13との間に表示液33が注入された後、注入口21および排出口22を封止材21a、21bで密封する。これにより、第1基板12と第2基板13との間に、ワックスが溶解した表示液33を封止することができる。
次に、図3を参照して、結晶化工程について説明する。図3(a),図3(b)は、結晶化工程の一例を説明する図である。液晶化工程によれば、第1基板12と第2基板13との間に注入された表示液33からワックスを析出させ、ワックスを結晶化させることにより、結晶化されたワックスにより構成される隔壁部34を、第2基板13の基板面13aに形成することができる。
図3(a)に示すように、結晶化工程において表示液33からワックスを析出させ、ワックスを結晶化させるためには、第2基板13を鉛直方向上側に配置し、且つ第1基板12を鉛直方向下側に配置する。そして、第1基板12側をホットプレートなどのヒータ40に載置することにより、第1基板12側を、電気泳動媒体の使用環境以上であって、ワックスの融点以上の温度、例えば70℃に保温または加熱しつつ、第2基板13側を、ワックスの融点以下の温度、例えば60℃に保温する。すると、図3(b)に示すように、第2基板13側から基板面13dにワックスが析出し、第2基板13の基板面13dに、ワックス結晶の層状体により構成される隔壁部34が形成される。
上述のように、液晶化工程においては、隔壁部34が形成されるべき基板面13dを鉛直方向上方に配置することにより、結晶化工程の間、帯電粒子31a,31bは重力により、基板面12d側へ沈降する。よって、隔壁部34へ帯電粒子31a,31bが混入することが、可能な限り抑制される。その結果、表示液中を泳動可能な帯電粒子31a,31bが不足することに起因する表示品質の劣化が抑制される。
図4は、図3(b)に示す領域Fに相当する領域を拡大して模式的に示す図である。図4に示すように、表示液33から析出され、結晶化されたワックスは層状結晶を構成する。したがって、第2基板13の基板面13dには、その層状結晶構造に起因する複数の凹部34aと凸部34bとを有する隔壁部34が形成される。
本実施例の製造方法によれば、隔壁部34を構成するためのワックスは、注入工程(図2(b),図2(c)参照)においては表示液33に溶解している。よって、隔壁部34が表示液33の流動の妨げとなることに起因する気泡の滞留が抑制されるので、表示品質が良好な電気泳動表示媒体10を製造することができる。さらに、結晶化工程(図3参照)により、ワックスを結晶化させることにより、複数の凹部34aと凸部34bとを有する隔壁部34が形成されるので、電気泳動表示媒体10を容易に製造することができる。
なお、一般的に、電気泳動表示媒体において、表示液の粘性が変化すると、電界付与時における帯電粒子の応答性に変化が生じ、表示品質のばらつきの原因となるので、表示液の粘性の変化は可能な限り抑制されることが望ましい。上記製造方法に従って製造された電気泳動表示媒体10においては、注入工程(図2(b),(c)参照)において表示液33に溶解していたワックスは、液晶化工程(図3参照)において全て析出されるものではなく、一部は、液晶化工程の後も表示液33に溶解した状態で残存する。その結果、溶解した状態で残存したワックスに起因して、温度変化による表示液33の粘性変動が抑制されるので、環境変化による表示品質のばらつきが少なく電気泳動表示媒体10が製造できる。すなわち、ワックスが溶解した表示液33は、ワックスが溶解していない表示液33に比較して、温度変化による粘性の変動が小さい。換言すればワックスが溶解した表示液33は、ワックスが溶解していない表示液33に比較して、温度低下時には高粘度成分であるワックスの析出があるために表示液33の粘性上昇が小さく、一方、温度上昇時には高粘度成分であるワックスの溶解があるために表示液33の粘性低下が小さいのである。再溶解するワックス量は少ないため、隔壁部34の性能に支障はなく、析出時には優先して隔壁部上で析出するために、表示への影響はない。
なお、上記製造方法に従って製造された電気泳動表示媒体10によれば、隔壁部34は、結晶及び結晶の積層体により形成されるため、その凹部34aおよび凸部34bの形状および配置は不均一なものとなる。よって、隔壁部34の隣り合う凹部34aと凸部34bとの高さの差L、隣り合う凸部34bの間隔W、および凸部34bの高さTは非一定となる。ここで、凹部34aの高さとは、各凹部34a表面と基板面13dとの間の最短距離に相当する値であり、凸部34bの高さTとは、各凸部34bのうち最も第1基板12側に近接する点と、基板面13dとの間の距離に相当する値である。
また、図4に示すように、上記の製造方法に従って製造される電気泳動表示媒体10によれば、隔壁部34により形成される凸部34bと、隔壁部と対向する第1基板12の基板面12bとの間の距離tが、帯電粒子31a,31bの直径wよりも小さいものが得られた。したがって、隔壁部34により、基板面12b,13bに対し平行な方向への帯電粒子31a,31bの移動が確実に抑制でき、表示品質の劣化がより抑制される。なお、特許請求の範囲および明細書における記載「隔壁部により形成される凸部は、隔壁部と対向する第1基板または第2基板の基板面との間の距離が、帯電粒子の直径よりも小さく」とは、隔壁部34により形成される凸部34bの全てが、隔壁部34と対向する第1基板12または第2基板13の基板面12d,13dとの間の距離が帯電粒子31a,31bの平均粒子径よりも小さいという意味に限られず、隔壁部34により形成される凸部34bの多数(例えば、50%以上)が、隔壁部34と対向する第1基板12または第2基板13の基板面12d,13dとの間の距離が帯電粒子31a,31bの平均粒子径よりも小さいという意味も含む記載である。
また、図4に示すように、上記の製造方法に従って製造される電気泳動表示媒体10によれば、隣り合う凸部34bと凹部34aとの高さの差Lが、帯電粒子31a,31bの直径wよりも2倍以上大きいものが得られた。したがって、白色帯電粒子31a、黒色帯電粒子31bの2色が分散されている場合、電極12b,13bに電圧を印加することにより、帯電粒子31a,31bが色毎に層状となった配置を取らせることができる。よって、2色の帯電粒子31a,31bを用いた表示ができるので、コントラストの高い画像が表示できる。なお、特許請求の範囲および明細書における記載「隔壁部は、隣り合う凸部と凹部との高さの差が、帯電粒子の直径よりも2倍以上大きい」とは、隔壁部において隣り合う凸部と凹部との全てにおいて、高さの差が帯電粒子の直径wよりも2倍以上大きいものに限られず、隔壁部において隣り合う凸部と凹部との大多数(例えば、70%以上)において、高さの差が帯電粒子の直径wよりも2倍以上大きいものも含む意味である。
図5は、図3のV−V線における電気泳動表示媒体10の断面図である。なお、図5において、図面を分かりやすくするために画素P(X電極12bとY電極13bとが交差する領域に相当)を破線で示す。上述のように、隔壁部34は析出したワックスにより構成されるから、図5に示すように、基板面13dに対し垂直な方向(図5における紙面垂直方向)から眺めたとき、隣り合う凸部34bは平行ではなく、任意(不均一)に配置された構成となる。
また、上記製造方法に従って製造された電気泳動表示媒体10によれば、隔壁部34の凸部34bが一画素P中に複数配置されるものが得られた。なお、特許請求の範囲および明細書において、「凸部が、一画素中に複数配置される」とは、隔壁部34が有する凸部の数を、電気泳動表示媒体10の全体の画素の個数で除算した値が2以上である状態を意味する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
図6を参照して、本発明の変形例の一例を説明する。図6は、変形例の電気泳動表示媒体10を示す断面図であり、図1(a)に相当する図である。なお、図6に示す変形例の電気泳動表示媒体10において、実施例の電気泳動表示媒体10と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、変形例の電気泳動表示媒体10によれば、第1基板12の基板面12dに、基板面12d,13d間の距離よりも高さの低い第1基板側突起34cが設けられている。第1基板側34cは、基板準備工程(図2(a)参照)において準備される基板12の基板面12dに、予め設けられる。
このようにすれば、基板面12dに設けられた第1基板側突起34cと、基板面13dにおいて隔壁部34により形成された凹部34aおよび凸部34bとにより、表示液34が充填される領域が区画されるので、凹部34aと凸部34bとによる帯電粒子31a,31bの沈降および凝集の抑制効果がより高まり、表示品質が良好な電気泳動表示媒体10が得られる。また、ワックスの種類などによって、隔壁部34に形成される凹部34aと凸部34bとの差が十分に確保できない場合であっても、第1基板側1突起34cと組み合わせることにより、帯電粒子31a,31bの基板面に平行な方向における大きな片寄りを十分に抑制できる。なお、この場合の凸部34bとは、第1基板側突起34cと第2基板13とが対向する面の距離の1/2よりも厚みが厚い部分であり、凹部34aとは、同距離の1/2よりも厚みが薄い部分である。
また、第1基板側突起34cの高さが、基板面12d,13d間の距離よりも小さくなるように構成されているので、第1基板12と第2基板13との間に表示液33を注入する際に、第1基板側突起34cが表示液33の流入を阻害することを抑制することができる。したがって、表示液33の注入時における気泡の滞留が抑制され、表示品質が良好な電気泳動表示媒体10を製造することができる。
次に、図7を参照して、本発明の他の変形例を説明する。図7(a)は、基板準備工程の他の一例を示す図であって、図2(a)に相当する図であり、図7(b)は、図7(a)に示す基板準備工程により準備された基板を用いて製造される電気泳動表示媒体10を示す断面図であり、図1(a)に相当する図である。なお、図7において、上述の実施例と同一の部分については同一の符号を付して、説明を省略する。
図7(a)に示すように、変形例の基板準備工程では、基板12,13のうち、第2基板13側の基板面13dに、基板面12d,13d間の距離よりも高さの低い第2基板側突起34dが予め設けられた基板12,13を準備する。
そして、図7(a)に示す基板準備工程により準備された基板12,13間に表示液33を注入し、注入された表示液33からワックスを析出させて、隔壁部34を構成させることにより、電気泳動表示媒体10が製造される。
図7(b)に示すように、上述のようにして製造された電気泳動表示媒体10によれば基板面13dに設けられた第2基板側突起34d表面にワックスが析出するので、ワックスの析出の結果として構成される隔壁部34の凹部34aと凸部34bとの高さの差が大きくなる。よって、凹部34aと凸部34bとによる帯電粒子31a,31bの沈降および凝集の抑制効果が十分に得られ、表示品質が良好な電気泳動表示媒体10が得られる。なお、第2基板側突起34dの高さを低く構成することにより、第1基板12と第2基板13との間に表示液33を注入する際に、第2基板側突起34dが表示液33の流入を阻害することを抑制することができる。したがって、表示液33の注入時における気泡の滞留が抑制され、表示品質が良好な電気泳動表示媒体10を製造することができる。
また、上記実施例では、第1基板12と第2基板13とにおける対向する側の面にX電極12a及びY電極13aが設けられるように構成したが、電気泳動表示媒体10にX電極12a及びY電極13aを設けないように構成してもよい。この場合、X電極12a及びY電極13aに相当する一対の電極を設けた装置を準備し、その装置に設けられた一対の電極で、X電極12a及びY電極13Aの設けられていない電気泳動表示媒体10を挟み込むことによって、画像を表示させるように構成すればよい。
また、上記実施例では、第1基板12と第2基板13との間には、スペーサ17が介されているのみであったが、基板準備工程において準備される第1基板12と第2基板13との間に粒子状スペーサが添加されたものであってもよい。粒子状スペーサが添加されることにより、基板12,13の撓みが抑制され、表示領域Dの全域において基板12,13間の距離を維持することができる。
よって、第1基板12または第2基板13の表面に力が付加された場合であっても、その表面が過度に撓むことを確実に防止できるので、第1基板12または第2基板13が破損することを確実に防止できる。特に、第1基板12及び第2基板13が可撓性を有するものである場合には、基板の撓みによって第1基板12と第2基板13とが接触されることを確実に防止できるので、表示品質劣化や電気泳動表示媒体の破損を確実に防止することができる。
また、上記実施例では、隔壁部34は、第2基板13側に設けるように構成したが、第1基板12側に設けるように構成してもよい。このように構成した場合、第2基板13が表示面を構成する。隔壁部34が設けられていない基板の方が、隔壁部34が設けられている基板よりも光の透過性が高いため、高品質な画像を表示できるからである。
また、上記実施例では、注入口21及び排出口22が、第1基板12を貫通するように設けられていたが、注入口21及び排出口22は、液室Rと外部とを連通するものであれば良く、例えばスペーサ17または第2基板13を貫通するように設けられていてもよい。
また、表示装置10の使用環境温度が、例えば60℃を超える場合には、その使用環境温度より融点が高いワックスを用いれば良い。