JP4680114B2 - 車両用の磁歪式トルクセンサ - Google Patents

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Description

この発明は、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいてステアリングシャフトに入力されるトルクを検出する磁歪式トルクセンサに関するものである。
磁歪式トルクセンサには、図3に示すように、磁気異方性を異にする2つの磁歪膜91,92を回転シャフト99に設けるとともに、各磁歪膜91,92に対向してそれぞれ検出コイル93,94を配置して構成されたものがある(特許文献1参照)。この磁歪式トルクセンサ90の原理は、回転シャフト99にトルクが加えられると磁歪膜91,92の透磁率が変化し、これに応じて検出コイル93,94のインダクタンスが変化するので、この変化に基づいてトルクを検出する。
さらに、この磁歪式トルクセンサにおいて検出精度の向上を図った改良型として、図4に示すように、一方の磁歪膜91に対向して1対の検出コイル93a,93bを互いに軸線方向にずらして配置し、他方の磁歪膜92に対向して1対の検出コイル94a,94bを互いに軸線方向にずらして配置し、両外側(最上位と最下位)に配置された2つの検出コイル93a,94bの中間電圧VT1’を検出し、中間に配置された2つの検出コイル93b,94aの中間電圧VT2’を検出し、これら中間電圧VT1’またはVT2’に基づいてトルクを検出するとともに、中間電圧VT1’とVT2’の和により故障検出出力VTF’を算出し、このVTF’に基づいて磁歪式トルクセンサの故障(センサ異常)を検出することが考えられている(特許文献2参照)。
特開昭59−164932号公報 特開2006−64445号公報
ところで、この磁歪式トルクセンサを車両の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサとして用いる場合、操舵トルクセンサはステアリングシャフトに設置され、ステアリングホイールとステアリングギアボックスとの間に配置される。この車両を高速走行後に停止したようなときには、エンジンの熱によりステアリングギアボックスが加熱され、ステアリングシャフトが加熱されるが、ステアリングシャフトの温度分布は一様ではなく、エンジンに近い下側の方がエンジンから遠い上側よりも温度が高くなる。そのため、最下位の検出コイル94bが配置されている部分の温度は高くなり、最上位の検出コイル93aが配置されている部分の温度はそれよりも低くなり、検出コイル93b,94aが配置されている部分の温度はいずれも中間の温度(以下、中温と称す)で略同一になる。
磁歪膜の透磁率μは温度が高くなるほど大きくなる温度特性を有しているため、このようにステアリングシャフトに温度差(温度勾配)が生じていると、中間電圧VT1’は低温部分の検出コイル93aと高温部分の検出コイル94bの中間電圧であり、一方、中間電圧VT2’は中温部分の検出コイル93b,94a同士の中間電圧であるので、無負荷状態においては本来同等であるはずの中間電圧VT1’とVT2’の絶対値が異なってしまう。これにより故障検出出力VTF’がドリフトしてしまい、故障でないにも関わらず、故障と判定される虞があった。このため、故障検出範囲のマージンを大きく取る必要が生じ、故障検出精度の低下を招いていた。
そこで、この発明は、ステアリングシャフトに温度勾配が生じていても故障検出精度が高い磁歪式トルクセンサを提供するものである。
この発明に係る車両用の磁歪式トルクセンサでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、上方が操作子(例えば、後述する実施例におけるハンドル2)に連結され下方がエンジンルーム内のステアリングギヤボックス(例えば、後述する実施例におけるステアリングギヤボックス20)に納められたギヤ機構(例えば、後述する実施例におけるピニオン7,ラック歯8a)に連結されるステアリングシャフト(例えば、後述する実施例におけるステアリングシャフト1)に第1磁歪膜(例えば、後述する実施例における第1磁歪膜31)と第2磁歪膜(例えば、後述する実施例における第2磁歪膜32)を設け、これら磁歪膜の磁気特性の変化に基づいて前記ステアリングシャフトに入力されるトルクを検出する車両用の磁歪式トルクセンサ(例えば、後述する実施例における磁歪式トルクセンサ30)であって、前記第1磁歪膜に対向配置された第1検出コイル(例えば、後述する実施例における第1検出コイル33)および第2検出コイル(例えば、後述する実施例における第2検出コイル34)と、前記第2磁歪膜に対向配置された第3検出コイル(例えば、後述する実施例における第3検出コイル35)および第4検出コイル(例えば、後述する実施例における第4検出コイル36)と、を備え、前記操作子から近い順に前記第1検出コイル、第2検出コイル、第3検出コイル、第4検出コイルが配置され、前記第1検出コイルと前記第3検出コイルの中間出力(例えば、後述する実施例における中間電圧VT1)と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイルの中間出力(例えば、後述する実施例における中間電圧VT2)との加算値(例えば、後述する実施例における故障検出出力VTF)に基づいてセンサ異常を検出する車両用の磁歪式トルクセンサであって、前記第1検出コイルの一端と前記第3検出コイルの一端が接続されることにより前記第1検出コイルと前記第3検出コイルとが直列に接続され、前記第2検出コイルの一端と前記第4検出コイルの一端が接続されることにより前記第2検出コイルと前記第4検出コイルとが直列に接続され、直列に接続された前記第1検出コイルおよび前記第3検出コイルは、直列に接続された前記第2検出コイルおよび前記第4検出コイルと並列に接続され、前記第1検出コイルの他端と前記第4検出コイルの他端が接続され、前記第2検出コイルの他端と前記第3検出コイルの他端が接続されており、前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第3検出コイル、前記第4検出コイルは矩形波電圧により励磁されることを特徴とする車両用の磁歪式トルクセンサである。
ステアリングシャフトに温度勾配が生じ、第1磁歪膜および第2磁歪膜においても下方に行くにしたがって温度が高くなる温度勾配が生じたとき、第1検出コイルが配置された部位の温度は低温、第2,第3検出コイルが配置された部位の温度は中温、第4検出コイルが配置された部位の温度は高温になる。この磁歪式トルクセンサでは、低温の第1検出コイルと中温の第3検出コイルの中間出力と、中温の第2検出コイルと高温の第4検出コイルの中間出力との加算値に基づいて磁歪式トルクセンサの異常(故障)を検出するが、この場合、第1検出コイルと第3検出コイルの中間出力と、第2検出コイルと第4検出コイルの中間出力との加算値の出力を規定値(例えば5V)と略等しくすることができ、故障検出信号のドリフトを防止することができる。
請求項1に係る発明によれば、第1検出コイルと第3検出コイルの中間出力と、第2検出コイルと第4検出コイルの中間出力との加算値を略等しくすることができるので、ステアリングシャフトに温度勾配が生じているときであっても、それぞれの中間出力の加算値である故障検出信号のドリフトを防止することができる。その結果、故障検出範囲を従来より狭く設定することができ、従来よりも故障検出の誤検出を低減して故障検出精度を高めることができる。
以下、この発明に係る車両用の磁歪式トルクセンサの実施例を図1および図2の図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両用電動パワーステアリング装置100はハンドル(操作子)2に連結されたステアリングシャフト1を備えている。ステアリングシャフト1は、ハンドル2に一体結合されたメインステアリングシャフト3と、ラック&ピニオン機構のピニオン7が設けられたピニオン軸5とが、ユニバーサルジョイント4によって連結されて構成されている。
ピニオン軸5はその下部、中間部、上部を軸受6a,6b,6cによって支持されており、ピニオン7はピニオン軸5の下端部に設けられている。ピニオン7は、車幅方向に往復動し得るラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9,9を介して転舵輪としての左右の前輪10,10が連結されている。この構成により、ハンドル2の操舵時に通常のラック&ピニオン式の転舵操作が可能であり、前輪10,10を転舵させて車両の向きを変えることができる。ここで、ラック軸8、ラック8a、タイロッド9,9は転舵機構を構成し、ピニオン7とラック歯8aはギヤ機構を構成する。
また、電動パワーステアリング装置100は、ハンドル2による操舵力を軽減するための補助操舵力を供給する電動機11を備えており、この電動機11の出力軸に設けられたウォームギヤ12が、ピニオン軸5において中間部の軸受6bの下側に設けられたウォームホイールギヤ13に噛合している。
また、ピニオン軸5において中間部の軸受6bと上部の軸受6cとの間には、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいてトルクを検出する磁歪式トルクセンサ30が配置されている。
ピニオン軸5、ラック8、ウォームギヤ12、ウォームホイールギヤ13、磁歪式トルクセンサ30は、エンジンルーム内のステアリングギヤボックス20に収容されている。
磁歪式トルクセンサ30は、ピニオン軸5の外周面に周方向全周に亘って環状に設けられた第1磁歪膜31および第2磁歪膜32と、第1磁歪膜31に対向配置された第1検出コイル33および第2検出コイル34と、第2磁歪膜32に対向配置された第3検出コイル35および第4検出コイル36と、第1、第2、第3、第4検出コイル33,34,35,36にそれぞれ接続された検出回路37,38,39,40を主要構成としている。
第1、第2磁歪膜31,32は、歪みに対して透磁率の変化が大きい素材からなる金属膜であり、例えば、ピニオン軸5の外周にメッキ法で形成したNi−Fe系の合金膜からなる。第1磁歪膜31は第2磁歪膜32よりもハンドル2に近い側(すなわち、図1において上側)に配置されている。
第1磁歪膜31は、ピニオン軸5の軸線に対して約45度傾斜した方向に磁気異方性を備えるように構成されており、第2磁歪膜32は、第1磁歪膜31の磁気異方性の方向に対して約90度傾斜した方向に磁気異方性を備えるように構成されている。すなわち、2つの磁歪膜31,32の磁気異方性は互いに約90度位相を異にしている。
第1検出コイル33および第2検出コイル34は、第1磁歪膜31の周囲にこれと所定の隙間を有した状態で同軸状に配置されており、第1検出コイル33は第2検出コイル34よりもハンドル2に近い側(すなわち、図1において上側)に配置されている。
第3検出コイル35および第4検出コイル36は、第2磁歪膜32の周囲にこれと所定の隙間を有した状態で同軸状に配置されており、第3検出コイル35は第4検出コイル36よりもハンドル2に近い側(すなわち、図1において上側)に配置されている。
したがって、ハンドル2に近い方から順に、第1検出コイル33、第2検出コイル34、第3検出コイル35、第4検出コイル36が配置されている。
第1、第2磁歪膜31,32の磁気異方性を前述のように設定したことにより、ピニオン軸5にトルクが作用した状態では、磁歪膜31,32の一方に圧縮力が作用し、他方に引っ張り力が作用するようになり、その結果、一方の磁歪膜の透磁率が増加し、他方の磁歪膜の透磁率が減少する。そして、これに応じて一方の磁歪膜の周囲に配置された2つの検出コイルのインダクタンスが増加し、他方の磁歪膜の周囲に配置された2つの検出コイルのインダクタンスが減少する。
第1、第2、第3、第4検出コイル33,34,35,36は、それぞれ変換回路を備えた検出回路37,38,39,40に接続されており、これら検出回路37〜40において各検出コイル33〜36のインダクタンス変化は電圧変化に変換されて電子制御装置(ECU)50に出力される。
ECU50は、検出回路37〜40からの出力電圧に基づいてトルク検出電圧を算出し、該トルク検出電圧に基づいてピニオン軸5に作用する操舵トルクを検出する。そして、ECU50は、トルク検出電圧に応じて電動機11の目標電流を設定し、該目標電流によって電動機11を駆動して補助操舵力を発生させ、車両を転舵させる。トルク検出電圧の算出方法については従来と同様であり、またこの発明の要旨ではないので説明を省略する。
次に、この発明の特徴部であるセンサ異常の検出(故障検出)について説明する。
いま、検出回路37の出力電圧をVT11、検出回路38の出力電圧をVT12、検出回路39の出力電圧をVT21、検出回路40の出力電圧をVT22とする。
まず、次の(1)式および(2)式により中間電圧VT1,VT2を算出する。ここで、k11、k12、k21、k22は比例定数、V0は一定数、Tは操舵トルクである。
VT1=VT11−VT21+V0=k11・T−(−k21・T)=(k11+k21)T ・・・ (1)式
VT2=VT12−VT22+V0=k12・T−(−k22・T)=(k12+k22)T ・・・ (2)式
つまり、中間電圧VT1は、第1磁歪膜31に対向配置され最上位に位置する第1検出コイル33と、第2磁歪膜32に対向配置され上から3番目に位置する第3検出コイル35の中間電圧(中間出力)である。また、中間電圧VT2は、第1磁歪膜31に対向配置され上から2番目に位置する第2検出コイル34と、第2磁歪膜32に対向配置され最下位に位置する第4検出コイル36の中間電圧(中間出力)である。
次に、中間電圧VT1と中間電圧VT2の加算値を求め、これを故障検出電圧VTFとする((3)式参照)。
VTF=VT1+VT2 ・・・ (3)式
このように中間電圧VT1,VT2の加算値を故障検出電圧VTFとすることで、ステアリングシャフト1全体が一様に温度変化した場合でも正確な故障検出を行うことができる。
ところで、ステアリングギヤボックス20がエンジンルーム内に配置されていることから、車両の運転状態によってはステアリングギヤボックス20がエンジンからの熱を受けて温度上昇する場合がある。例えば、車両を高速走行後に停止したようなときには、エンジンの熱によりステアリングギアボックス20が加熱され、ステアリングシャフト1が加熱されるが、ステアリングシャフト1の温度分布は一様ではなく、エンジンに近い下側の方がエンジンから遠い上側よりも温度が高くなる。そのため、磁歪式トルクセンサ30が設置されている部位についても、最下位の第4検出コイル36が配置されている部分の温度は高くなり、最上位の第1検出コイル33が配置されている部分の温度はそれよりも低くなり、第2,第3検出コイル34,35が配置されている部分の温度はいずれも中間の温度(すなわち、中温)で略同一になる。
このようにステアリングシャフト1に温度差(温度勾配)が生じていると、従来は前述したように、温度差(温度勾配)に起因して故障検出信号がドリフトするため、故障検出範囲が狭い場合には誤検出する虞があった。
これに対して、この実施例の磁歪式トルクセンサ30においては、ステアリングシャフト1に温度差(温度勾配)が生じているときであっても、故障検出信号のドリフトを防止することができ、故障検出精度を高めることができる。以下、これについて図2の検出原理図を参照して説明する。
磁歪膜は温度が高くなるほど透磁率μが大きくなる温度特性を有している。したがって、前述したように最上位の第1検出コイル33が配置されている部分が低温で、中間の第2,第3検出コイル34,35が配置されている部分が中温で、最下位の第4検出コイル36が配置されている部分が高温になっている場合には、第1磁歪膜31において第1検出コイル33に対向する部分の透磁率μ1は小さく、第2磁歪膜32において第4検出コイル36に対向する部分の透磁率μ4は大きく、第1磁歪膜31において第2検出コイル34に対向する部分の透磁率μ2と第2磁歪膜32において第3検出コイル35に対向する部分の透磁率μ3はμ1より大きく且つμ4より小さい中ぐらいとなる(μ1<μ2(μ3)<μ4)。
また、磁歪膜の透磁率μと検出コイルのインピーダンスZは略比例関係(μ∝Z)にあることが知られている。したがって、前述した温度勾配があるときには、第1検出コイル33のインピーダンスZ1は小さく、第4検出コイル36のインピーダンスZ4は大きく、第2検出コイル34と第3検出コイル35のインピーダンスZ2,Z3はその間の中位になる(Z1<Z2(Z3)<Z4)。
検出コイル33〜36に印加する励磁電圧をVccとすると、第1検出コイル33と第3検出コイル35の中点の電圧VS1、および、第2検出コイル34と第4検出コイル36の中点の電圧VS2は、それぞれコイル同士の分圧値となるから、次の(4)式、(5)式で示される。
VS1=Vcc×{(Z3/(Z1+Z3)}=Vcc×〔1/{(Z1/Z3)+1}〕 ・・・ (4)式
VS2=Vcc×{(Z2/(Z2+Z4)}=Vcc×〔1/{(Z4/Z2)+1}〕 ・・・ (5)式
これによって、第1検出コイル33と第3検出コイル35の中点電圧VS1と、第2検出コイル34と第4検出コイル36の中点電圧VS2との加算値をほぼ一定(例えば5V)とすることができるので、前述したように温度勾配による故障検出信号のドリフトをなくすことができる。
その結果、ステアリングシャフト1に温度勾配が生じているときであっても、一定の故障検出信号を得ることができるため、故障検出範囲を従来よりも狭く設定することができ、故障検出精度を向上させることができる。
次に、具体的な数値を挙げて従来技術との差を検証する。
今、検出コイル33〜36を30kHzの矩形波電圧で励磁しているときにステアリングシャフト1に温度勾配が生じ、各検出コイル33〜36のインピーダンスZ1〜Z4が、Z1=900Ω、Z2=950Ω、Z3=1000Ω、Z4=1050Ωになったと想定する。
前述した従来の磁歪式トルクセンサでは、第1検出コイル33と第4検出コイル36の中間電圧VT1’と、第2検出コイル34と第3検出コイル35の中間電圧VT2’との加算値を故障検出信号VTF’とし(VTF’=VT1’+VT2’)、この故障検出信号VTF’に基づいて故障検出を行うので、第1検出コイル33と第4検出コイル36の中点電圧VS1’、第2検出コイル34と第3検出コイル35の中点電圧VS2’が故障検出信号VTF’に影響を与える。
ここで、検出コイル33〜36に印加する励磁電圧をVccとすると、VS1’,VS2’は次の(6)式、(7)式になる。
VS1’=Vcc×{(Z4/(Z1+Z4)}=Vcc×〔1/{(Z1/Z4)+1}〕 ・・・ (6)式
VS2’=Vcc×{(Z3/(Z2+Z3)}=Vcc×〔1/{(Z2/Z3)+1}〕 ・・・ (7)式
励磁電圧Vccを5Vとし、各検出コイル33〜36のインピーダンスZ1〜Z4を代入してVS1’,VS2’を算出し、故障検出信号VTF’を算出すると次のようになる。
VS1’=2.692308(V)、
VS2’=2.564102(V)、
VTF’=VS1’+VS2’=5.25641(V)。
これに対して、この実施例における磁歪式トルクセンサ30では、第1検出コイル33と第3検出コイル35の中間電圧VT1と、第2検出コイル34と第4検出コイル36の中間電圧VT2との加算値を故障検出信号VTFとし(VTF=VT1+VT2)、この故障検出信号VTFに基づいて故障検出を行うので、第1検出コイル33と第3検出コイル35の中点電圧VS1、第2検出コイル34と第4検出コイル36の中点電圧VS2が故障検出信号VTFに影響を与える。
前記同じ条件下で(4)式、(5)式から中点電圧VS1,VS2を算出し、故障検出信号VTFを算出すると次のようになる。
VS1=2.631579(V)、
VS2=2.375000(V)、
VTF=VS1+VS2=5.006579(V)。
したがって、故障検出信号の正常検出域を5V±αとすると、実施例の磁歪式トルクセンサ30の故障検出信号VTFの方が、従来の磁歪式トルクセンサの故障検出信号VTF’よりも大幅にαの値を小さくすることができる。これにより故障検出範囲のマージンを小さくしても誤検出の虞がなく、故障検出精度を向上させることができる。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、第1磁歪膜31をピニオン軸5の軸線方向に2分割して、その一方を第1検出コイル33に専用の磁歪膜、他方を第2検出コイル34に専用の磁歪膜とし、第2磁歪膜32をピニオン軸5の軸線方向に2分割して、その一方を第3検出コイル35に専用の磁歪膜、他方を第2検出コイル36に専用の磁歪膜として、4つの磁歪膜で構成することも可能である。
この発明に係る磁歪式トルクセンサを備えた車両用電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 前記磁歪式トルクセンサの検出回路の概略図である。 従来の磁歪式トルクセンサの検出原理を説明する図である。 従来の磁歪式トルクセンサの検出回路の概略図である。
符号の説明
1 ステアリングシャフト
2 ハンドル(操作子)
7 ピニオン(ギヤ機構)
8a ラック歯(ギヤ機構)
20 ステアリングギヤボックス
30 磁歪式トルクセンサ
31 第1磁歪膜
32 第2磁歪膜
33 第1検出コイル
34 第2検出コイル
35 第3検出コイル
36 第4検出コイル

Claims (1)

  1. 上方が操作子に連結され下方がエンジンルーム内のステアリングギヤボックスに納められたギヤ機構に連結されるステアリングシャフトに第1磁歪膜と第2磁歪膜を設け、これら磁歪膜の磁気特性の変化に基づいて前記ステアリングシャフトに入力されるトルクを検出する車両用の磁歪式トルクセンサであって、
    前記第1磁歪膜に対向配置された第1検出コイルおよび第2検出コイルと、前記第2磁歪膜に対向配置された第3検出コイルおよび第4検出コイルと、を備え、
    前記操作子から近い順に前記第1検出コイル、第2検出コイル、第3検出コイル、第4検出コイルが配置され、
    前記第1検出コイルと前記第3検出コイルの中間出力と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイルの中間出力との加算値に基づいてセンサ異常を検出する車両用の磁歪式トルクセンサであって、
    前記第1検出コイルの一端と前記第3検出コイルの一端が接続されることにより前記第1検出コイルと前記第3検出コイルとが直列に接続され、
    前記第2検出コイルの一端と前記第4検出コイルの一端が接続されることにより前記第2検出コイルと前記第4検出コイルとが直列に接続され、
    直列に接続された前記第1検出コイルおよび前記第3検出コイルは、直列に接続された前記第2検出コイルおよび前記第4検出コイルと並列に接続され、
    前記第1検出コイルの他端と前記第4検出コイルの他端が接続され、
    前記第2検出コイルの他端と前記第3検出コイルの他端が接続されており、
    前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第3検出コイル、前記第4検出コイルは矩形波電圧により励磁されることを特徴とする車両用の磁歪式トルクセンサ
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