本発明を実施するための最良の形態に係るシート裁断装置と、このシート裁断装置を装備したシート処理装置と、このシート処理装置を装置本体に構成要素の1つとして備えた画像形成装置の一例である複写機とを図に基づいて説明する。なお、本実施の形態及び参考例で取り上げた数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等があり、画像形成装置は、複写機に限定されるものではない。また、シート処理装置は、複写機の装置本体のみに設けられるものではなく、プリンタ、ファクシミリ、及び複合機等の装置本体に設けられてもよい。
図1は、本発明の参考例に係るシート裁断装置を有するシート処理装置を装置本体に備えた画像形成装置の一例である複写機の概略構成を示す図であり、複写機Gは、装置本体Aと、トリマーユニットDを有するシート処理装置Bとで構成されている。なお、装置本体Aと、シート処理装置Bは、それぞれ単独で使用することもできるようになっている。
また、図1において、シート処理装置Bは、複写機Gの装置本体Aの脇に複写機Gの構成要素の1つとして装備されているが、装置本体A内に組み込まれていてもよい。さらに、複写機Gの装置本体Aには、装置本体Aを制御する制御部9を設けてあり、シート処理装置Bには、装置本体Aの制御部9とデータ、制御信号等の送受信をして、シート処理装置を制御する中央演算処理装置(以下、CPUという)200を設けてある。なお、これら制御部9とCPU200は一体化して、その一体化した制御部を装置本体Aとシート処理装置Bとのいずれか一方に設けて、装置本体Aとシート処理装置Bとを制御してもよい。
また、本参考例のシート処理装置Bは、後述するようにシートを束状にしてから、糊付けしてそのシート束を製本しているが、シートを束状にしてから中綴じ中折製本にしてもよい。また、ステイプラを設けてステイプル製本をしてもよい。
本参考例のトリマーユニットDは、糊付け製本したシート束を裁断しているが、中綴じ中折製本したシート束、或いは、製本化していないシート束を裁断してもよい。さらに、本参考例のトリマーユニットDは、シート束のみならず、1枚のシートでも裁断することができる。即ち、本参考例のトリマーユニットDは、シート、シート束等の被裁断シートを裁断することができるようになっているが、以降、シート束を裁断する場合について説明する。
ここで、複写機Gの装置本体Aは、本体上部に装備した原稿給送装置1から自動的に給送された原稿をスキャナ部2で光学的に読み取り、その情報をデジタル信号として画像形成手段として例えば画像形成部3へ送信して普通紙やOHPシート等のシートに記録するようになっている。
また、この複写機Gの装置本体Aの下部には、各種サイズのシートを収納した複数のシートカセット4が引き出し自在に設けられており(なお、図1においては1つだけ図示している)、このシートカセット4から搬送ローラ5によって搬送されたシートは、画像形成部3で電子写真方式によって画像記録されようになっている。
そして、このような構成の複写機Gの装置本体Aにおいて、シートに画像を形成する場合は、まずスキャナ部2で読み取った情報に基づいて光照射部3aからレーザ光を感光体ドラム3bに照射して潜像を形成し、これをトナー現像してシートに転写する。この後、トナー像が転写されたシートを定着部6へ搬送して加熱加圧し、シートにトナー画像を永久定着する。
なお、このようにシートに画像を形成した後、装置本体Aは、シートの片面にトナー画像を形成する片面記録モードのときには、シートをそのままシート処理装置Bに送り込む。また、シートの両面にトナー画像を形成する両面記録モードのときには、片面に画像を記録したシートを、スイッチバック搬送して裏返しにしてから再送パス7へ搬送し、再度、画像形成部3へ搬送して他方の面にも画像を形成した後、シート処理装置Bに送り込む。
ここで、装置本体Aの制御部9は、シートをシート処理装置Bに送り込む前にシート処理装置BのCPU200にシートサイズ等の信号を送り、シート処理装置Bにシート処理装置B内のパスの切替等を事前に行わせる。なお、シートは、シートカセット4からの給送のみならず、マルチトレイ8から手差しによっても給送できるようになっている。
シート処理装置Bは、図2に示すように、搬送整合ユニットCと、トリマーユニットDとで構成されて、通常の排出モードの他に、糊付製本、裁断を選択的に行うことができ、シート束の糊付辺以外の3辺を裁断できるようになっている。なお、シート処理装置Bは、搬送整合ユニットCを必ずしも必要とせず、シート束を裁断できるだけであってもよい。また、トリマーユニットDは、シート束の3辺を必ずしも裁断する必要はなく、1辺だけ裁断してもよい。
そして、複写機Gの装置本体Aからシート処理装置Bに排出されたシートは、通常モード時、搬送ローラ対10a〜10dに搬送されて、スタックトレイ11に排出される。また、糊付製本モード時、シートは、後述する所定の処理を行われた後、積載トレイEに排出される。
ところで、図2において、15はノンソートパス、16aは製本パス、12はノンソートパス15と製本パス16aの切替を行う第1フラッパである。また、14は製本される中身のシートが通過する製本中紙パス、13は製本中紙パス14と表紙が通過する表紙パス16の切替を行う第2フラッパである。
35は、製本中紙パス14に給送されたシートを整合する際、シートを立てた状態で順次収納する収納手段を構成する整合縦パスであり、この整合縦パス35には、図3に示すように整合縦パス35の底部に設けられた整合部材である後端ストッパ20と、整合縦パス35の一方の面に設けられると共に整合縦パス35に排出されたシートPを後端ストッパ側に戻し、シートPの後端を後端ストッパ20に押し当てる押し当て手段である半月ローラ19と、シートPをシート中央方向へ押し込んでシート搬送方向と直交する方向である幅方向の整合を行う整合板21と、整合縦パス板36が設けられている。
ここで、この整合縦パス板36は、整合縦パス35の半月ローラ19と対向する側に設けられ、整合縦パス35に排出されたシートPを立てた状態で保持すると共に、排出シートに対する半月ローラ19の接触圧を略一定に保つためのものである。
そして、このような構成の整合縦パス35を有したシート処理装置Bにおいて、製本モードが選択された場合、装置本体Aから排出されたシートPは、まず図2、図3に示す、第1フラッパ12と第2フラッパ13の切り替え及び搬送ローラ対10a,17a,17bによって製本中紙パス14に給送され、さらに排出ローラ対18によって整合縦パス35に排出される。
次に、このように整合縦パス35に排出されたシートPは、半月ローラ19及び排出ローラ対18によって後端が後端ストッパ20に当接する位置まで戻されてシート搬送方向の整合(後端整合)が行われると共に、整合手段である例えば整合板21によってシートセンタ方向へ押し込まれて、シート搬送方向に対し交差する方向の整合を行われる。即ち、シートPは、シートの幅方向(シート搬送方向に対して交差する方向)の中心方向に押し込まれて、シートの側端を整合される。
なお、シートPの後端が排出ローラ対18を通過するとき、排出ローラ対18の回転速度は、低速になるように制御されている。これにより、整合縦パス35に排出されるシートPは、半月ローラ19の回転によって整合縦パス35に確実に引き込まれて、後端整合を確実に行われるようになっている。
なお、シートPの後端が排出センサ22を通過してから所定時間経過したとき、或いはモータの回転数が所定の回転数になったとき、シートが排出ローラ対18を通過したものとみなしている。
ところで、整合縦パス35上に排出されたシートPを排出方向とは逆方向に引き戻す半月ローラ19は、図3に示すように、半月状に切り欠かれた形状に形成されている。そして、この半月ローラ19は、通常、整合縦パス35側に半月ローラ19の切り欠き部が位置し、排出ローラ対18より排出されるシートPの排出を妨げないようにしている。
また、この半月ローラ19は、整合縦パス35上にシートPが1枚排出される度に、排出ローラ対18のシート排出方向とは逆方向に回転して、整合縦パス35上のシートPの後端部に接し、このシートPとの間に生じる摩擦力によってシートPを引き戻している。即ち、半月ローラ19は、シートPをシートPが落下する方向に引き戻している。
なお、半月ローラ19の作動タイミングは、排出ローラ対18がシートPの後端を放出した後である。具体的には、半月ローラ19は、シートPの後端が排出ローラ対18の上流側に設けた排出センサ22を通過してから一定時間経過後に、シート排出方向とは逆方向に回転するようになっている。
また、整合縦パス板36は、不図示の整合縦パスモータで図3に記載の矢印a方向に移動できるようになっており、整合縦パス35のパス間隔を調整するようになっている。そして、この整合縦パス板36は、半月ローラ19が整合縦パス35上に排出された最上位のシートに対する接触圧をほぼ一定に保つため、整合縦パス35上に排出されたシートの枚数に応じて、整合縦パス板36をパスが広がる方向に移動する。
例えば、整合縦パス35に収納されるシートPの枚数が少ない時には、整合縦パス板36を整合縦パス35の間隔が狭くなる方向に移動させることにより、シートPの座屈の発生を防ぐことができると共に、整合縦パス35に排出されたシートPに対する半月ローラ19の接触圧が略一定に保たれるようになり、戻し不良を防止することができる。
また、収納枚数が増えると、整合縦パス板36を整合縦パス35の間隔が広くなる方向に移動させることにより、シート束の厚みが増した場合でも、確実にシートPを戻すことができ、戻し不良を防止することができる。
なお、この整合縦パス板36は整合縦パス板36の一部に形成されている不図示のラックと整合縦パスモータとにより矢印方向に往復移動可能になっており、これにより半月ローラ19との間隔(整合縦パス35の間隔)を調整することができるようになっている。
ところで、整合縦パス35にシートPが順次搬送されると、このシートPを半月ローラ19により引き戻し、整合縦パス35内に所定の目標枚数の束になるまで積載させていくが、1冊目の製本作成のために整合縦パス35にシートPを積載・整合し、その後、糊付等の作業を行う過程において、シートPの束は整合縦パス35に存在しつづけてしまう。
このため、装置本体Aから2冊目の製本作成のための後続シートPを搬送させることができず、1冊目の糊付等の作業が終了し、整合縦パス35からシート束P1が排出されるまで、シートPの搬送をとめることとなってしまい、生産性の低下につながってしまう。
そこで、本参考例においては、1冊目のシート束P1が糊付等の作業を終了し、整合縦パス35から排出されるまでの間に、装置本体Aから2冊目の製本作成のために搬入されてくる後続シートPを一時的に待機させるバッファ機構50を整合縦パス35に近接して設けている。
ここで、このバッファ機構50は、図3及び図4に示すように、シートPを保持する受け台50aと、受け台50aを不図示のモータと電磁クラッチギヤ50c,50gとにより、シート搬送方向と同一の方向、或はシート搬送方向と直交(交差)する方向である幅方向へ移動させる駆動部50Bとを備えている。なお、図4において、排出ローラ対18、半月ローラ19、ラック50e、及びフォトセンサ50fは、移動しないものとする。
そして、この駆動部50Bは、受け台50aを、例えばシート搬送方向と同一方向へ移動する際には電磁クラッチギヤ50cのみ回転力伝達状態にして、不図示のモータの回転がギア50dに伝わるようにする。この結果、固定のラック50e上をギア50dが回転し、ラック50eを除いたバッファ機構50の各部が一体にシート搬送方向と同一の方向へ移動する。
即ち、受け台50aがシート搬送方向と同一の方向へ移動する。このとき、フォトセンサ50fと、このフォトセンサ50fを遮光する移動体50n上の突起部50kとによって、ラック50eを除いたバッファ機構50のシート搬送方向と同一方向への移動位置の検知と、検知された位置に基づいた移動制御とが行われる。
また、受け台50aを幅方向へ移動させるには、電磁クラッチギア50gのみ回転力伝達状態にして、モータの回転がギア50hに伝わるようにし、ラック50bを移動させる。これによって、受け台50aがシート搬送方向に対して垂直の方向に移動する。
このとき、移動体50nに設けてあるフォトセンサ50iと、それを遮光するラック50bの一端に突設した突起部50mとによって、受け台50aのシート搬送方向に対して垂直の方向への移動位置の検知と、検知された位置に基づいた移動制御とが行われる。なお、バッファ機構50の受け台50aは、シートPのバッファを行うとき以外は、図4に示すシートPの幅よりも外側のホームポジションに退避しているので、シートの搬送の妨げにはならないようになっている。
次に、このようなバッファ機構50の基本的な動作を説明する。
図3の(b)に示すように、シート束P1が、後端ストッパ20に積載、整合されて整合縦パス35にあり、整合縦パス35から排出されていないとき、バッファ機構50は、装置本体Aより続けて搬送されてくるシートPをバッファするため、図4に示すギア50hの回転とラック50bとによって、受け台50aを、シートPの搬送を妨げないホームポジションから、シートPを受けとめる位置へスライド移動させる。
一方、整合縦パス35よりシート束P1が排出されて、後端ストッパ20上にシート束P1が無くなると、バッファ機構50は、受け台50aをシート搬送方向と下流側の、後端ストッパ20の方へ移動させる。これにより、バッファされたシートPの後端が、後端ストッパ20により支持され、このようにシートPの後端が支持されると、受け台50aの移動を停止して、受け台50aをホームポジションに退避させる。
ここで、このように受け台50aが退避位置へ移動すると、シートPは自重により整合縦パス35内に移動する。そして、最後に、受け台50aを後端ストッパ20とは反対の方向に戻し、始めの退避位置(ホームポジション)へ移動し、終了する。なお、この動作は、目標とされる製本部数が終了するまで繰り返される。
次に、表紙の搬送について説明する。
装置本体Aから排出された表紙となるシートP(以下、表紙シートという)P2は、第1フラッパ12、第2フラッパ13によって表紙パス16に案内される。そして、図2(図3参照)に示すように、表紙パス16の途中にはレジストローラ対23と、レジストローラ対23の上流にレジスト先端センサ23aとが配設されている。
ここで、このレジストローラ対23は、表紙パス16に表紙シートP2が案内された時点では停止しているが、表紙シートP2の先端がレジストローラ対23に当接してから一定時間後に回転し始める。なお、表紙シートP2の先端がレジストローラ対23に当接したか否かは、表紙シートP2がレジスト先端センサ23aを通過してから所定時間、或いはモータ回転数を検出することによって判別するようになっている。
そして、このようにレジストローラ対23を停止させておく制御によって、表紙パス16へ案内された表紙シートP2の先端にループを作り、斜行補正することができる。
ところで、このレジストローラ対23は、図5に示すように、表紙モータ37により回転する不図示のピニオンギアとラック38とにより、シートの幅方向に移動できるようになっている。そして、このレジストローラ対23は、表紙シートP2の後端が搬送ローラ対17aを抜けた後、表紙シートP2を挟持、搬送した状態で図5の矢印b方向に移動する。さらに、このような移動により、表紙シートP2がレジストセンサ24を遮光した後、矢印c方向に移動して、レジストセンサ24の遮光を開放してから、一定量移動して停止するようになっている。
ここで、このレジストセンサ24は、整合縦パス35内のシート束P1の紙端位置(側端位置)に配設してあるため、表紙パス16内にある表紙シートP2と整合縦パス35内にあるシート束P1は、シートやシート束の幅方向に一定量ずれた位置に移動することになる。なお、この後、レジストローラ対23は、装置本体Aから紙サイズ信号を受け取り、表紙パス16内にある表紙シートP2を紙サイズに応じて規定量搬送して停止する。
ところで、このように表紙シートP2を移動させた後、図3、図6に示すように整合縦パス35の下部に位置したグリッパ41により整合縦パス35に積載されたシート束P1を表紙シート側に案内し、表紙シートP2の中央部にシート束P1の後端を重ね合わせ、この後、糊付ユニット25で糊付製本動作を行う。
ここで、この糊付ユニット25は図7に示すように桶25a、糊ローラ25b、糊25c、桶ヒータ25d、軸25e、桶駆動手段25fより構成される。なお、桶25aは軸25eに沿ってシート搬送方向に対し直交するシート幅方向に桶駆動部25fによってシート幅以上に移動するようになっており、シート幅の外側の2箇所(図の上縁側と下縁側)を退避位置としている。
また、桶25aは、第1の退避位置から第2の退避位置への移動に伴い、桶25aの一部で後端ストッパ20に係合されたリンク26の一部を押して、後端ストッパ20を図3のシート束P1の下部から退避する方向へ移動させる。糊ローラ25bは桶25aに取り付けてあり、桶25aの移動にともなって回転するようになっている。
さらに、桶ヒータ25dは、桶25aの外側に取り付けてある。桶ヒータ25dは、製本モード開始時に、桶25aを熱し、桶25a内の糊25cを溶かす。桶25aが桶駆動部25fによって移動することで糊ローラ25bが回転して、糊ローラ25bの外周面全体に溶けた糊25cが行き渡る。
そして、整合縦パス35内に積載されたシート束P1は、グリッパ41(図3参照)に保持されて、桶25aが第1の退避位置から第2の退避位置へ移動して、後端ストッパ20をシート束P1下部より退避させることによって、シート束P1の下端面を糊付ユニット25によって糊25cを塗布される。
次に、製本工程について図6を用いて説明する。
なお、図6において、27はシャッタであり、このシャッタ27は、図2に示すように表紙パス16の下流に位置している。そして、製本工程が開始され、図6の(a)に示すように、表紙シートP2が搬送されているとき、表紙付けパス42を閉じている。
また、製本工程時は、図6の(b)に示すように、シャッタモータ28がシャッタラック29を駆動し、シャッタ27と、シャッタラック29を一方向に牽引するばね30とを、表紙付けパス42を開放する位置に移動させる。なお、表紙付けパス42を開放した後、シャッタ27は、不図示のストッパに当接して停止する。
グリッパ41に保持されたシート束P1は、図7に示した糊付けユニット25によって糊25cを塗布される。その後、グリッパ41は、糊付されたシート束P1を折り目付け台34上で表紙シートP2に圧接するように移動させて、シート束P1を表紙シートP2に圧接させる。
次に、図6の(c)に示すように、シャッタモータ28をさらに駆動すると、シャッタモータ28からベルト31で回転させられるカム32がさらに回転して、案内軸33によって折り目付け台34,34を互いに接近させる。折り目付け台34は、一定時間折り目付けを行う。これによって、製本シート束P3が完成する。
なお、折り目付け台34には紙厚の変化に対応できるように逃げ機構を設けてある。さらに、図6の(d)に示すように、カム32を回転させ続けることで折り目付け台34,34が互いに離間退避する。これによって、製本シート束P3は、押し出しころ39により下流へ押し出されて、束曲率パス40(図2参照)へと搬送され、この束曲率パス40を経て回転ステージに搬送される。
ここで、この回転ステージ60は、製本された製本シート束P3を回転させ、トリマーユニットD内に搬送するものである。次に、この回転ステージ60について図8を用いて説明する。
図8において、61は回転ステージ60に設けられた揺動ユニットであり、この揺動ユニット61は、図8の(a)に示すように、揺動モータ62aの回転が、揺動昇降ギア62b及び揺動昇降ベルト62cを介して、不図示の揺動駆動段ギアに伝えられて、さらに、回転軸63とリンク軸64との間にかけ渡した不図示の揺動駆動ベルトによって、回転軸63を回転中心に不図示のリンク機構に伝えられることによって、図8の(a)の右端側が上昇するようになっている。
なお、この揺動ユニット61の上昇は、揺動ユニット61の突起部65を揺動上昇検知センサ66aが検知することによって検知される。そして、CPU200は、揺動上昇検知センサ66aから突起部65を検知した信号を受けると、揺動モータ62aを停止させるようにしており、これにより揺動ユニット61は、図8の(a)に示す位置で待機する。
なお、揺動ユニット61の上方には、製本シート束P3を受け入れるための入口ガイド67が配設されており、この入口ガイド67は入口従動コロ69aを備えると共に入口ガイドモータ68aにより製本シート束P3の厚さ方向に移動するようになっている。ここで、この入口ガイドモータ68aは、CPU200の制御によって始動して入口ガイドギア68bを回転させ、入口ガイド67に接続してある入口ラック68cを移動させることにより入口ガイド67を製本シート束P3を受け入れる方向に移動させるようになっている。
なお、この入口ガイドモータ68aは、入口ガイド67を移動させた後、さらに回転を継続し、入口ラック68cを入口ガイド開閉センサ68dが検知したところで、CPU200の制御によって回転を停止し、入口ガイド67の移動を停止させる。そして、入口ガイド67は、この状態で待機する。
一方、製本工程で製本された製本シート束P3が、搬送整合ユニットCから入口ガイド67に送り込まれて、入口センサ68eに検知されると、CPU200は、入口センサ68eの検知信号に基づいて、入口ガイドモータ68aを回転させて、入口ガイド67を製本シート束P3に接近させ、入口従動コロ69aを製本シート束P3に押圧し、束搬送ローラ69bと共に製本シート束P3を挟持する。この後、束搬送ローラ69bが図8(a)に示す矢印方向に回転すると、製本シート束P3は回転ステージ60に送り込まれる。
なお、束搬送ローラ69bは、製本シート束P3を一定量搬送した後、入口ガイド67の入口従動コロ69aと共に製本シート束P3を挟持した状態のまま製本シート束P3の搬送を停止する。
ところで、このように束搬送ローラ69bにより回転ステージ60に送り込まれた製本シート束P3は、グリッパユニット70に挟持されて、排紙ベルト71まで搬送される。なお、このように製本シート束P3を挟持して搬送することにより、製本シート束P3は排紙ベルト71に確実に到達する。
ここで、このグリッパユニット70は、図9に示す支持板141に設けられており、この支持板141は、1対のプーリ142,143に掛け渡してある1対のベルト144に設けられている。なお、このプーリ142は、水平移動モータ79によって回転するようになっており、これによりグリッパユニット70は、水平移動モータ79によって図8、図9の左右方向に移動するようになっている。
また、グリッパユニット70は、図8に示すように回転ガイドギア78とで製本シート束P3を挟持する挟持片145を有している。そして、この挟持片145は、ばね146によって回転ガイドギア78側に付勢されると共に、挟持解放モータ147の回転によって、ばね146に抗して回転ガイドギア78から離間するようになっている。
そして、このような構成のグリッパユニット70により排紙ベルト71まで搬送された製本シート束P3は、この後、不図示のモータによって製本シート束に対して接近離間方向に移動可能な面押さえユニット72によって、図8の(b)の矢印方向に押圧され、また、面押さえユニット72のモータによって製本シート束に接近離間方向に移動可能な空気抜きユニット73にも押圧される。
次に、このようにして製本シート束P3に対して、製本シート束P3の面押さえ動作、及び空気抜き動作が行われた後、CPU200(図13参照)は、グリッパユニット70による製本シート束P3の挟持を開放し、不図示のモータによって排紙ベルト71を図8の(b)の矢印方向に循環させ、上下動可能なレジスト取り板74に、製本シート束P3の糊付け端部P3aを突き当てさせて、製本シート束P3のレジスト取り動作74を行う。即ち、製本シート束P3の斜行を真っ直ぐに修正する。
また、同時に、製本シート束P3の糊付け端部P3aを排紙センサ75が検知すると、CPU200は、その検知信号に基づいて、所定時間、排紙ベルト71を循環させた後、循環を停止させる。そして、CPU200は、この後、グリッパユニット70を製本シート束P3の回転中心位置まで移動させて停止させ、再度、グリッパユニット70に製本シート束P3を挟持させる。
そして、グリッパユニット70が製本シート束P3を挟持した後、図8の(a)に示す揺動モータ62aが始動し、この揺動モータ62aの回転力が、揺動昇降ギア62bから揺動昇降ベルト62cを介して、不図示の揺動駆動段ギアに伝えられる。さらに、回転軸63とリンク軸64との間にかけ渡した不図示の揺動駆動ベルトによって、回転軸63を回転中心に不図示のリンク機構に伝えられることによって、図8の(c)に示すように、揺動ユニット61の右端側が下降する。
そして、この揺動ユニット61の下降は、揺動ユニット61の突起部65を水平センサ66bが検知することによって検知され、CPU200は、水平センサ66bから突起部65を検知した信号を受けると、揺動モータ62aを停止させる。これにより、揺動ユニット61は、図8の(c)に示す位置で待機する。
この後、グリッパユニット70は、図8の(c)に示すように、製本シート束P3を挟持して、水平移動モータ79(図9参照)によって矢印方向へ移動し、これにより製本シート束P3は、トリマーユニットD内の所定の位置まで搬送されて裁断される。なお、このとき製本シート束P3が裁断される端部は、糊付け端部P3aに対して平行な端部である。
次に、このようにトリマーユニットDによって製本シート束Pの裁断が行われた後、グリッパユニット70は、製本シート束P3を挟持したまま、図9に示す支持板141と一体で所定の回転位置まで移動する。そして、この回転位置に到達したグリッパユニット70は、図8(c)に示す、回転モータ76の回転力を、回転ギア77、回転ガイドギア78を介して受けて支持板141と共に図9の矢印方向に90度回転し、製本シート束P3を90度回転させる。
次に、製本シート束P3を90度回転させたグリッパユニット70は、製本シート束P3を挟持した位置と、次の裁断位置との関係を把握するため、一旦、製本シート束P3をトリマーユニットDから離れる方向に移動して、製本シート束P3の端部を排紙センサ75に検知させる。
そして、排紙センサ75が製本シート束P3の端部を検知すると、グリッパユニット70は、製本シート束P3を、再度、トリマーユニットD内に搬送し、トリマーユニットDは、再度、搬送されてきた製本シート束P3の端部を裁断する。このとき、トリマーユニットが裁断する端部は、糊付け段部P3aに対して直角な端部である。
裁断終了後、グリッパユニット70は、再度、製本シート束P3を所定の回転位置まで搬送して、上述した回転動作と同様の動作で同様な回転方向に、今度は、製本シート束P3を180度回転させる。なお、グリッパユニット70は、前裁断において製本シート束P3の挟持位置と製本シート束P3の端部との位置関係を把握しているため、製本シート束P3の端部を排紙センサ75に検知させることなく製本シート束P3を180度回転させた後、再度、裁断位置まで搬送する。
そして、トリマーユニットDは、再度、搬送されてきた製本シート束P3の端部を裁断する。このとき、トリマーユニットが裁断する端部は、糊付け段部P3aに対して残りの直角な端部である。
この後、このようにして3方向裁断された製本シート束P3は、グリッパユニット70によって、再度、同様な動作によって、90度回転させられて製本シート束P3の糊付け端部P3aを排紙センサ75によって検知される位置まで搬送される。
そして、製本シート束P3の糊付け端部P3aが排紙センサ75によって検知されると、グリッパユニット70が製本シート束P3の挟持を解除して、面押さえユニット72が製本シート束P3を押圧する。その後、排紙ベルト71は、図8において、時計の回転方向とは逆方向に循環して、製本シート束P3を積載トレイEに排出する。
次に、トリマーユニットDを説明する。
なお、トリマーユニットDは、回転ステージ60から搬送されてきた製本シート束P3を裁断するようになっている。回転ステージ60は製本シート束P3を後述するシート押さえ93により押さえられる位置に搬送するシート搬送手段の一例である。回転ステージ60とトリマーユニットD等からなる構成は、シート裁断装置の一例である。
図10は、このようなトリマーユニットDの側面図であり、製本シート束P3を裁断する刃付き工具である例えば裁断刃80を備えている。ここで、この裁断手段の一例である裁断刃80は、板状に形成されており、片方のみに傾斜を形成されている。また、板状の裁断刃80の長手方向の長さは、裁断する最大のシートサイズより長く、さらに長手方向に移動するため、常に、製本シート束P3上に乗る長さを有している。
そして、この裁断刃80は、長手方向移動部材81に固定されている。なお、この長手方向移動部材81は垂直方向移動部材82に設けられているコロ82a,82bによって支持されると共に、このコロ82a,82bと、長手方向移動部材81自身に形成してある突き当て81a,81bとによって、長手方向移動部材81自身の長手方向、即ち製本シート束P3の裁断面に対して平行に移動するようになっている。
また、この長手方向移動部材81の長手方向の平行移動は、水平モータ83が回転すると、回転カム84が回転し、回転カム84の突起84aと長手方向移動部材81自身に形成してある長孔の回転受け89との係合によって、水平モータ83の回転運動が直線往復運動に変換されて行われる。往復運動の速度調節は水平モータ83にエンコーダを備えることで自由に行うことができる。
一方、裁断刃80の製本シート束P3の厚さ方向への移動は、垂直方向移動部材82により行われる。ここで、垂直方向移動部材82は、垂直方向移動部材82に突設した案内軸131と、基台132に設けた支柱134に形成してある案内溝135とに案内されて、支柱134に沿って移動し、製本シート束P3に対して接近離間するようになっている。
ここで、この垂直方向移動部材82は、長手方向移動部材81を支持しているコロ82a,82bを備えているため、垂直方向移動部材82が垂直に移動すると、長手方向移動部材81も垂直に移動し、裁断刃80も垂直方向に移動することになる。また、垂直方向移動部材82は、裁断刃80に荷重(裁断力)を付加するため、引張りばね87a,87bによって常に製本シート束P3に近づく方向に牽引されている。
ところで、トリマーユニットDは、図11に示すように、裁断刃80の破損を防ぐ目的で、裁断刃80の受け手段として例えばマット94と、被裁断シート束である製本シート束P3を裁断する際、製本シート束P3をマット94側に押さえて固定するシート押さえ手段の一例としてのシート押さえ93を備えている。
そして、このシート押さえ93は、図11の(a)に示すように、垂直モータ88の回転によって回転するカム91とリンク90により、リンク90の下支点位置近くまで移動すると、製本シート束P3に接触し、紙押さえばね92に抗するリンク90のさらなる押し下げ力によって、製本シート束P3をマット94に押し付けるようになっている。
ここで、このようにリンク90が下支点位置まで移動する間に、リンク90の取り付け部材136が垂直方向移動部材82の突き当て片82cから離れるようになっている。これにより、後述するように裁断刃80が、垂直方向移動部材82を介して引張りばね87a,87bによって製本シート束P3の厚さ方向の下方向すると、この取り付け部材136に当接するまで垂直方向移動部材82は下降し、この結果、裁断刃80は製本シート束P3に当接するようになる。
なお、このようにシート押さえ93と裁断刃80とを作動させる機構は、図11の(b)に示すように、カム91が回転してリンク90が上支点位置まで移動し、シート押さえ93による製本シート束P3の押さえ動作を解除するとき、リンク90の取り付け部材136が垂直方向移動部材82の突き当て片82cに当接し、垂直方向移動部材82を介して裁断刃80を製本シート束P3の厚さ方向の上方向に移動させる機構も兼ねている。これらの機構により裁断刃80は、製本シート束の厚み方向に往復運動することができる。
また、垂直方向移動部材82の突き当て片82cには、図10に示すように刃位置センサフラグ86が設られ、また支柱134には、刃位置センサフラグ86を検知する刃位置センサ85を設けられてある。そして、裁断刃80による製本シート束P3の裁断は、刃位置センサ85が刃位置センサフラグ86を検知するまで行われる。
なお、裁断刃80の破損を防ぐ目的で製本シート束P3の下部に設けられたマット94は、本参考例においては、ローラ状に形成されると共に、図12に示す矢印方向に回転するようになっている。なお、図12において、97は、マット94の下方に設けられた裁断後の裁断シート屑P4を貯蔵する手段としての例えばダストボックスである。
そして、マット94をこのようにローラ形状とすることによって、裁断後の裁断シート屑P4をダストボックス97に回転させて落とすことができる。なお、このマット94の材質には、裁断刃80の破損を防ぐためにも柔らかい材料、例えば、ゴム、ウレタン、モールド等が好ましい。
次に、トリマーユニットDの動作について説明する。
まず、製本シート束P3が、既述した図8に示すグリッパユニット70によって回転ステージ60から搬送されてくると、トリマーユニットDは、図11に示す垂直モータ88を始動させて、リンク90が下支点位置にくるまでカム91を回転させる。これに伴い、リンク90は、紙押さえばね92を介してシート押さえ93を製本シート束P3に接触させる。さらに、この後のカム91の回転に伴って、紙押さえばね92は圧縮され、これによりシート押さえ93は、製本シート束P3をマット94に向けて押さえ込み、製本シート束P3を押さえて固定する押さえ位置に移動する。
このとき、シート押さえ93と共にリンク90が作動することで、取り付け部材136が垂直移動部材82の突き当て片82cから離れる方向に移動するので、垂直移動部材82は引張りばね87a,87bに牽引されて取り付け部材136に追従するようにして下降する。そして、このような取り付け部材136の下降によって裁断刃80が下降し、裁断刃80は製本シート束P3上に接触する。
次に、このように裁断刃80が製本シート束P3に接触した後、図10に示す水平モータ83が始動し、この水平モータ83の回転運動は、回転カム84、突起84a及び回転受け89によって往復運動に変換される。この結果、長手方向移動部材81は、裁断刃80と一体に製本シート束P3の厚さ方向に対し、垂直方向に往復運動をする。即ち、裁断刃80は、図10において、左右方向に往復運動をする。
そして、このような往復運動を行うことにより製本シート束P3の裁断が開始される。また、裁断刃80は、引張りばね87a,87bに牽引されて、製本シート束P3を裁断しながら、製本シート束P3の厚さ方向に移動する。なお、裁断刃80の往復運動による製本シート束P3の裁断は、刃位置センサフラグ86が刃位置センサ85に検知されるまで行われる。
次に、このような裁断刃80の往復運動による製本シート束P3の裁断が終了した後、再度、垂直モータ88を回転させ、リンク90が上支点位置にくるまでカム91を回転させて、シート押さえ93を製本シート束P3から離間させて、図11の(b)に示す待機位置まで移動させると共に、裁断刃80をマット94から離間させる。
なお、裁断シート屑P4は、図12に示すように、ダストボックス97内に落ちるものもあるが、マット94上に残るものもある。そこで、本実施の形態においては、裁断刃80がマット94から離間した後、マット回転モータ95aによってマット駆動ベルト95b介してマット94を図12の矢印方向に回転させるようにしている。
そして、このようにマット94を回転させることにより、裁断シート屑P4は、マット94上に残ることなく、ダストボックス97内にプッシャ96の手前に落下し、この後、裁断シート屑P4は、プッシャ96によって、ダストボックス97内の下流側に押し込まれる。
なお、このようなマット94の屑処理回転動作後、製本シート束P3は、前述のように再び、90度回転させられて、糊付け部以外の3辺の端部を裁断される。最後に、3辺の端部の裁断された製本シート束P3は、積載トレイEへ排出される。
図13は、このようなトリマーユニットDを備えたシート処理装置Bの制御ブロック図であり、図13において、本参考例の制御手段として例えばCPU200の入力側には、整合縦パス35(図2参照)に送り込まれるシートを検知する排出センサ22、レジストローラ対23にシートが送り込まれたか否かを検知するレジスト先端センサ23a、シートがシート搬送方向に対して交差する方向に移動したことを検知するレジストセンサ24(図5参照)、移動体50nの移動を検知するフォトセンサ50f(図4参照)、受け台50a及びラック50bの移動を検知するフォトセンサ50i、揺動ユニット61が上方へ回動したことを検知する揺動上昇検知センサ66a(図8参照)、揺動ユニット61が下方へ回動したことを検知する水平センサ66b、入口ガイド67の移動を検知する入口ガイド開閉センサ68d、入口ガイド67に送り込まれるシートを検知する入口センサ68e、回転ステージ60から排出されるシートを検知する排紙センサ75、裁断刃80の位置を検知する刃位置センサ85、ユーザが指定したシートのサイズデータをCPU200に送信する通信装置207等を電気的に接続してある。
一方、CPU200の出力側には、ドライバD1〜D10を介して、表紙シートP2を移動させる表紙モータ37(図5参照)、折り目付け台34(図6参照)を作動させるシャッタモータ28、揺動ユニット61(図8参照)を回動させる揺動モータ62a、入口ガイド67(図8参照)を移動させる入口ガイドモータ68a、グリッパユニット70による製本シート束の挟持を解放させる挟持解放モータ147、グリッパユニット70を移動させる水平移動モータ79(図9参照)、シート押さえ93を昇降させる垂直モータ88(図11参照)、裁断刃80をシートの表面に対して平行な方向に移動させる水平モータ83(図10参照)、マット94を回転させるマット回転モータ95a(図12参照)、回転ガイドギア78を回転させる回転モータ76(図8参照)、不図示のプランジャ等がそれぞれ電気的に接続してある。
さらに、CPU200は、記憶部としての、例えば、メモリであるROM201とRAM202を有している。ROM201には、CPU200が実行する製本シート束のサイズ毎の裁断制御手順等を記憶してある。RAM202は、ユーザが入力したシートサイズ等を一時的に記憶しておく部分である。
CPU200は、前述した各センサ、及びROM201、RAM202の信号が入力されると、その信号に基づいて、裁断制御等を実行できるように、各モータ、不図示のプランジャ等を制御するようになっている。また、CPU200は、複写機Gの装置本体A内の制御部9と信号の授受をして、シート処理装置B全体を制御するようにもなっている。
ところで、本参考例においては、被裁断シート束である製本シート束P3の枚数・厚みに応じて、シート押さえ93を予め待機位置から、待機位置よりも押さえ位置側の所定の近接待機位置である最適待機位置へ移動させることにより、シート押さえ93の待機位置と押さえ位置との間隔を狭めるようにしており、これにより製本シート束P3を押さえて固定するのに要する時間を短縮させ、製本シート束P3を裁断するのに要する処理時間を短縮するようにしている。
次に、このようなシート押さえ93の待機位置の最適制御方法について説明する。
まず、トリマーユニットDのシート押さえ93において、待機位置制御を用いた1ジョブにおける処理手順の一例を、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
ジョブを開始すると、CPU200は、まず処理対象となるシート束の束厚情報又は枚数情報を取得する(S101)。なお、本参考例では、シート束情報の取得として、シート束の枚数情報を、装置本体Aから通信装置207を介してRAM202へ格納するようにしており、CPU200は、ジョブを開始すると、RAM202からシート束枚数情報を取得するようにしている。
次に、シート押さえ93の現在の位置を検出し(S102)、シート押さえ93が最適待機位置へ移動していない場合、この取得した枚数情報に基づいて垂直モータ88を駆動し、シート押さえ93を最適待機位置へ移動させる(S103)。なお、シート押さえ93の位置が不定の場合は、一旦ホームポジションへ退避するなどしてシート押さえ93の位置を認識した後、最適待機位置へ移動させる。
ここで、図15を用いて最適待機位置の算出について説明する。
シート押さえ93が待機位置の一例であるホームポジションに待機している場合のシート押さえ93のシート押さえ面となる底面とマット94との間のシート受け入れ幅をM、シート枚数をn、装置本体Aで搬送可能な最厚シート1枚の紙厚をL、マージンをKとすると、シート枚数がn枚のシート束を処理する際、シート押さえ93は、nL+Kの位置で待機するのが最適であり、この位置を最適待機位置とする。
そして、このようにシート押さえ93の最適待機位置を算出すると、CPU200は、垂直モータ88を駆動し、図15に示すように、シート押さえ93を予めホームポジション位置からM−(nL+K)だけ下降させ、最適待機位置へ移動させる。ここで、垂直モータ88には不図示のエンコーダが取り付けられており、CPU200は、このエンコーダのクロック数からシート押さえ93の移動量を算出することができる。
この後、製本シート束P3を、既述したようにグリッパユニット70によってシート押さえ93の下方の、シート押さえ93により押さえられる位置まで移送する(S104)。なお、本参考例では、Lを最厚紙の厚さとしたが、装置本体Aからシートの厚さ信号やシート種別の信号を取得し、これに応じて変えてもよい。
次に、このように製本シート束P3をシート押さえ93により押さえられる位置、言い換えればシート裁断位置まで搬送すると、次に垂直モータ88を駆動し、予め図15に示す最適待機位置に移動しているシート押さえ93を起動して製本シート束P3を圧接して押さえるようにする。そして、このような製本シート束P3の押さえ処理を行った後(S105)、水平モータ83を駆動して裁断刃80により製本シート束P3の裁断を行う。
なお、このような裁断処理が完了した後、垂直モータ88を駆動してシート押さえ93による製本シート束P3の圧接を解除し(S106)、トリマーユニットDから裁断済みの製本シート束P3を排出し(S107)、ジョブを終了する。
次に、トリマーユニットDのシート押さえ93において、連続ジョブの際のジョブ毎の待機位置制御方法の一例を、図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
1ジョブの処理が終了した後(S201)、CPU200は、次ジョブがなければ(S202のN)、シート押さえ93を退避させ、処理を終了する(S203)。なお、このとき、退避させる位置は、初期の待機位置であるホームポジションでもよいし、任意に待機位置を決め、例えば中間位置などに退避させてもよい。
一方、既述したように1ジョブを処理した後(S201)、次ジョブがあると判断した場合は(S202のY)、予め装置本体Aから通信装置207を介してRAM202に格納されている次ジョブの処理対象となるシート束の枚数情報を取得する(S204)。そして、この後、既述した方法と同様に最適待機位置を算出し、シート押さえ93を最適待機位置へ移動させ(S205)、次ジョブの処理に備える。
このように、シート押さえ93による製本シート束P3の押さえ固定動作の前に、製本シート束P3の厚さ情報に基づいて、シート押さえ93における待機位置を最適化し、予め待機位置と押さえ位置との間隔を狭めるよう制御することにより、製本シート束P3を押さえるための時間を短縮することができ、この結果、生産性を高めることができる。
なお、本参考例では、製本シート束P3の厚さ情報を、装置本体Aから通信装置207を介して枚数情報を受信することで取得したが、他の方法としては、製本される前に、搬送されるシートの枚数をカウントして枚数情報を取得する方法がある。
また、シートを挟持したときの厚さを可変抵抗や距離検知センサ(光学センサなど)などで検出するシート厚さ検出機構を備え、この機構で厚さを直接検出し取得する方法もある。なお、この場合のシート束の厚さ毎の最適待機位置は、図17に示すように検出したシートの厚さをH、マージンをK、用紙受け入れ幅をMとすると、ホームポジション位置からM−(H+K)だけ下降させた位置となる。
このように、製本シート束P3の厚さ情報の取得方法としては、枚数を検出して算出する方法と、厚さを検出して取得する方法があるが、製本シート束P3の厚さ情報を、どちらか一方の検出手段を備えて取得しても、両方の検出手段を備えて取得してもよい。又、本参考例のシート押さえ93の最適待機位置となる位置は、ホームポジションとは別の位置であるが、最適待機位置をホームポジションとする場合もある。
さらに本参考例では、シート押さえ93の待機位置を処理枚数に応じて変えたが、これは、押さえ位置にシート押さえ93が達したとき、シート押さえ93と共に製本シート束P3を挟持し、かつ裁断刃80が製本シート束P3を裁断した際、裁断刃80を受けとめる受け手段の一例としてのマット94が固定であるからであり、シート押さえ93の待機位置を変えずに固定すると共にマット94を上下に移動可能とし、マット94の待機位置を処理枚数に応じて変えることでも同様の効果が得られる。又、シート押さえ93とマット94の待機時の位置を、処理枚数に応じてそれぞれ変えることでも、同様の効果が得られる。
また、本参考例では、シート押さえ93における待機位置を最適化したが、他に、面押さえユニット、グリッパユニットなど製本シート束の厚さ方向などへ駆動する他の機構においても、処理シートの厚さに応じて同様にして待機位置を最適化することができる。
ところで、これまでの説明においては、被裁断シートの枚数・厚みに応じて、シート押さえ93を予め最適な待機位置へ移動させることにより、製本シート束P3を裁断するのに要する処理時間を短縮するようにしたが、本発明は、これに限らず、シート押さえ93のシート束押さえ動作を、被裁断シートの厚み・枚数に応じて最適なタイミングで開始することで、同一のタイミングで起動し処理した場合に生じる不必要な移動時間をなくし、生産性を高めることができる。
次に、このような本発明の第1の実施の形態について説明する。
図18は、トリマーユニットDのシート押さえ93において、起動タイミング制御を用いた1ジョブの処理手順の一例を示すフローチャートであり、このフローチャートに基づいて待機位置制御を用いた本実施の形態に係る1ジョブにおける処理手順の一例を説明する。
ジョブを開始すると、CPU200は、まず処理対象となるシート束の束厚情報又は枚数情報を取得する(S301)。なお、本実施の形態では、シート束情報の取得として、シート束の枚数情報を、装置本体Aから通信装置207を介してRAM202へ格納するようにしており、CPU200は、ジョブを開始すると、RAM202からシート束枚数情報を取得するようにしている。
次に、シート押さえ93の現在位置を確認し、待機位置にいない場合にはシート押さえ93を指定された待機位置であるプレス指定位置へ移動させる(S302)。なお、本実施の形態では、プレス指定位置(待機位置)をホームポジションとする。
次に、取得した製本シート束P3の枚数情報に基づいて、ジョブ中のある処理時点からシート押さえ93を起動するまでの時間である、シート押さえ93の起動開始時間を算出する(S303)。ここで、本実施の形態では、ある処理時点を、トリマーユニットDが製本シート束を受け取って処理を開始する時点とし、この時点からシート押さえ93の起動を開始するまでの時間を算出する(S303)。なお、処理時点は、必ずしもこの時点にする必要はない。
次に、製本シート束P3がトリマーユニットDへ搬入されると、経過時間の計測を開始し(S304)、算出した起動開始時間が経過すると(S305のY)、シート押さえ動作を開始する(S306)。この後、製本シート束P3の裁断位置への搬送が完了し、押さえ処理が完了したら、製本シート束P3を裁断する(S307)。そして、このような製本シート束P3の裁断が終了すると、シート押さえ93によるシート束押さえ処理を解除し(S308)、この後、裁断された製本シート束P3を排出し(S309)、1ジョブの処理を終了する。
次に、ジョブ内のシート押さえ93の起動タイミング時間の算出方法の一例を、図19及び図20を用いて説明する。
なお、図19の(a)はシート押さえ93の起動前の位置(待機位置)を示し、図19の(b)はシート押さえ93の下方の、シート押さえ93によりシート束を押さえる位置であるシート押さえ部への製本シート束の搬送が完了した時点での、シート押さえ93の最適待機位置を示したものである。また、図20は、シート押さえ93の起動タイミング制御を行った場合と行わない場合における、シート裁断装置における搬送、シート押さえ、裁断の処理タイミングを時系列に示したものである。
シート押さえ93の目論見の起動タイミングは、製本シート束P3のシート押さえ部への搬送が完了したときに、すでに図19の(a)の待機位置から起動して動作中であるシート押さえ93が、図19の(b)の最適待機位置に達しているようなタイミングである。
ここで、この図19の(b)の最適待機位置は、シート押さえ93がホームポジションに待機している場合のシート押さえ93の底面とマット94との間のシート受け入れ幅をM、シート束の束厚をH、マージンをKとすると、H+Kの位置である。なお、この位置は、シート束の搬送中であっても、シート押さえ93にシートが衝突するなどといった影響がない位置である。又、束厚Hは、装置本体Aから受信した製本シート束の枚数情報nから算出したものである。
つまり、本実施の形態によれば、シート押さえ部への搬送処理中に予めシート押さえ93を起動し、M−(H+K)だけ下げるようにしている。言い換えれば、起動するタイミングを、製本シート束P3がシート押さえ93により押さえられる位置に搬送される前の、搬送処理中とするようにしている。
ここで、シート押さえ93をM−(H+K)だけ移動するのに要する時間をT2とし、シート押さえ部へのシート束の搬送に要する時間をS1、待機位置(ホームポジション)からシート押さえ完了までに要する時間をT1とすると、シート押さえ93のタイミング制御を実行すると、処理タイミングは図20のようになる。
即ち、シート押さえ処理の起動タイミングは、束搬送完了時点であるS1からではなく、S1よりT2だけ早い(=S1−T2)である束搬送中のS1’となる。そして、このように束搬送を開始してからS1’時間が経過してからシート押さえ93を起動することで、タイミング制御を実行しないときと比べて、裁断完了までに要する合計時間をT2(=S3−S3’)だけ短縮することが可能である。
次に、このT2の算出方法について説明する。
ここで、シート押さえ93の縦方向の移動速度をVとすると、T2は、図19の(b)からも明らかなように、
[M−(H+K)]/V
となる。従って、シート押さえ93の起動タイミングS1’は、
S1−[M−(H+K)]/V
となる。
つまり、シート押さえ93の起動タイミング制御は、搬送整合ユニットCから回転ステージ60へ製本シート束P3が渡され、束搬送が開始してからS1’経過したらシート押さえ93を起動して動作を開始することで、処理時間を短縮する制御方法である。
そして、このように製本シート束P3の厚さ情報に基づいてシート押さえ93の起動タイミングを制御することにより、予め待機位置と押さえ位置との間隔を狭めることができ、これにより製本シート束P3を押さえるための時間を短縮することができ、この結果、生産性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、製本シート束P3の厚さ情報を、装置本体Aから通信装置207を介して枚数情報を受信することで取得したが、他の方法として、製本される前に、搬送されるシートの枚数をカウントして枚数情報を取得する方法や、シートを挟持したときの厚さを可変抵抗や距離検知センサ(光学センサなど)などで検出するシート厚さ検出機構を備え、この機構で厚さを直接検出し、取得する方法もある。
このように、製本シート束P3の厚さ情報の取得方法としては、枚数を検出して算出する方法と、厚さを検出して取得する方法があるが、製本シート束P3の厚さ情報を、どちらか一方の検出手段を備えて取得しても、両方の検出手段を備えて取得してもよい。
又、本実施の形態では、シート押さえ93の起動タイミングを処理枚数に応じて変えたが、これはマット94が固定であるからであり、シート押さえ93の待機位置を変えずに固定すると共にマット94を上下に移動可能とし、マット94のシート押さえ側への起動タイミングを枚数に応じて変えることでも、同様の効果が得られる。
本実施の形態では、シート押さえ93における起動タイミングを最適化したが、他に、面押さえユニット、グリッパユニットなど製本シート束の厚さ方向などへ駆動する他の機構においても、処理シートの厚さに応じて同様にして起動タイミングを最適化することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、シート押さえ93の移動(動作)速度を被裁断シートの厚み・枚数に応じを変えるようにしている。
図21は、トリマーユニットDのシート押さえ93において、移動速度制御を用いた1ジョブの処理手順の一例を示すフローチャートであり、このフローチャートに基づいて移動速度制御を用いた本実施の形態に係る1ジョブにおける処理手順の一例を説明する。
ジョブを開始すると、CPU200は、まず処理対象となるシート束の束厚情報又は枚数情報を取得する(S401)。なお、本実施の形態では、シート束情報の取得として、シート束の枚数情報を、装置本体Aから通信装置207を介してRAM202へ格納するようにしており、CPU200は、ジョブを開始すると、RAM202からシート束枚数情報を取得するようにしている。
次に、シート押さえ93の現在位置を確認し、指定する待機位置にいない場合にはシート押さえ93を指定されたプレス指定位置へ移動させる(S402)。なお、本実施の形態では、プレス指定位置(待機位置)をホームポジションとする。
次に、取得した製本シート束P3の枚数情報に基づいて、シート押さえ93の最適移動速度V1を算出する。(S403)。なお、本実施の形態では、シート押さえ93の移動速度を、V1及びV2の2段階の速度とし、シート押さえ93を起動する際は最適移動速度V1で起動し、途中で最適移動速度V1よりも高速の移動速度V2に切り替える。なお、この動作速度V2は製本シート束P3の枚数に関わらず、モータをフルオンしたときの速度とする。
そして、製本シート束P3がトリマーユニットDへ搬入されると、算出した最適移動速度V1でシート押さえ93を移動する(S404)。この後、シート押さえ93が、既述した参考例の最適待機位置に到達したら(S405のY)、移動速度をV1からV2へ変え(S406)、シート押さえ93の動作を継続して実際の押さえ処理を実行する。
次に、この押さえ処理が完了したら裁断処理を行い(S407)、この後、シート押さえ93の押さえ処理を解除する(S408)。そして、この後、裁断された製本シート束P3を排出し(S409)、1ジョブの処理を終了する。
次に、シート押さえ93の最適移動速度V1の算出方法と動作詳細の一例を、図22及び図23を用いて説明する。
なお、図22の(a)はシート押さえ93の起動前の位置を示し、図22の(b)はシート押さえ部への製本シート束の搬送が完了した時点での、シート押さえ93の最適待機位置を示したものである。また、図23の(a)は、シート裁断装置の搬送、シート押さえ、裁断の処理タイミングを時系列に示したもので、図23の(b)は、シート押さえ動作の速度切り替えのタイミングを示したものである。
シート押さえ93の目論見の最適移動速度V1は、製本シート束P3のシート押さえ部への搬送が完了したときに、すでに図22の(a)の位置から起動して動作中のシート押さえ93が、図22の(b)に示す最適待機位置に達しているような速度である。
ここで、この図22の(b)に示す最適待機位置は、シート押さえ93がホームポジションに待機している場合のシート押さえ93の底面とマット94との間のシート受け入れ幅をM、シート束の束厚をH、マージンをKとすると、H+Kの位置である。この位置は、シート束の搬送中であっても、シート押さえ93にシートが衝突するなどといった影響がない位置である。又、束厚Hは、装置本体Aから受信した製本シート束の枚数情報nから算出したものである。
つまり、本実施の形態によれば、製本シート束P3のシート押さえ部への搬送処理中に予めシート押さえ93を、M−(H+K)だけ下げるようにすることにより、起動するタイミングを搬送処理中とすることが可能である。
なお、シート押さえ93の起動タイミングは、図23の(a)に示すように、搬送処理が完了する時間S1よりT2だけ前のS1’の時点とする。従って、最適移動速度V1は、シート押さえ93が、S1’の時点で起動し、シート束搬送が完了するS1までの間(時間T2)に、M−(H+K)だけ移動するように設定する。これより、最適移動速度V1を算出すると、最適移動速度V1は、[M−(H+K)]/T2となる。
そして、このように最適移動速度V1で起動したシート押さえ93が、図22の(b)の最適待機位置に到達し、同時に搬送動作が完了したら、図23の(b)に示すように、移動速度(プレス速度)をV2に切り替え、押さえ位置まで駆動する。
なお、このシート押さえ93の速度の制御方法は、例えば、駆動源の垂直モータ88に図示しないエンコーダを取り付け、モータ回転中に、CPU200によって検出したクロック数に基づいて垂直モータ88のON時間を増減して行う。
そして、このようにシート束押さえ動作の前に、シート押さえ93を待機位置から最適待機位置に移動させると共に、製本シート束P3の厚さ情報に基づいてシート押さえ93の待機位置から最適待機位置までの移動速度を制御することにより、製本シート束P3を押さえるための時間を短縮することができ、この結果、生産性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、製本シート束P3の厚さ情報を、装置本体Aから通信装置207を介して枚数情報を受信することで取得したが、他の方法として、製本される前に、搬送されるシートの枚数をカウントして枚数情報を取得する方法や、シートを挟持したときの厚さを可変抵抗や距離検知センサ(光学センサなど)などで検出するシート厚さ検出機構を備え、この機構で厚さを直接検出し取得する方法もある。
このように、製本シート束P3の厚さ情報の取得方法としては、枚数を検出して算出する方法と、厚さを検出して取得する方法があるが、製本シート束P3の厚さ情報を、どちらか一方の検出手段を備えて取得しても、両方の検出手段を備えて取得してもよい。
又、本実施の形態では、シート押さえ93の移動速度を処理枚数に応じて変えたが、これは、マット94が固定であるからであり、シート押さえ93の待機位置を変えずに固定すると共にマット94を上下に移動可能とし、マット94のシート押さえ側への移動速度を枚数に応じて変えることでも、同様の効果が得られる。
本実施の形態では、シート押さえ93における動作速度を最適化したが、他に、面押さえユニット、グリッパユニットなど製本シート束の厚さ方向などへ駆動する他の機構においても、処理シートの厚さに応じて同様にして動作速度を最適化することで、同様の効果を得ることができる。