JP4678564B2 - 複層平板カーテンパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一定厚みの空隙層を挟んで向かい合わせに枠体で支持された2枚の平板の間の空隙層に、プリーツを有する遮蔽シートが折襞の長さ方向の直角方向に開閉自在に挟み込まれており、そのプリーツの折襞が真っ直ぐに連続し、折襞ピッチが一定に揃えられている複層平板カーテンパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複層平板カーテンパネルについては、特開平8−312267と特開平2000−310091に記載されており、2枚の平板13・13は枠体12に縁取られて確り支持されている。折襞15・16に平行な遮蔽シート14の片側の端縁23には、その折襞の長さ方向(L)の直角方向に移動する移動縁取り材22が取り付けられている。その移動縁取り材22に平行に向き合う他の片側の端縁24は、枠体12の側枠21に固定されるか又は移動縁取り材(22)が取り付けられる。遮蔽シート14には在来のカーテン布帛が使用されている。複層平板カーテンパネル18には、移動縁取り材22を水平方向に向けて上下に昇降駆動し、遮蔽シートを上下に開閉する上下開閉型と、移動縁取り材22を垂直方向に向けて左右に往復駆動し、遮蔽シートを左右水平方向に開閉する左右開閉型がある。上下開閉型では、自重が作用するので下部に行くにつれて折襞ピッチRや折襞の開き角度δがかわるが、遮蔽シート14の自重が折襞15・16の全長(L)にわたって均等に作用するので、折襞15・16が彎曲することはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
左右開閉型の複層平板カーテンパネルでは、折襞15・16の下側の裾部19に近づくにつれて、遮蔽シート14の自重が大きく作用して裾部19が彎曲し、遮蔽シート14の目付け(自重)が重くなる程その彎曲の度合い(彎曲角度θ)も大きくなる(図5)。そのような彎曲・変形を回避するため、従来の左右開閉型の複層平板カーテンパネルでは、左右に開閉される一般のカーテンと同様に、枠体12の上枠材にカーテンレールを取り付け、それに遮蔽シート14を吊り下げる方式が採用されている。しかし、それではカーテンレールを取り付けた分だけカーテンパネルの開口面積が狭められることになるし、カーテンレールに係止された遮蔽シート14の上縁部分とフリーに垂れ下がった遮蔽シート14の下縁部分の形状が異なるので上下の美的バランスが損なわれて見苦しくなり、又、遮光を目的とした複層平板カーテンパネルでは、遮蔽シート14の上縁とカーテンレールの間の隙間が広がるので、その遮光性が損なわれることにもなる。
【0004】
又、遮蔽シート14には、ドレープ性の高い在来のカーテン布帛が使用されており、移動縁取り材22を移動して開くときは、移動縁取り材22に続く端縁部分(23)が寄せ集められて折り畳まれるが、移動縁取り材22から離れた反対側の端縁部分(24)では折り畳まれず、移動縁取り材22に続く端縁部分(23)の折襞ピッチRや折襞の開き角度δと、移動縁取り材22から離れた反対側の端縁部分(24)の折襞ピッチRや折襞の開き角度δが相異して、遮蔽シート14の左右の美的バランスが損なわれる(図2)。
【0005】
そこで、遮蔽シート14に硬い原布を用いて枠体12の下枠材20に垂直に自立させ、カーテンレールに吊り下げずに済むようにすることを試みた。しかし従来の複層平板カーテンパネルでは、移動縁取り材22に磁性体25を装着し、平板13の外側に磁石26を当てて動かし、その磁力によって移動縁取り材22を移動させており、硬い遮蔽シートではコイルバネの如く移動縁取り材22に作用するので、その遮蔽シートから作用する反力に対抗して移動縁取り材22を移動させることの出来る磁力の大きい磁石26が必要になる。そして、磁石26を使用せずに移動縁取り材22を移動させるには、特別な駆動装置を枠体12に組み込まなければならないが、そうすると枠体12が大仕掛けになり、シンプルで可愛らしく、室内装飾に適した複層平板カーテンパネルは得られなくなる。
【0006】
【発明の目的】
そこで本発明は、左右開閉型の複層平板カーテンパネルにおいて、カーテンレールを用いることなく遮蔽シートを自立させ、その開閉過程において移動縁取り材に続く端縁部分と反対側の端縁部分の間に折襞ピッチや折襞の開き角度の不一致が生ぜず、遮蔽シート全体の折襞ピッチや折襞の開き角度が常に一定に保たれ、更に、磁性体や磁石を用いて移動縁取り材を移動して遮蔽シートをスムーズに開閉操作し得るようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る複層平板カーテンパネルは、(a) 一定厚みAの空隙層11を挟んで向かい合わせに枠体12で支持された2枚の平板13・13の間の空隙層11に、プリーツを有する遮蔽シート14が折襞15・16の長さ方向(L)の直角方向に開閉自在に挟み込まれており、そのプリーツの折襞が真っ直ぐに連続し、その折襞ピッチRが一定に揃えられている複層平板カーテンパネル18において、(b) 遮蔽シート14の折襞山部15(16)の素材構成と折襞間(15・16)の平坦部17の素材構成が同じであり、(c) 遮蔽シート14のJIS−L−1086−45度カンチレバー法に準じて測定される折襞の長さ方向(L)の直角方向における剛軟度(X)と、折襞の長さ方向(L)における剛軟度(Y)と、遮蔽シート14の目付け(M)と、折襞間の平坦部17の幅(プリーツ幅W)と、折襞の長さ方向(L)における遮蔽シートの寸法(プリーツ丈L)によって構成される関係式k=(100×W2 )÷(M×X)と関係式h=(400×M×L)÷(Y)との2つの関係式によって算出されるプリーツ開閉指数(k)が5〜30であり、プリーツ自立指数(h)が1以下であり、(d)空隙層11の厚みAが0.5〜5.0cmであり、折襞間の平坦部17のプリーツ幅Wが空隙層11の厚みAよりも狭く、(e) 2枚の平板の中の少なくとも1枚の平板13が透明又は半透明であることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
遮蔽シート14の原布には、在来のカーテンに使用されている織物、編物、不織布等の布帛の他に、紙やプラスチックフイルム、金属シート(箔)も使用される。又、遮蔽シート14の原布は、プラスチックフイルムや金属シートの表裏に布帛や紙を貼り合わせたもの、布帛や紙の表裏にプラスチックフイルムや金属シートを貼り合わせたもの等、複数層に積層されたものであってもよい。特に、プラスチックフイルムを遮蔽シート14の原布に用いるときは、金属蒸着皮膜やフオトクロミック蒸着皮膜、紫外線遮蔽皮膜等を積層しておくとよい。織物と編物を原布とする場合、織物と編物には、原着ポリエステルマルチフイラメント糸を使用し、その原着(紡糸する繊維原料のポリマーに顔料を配合して着色する)の少なくとも一部の顔料はカーボンブラックとし、又、その紡糸するポリエステル繊維ポリマーには紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤が配合される。
【0009】
本発明において「剛軟度をJIS−L−1086−45度カンチレバー法に準じて測定」とは、JIS−L−1086がドレープ性に富む布帛の試験法を規定したものであり、その試験法を布帛以外の遮蔽シートに使用される原布に適用しようとするとき、原布の中には剛性が高すぎてその試験装置によっては測定し得ないものもあり得るので、その場合には、45度の斜面を有する試験装置(試料戴置台)の斜面を長くして測定することになることを意味する。
【0010】
本発明において「プリーツ」とは、一定の間隔(W)をもって原布が表側と裏側に交互に折り曲げられてセットされ、表裏に平行に続く谷部15と山部16(折襞15・16)が形成されている遮蔽シートの形状を意味し、「プリーツ開閉」とは、プリーツ自立の状態において遮蔽シート14の片側の端縁24を固定し、他の片側の端縁23を水平方向に移動するとき、折襞ピッチRや折襞の開き角度δ、即ち、隣合う折襞の山部15と山部15、或いは、谷部16と谷部16の間が拡縮変動することを意味し、「プリーツ開閉指数」とは、そのプリーツ開閉において遮蔽シート14の全幅にわたって変動する全ての折襞ピッチRや折襞の開き角度δの均等性・バラツキの程度を示す遮蔽シート14の品質特性を意味し、遮蔽シート14の原布のJIS−L−1086−45度カンチレバー法に準じて測定される折襞15・16の長さ方向(L)の直角方向における剛軟度(X)と、遮蔽シート14の目付け(M)と、折襞間の平坦部17の幅(プリーツ幅W)によって構成される関係式k=(100×W2 )÷(M×X)によって算出され、プリーツ開閉指数(k)が5〜30のときは、開閉操作が楽で遮蔽シートがスムーズに開閉され、「プリーツ開閉性あり」と判定される。
【0011】
そのプリーツ開閉指数(k)が30以上であって開閉性の少ない遮蔽シート14は柔らか過ぎ、それを2枚の平板13・13の間の空隙層11に立てかけ、遮蔽シート14の片側の端縁24を固定し、他の片側の端縁23を水平方向に移動するとき、その移動する端縁部分(23)では折襞ピッチRや折襞の開き角度δが変動するが、固定した反対側の端縁部分(24)では折襞ピッチRや折襞の開き角度δが変動せず、その左右の折襞ピッチRや折襞の開き角度δにアンバランスが生じて遮蔽シート14の美観が損なわれる。
【0012】
一方、そのプリーツ開閉指数(k)が5未満であって開閉性の少ない遮蔽シート14は硬過ぎ、遮蔽シート14の片側の端縁24を固定し、他の片側の端縁23を水平方向に移動するとき、遮蔽シート14の全幅にわたって折襞ピッチRや折襞の開き角度δが均等に変動し、その左右の折襞ピッチRや折襞の開き角度δにアンバランスが生ぜず、遮蔽シート14の美観が保たれるものの、遮蔽シート全体14からコイルバネの如く移動を妨げる方向に作用する弾性応力(反力)が生じ、僅かの力で開閉することが困難になり、移動縁取り材22に磁性体25を装着し、平板13の外側に磁石26を当てて動かし、その磁力によって移動縁取り材22を移動させようしとしも、通常の磁石26によっては移動させることは出来ず、多数の磁石(26)や磁性体(25)が必要になり、複層平板カーテンパネルをシンプルにすることは出来ない。
【0013】
「プリーツ自立」とは、折襞間(15・15)の平坦部17のプリーツ幅(W)よりも若干広い間隔をもって垂直に立てかけた2枚の平板の間に、折襞の長さ方向(L)を垂直にして遮蔽シート14を挟み込んだとき、折襞15・16が彎曲したり形崩れすることなく、折襞15・16が真っ直ぐに揃った状態に保たれることを意味する。「プリーツ自立指数」とは、そのプリーツ自立に必要な遮蔽シート14の品質特性を意味し、遮蔽シート14の原布のJIS−L−1086−45度カンチレバー法に準じて測定される折襞15・16の長さ方向(L)における剛軟度(Y)と、遮蔽シート(原布)14の目付け(M)と、折襞15・16の長さ方向(L)における遮蔽シートの寸法(プリーツ丈L)によって構成される関係式(h)=(400×M×L)÷(Y)によって算出され、その指数(h)が1.0以下のときは「自立性あり」と判定される。その自立指数(h)が1.0以上であって自立性の少ない遮蔽シート14では、それを2枚の平板13・13の間の空隙層11に立てかけるとき、その裾部19が彎曲し、下枠材20との接触面積が増え、遮蔽シート14が下枠材20に擦れてスムーズに開閉出来ず、開閉操作に支障を来す。
【0014】
このように本発明は、折襞山部15(16)の素材構成と折襞間(15・16)の平坦部17の素材構成を同じくする遮蔽シート14の折襞15・16の直角方向における剛軟度(X)と、折襞15・16の長さ方向における剛軟度(Y)と、遮蔽シート14の目付け(M)と、プリーツ幅(W)と、プリーツ丈(L)の間に、k=(100×W2 )÷(M×X)、h=(400×M×L)÷(Y)、5≦k≦30、h≦1.0となる関係が成り立つとき、遮蔽シート14のプリーツが均等で美しく、左右に開閉操作し易い複層平板カーテンパネルが得られるとの知見を得て完成された。
【0015】
複層平板カーテンパネル18は、窓ガラスとカーテン布帛を組み合わせた恰好を成すものであるから、ガラスやカーテンの取り付けられる建物や車両等の開口部に取り付けて使用される。従って、平板13は、透明なガラス板や透明なプラスチック板が使用される。しかし、在来のカーテンが、建物の開口部にだけではなく、パーティーションに代わる間仕切りや、開口部のない壁面を装飾するために使用されているのと同じように、複層平板カーテンパネル18もパーティーションや壁面を装飾するためにも使用することが出来る。そのように壁面の装飾に使用される複層平板カーテンパネル18では、遮蔽シート14が室内側に現れればよいので、向き合う2枚の平板13・13の中の室内側に現れる1枚だけを透明にすればよく、室内側に現れない他の1枚の平板13には合板、金属板、石板、その他不透明のプラスチック板等が使用される。
【0016】
遮蔽シートの開閉操作には、公知の操作手段が適用される。しかし、内装材として複層平板カーテンパネルをシンプルで可愛らしい形にするには、上記の通り、磁性体25と磁石26を使用することが望ましい。磁石は、移動縁取り材22に装着することも出来、その場合は、磁性体を平板13の外面に当接して移動し、それによって空隙層内部11の移動縁取り材22を移動することになる。
【0017】
【発明の効果】
上記の通り、本発明によると、カーテンレールを用いることなく遮蔽シートを自立させ、その開閉過程において移動縁取り材に続く端縁部分と反対側の端縁部分の間に折襞ピッチや折襞の開き角度の不一致が生ぜず、遮蔽シート全体の折襞ピッチRや折襞の開き角度δが常に一定に保たれ(図3と図4)、更に、磁性体や磁石を用いて移動縁取り材を移動して遮蔽シートをスムーズに開閉操作し得る複層平板カーテンパネルが得られる。尚、遮蔽シート14を2枚の平板13・13の間の空隙層11に自立させ、カーテンレールやランナー(吊り具)を全く用いず楽にスムーズに開閉出来るようにするには、プリーツ開閉指数(k)を5〜20(5≦k≦20)に、更に好ましくは6〜12(6≦k≦12)に、又、プリーツ自立指数(h)を0.4以下(h≦0.4)にすることが好ましいが、遮蔽シート14の素材(繊維、プラスチック、樹脂)や構造(織編組織、貼合・積層構造、厚み)や製造・加工方法、或いは、複層平板カーテンパネル18(平板13)の大きさ(高さ)によって、プリーツ開閉指数(k)が20〜30(20≦k≦30)となり、プリーツ自立指数(h)が0.4〜1.0(0.4h≦1.0)となるときは、複層平板カーテンパネルの上枠材にカーテンレールを代用し、遮蔽シート14の上縁にランナーを取り付けることも出来る。しかし、その場合でも、そのとき使用するカーテンレールやランナーは補助的なものであり、カーテンレールを在来品に比して極めて細くし、数少ないランナーで対応出来るので、本発明の効果は格別損なわれない。
【0018】
本発明では、そのような複層平板カーテンパネルの美観や開閉操作性が、遮蔽シートの原布の縦横の剛軟度(X・Y)と、遮蔽シートの目付け(M)と、プリーツ幅(W)と、プリーツ丈(L)との関係式k=(100×W2 )÷(M×X)とh=(400×M×L)÷(Y)によって算定されるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)との2つの指数によって特定され、その剛軟度(X・Y)と目付け(M)は遮蔽シートの原布の規格を構成し、プリーツ幅(W)とプリーツ丈(L)は複層平板カーテンパネル18の規格を構成するものであるから、(1) 経糸や緯糸の繊維素材や、太さ、経糸密度、緯糸密度、組織(織組織、編組織)を変える等して種々の原布を用意し、プリーツ幅(W)とプリーツ丈(L)を変える等して遮蔽シート14への使用が予定される種々の原布で複層平板カーテンパネル18を試作し、プリーツ開閉性やプリーツ自立性や開閉操作性を逐一確かめる必要がなく、(2) 遮蔽シート14の原布のプリーツ開閉性やプリーツ自立性や開閉操作性を予め確かめることが出来、(3) それらの特性を欠く原布については、柔軟加工を施したり樹脂加工を施すなどして品質特性を調整することが出来、(4) 遮蔽シート14の原布の選択・選定を誤ることなく、(5) 遮蔽シート14の原布の試作ロスも発生せず、(6) 効率的に複層平板カーテンパネル18を試作し、或いは、設計することが出来、(7)経済的かつ効率的に複層平板カーテンパネル18を得ることが出来る。
【0019】
【実施例1】
経糸を82dtex/72fフルダル・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、緯糸を82dtex/36f黒色原着・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、経糸密度が220本/吋、緯糸密度が102本/吋、目付けが127.3g/m2 の織物をポリエステル樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてボリエステル樹脂が2.7g/m2 付与された総目付け130g/m2 の遮蔽シート原布1を調製した。この遮蔽シート原布1の経糸方向の剛軟度(P)は142.3mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は70.8mmであった。遮蔽シート原布1が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表1に示す通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
表1において、横使い試料とは、遮蔽シート原布を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用することを想定して採取された試験試料を意味する。縦使い試料とは、遮蔽シート原布1を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用することを想定して採取された試験試料を意味する。「プリーツ係数」とはプリーツ開閉指数(k)を計算する上での予備の計算値であり、「自立係数」とはプリーツ自立指数(h)を計算する上での予備の計算値である。プリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)のデータ(数値)に付記した印「●」は不適、印「○」は適、印「◎」は最適を意味する。
【0022】
表1によると、遮蔽シート原布1を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜2.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜1.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布1を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜1.5cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0023】
【実施例2】
経糸を82dtex/72fフルダル・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、緯糸を82dtex/36f黒色原着・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、経糸密度が218本/吋、緯糸密度が101本/吋、目付けが126.7g/m2 の織物をエポキシ樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてエポキシ樹脂が1.3g/m2 付与された総目付け128g/m2 の遮蔽シート原布2を調製した。この遮蔽シート原布2の経糸方向の剛軟度(P)は123.1mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は62.8mmであった。遮蔽シート原布が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表2に示す通りである。
【0024】
【表2】
【0025】
表2において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。表2によると、遮蔽シート原布2を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜2.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜1.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布2を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜1.5cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0026】
【実施例3】
経糸を82dtex/72fフルダル・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、緯糸を82dtex/36f黒色原着・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、経糸密度が210本/吋、緯糸密度が90本/吋、目付けが112.9g/m2 の織物をポリエステル樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてポリエステル樹脂が3.1g/m2 付与された総目付け116g/m2 の遮蔽シート原布3を調製した。この遮蔽シート原布3の経糸方向の剛軟度(P)は132.0mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は62.0mmであった。遮蔽シート原布が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表3に示す通りである。
【0027】
【表3】
【0028】
表3において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。表3によると、遮蔽シート原布3を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜2.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜1.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布3を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0029】
【実施例4】
経糸を82dtex/72fフルダル・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、緯糸を82dtex/36f黒色原着・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、経糸密度が210本/吋、緯糸密度が90本/吋、目付けが112.9g/m2 の織物をポリエステル−ウレタン樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてポリエステル−ウレタン樹脂が2.1g/m2 付与された総目付け115g/m2 の遮蔽シート原布4を調製した。この遮蔽シート原布4の経糸方向の剛軟度(P)は105.0mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は54.0mmであった。遮蔽シート原布が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表4に示す通りである。
【0030】
【表4】
【0031】
表4において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。表4によると、遮蔽シート原布4を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜1.5cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜1.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布4を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0032】
【実施例5】
経糸を82dtex/72fフルダル・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、緯糸を82dtex/36f黒色原着・ポリエステルマルチフイラメント糸とし、経糸密度が210本/吋、緯糸密度が90本/吋、目付けが112.9g/m2 の織物をアクリル樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてアクリル樹脂が5.1g/m2 付与された総目付け118g/m2 の遮蔽シート原布5を調製した。 この遮蔽シート原布5の経糸方向の剛軟度(P)は105.0mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は50.5mmであった。遮蔽シート原布が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表5に示す通りである。
【0033】
【表5】
【0034】
表5において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。「表5によると、遮蔽シート原布5を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜1.5cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜1.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布5を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0035】
【実施例6】
厚み0.05mmのポリエステル樹脂遮光性フィルムの表裏に厚み0.20mmのポリエステル繊維不織布を貼り合わせて総目付け123.1g/m2 の遮蔽シート原布6を調製した。 この遮蔽シート原布6の経糸方向の剛軟度(P)は185.0mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は187.0mmであった。遮蔽シート原布6が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表6に示す通りである。
【0036】
【表6】
【0037】
表6において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。表2によると、遮蔽シート原布6を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.5〜2.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布6を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.5〜2.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0038】
【実施例7】
経糸を82dtex/36fポリエステルマルチフイラメント糸とし、ウェール密度が26本/吋、コース密度が41本/吋、目付けが71.4g/m2 のトリコット経編物をポリエステル樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてアクリル樹脂が11.6g/m2 付与された総目付け83g/m2 の遮蔽シート原布7を調製した。この遮蔽シート原布7のウェール方向の剛軟度(P)は71.1mm、コース方向の剛軟度(Q)は48.9mmであった。遮蔽シート原布が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表7に示す通りである。
【0039】
【表7】
【0040】
表7において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。表7によると、遮蔽シート原布7を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜1.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布7を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を0.5〜1.0cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4m〜2.0mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0041】
【実施例8】
経糸を330dtex/48fポリエステルマルチフイラメント糸とし、緯糸を600dtex/72fポリエステルマルチフイラメント糸とし、経糸密度が46本/吋、緯糸密度が42本/吋、目付けが201.0g/m2 の織物をアクリル樹脂エマルジョン処理液に浸漬、絞液、乾燥、熱セットしてアクリル樹脂が13.3g/m2 付与された総目付け214.3g/m2 の遮蔽シート原布8を調製した。 この遮蔽シート原布8の経糸方向の剛軟度(P)は57.9mm、緯糸方向の剛軟度(Q)は35.0mmであった。遮蔽シート原布が、プリーツ幅(W)が0.5cm、1.0cm、1.5cm、2.0cm、3.0cm(cm)に設定され、プリーツ丈(L)が0.4m、0.6m、1.0m、1.5m、2.0mに設定される複層平板カーテンパネルの遮蔽シートに適するか否かを、それらの各規格におけるプリーツ開閉指数(k)とプリーツ自立指数(h)によって調べた結果は、次の表8に示す通りである。
【0042】
【表8】
【0043】
表8において「横使い試料」、「縦使い試料」、「プリーツ係数」、「自立係数」、「●」と「○」と「◎」の各印の意味は、上記実施例1の場合と同様である。表8によると、遮蔽シート原布8を、その横幅方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜1.5cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られることになる。遮蔽シート原布8を、その長さ方向を折襞の長さ方向に向けて遮蔽シートに使用する場合、プリーツ幅(W)を1.0〜1.5cmに設定し、プリーツ丈(L)を0.4〜0.7mに設定すると開閉特性と自立特性のよい遮蔽シートが得られる。
【0044】
【実施例9】
上記実施例1〜8の遮蔽シート原布1〜8を、それぞれの横幅方向を折襞の長さ方向に向け、それぞれプリーツ幅(W)を0.9cmに設定し、プリーツ丈(L)が1.0mの遮蔽シートを作成し、その一端縁23に磁性体25を装着した移動縁取り材22を取り付け、厚み12mmの空隙層11を間に挟んで向かい合わせに枠体12で支持された2枚のガラス平板13・13の間の空隙層11に挟み込み、移動縁取り材22の反対側の端縁24を枠体12の側枠21に固定して8枚の複層平板カーテンパネルを作成した。
【0045】
それら8枚の複層平板カーテンパネル18につき、10名のパネラーが磁石26を用いて移動縁取り材22を移動し遮蔽シート11を開閉し、その開閉操作特性と、プリーツ外観特性(折襞ピッチRと折襞の開き角度δのバラツキ具合、および、折襞15・16の直線状態)について官能試験したところ、次の表9に示す結果を得た。
【0046】
表9において、開閉操作特性についての官能評価の「◎」は、操作がとても軽く、移動縁取り材22を途中で止めても遮蔽シート11(折襞15・16)に挙動が全く認められない、「○」は、操作は軽く感じられるが、何れかの折襞15(16)と折襞15(16)に挙動にぎこちなさが感じられる、「●」は、全ての折襞15(16)が同じように移動縁取り材22に追随せず、移動縁取り材22を止めても、何れかの折襞15(16)に振動が感じられる、又は、操作が重く感じられ、移動縁取り材22を止めても、全体の折襞15(16)に振動が認められる状態を表す。
【0047】
表9において、プリーツ外観特性についての官能評価の「◎」は、折襞ピッチRと折襞の開き角度δにバラツキがなく、折襞15・16が真っ直ぐに見える、「○」は、一部に折襞ピッチRと折襞の開き角度δのバラツキが微かに感じられ、折襞15・16も若干曲がっているようにも見受けられる、「●」は、折襞ピッチRと折襞の開き角度δに明らかなバラツキが認められ、折襞15・16に若干の曲折が認められる、又は、折襞ピッチRと折襞の開き角度δにバラツキがかなり認められ、折襞15・16も乱れている状態を表す。
【0048】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複層平板カーテンパネルの斜視図であり、その一部を円で囲んで拡大して図示している。
【図2】従来の複層平板カーテンパネルの断面図である。
【図3】本発明に係る複層平板カーテンパネルの断面図である。
【図4】本発明に係る複層平板カーテンパネルの要部斜視図である。
【図5】従来の複層平板カーテンパネルの要部斜視図である。
【符号の説明】
11 空隙層
12 枠体
13 平板
14 遮蔽シート
15・16 折襞
17 平板部
18 カーテンパネル
19 裾部
20 下枠材
21 側枠
22 移動縁取り材
23・24 端縁
25 磁性体
26 磁石
L プリーツ丈
W プリーツ幅
R 折襞ピッチ
A 空隙層の厚み
θ 彎曲角度
δ 折襞の開き角度
Claims (1)
- (a) 一定厚みAの空隙層(11)を挟んで向かい合わせに枠体(12)で支持された2枚の平板(13・13)の間の空隙層(11)に、プリーツを有する遮蔽シート(14)が折襞(15・16)の長さ方向(L)の直角方向に開閉自在に挟み込まれており、そのプリーツの折襞(15・16)が真っ直ぐに連続し、その折襞ピッチ(R)が一定に揃えられている複層平板カーテンパネル(18)において、(b) 遮蔽シート(14)の折襞山部( 15・16)の素材構成と折襞間(15・16)の平坦部(17)の素材構成が同じであり、(c) 遮蔽シート(14)のJIS−L−1086−45度カンチレバー法に準じて測定される折襞(15・16)の長さ方向(L)の直角方向における剛軟度(X)と、折襞(15・16)の長さ方向(L)における剛軟度(Y)と、遮蔽シート(14)の目付け(M)と、折襞間の平坦部(17)の幅(プリーツ幅W)と、折襞(15・16)の長さ方向(L)における遮蔽シートの寸法(プリーツ丈L)によって構成される関係式k=(100×W2 )÷(M×X)と関係式h=(400×M×L)÷(Y)との2つの関係式によって算出されるプリーツ開閉指数(k)が5〜30であり、プリーツ自立指数(h)が1以下であり、(d) 空隙層(11)の厚み(A)が0.5〜5.0cmであり、折襞間の平坦部(17)のプリーツ幅(W)が空隙層(11)の厚み(A)よりも狭く、(e) 2枚の平板(13・13)の中の少なくとも1枚の平板(13)が透明又は半透明である複層平板カーテンパネル。
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