JP4677667B2 - 黒鉛化装置および黒鉛化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、黒鉛粉末を製造するための黒鉛化装置および黒鉛化方法に関し、特に、炭素粉粒体を加熱して黒鉛粉末を製造する黒鉛化装置および黒鉛化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、黒鉛粉末を工業的に製造する方法としては、カーボン粉末等の炭素粉粒体(原料粉末)を、例えば不活性雰囲気下において約3000℃以上に加熱処理することにより黒鉛化する方法が知られている。このように黒鉛化する装置としては、炭素粉粒体に通電して発生するジュール熱によって原料粉末を間接的に加熱して黒鉛化するアチソン炉が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の黒鉛化装置および黒鉛化方法には、以下のような問題が存在する。
炭素粉粒体に対する加熱は通電により行われるため、炭素粉粒体には導電性が必要である。ところが、炭素粉粒体は1000〜1200℃の温度で導電性を発現するが、650℃以下の温度で供給されるため、加熱に必要なジュール熱が充分得られないという問題があった。
【0004】
また、炉内において炭素粉粒体は電極で通電されて加熱されるため、電極周辺にメタンや水素等のガスが発生し、電極周りの状態(嵩比重、押圧力、電気伝導性、熱伝導性等)が変化し、安定した操業(通電加熱コントロール)ができないという問題もあった。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、ジュール熱が充分得ることができ、安定した操業を実施可能な黒鉛化装置および黒鉛化方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の黒鉛化装置は、供給された炭素粉粒体を加熱して黒鉛化する黒鉛化炉を有する黒鉛化装置であって、前記黒鉛化炉に、前記炭素粉粒体を予備加熱する予備加熱装置が設けられ、前記予備加熱装置は、鉛直方向に延在して配置される管体と、水平方向に延在し前記管体の内部空間に配置される複数の発熱体とを有し、水平方向に互いに間隔をあけて平行に配置された複数の前記発熱体により発熱体群が形成され、前記発熱体群は、前記鉛直方向に沿って複数段設けられるとともに、隣り合う段で前記発熱体の延在方向が平面視で交差して配置され、前記複数の発熱体間の隙間に予備加熱領域が形成されることを特徴とするものである。
前記発熱体群としては、隣り合う段で前記発熱体の延在方向が互いに直交する平面視格子状に配置される構成を採ることができる。
【0007】
従って、本発明の黒鉛化装置では、予備加熱することで予め炭素粉粒体から余分なガスを抜くことができる。そのため、黒鉛化炉で炭素粉粒体から発生するガスの量を抑制することができ、安定した操業が可能になる。また、予備加熱温度を調整することで、炭素粉粒体に導電性を持たせることが可能になるため、黒鉛化炉で充分なジュール熱を得ることができる。
【0008】
請求項2記載の黒鉛化装置は、請求項1記載の黒鉛化装置において、前記予備加熱装置は、前記炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温度に予備加熱し、且つ前記黒鉛化炉の上部に設けられることを特徴とするものである。
【0009】
従って、本発明の黒鉛化装置では、炭素粉粒体を700℃以上の温度で加熱することで、予め余分なガスを発生させておくことができる。また、炭素粉粒体を1500℃以下の温度で加熱することで、アルミナ系等の安価な耐火材を使用することができ、設備コストを抑制することができる。また、本発明の黒鉛化装置では、予備加熱装置を黒鉛化炉の上部に設けることで予備加熱した炭素粉粒体を自重により連続して黒鉛化炉に供給することができる。
【0010】
請求項3記載の黒鉛化装置は、請求項1または2記載の黒鉛化装置において、前記黒鉛化炉の黒鉛化領域と、前記予備加熱装置の加熱領域とが隣接配置されていることを特徴とするものである。
【0011】
従って、本発明の黒鉛化装置では、予備加熱した炭素粉粒体が黒鉛化領域に到達するまでの時間を最短にすることができ、炭素粉粒体の温度低下を抑制することができる。また、黒鉛化領域で発生した廃熱または熱伝導による熱を加熱領域において容易に利用することができる。
【0012】
請求項4記載の黒鉛化装置は、請求項1から3のいずれかに記載の黒鉛化装置において、前記予備加熱装置には、前記炭素粉粒体から発生したガスを排気する排気部が設けられることを特徴とするものである。
【0013】
従って、本発明の黒鉛化装置では、予備加熱した際に発生するガスまたは黒鉛化炉で発生したガスを排出することができる。
【0014】
本発明の黒鉛化方法は、黒鉛化炉に炭素粉粒体を供給した後に、該炭素粉粒体を加熱して黒鉛化する黒鉛化方法であって、鉛直方向に延在して配置される管体と、水平方向に延在し前記管体の内部空間に配置される複数の発熱体とを設け、水平方向に互いに間隔をあけて平行に配置した複数の前記発熱体により発熱体群を形成し、前記発熱体群を、前記鉛直方向に沿って複数段設けるとともに、隣り合う段で前記発熱体の延在方向を平面視で交差させて配置し、前記複数の発熱体間の隙間に予備加熱領域を形成し、前記予備加熱領域で前記炭素粉粒体を予備加熱することを特徴とするものである。
【0015】
従って、本発明の黒鉛化方法では、予備加熱することで予め炭素粉粒体から余分なガスを抜くことができる。そのため、黒鉛化炉で炭素粉粒体から発生するガスの量を抑制することができ、安定した操業が可能になる。また、予備加熱温度を調整することで、炭素粉粒体に導電性を持たせることが可能になるため、黒鉛化炉で充分なジュール熱を得ることができる。また、本発明の黒鉛化方法では、炭素粉粒体を700℃以上の温度で加熱することで、予め余分なガスを発生させておくことができる。また、炭素粉粒体を1500℃以下の温度で加熱することで、アルミナ系等の安価な耐火材を使用することができ、設備コストを抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の黒鉛化装置および黒鉛化方法の第1の実施の形態を、図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明に係る黒鉛化装置1を示す断面図である。この黒鉛化装置1は、竪型構造を有する黒鉛化炉(黒鉛化電気炉)2と、黒鉛化炉2に原料粉末として炭素粉粒体を供給する供給装置3と、黒鉛化炉2に設けられた予備加熱装置4とを主体として構成されている。
【0017】
黒鉛化炉2の炉本体5には、下部に管状部材8を介して黒鉛粉末の回収手段9が接続され、対向する側壁にそれぞれ電極6、7が取り付けられている。電極6、7は、直流または交流の電源(図示せず)に接続されている。なお、この電極6、7間が炭素粉粒体を黒鉛化するための黒鉛化領域10とされている。また、炉本体5は、冷却効率を高めるために下部の形状が下方に向かうに従い絞るように形成されている。
【0018】
供給装置3は、受入ホッパー11、12、フィーダー13とから概略構成されている。受入ホッパー11には、供給ポンプ等により炭素粉粒体が供給される供給管14と、バルブ15が介装されバグフィルターに接続された配管16とが接続されている。また、受入ホッパー11の下方には、バルブ17を介して受入ホッパー12が接続されている。受入ホッパー12には、バルブ18が介装されアルゴンガスを供給する配管19と、一端がバルブ21を介して吸気管20に接続された配管33とが接続され、受入ホッパー12の下方にはバルブ22を介してフィーダー13が接続されている。
【0019】
予備加熱装置4は、黒鉛化炉2の上部に設けられており、炉本体5の上端に一体的に取り付けられた予熱ホッパー23と、予熱ホッパー23内に鉛直方向に吊設された発熱体24とを主体として構成されている。また、予熱ホッパー23には、天板23aとの間に隙間27をあけて断熱用ブランケット25が装填されている。この天板23aには、隙間27に開口するように吸気管(排気部)20と排気管(排気部)26とが接続されている。吸気管20には、ロータリーポンプ等の吸引ポンプ(図示せず)が接続されている。
【0020】
ブランケット25の中心部には、円筒状の断熱材28を介してグラファイト管29が鉛直方向に沿って固定されており、グラファイト管29の内部空間は下端が炉本体5内に連通し、上端が上記隙間27に連通している。図2に示すように、グラファイト管29の内側には、内周面と離間して複数(図では4つ)の発熱体24が互いに間隔をあけて環状配置されている。発熱体24は、石英管30内にヒータエレメント31が封入されたものである。このグラファイト管29の内周面と発熱体24(石英管30)との間の空間が炭層粉粒体に対する加熱領域32となる。図1に示すように、この加熱領域32は、炉本体5内の黒鉛化領域10の上方に隣接して配置されている。また、加熱領域32の上方にはフィーダー13から炭素粉粒体が供給される構成になっている。
【0021】
なお、ヒータエレメント31は、黒鉛化炉2の電極6、7の上端から100mm以上離間して配置され、通電加熱ガスによるバブリングの影響(押圧力、嵩比重の変化等)を受けない構成になっている。
【0022】
上記の構成の黒鉛化装置により炭素粉粒体を黒鉛化する手順を説明する。
まず、バルブ15を開き、バルブ17を閉じた状態で供給管14を介して受入ホッパー11に炭素粉粒体11を供給する。次に、バルブ22を閉じた状態でバルブ17を開き炭素粉粒体を受入ホッパー12に移す。そして、バルブ17を閉じた状態でバルブ18、21を開いて、配管33、吸気管20を介して受入ホッパー12内を吸気するとともに、配管19からアルゴンガスを導入する。これにより、受入ホッパー12内のエアがアルゴンガスに置換される。
【0023】
続いて、バルブ18、21を閉じるとともにバルブ22を開いて、フィーダ13により炭素粉粒体を加熱領域32の上方に連続的(または定期断続的)に供給する。供給された炭素粉粒体は、加熱領域32を自重および供給圧により下方に移動しながら発熱体24で徐々に加熱される。このように、黒鉛化領域10に到達する前に、炭素粉粒体を700〜1500℃の温度に予備加熱する。特に、本実施の形態では、加熱領域32が黒鉛化領域10の上方に隣接配置されているので、黒鉛化領域10で生じた熱が熱伝導や輻射で伝わり、効率的に炭素粉粒体を加熱することができる。
【0024】
ここで、炭素粉粒体を700℃以上に加熱することにより、炭素粉粒体からメタンや水素等の余分なガスを発生させることができる。発生したガスは、隙間27から吸気管20(および排気管26)を介して排気される。また、炭素粉粒体を加熱しても1500℃以下に抑えることにより、アルミナ系等の安価な耐火材を使用することができ、設備コストを抑制することができる。
【0025】
そして、電極6、7間に通電する(例えば50V、1000A)ことにより、炭素粉粒体は固有抵抗に応じたジュール熱で自ら発熱して約2500℃〜3500℃の黒鉛化領域10を形成し、この領域の炭素粉粒体を黒鉛化する。なお、炉本体5に投入された炭素粉粒体は、予備加熱装置4で導電性をもつ温度まで予備加熱されているため、支障なく通電されて発熱することができる。
【0026】
黒鉛化領域10で適正に黒鉛化された炭素粉粒体、すなわち所望の温度領域で加熱処理された黒鉛粉末は、管状部材8の取入口8aから回収手段9に送られて回収される。なお、この取入口8aの位置は、黒鉛粉末を効率よく取り出すことを目的として、炭素粉粒体の安息角を考慮した、黒鉛化領域10の直下に配置される。
【0027】
本実施の形態の黒鉛化装置および黒鉛化方法では、炉本体5に投入する前に炭素粉粒体を予備加熱して予め脱ガスしているので、炉本体5内で黒鉛化する際に発生するガスを減少させることができる。そのため、ガス発生に起因して電極6、7周りの状態が変化することを防止でき、安定した操業を実施することができる。また、炭素粉粒体を700℃以上に予備加熱することで、脱ガスを確実に行うことができるので、より安定した操業を連続的に実施することができる。しかも、予備加熱装置4に吸気管20、排気管26を接続してあるので、予備加熱(および黒鉛化)で発生したガスも確実、且つ容易に除去することができ、ガスが炉本体5内に回り込み電極周りの状態の外乱となることを未然に防ぐことができる。加えて、予備加熱することで、炭素粉粒体に導電性を発現させることができ、炉本体5内の加熱に必要なジュール熱を充分得ることもできる。
【0028】
さらに、本実施の形態では、加熱領域32と黒鉛化領域10とを隣接配置しているので、黒鉛化領域10で発生した熱を熱伝導や輻射により予備加熱においても利用することができ、投与したエネルギーの有効利用も実現し、装置の操業コストを削減することも可能である。また、これらの領域10、32が隣接することで、温度低下を招くことなく、予備加熱した炭素粉粒体を炉本体5に連続的に投入できるという効果も得られる。
【0029】
しかも、本実施の形態では、予備加熱装置4を黒鉛化炉2の上部に設けているので、炭素粉粒体が自重および供給圧で移動する間に予備加熱することができ、炭素粉粒体を炉本体5内に導く機構を別途設ける必要がなくなり、装置の小型化、低価格化にも寄与できる。また、本実施の形態では、炭素粉粒体に対する予備加熱を1500℃以下とすることで、アルミナ系等の安価な耐火材を使用することができ、設備コストを抑制することもできる。
【0030】
図3および図4は、本発明の黒鉛化装置および黒鉛化方法の第2の実施の形態を示す図である。これらの図において、図1および図2に示す第1の実施の形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、予備加熱領域の構成である。
【0031】
図3に示すように、ブランケット25の中心部には、断熱材28が鉛直方向に沿って嵌合固定されている。図4に示すように、断熱材28は、断面視ロ字状を呈しており、その内部空間28aの中心部には左右方向両側に隙間をあけてグラファイト管29が鉛直方向に沿って固定されている。グラファイト管29は、断面視ロ字状を呈しており、その内部空間が炉本体5内の黒鉛化領域10に連通する加熱領域32となっている。グラファイト管29の上端には、上方に向けて拡径し、隙間27に開口する取入口29aが設けられている(図3参照)。この取入口29aは、炭素粉粒体が投入される投入口34の直下に配置されている。
【0032】
また、断熱材28の内部空間28aには、グラファイト管29を挟んで板状の発熱体24、24が断熱材28およびグラファイト管29に間隔をあけて鉛直方向に沿って配設されている。他の構成は、ほぼ上記第1の実施の形態と同様である。
【0033】
本実施の形態の黒鉛化装置1では、投入口34から投入された炭素粉粒体は、取入口29aからグラファイト管29の加熱領域32に導入される。そして、加熱領域32を自重および供給圧で下方に移動する間に炭素粉粒体は、グラファイト管29を介して発熱体24、24が発する熱で徐々に予備加熱されるため、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
図5は、本発明の黒鉛化装置および黒鉛化方法の第3の実施の形態を示す図である。この図において、図1および図2に示す第1の実施の形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第3の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、発熱体および排気口の構成である。
【0035】
図5に示すように、予備加熱装置4の予熱ホッパー23内には、筒状の断熱材28が鉛直方向に沿って配設され、断熱材28の内周面にはグラファイト管29が固定されている。そして、この加熱領域32には、断熱材28およびグラファイト管29には、水平方向に伸びる発熱体24が鉛直方向に沿って複数段(図では6段)配置されている。
【0036】
図6に示すように、断熱材28およびグラファイト管29は双方とも断面視ロ字状を呈しており、発熱体24はこのロ字の各辺に平行に配置されている。これを詳述すると、発熱体24は、各段において互いに一定の間隔をあけて複数(図では5本)平行に、且つ隣り合う段が互いに直交するように、平面視格子状に配置されている。そして、これら複数の発熱体24間の隙間が加熱領域32とされる。
【0037】
グラファイト管29の下端は炉本体5内に露出しており、上端は上方に向かうに従って縮径するとともに、排気管26(または吸気管20)に接続されている。そして、この縮径部分にフィーダー13を介して炭素粉粒体が投入される投入口34が接続されている。
【0038】
上記の構成の黒鉛化装置1では、投入口34から投入された炭素粉粒体は、グラファイト管29内に導入され、自重および供給圧で下方に移動しながら発熱体24間の加熱領域32で予備加熱された後に、黒鉛化炉2で黒鉛化される。また、予備加熱工程で発生したガスは上方に立ち昇って、そのまま排気管26(または吸気管20)から排出される。
【0039】
本実施の形態の黒鉛化装置および黒鉛化方法では、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られることに加えて、発熱体24に対する炭素粉粒体の接触面積が大きくなるため、より効率的に炭素粉粒体を予備加熱することができる。また、排気管26(または吸気管20)が加熱領域32の真上に設けられているので、発生した余分なガスが抜けやすく、より早く脱ガスを実行できる。
【0040】
なお、本発明に係る予備加熱装置としては、上記実施の形態の構成に限定されるものではなく、例えば供給装置3から供給された炭素粉粒体をキルン炉35で予備加熱した後に黒鉛化炉2で黒鉛化する構成としてもよい。この場合、キルン炉35における予備加熱で発生したガスを排出するための排気部として、排気管36を設けることが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る黒鉛化装置は、予備加熱装置が炭素粉粒体を予備加熱する構成となっている。
これにより、この黒鉛化装置では、ガス発生に起因して電極周りの状態が変化することを防止して安定した操業を連続的に実施できるとともに、炭素粉粒体に導電性を発現させて加熱に必要なジュール熱が充分得られるという効果を奏する。
【0042】
請求項2に係る黒鉛化装置は、予備加熱装置が炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温度に予備加熱し、且つ黒鉛化炉の上部に設けられる構成となっている。
これにより、この黒鉛化装置では、脱ガスを確実に行うことができ、より安定した操業を連続的に実施できるとともに、黒鉛化炉に連続的に直接通電が可能な導電性を持った炭素粉粒体を供給し、ランニングコストを低減できるという効果が得られる。また、炭素粉粒体が自重で移動する間に予備加熱することができ、炭素粉粒体を黒鉛化炉に導く機構を別途設ける必要がなくなり、装置の小型化、低価格化に寄与できるという効果も得られる。
【0043】
請求項3に係る黒鉛化装置は、黒鉛化領域と加熱領域とが隣接配置される構成となっている。
これにより、この黒鉛化装置では、黒鉛化領域で発生した熱を予備加熱においても利用することができ、投与したエネルギーの有効利用も実現し、装置の操業コストを削減できるとともに、温度低下を招くことなく、予備加熱した炭素粉粒体を黒鉛化炉に連続的に投入できるという効果が得られる。
【0044】
請求項4に係る黒鉛化装置は、炭素粉粒体から発生したガスを排気する排気部が設けられる構成となっている。
これにより、この黒鉛化装置では、ガスが黒鉛化炉に回り込み電極周りの状態の外乱となることを未然に防げるという効果が得られる。
【0045】
請求項5に係る黒鉛化方法は、炭素粉粒体を炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温度に予備加熱して黒鉛化炉に供給する手順となっている。
これにより、この黒鉛化方法では、ガス発生に起因して電極周りの状態が変化することを防止して安定した操業を連続的に実施できるとともに、炭素粉粒体に導電性を発現させて加熱に必要なジュール熱が充分得られるという効果を奏する。また、黒鉛化炉に連続的に直接通電が可能な導電性を持った炭素粉粒体を供給し、ランニングコストを低減できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す図であって、予備加熱装置を有する黒鉛化装置の概略構成図である。
【図2】 同予備加熱装置の要部の断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態における黒鉛化装置の概略構成図である。
【図4】 図3における予備加熱装置の要部の断面図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態における黒鉛化装置の概略構成図である。
【図6】 図5における予備加熱装置の要部の断面図である。
【図7】 別の実施の形態における予備加熱装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 黒鉛化装置
2 黒鉛化炉(黒鉛化電気炉)
4 予備加熱装置
10 黒鉛化領域
20 吸気管(排気部)
26 排気管(排気部)

Claims (8)

  1. 供給された炭素粉粒体を加熱して黒鉛化する黒鉛化炉を有する黒鉛化装置であって、
    前記黒鉛化炉に、前記炭素粉粒体を予備加熱する予備加熱装置が設けられ
    前記予備加熱装置は、鉛直方向に延在して配置される管体と、水平方向に延在し前記管体の内部空間に配置される複数の発熱体とを有し、
    水平方向に互いに間隔をあけて平行に配置された複数の前記発熱体により発熱体群が形成され、
    前記発熱体群は、前記鉛直方向に沿って複数段設けられるとともに、隣り合う段で前記発熱体の延在方向が平面視で交差して配置され、
    前記複数の発熱体間の隙間に予備加熱領域が形成されることを特徴とする黒鉛化装置。
  2. 請求項1記載の黒鉛化装置において、
    前記発熱体群は、隣り合う段で前記発熱体の延在方向が互いに直交する平面視格子状に配置されていることを特徴とする黒鉛化装置。
  3. 請求項1または2記載の黒鉛化装置において、
    前記予備加熱装置は、前記炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温度に予備加熱し、且つ前記黒鉛化炉の上部に設けられることを特徴とする黒鉛化装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の黒鉛化装置において、
    前記黒鉛化炉の黒鉛化領域と、前記予備加熱装置の加熱領域とが隣接配置されていることを特徴とする黒鉛化装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の黒鉛化装置において、
    前記予備加熱装置には、前記炭素粉粒体から発生したガスを排気する排気部が設けられることを特徴とする黒鉛化装置。
  6. 黒鉛化炉に炭素粉粒体を供給した後に、該炭素粉粒体を加熱して黒鉛化する黒鉛化方法であって、
    鉛直方向に延在して配置される管体と、水平方向に延在し前記管体の内部空間に配置される複数の発熱体とを設け、
    水平方向に互いに間隔をあけて平行に配置した複数の前記発熱体により発熱体群を形成し、
    前記発熱体群を、前記鉛直方向に沿って複数段設けるとともに、隣り合う段で前記発熱体の延在方向を平面視で交差させて配置し、前記複数の発熱体間の隙間に予備加熱領域を形成し、
    前記予備加熱領域で前記炭素粉粒体を予備加熱することを特徴とする黒鉛化方法。
  7. 請求項6記載の黒鉛化方法において、
    前記発熱体群を、隣り合う段で前記発熱体の延在方向が互いに直交する平面視格子状に配置することを特徴とする黒鉛化方法。
  8. 請求項6または7記載の黒鉛化方法において、
    前記炭素粉粒体を700℃以上、且つ1500℃以下の温度に予備加熱した状態で前記黒鉛化炉に供給することを特徴とする黒鉛化方法。
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