JP4676223B2 - トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
しかし、この特許文献1に記載のトナーの製造方法によっても、帯電制御剤、及びワックス等の充分な均一分散、均一付着を実現することは困難であり、その現像性能は寿命等において十分満足できるものではなかった。
<1> 少なくとも樹脂微粒子を含むトナー母体粒子を製造するトナー母体粒子製造工程と、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて前記トナー母体粒子の表面にトナー機能性物質を付着乃至被覆させて被覆層を形成する被覆層形成工程とを含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
<2> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、トナー母体粒子を溶解させることなく、トナー機能性物質を溶解可能である前記<1>に記載のトナーの製造方法である。
<3> 被覆層の形成が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されているトナー機能性物質を析出させることにより行われる前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<4> 被覆層の形成が、トナー母体粒子の表面における一部及び全部のいずれかに対して行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<5> 被覆層形成工程は、トナー機能性物質が樹脂であり、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかと、トナー母体粒子と、樹脂とを接触させて樹脂被覆層を形成する樹脂被覆層形成工程を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<6> 被覆層形成工程は、トナー機能性物質が帯電制御剤であり、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかと、トナー母体粒子と、帯電制御剤とを接触させて帯電制御剤被覆層を形成する帯電制御剤被覆層形成工程を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<7> 被覆層形成工程は、トナー機能性物質が離型剤であり、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかと、トナー母体粒子と、離型剤とを接触させて離型剤被覆層を形成する離型剤被覆層形成工程を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<8> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<9> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<10> 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、エントレーナーを含む前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<11> エントレーナーの含有量が、0.1〜10質量%である前記<10>に記載のトナーの製造方法である。
<12> エントレーナーが、極性有機溶媒である前記<10>から<11>のいずれかに記載のトナーの製造方法である。
<13> 前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されることを特徴とするトナーである。
<14> 前記<13>に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<15> 前記<13>に記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<16> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<13>に記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<17> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<13>に記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<18> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<13>に記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明のトナーの製造方法は、トナー母体粒子製造工程と、被覆層形成工程とを含み、更に必要に応じて、適宜選択したその他の工程を含む。
前記被覆層形成工程は、樹脂被覆層形成工程、帯電制御剤被覆層形成工程、及び離型剤被覆層形成工程の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
本発明のトナーは、本発明の前記トナーの製造方法により得られる。
以下、本発明のトナーの製造方法の説明を通じて、本発明のトナーの詳細についても明らかにする。
前記トナー母体粒子製造工程は、少なくとも樹脂微粒子を含むトナー母体粒子を製造する工程である。なお、本発明においては、「トナー母体粒子」とは、最終的なトナー以外を広く含み、樹脂微粒子そのものは勿論、樹脂微粒子に帯電制御剤被覆層、離型剤被覆層、樹脂被覆層、及びその他の層の少なくとも1つが形成されたものも含む概念である。
また前記トナーは、前記粉砕法、重合法の他、マイクロカプセル化法(スプレードライ法、コアセルベーション法等)などにより製造されてもよい。
前記樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
また、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合等によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合樹脂、熱硬化性樹脂、などで形成された樹脂微粒子は粒径分布がシャープであり好適である。これらの中でも、分散重合で得られた樹脂微粒子は、更に粒径がシャープであるため、好適である。また、トナーに低温定着性を付与するなら、ポリエステル系樹脂やポリオール系樹脂からなる樹脂微粒子を選択することができる。つまり、狙いとするトナー母体粒子の設計に併せて樹脂選択を行うことができる。
まず、親水性有機液体に、該親水性有機液体に溶解する高分子化合物分散剤を加え、これに該親水性液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性液体には膨潤されるかほとんど溶解しない。これに1種又は2種以上のビニルモノマーを加えて粒子を形成する。あらかじめ、目的の粒子径よりは小さいが粒度分布の狭い重合体を利用して上述の系にて成長させる反応も含まれる。成長反応に利用するモノマーは種粒子を製造したものと同じモノマーでもまた、別のモノマーでもよいが、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。このような方法により得られた重合体分散液は、次の被覆層形成工程において、そのまま使用することができ、製造工程の簡素化に寄与する。
前記有機液体としては、例えば、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ等のケトン類;ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セルソルブアセテート等のエステル類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン等の硫黄、窒素含有有機化合物類;水、などが挙げられる。
前記親水性有機液体を主体とした溶媒にSO4 2−、NO2 -、PO4 3-、Cl-、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態で重合を行ってもよい。また、重合開始時と重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ生成する重合体粒子の平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件などを調節することができる。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤;ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオクトエート、過硫酸カリウム等のような過酸化物系重合開始剤、あるいはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミン等を併用した系などが用いられている。
前記重合開始剤の添加量は、ビニルモノマー100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。重合は親水性有機液体に高分子分散剤を完全に溶解した後、1種又は2種以上のビニルモノマー、重合開始剤等を添加し、反応槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の分散速度に対応した温度に加熱して行う。なお、重合初期の温度が生成する粒子径に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を少量の溶媒に溶かして投入した方が好ましい。
前記樹脂微粒子の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が更に好ましい。前記質量平均分子量が1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径としては、3〜12μmが好ましく、4〜8μmがより好ましい。
前記被覆層形成工程は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて前記トナー母体粒子の表面にトナー機能性物質を付着乃至被覆させて被覆層を形成する工程である。
前記超臨界流体とは、気体と液体の中間的な性質を持ち、物質移動や熱移動が早く、粘度が低いなどの性質を有すると共に、温度、圧力を変化させことによって、その密度、誘電率、溶解度パラメータ、自由体積などを連続的に大きく変化させることができる流体を意味する。更に、前記超臨界流体は、有機溶媒と比べて極めて小さな界面張力のため、微少な起伏(表面)であっても追随し、超臨界流体で濡らすことができる。
前記超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度、臨界圧力が低いものが好ましく、また、前記亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度及び圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記超臨界流体又は前記亜臨界流体は、1種単独で単体として使用してもよいし、2種以上を併用して混合物として使用してもよい。
前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、トナー母体粒子を溶解させることなく、トナー機能性物質を溶解可能であることが好ましい。
そして、被覆層の形成が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されているトナー機能性物質を析出させることにより行われることが好ましい。
前記被覆層の形成は、超臨界流体中で溶質としてのトナー機能性物質の溶解度(温度、圧力で制御)を制御し、トナー母体粒子の表面(樹脂微粒子の表面)に均一な被覆層の形成(析出)を行うことが可能である。具体的には、トナー母体粒子(樹脂微粒子)が溶解しない条件でトナー機能性物質を溶解又は微分散した後、減圧することで、トナー機能性物質を樹脂微粒子の表面に析出、固定化させて均一な被覆層の形成を行う。
また、超臨界流体は、目的生成物との分離も容易であり、回収再利用ができることから、溶媒を使用しない低環境負荷の画期的な製法が実現できる。
また、前記超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかとエントレーナーとの混合流体におけるエントレーナーの含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、エントレーナーとしての効果が得られ難くなることがあり、10質量%を超えると、エントレーナーの液体としての性質が強くなりすぎ、超臨界乃至は亜臨界状態が得られにくくなることがある。
前記樹脂被覆層を形成するための被覆樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂;ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記被覆樹脂の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー母体粒子100質量部に対し1〜300質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。
前記ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。
前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。
前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などが挙げられる。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナー母体粒子に添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,100,102,103,105)、C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)、C.I.SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143.145,146,149,150,151,157,158)、C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)、C.I.SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,191,194,195,104)、C.I.SOLVENT GREEN(24,25)、C.I.SOLVENT BROWN(3,9)などが挙げられる。
また、市販染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保土ケ谷化学社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8;BASF社製のSudan染料Yellow−146,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670;三菱化成社製のダイアレジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−A;オリエント化学工業社製のオイルカラーYEllow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308,Red−5B,Brown−GR,#416、Green−BG、#502、Blue−BOS、IIN、Black−HBB,#803,EB,EX;住友化学工業社製のスミプラストブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC;日本化薬社製のカヤロンポリエステルブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブルーA−2R、等を使用することができる。
ここで、前記被覆層の形成に用いられる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記トナー母体粒子に被覆層形成処理を施すための耐圧容器と、前記超臨界流体を供給する加圧ポンプと、を備えた装置が好適に挙げられる。該装置を用いた処理方法としては、まず、前記耐圧容器に前記トナー母体粒子を仕込み、該耐圧容器内に、加圧ポンプにより前記超臨界流体を供給し、前記トナー母体粒子に前記超臨界流体を接触させて、被覆層形成用材料(離型剤、樹脂、帯電制御剤など)を前記トナー母体粒子表面に析出させ、該帯電制御剤を含む超臨界流体を排出する。そして、前記超臨界流体を、常温及び常圧下に戻すと、該超臨界流体が気体となるため、溶媒の除去が不要となる他、従来必要とされていたトナー母体粒子表面の洗浄で生ずる廃水が不要となり、環境への負荷が低減される。
具体的には、前記被覆層の形成を行う温度としては、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。前記温度が60℃を超えると、トナー母体粒子が溶解することがある。
超臨界流体とするガスとして二酸化炭素(CO2)を用いた。被覆層形成材料としての環状構造を有するオレフィン系重合体を反応容器9内に投入し、トナー母体粒子としての樹脂微粒子を投入した。
反応容器9内の圧力が7.3MPa以上にて、反応容器9内は超臨界状態となる。また、各バルブ5、7を調整して反応容器9内の圧力を20MPaに設定し、反応容器9内の、環状構造を有するオレフィン系重合体を溶解させた状態に設定した。この状態で、バルブ5、7を閉じ、反応容器9内の溶解状態を120分間維持し、超臨界流体を十分拡散、回流させた。その後、バルブ6を開き、反応容器内の圧力を10MPaに調整し、そのまま60分維持した。その後、再度高圧ポンプ側から二酸化炭素ガスを導入し反応容器内の圧力を10MPaに保ちながら二酸化炭素の導入を続けた。このとき上記混合溶液に含まれている超臨界流体二酸化炭素と、超臨界二酸化炭素中に溶解させた環状構造を有するオレフィン系重合体は、図示していない回収機構により回収され、さらに図示していない分別装置により二酸化炭素と環状構造を有するオレフィン系共重合体とに互いに分離され、それぞれ再利用される。
前記画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
前記画像濃度は、例えば、imagio Neo 450(株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の6箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定し、その平均値を算出することにより、測定することができる。
前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法などにより計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)等を用いて計測することができる。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリアなどの適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記感光体101としては、後述する画像形成装置と同様のものを用いることができる。
前記帯電手段102としては、任意の帯電部材が用いられる。
前記露光手段103としては、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置120においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
<トナー母体粒子1の調製>
−コア用重合性単量体の調製−
スチレン80質量部、及びn−ブチルアクリレート20質量部からなるコア用重合性単量体(得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)=55℃(計算値))と、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25B)7質量部と、帯電制御剤(保土ヶ谷化学社製、商品名:スピロンブラックTRH)1質量部と、ジビニルベンゼン0.3質量部と、ターシャルドデシルメルカプタン0.8質量部と、ペンタエリスリトールテトラステアレート(ステアリン酸:純度約60%)10質量部と、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(Dシェル・MS社製、商品名:FT−100、融点92℃)2質量部とを、高剪断力で混合可能なホモミキサー(特殊機化工社製、TK式)により、11000rpmの回転数で攪拌、混合して均一分散を行い、コア用重合性単量体組成物(混合液)を調製した。
メチルメタクリレート(ガラス転移温度(Tg)=105℃(計算値))5質量部と、水100質量部と、を超音波乳化機(特殊機化社製、TKホモミキサー)を用いて微分散化処理を行い、シェル用重合性単量体の水分散液を調製した。
イオン交換水250質量部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.8質量部を溶解して得られた水溶液に、イオン交換水50質量部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.9質量部を溶解して得られた水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性金属化合物のコロイド)分散液を調製した。
得られたコア・シェル型重合体粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500質量部を加えて再スラリー化し、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰返し、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で一昼夜乾燥を行い、トナー母体粒子1(樹脂微粒子1)を得た。
得られたトナー母体粒子1(樹脂微粒子1)10gと、被覆層を形成する材料として帯電制御剤(クラリアントジャパン製、Copy Charge PSY)1gと、を処理セルに充填し、助溶媒としてエタノール(純度99.5%以上)100mlを加えた。次いで、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、該二酸化炭素を供給ボンベにより前記処理セル内に供給すると共に、上限圧力を圧力弁で調節し、温度制御器により313.15±0.5Kに制御した。なお、保護管は350.15±0.5Kに制御した。
処理を行う系を閉状態(例えば、全てのバルブを閉じた状態)に保持し、処理セルへ二酸化炭素ガスを送った(例えば、二酸化炭素ガスを送るバルブを開け、二酸化炭素ガスを送った)。引き続き、二酸化炭素ガスを送り、前記系(処理セル内)が操作圧力になるまで加圧した。該処理セル内を攪拌モーターにより攪拌し、デジタル回転表示計により攪拌シャフトの回転速度を調整し、流量5.0L/min(標準状態換算値)、70℃、40.52MPa(400気圧)、5時間の処理条件で、超臨界状態の前記二酸化炭素を流通させ、トナーの表面に前記帯電制御剤による被覆層を形成し、トナー1を作製した。なお、被覆層の形成は30分間行った。
なお、このようにして得られたトナーにおいては、乾燥処理、洗浄処理などが不要であり、また、被覆層形成工程後は超臨界流体の入った反応容器を減圧することにより、二酸化炭素を脱気するだけで、処理が完了する。このため、極めて短時間で効率的にトナーを製造することができ、廃液の処理等も不必要となり、環境への負荷が低減される。
−比較トナー1の作製−
実施例1において、被覆層形成工程を行わない以外は、実施例1と同様にして、比較トナー1を作製した。
次に、得られたトナー1及び比較トナー1をそれぞれ100質量部に対し、疎水化処理が施された体積平均粒子径12nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「NA50H」)0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて表面処理を行い、現像剤1(正帯電)及び比較現像剤2(正帯電)を作製した。
得られた実施例1及び比較例1の各現像剤について、非磁性一成分現像方式レーザープリンター(京セラミタ社製、DP−560)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、前記複写紙8000枚に対して、繰り返し行った。得られたベタ画像の画像濃度を、初期及び8000枚耐久後について、目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
なお、得られた画像濃度が高い程、高濃度の画像が形成できる。この評価は本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
○:初期及び8000枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた。
△:8000枚耐久後において、やや画像濃度が低下し、画質が低下した。
×:8000枚耐久後において、著しく画像濃度低下し、画質が大きく低下した。
前記画像形成後において、感光体への各現像剤の融着を、目視により観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:現像剤の感光体への融着が認められなかった。
×:現像剤の感光体への融着が認められた。
各現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求めた。なお、現像剤濃度は4.5〜5.5質量%に調整した。
上記諸特性の評価結果から、総合的に判断して、下記基準で評価した。
○:良好
×:不良(実使用不能)
3 加圧ポンプ
5、7、8 バルブ
9 反応容器
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (15)
- 少なくとも樹脂微粒子を含むトナー母体粒子を水系媒体中で造粒して製造するトナー母体粒子製造工程と、該トナー母体粒子を溶解させることのない超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかを用いて前記トナー母体粒子の表面に帯電制御剤からなる被覆層を形成する帯電制御剤被覆層形成工程と、を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、トナー母体粒子を溶解させることなく、帯電制御剤を溶解可能である請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 帯電制御剤被覆層の形成が、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかに溶解されている帯電制御剤を析出させることにより行われる請求項1から2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 帯電制御剤被覆層の形成が、トナー母体粒子の表面における一部及び全部のいずれかに対して行われる請求項1から3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、単体及び混合物のいずれかである請求項1から4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、少なくとも二酸化炭素を含む請求項1から5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 超臨界流体及び亜臨界流体の少なくともいずれかが、エントレーナーを含む請求項1から6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- エントレーナーの含有量が、0.1〜10質量%である請求項7に記載のトナーの製造方法。
- エントレーナーが、極性有機溶媒である請求項7から8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 請求項1から9のいずれかに記載のトナーの製造方法により製造されるトナーであって、体積平均粒径が0.900〜0.980であり、(体積平均粒径/個数平均粒径)が1.00〜1.25であることを特徴とするトナー。
- 請求項10に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 請求項10に記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器。
- 静電潜像担持体と、請求項10に記載のトナーが充填されてなるトナー入り容器を少なくとも有する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成し、請求項10に記載のトナーが充填されてなるトナー入り容器を少なくとも有する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項10に記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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