JP4675743B2 - 無線lanスループット測定装置および無線lanスループット測定方法 - Google Patents
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Description
そのため、無線LAN基地局装置を設置する上で、各無線LAN機器のスループットを考慮したシステム設計ということが重要であるが、無線LANの普及に伴い無線LAN機器も多種多様であって、各無線LAN機器に対応するのは非常に困難である。そこで、無線LANシステムの送信レート毎のスループット測定が重要となる。
従来のスループット測定方法は、ネットワーク上に測定用のサーバを設置し、あるサイズのデータを取得するのに要する時間を測定することでスループットの測定を行っている。(下記、非特許文献1参照)
しかしながら、この方法では各送信レートにおけるスループットの測定は困難である。
加藤,大倉,中岡,他「ホットスポットネットワークにおけるストリーミングサービスのユーザレベルQoSに関する研究」,ソフトピアジャパン共同研究報告書 Vo1.7, 2003)。
さらに、IPネットワーク上で通信を行う必要があるため、IPアドレスやサブネットマスクなどの設定が必要であるだけでなく、SSIDやWEP Keyなどの無線LANの設定も必要である。そのため、多種多様な設置環境に応じて全ての設定変更を必要とし、時間とコストがかかるという問題があった。
また、無線LANシステムは、自動送信レート制御機能(フォールバック機能)を備えるが、その制御方法はメーカー依存であるため、無線LAN機器によって大きくスループット特性が異なることがある。
そのため、フォールバック機能に依存しない各送信レートにおけるスループット測定が重要となるが、従来技術では各送信レートにおけるスループットの測定は困難であり、多種多様な無線LAN機器への対応が困難である。
さらに、一般に、無線LANシステムでは、パケットサイズが大きい方がスループット特性が良くなることが知られている。しかしながら、FTPなどの実際のアプリケーションでは、パケットサイズが一定しないことが多く、アプリケーションごとにスループット特性が異なるため、多種多様なアプリケーションに応じたスループット測定が困難であった。そのため、パケットサイズを一定化したスループット測定が重要となる。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
本発明の無線LANスループット測定装置は、プローブ要求信号生成手段を用いて任意のサイズのプローブ要求信号を生成し、送信レート設定手段で設定した送信レートで、当該生成したプローブ要求信号を無線LAN基地局装置に対して送受信手段を用いて送信する。
このとき、プローブ要求信号の送信にエラーが発生した場合はプローブ要求信号の再送が行われるが、その再送分を含めて送信したプローブ要求信号数を送信プローブ要求信号数カウント手段でカウントする。
無線LAN基地局装置では、エラーなくプローブ要求信号を受信した際にはAck信号を送信元である無線LANスループット測定装置に送信する。
無線LANスループット測定装置では、受信したAck信号数をAck数カウント手段でカウントし、送信プローブ要求信号数とAck信号数からフレームエラーレート取得手段を用いてフレームエラーレートを計算する。
無線LANシステムでは、プローブ要求信号のサイズと送信レートが分かればスループットの理論値は計算可能である。さらに、この理論値とフレームエラーレートが分かればスループットの推定が可能である。
本発明の無線LANスループット測定装置では、前述したようにフレームエラーレートの測定が可能であり、プローブ要求信号のサイズと送信レートも設定可能であるため、測定を行った場所における設定送信レートでのスループットの測定が可能である。
また、無線LAN基地局装置は、特に、IPネットワークに接続されている必要はなく、IP設定が不要であり、無線LAN基地局装置に対してエラーなくプローブ要求信号を送信できさえすれば無線LANシステムの仕様にしたがって、無線LAN基地局装置は即座にAck信号を返信するため、無線LANシステムのSSIDやWEP Keyなどの設定も不要である。
さらに、プローブ要求信号は任意に生成することが可能であるため、プローブ要求信号のサイズや生成周期を調整することで、IP電話や動画ストリーミングのパケットを擬似することも可能となり、用途に応じたスループットの測定も可能である。
本発明によれば、無線LANシステムにおいて容易にスループットを測定することが可能であり、測定時間の短縮とコストの削減が可能である。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
図1は、本発明の参考例である実施例1の無線LANスループット測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の無線LANスループット測定装置10は、無線LAN基地局装置1と無線通信が可能であり、無線LANスループット測定装置10は、送受信手段11と、パケット生成手段12と、送信レート設定手段13と、送信パケット数カウント手段14と、Ack数カウント手段15と、フレームエラーレート取得手段16と、スループット取得手段17とから構成される。
パケット生成手段12は、任意のサイズのパケットを生成する。送受信手段11は、無線LAN基地局装置1との無線接続を確立し、パケット生成手段12で生成されたパケットを無線LAN基地局装置1に対して送信し、当該送信したパケットに対する前記無線LAN基地局装置1からのAck信号を受信し、さらに、無線LAN基地局装置1からAck信号を受信しないパケットを、無線LAN基地局装置1からAck信号を受信するか、あるいは、再送回数制限に達するまで、無線LAN基地局装置1に対して再送する。
送信レート設定手段13は、パケットを送信する際に無線LANシステムが備える自動送信レート制御機能(フォールバック機能)をオフにして送信レートを固定値に設定する。
送信パケット数カウント手段14は、送信したパケット数を再送分を含めてカウントする。Ack数カウント手段15は、無線LAN基地局装置1からのAck信号を送受信手段11において受信した際に、そのAck信号数をカウントする。
フレームエラーレート取得手段16は、送信パケット数カウント手段14を用いてカウントした送信パケット数と、Ack数カウント手段15を用いてカウントしたAck信号数とからフレームエラーレートを計算する。
スループット取得手段17は、送信レート設定手段13で設定された送信レートと、パケット生成手段12で生成されたパケットのサイズと、フレームエラーレート取得手段16で得られたフレームエラーレートからスループットを推定する。
まず、パケットサイズ(P)および送信レート(R)を設定する(ステップS1、ステップS2)。そして、その設定にしたがって、無線LAN基地局装置1に対してパケットを送信し、送信パケット数をインクリメントする(ステップS3)。
この送信したパケットに対して、無線LAN基地局装置1から送信されるAck信号の受信があれば、Ack信号数をインクリメントし(ステップS4)、Ack信号の受信がなければパケットの再送を行い、送信パケット数をインクリメントし、Ack信号の受信があるか、あるいは、再送回数制限に達するまで再送を繰り返す(ステップS5)。
前述のステップS3からステップS5を測定終了まで繰り返す。
測定終了後は、送信パケット数とAck信号数からフレームエラーレート(FER)を、下記(1)式で計算する(ステップS6)。
〔数1〕 FER=1−(a/n) ・・・・・・・・・・・・・・・ (1)
ここで、nは送信パケット数、aは受信したAck信号数である。
そして、設定したパケットサイズおよび送信レートからスループットの理論値(S=F(P,R))を取得する(ステップS7)。
最後に、スループットの理論値(S)とフレームエラーレート(FER)を用い、下記(2)式より、スループット(T)を推定する(ステップS8)。
〔数2〕 T=S×(1−FER) ・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
そして、送信レート(R)とパケットサイズ(P)が分かっていれば、関数S=F(P,R)で表されるスループットの理論値は計算可能である。なお、図3に、無線LANシステムにIEEE 802.11bを採用した場合で、パケットサイズ1500Byteのときの各送信レートにおけるスループットの理論値を一例として示す。
したがって、フレームエラーレート(FER)さえ分かれば、前述の(2)式より、スループット(T)を推定することができる。
さらに、本実施例では、送信レート(R)とパケットサイズ(P)が一定の条件下での測定可能であるため、多種多様な無線LAN機器、および多種多様なアプリケーションに応じたスループット特性の推定も可能である。
また、本実施例では、無線LAN基地局装置1は、特に、IPネットワークに接続されている必要はないのでIP設定が不要であり、無線LANスループット測定装置10の送信するパケットも任意のものでよく、無線LAN基地局装置1にエラーなく送信できさえすれば、無線LANシステムの仕様にしたがって、無線LAN基地局装置1は即座にAck信号を返信するため、無線LANシステムのSSIDやWEP Keyなどの設定も不要である。
さらに、パケットサイズや生成周期を調整することで、IP電話や動画ストリーミングのパケットを擬似することも可能となり、用途に応じたスループットの測定も可能である。
図4は、本発明の実施例2の無線LANスループット測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施例の無線LANスループット測定装置10は、任意のパケットではなく無線LAN制御信号(例えば、プローブ要求)を利用する。
そのため、本実施例の無線LANスループット測定装置10では、前述の実施例のパケット生成手段12に代えて、任意のサイズの制御信号を生成する制御信号生成手段22が設けられる。同様に、送信パケット数カウント手段14に代えて、送信制御信号数カウント手段24が設けられる。
無線LANシステムは、電波状況に応じて自動的に伝送レートを変更する機能(フォールバック機能)を有するが、プローブ要求には、この機能は適用されず、プローブ要求を利用することで伝送レートを固定化することが可能となる。そのため、送信レート設定手段13は、フォールバック機能をオフにする機能が不要になる。
まず、制御信号パケットサイズ(C)および送信レート(R)を設定する(ステップS11、ステップS12)。そして、その設定にしたがって、無線LAN基地局装置1に対して制御信号を送信し、送信制御信号数をインクリメントする(ステップS13)。
この送信した制御信号に対して、無線LAN基地局装置1から送信されるAck信号の受信があれば、Ack信号数をインクリメントし(ステップS14)、Ack信号の受信がなければ制御信号の再送を行い、送信制御信号数をインクリメントし、Ack信号の受信があるか、あるいは、再送回数制限に達するまで再送を繰り返す(ステップS15)。
前述のステップS13からステップS15を測定終了まで繰り返す。
測定終了後は、送信制御信号数とAck信号数からフレームエラーレート(FER)を、下記(3)式で計算する(ステップS16)。
〔数3〕 FER=1−(a/m) ・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)
ここで、mは送信制御信号数、aは受信したAck信号数である。
そして、設定した制御信号サイズおよび送信レートからスループットの理論値(S=F(C,R))を取得する(ステップS17)。
最後に、スループットの理論値(S)とフレームエラーレート(FER)を用い、前述の(2)式を用いて、スループット(T)を推定する(ステップS18)。
このように、本実施例でも、前述の実施例と同様に、測定を行った場所における設定送信レートでのスループットの測定が可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、前述の実施例は、全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することが出来る。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 無線LANスループット測定装置
11 送受信手段
12 パケット生成手段
13 送信レート設定手段
14 送信パケット数カウント手段
15 Ack数カウント手段
16 フレームエラーレート取得手段
17 スループット取得手段
22 制御信号生成手段
24 送信制御信号数カウント手段
Claims (2)
- 無線LAN基地局装置によって構成される無線LANネットワークのスループットを測定する無線LANスループット測定装置であって、
無線LANシステムで定義された、任意のサイズのプローブ要求信号を生成するプローブ要求信号生成手段と、
前記無線LAN基地局装置との間で無線接続を確立し、前記プローブ要求信号生成手段で生成されたプローブ要求信号を前記無線LAN基地局装置に対して送信し、当該送信したプローブ要求信号に対する前記無線LAN基地局装置からのAck信号を受信するとともに、前記無線LAN基地局装置からAck信号を受信しないプローブ要求信号を、前記無線LAN基地局装置からAck信号を受信するか、あるいは、再送回数制限に達するまで、前記無線LAN基地局装置に対して再送する送受信手段と、
前記送受信手段を用いてプローブ要求信号を送信する際に、その送信レートを設定する送信レート設定手段と、
前記送受信手段を用いて送信したプローブ要求信号数を、再送分を含めてカウントする送信プローブ要求信号数カウント手段と、
前記送受信手段で受信した前記無線LAN基地局装置からのAck信号数をカウントするAck数カウント手段と、
前記送信プローブ要求信号数カウント手段から得られる送信プローブ要求信号数と、前記Ack数カウント手段から得られるAck信号数とからフレームエラーレートを計算するフレームエラーレート取得手段と、
前記プローブ要求信号生成手段で設定したプローブ要求信号のサイズと、前記送信レート設定手段で設定した送信レートとから計算されるスループットの理論値に、前記フレームエラーレート取得手段から得られたフレームエラーレートを乗じた値を用いて、スループットを推定するスループット取得手段と
を有することを特徴とする無線LANスループット測定装置。 - 無線LAN基地局装置によって構成される無線LANネットワークのスループットを測定する無線LANスループット測定方法であって、
無線LANスループット測定装置が、無線LANシステムで定義されたプローブ要求信号のサイズと、送信レートとを設定するステップ1と、
前記ステップ1で設定したサイズのプローブ要求信号を生成するステップ2と、
前記生成したプローブ要求信号を、前記ステップ1で設定した送信レートで前記無線LAN基地局装置に対して送信し、当該送信したプローブ要求信号に対する前記無線LAN基地局装置からのAck信号を受信するステップ3と、
前記ステップ3において、前記無線LAN基地局装置からAck信号を受信しないプローブ要求信号を、前記無線LAN基地局装置からAck信号を受信するか、あるいは、再送回数制限に達するまで、前記ステップ1で設定した送信レートで前記無線LAN基地局装置に対して再送するステップ4と、
前記無線LAN基地局装置に送信したプローブ要求信号数を、再送分を含めてカウントするステップ5と、
前記無線LAN基地局装置から受信したAck信号数をカウントするステップ6と、
前記ステップ5で得られた送信プローブ要求信号数と、前記ステップ6で得られたAck信号数からフレームエラーレートを計算するステップ7と、
前記ステップ1で設定したプローブ要求信号のサイズと送信レートとから計算されるスループットの理論値に、前記ステップ7で得られたフレームエラーレートを乗じた値を用いて、スループットを推定するステップ8と
を有することを特徴とする無線LANスループット測定方法。
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